JP2006292661A - 超微細構造体のx線迅速構造解析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
サブnmから数10nmの厚さの表面結晶層、あるいは、薄膜結晶の結晶構造、結晶ドメインサイズ、および、方位の異なる複数の結晶ドメインが存在する場合のドメインの割合を迅速に解析するための装置である。
【解決手段】
試料の表面とX線のなす角を制御する入射角変更機構、その機構の高さを調節する台、試料の高さを調節する台、2次元検出器、2次元検出器用の支持台、および試料ホルダから構成される超微細構造体のX線迅速構造解析装置。
【選択図】 図3
サブnmから数10nmの厚さの表面結晶層、あるいは、薄膜結晶の結晶構造、結晶ドメインサイズ、および、方位の異なる複数の結晶ドメインが存在する場合のドメインの割合を迅速に解析するための装置である。
【解決手段】
試料の表面とX線のなす角を制御する入射角変更機構、その機構の高さを調節する台、試料の高さを調節する台、2次元検出器、2次元検出器用の支持台、および試料ホルダから構成される超微細構造体のX線迅速構造解析装置。
【選択図】 図3
Description
本発明は 効率や感度がきわめて高い半導体素子、センサ、発光素子、触媒、化学反応集積マイクロチップ媒体、DNAデバイス担持体、マイクロ燃料電池用素子としての使用が期待される超微細ワイヤ状構造、薄膜、超微細ナノチャンネル、溶液中の電極などの超微細構造体の構造情報やそれらの基板材料の構造情報を迅速に得る装置に関する。
超微細構造体の構造情報やそれらの基板材料の構造情報を得るには、2種類の代表的な従来技術がある。それぞれ、走査型表面プローブ顕微鏡(SPM)法、X線回折(XRD)法である。
SPM法は、物質表面の凹凸情報から、超微細構造体の形状に関する情報を得ることができる一方、本発明によって得られる結晶構造などに関する情報を得ることはできない。また、埋もれた超微細構造体に関しては、SPM法では知見を得ることができない。他方、表面あるいは界面に形成された超微細構造体の結晶構造情報を得るには、現状では、複雑な装置と比較的長い測定時間を必要とするXRD法が用いられている。
XRD法は、超微細構造体からのブラッグ回折を起こすよう試料の角度を入射X線ビームに対して精密に調節し、かつ、X線検出器を生じる回折X線の方位に調節することが、要求される。その実現のため、複数(通常4軸以上)の回転軸を有する回折計(多軸回折計)と試料の粗調節用台が必要である。構造モデルなどの結晶構造情報を得るには、1個のブラッグ回折だけを測定するのではなく、独立な数10から数100個のブラッグ回折点とその周辺を測定することが必要と信じられている。つまり、試料、および、検出器を適切な方位、位置に調節し、ブラッグ回折位置を中心に試料をロッキングさせ、回折強度データを収集する。独立な数10から数100個のブラッグ回折の位置でその過程を繰り返す。
入射、回折X線の実空間における方向とその強度を議論する場合、それぞれの方向が完全に一致する逆格子空間(図1及び2参照)という概念を用いるのが便利である。対象が結晶の場合、ブラッグ回折条件は一般に3次元的に周期的に配列する点(逆格子点)をなす。この空間内に、入射X線の波数ベクトルの終点が逆格子の原点を通り、その始点を中心に半径(1/L)の球(エバルト球:図1及び2参照)を描く。対象は弾性散乱であるので、Lは入射X線、および、回折X線の波長の長さである。ブラッグ回折現象を起こすことは、そのエバルト球と逆格子点を交差するように、試料の方位を調節することに対応する。入射X線、回折X線をベクトルで表現すると、入射X線の終点を逆格子の原点におき、その方位調節の結果、エバルト球と交差した逆格子点を終点とし、入射X線ベクトルの始点から生じるベクトルが回折X線のベクトルである。
従来の装置は、逆格子点1個ずつを対象として、試料方位を調節し、その生じる逆格子点のまわりの回折強度を測定する装置である。このように、方位調節が必要で、さらに結晶学的な構造情報を得るため複数の逆格子点周りのX線回折強度を測定する手順を踏むため、それに応じた時間と装置が必要となる。従来法の特徴は、逆格子空間内に分布するX線回折強度を”しらみつぶし”に測定すると、イメージできる。また、その”しらみつぶし”測定が終わるまで、その回折強度分布の全体像はわかりにくく、それなりの時間を要する。
著者名 O. Sakata, M. Takata, H. Suematsu, A. Matsuda, S. Akiba, A. Sasaki, and M. Yoshimoto論文名 High-energy x-ray scattering in grazing incidence from nanometer-scale oxide wires発行所 the American Institute of Physics雑誌名 Applied Physics Letters巻名 84年 2004年ページ 4239-4241. 著者名 O. Sakata, A. Kitano, W. Yashiro, K. Sakamoto, K. Miki, A. Matsuda, W. Hara, S. Akiba, and M. Yoshimoto論文名 Reciprocal -lattice space imaging of x-ray intensities diffracted from nanowires発行所 the Materials Research Society雑誌名 Material Research Society Symposium Proceedings巻名 840年 2005年ページ Q6.4.1-Q6.4.6.
従来の装置は、逆格子点1個ずつを対象として、試料方位を調節し、その生じる逆格子点のまわりの回折強度を測定する装置である。このように、方位調節が必要で、さらに結晶学的な構造情報を得るため複数の逆格子点周りのX線回折強度を測定する手順を踏むため、それに応じた時間と装置が必要となる。従来法の特徴は、逆格子空間内に分布するX線回折強度を”しらみつぶし”に測定すると、イメージできる。また、その”しらみつぶし”測定が終わるまで、その回折強度分布の全体像はわかりにくく、それなりの時間を要する。
著者名 O. Sakata, M. Takata, H. Suematsu, A. Matsuda, S. Akiba, A. Sasaki, and M. Yoshimoto論文名 High-energy x-ray scattering in grazing incidence from nanometer-scale oxide wires発行所 the American Institute of Physics雑誌名 Applied Physics Letters巻名 84年 2004年ページ 4239-4241. 著者名 O. Sakata, A. Kitano, W. Yashiro, K. Sakamoto, K. Miki, A. Matsuda, W. Hara, S. Akiba, and M. Yoshimoto論文名 Reciprocal -lattice space imaging of x-ray intensities diffracted from nanowires発行所 the Materials Research Society雑誌名 Material Research Society Symposium Proceedings巻名 840年 2005年ページ Q6.4.1-Q6.4.6.
本発明の課題は、特願2004-144473号(超微細構造体のX線迅速構造解析方法)に記述された方法を実現する装置を発明することである。すなわち、その装置に要求されることは、基板表面上、あるいは、界面(たとえば、基板とキャップ層に挟まれた埋もれた界面や溶液と結晶の界面など)に存在する超微細ナノワイヤの結晶性の有無、結晶構造、結晶子寸法(結晶ドメインサイズ、コリレーション長)、その超微細構造体の基板結晶に対する方位、さらに、その超微細構造体が周期的に配列する場合、その周期を迅速に解析するための装置である。
また、本発明の装置は、数nmから数10nmの厚さの薄膜結晶の結晶構造、結晶ドメインサイズ、および、方位の異なる複数の結晶ドメインが存在する場合のドメインの割合を迅速に解析するための装置である。
本発明は、表面、あるいは、界面に存在する超微細構造体の結晶学的構造情報(結晶性の有無、結晶構造、結晶子寸法、コリレーション長、基板に対する方位、さらに、その超微細構造体が周期的に配列する場合、その周期)を迅速に得ることを目的とする。
超微細構造体がワイヤ形状の場合、結晶性超微細構造体から生じるブラッグ回折条件が逆格子空間でシート(有限の面積をもつ平面)形状であり、また、超微細構造体が薄膜形状の場合、その回折条件はロッド(有限の長さを有する棒)形状である。これらの独特な形状に着目することによって、波長0.1 nm(ナノ メータ)以下の単色高エネルギーX線を用い、超微細構造体からの逆格子空間X線強度の全体像を試料を回転せずに一度の測定で得られる特徴を、本発明の装置は有する。
本発明の構造解析装置は、上述のシート、あるいは、ロッド形状のブラッグ回折条件と、エバルト球(入射X線の波数ベクトルの終点が逆格子の原点を通り、その始点を中心に、入射X線の波長の逆数の半径を有する球)の交線、あるいは、交点を回折像として可視化することを特徴とする。
その目的達成のため、入射X線として0.1 nm以下の短波長X線を用い、超微細構造体から生じる回折像を2次元検出器に記録する。この際、試料、検出器の方位を調節する複雑な装置、機構を用いず、試料、検出器とも回転しない。図3に示されるように、試料の表面とX線のなす角を制御する入射角変更機構、その機構の高さを調節する台、試料の高さを調節する台、2次元検出器用の支持台、2次元検出器、および、試料ホルダから、本発明の装置は構成される。そのなす角度の精度は試料の全反射臨界角度程度以下が必要である。また、試料高さ調節の精度・再現性は、0.1ミリメータ以下であった。さらに必要に応じて、試料表面法線周りの回転機構、2方向の試料移動台を追加できる。
本発明の装置は、迅速解析の実現のため、回折強度分布の全体像を試料を回転せずに一度の測定で得られることができる装置であり、従来の装置が必要とする、複雑な装置、機構を用いない装置である。つまり、本発明の装置は本測定において、従来の装置が必要とした試料方位調節のための回転機構などの複雑な機構を必要としない。
実際に作成し、特願2004-144473号の明細書に記載の実施例で用いた装置が有した機能を以下、例として、記述する。
試料の表面とX線のなす角を制御する回転機構の角度精度は0.0004 度/パルス、ストロークはプラス・マイナス5度であった。入射角変更機構用の高さ調節台の精度は1ミクロン/パルス、ストロークはプラス・マイナス50 mmであった。試料高さの調節台の精度は0.1 ミクロン/パルス、ストロークはプラス・マイナス5mmであった。
試料の表面とX線のなす角を制御する回転機構の角度精度は0.0004 度/パルス、ストロークはプラス・マイナス5度であった。入射角変更機構用の高さ調節台の精度は1ミクロン/パルス、ストロークはプラス・マイナス50 mmであった。試料高さの調節台の精度は0.1 ミクロン/パルス、ストロークはプラス・マイナス5mmであった。
2次元検出器は、試料位置を中心として鉛直軸(図3:試料表面法線周りの回転機構)まわり、または、水平軸周りの円筒内に取り付けて使用する(回転軸を中心に360度の範囲のどの角度位置も取り付く)。さらに、平面型2次元検出器の場合、任意の位置に置いて用いる。さらに必要に応じて、試料表面法線周りの回転機構、2方向の試料移動台を追加できる特徴を有する。円筒型2次元検出器(写真の青色)を鉛直軸周りに取り付けたホルダにマウントした場合を図3に示した。
本発明の装置においては、試料は、試料ホルダに載置され、試料高さ調節台により上下動させることができ、又試料移動台を操作することにより水平方向にも移動させることもできる。この試料に照射されるX線は、入射角変更機構に備えられた回転操作により、例えば、図3に示されている水平方向に照射されるX線が縦方向に角度をもって試料に照射される。又、この入射角変更機構は、入射角変更機構用高さ調節台により上下方向に移動できるので、その入射角回転機構の回転中心と入射X線の高さを完全に一致させることができる。2次元検出器は、円筒形状の試料ホルダに取り付けられ、そのホルダは、試料表面法線周りの回転機構により試料位置を中心にして回転される。以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
:基板結晶とその表面を覆うキャップ層の間に挟まれた、埋もれた超微細ナノ細線の場合1
シリコン(Si) (001)単結晶表面上にビスマス(Bi)ナノ細線を成長させ、その上にさらに、シリコン(Si)キャップ層を約10 nmの厚さでエピタキシャル成長させたものに、垂直にX線を入射した場合である。入射X線(波長は0.05 nm)と試料表面となす角度0.1°である。2次元X線検出器として、円筒型イメージングプレートを用い、その回転軸が試料を通る鉛直軸と平行になるよう、設置した。その結果を図4に示す。試料、検出器ともにX線露光中は固定されていた。右図がX線露光時間2分の場合の回折X線の全体パターンである。その図の四角枠部分の拡大図が左図である。シリコン基板に対して、2倍の周期をもつ2 x n超構造からのX線回折を観察できた。キャップ層を作成後も、その細線内部に2 x n超構造が残ることが、初めてわかった。また、回折線の太さから、ナノ細線方向の全長 約100 nmと見積もった。この対称な全体のパターンから、入射X線が表面格子に基づいて定義された[010]方向と平行なこと(つまり、基板の立方晶表示の[110]c方向と平行なこと)が分かった。これは、試料の結晶方位を測定系で定義された直交座標系に変換する作業(UB行列を決めるという言い方をされている)をしたことに対応する。すなわち、試料と検出器を固定したままの一度のX線露光で、UB行列を決定したことに相当する。
シリコン(Si) (001)単結晶表面上にビスマス(Bi)ナノ細線を成長させ、その上にさらに、シリコン(Si)キャップ層を約10 nmの厚さでエピタキシャル成長させたものに、垂直にX線を入射した場合である。入射X線(波長は0.05 nm)と試料表面となす角度0.1°である。2次元X線検出器として、円筒型イメージングプレートを用い、その回転軸が試料を通る鉛直軸と平行になるよう、設置した。その結果を図4に示す。試料、検出器ともにX線露光中は固定されていた。右図がX線露光時間2分の場合の回折X線の全体パターンである。その図の四角枠部分の拡大図が左図である。シリコン基板に対して、2倍の周期をもつ2 x n超構造からのX線回折を観察できた。キャップ層を作成後も、その細線内部に2 x n超構造が残ることが、初めてわかった。また、回折線の太さから、ナノ細線方向の全長 約100 nmと見積もった。この対称な全体のパターンから、入射X線が表面格子に基づいて定義された[010]方向と平行なこと(つまり、基板の立方晶表示の[110]c方向と平行なこと)が分かった。これは、試料の結晶方位を測定系で定義された直交座標系に変換する作業(UB行列を決めるという言い方をされている)をしたことに対応する。すなわち、試料と検出器を固定したままの一度のX線露光で、UB行列を決定したことに相当する。
:基板結晶とその表面を覆うキャップ層の間に挟まれた、埋もれた超微細ナノ細線の場合2
シリコン(Si) (001)単結晶表面上にビスマス(Bi)ナノ細線を成長させ、その上にさらに、シリコン(Si)キャップ層を約10 nmの厚さでエピタキシャル成長させたものに、平行にX線を入射した場合である。実施例1と同一の試料を上から見て時計周りに90度回転した場合である。入射X線(波長は0.05 nm)と試料表面となす角度0.1°である。2次元X線検出器として、円筒型イメージングプレートを用い、その回転軸が試料を通る鉛直軸と平行になるよう、設置した。その結果を図5に示す。試料、検出器ともにX線露光中は固定されていた。右図がX線露光時間2分の場合の回折X線の全体パターンである。その図の四角枠部分の拡大図が左図である。実施例1で観察できた、2倍の周期をもつ2 x n超構造からのX線回折は観測できなかった。このことから、その試料のナノ細線は一方向に揃って成長していることがわかった。その方向は、基板の[1 0 0]方向と平行であることが分かった。用いている座標は、表面格子に基づいている。
シリコン(Si) (001)単結晶表面上にビスマス(Bi)ナノ細線を成長させ、その上にさらに、シリコン(Si)キャップ層を約10 nmの厚さでエピタキシャル成長させたものに、平行にX線を入射した場合である。実施例1と同一の試料を上から見て時計周りに90度回転した場合である。入射X線(波長は0.05 nm)と試料表面となす角度0.1°である。2次元X線検出器として、円筒型イメージングプレートを用い、その回転軸が試料を通る鉛直軸と平行になるよう、設置した。その結果を図5に示す。試料、検出器ともにX線露光中は固定されていた。右図がX線露光時間2分の場合の回折X線の全体パターンである。その図の四角枠部分の拡大図が左図である。実施例1で観察できた、2倍の周期をもつ2 x n超構造からのX線回折は観測できなかった。このことから、その試料のナノ細線は一方向に揃って成長していることがわかった。その方向は、基板の[1 0 0]方向と平行であることが分かった。用いている座標は、表面格子に基づいている。
:薄膜の場合
二酸化チタン(TiO2)単結晶(101)単結晶上に酸化チタンビスマス(Bi4Ti3O12)薄膜(BIT薄膜)を厚さ50 nm成長させたものに、X線(波長は0.05 nm)を試料表面となす角度0.1°で入射させた場合である。2次元X線検出器として、円筒型イメージングプレートを用いた。結果は図6である。試料、検出器ともにX線露光中は固定されていた。X線の露光時間は3分であった。試料を回転せず、かつ、その検出器を回転せずに、はじめて沢山のX線回折斑点を記録することに成功した。この対称な全体のパターンから、入射X線がBIT [001]方向と平行なことが分かった。これは、試料の結晶方位を測定系で定義された直交座標系に変換する作業(UB行列を決めるという言い方をされている)をしたことに対応する。すなわち、試料と検出器を固定したままの一度のX線露光で、UB行列を決定したことに相当する。
二酸化チタン(TiO2)単結晶(101)単結晶上に酸化チタンビスマス(Bi4Ti3O12)薄膜(BIT薄膜)を厚さ50 nm成長させたものに、X線(波長は0.05 nm)を試料表面となす角度0.1°で入射させた場合である。2次元X線検出器として、円筒型イメージングプレートを用いた。結果は図6である。試料、検出器ともにX線露光中は固定されていた。X線の露光時間は3分であった。試料を回転せず、かつ、その検出器を回転せずに、はじめて沢山のX線回折斑点を記録することに成功した。この対称な全体のパターンから、入射X線がBIT [001]方向と平行なことが分かった。これは、試料の結晶方位を測定系で定義された直交座標系に変換する作業(UB行列を決めるという言い方をされている)をしたことに対応する。すなわち、試料と検出器を固定したままの一度のX線露光で、UB行列を決定したことに相当する。
:硫酸溶液中の金(111)電極表面の超周期構造の場合
金(Au)(111)電極を水素アニール後、アルゴン雰囲気下で室温まで冷却し0.5 M 硫酸(H2SO4)溶液で満たした。参照極は水銀(Hg)|硫酸水銀(HgSO4)を用いた。X線(波長は0.05 nm)を試料表面となす角度2.3°で入射させた場合である。2次元X線検出器として、平面型イメージングプレートを用いた。結果は図7である。試料、検出器ともにX線露光中は固定されていた。X線の露光時間は5分であった。右図が回折X線の全体パターンである。3個の数字列HKLはロッド形状の回折条件の指数を表している。バルク結晶の点状の回折条件HKLから生じる熱散漫散乱も示されている。その指数は、六方晶表面格子に基づいている。左図はロッド形状の1 0 6.3 回折条件付近の拡大図である。23 x ルート3と呼ばれる金表面の超周期構造からのX線回折を撮影すること成功した。この対称な全体のパターンから、入射X線が表面格子に基づいて定義された[-1 1 0]方向と平行なこと(つまり、基板の立方晶表示の[-1 2 -1]c方向と平行なこと)が分かった。これは、試料の結晶方位を測定系で定義された直交座標系に変換する作業(UB行列を決めるという言い方をされている)をしたことに対応する。すなわち、試料と検出器を固定したままの一度のX線露光で、UB行列を決定したことに相当する。
金(Au)(111)電極を水素アニール後、アルゴン雰囲気下で室温まで冷却し0.5 M 硫酸(H2SO4)溶液で満たした。参照極は水銀(Hg)|硫酸水銀(HgSO4)を用いた。X線(波長は0.05 nm)を試料表面となす角度2.3°で入射させた場合である。2次元X線検出器として、平面型イメージングプレートを用いた。結果は図7である。試料、検出器ともにX線露光中は固定されていた。X線の露光時間は5分であった。右図が回折X線の全体パターンである。3個の数字列HKLはロッド形状の回折条件の指数を表している。バルク結晶の点状の回折条件HKLから生じる熱散漫散乱も示されている。その指数は、六方晶表面格子に基づいている。左図はロッド形状の1 0 6.3 回折条件付近の拡大図である。23 x ルート3と呼ばれる金表面の超周期構造からのX線回折を撮影すること成功した。この対称な全体のパターンから、入射X線が表面格子に基づいて定義された[-1 1 0]方向と平行なこと(つまり、基板の立方晶表示の[-1 2 -1]c方向と平行なこと)が分かった。これは、試料の結晶方位を測定系で定義された直交座標系に変換する作業(UB行列を決めるという言い方をされている)をしたことに対応する。すなわち、試料と検出器を固定したままの一度のX線露光で、UB行列を決定したことに相当する。
本発明の装置は、半導体素子、センサ、発光素子、触媒、化学反応集積マイクロチップ媒体、DNAデバイス担持体、マイクロ燃料電池用素子としての使用が期待される超微細ワイヤ状構造、又は薄膜、超微細ナノチャンネル、溶液中の電極などの超微細構造体の構造情報やそれらの基板材料の構造情報をX線により構造解析する際に使用されることができる。
Claims (12)
- 試料の表面とX線のなす角を制御する入射角変更機構、その機構の高さを調節する台、試料の高さを調節する台、2次元検出器、2次元検出器用の支持台、および試料ホルダから構成され、前記2次元検出器が、試料位置を中心として鉛直軸周りまたは水平軸周りに回転される円筒内に取り付けられ、且つ前記円筒の回転軸を中心に360度の範囲の任意の位置に取付けられることにより、試料を回転せずに回折強度分布の全体像を測定できることを特徴とする構造体のX線迅速構造解析装置。
- 基板結晶表面上に育成された超微細ナノワイヤが有する結晶構造を迅速に評価するために用いる装置。
- 基板結晶表面上に育成された超微細ナノワイヤが有する結晶子寸法(結晶ドメインサイズ)、あるいは、コリレーション長を迅速に決定するために用いる装置。
- 基板結晶表面上に育成された超微細ナノワイヤの基板結晶に対する方位を迅速に得るために用いる装置。
- 基板結晶とその表面を覆うキャップ層の間に挟まれた、埋もれた超微細ナノワイヤ状構造体の結晶性の有無、および、その結晶構造を迅速に得るために用いる装置。
- 基板結晶とその表面を覆うキャップ層の間に挟まれた、埋もれた超微細ナノワイヤ状構造体が有するワイヤの、結晶子サイズ、あるいは、コリレーション長を迅速に決定するために用いる装置。
- 基板結晶とその表面を覆うキャップ層の間に挟まれた、埋もれた超微細ナノワイヤ状構造体の基板に対する方位を迅速に解析するために用いる装置。
- 薄膜結晶の結晶構造を迅速に解析するために用いる装置。
- 薄膜結晶の結晶ドメインサイズ、および、方位の異なる複数の結晶ドメインが存在する場合のドメインの割合を迅速に解析するために用いる装置。
- 溶液と結晶の界面構造を迅速に評価・解析するために用いる装置。
- 試料の結晶方位を測定系で定義された直交座標系に変換する作業(UB行列を決めるという言い方をされている)を、試料と検出器を固定したままの一度のX線露光で実現できる装置。
- 試料の表面とX線のなす角を制御する入射角変更機構、その機構の高さを調節する台、試料の高さを調節する台、2次元検出器、2次元検出器用の支持台、および試料ホルダから構成され、前記2次元検出器が、試料位置を中心として鉛直軸周りまたは水平軸周りの円筒内に取り付けられ、且つ前記円筒の回転軸を中心に360度の範囲の任意の位置に取付けられ、内径の異なる円筒を用いることで試料と2次元検出器との距離で規定されるカメラ長を変更でき、平面型2次元検出器を使用する場合には任意の位置に置いて用いられ、さらに試料表面法線周りの回転機構、2方向の試料移動台を追加でき、測定可能な試料が、縦3mm、 横3mm、厚さ0.05 mmから縦120 mm、横120 mm、厚さ20 mmの範囲のものであり、測定可能な試料の質量が5kg以下であり、用いることができるカメラ長が50 mmから250 mmであり、入射角変更機構が、試料のX線全反射臨界角を含む、プラス・マイナス5度の範囲で、角度調節ができることができ、試料の高さを調節する台が、水平に置いた試料によって、入射X線ビームの高さ方向を半分に切ることができることを特徴とする超微細構造体のX線迅速構造解析装置。
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