JP2006292375A - 感圧メンブレンセンサ及びその製造方法 - Google Patents

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哲也 川平
Takahiro Ishii
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Abstract

【課題】所望のダイナミックレンジを保った適正な抵抗値を有する感圧メンブレンセンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】感圧メンブレンセンサは、絶縁フィルム5、6上に回路配線層に接続された感圧抵抗層7b、8bを配置して形成されたほぼ平面状のセンサセル2を有し、印加された圧力が前記セル面内で初期伝達位置から前記セルの縁部へ向けて伝達され前記圧力伝達量に応じて抵抗値変化を発生するもので、前記感圧抵抗層7b、8bの一部表面に抵抗値調整用の調整層81A〜81Hが設けられ、前記センサセル2は前記調整層から露出された感圧抵抗層部分にセンス領域8X〜8X6を構成するセルパターンを有し、前記センス領域は前記圧力伝達方向にほぼ沿うパターン形状とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は印加圧力に応じて回路抵抗値が連続的に変化する感圧メンブレンセンサ及びその製造方法に関する。
感圧抵抗層を用いたフレキシブルフィルム状の感圧センサは既に広く利用されていて、その一例(従来技術1)を示すと、例えば電子楽器に適用可能なものとして、広い面積を有する一枚板状の抵抗体層及びその抵抗体層の2次元方向に配置された固定電極対が被着された絶縁フィルムからなる位置検出層と、3次元方向の押圧力に応じて抵抗変化する感圧インク層による圧力検出層とを積層したセンサがある(例えば、特許文献1参照)。この従来技術1の感圧インク層はその面に直角な方向の薄肉な層厚方向で抵抗変化を起こすものであり、ダイナミックレンジを広くとり難い。
そこで、例えば電子楽器の鍵盤と組み合わされ、打鍵毎の圧力変化に応じて感圧抵抗層の面方向の拡がりによる抵抗変化を感知する従来の感圧センサ装置(従来技術2)を図5を参照して説明する。長尺状の感圧センサ41は、その長尺方向に所定のピッチで配列された複数のセンサセル(単位体)42、各セルを連結する回路配線層43及び外部引き出し端子44、45を有する。
前記セル単位体42は、図5(b)、(c)に示すように、正方形状のセル孔46を有するスペーサ47の両面に粘着されたフレキシブルな上部、下部絶縁フィルム48、49、セル孔46内で前記各フィルム内面にそれぞれ被着された上部、下部感圧抵抗セル層50、51を備え、各セル層はいずれも良導電性の銀インク層50a、51aと高抵抗材料の感圧インク層50b、51bとをそれぞれ積層して形成され、各感圧インク層は相互離間して対面配置されている。
前記感圧センサ41の長手方向に沿って対向配置された蒲鉾形柱状の弾性部材52は、打鍵に応じた印加押圧力を前記センサセル42に伝達するための弾性材料で構成され、その長手方向の厚さはほぼ均等で、横幅方向の厚さは凸形状の横幅中央部が両側縁部より厚くされている。そして、前記弾性部材52の上方には前記各センサセル毎にそれぞれ対応する複数の鍵盤側押圧子53が配置され、感圧センサ41の下方には例えばABS樹脂製のベース板54が配置されている。
この従来技術2では、打鍵対応の押圧子53が対向するセンサセル42に向けて前記弾性部材52に押圧力を印加した際、前記上部絶縁フィルム48はセル孔46内方に撓み前記上部セル層50は下部セル層51に接触することになる。前記各セル層50及び51の初期相互接触は、図5(b)に示すように、センサセル42の横幅方向中央部において長手方向に沿ったほぼ線状に起こり、その接触は横幅方向にその両側縁部へ向けて拡がり、前記押圧力増加に伴って前記各セル層50及び51相互の接触面積が増加し、セル抵抗が減少するように作用する。
この種センサは、前記作用により押圧力P(対数)−抵抗R(対数)の相関特性を得るもので、前記セル層接触拡がりがその相関特性におけるダイナミックレンジに対応しており、この特性の設計基準値がその電子楽器などの用途機器の制御装置或いは測定装置に記憶され、その用途機器はセンシング抵抗値から求められた圧力に応じた出力を発生する。
特開平6−59795号特許公開公報
ところで、前記感圧インク層50b、51bは、その印刷形成に当たり、一般的に膜厚に約±20%にも及ぶ製造バラツキ、その膜厚に依存して抵抗値も約±20%にも及ぶ製造バラツキを生じ易く、実際のP−R特性が前記用途機器の制御装置に予め記憶された設計基準値との間に大きな差が生じ、その分機器出力が変動し適正な出力が得られなくなる。
その機器が楽器の場合は、鍵盤を弱く押したにも拘わらず大きな音量を出力したり、自動車バンパーセンサとしての用途ではその安全装置の閾値制御に当たり、その安全装置が必要でないのに作動してしまうなど、不都合な機器作動が生じ易くなるので、各センサ毎に、その特性を測定して、その結果を基に各用途機器毎の制御装置の精密かつ煩雑なキャリブレーションを必要としている。
その対策として、前記抵抗値の調整のために、PCB基板で一般に用いられるレーザトリミング法の使用が考えられるが、一般にポリエステルフィルムを基材とする前記絶縁フィルムが溶融するためにこの方法が使用できず、現状では、このような基材の前記絶縁フィルムに印刷した抵抗層のトリミング方法は確立されていない。従って、前記の精密かつ煩雑なキャリブレーションに頼らざるを得ない状況にある。
本発明は前記従来技術の状況を改善するために所望のダイナミックレンジを保った適正な抵抗値を有する感圧メンブレンセンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、絶縁フィルム上に回路配線層に接続された感圧抵抗層を配置して形成されたほぼ平面状のセンサセルを有し、印加された圧力が前記セル面内で初期伝達位置から前記セルの縁部へ向けて伝達され前記圧力伝達量に応じて抵抗値変化を発生する感圧メンブレンセンサであって、前記感圧抵抗層の一部表面に抵抗値調整用の調整層が設けられ、前記センサセルは前記調整層から露出された感圧抵抗層部分にセンス領域を構成するセルパターンを有し、前記センス領域は前記圧力伝達方向にほぼ沿う向きのパターン形状とされていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の本発明は、絶縁フィルム上に回路配線層に接続された感圧抵抗層を配置して形成されたほぼ平面状のセンサセルを有し、印加された圧力が前記セル面内で初期伝達位置から前記セル縁部へ向けて伝達され前記圧力伝達量に応じて抵抗値変化を発生する感圧メンブレンセンサの製造方法であって、回路配線層に接続された前記感圧抵抗層を前記絶縁フィルム上に選択的に被着してほぼ平面状のセル層を形成する工程と、前記感圧抵抗層の一部表面に抵抗値調整用の調整層を被着して前記調整層から露出されたセンス領域を構成するセルパターンを形成する工程とを備え、前記センス領域は前記圧力伝達方向にほぼ沿う向きに配置されるようにパターニングされることを特徴とするものである。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の感圧メンブレンセンサの製造方法において、前記調整層は前記感圧抵抗層の一部表面に絶縁材料をインクジェットによって被着して形成されることを特徴とする感圧メンブレンセンサの製造方法。
本発明の感圧メンブレンセンサによれば、センサセルの感圧抵抗層の一部表面に抵抗値調整用の調整層が設けられ、前記センサセルが前記調整層から露出されたセンス領域を構成するセルパターンを有し、前記センス領域が前記圧力伝達方向にほぼ沿うパターン形状とされているために、所望のダイナミックレンジを保つと共に適正な抵抗値を有する感圧メンブレンセンサが得られるという効果を奏する。
以下、本発明による感圧メンブレンセンサの一実施形態について、このセンサの一用途である例えば電子楽器に適用したセンサ装置を含めて図1乃至図4を参照して説明する。
図1は本発明の感圧メンブレンセンサを含む感圧センサ装置の一実施形態を示し、図1(a)はその感圧センサ装置の全体構造を示す縦断面図、図1(b)はそのセンサセル(単位体)を示す一部切欠拡大平面図である。図2は図1(b)のX−X線に沿う断面図である。
例えば電子オルガンのように鍵盤を有する電子楽器においては、多数の鍵盤が横並びに配置されているので、打鍵に応じた荷重或いは押圧力を検知或いは感圧測定するための被感圧センス範囲は鍵盤の配列に従った矩形長尺状或いは帯状の範囲とみることができる。この場合、この長手方向に沿った寸法を表す長軸及び横幅方向に沿った寸法を表す短軸を有するものとして前記被感圧センス範囲の形状を表現する。
前記楽器への装着に当たって、前記被感圧センス範囲に対向配置される感圧メンブレンセンサ1は、前記被感圧センス範囲の長軸方向の長さに見合った例えば矩形の長尺状(長方形)に形成されており、その長手方向に所定のピッチで配列されたほぼ平面形状の複数(前記鍵盤数に対応する)のセンサセル(またはその単位体)2を有する。
前記各セル単位体2外形はその平面パターンが長軸及び短軸を有する長方形であり、その長軸(長辺)が前記センサ1の長手方向に沿う方向に向けられている。また、前記各セル単位体2は、前記セル単位体と同様に長方形状の貫通孔からなるセル孔3を有するフィルム状の絶縁スペーサ4、このスペーサの両面に粘着されたフレキシブルな例えばポリエステルフィルム製の第1(上部)及び第2(下部)絶縁フィルム5、6、及び前記各セル孔3内で前記各フィルム内面にそれぞれ選択的に被着された第1(上部)及び第2(下部)感圧抵抗セル層7、8を備えている。
前記各セル層7、8は、いずれも前記セル孔3内径とほぼ同じ形状/寸法の長方形であり、図2に示すように、例えば銀インクからなる良導電層7a、8aと例えばカーボン含有量を調整して作製された高抵抗材料の感圧インクからなる感圧抵抗層7b、8bとをそれぞれ積層して形成され、各感圧抵抗層7bと8bとは相互離間して対面配置されている。
前記第1絶縁フィルム5側の各第1セル層7は前記銀インクからなる良導電性の配線層(前記良導電層7aの延長配線部分)によって一連に電気的に接続されて外部端子9(図1参照)へ導かれ、第2絶縁フィルム6側の各第2セル層8も同様に他の銀インク配線層(前記良導電層8aの延長配線部分)に電気的に接続されて外部端子10へ導かれている。
前記感圧センサ1の長手方向に沿ってその上方に配置された長尺状の弾性部材11は、例えばエチレン−プロピレンゴム(EPDM)或いはシリコンゴムなどの弾性材料を成形して製作したものであり、前記各セル単位体2毎に対応する各押圧子53によって発生される打鍵押圧力を受けて、その押圧力を前記各セル単位体2毎に伝達する。
そして、前記弾性部材11は、前記各セル単位体2にそれぞれ対応する凸状部12、及び各凸状部12相互を連結する肉薄の連結部(肉薄部)13を有しており、前記各凸状部12は、平面パターンが長軸及び短軸を有する長方形で、その長軸(長辺)が前記弾性部材11の長手方向に沿う方向に向けられている。また、前記各凸状部12は、図1(b)に示すように、長軸方向の長さが前記セル単位体よりも大きくされ、周縁部がセル面を囲むような外形寸法とされている。
前記各凸状部12の3次元構造は、前記長軸方向に沿う縦断面がほぼ三日月形の蒲鉾状となっていて、その蒲鉾頂部の荷重中心部となる稜線が前記センサセル単位体2の面中央部にほぼ重なる位置関係にあって、前記稜線が前記短軸に沿う方向に向けられた状態とされている。
言い換えると前記凸状部12は、前記稜線に沿う部分で最も肉厚が厚く、その稜線に交差してその稜線から両方向(前記長軸方向に沿う)に遠ざかるに従って肉厚が薄くなるように蒲鉾傾斜面が傾斜づけられていて、一連の凸状部12は前記長手方向に沿う所謂蒲鉾状家屋の横並び状態となっている。
また、前記感圧センサ1の下方にはポリスチレン系樹脂(ABS樹脂)からなる耐衝撃性の高いベース板54が配置されていて、前記感圧センサ装置のアセンブリ構造は、図示されていないが、ほぼU字溝状の長尺な筐体に前記ベース板54及び感圧センサ1を順次重ねて収納し、前記筐体の蓋体を兼ねる前記弾性部材11の側縁部をU字開口端に重ね合わせた構成とされる。
ここで、前記実施形態の感圧センサ装置の各部の寸法を例示すると、アセンブリ全体の長さは約1300〜1500mm、その横幅は約15〜20mm、セル単位体2(セル孔3)の横幅(短軸)及び長さ(長軸)はそれぞれ約6mm及び12mm、スペーサ4の厚さは約100μm、各感圧抵抗セル層7、8の厚さはいずれも約30μmとされている。
このような前記一実施形態の感圧センサ装置によれば、打鍵対応の一押圧子53が押し下げられ弾性部材11の一凸状部12の頂部に荷重押圧力が印加されると、前記弾性部材の凸状部は、初期段階で前記センサセル面に、ほぼ直角にその圧力を伝達して前記凸状部12の稜線に対応する初期荷重エリアを発生させ、引続いてセル面の長軸方向に沿ってこの初期エリアから遠ざかる方向へ荷重圧力を伝達させるように弾性変形する。
そのために、第1及び第2セル層7、8相互の接触は、まず、前記初期荷重エリアの発生に従って図1(b)に示すように、前記弾性部材凸状部12の稜線に対応する初期接触エリアCaにおいて起こる。この段階での前記セル層の相互接触の状態はセル単位体2の長軸方向のほぼ中心位置にて交差する短軸に沿ったほぼ直線状の接触分布或いは接触面積を示す状態にある。
更に、前記各セル層7、8の相互接触は、前記荷重押圧力に対する前記弾性部材の弾性変形に伴う圧力伝達の進行に従い長軸方向に沿って初期接触エリアCaから両方向への面接触拡がりCbを生じ、最大圧力印加に対し、セル単位体のほぼ全面に亘る接触分布或いは接触面積を示す状態に至る。
このように、セル単位体2の長軸方向に沿って前記各セル層相互の面接触拡がりCbが生じることにより、この面接触拡がりCb長(範囲)が前記従来技術2に比して著しく大きく、押圧力とセル抵抗との相関特性におけるダイナミックレンジを著しく大きくできる。
そこで、前記押圧力P(対数)−抵抗R(対数)の相関特性に関して図3を参照して説明すると、特性曲線21及び22はそれぞれ前記実施形態及び前記従来技術2における各センサの特性を示している。
即ち、前記従来技術2のセンサでは、特性曲線22のように圧力Pの変化中途において抵抗値Rが低い値に達し、それ以上の圧力に対する抵抗値Rの変化が飽和傾向を示している。
これに対して前記実施形態の感圧センサでは、特性曲線21のように、圧力Pの変化がこれら従来技術よりも著しく広い範囲に亘って抵抗Rが直線性(リニアリティ)をもって連続的に変化することができ、ダイナミックレンジを大幅に増加させることができる利点がある。
このような利点は100乃至6000kPaにも及ぶ押圧力を発生する機器の圧力測定或いは感知においても得られるので、その用途範囲が広い(一対の良導電性接点セルを有する一般的荷重メンブレンスイッチは1乃至20kPa程度の範囲で使用される)。
また、前記セル単位体2及び前記弾性部材の凸状部12の形状は、前記セル単位体(セル孔)の平面パターンの短軸W、その長軸L2及び前記弾性部材の凸状部の長手方向の長さL1との関係が、ほぼL1>L2>Wとなるよう形成されていることが好ましい。
この場合、前記各セル層形状L2>Wにより前記面接触拡がりCbの範囲拡大が図れると共に、前記各凸状部12は、その周縁部の少なくとも短軸方向に沿う両側縁がスペーサ上に位置しセル単位体の全面を囲む状態となるので、L1≦L2とする場合に比し、初期接触エリアCaをできるだけ所望の狭い面積とさせ、面接触拡がりCbを長軸方向にフルに連続的に起こさせるように、連続的かつ円滑な弾性変形及び押圧力の伝達作用を行い、ダイナミックレンジを最大限に拡大させることができる。
なお、前記弾性部材の凸状部は、前述の形状或いは構造に限らず、セル層の面接触拡がりが主として長軸方向に沿って発生するように、前記弾性部材の凸状部が前記センサセル面の初期荷重エリアからそのセル面の長軸方向に沿って遠ざかる方向へ荷重圧力を伝達させる構造となっていれば種々の変形例を適用してよい。
次に、前記セル2の一部を構成する第1及び第2感圧抵抗セル層7、8の各感圧抵抗層7b、8bの印刷形成における約±20%に及ぶ膜厚及び抵抗値の製造バラツキに対する改善された一実施形態について説明する。
即ち、図1(b)及び図2に示されているように、例えば第2セル層8の感圧抵抗層8bの表面において、その長手方向に沿う両側縁部に互いに平行配置された抵抗調整用の調整層81A及び81Bが形成され、この調整層から露出された実効的な検知領域となるセンス領域8Xを構成する実効的なセルパターンが得られるようにパターニングされている。
前記調整層は、前記センス領域8Xが前記圧力伝達方向にほぼ沿うように前記長軸方向に延びる向きのパターン形状となるようにし、前記圧力伝達方向に係わるダイナミックレンジ(面接触拡がりCb方向)が阻害されずセンスセルのダイナミックレンジを大きく確保できるように方向付けて配置されている。
そこで、前記感圧抵抗層8及び調整層81A、81Bの形成方法並びに抵抗値調整方法について説明する。まず、前記感圧抵抗層7b、8bは、その約±20%の製造バラツキの下限を基準として感圧インクを印刷形成することとし、例えば設計膜厚を約20μm±4μmとすると、実際には約16μm±4μm狙いで印刷することによりその膜厚方向の抵抗成分を所望の抵抗値より小さ目の値となるように形成する。このように予め小さ目の値の抵抗層を形成する別の方法としては、前記感圧抵抗層7b、8bの横幅を約20%拡大しておく方法或いは感圧インクの比抵抗を約20%小さいものにしておく方法を採用してもよい。
次に、前記調整層81A及び81Bを感圧抵抗層8bの表面に、前記パターン形状に形成する際に、前記感圧抵抗層7b及び8bの膜厚方向(セル層7及び8を通じての電流方向)の各抵抗成分R1及びR2の合成抵抗Rs(=R1+R2)を予め測定する。そこで、セルの目標抵抗値をRとし、図1(b)に示すように前記セル層7及び8幅或いは前記感圧抵抗層7b及び8b幅をWとすると、目標抵抗値Rを得るために必要な実効的な前記センス領域8Xの幅Wsは、Ws=W・Rs/Rの関係式に基づいて定めることができる。
従って、前記調整層81A及び81Bは前記センス領域8Xの幅Wsが前記関係式を満たすようなパターン形状をもって前記感圧抵抗層8b表面に選択的に被着され、前記感圧抵抗層或いはセル層の実効的抵抗値が、前記目標抵抗値Rとなるように、前記小さい目の値から抵抗値増加傾向をもって調整される。
前記調整層81A、81Bは、最も簡便な方法として絶縁材料のインクジェットによる絶縁層(膜)の塗布或いは被着によって形成することができる。前記調整層81A及び81Bは相互に同じ幅で形成することが望ましい。また、前記調整層は、前記パターン形状をもって、前記感圧抵抗層8b表面に代わって前記感圧抵抗層7bの表面に形成されても、前記感圧抵抗層7b及び8bの各表面に形成されてもよい。
また、前記調整層81A、81Bは、複数のセンサセルに対するパターンを有する印刷マスク及び絶縁レジスト(フォトレジスト)を用いることによって、印刷技術により各センサセル(各セル層の感圧抵抗層上)に一律に選択的に形成することもできる。
この印刷による調整層の形成方法は、印刷シート内の抵抗の製造バラツキが設計値に対して高めか、標準的か、設計値に対して低めかのいずれか一つの一定の傾向を示すことに着目し、その傾向に応じて適切なセンス領域8Xの幅Wsが得られるようなパターンを有する印刷マスクを用意しておくことによって実現でき、その製造が容易かつ低コストとなる利点がある。
これに対し前記インクジェットによる方法は、個々のセル毎に抵抗値調整が可能であるので、複数の各セル相互の前記バラツキの差異があっても各セル毎に高精度の調整ができ、高精度、高性能が要求される機器を用途とするセンサの製作に好適である。なお、前記調整層の材料としては、絶縁材料に限らず、感圧抵抗層用の感圧インクよりも極めて高い高抵抗材料を用いることも可能である。
次に、本発明の他の実施形態について図4を参照して説明するが、前記一実施形態のセンサと同様な部分については同一符号を付してその説明を省略する。ここで図4(a)、(b)及び(c)は、いずれもセンサ1の一単位体のセンサセル2を拡大して示す平面図であり、主として下部セル層8及びこの関連部分が示されている(上部セル層7の図示は省略)。
図4(a)に示された実施形態においては、調整層81Cが長方形状の下部セル層8の感圧抵抗層8bの長手方向に沿うほぼ中央部に形成され、抵抗層8bのうちこの調整層81Cから露出された2つのセンス領域8X1及び8X2が形成されている。各センス領域はそれぞれ横幅Ws1及びWs2を有し、その長辺が圧力伝達方向であるセルの長手方向に沿って延びるような向きのパターン形状とされていて、これら横幅の和(Ws1+Ws2)は前記図1(b)におけるセンス領域幅Wsに相当している。
図4(b)に示された実施形態においては、横幅Wsを有するセンス領域8X3は、長方形状の感圧抵抗層8b表面において圧力伝達方向であるセルの長手方向に沿って蛇行して延在する向きのパターン形状とされ、このパターン形状を構成するようにその両側縁に調整層81D及び81Eが長手方向に沿って延びるような向きで配置されている。
図4(c)に示された実施形態においては、円形状のセンサセル2の例が示されていて、この場合の圧力伝達方向は、セル2中央部からその周縁に向かう放射方向とされる。従って、例えば3つのセンス領域8X4、8X5及び8X6がセル中央部からその周縁に向かう放射状のパターン形状となるように、これらセンス領域に対応して調整層81F、81G及び81Hが感圧抵抗層8b上に配置されている。なお、この図では、下部絶縁フィルム6側の部材のみを示しており、感圧メンブレンセンサ1を組み立てるには、円形セル孔を有するスペーサを介在して、下部側と同様な構成とされた上部絶縁フィルム、感圧抵抗セル層及び調整層などを対向配置する。
前記各実施形態におけるように、抵抗調整用の調整層81A乃至81Hを設けることによって、製造上の感圧抵抗層の抵抗値バラツキに対する抵抗値が調整(補正)され、部品レベルで適正な抵抗値を有する感圧抵抗セル層を備えたセンサを得ることができる。
従って、その用途機器の制御装置或いは測定装置に記憶或いは設定される前記P(対数)−R(対数)相関特性の設計基準値にマッチングしたセンサ部品の供給が容易となり、前記測定装置などのキャリブレーションを不要とすることもできる。また前記調整層は絶縁材料の塗布、塗着或いは印刷などにより形成でき、絶縁フィルムなどの部材にダメージを与える心配はない。
ところで、前記セルパターンを形成するように、前記抵抗値調整用の調整層81A乃至Hを設けると共に、センサセル2の平面パターン形状を長軸及び短軸を有する形状とし、セル層7と8との相互接触が前記長軸方向に沿う方向に面接触拡がりを生じるように構成した場合は、前記P(対数)−R(対数)の相関特性における適正な抵抗値に基づく高精度のセンサ特性が得られ、しかも、著しく広い範囲の直線性をもったダイナミックレンジでセンシングが行えるという効果がある。
前記各センサセル2は、その平面パターンが正方形や長方形に限らず、楕円、長楕円、樽形或いは鼓形など様々な形状であってもよく、その場合、各弾性部材の凸状部の平面パターン形状も前記セル2の種々の形状に対応したほぼ相似状の形状とするとよい。
また、前記各実施形態に示されたいずれの感圧センサにおいても、セル対をなす前記セル層7及び8に、感圧抵抗層7b及び8bがそれぞれ設けられているが、いずれか一方を省き、少なくとも一方の感圧抵抗層をもってセルを構成することも可能である。
前記実施形態における感圧センサは、電子楽器に適用した例を示しているが、自動車の衝突検知用として、そのバンパーセンサに適用してもよい。
なお、前記感圧センサ1、センサセル2及び弾性部材11の形状は、本発明の本質を逸脱しない範囲において前記以外の形状としてもよい。
本発明の一実施形態に係る感圧メンブレンセンサ及びこれを備えたセンサ装置を示すもので、(a)はその全体構造を示す断面図、(b)はそのセンサセル単位体を拡大して示す一部切欠拡大平面図である。 本発明の一実施形態に係る感圧メンブレンセンサのセンサセル単位体を示す図1(b)のX−X線に沿う拡大縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る感圧センサ装置及び従来技術とを比較説明するための押圧力P−抵抗R相関特性を示す特性図である。 本発明の他の実施形態に係る感圧メンブレンセンサのセンサセルの構造例を示すもので、(a)、(b)及び(c)は各構造例の要部拡大平面図である。 従来の感圧センサ装置を示すもので、(a)はその全体構造を示す斜視図、(b)はそのセル単位体を拡大して示す一部切欠拡大平面図、(c)は(b)のA−A線に沿う断面図である。
符号の説明
1 感圧センサ
2 センサセル(単位体)
3 セル孔
4 絶縁スペーサ
5 第1(上部)絶縁フィルム
6 第2(下部)絶縁フィルム
7 第1(上部)感圧抵抗セル層
7a 第1(上部)良導電層(配線層)
7b 第1(上部)感圧抵抗層
8 第2(下部)感圧抵抗セル層
8a 第2(下部)良導電層(配線層)
8b 第2(下部)感圧抵抗層
8X乃至8X6 センス領域
81A乃至81H 抵抗値調整用の調整層
11 弾性部材
12 弾性部材の凸状部
13 連結部(肉薄部)

Claims (3)

  1. 絶縁フィルム上に回路配線層に接続された感圧抵抗層を配置して形成されたほぼ平面状のセンサセルを有し、印加された圧力が前記セル面内で初期伝達位置から前記セルの縁部へ向けて伝達され前記圧力伝達量に応じて抵抗値変化を発生する感圧メンブレンセンサであって、前記感圧抵抗層の一部表面に抵抗値調整用の調整層が設けられ、前記センサセルは前記調整層から露出された感圧抵抗層部分にセンス領域を構成するセルパターンを有し、前記センス領域は前記圧力伝達方向にほぼ沿う向きのパターン形状とされていることを特徴とする感圧メンブレンセンサ。
  2. 絶縁フィルム上に回路配線層に接続された感圧抵抗層を配置して形成されたほぼ平面状のセンサセルを有し、印加された圧力が前記セル面内で初期伝達位置から前記セル縁部へ向けて伝達され前記圧力伝達量に応じて抵抗値変化を発生する感圧メンブレンセンサの製造方法であって、回路配線層に接続された前記感圧抵抗層を前記絶縁フィルム上に選択的に被着してほぼ平面状のセル層を形成する工程と、前記感圧抵抗層の一部表面に抵抗値調整用の調整層を被着して前記調整層から露出されたセンス領域を構成するセルパターンを形成する工程とを備え、前記センス領域は前記圧力伝達方向にほぼ沿う向きに配置されるようにパターニングされることを特徴とする感圧メンブレンセンサの製造方法。
  3. 請求項2に記載の感圧メンブレンセンサの製造方法において、前記調整層は前記感圧抵抗層の一部表面に絶縁材料をインクジェットによって被着して形成されることを特徴とする感圧メンブレンセンサの製造方法。
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