JP2006290950A - 偽造防止用インク - Google Patents

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正也 柴谷
Yoshimasa Tamura
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Abstract

【課題】 高度な偽造防止性能を有し、且つ真偽判定の時間を大幅に短縮することができ
る偽造防止用インクを提供すること。
【解決手段】 本発明の偽造防止用インクは、少なくとも、DNA分子と、可視光領域に
吸収波長を持たず且つ特定光源下で可視光領域の発光を示す発光物質とを含有することを
特徴とする。この偽造防止用インクは、更に、色材、界面活性剤及び水溶性有機溶剤から
なる群から選ばれる1種以上を含有していてもよく、斯かる組成の偽造防止用インクは、
インクジェット記録方式等に好適に使用できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、DNA(deoxyribonucleic acid デオキシリボ核酸 )分子を含有した偽造
防止用インクに関する。
従来から、小切手、乗車券、商品券、証券等の有価印刷物、預貯金の通帳、身分証明書
、各種カード等の偽造を防止するために、その形成材料や作製方法に特殊な工夫を施すこ
とが行われてきた。より高度な偽造防止技術が要望される中、近年、生体の遺伝情報を構
成するDNAに注目が集まっている。DNAは、通常、分子量100万以上であり、その
遺伝情報の基礎となる4種類の塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシン)の配列パ
ターンは無数に存在するので、DNA分子の有する固有の遺伝情報を偽造することは極め
て困難である。このため、DNAを利用した偽造防止技術が検討されている。
DNAを利用した偽造防止技術として、特許文献1には、表面にDNA分子が結合した
超微粒子を含有するDNAインク組成物が開示されている。このDNAインク組成物は、
偽造の困難なDNA分子の有する固有の遺伝情報を、真正物か偽造物かを判定するための
識別情報として利用したものであるため、偽造防止性能には優れるものの、真偽判定に時
間がかかり過ぎるという欠点がある。即ち、DNAの構造(情報)解析は、通常、専用の
解析装置(例えば特許文献1では、核磁気共鳴現象を利用した磁気センサを備えたシステ
ムを使用している)を必要とし、多大な労力、時間を要するものであるところ、上記DN
Aインク組成物により真正物に付与される「真正物であることの認証」は、DNAの遺伝
情報のみであるため、真偽判定の対象物が多数存在する場合には、その全てについて煩雑
で時間のかかるDNA構造解析を行わなければならず、真偽判定に長時間を要する。
特開2004−331832号公報
従って、本発明の目的は、高度な偽造防止性能を有し、且つ真偽判定の時間を大幅に短
縮することができる偽造防止用インクを提供することにある。
本発明は、少なくとも、DNA分子と、可視光領域に吸収波長を持たず且つ特定光源下
で可視光領域の発光を示す発光物質とを含有する偽造防止用インクを提供することにより
、上記目的を達成したものである。
本発明の偽造防止用インクは、DNA分子と、特定の光源下で発光する発光物質とが含
有されていることにより、真正物か偽造物か(該インクを用いたものか否か)を判定する
ための識別情報として、「DNA分子の有する固有の遺伝情報」及び「特定光源下での発
光状態」の2種類が備わっているので、高度な偽造防止性能を有している。従って、例え
ば、小切手、乗車券、商品券、有価証券、預貯金の通帳、身分証明書、各種カード等の様
々な物品に付与することにより、その偽造防止に使用することができる。また、通常、「
特定光源下での発光状態」を調べるための発光検査は、「DNA分子の有する固有の遺伝
情報」を調べるためのDNA構造解析よりもはるかに簡便で時間のかからないものである
ため、例えば真偽判定の対象物が多数存在するような場合には、DNA構造解析に先立っ
て全対象物について発光検査を行い、発光の無いもの又は発光色が所定のものと異なるも
のを排除するスクリーニングを行なうことにより、DNA構造解析の対象サンプル数を減
らすことが可能となり、全サンプルについてDNA構造解析を行なう場合に比べて真偽判
定時間を大幅に短縮することができる。更に、本発明の偽造防止用インクは、通常の印刷
用インクとして使用することができ、色材や各種溶媒等を適宜含有させることにより、イ
ンクジェット方式、オフセット方式、グラビア方式等の種々の印刷方式において高画質な
画像を安定して提供し得る。
本発明の偽造防止用インクは、少なくとも、DNA分子と、可視光領域に吸収波長を持
たず且つ特定光源下で可視光領域の発光を示す発光物質とを必須成分として含有している
。更に、主溶媒としての水又は有機溶剤を含有し、必要に応じ、色材、顔料分散剤、界面
活性剤、水溶性有機溶剤等が添加され調製される。
本発明に係るDNA分子としては、人のDNAを始めとして各種生物、例えば、動物、
植物、微生物のDNA又は各種合成DNAを用いることができる。これらの中で、遺伝子
工学その他の分野において盛んに研修対象とされている微生物として、例えば、細菌(例
えば、Escherichia coli等)、糸状菌(例えば、Aspergillus niger等)、酵母(例えば
、Saccharomyses cerevisiae等)等を用いることができる。また、これらから公知の方法
で抽出・精製されたDNA分子、これを各種制限酵素で切断したDNAフラグメント、こ
れを組み込んだプラスミドDNA等を用いることもできる。また、cDNAやレトロウイ
ルス等も用いることができる。また、様々な機関の遺伝子ライブラリー(ゲノムバンク)
から所望のものを入手して用いることもできる。
DNA分子の含有量は、DNA解析のし易さ、インクジェット記録における吐出安定性
等を考慮の上、適宜調整することができる。
本発明に係る発光物質は、可視光領域に吸収波長を持たず且つ特定光源下で可視光領域
の発光を示す物質である。この発光物質は、通常の自然光や照明灯の下では発光しないか
、あるいは発光しても視認できない程度であるが、紫外線等の特定光源の下では視認可能
な発光を示す。このような発光物質としては、例えば、紫外線下で可視光領域の発光を示
す発光物質(蛍光増白剤)として、ピレン誘導体、クマリン誘導体、アミノクマリン誘導
体、カーポスチリル誘導体、ジベンゾオキサゾリル誘導体、チアゾール誘導体、イミダゾ
ール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピラゾリン誘導体、ベン
ジジン誘導体、スチルベン誘導体、ジスチルベン誘導体、ジスルホン酸誘導体、ナフタル
イミド誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2
種以上を混合して用いることができる。
上記発光物質の含有量は、発光強度、視認性、インクジェット記録における吐出安定性
等の観点から、インクの全重量に対して、好ましくは1〜15重量%である。
本発明の偽造防止用インクには、上述の2成分(DNA分子、発光物質)を溶解又は分
散させる主溶媒(インクの全重量の50重量%以上を占める溶媒)が含有される。主溶媒
としては、水、有機溶剤の何れでもよいが、環境汚染防止の観点から水が好ましい。主溶
媒として水を用いたインク、即ち、少なくとも、DNA分子と、発光物質と、主溶媒とし
ての水とを含有する水性インクは、特にインクジェット記録用インクとして好適に使用で
きる。
以下には、水を主溶媒として用いた本発明の偽造防止用インクに、必要に応じて含有さ
れる各種成分(色材、界面活性剤、水溶性有機溶剤等)について説明する。
本発明で用いられる色材としては、染料及び顔料の何れであってもよく、両者を併用す
ることもできる。色材の含有量は、印字濃度及びインクジェット記録における吐出安定性
の観点から、インクの全重量に対して好ましくは1〜30重量%である。
上記染料(色材)としては、例えば、酸性染料、塩基性染料、直接染料、食用色素、反
応性染料等を用いることができる。具体的には、例えば、アシッドイエロー23、25;
ダイレクトイエロー12、26、86、130;ベーシックイエロー9、11;アシッド
レッド27、28、52、254、289;リアクティブレッド180;ダイレクトレッ
ド9、13、17、23、227;ベーシックレッド3;アシッドブルー8、254;ベ
ーシックブルー9;ダイレクトブルー78、86、199;アシッドブラック52、17
2、208;フードブラック2、ダイレクトブラック19、22、28、154;プロセ
スリアクティブブラック31等が挙げられる。
上記顔料(色材)としては、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料
、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔
料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジ
ン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、ニトロ顔料
、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の有機顔料;カーボンブラック(例えば、ファーネ
スブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等)、
金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等の無機顔料;シリカ、炭酸カルシウム、タルク等
の体質顔料等を用いることができる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー
74、93、109、110、128、138、150、151、154、155、18
0、185;C.I.ピグメントレッド122、202、209;C.I.ピグメントバ
イオレット19;C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、60;C.I.ピグメ
ントグリーン7(フタロシアニングリーン)、10(グリーンゴールド)、36、37;
C.I.ピグメントブラウン3、5、25、26;C.I.ピグメントオレンジ1、2、
5、7、13、14、15、16、34、36、38等が挙げられる。
尚、色材として顔料を用いる場合には、顔料と共に顔料分散剤を併用することにより、
インク中での顔料の分散安定性を更に高めることができる。顔料分散剤としては、例えば
、ポリビニルアルコール類;ポリビニルピロリドン類;ポリアクリル酸、アクリル酸−ア
クリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル
−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等の
アクリル系樹脂;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ス
チレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルス
チレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸
アルキルエステル共重合体等のスチレン−アクリル樹脂;スチレン−マレイン酸共重合体
;スチレン−無水マレイン酸共重合体;ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体;ビニル
ナフタレン−マレイン酸共重合体;酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸
ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロ
トン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体、あるいは
、これらの塩;にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アルブミン等のタンパク質類;アラビアゴ
ム、トラガントゴム等の天然ゴム類;サボニン等のグルコシド類;アルギン酸及びアルギ
ン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アン
モニウム等のアルギン酸誘導体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース等のセルロース誘導体等が挙げら
れ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、本発明で用いられる界面活性剤としては、インクの被記録媒体への浸透性を高め
得るものとして、両性界面活性剤及び非イオン界面活性剤が挙げられる。両性界面活性剤
としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキ
シメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピ
ルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾ
リン誘導体などがある。非イオン界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性
剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
アリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
などのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エス
テル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタン
モノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシ
エチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、その他フ
ッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などの含フッ素系界面活性剤
などがある。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用
いてもよい。界面活性剤の含有量は、インクの全量に対して好ましくは0.3〜2重量%
である。
上記の界面活性剤の中でもアセチレングリコール系界面活性剤は、画質、吐出安定性な
どの面から特に好ましく、その例としては2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−
4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメ
チル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられる。市販のアセチレングリコール系界面活
性剤としては、サーフィノール82、104、440、465、485、またはTG(い
ずれもAir Products and Chemicals.Inc.より入手可能)、オルフィンSTG、オルフィ
ンE1010(商品名)(以上、日信化学社製)などが好ましく用いられる。また、シリ
コーン系界面活性剤も本発明で好ましく用いることができる。市販のシリコーン系界面活
性剤としては、BYK347、348(以上、ビックケミージャパン製)などが挙げられ
る。
また、本発明で用いられる水溶性有機溶剤としては、インクに含まれる各種成分の溶解
性の向上、あるいはインクジェット記録における吐出安定性の向上等に有効なものが好ま
しく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブ
チレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1、5−ペンタ
ンジオール、1、6−ヘキサンジオール、グリセリン、チオジグリコール、メソエリスリ
トール、ペンタエリスリトール、2−ピロリドン、エタノール、メタノール、ブタノール
、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1から4のアルキルアルコール類、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プ
ロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリ
コールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチル
エーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシ
ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プ
ロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
エチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレング
リコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類、ホルムアミド、
アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン
、トリアセチン、スルホラン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合し
て用いることができる。水溶性有機溶剤の含有量は、インクの全量に対して好ましくは1
〜30重量%である。
本発明の偽造防止用インクに含有可能な他の成分としては、例えば、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等のpH調整剤、グルコース等の糖類(インクジェット記録に
おけるノズル目詰まり防止剤)、防腐剤・防かび剤、粘度調整剤、消泡剤、紫外線吸収剤
、酸化防止剤等が挙げられる。
以上、水を主溶媒として用いた水性インクの組成について説明したが、本発明の偽造防
止用インクには、主溶媒として有機溶剤を用いた油性インクも含まれる。この油性インク
の組成としては、例えば、国際公開WO2004/007626に記載の油性インクの組
成を適用することができる。
本発明の偽造防止用インクは、色材、主溶媒など、DNA分子及び発光物質以外の任意
成分を適宜選択することにより、インクジェット方式、オフセット方式、グラビア方式な
どの種々の印刷方式に使用することができ、各種印刷方式において通常の印刷用インクと
同様に使用することができる。また、本発明の偽造防止用インクは、材質、塗工層の有無
等を問わず多様な種類の用紙に用いることができ、該インクが適用可能な用紙は特に制限
されないが、本発明が有効な用紙は、「本発明のインクに用いられている発光物質と同様
の発光特性を有する物質」を含まない用紙である。用紙が、本発明に係る発光物質と同様
の発光特性を有する物質を含んだものであると、該用紙に本発明のインクを用いて印刷さ
れた印刷物に、ブラックライトなどの特定光源の光を照射した場合、その発光がインクに
よるものなのか、用紙によるものなのかを判別し難く、結局、全てのサンプルについてD
NAの構造解析をしなければならなくなるおそれがあるためである。尚、例えば有価証券
のような、長期間保管しても変色しないような堅牢性が求められる印刷物のベースとなる
用紙には、変色の原因となり得る蛍光増白剤等の発光物質は通常含まれておらず、このよ
うな用紙を用いた印刷に本発明のインクは特に有効である。
以下に、本発明の実施例及び本発明の効果を示す試験例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、本発明は、斯かる実施例により何等制限されるものではない。
〔実施例〕
下記組成のDNA含有インクを調製した。
・DNA分子(米国DTI社製、Normal human tissue cDNA(Lung)) 0.7重量%
・発光物質(日本化薬製、カヤホールJBリキッド 原液) 8.0重量%
・色材(ダイレクトイエロー130) 5.0重量%
・グリセリン 15.0重量%
・トリエチレングリコール 3.0重量%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量%
・界面活性剤(サーフィノール104E) 1.0重量%
・純水 バランス
(発光視認性の評価試験)
上記DNA含有インクを、インクジェットプリンタ(セイコーエプソン製、PM−G8
00)に標準搭載されているイエローインクと置換し、該DNA含有インクを用いて、被
印刷面に発光物質が含まれていないインクジェット記録用紙(セイコーエプソン製、写真
用紙)に適当な文字を印刷した。この印刷文字に、380nmにピークを有するブラック
ライトを照射したところ、DNA含有インクに由来する青紫色の発光を目視で容易に確認
することができた。
(DNAの構造解析)
発光視認性の評価試験で印刷された印刷文字からDNAを採取し、PCR(Polymerase
Chain Reaction)法等の公知の方法を用いて採取したDNAを増幅し、この増幅したD
NAと別途保存しておいた参照用のDNAサンプルとを、SSCP(Single Strand Conf
ormation Polymorphism)法を用いて比較したところ、両DNAが同一の塩基配列を有す
るものであることが確認できた。
(画質の評価試験)
上記DNA含有インクを搭載した上記インクジェットプリンタを用いて、上記インクジ
ェット記録用紙に、高精細カラーデジタル標準画像[(ISO/JIS-SCID)、画像名称「ポー
トレート」(サンプル番号1、画像の評価認識番号N1)]を「推奨きれいモード」で印
刷した。こうして作製された印刷物の印刷面を目視で観察したところ、ブリード(異色の
境界部分で色が滲む又は不均一に混ざり合う現象)は全く見られず、良好な画質が得られ
た。
(吐出安定性の評価試験)
先ず、上記DNA含有インクを搭載した上記インクジェットプリンタを用いて印刷を行
い、インクが安定して吐出されることを確認した。次いで、このインクジェットプリンタ
を、記録ヘッドをホームポジションから外した状態で室温50℃、相対湿度40%の環境
下に4週間放置した。次いで、インクジェットプリンタを通常の室内環境下に置き、プリ
ンタの温度が室温とほぼ同じとなったところでプリンタの電源を入れて、印刷を行った。
このときのインクの吐出状態を目視で観察したところ、インクの吐出は極めて安定して行
われ、所定のクリーニング動作を行なう必要がなかった。

Claims (3)

  1. 少なくとも、DNA分子と、可視光領域に吸収波長を持たず且つ特定光源下で可視光領
    域の発光を示す発光物質とを含有する偽造防止用インク。
  2. 上記発光物質は、紫外線下で可視光領域の発光を示す請求項1記載の偽造防止用インク
  3. 色材、界面活性剤及び水溶性有機溶剤からなる群から選ばれる1種以上を含有する請求
    項1又は2記載の偽造防止用インク。
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