JP2006290877A - 油性化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】適用時の伸びが軽く、適用後には速やかに二次付着防止効果を有して色移りなどせず、ベタツキや揮発性溶媒臭がなく、化粧もちに優れた安定な油性化粧料(基礎化粧品、頭髪化粧品、メイクアップ製品等、特に、口紅)を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)〜(C)、
(A)下記一般式(1)で示される揮発性オルガノポリシロキサン
{(CH3)3SiO}3SiCH3 ……(1)
(B)油溶性樹脂
(C)撥水性粉体
を含有することを特徴とする油性化粧料。
【選択図】なし
【解決手段】次の成分(A)〜(C)、
(A)下記一般式(1)で示される揮発性オルガノポリシロキサン
{(CH3)3SiO}3SiCH3 ……(1)
(B)油溶性樹脂
(C)撥水性粉体
を含有することを特徴とする油性化粧料。
【選択図】なし
Description
本発明は油性化粧料に関し、更に詳しくは、特定の分岐構造を有する揮発性オルガノポリシロキサン、油溶性樹脂及び撥水性粉体を含有し、塗布時の伸びが軽く、ベタツキがなく、二次付着防止効果を有する、耐水性、耐油性及び化粧もち(化粧持続性)に優れた非水系の油性化粧料に関する。
油性化粧料は、塗布時の伸びの軽さや皮膚等への付着性の高さ等の理由により、基礎化粧料、頭髪化粧料、メイクアップ化粧料等に広く用いられており、とりわけメイクアップ化粧料において多用されている。そしてメイクアップ化粧料では、化粧持ち(化粧持続性)や色移り(二次付着)のしにくさといった機能が重要であり、これらの機能をもたせるために鎖状ポリシロキサン、環状ポリシロキサン、軽質流動イソパラフィン等の揮発性の溶媒を用いたメイクアップ化粧料が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−267826号公報
しかしながら、例えば環状ポリシロキサンに関しては、揮発速度が速いオクタメチルシクロテトラシロキサンは冬季に凍結するため低温域での製品の安定性を損ねるという問題があり、凍結の問題が少ないデカメチルシクロペンタシロキサンは揮発速度が遅いため色移りしなくなるまでに時間がかかったりべたつくなど、製品に十分な品質を付与することが難しいという問題があった。また、軽質流動イソパラフィンには特異臭があり、製品の品質を損ねるという問題があった。
このため、適用後に速やかに色移りしなくなり、ベタツキや揮発性溶媒の特異臭もなく、化粧もちに優れて、しかも低温においても安定な油性化粧料が望まれていた。
かかる実情に鑑み、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のシリコーン化合物、油溶性樹脂及び疎水化処理粉体を組み合わせた油性化粧料が適用時の伸びが軽く、適用後には速やかに二次付着防止効果を有して色移りなどせず、ベタツキや揮発性溶媒臭がなく、耐水性、耐油性も良好で化粧もちに優れた安定なものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(C)、
(A)下記一般式(1)で示される揮発性オルガノポリシロキサン
{(CH3)3SiO}3SiCH3 ……(1)
(B)油溶性樹脂
(C)撥水性粉体
を含有することを特徴とする油性化粧料を提供するものである。
(A)下記一般式(1)で示される揮発性オルガノポリシロキサン
{(CH3)3SiO}3SiCH3 ……(1)
(B)油溶性樹脂
(C)撥水性粉体
を含有することを特徴とする油性化粧料を提供するものである。
また、本発明は、上記成分(B)の油溶性樹脂がトリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーングラフト共重合体及び長鎖アルキル変性アクリル−シリコーングラフト共重合体からなる群から選ばれる1種又は2種以上である上記の油性化粧料を提供するものである。
また、本発明は、更に成分(D)として、染料を含有することを特徴とする上記の油性化粧料を提供するものである。
更に、本発明は、口紅である上記の油性化粧料を提供するものである。
本発明の油性化粧料は、口唇や肌等への適用時の伸びが軽く、適用後には速やかに二次付着防止効果を有して色移りなどせず、ベタツキや揮発性溶媒臭がなく、耐水性、耐油性も良好で化粧もちに優れた安定なものであり、油性化粧料として優れた品質を有する。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明に用いられる成分(A)は下記一般式(1)で示される分岐構造を有する揮発性オルガノポリシロキサンである(以下、M3Tと呼ぶ)。
{(CH3)3SiO}3SiCH3 ……(1)
{(CH3)3SiO}3SiCH3 ……(1)
成分(A)のM3Tは沸点が190℃であって既存の揮発性シリコーンであるデカメチルシクロペンタシロキサンと比較するとより揮発速度が速く、分子量のより小さいオクタメチルシクロテトラシロキサンと同等の揮発速度を有する。しかしながら、オクタメチルシクロテトラシロキサンが冬季など低温条件で結晶化するのに対し、M3Tは凝固点が−82.8℃であって冬季でも結晶化することがなく、この点で揮発速度が速いにもかかわらず低温で結晶化しにくいという有利な特徴を有する。
このM3Tを肌等に塗布した場合には軽い伸び広がりで油性感(油っぽさ)が無い。しかも揮発速度が速いため、これを配合した化粧料は口唇や肌等への適用時の伸びが軽く、ベタツキのない優れた性質を有すると共に、二次付着防止効果においても優れたものとなる。また、M3Tは膜形成性を有する油溶性樹脂(後述の成分(B))に対する溶解性が高いため、この油溶性樹脂を組成物に高濃度に配合することができ、その結果、耐水性、耐皮脂性に優れ、化粧膜の物理的強度が上がることでより化粧もちが向上した化粧料を得ることができる。更に、M3Tは無臭であり、化粧料の品質を損ねる事がない。
M3Tの製造方法は特に限定はされず、公知の方法により行なうことができる。
例えば、国際公開第01/015658号パンフレットに記載されるように、メチルトリクロロシランとトリメチルクロロシランを共加水分解する方法や、ヘキサメチルジシロキサンとメチルトリアルコキシシランを酸性触媒下に加水分解する方法等によって得ることができる。
例えば、国際公開第01/015658号パンフレットに記載されるように、メチルトリクロロシランとトリメチルクロロシランを共加水分解する方法や、ヘキサメチルジシロキサンとメチルトリアルコキシシランを酸性触媒下に加水分解する方法等によって得ることができる。
メチルトリクロロシランとトリメチルクロロシランを共加水分解する方法においては、メチルトリクロロシラン1モルに対し、少なくとも3モルのトリメチルクロロシランを反応させることにより得ることができる。
ヘキサメチルジシロキサンとメチルトリアルコキシシランを加水分解する方法においては、メチルトリアルコキシシラン1モルに対し、少なくとも1.5モルのヘキサメチルジシロキサンを反応させることにより得ることができる。
ヘキサメチルジシロキサンとメチルトリアルコキシシランを加水分解する方法においては、メチルトリアルコキシシラン1モルに対し、少なくとも1.5モルのヘキサメチルジシロキサンを反応させることにより得ることができる。
上記加水分解法において、メチルトリアルコキシシランとしてはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシランが好ましく、その中でも反応性の高いメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが特に好ましい。
また、酸性触媒としては硫酸、メタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸、イオン交換樹脂が用いられる。
反応を行なう溶媒としては特に限定はされないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の溶媒が、上記M3Tの分離除去が容易であり好ましい。
また、酸性触媒としては硫酸、メタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸、イオン交換樹脂が用いられる。
反応を行なう溶媒としては特に限定はされないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の溶媒が、上記M3Tの分離除去が容易であり好ましい。
本発明において、成分(A)M3Tの配合量は特に制限はないが、その性質を十分に発揮させ、適用時に伸びが軽く、二次付着防止効果の優れた油性化粧料を得るためには油性化粧料の全組成中1〜30質量%(以下、単に%と略記する)が好ましく、特に2〜20%が好ましい。
本発明に用いられる成分(B)の油溶性樹脂は、口唇や肌等の表面に付着することにより化粧効果の持続性が向上し、化粧もちがよくなる。成分(B)の油溶性樹脂は、化粧膜としたときに皮膜を形成するものであれば何れのものも使用することができ、特に制限はないが、例えばロジン酸ペンタエリスリット等のロジン酸誘導体;トリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーングラフト共重合体、長鎖アルキル変性アクリル−シリコーングラフト共重合体、フッ素変性アクリル−シリコーングラフト共重合体等のシリコーン系樹脂;ポリビニルイソブチルエーテル;ポリイソブチレン;キャンデリラレジン等を挙げることができる。本発明においては、特にトリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーングラフト共重合体、長鎖アルキル変性アクリル−シリコーングラフト共重合体が成分(A)のM3Tとの相溶性に優れるため好ましい。
即ち、成分(B)のうち、上記シリコーン系樹脂は成分(A)のM3Tに対する溶解性が同じ揮発性シリコーンである環状シリコーンに対する溶解性に比べて高く、従って化粧料の系中に上記シリコーン系樹脂をより安定に配合しやすくなる。そして、このシリコーン系樹脂は皮膜形成能に優れ、特に耐水性及び耐油性(耐皮脂性)を付与する効果が高いため、口唇や肌等の表面へ付着した後も化粧効果がより持続し、二次付着防止効果も良好であるため好ましい。
上記シリコーン樹脂のうち、トリメチルシロキシケイ酸としてはKF−7312J、KF−7312K、X−21−5249、X−21−5250、KF−9021(信越化学工業社製)、TMS803(ワッカーシリコーン社製)、SR1000、TSF4600(GE東芝シリコーン社製)、DC593、BY11−018(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)等の市販品を使用することができ、アクリル−シリコーングラフト共重合体としてはKP−541、KP−543、KP−545、KP−575(信越化学工業社製)等の市販品を使用することができる。長鎖アルキル変性アクリル−シリコーングラフト共重合体としてはKP−561P、KP−562P(信越化学社製)等の市販品の使用が可能である。
本発明の油性化粧料において、成分(B)の油溶性樹脂は必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その配合量は油性化粧料の全組成中0.1〜20%が好ましく、特に1〜10%が好ましい。この範囲内であれば良好な化粧もち及び二次付着防止効果を有する油性化粧料を得ることができる。
本発明に用いられる成分(C)の撥水性粉体は、撥水性を有する粉体であれば特に制限はないが、例えば疎水性樹脂等を粉末状にしたもの、粉体の表面等に疎水化処理を施して撥水性を持たせたもの等を挙げることができる。ここで、撥水性粉体とは、水との接触角が比較的大きい粉体を指し、例えば粉体を水面に落とした時に水をはじいて浮くものは本発明の撥水性粉体に該当する。
疎水性樹脂等を粉末状にしたものとしては具体的にナイロン−12、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、架橋アクリル酸アルキル共重合体、ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールラクトン架橋ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、メチルシロキサン網状重合体、架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体等の樹脂を粉末状にしたものを例示することができる。
また、粉体の表面に疎水化処理を施して撥水性を持たせたものについては、粉体としては通常化粧料に使用される粉体であれば特に制限はなく、その表面を疎水化する疎水化処理剤についても粉体に撥水性を付与できるものであれば特に制限はない。
上記通常化粧料に使用される粉体は形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず何れのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、金属石鹸粉末、有色顔料、パール顔料等を例示することができる。これらは具体的に次のものが挙げられる。
無機粉体として酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等を例示することができる。
有機粉体としてポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー(12ナイロン、6ナイロン)、スチレン・アクリル酸共重合体パウダー、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体パウダー、ビニル樹脂パウダー、尿素樹脂パウダー、フェノール樹脂パウダー、フッ素樹脂パウダー、ケイ素樹脂パウダー、アクリル樹脂パウダー、メラミン樹脂パウダー、エポキシ樹脂パウダー、ポリカーボネイト樹脂パウダー、微結晶繊維粉体、コメデンプン末、ラウロイルリジン等を例示することができる。
金属石鹸粉末としはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等の粉末を例示することができる。
有色顔料として酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等を例示することができる。
パール顔料として酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダーを例示することができる。
粉体表面の疎水化処理剤としては粉体に撥水性を付与できるものであれば特に制限はないが、例えばフッ素系化合物、シリコーン系油剤、金属石鹸、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等を挙げることができる。これらのうち、特にフッ素系化合物であるパーフルオロアルキル基含有エステルや、シリコーン系油剤であるオルガノポリシロキサンが特に好適に用いられる。
上記パーフルオロアルキル基含有リン酸エステルとしては、下記一般式(2)〜(4)のもの、
(CnF2n+1CH2CH2O)2PO(OH)・NH(CH2CH2OH)2 ……(2)
CnF2n+1CH2CH2O2PO(OH)・(NH(CH2CH2OH)2)2 ……(3)
(RfCmH2mO)yPO(OM)3−y ……(4)
(但し、式中Rfは炭素数3〜21のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を示し、直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても、混合鎖長のものであってもよい。mは1〜12の整数、nは6〜18の整数を示し、yは1又は2を示す。Mは同一又は異なっても良く、水素、アルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウム等を示す)
が挙げられ、具体的にはジトリデカフルオロデシルリン酸、ヘプタデカフルオロデシルリン酸、ジヘプタデカフルオロデシルリン酸等、又はこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩(例えば、アサヒガードAG−530(旭硝子(株)製))が挙げられる。
(CnF2n+1CH2CH2O)2PO(OH)・NH(CH2CH2OH)2 ……(2)
CnF2n+1CH2CH2O2PO(OH)・(NH(CH2CH2OH)2)2 ……(3)
(RfCmH2mO)yPO(OM)3−y ……(4)
(但し、式中Rfは炭素数3〜21のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を示し、直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても、混合鎖長のものであってもよい。mは1〜12の整数、nは6〜18の整数を示し、yは1又は2を示す。Mは同一又は異なっても良く、水素、アルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウム等を示す)
が挙げられ、具体的にはジトリデカフルオロデシルリン酸、ヘプタデカフルオロデシルリン酸、ジヘプタデカフルオロデシルリン酸等、又はこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩(例えば、アサヒガードAG−530(旭硝子(株)製))が挙げられる。
上記疎水化処理剤のオルガノポリシロキサンとしては、混合や加熱処理により粉体に吸着または付着するものであれば特に制限されないが、特に分子内に水素、アミノ水素基、ハロゲン原子、水酸基又はアルコキシ基を有する反応性アルキルポリシロキサンや、低級アルキル基、ベンジル基、シクロヘキサン基又はナフチル基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン等が好適に用いられる。
成分(C)の撥水性粉体は汗に馴染まないため,化粧もちの効果を向上させるために有効である。また、後述の成分(D)染料が化粧料中で発色するのを抑える効果があり、口紅等の油性化粧料の品質を向上させる。
成分(C)の撥水性粉体は必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その配合量は油性化粧料の全組成中1〜50%が好ましく、特に2〜25%が好ましい。この範囲内であれば良好な化粧もち効果を有する油性化粧料を得ることができる。
本発明の油性化粧料は、更に成分(D)として染料を加えることができる。染料は、特に口紅等において、化粧もち効果を高めるために有効である。本発明において成分(D)の染料は、化粧品に使用が許可されている水溶性色素又は油溶性色素が使用可能であり、具体的には赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号(1)、赤色105号(1)、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色201号、赤色213号、赤色214号、赤色225号、赤色227号、赤色230号、赤色231号、赤色232号、橙色205号、橙色207号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、青色202号、青色203号、青色205号、褐色201号、紫色201号、赤色401号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号、赤色506号、橙色402号、橙色403号、黄色402号、黄色403号(1)、黄色404号、黄色405号、黄色406号、黄色407号、緑色401号、緑色402号、青色403号、紫色401号、黒色401号等を例示することができる。
成分(D)の染料は目的とする色調に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その配合量は油性化粧料の全組成中0.01〜0.5%が好ましく、
特に0.02〜0.1%が好ましい。この範囲内であれば良好な化粧もち効果を有する油性化粧料を得ることができる。
特に0.02〜0.1%が好ましい。この範囲内であれば良好な化粧もち効果を有する油性化粧料を得ることができる。
また、本発明の油性化粧料には、上記した必須成分の他に、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲内において、通常化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される他の成分、即ち成分(A)以外の油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、包接化合物、塩類、pH調整剤、キレート剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、清涼剤、動物・微生物由来の抽出物、植物抽出物、保湿剤、抗菌剤、血行促進剤、酵素、収斂剤、抗脂漏剤、角質溶解剤、ホルモン類、ビタミン類、アミノ酸又はその誘導体、防腐剤、香料等を適宜配合することができる。
本発明において油性化粧料とは、液状、半固形状又は固形状の油剤や油溶性化合物である油性成分を主骨格とする非水系の化粧料である。なお、本発明の成分(A)及び成分(B)も、上記油性成分に含まれる。
本発明の油性化粧料は、他の成分との併用により液状、ペースト状、クリーム状、固形状等、種々の剤型にて実施することができ、アイクリーム、ヘアクリーム、ヘアワックス等の基礎化粧品や頭髪化粧品や、口紅、コンシーラー、ファンデーション、アイ製品等のメイクアップ製品等に用いることができる。とりわけ、本発明の技術は特に口紅において好適に用いることができ、発明の効果を十分に利用することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
合成例1:アクリル−シリコーングラフト共重合体
下記一般式(5)
下記一般式(5)
で示される片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン40g、メチルメタクリレート40g、2−エチルヘキシルアクリレート10g、n−ブチルメタクリレート10g、トルエン100gを混合し、続いてアゾビスイソブチロニトリル1.5gを添加、溶解させた後、攪拌下に80〜90℃の温度範囲内で5時間反応させ粘稠な溶液を得た。この溶液を2Lのメタノール中に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出せしめた。沈殿物を濾別し、乾燥させて粒状の重合体を得た。
本発明品1〜6及び比較品1〜5:スティック状口紅
表1に示す組成及び下記製法にてスティック状口紅を調製し、得られたスティック状口紅の各試料に対し、官能検査により塗布時の伸びの軽さ、ベタツキのなさ、異臭のなさ、二次付着防止効果及び化粧もちを評価、判定し、また製品としての重要品質である安定性についても下記方法により判定した。結果を併せて表1に記した。
表1に示す組成及び下記製法にてスティック状口紅を調製し、得られたスティック状口紅の各試料に対し、官能検査により塗布時の伸びの軽さ、ベタツキのなさ、異臭のなさ、二次付着防止効果及び化粧もちを評価、判定し、また製品としての重要品質である安定性についても下記方法により判定した。結果を併せて表1に記した。
注1:IPソルベント2028(出光興産社製)
注2:OTS−2 チタン CR−50(大東化成工業社製)
注3:SA ブラック BL−100(三好化成社製)
注4:TIPAQUE CR−50(石原産業社製)
注5:タロックスブラックBL−100(チタン工業社製)
注2:OTS−2 チタン CR−50(大東化成工業社製)
注3:SA ブラック BL−100(三好化成社製)
注4:TIPAQUE CR−50(石原産業社製)
注5:タロックスブラックBL−100(チタン工業社製)
(製法)
A:成分(1)〜(8)、(16)及び(17)を加熱し、溶解後に成分(9)〜(15)を分散する。
B:Aを溶解・脱泡後、容器に流し込み充填し、冷却、固化してスティック状口紅を得た。
A:成分(1)〜(8)、(16)及び(17)を加熱し、溶解後に成分(9)〜(15)を分散する。
B:Aを溶解・脱泡後、容器に流し込み充填し、冷却、固化してスティック状口紅を得た。
<官能検査>
上記スティック状口紅の各試料を専門パネル10名に使用してもらい、各々について(1)塗布時の伸びの軽さ、(2)ベタツキのなさ、(3)異臭のなさ、(4)二次付着防止効果及び(5)化粧もちの各項目について、下記評価基準aを用いて評価してもらった。(4)二次付着防止効果については塗布してから5分後にティッシュペーパーを唇に挟んでもらい、色移りのなさを評価した。(5)化粧もちについては、塗布してから8時間後の化粧もちについて評価した。各試料の評点の平均値を下記判定基準bを用いて判定した。
上記スティック状口紅の各試料を専門パネル10名に使用してもらい、各々について(1)塗布時の伸びの軽さ、(2)ベタツキのなさ、(3)異臭のなさ、(4)二次付着防止効果及び(5)化粧もちの各項目について、下記評価基準aを用いて評価してもらった。(4)二次付着防止効果については塗布してから5分後にティッシュペーパーを唇に挟んでもらい、色移りのなさを評価した。(5)化粧もちについては、塗布してから8時間後の化粧もちについて評価した。各試料の評点の平均値を下記判定基準bを用いて判定した。
(評価基準a)
評点 : 評価
4 : 非常に良い
3 : 良い
2 : 普通
1 : 悪い
0 : 非常に悪い
(判定基準b)
判定 : 評点
◎ : 3.5以上
○ : 2.5以上、3.5未満
△ : 1.0以上、2.5未満
× : 1.0未満
評点 : 評価
4 : 非常に良い
3 : 良い
2 : 普通
1 : 悪い
0 : 非常に悪い
(判定基準b)
判定 : 評点
◎ : 3.5以上
○ : 2.5以上、3.5未満
△ : 1.0以上、2.5未満
× : 1.0未満
<安定性>
上記スティック状口紅の各試料を0℃の恒温槽に2週間静置し、外観の変化の程度を下記判定基準cで判定し、その試料の安定性の判定とした。
上記スティック状口紅の各試料を0℃の恒温槽に2週間静置し、外観の変化の程度を下記判定基準cで判定し、その試料の安定性の判定とした。
(判定基準c)
判定 : 内容
◎ : 変化なし
○ : ほとんど変化なし
△ : 変化あり
× : 大きな変化あり
判定 : 内容
◎ : 変化なし
○ : ほとんど変化なし
△ : 変化あり
× : 大きな変化あり
表1の結果から明らかなように、本発明品1〜6のスティック状口紅は、塗布時の伸びの軽さ、ベタツキのなさ、異臭のなさ、二次付着防止効果、化粧もち及び安定性の全ての項目において良好な結果を示すものであり、優れたスティック状口紅であることが実証された。一方、比較品1〜5は全ての項目において満足〜ほぼ満足できるものは得られず、特に比較品1には軽質流動イソパラフィンによる溶媒臭があり、比較品2には乾きの遅さに基づくベタツキや色移りがあり、比較品3は低温域での安定性が悪く、比較品4は化粧もちが悪く、比較品5では染料の発色による変色が見られた。
本発明品7 : 油性下地化粧料
下記組成及び製法にて油性下地化粧料を調製した。
(組成)
(成分) (%)
1.セレシン 10
2.2−エチルヘキサン酸セチル 10
3.M3T 30
4.トリメチルシロキシケイ酸溶解物(注6) 5
5.フッ素処理微粒子酸化チタン(注7) 5
6.シリコーンパウダー(注8) 20
7.黄酸化鉄 0.1
8.ベンガラ 0.1
9.フェノキシエタノール 適量
10.香料 適量
11.ジメチルポリシロキサン(注9) 残量
下記組成及び製法にて油性下地化粧料を調製した。
(組成)
(成分) (%)
1.セレシン 10
2.2−エチルヘキサン酸セチル 10
3.M3T 30
4.トリメチルシロキシケイ酸溶解物(注6) 5
5.フッ素処理微粒子酸化チタン(注7) 5
6.シリコーンパウダー(注8) 20
7.黄酸化鉄 0.1
8.ベンガラ 0.1
9.フェノキシエタノール 適量
10.香料 適量
11.ジメチルポリシロキサン(注9) 残量
注6:KF−7312J(信越化学社製)(トリメチルシロキシケイ酸とシクロペンタシロキサンの1:1混合物)(本発明の成分(B))
注7:FKD−5 チタン MT500−SA(大東化成工業社製)(本発明の成分(C))
注8:KSP−102(信越化学工業社製)(本発明の成分(C))
注9:KF−96(10cs)(信越化学工業社製)
注7:FKD−5 チタン MT500−SA(大東化成工業社製)(本発明の成分(C))
注8:KSP−102(信越化学工業社製)(本発明の成分(C))
注9:KF−96(10cs)(信越化学工業社製)
(製法)
A:成分1及び2を均一に溶解する。
B:成分11に成分5〜8を分散する。
C:AとBを混合し、成分3、4、9及び10を加え、均一に加熱溶解する。
D:Cを容器に充填し、油性下地化粧料を得た。
A:成分1及び2を均一に溶解する。
B:成分11に成分5〜8を分散する。
C:AとBを混合し、成分3、4、9及び10を加え、均一に加熱溶解する。
D:Cを容器に充填し、油性下地化粧料を得た。
以上のようにして得られた本発明品7の油性下地化粧料は、塗布時には軽く伸び、油性感やベタツキ、テカリ(塗布した肌が油光りして見えること)がなく、肌のきめを整えてファンデーションの化粧もちを良くすると共に、安定でいやな臭いもない優れた品質を有するものであった。
Claims (4)
- 次の成分(A)〜(C)、
(A)下記一般式(1)で示される揮発性オルガノポリシロキサン
{(CH3)3SiO}3SiCH3 ……(1)
(B)油溶性樹脂
(C)撥水性粉体
を含有することを特徴とする油性化粧料。 - 成分(B)の油溶性樹脂がトリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーングラフト共重合体及び長鎖アルキル変性アクリル−シリコーングラフト共重合体からなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項第1項記載の油性化粧料。
- 更に成分(D)として、染料を含有することを特徴とする請求項第1項または第2項に記載の油性化粧料。
- 油性化粧料が口紅である請求項第1項ないし第3項の何れか1項に記載の油性化粧料。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006065448A JP2006290877A (ja) | 2005-03-15 | 2006-03-10 | 油性化粧料 |
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JP2005072609 | 2005-03-15 | ||
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---|---|
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006290877A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012012378A (ja) * | 2010-06-04 | 2012-01-19 | Kose Corp | 油性化粧料 |
JP2014129294A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Kao Corp | 油性固型化粧料 |
JP2018518505A (ja) * | 2015-06-25 | 2018-07-12 | イーエルシー マネージメント エルエルシー | 耐移行性化粧品組成物 |
JP2018521997A (ja) * | 2015-06-25 | 2018-08-09 | イーエルシー マネージメント エルエルシー | 耐移行性化粧品組成物の製造方法 |
-
2006
- 2006-03-10 JP JP2006065448A patent/JP2006290877A/ja not_active Withdrawn
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