JP2006290831A - セロビオースの精製方法及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 セロビオース含有糖液から、煩雑な工程なしに、純度および回収率が飛躍的に向上した、安価なセロビオースの精製方法;及び水に対する溶解性の高いセロビオースの製造方法を提供すること。
【解決手段】 (A)セロビオース含有糖液を調製する工程、(B)セロビオース含有糖液中の全糖質に対するセロビオースの比率を50質量%以上とする工程、及び(C)セロビオースを晶析させる工程を含むことを特徴とする、セロビオースの精製方法;及び、全糖質に対するセロビオースの比率が90質量%以上のセロビオース含有糖液を、80〜95℃に保持しつつ乾燥することを特徴とするαアノマー比率の高いセロビオースの製造方法。

Description

本発明は、セロビオース含有糖液から高純度のセロビオースを高収率で安価に回収する方法、及び水に対する溶解性の高いセロビオースの製造方法に関する。
に関する。
セロビオースは、植物などに広く分布するセルロースの分解過程で生成する二糖類であり、ブドウ糖二分子がβ−1,4結合で結合した構造を有する。このセロビオースは松葉やトウモロコシの茎等に存在する天然物であり、甘味を伴うが、ヒトによって分解されないことから、効率良く安価にセロビオースを製造することができれば、健康食品や糖尿病患者用食品の甘味料、あるいは化粧品原料、医薬品原料として有用であると考えられる。
従来から知られているセロビオースの製造法としては、セルロースを化学的もしくは酵素的に分解する方法が知られている。
このうち、酵素的分解方法では、例えば、トリコデルマ(Trichoderma)属起源、アスペルギルス(Aspergillus) 属起源等の市販セルラーゼ製剤をセルロースと反応させることによりセロビオースを得る方法の他、セルラーゼのセルロースへの吸着力の差を利用して、β−グルコシダーゼを除去した酵素製剤を用いてセロビオースを得る方法(特許文献1)、加水分解反応をリグニン存在下で行わせる方法(特許文献2)等が知られている。また、これらを改良し、リグノセルロースをセルラーゼ及びリグニン分解菌又はリグニン分解酵素存在下で加水分解することを特徴とするセロビオースの精製方法(特許文献3)が知られている。しかし、これらの方法で加水分解して得られた糖液は、そのままではグルコース等の単糖やセロオリゴ糖が多量に存在し、高純度セロビオースとは言い難いものであり、セロビオース収率も十分でなかった。また、得られた糖液中の、グルコースの混在率が高まると、セロビオースの結晶化が困難になることも予想される。
一方、化学的分解方法では、例えば、カーボンカラム等によりセロビオースを分画分取する方法(非特許文献1)が知られているが、大容量のカーボンカラムを用い溶出に大量のエタノールを使用するなど操作が非常に煩雑であり、かつセロビオース収率も十分でないために、食品分野で使用するには製造コストが非常に高く、工業的に大量生産されるに至っておらず、試薬用に極少量生産されているにすぎない。
最近になって、天然リグノセルロースを含む原料を蒸解して、その後の乾燥を経ずして得られるウエットパルプを、セルラーゼの作用により部分分解してセロビオースを得る方法が開発された(特許文献4)。この方法は、セルラーゼの作用を受け易い未乾燥ウエットパルプを基質にして限外ろ過膜を有する加水分解系でセルラーゼを作用させ、分解産物を連続的に反応系外にろ過することにより、セロビオースを含む糖液を高収率で得ることに成功している。また、同様の原理で、晒スラッシュパルプを原料とするセロビオースの精製方法が開示されている(特許文献5)。
しかしながら、これらの方法によって得られる糖液は、ブドウ糖やオリゴ糖あるいはその他の不純物を多く含み、そのままでは高純度のセロビオースを得ることはできない。
特開昭63−226294号公報 特開平05−3170731号公報 特開平08−89274号公報 特開平07−184678号公報 特開平09−107987号公報 Miller, g.L, Methods in Carbohydrate Chemistry III (Academic Press), 134(1963)
本発明の目的は、このような状況に鑑み、合成、あるいはセルロースを分解して得られるセロビオース含有糖液から、煩雑な工程なしに、純度および回収率が飛躍的に向上した、安価なセロビオースの精製方法を提供することである。
本発明の他の目的は水に対する溶解性の高いセロビオースの製造方法を提供することである。
本発明者らは、セロビオースの精製方法について鋭意研究した結果、全糖質に対するセロビオースの比率を一定以上に高めたセロビオース含有糖液を脱塩、脱色処理することにより、セロビオースを結晶として析出させることができ、該結晶を採取することにより高純度セロビオースが容易に得られることを見出した。また、前記セロビオース含有糖液を強酸性陽イオン交換樹脂で分画してセロビオース濃度を高めた後に晶析することにより、さらに高回収率で高純度セロビオースが得られることを見出した。また、このようにして得られるセロビオース高含有糖液を特定の温度に加温し、そのまま粉末化することにより、元の結晶に比べて溶解性の向上したセロビオース粉末が得られることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、下記に示すセロビオースの精製方法及び製造方法を提供するものである。
1.(A)セロビオース含有糖液を調製する工程、(B)セロビオース含有糖液中の全糖質に対するセロビオースの比率を50質量%以上とする工程、及び(C)セロビオースを晶析させる工程を含むことを特徴とする、セロビオースの精製方法。
2.全糖質に対するセロビオースの比率を60質量%以上とする、上記1記載のセロビオースの精製方法。
3.工程(B)が、限外ろ過工程を含む上記1又は2記載のセロビオースの精製方法。
4.工程(B)が、限外ろ過工程後、逆浸透膜による濃縮工程を含む、上記3記載のセロビオースの精製方法。
5.工程(B)が、限外ろ過工程後、強酸性陽イオン交換樹脂による分画工程を含む、上記3記載のセロビオースの精製方法。
6.工程(A)が、天然リグノセルロースを含む原料を蒸解して得られる未乾燥ウエットパルプをセルラーゼで部分分解する工程を含む、上記1〜5のいずれか1項記載のセロビオースの精製方法。
7.全糖質に対するセロビオースの比率が90質量%以上のセロビオース含有糖液を、80〜95℃に保持しつつ乾燥することを特徴とするαアノマー比率の高いセロビオースの製造方法。
8.セロビオース含有糖液が、セロビオース結晶の再溶解液である、上記7記載のセロビオースの製造方法。
9.乾燥が噴霧乾燥、ドラム乾燥又はエクストルーダー加工のいずれかである上記7又は8記載のセロビオースの製造方法。
10.セロビオース含有糖液が、天然リグノセルロースを含む原料を蒸解して得られる未乾燥ウエットパルプをセルラーゼで部分分解したものである、上記7〜9のいずれか1項記載のセロビオースの製造方法。
本発明の精製方法によれば、高純度のセロビオースを高収率で安価に得ることができる。また、本発明の製造方法によれば、αアノマー比率が高く、水に対する溶解性の高い、高純度のセロビオースを高収率で安価に得ることができる。従って、本発明により得られるセロビオーズは、天然の非消化性甘味料として、健康食品や糖尿病対応食品など広範な食品分野への応用が期待できる。また、化粧品原料や医薬品原料としての用途も期待できる。
本発明は、(A)セロビオース含有糖液を調製する工程、(B)セロビオース含有糖液中の全糖質に対するセロビオースの比率を50質量%以上とする工程、及び(C)セロビオースを晶析させる工程を含むことを特徴とする、セロビオースの精製方法である。
本発明に使用するセロビオース含有糖液の調製は、公知の方法で行うことができ、例えば特許文献4に記載の方法を用いることができる。すなわち、天然リグノセルロースを含む原料の蒸解後の乾燥を経ていない湿潤状態の未晒しサルファイトパルプにpH5.5の酢酸緩衝液を加えることで2wt%のスラリー液を調製する。次に、この調製されたスラリー液を限外ろ過膜を備えたバイオリアクターに投入し、ポンプで循環させながらそのスラリー液を45℃に加温するとともに、この45℃の温度を保持しつつそのスラリー液に対して0.1wt%のTrichoderma viride属起源のセルラーゼを添加して4時間に亘って反応させることによりセルロースを加水分解させ、セロビオース含有糖液を得る。
また、セロビオース含有糖液を得る別の方法として、特許文献5に記載の方法を用いることもできる。
次に、こうして得られたセロビオース含有糖液中の全糖質に対するセロビオースの比率を50質量%以上とする。
例えば、上述の限外濾過膜を通過した加水分解反応液をそのまま濃縮、あるいは低阻止率の逆浸透膜で濃縮することにより、セロビオース含有糖液中の全糖質に対するセロビオースの比率を50質量%以上とすることができる。ここでいう低阻止率の逆浸透膜は、ルーズRO膜ともいわれ、ブドウ糖の大部分を通過させるがセロビオースの大部分は通過させない機能を有する逆浸透膜であれば特に制限は無いが、一例として日東電工(株)のNTR−7250をあげることができる。
このようにして得られるセロビオース含有糖液におけるセロビオースの全糖質に対する比率は、50質量%以上、好ましくは60質量%以上である。50質量%未満であると、次の晶析工程での結晶の回収率が低下する。換言すれば、該糖液中に存在するブドウ糖はセロビオースの結晶化を阻害するので、その含有量はセロビオース含量よりも低いことが好ましい。
該セロビオース含有糖液は、さらに適当な手段、例えば活性炭による脱色、及び適当な手段、例えばイオン交換樹脂による脱塩を行うことが好ましい。これらの工程は後の結晶化工程を容易にする。脱色、脱塩を行ったセロビオース含有糖液は、セロビオース濃度が14(w/v)%を超えるまで濃縮することが好ましい。14(w/v)%以下であると結晶の回収率が低下する。
セロビオースの結晶化を阻害するブドウ糖、オリゴ糖及びその他の不純物は、必要に応じてイオン交換樹脂等により除去することができる。例えば、セロビオース含有糖液を強酸性陽イオン交換樹脂(Na型又はCa型)のカラムに通し、水で展開することにより、セロビオースとブドウ糖、オリゴ糖及びその他の不純物を分離することができる。このようにして、さらにセロビオース濃度及び純度が向上したセロビオース含有糖液を調製することで、高純度のセロビオース結晶を高収率で得ることができる。
これらの処理を経て得られるセロビオースの全糖質に対する比率が50質量%以上のセロビオース含有糖液を濃縮すれば、セロビオースが晶析し、容易にセロビオースの結晶を含むスラリーを得ることができる。析出した結晶は、公知の手段、例えばろ過、遠心分離により回収することができる。必要に応じて再結晶操作を行っても良い。回収した結晶は、少量の冷水及び/又は含水エタノールで洗浄した後乾燥する。
得られた結晶の純度及び回収率はセロビオース含有糖液の特性にもよるが、通常それぞれ93質量%以上及び40質量%以上である。なお、セロビオース含量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定することができる。
さらに本発明は、全糖質に対するセロビオースの比率が90質量%以上のセロビオース含有糖液を、80〜95℃に保持しつつ乾燥することを特徴とするαアノマー比率の高いセロビオースの製造方法を提供するものである。
結晶セロビオースの水に対する溶解性(溶解速度)は立体異性体の比率(α及びβアノマーの比率)によって異なる。セロビオース結晶を水に溶解して、沸騰しない範囲の高温、好ましくは80〜95℃に0.5〜2.0時間保持し、この温度を保持しつつ乾燥することによって、αアノマーの比率が高まり、溶解性の向上したセロビオース粉末を得ることができる。ここでいう溶解性は、例えば25℃の水100mlに10gの試料を加えて撹拌したときの試料の完全溶解に要する時間で評価することができる。
乾燥方法に特に制限は無いが、例えば、噴霧乾燥、ドラム乾燥、及びエクストルーダー加工が例示される。
溶解性の向上したセロビオース製品は、晶析工程を経ることなく製造することもできる。すなわち、強酸性陽イオン交換樹脂による分画操作によってセロビオース含量を90質量%以上に高めたセロビオース含有糖液を、前記方法により乾燥することで、晶析工程を経て製造された結晶に比べて溶解性の高いセロビオース製品を得ることができる。
以下に試験例及び実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(試験例1)
(セロビオースの溶解度の測定)
市販セロビオース(和光純薬製)の20(w/v)%溶液を調製し、10〜60℃の恒温槽に保持し、結晶が発生した後、上清中の水分をカールフィッシャー水分計にて測定し、100%から減算することにより溶解度を算出した。
(表1)
Figure 2006290831
表1の結果は、セロビオース含有糖液からセロビオースの晶析を行う場合、例えば20℃においては、糖液のセロビオース濃度が少なくとも14(w/v)%を超えるまで濃縮する必要があることを示唆している。
(試験例2)
(セロビオースの結晶化に及ぼすブドウ糖の影響)
セロビオース(和光純薬製)とブドウ糖(キシダ化学(株)製)を混合して表2に示すBrix40および50の溶液を調製し、20℃で90時間放置後、晶析の有無を目視により判定した。また、結晶の回収できたサンプルについては、セロビオース純度を高速液体クロマトグラフィーにより分析した。
(表2)
Figure 2006290831
* ○:多量の晶析、△:少量の晶析、×:晶析確認されず。
表2より、混合液中のブドウ糖含有比率が50%を超えると、晶析が困難になることが認められた。また、Brix濃度を高めて晶析させた試料では、結晶のセロビオース純度が低下することが認められた。さらに、得られた結晶を走査型電子顕微鏡で表面構造を観察したところ、結晶が大きいほどセロビオース純度が高い傾向にあることが観察された。
以上の結果は、セロビオース含有比率が50%以上、ブドウ糖含有比率が50%以下で、Brixが40〜50に調整されたセロビオース含有糖液を調製することにより、高純度のセロビオース結晶が高回収率で得られることを示している。
実施例1
特許文献4(特開平7−184678)に記載の実施例に準じて、ウェットパルプからセロビオース含有糖液を調製した。すなわち、天然リグノセルロースを含む原料の蒸解後の乾燥を経ていない湿潤状態の哂しサルファイトパルプにpH5.5の酢酸緩衝液を加えることで2wt%のスラリー液を調製した。次に、この調製されたスラリー液を分画分子量1万のポリスルフォン膜を備えたバイオリアクターに投入し、ポンプで循環させながらそのスラリー液を45℃に加温するとともに、この45℃の温度を保持しつつそのスラリーに対して0.1wt%のTrichoderma viride属起源のセルラーゼを添加して4時間に亘って反応させることによりセルロースを加水分解した。この限外ろ過膜を通過した加水分解反応液を濃縮し、全糖質に対する比率が68%のセロビオースを含むセロビオース含有糖液を調製した。
このセロビオース含有糖液を活性炭で脱色し、次いで両性イオン交換樹脂(オルガノ社製)に通して脱イオン処理した。この時点で固形分あたりのセロビオース濃度は70%、ブドウ糖濃度は24%であった。続いて、溶液の固形分濃度が55%になるまで濃縮し、結晶セロビオースを含むスラリーを得た。結晶セロビオースを含むスラリーを遠心分離して、採取した結晶を少量の水で洗浄後乾燥し、純度95%の結晶セロビオースを、もともとセロビオース含有糖液に含まれていたセロビオースに対して63%の収率で得た。
実施例2
実施例1と同様の方法にて調製した、全糖質に対する比率が68%のセロビオースを含むセロビオース含有溶液にブドウ糖を添加し、セロビオース61%、ブドウ35%の糖組成溶液を調製した。活性炭、イオン交換樹脂処理後、固形分濃度が55%になるまで濃縮し、結晶セロビオースを含むスラリーを得た。このスラリーを遠心分離して、少量の水で結晶を洗浄後乾燥し、純度93%の結晶セロビオースを、もともとセロビオース含有糖液に含まれていたセロビオースに対して40%の収率で得た。
実施例3
実施例1と同様の方法でバイオリアクターを利用して調製した、全糖質に対する比率が63%のセロビオースを含むセロビオース含有糖液を、ルーズRO膜(日東電工製NTR7250)を有する膜濃縮システムを用いて連続濃縮した。すなわち、バイオリアクターの限外ろ過膜を通過した糖液を連続的に本システムに供給し、濃縮液は本システムを循環し、通過液は連続的に系外に排出させた。得られた濃縮液は約12倍に濃縮され、セロビオース比率は80%に上昇し、ブドウ糖比率は33%から16%に低下していた。これを活性炭で脱色し、次いでイオン交換樹脂で脱塩した後、固形分濃度が50%になるまで濃縮し、結晶セロビオースを含むスラリーを得た。実施例1と同様の方法で結晶を回収、乾燥し、純度96%の結晶セロビオースをもとのセロビオース含有糖液に含まれていたセロビオースに対して70%の収率で得た。
実施例4
実施例1と同様の方法にて調製した、全糖質に対する比率が65%のセロビオース含有糖液60ml(固形分濃度50%)を、10リットルのNa型強酸性イオン交換樹脂(オルガノ社製)のカラムに負荷して、カラム温度70℃、SV1.0で水で展開し、ブドウ糖画分とセロビオース画分に分画した。この分画により、固形分あたりセロビオース濃度91%、ブドウ糖濃度5%を含むセロビオース含有糖液が得られ、同時に塩類、たんぱく質などの不純物も除去されていた。このようにして調製されたセロビオース含有糖液を、実施例2と同様に活性炭、イオン交換樹脂処理後、固形分濃度が45%になるまで濃縮し、結晶セロビオースを含むスラリーを得た。このスラリーを遠心分離して、少量の水で結晶を洗浄後乾燥し、結晶セロビオースを回収した。得られた結晶の純度は98%で、回収率は80%であった。
ここで、実施例1〜4で調製したセロビオース含有糖液のセロビオース濃度及びブドウ糖濃度と、得られた結晶の純度及び回収率の関係をまとめて表3に示す。
(表3)
Figure 2006290831
回収率は濃縮前糖液中に含まれるセロビオース重量に対して、回収された結晶物の割合で表した。
表3より、糖液中のブドウ糖濃度を低下させることにより、回収される結晶物のセロビオース純度及び回収率を大幅に向上させることが可能であるとともに、高純度、高回収率のためには、セロビオース濃度は60%以上に高めておくことが有効であることが示された。また、セロビオース含有糖液中のブドウ糖を除去するために、限外ろ過膜の通過液をルーズRO膜で濃縮することにより、あるいは限外ろ過膜の通過濃縮液を強酸性イオン交換樹脂のカラムで分画することにより、セロビオース濃度を飛躍的に高められることが示された。これは、これらの操作、分画により、ブドウ糖、塩類、あるいはタンパク質などの不純物も同時に除去できることに起因していると考えられる。
実施例5
実施例4で得られたセロビオース高含有糖液を固形分濃度20%とし、液温20℃、60℃、又は80℃に1時間保持し、その後直ちにスプレー乾燥機にて乾燥してセロビオース粉末を調製した。これらセロビオース粉末の溶解性及びアノマー比率を表4に示した。なお、アノマー比率は、J&W社製 DB1701(内径0.25mm、長さ30m)カラムを用い、島津製作所製ガスクロマトグラフGC14にて分析した。すなわち、試料1.0mgを0.769mlのピリジンに溶解し、溶解液に0.077mlのTMSC及び0.154mlのHMDSを加えて室温で1時間保持した後、ガスクロマトグラフ分析に供した。溶解性は、25℃のイオン交換水100mlにサンプル10gを添加して撹拌した時の完全溶解に要する時間(溶解時間)で示した(表4)。なお、実施例1で得られた結晶のα及びβアノマーの比率はそれぞれ7.5%及び92.5%であり、その溶解時間は12.5分であった。
(表4)
Figure 2006290831
表4より、糖液温度を制御して乾燥することにより、アノマー比率の異なる、溶解性の向上したセロビオース粉末を得られることが確認された。

Claims (10)

  1. (A)セロビオース含有糖液を調製する工程、(B)セロビオース含有糖液中の全糖質に対するセロビオースの比率を50質量%以上とする工程、及び(C)セロビオースを晶析させる工程を含むことを特徴とする、セロビオースの精製方法。
  2. 全糖質に対するセロビオースの比率を60質量%以上とする、請求項1記載のセロビオースの精製方法。
  3. 工程(B)が、限外ろ過工程を含む請求項1又は2記載のセロビオースの精製方法。
  4. 工程(B)が、限外ろ過工程後、逆浸透膜による濃縮工程を含む、請求項3記載のセロビオースの精製方法。
  5. 工程(B)が、限外ろ過工程後、強酸性陽イオン交換樹脂による分画工程を含む、請求項3記載のセロビオースの精製方法。
  6. 工程(A)が、天然リグノセルロースを含む原料を蒸解して得られる未乾燥ウエットパルプをセルラーゼで部分分解する工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載のセロビオースの精製方法。
  7. 全糖質に対するセロビオースの比率が90質量%以上のセロビオース含有糖液を、80〜95℃に保持しつつ乾燥することを特徴とするαアノマー比率の高いセロビオースの製造方法。
  8. セロビオース含有糖液が、セロビオース結晶の再溶解液である、請求項7記載のセロビオースの製造方法。
  9. 乾燥が噴霧乾燥、ドラム乾燥又はエクストルーダー加工のいずれかである請求項7又は8記載のセロビオースの製造方法。
  10. セロビオース含有糖液が、天然リグノセルロースを含む原料を蒸解して得られる未乾燥ウエットパルプをセルラーゼで部分分解したものである、請求項7〜9のいずれか1項記載のセロビオースの製造方法。
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