JP2000333692A - キシロオリゴ糖の製造方法 - Google Patents

キシロオリゴ糖の製造方法

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JP2000333692A JP2000078029A JP2000078029A JP2000333692A JP 2000333692 A JP2000333692 A JP 2000333692A JP 2000078029 A JP2000078029 A JP 2000078029A JP 2000078029 A JP2000078029 A JP 2000078029A JP 2000333692 A JP2000333692 A JP 2000333692A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製紙用パルプのヘミセルラーゼ処理後の排液
中に含まれるキシロオリゴ糖の安価な回収精製方法、及
び漂白排液中に遊離されるキシロオリゴ糖が主因となる
酸素漂白工程の漂白性の悪化を防止する方法を提供す
る。 【解決手段】 リグノセルロース材料を原料とするパル
プのヘミセルラーゼ処理工程から得られる反応ろ液か
ら、膜ろ過法によりキシロオリゴ糖複合体を含む濃縮液
を得る工程、ついで、該濃縮液からキシロオリゴ糖を分
離、回収する工程を含むことを特徴とするキシロオリゴ
糖の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リグノセルロース
材料を原料とするパルプ製造工程におけるパルプのヘミ
セルラーゼ処理反応液よりキシロオリゴ糖を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】キシロオリゴ糖は、腸内細菌の選択的な
増殖促進効果を通しておなかの調子を良好に保つ機能を
有する特定保健用食品として認定された乳酸菌飲料、チ
ョコレートなどに利用される有用な糖類であり、医薬、
サニタリー製品の分野おいても乳化剤、皮膚の保湿成分
として利用されている。また、ヒトの食品用途だけでは
なく家畜の飼料の添加剤としても利用されている。
【0003】一般に、特定保健食品用に用いられるオリ
ゴ糖類は、その殆どが整腸作用、即ち「腸内悪玉菌」で
ある大腸菌や腸内腐敗発酵菌であるクロストリジウム属
の菌の数を減らし、相対的に「腸内善玉菌」といわれる
ビフィズス菌を増加させる作用を持っている。たとえ
ば、小麦フスマはキシランを主鎖とするヘミセルロース
からなる多糖であり、難分解性の植物繊維として整腸作
用を持つ食品として食品に添加されている。
【0004】小麦フスマの整腸作用は、小麦フスマが腸
内において腸内細菌により分解されたキシロオリゴ糖に
由来するといわれている。小麦フスマ由来のキシロオリ
ゴ糖が腸内善玉菌のビフィズス菌の選択的増殖を促し、
一方で腸内悪玉菌である大腸菌の数を相対的に低下させ
るとも言われている。大腸菌や腸内腐敗発酵菌は、腸内
で増殖しながら発ガン性物質を生産する事が知られてお
り、大腸菌や腸内腐敗発酵菌の数を腸内で減らす事は長
期にわたる健康を考えた場合に重要である。
【0005】キシロオリゴ糖を摂取する事により得られ
る選択的増殖促進効果は、鎖長が長いほど優れていると
言われている。特に3量体以上のキシロオリゴ糖が選択
的増殖性に有効である。現在上市されているキシロオリ
ゴ糖は、小麦フスマやコーンコブといった草本類を原料
として作られているが、これらの草本植物中のキシラン
主鎖にはグルクロン酸など他の糖が側鎖に分枝してい
る。側鎖が多いキシランからはキシロースのみを構成糖
とするオリゴ糖は、重合度が比較的小さいものしか生成
する事ができない。現状では、上市されているキシロオ
リゴ糖を構成するオリゴ糖は2量体を主成分とするもの
がほとんどであり、2量体より重合度の大きなキシロオ
リゴ糖の開発が望まれている。
【0006】キシロオリゴ糖は、植物の主要構成成分の
一つであるキシランから製造されている。キシランはキ
シロースのみからなる直鎖状のキシランとしてエスパル
ト、タバコの茎が知られているが、産業上利用可能な形
態のキシランとしては、穀類製造の副産物として得られ
るコムギフスマ、コーンコブなどに含まれるアラビノキ
シラン、主に針葉樹に含まれるグルクロノアラビノキシ
ラン、広葉樹のグルクロノキシランなどが知られてい
る。これら、産業上利用可能な形態のキシランは構成糖
中にキシロース以外のアラビノース、グルクロン酸、4
−O−メチルグルクロン酸、グルコース、ガラクトース
などが含まれており、植物の種類によりキシロースと他
の糖類との構成糖組成が異なっている。
【0007】キシランの製造方法としては、特許第14
6374号公報に記載のように、ペントザンを多く含む
バガス他、禾本科、豆科、亜麻科植物を酢酸のような有
機酸溶液の存在下で高圧下で蒸煮し、原料中に存在する
難溶性ペントザンを可溶性とし、維管束以外の組織を脆
弱化し、これを粉砕洗浄して得た繊維束に公知のソーダ
法、アルカリ性亜硫酸法、硫酸塩法などのパルプ化法を
施し、ペントザンを分取できることが示されている。キ
シロースは木材中にも多量に含まれており、全重量中の
キシラン含量は針葉樹の場合約6ないし10%、広葉樹
においては約20%を占める主要構成成分である〔「木
材化学」右田伸彦他編、共立出版p.73(1968)〕。これら
木材中のキシランを抽出し、キシロオリゴ糖やキシロー
ス、キシリトールを製造することも行われている。
【0008】パルプは、現在、主として木材チップから
化学的な処理又は機械的な処理により製造している。リ
グノセルロース材料、特に木材チップからセルロース分
であるパルプを採取した残りの構成成分はリグニンやヘ
ミセルロースが主なものであるが、これらはパルプ排液
中に遊離される。パルプ排液から特定の成分を単離し
て、食品又は食品添加物に利用する技術はこれまでに多
く実用化されている。古くはバニリンが亜硫酸パルプの
排液を160℃付近でアルカリ性で空気又は酸素で酸化
して製造されていた。
【0009】また、クラフトパルプ製造時における前加
水分解法によるパルプ化工程の排液中に遊離されたヘミ
セルロースからキシロースが製造されていた(特公昭4
3−731号公報参照)。また、亜硫酸パルプの排液中
に含まれる多量の糖を培養基として酵母を製造し、酵母
自体もしくはその組成物として含まれる核酸などの調味
成分を製造することが行われてきた。他にも、亜硫酸パ
ルプ排液から蛋白質を製造する方法(特開昭51−10
1193号公報)、アルコールを製造する方法(特開昭
56−144742号公報)などの技術が開発されてい
る。
【0010】パルプをキシラナーゼで処理することは、
Viikari ら〔L. Viikari et al., Biotechnol. Pulp Pa
per Ind.(Stockholm) pp.67-69(1986)〕が報告し、パル
プの漂白性が改善されることを述べている。またMoraら
は、パルプをキシラナーゼで処理するとパルプの強度の
改善に効果があるとして報告し、この中で、カバクラフ
トパルプをキシラナーゼ処理した反応ろ液中にキシロー
スならびに8量体までのキシロオリゴ糖が含まれている
ことを述べている〔F. Mora et al., J. WoodChem. Tec
hnol., vol. 6, pp.147-165(1986)〕。またSeniorら
も、アスペン材のクラフトパルプをキシラナーゼ処理し
た反応ろ液中にキシロース及びキシロオリゴ糖が含まれ
ることを述べている〔D. J. Senior et al, Biotechno
l. Lett., vol. 10, pp.907-912(1988)〕。しかしなが
ら、これらのいずれの報告もパルプの酵素処理反応ろ液
からキシロオリゴ糖を回収することは述べていない。
【0011】一方、キシロオリゴ糖を製造する方法とし
ては、特開昭53−35005号公報(米国特許明細書
第4181796 号に相当)に、植物性原料を酢酸を加えて1
60から230℃の温度で加圧飽和蒸気で処理し、水で
抽出されるキシラン及びキシランフラグメントを単糖や
他の不純物から分離する方法が述べられている。この方
法によれば、キシラン及びキシランフラグメントはOH型
の強塩基性イオン交換樹脂ならびに限外ろ過により効率
良く精製することができる。また、特開昭61−242
592号公報によれば、バチルス属の微生物の生産する
キシラナーゼでキシランを処理し、反応ろ液よりキシロ
オリゴ糖を製造する方法として、キシラナーゼを加熱失
活後ろ過して透明な反応ろ液を得、これを濃縮すること
によってシロップを、また、凍結乾燥することによって
粉末製品を得ることができることが記述されている。
【0012】同様に、特開昭63−112979号公報
によれば、広葉樹キシランをトリコデルマ由来のキシラ
ナーゼで処理した反応ろ液よりキシロオリゴ糖を回収す
る方法として、活性炭で脱色、フィルタープレスで活性
炭を除去し、15%エタノールで活性炭に吸着した糖を
回収し、アンバーライトIR−120B及びアンバーラ
イトIR−410のイオン交換樹脂で処理、脱塩した
後、逆浸透膜を用いた膜濃縮によりキシロビオースに富
むキシロオリゴ糖が得られることが示されている。
【0013】しかしながら、これらのいずれの報告も、
化学パルプにヘミセルラーゼを作用させた反応ろ液から
キシロオリゴ糖を回収、精製する安価な方法を述べてい
ない。パルプにヘミセルラーゼを作用させた反応ろ液中
に見いだされるキシロオリゴ糖は、上述の特開昭63−
112979号公報に示された方法に従って回収精製す
ることはコストがかかり、実用的ではない。その理由
は、パルプの酵素処理排液は容量が大きく、しかも糖の
含量が低いこと、パルプの酵素処理反応排液中にはリグ
ニンやセルロース、ヘミセルロースから蒸解や酸素晒の
工程中に生じる種々の有機酸などの不純物が大量に存在
することが主な理由である。すなわち分取精製に必要な
活性炭やイオン交換樹脂の量が多大であり、また、逆浸
透膜による濃縮も排液量が多く、リグニンなどの不溶成
分が大量に含まれるために通常より大きな設備を必要と
するという問題点があった。
【0014】また、キシロオリゴ糖の一般的な製造原料
には、産業上利用可能な形態のキシランとして、穀類製
造の副産物として得られるコムギフスマ、コーンコブな
どに含まれるアラビノキシラン、広葉樹のグルクロノキ
シランなどがある。これらの原料を上述の方法に従って
抽出し、キシラナーゼなどのヘミセルラーゼで処理する
ことにより単量体から10量体程度、主として単量体か
ら5量体程度のキシロオリゴ糖を構成成分とするキシロ
オリゴ糖を製造している。これら、産業上利用可能な形
態のキシランには、構成糖中にキシロース以外のアラビ
ノース、グルクロン酸、4−o−メチルグルクロン酸、
グルコース、ガラクトースなどが含まれており、また単
糖も多く含むまれている(例えば特開平4−53801
号公報参照)。純粋なキシロースのみからなるキシロオ
リゴ糖を得るには、さらに精密な精製を行う必要があ
り、この糖の安価な製造方法が望まれていた。
【0015】クラフトパルプに対するキシラナーゼ処理
は、化学薬品を用いる漂白シーケンスに於いて漂白薬品
の減添を可能にする事は知られている。キシラナーゼ処
理では、パルプ中のキシランをキシラナーゼで加水分解
するため、漂白工程の系内の排水中には多量のキシロー
ス、キシロオリゴ糖が遊離してくる。製紙工業において
は、工程水の使用量を低減するために、漂白シーケンス
中の1つの工程に用いた処理水をその前の漂白工程に利
用している。したがって、酵素段より前の工程中に使用
する水は、キシラナーゼによって遊離したキシロースや
キシロオリゴ糖などのキシラン分解物を含むものであ
る。
【0016】これらのキシロース、キシロオリゴ糖は、
還元基を末端にもつため酸素漂白などの酸化漂白工程で
アルデヒド基が酸化され、カルボン酸や更に酸化された
フラン誘導体及び着色したフラン縮合物となり、漂白薬
品を消費する。したがって、これらの糖類によって消費
される分の漂白薬品を追加する必要がある。また高アル
カリ条件下で行う酸素漂白では、アルデヒド基が酸化さ
れて生じるカルボン酸により低下するpHを補償するため
アルカリの添加率を高める必要がある。
【0017】キシラナーゼ処理で生じるキシロースやキ
シロオリゴ糖類を前段の漂白工程に戻さない方法の一つ
としては、これら還元性の糖類を除去し、還元糖類を含
まない処理水を前段に戻すことが考えられる。しかしな
がら、パルプ排液は前述のように大量に発生するため、
通常の逆浸透膜法などでは多大な設備が必要であると考
えられ、安価な処理方法は報告されていなかった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、パルプ
排液中のキシロオリゴ糖に着目し、鋭意研究を重ねた結
果、キシロオリゴ糖がパルプ排液中に何らかの物質と結
合して存在すること(以下、「キシロオリゴ糖複合体」
という)を見いだし、逆浸透膜や逆浸透膜よりも分画分
子量の大きい膜による濃縮ならびに酸処理により安価に
キシロオリゴ糖を製造する方法を見いだすことができ
た。従って、本発明は、製紙用パルプのヘミセルラーゼ
処理後の排液中に含まれるキシロオリゴ糖の安価な回収
精製方法を提供することを目的とする。また、ヘミセル
ラーゼ処理によって漂白排液中に遊離されるキシロオリ
ゴ糖が主因となる酸素漂白工程の漂白性の悪化を防止す
ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明は、次の各発明を包含する。 (1) リグノセルロース材料を原料とするパルプのヘミセ
ルラーゼ処理工程から得られる反応ろ液から、膜ろ過法
により分子量1500以上のキシロオリゴ糖複合体を含
む濃縮液を得る工程、ついで、該濃縮液からキシロオリ
ゴ糖を分離、回収する工程を含むことを特徴とする、キ
シロオリゴ糖の製造方法。
【0020】(2) リグノセルロース材料を原料とするパ
ルプのヘミセルラーゼ処理工程から得られる反応ろ液に
無機系凝集剤及び高分子系凝集剤から選ばれる凝集剤を
添加し、生成する凝集フロックをろ過除去する工程、該
ろ過除去工程より得られるろ液から、膜ろ過法によりキ
シロオリゴ糖複合体を含む濃縮液を得る工程、ついで、
該濃縮液からキシロオリゴ糖を分離、回収する工程を含
むことを特徴とする、キシロオリゴ糖の製造方法。
【0021】(3) ヘミセルラーゼがキシラナーゼであ
る、(1) 項又は(2) 項に記載のキシロオリゴ糖の製造方
法。 (4) リグノセルロース材料を原料とするパルプが化学パ
ルプである、(1) 項〜(3) 項のいずれか1項に記載のキ
シロオリゴ糖の製造方法。
【0022】(5) 化学パルプが広葉樹クラフトパルプで
ある、(1) 〜(4) 項のいずれか1項に記載のキシロオリ
ゴ糖の製造方法。 (6) 化学パルプが酸素漂白後のパルプであることを特徴
とする(1) 〜(5) 項のいずれか1項に記載のキシロオリ
ゴ糖の製造方法。
【0023】(7) 前記分子量1500以上のキシロオリ
ゴ糖複合体を含む濃縮液からキシロオリゴ糖を分離、回
収する工程は、該キシロオリゴ糖複合体を含む濃縮液を
pH2〜4の間に調整し、100〜200℃、好ましく
は105〜170℃、より好ましくは110〜125℃
で、1分〜120分間加熱処理してキシロースの2量体
〜10量体を含む混合物を得る工程である、(1) 〜(6)
項のいずれか1項に記載のキシロオリゴ糖の製造方法。
【0024】(8) 前記加熱処理してキシロースの2量体
〜10量体を含む混合物を得る工程は、加熱処理に引き
続いて、処理液から膜処理によりキシロースの2量体〜
10量体を含むキシロオリゴ糖の混合物を分離取得する
工程である、(7) 項記載のキシロオリゴ糖の製造方法。 (9) 前記膜処理により分離、回収したキシロオリゴ糖
を、さらにイオン交換樹脂により脱色、精製することを
特徴とする、(8) 項記載のキシロオリゴ糖の製造方法。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明が処理対象とする反応ろ液は、ヘミセルラー
ゼ処理工程においてリグノセルロース物質であるパルプ
として化学パルプ、機械パルプのいずれをヘミセルラー
ゼ処理して得られる反応ろ液であってもよい。化学パル
プの中では、クラフトパルプ、ソーダパルプ、特に広葉
樹クラフトパルプのヘミセルラーゼ処理工程から得られ
る反応ろ液が好ましい。さらに、広葉樹クラフトパルプ
の蒸解後のパルプ、またさらには蒸解後のパルプを酸素
漂白したパルプのヘミセルラーゼ処理工程からの反応ろ
液が望ましい。
【0026】本発明に使用する反応ろ液を生成するヘミ
セルラーゼ処理工程では、ヘミセルラーゼはキシラナー
ゼ活性を含むものであればいずれも用いることができ
る。たとえばカルタザイム、パルプザイム、エコパル
プ、スミチームなどの市販の酵素製剤や、トリコデルマ
属、テルモミセス属、オウレオバシヂウム属、ストレプ
トミセス属、アスペルギルス属、クロストリジウム属、
バチルス属、テルモトガ属、テルモアスクス属、カルド
セラム属、テルモモノスポラ属などの微生物により生産
されるキシラナーゼを使用することができる。
【0027】本発明により、パルプをヘミセルラーゼで
処理した処理反応ろ液中に生じるキシロース及びキシロ
オリゴ糖の構成比は、用いる酵素の種類によって変わ
り、キシロースが多く含まれるもの、キシロビオースが
多く含まれるもの、キシロトリオースが多く含まれるも
のなど様々であるが、例えば、バチルス・エスピーS-21
13株のキシラナーゼ(特開平8−224081号公報参
照)を利用する場合、処理反応ろ液中に生じるキシロー
ス及びキシロオリゴ糖の構成比は4量体が最も多く、単
量体が少ない組成比のオリゴ糖を製造する。特に広葉樹
クラフトパルプを用いた場合、グルコース、アラビノー
スなどの構成糖がほとんどなく、キシロースがほぼ10
0%近いという特徴がある。
【0028】パルプのヘミセルラーゼ処理反応ろ液中に
遊離されたキシロオリゴ糖を、5μmのフィルターで不
溶成分を除去した後、逆浸透膜を通すと、透過液中にキ
シロース、グルコース、アラビノースとともにキシロオ
リゴ糖が検出され、含まれる全糖は元の反応ろ液中の全
糖量の約30%であった。一方、逆浸透膜濃縮液中には
これらのオリゴ糖や単糖が若干検出されるが、殆どがキ
シロオリゴ糖複合体として約70%が回収されていた。
単なる逆浸透膜以外にも膜自体を荷電させたいわゆるル
ーズROと呼ばれるナノフィルトレーション用の膜も使用
可能である。これは食塩の膜阻止率が50%程度の膜で
あるが、逆浸透膜と全く同様に用いることができ、その
ときの全糖回収率は逆浸透膜を使用した時と同程度の約
70%であった。また限外ろ過も使用できるが、全糖の
回収率は約30%である。
【0029】パルプの酵素反応処理液中に含まれるキシ
ロオリゴ糖複合体は、例えばエバポレーションや凝集沈
殿、溶媒抽出などの物理的、化学的処理により濃縮する
ことができる。しかし、本来のキシロオリゴ糖は透過
し、キシロオリゴ糖複合体は膜内に残り濃縮されるよう
な膜により濃縮する方法が工業的に有利である。その理
由の1つは、運転コストが比較的安価で、溶媒などの特
殊な化学物質を使用しないで済む点であり、また、キシ
ロオリゴ糖と同時に酵素反応処理液中に含まれる種々の
無機物、例えば、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム
等、ブドウ糖、キシロース、アラビノースなどの単糖な
いしは少糖類、有機酸、リグニンなどに由来する低分子
の有機物がこの方法により分離除去できるからである。
【0030】一般に、逆浸透膜、限外ろ過膜等の膜エレ
メントを運転すると、原水中に存在するコロイド性物質
や懸濁物質等が膜面上に付着、蓄積し、時間の経過とと
もにろ過比抵抗が増大して透過流束が低下する。このよ
うな膜やモジュールの性能劣化を最小限にとどめ、長時
問にわたり安定して運転することが実用上重要であるた
め、凝集沈殿、フィルターろ過等による除濁処理が前処
理として行われている。パルプのヘミセルラーゼ処理反
応ろ液中には、フィルターろ過処理だけでは除去困難な
リグニン、消泡剤および微細な不溶成分が懸濁してお
り、膜濃縮を行う際の透過流束低下の原因となる。そこ
で、膜濃縮前の前処理として、該反応ろ液に凝集剤を添
加し、これにより形成された凝集フロックを除去、清澄
なろ液を得ることによって、膜濃縮の際の透過流束低下
を防止することができる。
【0031】添加する凝集剤としては、硫酸バンド、ポ
リ塩化アルミニウム等の無機系凝集剤や、高分子系凝集
剤、例えば、ポリアクリルアミド系、ポリアミジン系等
の高分子凝集剤あるいはキトサン等の天然高分子凝集剤
を使用することができる。凝集剤の添加量は、該反応ろ
液に対して、硫酸バンドの場合500〜1000ppm
( 硫酸バンド添加後、苛性ソーダでpH7.5に調製)
、カチオン性合成高分子凝集剤の場合5〜30pp
m、キトサンの場合30〜60ppm程度で凝集フロッ
クを得られるが、該反応ろ液の水質に応じて添加量を決
定することが好ましい。得られた凝集フロックは、遠心
分離あるいはプレコートフィルター、バッグフィルタ
ー、フィルタープレス等のろ過操作で除去することがで
きる。凝集剤処理及びろ過操作等で除濁された該反応ろ
液は、凝集剤処理を加えないろ過操作のみの該反応ろ液
と比較して清澄度が高く、膜濃縮における透過流束の低
下が防止される。
【0032】キシロオリゴ糖は、2量体以上のオリゴマ
ーである。また、キシロースの分子量は150であり2
量体は282であり、3量体は414、以下、キシロー
ス残基が1つ増えるごとに分子量は132ずつ増加し、
10量体は1338である。濃縮されたキシロオリゴ糖
複合体はパルプの酵素反応処理液中でキシロオリゴ糖が
何らかの物質、おそらくはリグニン又はリグノセルロー
ス物質、或いはヘミセルロース由来のフラン誘導体等の
蒸解の過程で生じた高分子物質と複合体を形成している
ものと考えられている。
【0033】この膜濃縮物中に含まれる全糖は、ほぼキ
シロースのみからなり、膜濃縮物に酸を添加してpHを
5より低く調整し、高温で加熱することによりキシロオ
リゴ糖を遊離させることができる。この場合の酸は、特
に限定されるものでなく、いずれの酸を用いることがで
き、たとえば硫酸、塩酸などの鉱酸のほか、シュウ酸、
酢酸などの有機酸が例示される。濃縮液の酸処理時のp
Hは2から4が好ましく、さらに好ましくはpHが3.
5から4.0の範囲であるである。pHが1.5以下に
なるとキシロースへの加水分解が促進され、キシロオリ
ゴ糖の回収率は低下する。またpHが5以上では150
℃程度までの温度ではキシロオリゴ糖の遊離が促進され
ない。
【0034】キシロオリゴ糖の遊離に必要な加熱温度
は、キシロオリゴ糖が遊離する温度であれば、特に限定
されるものではないが、100から200℃までの温
度、特に105から170℃が好ましく、さらに好まし
い温度は110℃から125℃である。100℃未満の
処理温度では、キシロオリゴ糖複合体からキシロオリゴ
糖は遊離しない。また、170℃を越えると、単糖であ
るキシロースへの分解反応が促進されキシロオリゴ糖の
収率が低下する。また、反応中の圧力は大気圧から5k
g/cm2 の間であることが好ましい。
【0035】キシロオリゴ糖の遊離に必要な処理時間
は、添加する酸の量、pH、温度によって異なるが、た
とえば硫酸でpHを3.5に調整した場合は、120
℃、15分が好ましい。実用上は、これらのpH、温
度、時間の条件を勘案し、適切な条件を設定することに
より目的とするキシロオリゴ糖の組成比をもった組成物
を得ることができる。また、さらに適当なキシラナー
ゼ、ヘミセルラーゼを作用させてキシロース又はキシロ
ビオースの比率を高めることも可能である。
【0036】酸処理後のキシロオリゴ糖組成物には、ま
だリグニンなどの不溶物や着色物質が含まれている。不
溶物は遠心分離、フィルターろ過、ろ布によるろ過等の
処理で取り除くことができる。溶解している着色物質な
どの不純物を除去する方法は、特に限定されるものでは
なく、これまで知られた活性炭を用いる方法、アンバー
ライトなどの強塩基性陰イオン交換樹脂、弱塩基性陰イ
オン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオ
ン交換樹脂を用いる方法、膜ろ過法をそれぞれ繰り返す
か、又はこれらの組み合わせにより行うことができる。
例示すれば、加熱処理後のキシロオリゴ糖複合体をろ布
でろ過して不溶物を除去後、限外ろ過膜による処理を行
って透過画分を弱塩基性及び強塩基性イオン交換樹脂に
より処理し、非吸着画分を少量の活性炭で処理して脱色
後、脱塩用両性イオン交換樹脂で脱塩することにより精
製オリゴ糖を得ることができる。これらの一連の処理に
より、酸処理後の1000Lの原材料液から約70キロ
グラムのキシロオリゴ糖を得ることが可能である。
【0037】また、パルプの酵素処理反応ろ液中に含ま
れるキシロース、グルコース、アラビノースなどの単糖
は、大部分がはじめに膜ろ過を行うことにより除去され
るので、膜濃縮液を加熱処理した後の試料にはこれらの
単糖の含有比率が少ないという特徴がある。この特徴
は、大腸菌の選択的な増殖抑制効果の発現に有利なもの
である。
【0038】本発明は、また、酵素処理反応ろ液を限外
ろ過膜でろ過することにより、ろ液中のリグニン、糖な
どの有機物を除去することができる。一般に、パルプの
漂白シーケンスでは、水は向流洗浄で繰り返し利用する
ことが基本である。従って、ろ液を用いる前段の工程中
で、本来含まれていたリグニンや有機物を除去すること
により、前段の処理、例えば酸素漂白段、蒸解などの処
理の効率が上がり、パルプの白色度の向上、使用する薬
品やエネルギーの削減が可能である。また、ろ液中のリ
グニン、糖などの有機物を膜により除去することによ
り、パルプと共に後段の漂白シーケンスに送られる事に
なる漂白排水中の有機物の減量が可能となる。このこと
により、最終的な漂白シーケンスより排出される排水中
のCOD 量を低減させることが可能である。
【0039】
【作用】本発明はパルプにキシラナーゼ又はこれを含む
ヘミセルラーゼ処理反応を行い、その反応ろ液からキシ
ロオリゴ糖画分を製造する方法を提供するものである。
本発明によって、キシロオリゴ糖の構成糖がキシロース
のみであり、しかも単糖であるキシロースの含量が少な
く、また、2量体よりも3量体以上、特に4量体以上の
オリゴ糖が多い組成を持つキシロオリゴ糖組成物を製造
することも容易である。
【0040】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。以下に示す%は、特に断りがない限りすべて重量に
よるものであり、対パルプの添加率はパルプの絶乾重量
に対する容量の比率である。
【0041】実施例1:濃縮糖液の調製 国内産広葉樹チップ70%、ユーカリ材30%からなる
混合広葉樹チップを原料として、クラフト蒸解によりカ
ッパー価20.1、パルプ粘度41cpsの工場製の未
晒パルプを得た。次いで、酸素脱リグニンを行い、カッ
パー価9.6、パルプ粘度25.1cpsの酸素脱リグ
ニンパルプを得た。このパルプを100メッシュのろ布
にてろ別、洗浄後、パルプ濃度を10%に調整し、希硫
酸を加えてpH8に調整し、ついでバチルス・エスピー
S−2113株(通商産業省工業技術院生命工学工業技
術研究所 寄託菌株FERM BP-5264)の生産するキシラナ
ーゼを対パルプ1単位/gとなるように添加した後、6
0℃で120分処理した。処理後、100メッシュのろ
布でろ過してパルプ残渣などを分離し、全糖濃度370
0mg/Lを含む1050L(全糖量として3900
g)の処理液を得た。
【0042】続いて、逆浸透膜(日東電工製:RO NTR-
7410 、膜質:スルホン化ポリエーテルスルホン系、食
塩阻止率10%:通常、分画分子量1000以上であ
る。)を用いて容量比で40倍に濃縮した。この濃縮液
は、全糖量で2700gを有しており、全糖回収率は7
0%であった。試料中のキシロオリゴ糖及びキシロオリ
ゴ糖複合体をダイオネクス社製イオンクロマトグラフィ
ー(イオンクロマト用カラム:PA-10 )で分析した。結
果は表1及び図1に示す。図1(a)において、縦軸
は、電気量(ナノクーロン:nC)を示し、横軸は溶出
時間(分)を示す。また、各ピークは、左からキシロー
ス、単糖(6分)、2量体(9.2分)、3量体(1
0.3分)、4量体(11.4分)、5量体(12.5
分)、(以下、6量体、7量体・・・と続く、)、及び
キシロオリゴ糖複合体(23.8分)である。図1
(a)及び表1から明らかなように、濃縮物中のキシロ
オリゴ糖の含量は少なかった。
【0043】参考例1 実施例1で得られた濃縮糖液に対し、シュウ酸及び酢酸
を用いて各々pHを5.0に調整後、121℃にて1時
間反応させて実施例1と同様に分析した結果、いずれの
酸を用いた処理反応においても、キシロオリゴ糖はコン
トロールに比べて新規に生成していない事が判明した。
表1にはシュウ酸の結果を示すが、酢酸についても同様
の結果であった。
【0044】参考例2 実施例1で得られた濃縮糖液に対し、硫酸を用いてpH
を5.0に調整後、100℃にて1時間反応させて実施
例1と同様に分析した。この処理反応においても、キシ
ロオリゴ糖は新規に生成していない事が判明した。
【0045】実施例2 実施例1で得られた濃縮糖液1,000mlに対して硫
酸を適宜添加し、pHを3.5に調製した。その後、こ
の濃縮糖液を121℃にて1時間反応させた。反応生成
物をイオンクロマト用カラム(ダイオネクス社:PA-10
)を用いたイオンクロマトグラフィーで分析した結
果、コントロール(未処理の糖溶液)に比べ高濃度のキ
シロオリゴ糖(2量体〜10量体)が生成していること
が判明した(表1)。結果を図1 (b) に示す。図1
(b)は、pH3.5で121℃、1時間加熱処理した
試料の1/100希釈物のイオンクロマトグラフィーに
よるクロマトグラムを示している。縦軸は、電気量(n
C)を示し、横軸は溶出時間(分)を示す。また、各ピ
ークは、左からキシロース、単糖(6分)、2量体
(9.2分)、3量体(10.3分)、4量体(11.
4分)、5量体(12.5分)、(以下、6量体、7量
体・・・と続く、)、及びキシロオリゴ糖複合体(2
3.8分)である。図1(b)及び表1から明らかなよ
うに、図1(a)のコントロール(未処理の糖溶液)に
比べて高濃度のキシロオリゴ糖(2量体〜10量体)が
生成していることが判明した。
【0046】実施例3〜5 実施例1で得られた濃縮糖液のpHを3.5にまで変化
させる酸として、硫酸に代えてシュウ酸、酢酸及び塩酸
を用いて実施例2と同様の反応を行い、キシロオリゴ糖
の糖液の作製を試みた。その結果、硫酸による調整時と
同様にキシロオリゴ糖の糖液(2量体〜10量体の溶
液)を得ることができた(表1)。
【0047】参考例3〜5 実施例1で得られた濃縮糖液に対し、硫酸(参考例
3)、シュウ酸(参考例4)及び塩酸(参考例5)を用
いて各々pHを1.5に調整後、121℃にて1時間反
応させ、実施例1と同様に分析した結果、いずれの酸を
用いた処理反応においても、キシロオリゴ糖は酸により
分解し、キシロースにまでに低分子化していることが判
明した(表1)。
【0048】実施例6 実施例1で得られた濃縮糖液に対し、硫酸を用いて各々
pHを3.5に調整後、155℃にて1時間反応させ、
実施例1と同様に分析した。キシロース、キシロビオー
スなどの短鎖のオリゴ糖が増加した。表1には硫酸の結
果を示す。なお、硫酸に代えてシュウ酸を使用した場合
についても同様の結果であった。
【0049】実施例7〜10 実施例1で得られた濃縮糖液に対し、硫酸及びシュウ酸
を用いて各々pHを3.5に調整後、121℃にて反応
させる際に反応時間を30分、15分とした。その後、
実施例2と同様に新たに生成したキシロオリゴ糖を分析
した結果、30分、もしくは15分の両反応時間におい
ても60分、121℃で処理した場合と同程度のキシロ
オリゴ糖が生成している事が判明した(表1)。
【0050】
【表1】
【0051】実施例11:酸処理により生成したキシロ
オリゴ糖の精製(1) 実施例1で得られた糖溶液に対してシュウ酸を適宜添加
し、溶液のpHを3.5に調整した。その後、121
℃、60分加熱処理してキシロオリゴ糖の糖溶液(全糖
濃度140mg/ml)を作製した。作製した糖溶液中
に含まれる不溶物はフィルターろ過で取り除いた。その
後、この糖溶液10mlを分画分子量8000の限外ろ
過膜を用いて限外ろ過を行い、通過画分4mlを得た。
この通過画分の全糖量は280mgであった。次に通過
画分4mlを30mgの強塩基性イオン交換樹脂(ロー
ム・アンド・ハース社製:アンバーライトGC-400type2
)でバッチ法により処理した、処理後の全糖量は26
0mgであった。最後に,活性炭(和光純薬製)と脱塩
用両性イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製:
アンバーライトMB3 )を各々30mgずつ用いて脱色、
及び脱塩をバッチ法にて逐次行い、最終の精製キシロオ
リゴ糖溶液を得た。その1/300希釈物のイオンクロ
マトグラフィーによるクロマトグラムを図2に示す。こ
の時の全糖量は113mgであった。最終的な回収率
は、限外ろ過膜処理後の透過液を100%としたときに
約40%であった(表2)。精製キシロオリゴ糖中の不
純物濃度は0.9%であった。なお、図2中、各ピーク
の内容、縦軸、横軸の定義は図1の場合と同じである。
【0052】
【表2】
【0053】実施例12:酸処理後のキシロオリゴ糖の
精製(2) 実施例11と同様の方法で調整したキシロオリゴ糖複合
体の糖溶液(106mg/ml)250ml、全糖量と
して26.5gを活性炭(和光純薬製:品番037−0
2115)を用いて作製したカラム(内径50mm、長
さ200mm)に負荷した。その後、溶出溶媒として純
水及び25%エタノールを用いてキシロオリゴ糖の回収
を試みた。はじめに、溶出液として純水を用いた場合キ
シロオリゴ糖は全く回収されなかった。よって、次に2
5%のエタノールを用いて活性炭に吸着したキシロオリ
ゴ糖を溶出した。溶出後に回収されたキシロオリゴ糖
は、両性イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社
製:MB3)を用いてバッチ法により脱塩し、精製キシ
ロオリゴ糖とした。この時の回収したキシロオリゴ糖は
5.5gであった(表3)。
【0054】
【表3】
【0055】実施例13:酸処理後のキシロオリゴ糖の
精製(3) 実施例11と同様の方法で調整したキシロオリゴ糖複合
体の糖溶液(117mg/ml)10ml、全糖量とし
て1.2gを強酸性イオン交換樹脂(ローム・アンド・
ハース社製:アンバーライト200C)を充填したカラ
ム(内径36mm、長さ150mm)に負荷した。カラ
ムを通過したキシロオリゴ糖を回収した後に、弱塩基性
イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製:IRA67
)を充填した同様のカラムに負荷した。カラムを通過
して得られたキシロオリゴ糖は、濃縮後、80mgの活
性炭(和光純薬製:品番037−02115)をキシロ
オリゴ糖溶液に添加し、60℃にて1時間攪拌し、脱色
を行った。攪拌後は0.22μmのメンブレンフィルタ
ーで活性炭をろ過し、精製したキシロオリゴ糖溶液を得
た。精製したキシロオリゴ糖溶液には280及び250
nmの波長の吸収は認められず、酸処理後のキシロオリ
ゴ糖溶液に含まれる紫外吸収物質は除去されていた。灰
分の残存率も出発原料である酸処理後のキシロオリゴ糖
溶液に対して0.1%以下であった。また、この時のキ
シロオリゴ糖の回収率は70.8%であった(表4)。
【0056】
【表4】
【0057】実施例14 国内産広葉樹チップ70%、ユーカリ材30%からなる
混合広葉樹チップを原料として、クラフト蒸解によりカ
ッパー価20.1、パルプ粘度41cpsの工場製の未
晒パルプを得た。次いで、酸素脱リグニンを行い、カッ
パー価9.6、パルプ粘度25.1cpsの酸素脱リグ
ニンパルプを得た。このパルプを洗浄して、パルプ濃度
を10%に調整した後、希硫酸を加えてpH8に調整
し、ついでバチルス・エスピーS−2113株( 通商産
業省工業技術院生命工学工業技術研究所寄託菌株FER
M BP−5264) の生産するキシラナーゼを対パル
プ1単位/gとなる様に添加した後、60℃で60分処
理した。処理後、ディスプレイスメントプレス洗浄機で
洗浄し、洗浄ろ液を得た。得られた洗浄ろ液の全糖濃度
は1700mg/Lであった。
【0058】得られた該洗浄ろ液2000Lをミクロン
レート10μmのバックフィルター(ISP FILT
ERS Pte Ltd)でろ過して不溶成分を除去し
た。このとき、該洗浄ろ液のSS:350ppmに対し
て、バックフィルターろ過したろ液中には79ppmの
不溶成分が残留していた。ろ液中の不溶成分量は、ろ液
のSS濃度を測定することにより確認した。各ろ液、そ
れぞれ200mlを、グラスフィルター(ADVANT
EC GA100 フイルター径:47mm)でろ過し
て、フィルターに捕捉された不溶成分を105℃、1時
間の乾燥の後、乾燥重量を測定した。
【0059】次に、同様にして得られた、2000Lの
該洗浄ろ液に、カチオン性高分子凝集剤としてアクリル
アミド系凝集剤(アコフロックC492UH:三井サイ
テック) を該洗浄ろ液に対して15ppm添加、撹拌し
て凝集フロックを形成させた。凝集フロック形成後、ミ
クロンレート10μmのバッグフィルターでろ過して、
清澄なろ液を得た。バッグフィルターろ過後のろ液中に
は、11ppmの不溶成分が残留していた。同様に、2
000Lの該洗浄ろ液に、天然高分子凝集剤としてキト
サン(キミツキトサンL: 君津化学工業)を該洗浄ろ液
に対して50ppm添加、撹拌して凝集フロックを形成
させた。凝集フロック形成後、ミクロンレート10μm
のバッグフィルターでろ過して清澄なろ液を得た。この
とき、13ppmの不溶成分がろ液中に残留していた。
凝集フロックのフィルターろ過による糖の損失は認めら
れなかった。また、アニオン性及びノニオン性高分子凝
集剤を該洗浄ろ液に対して50ppm添加しても凝集フ
ロックを形成させることはできなかった(表5)。
【0060】このように、該洗浄ろ液に対して3通りの
前処理を施したろ液を得た後、続いて、これらの処理ろ
液をそれぞれ、逆浸透膜( 日東電工製:RONTR−7
450、膜質: スルホン化ポリエーテルスルホン系、食
塩阻止率50%、膜面積:6.5m2 −2本) を用い
て、液温50℃、入口操作圧力10〜20kgf/cm
2 、流量1400〜1800L/hrの運転条件で、容
積比20倍に濃縮した。入口操作圧力は毎時2kgf/
cm2 で昇圧させた。10μバッグフィルターによるろ
過操作のみで不溶成分を除去した処理ろ液では、逆浸透
膜による濃縮開始時の透過流束:39L/(hr.
2 )に対して、20倍濃縮終了時の透過流束は7L/
(hr.m2 )となり、透過流束は80%以上低下し
た。
【0061】一方、カチオン性高分子凝集剤(アコフロ
ック492UH:三井サイテック)を添加し、凝集フロ
ックを10μバッグフィルターで除去した処理ろ液で
は、逆浸透膜による濃縮開始時の透過流束:38L/
(hr.m2 )に対して、20倍濃縮終了時の透過流束
は30L/(hr.m2 )となり、透過流束は21%し
か低下しなかった。同様に、天然高分子凝集剤(キミツ
キトサンL:君津化学工業)を添加し、凝集フロックを
10μバッグフイルターで除去した処理ろ液では、逆浸
透膜による濃縮開始時の透過流束:36L/(hr.m
2 )に対して、20倍濃縮終了時の透過流束は28L/
(hr.m2 )、透過流束の低下率は22%であった
(図3)。このとき、該洗浄ろ液2000L中に含まれ
る全糖量3400gに対して、20倍に濃縮した濃縮液
100L中に含まれる全糖量は、いずれも約2700g
であり、全糖回収率は80%であった。
【0062】次に、得られた該濃縮液に硫酸を適宜添加
してpHを3.5に調製し、121℃にて1時間反応さ
せた。反応生成物をイオンクロマトグラフで分析した結
果、高濃度のキシロオリゴ糖(2量体〜10量体) が生
成していることが確認された(図4)。膜による濃縮操
作の前処理として、凝集剤添加により形成された凝集フ
ロックを除去しても、得られるキシロオリゴ糖の組成が
変化することはない。
【0063】
【表5】
【0064】
【発明の効果】本発明により、安価にキシロースの2量
体から10量体を含むキシロオリゴ糖を供給できる。ま
た3量体以上のキシロオリゴ糖の構成比率の高いキシロ
オリゴ糖を供給することができる。さらに、パルプの酵
素処理排液を膜ろ過することにより、排液中に含まれる
リグニンや有機物が除去されるため、パルプ製造工程中
のパルプの漂白性の改善が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】広葉樹クラフトパルプのキシラナーゼ処理反応
ろ液を濃縮液後、加熱処理した液中の成分のクロマトグ
ラム。
【図2】精製キシロオリゴ糖成分のクロマトグラム。
【図3】膜濃縮における処理ろ液の透過液Flux経時
変化を示す図。
【図4】凝集処理したろ液を濃縮・酸処理した後精製し
たキシロオリゴ糖のクロマトグラムを示す図。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リグノセルロース材料を原料とするパル
    プのヘミセルラーゼ処理工程から得られる反応ろ液か
    ら、膜ろ過法によりキシロオリゴ糖複合体を含む濃縮液
    を得る工程、ついで、該濃縮液からキシロオリゴ糖を分
    離、回収する工程を含むことを特徴とする、キシロオリ
    ゴ糖の製造方法。
  2. 【請求項2】 リグノセルロース材料を原料とするパル
    プのヘミセルラーゼ処理工程から得られる反応ろ液に無
    機系凝集剤及び高分子系凝集剤から選ばれる凝集剤を添
    加し、生成する凝集フロックをろ過除去する工程、該ろ
    過除去工程より得られるろ液から、膜ろ過法によりキシ
    ロオリゴ糖複合体を含む濃縮液を得る工程、ついで、該
    濃縮液からキシロオリゴ糖を分離、回収する工程を含む
    ことを特徴とする、キシロオリゴ糖の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ヘミセルラーゼがキシラナーゼであ
    る、請求項1又は請求項2に記載のキシロオリゴ糖の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記リグノセルロース材料を原料とする
    パルプが化学パルプである、請求項1〜3のいずれか1
    項に記載のキシロオリゴ糖の製造方法。
  5. 【請求項5】 化学パルプが広葉樹クラフトパルプであ
    る、請求項4記載のキシロオリゴ糖の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記キシロオリゴ糖複合体を含む濃縮液
    からキシロオリゴ糖を分離、回収する工程は、キシロオ
    リゴ糖複合体を含む濃縮液をpH2〜4の間に調整し、
    100〜170℃で1分〜120分加熱してキシロース
    の2量体〜10量体を含む混合物を得る工程である、請
    求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のキシロオリゴ
    糖の製造方法。
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