JP2006290684A - Iii族窒化物結晶基板およびその製造方法 - Google Patents

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Shinsuke Fujiwara
伸介 藤原
Hideaki Nakahata
英章 中幡
Tomoyoshi Kamimura
智喜 上村
Takuji Okahisa
拓司 岡久
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Abstract

【課題】 異種基板を用いて割れがなく反りの少ないIII族窒化物結晶基板を製造する方法およびその製造方法により得られるIII族窒化物結晶基板を提供する。
【解決手段】 下地基板1上に直接または中間層2を介してAlxGa1-xN(0<x≦1)の化学組成を有する第1のIII族窒化物結晶層11を成長させる工程と、第1のIII族窒化物結晶層11上にAlyGa1-yN(0≦y<x)の化学組成を有する第2のIII族窒化物結晶層12を割れることなく1mm以上の厚さに成長させる工程と、第2のIII族窒化物結晶層12を加工してAlyGa1-yNの化学組成を有するIII族窒化物結晶基板13を形成する工程とを含むIII族窒化物結晶基板の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種の電子デバイスの基板として適用され得る割れがなく反りの少ないIII族窒化物結晶基板およびその製造方法に関する。
GaN結晶基板、AlpGa1-pN結晶基板(0<p<1)などのIII族窒化物結晶基板は、禁制帯幅が大きくバンド間遷移も直接遷移型であるため、各種の電子デバイス用基板として重要である。かかるIII族窒化物結晶基板を、大量にかつ低コストで得るためには、サファイア基板、SiC基板、GaAs基板などの異種基板上に、大型で厚さの大きいIII族窒化物結晶層を成長させ、このIII族窒化物結晶層を加工してIII族窒化物結晶基板を形成する技術の開発が望まれている。
しかし、上記異種基板とIII族窒化物結晶とは格子定数の不整合から、異種基板上にIII族窒化物結晶を成長させる際には、III族窒化物結晶に割れや反りが発生するという問題があった。
一方、異種基板上にIII族窒化物結晶を成長させる方法としては、サファイア基板上にAlNバッファ層を成長させ、このAlNバッファ層上にGaN結晶層を成長させる方法(たとえば、非特許文献1を参照)、サファイア基板上にAlqGa1-qNバッファ層(0<q<1)を成長させ、このAlqGa1-qNバッファ層上にAlrGa1-rN結晶層(0<r<q)を成長させる方法(たとえば、特許文献1を参照)、SiC基板上に厚さ5nm〜2μmのAlsGa1-sNバッファ層(0<s<1、基板から離れるに従ってAlの組成比sが小さくなるように組成傾斜されている)を成長させ、この組成傾斜AlsGa1-sNバッファ層上にGaN結晶層を成長させる方法(たとえば、特許文献2を参照)などが提案されている。
しかし、上記の方法は、いずれも異種基板をテンプレートとして、各々の異種基板上に各々のIII族窒化物結晶層を成長させたIII族窒化物半導体デバイスを形成するための方法であり、上記III族窒化物結晶層から各種電子デバイス用基板となりうるIII族窒化物結晶基板を得ることは困難である。
特開2001−308464号公報 特許第3604205号公報 H.Amano、他1名、"Novel aspects of the growth of nitrides by MOVPE"、J.Phys.Condense.Matter,13,(2001)p6935−6944
本発明は、異種基板を用いて割れがなく反りの少ないIII族窒化物結晶基板を製造する方法およびその製造方法により得られるIII族窒化物結晶基板を提供することを目的とする。
本発明は、下地基板上に直接または中間層を介してAlxGa1-xN(0<x≦1)の化学組成を有する第1のIII族窒化物結晶層を成長させる工程と、第1のIII族窒化物結晶層上にAlyGa1-yN(0≦y<x)の化学組成を有する第2のIII族窒化物結晶層を割れることなく1mm以上の厚さに成長させる工程と、第2のIII族窒化物結晶層を加工してAlyGa1-yNの化学組成を有するIII族窒化物結晶基板を形成する工程とを含むIII族窒化物結晶基板の製造方法である。
本発明にかかるIII族窒化物結晶基板の製造方法においては、第1のIII族窒化物結晶層の厚さを50μm以上1000μm以下とすることができる。また、第1のIII族窒化物結晶層の成長の際にAlの組成比xを減少させ、第1のIII族窒化物結晶層の結晶成長開始面から結晶成長方向への距離LにおけるAlの組成比xのLについての1次微分dx/dLを、dx/dL<0とすることができる。さらに、第1のIII族窒化物結晶層の結晶成長開始面から結晶成長方向への距離LにおけるAlの組成比xのLについての2次微分d2x/dL2>0を、d2x/dL2>0とすることができる。また、第1のIII族窒化物層を成長させる際に第1のIII族窒化物結晶層のAlの組成比xを段階的に減少させる部分を含み、段階的に減少させたAlの組成比の不連続的変化Δx、および、第1のIII族窒化物結晶層と第2のIII族窒化物結晶層との界面におけるAl組成比の不連続的変化ΔxSを、いずれも0.01以下とすることができる。さらに、HVPE法により、第1のIII族窒化物結晶層および第2のIII族窒化物結晶層を成長させることができる。
また、本発明は、上記のいずれかの製造方法により製造されたIII族窒化物結晶基板である。本発明にかかるIII族窒化物結晶基板においては、III族窒化物結晶基板の最大主面長をDとするとき、III族窒化物結晶基板の主面内における各点の結晶方位と平均結晶方位とのずれ角を0.3×D度以下とすることができる。
本発明によれば、異種基板を用いて割れがなく反りの少ないIII族窒化物結晶基板を製造する方法およびその製造方法により得られるIII族窒化物結晶基板を提供することができる。
本発明は、図1を参照して、図1(a)に示すように、下地基板1上に直接または中間層2を介してAlxGa1-xN(0<x≦1)の化学組成を有する第1のIII族窒化物結晶層11を成長させる工程と、第1のIII族窒化物結晶層11上にAlyGa1-yN(0≦y<x)の化学組成を有する第2のIII族窒化物結晶層12を割れることなく1mm以上の厚さに成長させる工程と、図1(b)に示すように、第2のIII族窒化物結晶層12を加工してAlyGa1-yNの化学組成を有するIII族窒化物結晶基板13を形成する工程とを含むIII族窒化物結晶基板の製造方法である。
ここで、中間層2としては、とくに制限はないが、成長させるIII族窒化物結晶層の転位密度を下げるためのIII族窒化物バッファ層、各種マスク層などが挙げられる。また、下地基板1の主面が凹凸に加工させていてもよい。
下地基板1上に第1のIII族窒化物結晶層11としてAlxGa1-xN層(0<x≦1)を成長させ、その上に第2のIII族窒化物結晶層としてAlyGa1-yN層(0≦y<x)を成長させると、AlxGa1-xN層(0<x≦1)は、AlyGa1-yN層(0≦y<x)に比べてAlの組成比が高いことから、その格子定数が小さく、第2のIII族窒化物結晶層の成長の際にかかる引張応力を緩和することができるため、第2のIII族窒化物結晶層を割れることなく厚く成長させることが可能となる。また、第2のIII族窒化物結晶層を割れることなく1mm以上の厚さに成長させることにより、単独で使用が可能なIII族窒化物結晶基板を形成することが可能となる。このように、第2のIII族窒化物結晶層を割れることなく1mm以上成長させるためには、本発明は、さらに以下の特徴を備えていることが好ましい。
本発明にかかるIII族窒化物結晶基板の製造方法において、第1のIII族窒化物結晶層の厚さを50μm以上1000μm以下とすることが好ましい。すなわち、本発明における第1のIII族窒化物結晶層の厚さを、従来のIII族窒化物バッファ層の好ましい厚さとされる数十nm〜数μmに比べて、極めて厚い50μm以上1000μm以下とすることにより、第2のIII族窒化物結晶層の割れが抑制され反りが低減されることを見出した。
詳細な理由は不明であるが、第1のIII族窒化物結晶層の厚さが50μm未満であると、第1のIII族窒化物結晶層による第2のIII族窒化物結晶層の引張応力緩和の効果が小さく、第2のIII族窒化物結晶層に割れまたは反りが発生しやすくなるものと考えられる。一方、この第1のIII族窒化物結晶層の厚さが1000μmを超えると、第1のIII族窒化物結晶層による圧縮応力が大きくなりすぎ、第2のIII族窒化物結晶層に割れまたは反りが発生しやすくものと考えられる。かかる観点から、第1のIII族窒化物結晶層の厚さは、50μm以上500μm以下がより好ましく、50μm以上100μm以下がさらに好ましい。
本発明にかかるIII族窒化物結晶基板の製造方法において、図1および図2を参照して、第1のIII族窒化物結晶層11の成長の際にAlの組成比xを減少させ、第1のIII族窒化物結晶層11の結晶成長開始面11aから結晶成長方向への距離LにおけるAlの組成比xのLについての1次微分dx/dLが、dx/dL<0であることが好ましい。すなわち、図2の曲線aおよび曲線bに示すように、第1のIII族窒化物結晶層の成長において、結晶成長開始面11aから結晶成長方向への距離Lが増大するにつれてAlの組成比xを減少させることが好ましい。
第1のIII族窒化物結晶層のAlの組成比xに上記のような傾斜を設けることにより、第1のIII族窒化物結晶層と第2のIII族窒化物結晶層との界面付近において、第1のIII族窒化物結晶層のAl組成比xと第2のIII族窒化物結晶層yとの差を小さくすることができ、第1のIII族族窒化物結晶層と第2のIII族窒化物結晶層との間の応力を低減することができ、第2のIII族窒化物結晶層の割れを抑制し反りを低減するものと考えられる。
本発明にかかるIII族窒化物結晶基板の製造方法において、図1および図2を参照して、さらに、第1のIII族窒化物結晶層11の結晶成長開始面11aから結晶成長方向への距離LにおけるAlの組成比xのLについての2次微分d2x/dL2が、d2x/dL2>0であることがより好ましい。すなわち、図2の曲線bに示すように、Alの組成比xの減少曲線が下に凸(結晶成長のはじめのxの減少量が大きく、結晶成長の終わりのxの減少量が小さい)であることが好ましい。なお、曲線aは、直線状にxが減少する場合であり、dx/dL<0、かつ、d2x/dL2=0で表される。
第1のIII族窒化物結晶層のAlの組成比xに上記のような傾斜を設けることにより、第1のIII族窒化物結晶層と第2のIII族窒化物結晶層との界面付近において、第1のIII族窒化物結晶層のAl組成比xと第2のIII族窒化物結晶層yとの差を小さくすることができるとともに、第1のIII族窒化物結晶層成長中の引っ張り応力を小さくすることができ、割れや反りを発生させることなく厚い第1のIII族窒化物結晶層を形成できる。その結果、第1のIII族窒化物結晶層の挿入効果を大きくすることができ、割れがなく反りの少ない良好な第2のIII族窒化物結晶層を形成することが可能になる。
第1のIII族窒化物結晶層の実際の成長においては、Alの組成比xの連続的な減少は必ずしも容易ではないため、段階的に減少変化させる部分が含まれる場合がある。このように段階的に減少させたAlの組成比xの不連続的変化が十分小さければ、Alの組成比xを連続的に減少させたときと同様の効果が得られる。また、同様の観点から、第1のIII族窒化物結晶層と第2のIII族窒化物結晶層との界面におけるAlの組成比の不連続変化も十分小さいことが好ましい。
たとえば、図3を参照して、第1のIII族窒化物結晶層を成長させる際に第1のIII族窒化物結晶層のAlの組成比xを段階的に減少させる部分を含み、段階的に減少させたAlの組成比の不連続的変化Δx、および、第1のIII族窒化物結晶層と第2のIII族窒化物結晶層との界面におけるAl組成比の不連続的変化ΔxSを、いずれも0.01以下とすることにより、第2のIII族窒化物結晶層を割れることなく1mm以上の厚さに成長させることができる。
本発明にかかるIII族窒化物結晶基板の製造方法において、第1のIII族窒化物結晶層および第2のIII族窒化物結晶層を成長させる方法には、特に制限はなく、HVPE(ハイドライド気相成長)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、MBE(分子線エピタキシ)法などの各種気相法が挙げられる。迅速に厚いIII族窒化物結晶層が得られる観点から、HVPE法が好ましい。
本発明にかかるIII族窒化物結晶基板の製造方法において、第2のIII族窒化物結晶層を加工してIII族窒化物結晶基板を形成する工程には、特に制限はなく、たとえば、図1(b)に示すように、第2の窒化物結晶層を切り出して、その表面を研削および/または研磨することによりIII族窒化物結晶基板を形成することができる。第2のIII族窒化物結晶層の切り出しには、ダイヤモンドカッターなどによる機械的切削方法の他、レーザなどによる熱的剥離方法などを用いることができる。
本発明にかかるIII族窒化物結晶基板の製造方法により、割れが無く反りの少ないIII族窒化物結晶基板を得ることができる。本発明においては、第2のIII族窒化物結晶層を切り出して、その表面を研削および/または研磨してIII族窒化物結晶基板を形成することから、III族窒化物結晶基板の反りをその外形から測定しても意味がない。そこで、III族窒化物結晶基板の反りは、図4を参照して、III族窒化物結晶基板13の主面13h内の各点における結晶方位(各結晶成長方向の格子面に対する法線をいう、以下同じ)Cp(pは各測定点を示す)と、その主面全体における平均結晶方位Cとの間のずれ角θp(pは各測定点を示す)により評価することとした。
図1(a)を参照して、第1のIII族窒化物結晶層11上に成長させられた第2のIII族窒化物結晶層には引張応力がかかっているため、切り出された第2のIII族窒化物結晶層12は、その図1(b)に示すような反りを生じる。この反りよって、第2のIII族窒化物結晶層の結晶成長面12gにも反りが生じる。ここで、この結晶成長面12gの結晶成長方向を示めす法線である結晶方位を定義すると、研削および/または研磨によって平滑な主面13hが形成されたIII族窒化物結晶基板13においても、その主面13h内の各点における結晶方位Cpは、結晶成長面12gに垂直に形成されるため、結晶成長面12gの反りを反映したものとなる。
本発明にかかるIII族窒化物結晶基板は、図4を参照して、III族窒化物結晶基板12の最大主面長をDとするとき、III族窒化物結晶基板の主面12h内における各点の結晶方位Cpの平均結晶方位Cからのずれ角θp(以下、単に結晶方位のずれ角という)が0.3×D度以下であることが好ましい。基板の主面内における結晶方位のずれ角が0.3×D度以下であれば、その主面の全面に均質なエピタキシャル膜を成長させやすいからである。ここで、平均結晶方位とは、各点の結晶方位を平均した方位をいう。なお、III族窒化物結晶基板の主面内における各点の結晶方位は、X線回折法を用いて解析することができる。
上記のように、本発明にかかるIII族窒化物結晶基板は、反りが小さいため、発光ダイオード、レーザダイオードなどの発光素子、整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、HEMT(高電子移動度トランジスタ)などの電子素子、温度センサ、圧力センサ、放射線センサ、可視−紫外光検出器などの半導体センサ、SAW(表面弾性波)デバイスなどの半導体デバイス用の基板として広く用いることができる。
図5を参照して、HVPE法により、下地基板1であるGaAs基板上にAlNバッファ層を形成し、このAlNバッファ層上に第1のIII族窒化物結晶層であるAlxGa1-xN(0<x≦0.5)層を成長させ、このAl0.5Ga0.5N層上に第2のIII族窒化物結晶層であるGaN層(AlyGa1-yNにおいてy=0)を成長させた。
図5を参照して、本実施例において用いられるHVPE装置500は、反応室501内に下地基板1を保持するための基板ホルダ502が配置され、反応室501に導入するAl塩化物ガス53を合成するためのAl塩化物合成室503、反応室501に導入するGa塩化物ガス55を合成するためのGa塩化物合成室505、反応室501にN原料ガス57を導入するためのN原料ガス導入管507および反応後のガスを排気するための排気管508が配設されている。また、Al塩化物合成室503にはAlが収納されているAlボート504が、Ga塩化物合成室505にはGaが収納されているGaボート506が配置されている。また、Al塩化物合成室503、Ga塩化物合成室505および反応室501の周囲には、それぞれAlボート504、Gaボート506および下地基板1を加熱するためのヒータ513,515,517が配設されている。
上記HVPE装置500においては、以下のようにして反応室501に導入するAl塩化物ガス53およびGa塩化物ガス55を合成する。Al塩化物ガス53は、Al塩化物合成室503内に配置されているAlボート504をヒータ513により500℃に加熱し、Al塩化物合成室503内に導入された第1のHClガス51とAlボート504内のAlとを反応させることにより得られる。Ga塩化物ガス55は、Ga塩化物合成室505内に配置されているGaボート506をヒータ515により800℃に加熱し、Ga塩化物合成室505内に導入された第2のHClガス52とGaボート506内のGaとを反応させることにより得られる。ここで、第1のHClガスおよび第2のHClガスは、それぞれH2ガスなどのキャリアガスとともにAl塩化物合成室503およびGa塩化物合成室505に導入される。
まず、Al塩化物ガス53およびNH3ガス57をキャリアガスであるH2ガスとともに反応室501内に導入し、反応室501内に配置された下地基板1である直径5.04cm×厚さ350μmのGaAs基板((111)A面)上で、Al塩化物ガス53とNH3ガス57とを500℃で反応させて厚さ50nmのAlNバッファ層を成長させた。
次に、Al塩化物ガス53、Ga塩化物ガス55およびNH3ガス57をキャリアガスであるH2ガスとともに反応室501内に導入し、上記AlNバッファ層上でAl塩化物ガス53とGa塩化物ガス55とNH3ガス57とを1000℃で反応させて第1のIII族窒化物結晶層である厚さTμmのAlxGa1-xN層(0<x≦0.5)を成長させた。ここで、第1のIII族窒化物結晶層のAl組成比の調整は、第1のHClガスと第2のHClガスとの流量比を調整することにより生成するAl塩化物ガスとGa塩化物ガスとの流量比を調整することにより行なった。また、Al組成比の不連続変化が0.01以下となるようにAl塩化物ガスとGa塩化物ガスとの流量比の調整を行なった。
次に、Ga塩化物ガス55およびNH3ガス57をキャリアガスであるH2ガスとともに反応室501内に導入し、上記第1のIII族窒化物結晶層上でGa塩化物ガス55とNH3ガス57とを1000℃で反応させて第2のIII族窒化物結晶層である厚さ2mmのGaN層を成長させた。
ここで、上記の第1および第2のIII族窒化物結晶層の成長においては、III族窒化物結晶層の成長速度および化学組成を均一にするために、下地基板1は水平面に対して10°の角度をつけて配置し、60rpmで回転させた。
次に、成長させた第2のIII族窒化物結晶層であるGaN層からIII族窒化物結晶基板である直径5.04cm×厚さ500μmのGaN基板を切り出した。GaN基板の切り出し位置は、GaN層における結晶成長開始面から結晶成長方向に1000μmの位置からとした。このGaN基板を鏡面に研磨し、エッチングした後、X線回折法によりGaN基板の主面内における各点の[0001]方向の結晶方位と平均結晶方位との間のずれ角(結晶方位のずれ角)を評価した。ここで、測定点としては、GaN基板の主面である(0001)面の中央点と、中央点から[11−20]方向に±2cmずらした点と、中央点から[1−100]方向に±2cmずらした点との5点を採用した。
上記の手法により、以下の場合について、第1のIII族窒化物結晶層、第2の窒化物結晶層を成長させ、III族窒化物結晶基板を形成し、そのIII族窒化物結晶基板の主面内における各点の結晶方位のずれ角を評価した。
Alの組成比xを0.5として厚さを変えて第1のIII族窒化物結晶層を成長させたものを、実施例1,2および比較例1〜4として、表1にまとめた。なお、第2のIII族窒化物結晶層に割れが発生したものについては、III族窒化物結晶基板を切り出すことができないので、割れと記載した。
また、Alの組成比xを0.5×(T−L)/T(ここで、Lは第1のIII族窒化物結晶層の結晶成長開始面から結晶成長方向への距離、Tは第1のIII族窒化物結晶層の厚さを示し、0≦L≦Tの関係にある)(このときLとxとは、dx/dL<0かつd2x/dL2=0の関係を満たす)と減少させながら厚さTを変えて第1のIII族窒化物結晶層を成長させたものを実施例3〜6、比較例5,6として表2にまとめた。
また、Alの組成比xを0.5×(L−1.5×T)6/(1.5×T)6(ここで、Lは第1のIII族窒化物結晶層の結晶成長開始面から結晶成長方向への距離、Tは第1のIII族窒化物結晶層の厚さを示し、0≦L≦Tの関係にある)(このときLとxとは、dx/dL<0かつd2x/dL2>0の関係を満たす)と減少させながら厚さTを変えて第1のIII族窒化物結晶層を成長させたものを実施例7〜11、比較例7として表3にまとめた。
なお、AlNバッファ層および第1のIII族窒化物結晶層を成長させることなく、下地基板であるGaAs基板上に第2のIII族窒化物結晶層であるGaN層を成長させると、GaN層に割れが発生した。
Figure 2006290684
Figure 2006290684
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表1から明らかなように、第1のIII族窒化物結晶層のAlの組成比xを0.5とした場合は、厚さTを50μm〜100μmとしたときに、割れることなく反りの少ない第2のIII族窒化物結晶層およびIII族窒化物結晶基板を得ることができた。
表2から明らかなように、第1のIII族窒化物結晶層のAlの組成比xを0.5×(T−L)/Tとした場合(すなわち、Lとxとが、dx/dL<0かつd2x/dL2=0の関係を満たす場合)は、厚さTが10μm〜500μmの広い範囲に渡って、割れることなく反りの少ない第2のIII族窒化物結晶層およびIII族窒化物結晶基板を得ることができた。特に、厚さTが50μm〜500μmの広い範囲で、結晶方位のずれ角が0.3×D度以下の反りが極めて少ない2のIII族窒化物結晶層およびIII族窒化物結晶基板を得ることができた。
表3から明らかなように、第1のIII族窒化物結晶層のAlの組成比xを0.5×(L−1.5×T)6/(1.5×T)6とした場合(すなわち、Lとxとが、dx/dL<0かつd2x/dL2>0の関係を満たす場合)は、厚さTが10μm〜1000μmの非常に広い範囲に渡って、割れることなく反りの少ない第2のIII族窒化物結晶層およびIII族窒化物結晶基板を得ることができた。特に、厚さTが50μm〜1000μmの非常に広い範囲で、結晶方位のずれ角が0.3×D度以下の反りが極めて少ない第2のIII族窒化物結晶層およびIII族窒化物結晶基板を得ることができた。
本実施例においては、下地基板としてGaAs基板を用いたが、サファイア基板、SiC基板その他の異種基板を用いることができる。また、第1のIII族窒化物結晶層の結晶成長開始の際のAlの組成比xを0.5としたが、このAl組成比に限定されず、0≦y<x≦1を満たす任意の組成比を採用することができる。ここで、yは第2のIII族窒化物結晶層のAlの組成比yを意味する。
上記のように、本発明によれば、異種基板を下地基板として用いても、割れがなく反りの小さい第2のIII族窒化物結晶層を成長させることができるため、大型で厚さの大きいIII族窒化物結晶基板の製造が可能となる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかるIII族窒化物結晶基板の製造方法を示す模式図である。ここで、(a)は第1および第2のIII族窒化物結晶層を成長させる工程を示し、(b)はIII族窒化物結晶基板を形成する工程を示す。 第1のIII族窒化物結晶層を成長させる工程における下地基板からの距離LとAlの組成比xとの関係の一例を示す図である。 第1のIII族窒化物結晶層を成長させる工程における下地基板からの距離LとAlの組成比xとの関係の他の例を示す図である。 III族窒化物結晶基板の主面内における各点の結晶方位と平均結晶方位との間のずれ角を説明する模式図である。 本発明に用いられるHVPE装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 下地基板、2 中間層、11 第1のIII族窒化物結晶層、11a 結晶成長開始面、12 第2のIII族窒化物結晶層、12g 結晶成長面、12h,13h 主面、 13 III族窒化物結晶基板、51 第1のHClガス、52 第2のHClガス、53 Al塩化物ガス、55 Ga塩化物ガス、57 NH3ガス、500 HVPE装置、501 反応室、502 基板ホルダ、503 Al塩化物合成室、504 Alボート、505 Ga塩化物合成室、506 Gaボート、507 N原料導入管、508 排気管、513,515,517 ヒータ。

Claims (8)

  1. 下地基板上に直接または中間層を介してAlxGa1-xN(0<x≦1)の化学組成を有する第1のIII族窒化物結晶層を成長させる工程と、前記第1のIII族窒化物結晶層上にAlyGa1-yN(0≦y<x)の化学組成を有する第2のIII族窒化物結晶層を割れることなく1mm以上の厚さに成長させる工程と、前記第2のIII族窒化物結晶層を加工してAlyGa1-yNの化学組成を有するIII族窒化物結晶基板を形成する工程とを含むIII族窒化物結晶基板の製造方法。
  2. 前記第1のIII族窒化物結晶層の厚さを50μm以上1000μm以下とすることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物結晶基板の製造方法。
  3. 前記第1のIII族窒化物結晶層の成長の際にAlの組成比xを減少させ、前記第1のIII族窒化物結晶層の結晶成長開始面から結晶成長方向への距離LにおけるAlの組成比xのLについての1次微分dx/dLが、dx/dL<0であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のIII族窒化物結晶基板の製造方法。
  4. 前記第1のIII族窒化物結晶層の結晶成長開始面から結晶成長方向への距離LにおけるAlの組成比xのLについての2次微分d2x/dL2が、d2x/dL2>0であることを特徴とする請求項3に記載のIII族窒化物結晶基板の製造方法。
  5. 前記第1のIII族窒化物層を成長させる際にAlの組成比xを段階的に減少させる部分を含み、段階的に減少させたAlの組成比の不連続的変化Δx、および、第1のIII族窒化物結晶層と第2のIII族窒化物結晶層との界面におけるAl組成比の不連続的変化ΔxSが、いずれも0.01以下であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載のIII族窒化物結晶基板の製造方法。
  6. HVPE法により、前記第1のIII族窒化物結晶層および前記第2のIII族窒化物結晶層を成長させることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載のIII族窒化物基結晶板の製造方法。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかの製造方法により製造されたIII族窒化物結晶基板。
  8. 前記III族窒化物結晶基板の最大主面長をDとするとき、前記III族窒化物結晶基板の主面内における各点の結晶方位と平均結晶方位との間のずれ角が0.3×D度以下である請求項7に記載のIII族窒化物結晶基板。
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