JP2006290649A - 塩化水素の分離・回収方法 - Google Patents
塩化水素の分離・回収方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006290649A JP2006290649A JP2005110697A JP2005110697A JP2006290649A JP 2006290649 A JP2006290649 A JP 2006290649A JP 2005110697 A JP2005110697 A JP 2005110697A JP 2005110697 A JP2005110697 A JP 2005110697A JP 2006290649 A JP2006290649 A JP 2006290649A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- hydrogen chloride
- separating
- aromatic compound
- aromatic compounds
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
【課題】 芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスから塩化水素を分離して回収する方法であって、省エネルギー性に優れる塩化水素の分離・回収方法を提供する。
【解決手段】 芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスから塩化水素を分離して回収する方法であって、下記の工程を含む塩化水素の分離・回収方法。
凝縮工程:芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスを凝縮させ、気液混合流体を得る工程
気液分離工程:凝縮工程で得た気液混合流体を気液分離し、塩化水素を主として含むガスと芳香族化合物を主として含む溶液を得る工程
塩化水素回収工程:気液分離工程で得た塩化水素を主として含むガスと芳香族化合物を主として含む溶液を、各々別々にガス分離塔に供給し、塩化水素ガスを分離して回収する工程
【選択図】 図1
【解決手段】 芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスから塩化水素を分離して回収する方法であって、下記の工程を含む塩化水素の分離・回収方法。
凝縮工程:芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスを凝縮させ、気液混合流体を得る工程
気液分離工程:凝縮工程で得た気液混合流体を気液分離し、塩化水素を主として含むガスと芳香族化合物を主として含む溶液を得る工程
塩化水素回収工程:気液分離工程で得た塩化水素を主として含むガスと芳香族化合物を主として含む溶液を、各々別々にガス分離塔に供給し、塩化水素ガスを分離して回収する工程
【選択図】 図1
Description
本発明は、塩化水素の分離・回収方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスから塩化水素を分離して回収する方法であって、省エネルギ−性に優れる塩化水素の分離・回収方法に関するものである。
たとえばベンゼンのような芳香族化合物を塩素により塩素化することによりクロルベンゼン(モノクロルベンゼンを意味する。以下、同じ。)のような塩素化芳香族化合物を製造する方法は公知である(たとえば、特許文献1参照。)。ここで、芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスが得られる。該混合ガスから塩化水素を効率良く分離・回収することが、省エネルギーの観点から求められる。
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスから塩化水素を分離して回収する方法であって、省エネルギー性に優れる塩化水素の分離・回収方法を提供する点にある。
すなわち、本発明は、芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスから塩化水素を分離して回収する方法であって、下記の工程を含む塩化水素の分離・回収方法に係るものである。
凝縮工程:芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスを凝縮させ、気液混合流体を得る工程
気液分離工程:凝縮工程で得た気液混合流体を気液分離し、塩化水素を主として含むガスと芳香族化合物を主として含む溶液を得る工程
塩化水素回収工程:気液分離工程で得た塩化水素を主として含むガスと芳香族化合物を主として含む溶液を、各々別々にガス分離塔に供給し、塩化水素ガスを分離して回収する工程
凝縮工程:芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスを凝縮させ、気液混合流体を得る工程
気液分離工程:凝縮工程で得た気液混合流体を気液分離し、塩化水素を主として含むガスと芳香族化合物を主として含む溶液を得る工程
塩化水素回収工程:気液分離工程で得た塩化水素を主として含むガスと芳香族化合物を主として含む溶液を、各々別々にガス分離塔に供給し、塩化水素ガスを分離して回収する工程
本発明により、芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスから塩化水素を分離して回収する方法であって、省エネルギー性に優れる塩化水素の分離・回収方法を提供することができる。
芳香族化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等を上げることができ、産業上 の観点からベンゼンを用いる場合が重要である。
混合ガスは、下記の塩素化工程で得られるものを用いることができる。
塩素化工程:芳香族化合物と塩素を反応させ、塩素化芳香族化合物と塩化水素を得、塩素化反応熱により反応気相部に未反応芳香族化合物の一部と塩化水素を含む混合ガスを得る工程
芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガス中の芳香族化合物と塩化水素の混合比は、(塩素化工程での芳香族化合物と塩素のモル比(芳香族化合物/塩素)3〜10、塩素化反応圧力0.15MPaの場合、通常0.5/1〜3/1(芳香族化合物/塩化水素のモル比)である。
芳香族化合物と塩素を反応させる方法については、特に制限はなく、公知の方法を使用することができる。具体的な方法の例を示すと、次のとおりである。芳香族化合物と塩素のモル比(芳香族化合物/塩素)は3以上であり、反応温度は25〜130℃であり、反応圧力は0.02〜0.5MPaである。反応器としては、たとえば槽型反応器を用いることができる。反応には触媒としてFeCl2を用いることができる。
本発明の凝縮工程は、芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスを凝縮させ、気液混合流体を得る工程である。本工程の具体例を示すと、次のとおりである。
塩素化工程の気相部で得られた芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスは、混合ガスよりも少なくとも5℃低い温度の流体と熱交換器を用いて冷却されて気液混合流体を得る。混合ガスより5℃低い流体は水でもフロンの様な冷媒でも良いし、塩素化工程に供給される芳香族化合物あるいは炭化水素化合物でも良い。
本発明の気液分離工程は、凝縮工程で得た冷却された気液混合流体を気液分離し、塩化水素を主として含むガスと芳香族化合物を主として含む溶液を得る工程である。本工程の具体例を示すと、次のとおりである。
冷却された気液混合流体は竪型又は横型の槽に供給し気相部に塩化水素を主として含むガスと液相部に芳香族化合物を主として含む溶液とに気液分離される。冷却された気液流体は槽の気相部に供給されるのが望ましい。
本発明の塩化水素回収工程は、気液分離工程で得た塩化水素を主として含むガスと芳香族化合物を主として含む溶液を、各々別々にガス分離塔に供給し、塩化水素ガスを分離して回収する工程である。本工程の具体例を示すと、次のとおりである。
ガス分離塔は通常蒸留塔が用いられ蒸留塔上部に塩化水素を主として含むガスを供給し、蒸留塔中段に芳香族化合物を主として含む溶液を供給して芳香族化合物を主として含む溶液中に溶存している塩化水素を分離回収し蒸留塔塔頂に塩化水素を回収する。
本発明により分離・回収された塩化水素は、水に吸収させて塩酸としたり、エチレンやベンゼン等の炭化水素化合物を純酸素あるいは空気とオキシクロリネーション反応させてエチレンヂクロライドやモノクロルベンゼン等の塩素化炭化水素化合物を製造したり、塩化水素の酸素酸化あるいは電気分解によって塩素を製造する原料等に用いることができる。
次に本発明を実施例により説明する。
実施例1
塩素化工程にベンゼン3368kg−mol/hr、塩素を421kg−mol/hr(ベンゼン/塩素モル比8.0)を供給して反応させ、気相部にベンゼン1152kg−mol/hrと塩化水素421kg−mol/hr、温度88℃の混合ガス(ベンゼン/塩化水素モル比2.74)を得た。反応はベンゼン中に塩素を吹き込む方法とし、反応圧力0.15MPaとした。反応には触媒として塩化第2鉄を用いた。88℃の混合ガスは熱交換器を用いた凝縮工程に送られ混合ガス温度より48℃低い40℃のベンゼンで冷却され45℃の気液混合流体(流体番号−5)を得た。気液混合流体は竪型槽を用いた気液分離工程に送られ、塩化水素を主として含むガス(流体番号−7)とベンゼンを主として含む溶液(流体番号−6)を得た。塩化水素を主として含むガスとベンゼンを主として含む溶液は塔頂に分縮器、塔底に再沸器を備え、理論段数6(分縮器、再沸器を除く)の蒸留塔からなる塩化水素回収工程に送り、ガスは蒸留塔の塔頂に、溶液は上から2段目に供給した。蒸留塔は塔頂圧力は0.12MPa、分縮器では未凝縮ガスの温度が6℃になるよう運転され、蒸留塔塔頂から4モル%のベンゼンを含む塩化水素(流体番号−9)428kg−mol/hrを、また塔底からベンゼンを主とし、0.1モル%の塩化水素を含む溶液(流体番号8)1158kg−mol/hrを得た。このときの再沸器の加熱負荷は1940kWであった。
実施例1
塩素化工程にベンゼン3368kg−mol/hr、塩素を421kg−mol/hr(ベンゼン/塩素モル比8.0)を供給して反応させ、気相部にベンゼン1152kg−mol/hrと塩化水素421kg−mol/hr、温度88℃の混合ガス(ベンゼン/塩化水素モル比2.74)を得た。反応はベンゼン中に塩素を吹き込む方法とし、反応圧力0.15MPaとした。反応には触媒として塩化第2鉄を用いた。88℃の混合ガスは熱交換器を用いた凝縮工程に送られ混合ガス温度より48℃低い40℃のベンゼンで冷却され45℃の気液混合流体(流体番号−5)を得た。気液混合流体は竪型槽を用いた気液分離工程に送られ、塩化水素を主として含むガス(流体番号−7)とベンゼンを主として含む溶液(流体番号−6)を得た。塩化水素を主として含むガスとベンゼンを主として含む溶液は塔頂に分縮器、塔底に再沸器を備え、理論段数6(分縮器、再沸器を除く)の蒸留塔からなる塩化水素回収工程に送り、ガスは蒸留塔の塔頂に、溶液は上から2段目に供給した。蒸留塔は塔頂圧力は0.12MPa、分縮器では未凝縮ガスの温度が6℃になるよう運転され、蒸留塔塔頂から4モル%のベンゼンを含む塩化水素(流体番号−9)428kg−mol/hrを、また塔底からベンゼンを主とし、0.1モル%の塩化水素を含む溶液(流体番号8)1158kg−mol/hrを得た。このときの再沸器の加熱負荷は1940kWであった。
比較例1
凝縮工程で得た気液混合流体を気液分離せずに塩化水素回収塔の塔頂に供給した以外は実施例1と同一の条件で運転を行い、蒸留塔塔頂から4モル%のベンゼンを含む塩化水素(流体番号−9)428kg−mol/hrを、また塔底からベンゼンを主とし、0.1モル%の塩化水素を含む溶液(流体番号8)1158kg−mol/hrを得た。このときの再沸器の加熱負荷は、実施例1より6%大きく2050kWであった。
凝縮工程で得た気液混合流体を気液分離せずに塩化水素回収塔の塔頂に供給した以外は実施例1と同一の条件で運転を行い、蒸留塔塔頂から4モル%のベンゼンを含む塩化水素(流体番号−9)428kg−mol/hrを、また塔底からベンゼンを主とし、0.1モル%の塩化水素を含む溶液(流体番号8)1158kg−mol/hrを得た。このときの再沸器の加熱負荷は、実施例1より6%大きく2050kWであった。
A 反応器
B、E、F 熱交換器
C 気液分離槽
D 蒸留塔
B、E、F 熱交換器
C 気液分離槽
D 蒸留塔
Claims (3)
- 芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスから塩化水素を分離して回収する方法であって、下記の工程を含む塩化水素の分離・回収方法。
凝縮工程:芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスを凝縮させ、気液混合流体を得る工程
気液分離工程:凝縮工程で得た気液混合流体を気液分離し、塩化水素を主として含むガスと芳香族化合物を主として含む溶液を得る工程
塩化水素回収工程:気液分離工程で得た塩化水素を主として含むガスと芳香族化合物を主として含む溶液を、各々別々にガス分離塔に供給し、塩化水素ガスを分離して回収する工程 - 凝縮工程で用いられる芳香族化合物と塩化水素を含む混合ガスが、下記の塩素化工程で得られる請求項1記載の方法。
塩素化工程:芳香族化合物と塩素を反応させ、塩素化芳香族化合物と塩化水素を得る工程 - 芳香族化合物がベンゼンである請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005110697A JP2006290649A (ja) | 2005-04-07 | 2005-04-07 | 塩化水素の分離・回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005110697A JP2006290649A (ja) | 2005-04-07 | 2005-04-07 | 塩化水素の分離・回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006290649A true JP2006290649A (ja) | 2006-10-26 |
Family
ID=37411629
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005110697A Pending JP2006290649A (ja) | 2005-04-07 | 2005-04-07 | 塩化水素の分離・回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006290649A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009219998A (ja) * | 2008-03-14 | 2009-10-01 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 廃ガスの処理方法 |
JP2009536913A (ja) * | 2006-05-12 | 2009-10-22 | バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト | 無水塩化水素ガスを精製するための改良された方法 |
CN102502497A (zh) * | 2011-10-18 | 2012-06-20 | 山东聊城鲁西化工第四化肥有限公司 | 一种盐酸分级连续性生产装置与工艺 |
CN104291271A (zh) * | 2014-09-28 | 2015-01-21 | 昆明冶研新材料股份有限公司 | 处理多晶硅尾气的方法和系统 |
-
2005
- 2005-04-07 JP JP2005110697A patent/JP2006290649A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009536913A (ja) * | 2006-05-12 | 2009-10-22 | バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト | 無水塩化水素ガスを精製するための改良された方法 |
JP2009219998A (ja) * | 2008-03-14 | 2009-10-01 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 廃ガスの処理方法 |
CN102502497A (zh) * | 2011-10-18 | 2012-06-20 | 山东聊城鲁西化工第四化肥有限公司 | 一种盐酸分级连续性生产装置与工艺 |
CN104291271A (zh) * | 2014-09-28 | 2015-01-21 | 昆明冶研新材料股份有限公司 | 处理多晶硅尾气的方法和系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4904730B2 (ja) | 芳香族化合物と塩化水素の分離回収方法 | |
EP1411027A1 (en) | Method of chlorine purification and process for producing 1,2−dichloroethane | |
US20080108856A1 (en) | Process For The Manufacture Of 1,2-Dichloroethane | |
TWI444353B (zh) | 1,2,3,4-tetrachlorohexafluorobutane and its purification method | |
JP2003081891A (ja) | 1,2―ジクロロエタンの製造方法 | |
US20100036180A1 (en) | Method of obtaining 1,2-dichloroethane by direct chlorination with a step of separation from the catalyst by direct evaporation, and facility for the implementation thereof | |
JP2006290649A (ja) | 塩化水素の分離・回収方法 | |
JP5374782B2 (ja) | 塩酸の精製方法 | |
CN107531480A (zh) | 氢溴酸制备方法 | |
CN104926581B (zh) | 一种干法分离丙烯和氯化氢的工艺流程 | |
JP5114408B2 (ja) | 1,2−ジクロロエタンの精製のための蒸留塔の操作及び結合されたカセイソーダ蒸発濃縮の方法 | |
JP2001192202A (ja) | 無水塩化水素の製造方法 | |
JP4401105B2 (ja) | 塩素の製造方法および芳香族ポリカーボネートの製造方法 | |
JP2006290757A (ja) | 芳香族化合物の分離・回収方法 | |
JP4400433B2 (ja) | モノクロルベンゼンの製造方法 | |
EP0501501A1 (en) | Method for the preparation of methyl chloride from carbon tetrachloride and methyl alcohol | |
JP4535269B2 (ja) | 水素の製造装置及び水素の製造方法 | |
US9481620B2 (en) | Process and apparatus for heat recovery in vinyl chloride monomer plants or in integrated vinyl chloride monomer or polyvinyl chloride plants | |
JP2006290650A (ja) | 塩化水素の精製方法 | |
CN110818557A (zh) | 一种邻氯甲基苯甲酰氯的合成方法 | |
JP2006219445A (ja) | 塩素化芳香族化合物の製造方法 | |
JP2011105637A (ja) | アリルクロライドおよびジクロロヒドリンの製造方法 | |
JP2007008787A (ja) | 芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物の除去方法 | |
JP2006219444A (ja) | 塩素化芳香族化合物の製造方法 | |
JP2006219443A (ja) | 塩素化芳香族化合物の濃縮方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080131 |