JP2006290581A - シート収容装置及びこれを用いる画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ユーザーがシートケースに対して引出操作を行う際に、静止しているシートケースを動かし始める時にユーザーに強いる力の大きさを軽減することである。
【解決手段】 このシート収容装置は、シートケース42に支持された取手部材50に対してユーザーが引出操作を行うと、シートケースが静止状態のまま取手部材がシートケースに対してスライドする。これがスイッチ62により検知されると、シートケースを駆動するモータMの駆動が開始される。よって、シートケースが動き出す前にモータの駆動が開始され、シートケースが駆動される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、装置本体内部に収納される収納位置と装置本体外部に引き出される引出位置との間でスライド可能なシートケースを有するシート収容装置及びこれを用いる画像形成装置に関するものである。
この種のシート収容装置では、そのシートケースにシートを補充する場合などにおいて、一般に、ユーザーが、シートケースの取手を把持して収納位置から引出位置へ引き出す引出操作を行う。また、ユーザーは、引出位置から収納位置へシートケースを押し込む押込操作も行う。これらの操作を行う際には、シートケースと装置本体との間の摩擦抵抗などの負荷を越える力をユーザーに強いる。そのため、上記負荷が大きい場合には、ユーザーは、引出操作や押込操作の際に大きな力を使う必要がある。引出操作や押込操作を行う際のユーザーに強いる力を少なくするため、従来から、駆動源からの駆動力により収納位置から引出位置へ又は引出位置から収納位置へとシートケースをスライドさせるケース駆動手段を備えたものが知られている(特許文献1、2及び3等)。
上記特許文献1に記載のシート収容装置では、操作パネル等に設けられた取り出しボタンがユーザーによって押されると、用紙トレイ(シートケース)が駆動源によって駆動されて、用紙トレイが装置本体から自動的に引き出される。このシート収容装置においては、用紙トレイの駆動が一旦開始されると、用紙トレイが引出位置に到達するまで用紙トレイが駆動され続ける。そのため、例えば、引出位置までの間に障害物があると、用紙トレイが障害物に衝突した後も駆動が継続され、用紙トレイの駆動機構に無理な力が加わり、その駆動機構が故障する等の不具合が生じる。
この不具合を軽減するために、上記特許文献2に記載のシート収容装置では、用紙トレイの移動速度を検出するエンコーダを設け、このエンコーダにより検出された用紙トレイの移動速度が予め決められた速度より遅くなったときは、何らかの障害物に衝突したものと判断して、用紙トレイの駆動方向を反転する。よって、このシート収容装置によれば、用紙トレイの駆動機構に無理な力が加わるのが抑制され、その駆動機構が故障する等の不具合が軽減される。
しかし、上記特許文献1、2に記載のいずれのシート収容装置も、ユーザーは、用紙トレイを引き出す際に用紙トレイとは異なる場所に位置する取り出しボタンを操作する必要がある。そのため、ユーザーは、その取り出しボタンに気を取られている間に、自動的に引き出されてきた用紙トレイがユーザー自身に衝突してしまうことがある。なお、上記特許文献2に記載のシート収容装置によれば、用紙トレイがユーザーに衝突するとすぐに用紙トレイの駆動方向が反転するが、衝突を防止できるわけではない。
一方、上記特許文献3に記載の装置では、用紙収容部材(シートケース)が装置本体から手動で少し引き出されると、これが第1のセンサにより検知され、駆動源が用紙収容部材を引出位置へ移動するように駆動を開始する。そして、用紙収容部材が引出位置に到達したことが第2のセンサで検知されると、駆動源が停止して、用紙収容部材が引出位置で停止する。この装置によれば、ユーザーは引出操作の際に用紙トレイを直接操作することになるので、その用紙トレイにユーザー自身が衝突してしまう事態はほとんど起こらない。しかも、ユーザーが用紙収容部材を装置本体から手動で少し引き出した後は、その用紙収容部材が駆動源からの駆動力によって自動的に引き出されるので、用紙収容部材を収納位置から引出位置までの間ずっと手動で引き出す場合に比べて、その引出操作の際にユーザーに対して強いる力が少なくなる。
また、上記特許文献3に記載の装置では、引出位置の用紙収容部材が装置本体に向けて手動で少し押し込まれると、これが第2のセンサにより検知され、駆動源が用紙収容部材を収納位置へ移動するように駆動を開始する。そして、用紙収容部材が収納位置に到達したことが第1のセンサで検知されると、駆動源が停止して、用紙収容部材が収納位置で停止する。よって、この装置によれば、ユーザーが用紙収容部材を手動で押し込んだ後は、その用紙収容部材が駆動源からの駆動力によって自動的に押し込まれるので、用紙収容部材を引出位置から収納位置までの間ずっと手動で押し込む場合に比べて、その押込操作の際にユーザーに対して強いる力が少なくなる。
特開平2−117527号公報 特開平3−13425号公報 特開平5−270669号公報
ところが、上記特許文献3に記載の装置では、引出操作に際に、ユーザーに対して、用紙収容部材を手動で引き出させる操作を強いる。一般に、用紙収容部材を収納位置から引出位置まで引き出す間において、静止している用紙収容部材を動かし始める直前に比較的大きな力が必要となる。よって、上記特許文献3に記載の装置においては、用紙収容部材を収納位置から引出位置まで引き出す間に必要となる比較的大きな力をユーザーに対して強いる点では、用紙収容部材を収納位置から引出位置までの間ずっと手動で引き出す場合と同じである。そのため、上記特許文献3に記載の装置でも、引出操作の際にユーザーに対して比較的大きな力を強いることについては改善できていないという問題があった。
また、上記特許文献3に記載の装置では、押込操作に際に、ユーザーに対して、用紙収容部材を手動で押し込ませる操作を強いる。一般に、用紙収容部材を引出位置から収納位置まで押し込む間において、静止している用紙収容部材を動かし始める直前に比較的大きな力が必要となる。よって、上記特許文献3に記載の装置においては、用紙収容部材を引出位置から収納位置まで押し込む間に必要となる比較的大きな力をユーザーに対して強いる点では、用紙収容部材を引出位置から収納位置までの間ずっと手動で押し込む場合と同じである。そのため、上記特許文献3に記載の装置でも、押込操作の際にユーザーに対して比較的大きな力を強いることについては改善できていないという問題があった。
なお、上記特許文献1や上記特許文献2に記載の装置でも、ユーザーに対して用紙トレイを押し込む操作を強いるため、この問題は、これらの装置でも同様に生じ得るものである。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、第1の目的は、ユーザーがシートケースに対して引出操作を行う際に、静止しているシートケースを動かし始める時にユーザーに強いる力の大きさを軽減することができるシート収容装置及びこれを用いる画像形成装置を提供することである。
また、第2の目的は、ユーザーがシートケースに対して押込操作を行う際に、静止しているシートケースを動かし始める時にユーザーに強いる力を軽減することができるシート収容装置及びこれを用いる画像形成装置を提供することである。
上記第1の目的を達成するために、請求項1の発明は、内部にシートを収容するシートケースと、該シートケースに支持された取手部材と、駆動源からの駆動力により、該シートケースが装置本体内部に収納される収納位置から該装置本体外部に引き出される引出位置へと該シートケースをスライドさせるケース駆動手段とを有するシート収容装置において、上記取手部材に作用する外力を検知する検知手段と、上記シートケースが上記収納位置から上記引出位置へスライドする向きと同じ向きの外力であって、静止した該シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい所定の外力を、該検知手段が検知したとき、該収納位置から該引出位置に向かう向きに該シートケースをスライドさせるように上記ケース駆動手段の駆動を開始させる駆動制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のシート収容装置において、上記取手部材は、静止した上記シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を受けることで上記装置本体に対する該シートケースのスライド方向に平行な方向に該シートケースに対してスライド自在に構成されており、上記検知手段は、該シートケースが該収納位置から上記引出位置へスライドする向きと同じ向きに該取手部材がスライドしたことを検知するものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のシート収容装置において、上記シートケースが上記収納位置にあるときに上記装置本体に設けられた被係合部材と係合して該シートケースを該収納位置に固定する係合部材を、該シートケースに設けるとともに、該シートケースが該収納位置から上記引出位置へスライドする向きと同じ向きに上記取手部材が該シートケースに対してスライドするときのスライド動作に連動して、上記被係合部材との係合が解除されるように、上記係合部材を動作させる連動機構を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3のシート収容装置において、上記駆動制御手段は、上記検知手段が上記所定の外力を検知した後、該シートケースが該引出位置に到達するまでの間に該所定の外力を検知しなくなったとき、上記ケース駆動手段の駆動を停止させることを特徴とするものである。
上記第2の目的を達成するために、請求項5の発明は、内部にシートを収容するシートケースと、該シートケースに支持された取手部材と、駆動源からの駆動力により、該シートケースが装置本体外部に引き出される引出位置から該装置本体内部に収納される収納位置へと該シートケースをスライドさせるケース駆動手段とを有するシート収容装置において、上記取手部材に作用する外力を検知する検知手段と、上記シートケースが上記引出位置から上記収納位置へスライドする向きと同じ向きの外力であって、静止した該シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい所定の外力を、該検知手段が検知したとき、該引出位置から該収納位置へ向かう向きに該シートケースをスライドさせるように上記ケース駆動手段の駆動を開始させる駆動制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5のシート収容装置において、上記取手部材は、静止した上記シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を受けることで上記装置本体に対する該シートケースのスライド方向に平行な方向に該シートケースに対してスライド自在に構成されており、上記検知手段は、該シートケースが該引出位置から上記収納位置へスライドする向きと同じ向きに該取手部材がスライドしたことを検知するものであることを特徴とするものである。
上記第2の目的を達成するために、請求項7の発明は、請求項5又は6のシート収容装置において、上記駆動制御手段は、上記検知手段が上記所定の外力を検知した後、該シートケースが該収納位置に到達するまでの間に該所定の外力を検知しなくなったとき、上記ケース駆動手段の駆動を停止させることを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6又は7のシート収容装置において、上記駆動制御手段は、上記検知手段が検知した外力の大きさに応じて上記ケース駆動手段の駆動速度を変更することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8のシート収容装置において、上記駆動制御手段は、上記装置本体側に設けられており、上記検知手段の検知結果を示す電気信号を上記駆動制御手段へ伝送する伝送ラインを有し、上記装置本体に対する上記シートケースのスライド方向に対して直交する方向に配向した該シートケースの外面に露出する被接触端子と、該被接触端子と摺動可能に当接する該装置本体に設けられた接触端子とを、該伝送ライン上に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、シート収容装置から搬送されたシート上に画像を形成する画像形成装置において、上記シート収容装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9のシート収容装置を用いることを特徴とするものである。
本発明においては、シートケースに支持された取手部材に対してユーザーが引出操作又は押込操作を行うと、その操作時に取手部材に作用した外力が検知手段により検知される。そして、静止したシートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい所定の外力が検知手段により検知されたとき、シートケースを駆動するケース駆動手段の駆動が開始される。よって、本発明によれば、シートケースが動き出す前にケース駆動手段の駆動が開始され、シートケースが駆動されることになる。
以上、本発明によれば、静止状態のシートケースが動き出す前にケース駆動手段によりシートケースが駆動されるので、ユーザーが取手部材を介してシートケースに対して引出操作を行う際又は押込操作を行うに際して、静止しているシートケースを動かし始める時にユーザーに強いる力の大きさが軽減されるという優れた効果がある。
以下、本発明を、画像形成装置としての電子写真プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係るプリンタの正面図である。図3は、このプリンタの内部構造の概略を示す概略構成図である。
本実施形態のプリンタ1は、プリンタエンジン(画像形成部)2、複数のシートケースとしての給紙カセット40、定着部4等が装置本体5内に設けられている。装置本体5の側面部には、用紙反転機構部6と手差し機構部7とが取り付けられている。また、装置本体5内には、給紙カセット40から給紙された記録媒体Sを排紙トレイ8に向けて搬送するための搬送路9が形成され、この搬送路9に沿って搬送ローラ対10、レジストローラ対11、プリンタエンジン2、定着部4等が配置されている。プリンタエンジン2は、ドラム状の感光体12、感光体12の周囲に配置された帯電器13、露光器14、現像器15、転写器16、クリーニング器17等により構成されている。
このプリンタ1での画像形成時には、感光体12の表面が帯電器13により一様に帯電され、画像データに応じた光(例えば、レーザー光)が露光器14から出射され、この光が感光体12の表面を露光することにより感光体12の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像に対して現像器15から供給されたトナーが付着し、静電潜像がトナー画像として顕像化される。顕像化されたトナー画像は、転写器16の転写作用により搬送路9を搬送される記録媒体Sに転写される。トナー画像が転写された記録媒体Sは搬送路9上を搬送されて定着部4に送り込まれ、定着部4で加熱、加圧されることによりトナー画像が記録媒体Sに定着される。トナー画像が定着された記録媒体は排紙トレイ8上に排紙される。トナー画像が転写された後の感光体12上に残留しているトナーは、クリーニング器17によりクリーニングされる。
搬送路9の途中には、記録媒体Sの搬送方向に沿った定着部4の下流側に位置して反転用排紙路18が分岐され、この分岐部分には記録媒体Sの搬送方向を排紙トレイ8側又は反転用排紙路18側のいずれかに切り替えるための切替爪19が設けられている。また、搬送路9の途中であって記録媒体Sの搬送方向に沿ったプリンタエンジン2の上流側には、反転された記録媒体S又は手差しされた記録媒体Sが送り込まれる各給紙路20a,20bが形成されている。
用紙反転機構部6は、入口路22、反転路23、再給紙路24を備えている。入口路22の一端は上記反転用排紙路18に連通され、入口路22の他端が反転路23に接続されている。再給紙路24の一端は入口路22に接続され、再給紙路24の他端は上記給紙路20aに連通されている。入口路22と反転路23との接続部分には正逆回転可能な反転ローラ対25が設けられている。反転ローラ対25が正転方向(図中時計回り方向)に回転することにより、反転用排紙路18から入口路22に送り込まれた記録媒体Sが反転路23に送り込まれる。反転ローラ対25は、記録媒体Sの送り込み方向後端部が反転ローラ対25により挟持される位置まで記録媒体Sを反転路23に送り込んだ後、逆方向(図中反時計回り方向)に回転する。この逆方向への回転により、一旦反転路23に送り込まれた記録媒体Sが反転路23から送り出される。このとき、切替爪26が仮想線で示す位置に切り替えられるため、反転路23から送り出された記録媒体Sは再給紙路24に送り込まれる。再給紙路24の途中には搬送ローラ対27が設けられ、再給紙路24の給紙方向下流端に対して給送方向上流側に近接した位置には第1給送ローラ対28が設けられている。
手差し機構部7は、手差し給紙トレイ32、手差し給紙搬送路33、ピックアップローラ34a、フィードローラとリバースローラとからなる分離ローラ対34b、第2給送ローラ対36等を備えている。手差し給紙トレイ32上には手差しされる記録媒体Sが載置され、手差し給紙トレイ32上に記録媒体Sが載置された後にピックアップローラ34aが回転駆動されることにより、手差し給紙トレイ32上の記録媒体Sが分離ローラ対34bへ受け渡される。その後、分離ローラ対34bにおいて一枚ずつ分離されて手差し給紙搬送路33上を搬送され、上記給紙路20bから搬送路9上に送り込まれる。
次に、シート収容装置としての給紙カセット装置の構成について説明する。
図4は、給紙カセット40の正面図である。図5は、給紙カセット装置の一部を示す斜視図である。
本実施形態における給紙カセット装置は、図2に示したように装置本体5の下部に配置されている。給紙カセット40の側面には、図5に示すように、スライド部材41が取り付けられている。なお、図5では、説明のため、スライド部材41の正面側端部を破断して示してある。このスライド部材41が装置本体5に設けられた被スライド部材としてのガイドレール3a上をスライドすることで、給紙カセット40は、装置本体5の内部に収納される収納位置と装置本体5の外部に引き出される引出位置との間で図中矢印Aの示す方向(カセットスライド方向)に略水平面に沿ってスライドすることができる。また、給紙カセット40の正面パネル42には、取手部材50が取り付けられている。この取手部材50は、詳しくは後述するが、給紙カセット40に対し、図中矢印Bの示す方向(取手スライド方向)に略水平面に沿ってスライド自在に取り付けられている。本実施形態において、カセットスライド方向Aと取手スライド方向Bは互いに一致している。
また、上記取手部材50は、図5に示すようにユーザーの4本の指が挿入可能な貫通部50aを有し、ユーザーが片手で握ることができるように取手部材本体が握り部で構成されている。このような構成により、ユーザーは、順手、逆手のどちらでも、取手部材50を把持してこれを操作することができるので、ユーザーの操作性が向上する。本実施形態では、ユーザーが取手部材50の貫通部50aに指を入れやすいように、給紙カセット40の正面パネル42に窪み42aも形成している。
図6は、取手部材50及びそのスライド動作に連動する連動機構の構成を示す斜視図である。
取手部材50は、連動機構を構成する固定部材51と一体的に構成されている。固定部材51は、その上面に2つの長孔51aを有し、これらの長孔51aには、給紙カセット40に固定されている図示しない固定ピンが挿入される。これにより、取手部材50は、固定ピンが長孔51aの長手方向に移動できる範囲内で、給紙カセット40に対するスライド範囲が規制される。なお、図5に示した状態は、取手部材50が給紙カセット40内へ収容された状態(初期状態)を示すものである。この初期状態から、ユーザーが取手部材50を正面方向へ引っ張ると、固定ピンが長孔51aの背面側内壁に当接するまで取手部材50が給紙カセット40に対してスライドし、取手部材50が給紙カセット40から引っ張り出された状態(引っ張り状態)となる。
また、上記固定部材51の一側面には、切欠部52が設けられている。この切欠部52には、回転軸である連動軸53の一端部に設けられた連結部材としての連結アーム54の凸部54aが挿入されている。この凸部54aは、連動軸53に固定された連結アーム54の一端部とは反対側の自由端部に設けられており、連動軸53の軸方向に対して平行な方向に延びている。連動軸53は、給紙カセット40に設けられた図示しない軸支部材によって回転自在に軸支されており、取手スライド方向Bに対して直交する方向に略水平面に沿って延びている。連結アーム54が固定されている連動軸53の端部とは反対側の端部には、係合部材としての係合アーム55が固定されている。この係合アーム55には係合部である凸部55aが設けられている。この凸部55aは、連動軸53に固定された係合アーム55の一端部とは反対側の自由端部に設けられており、連動軸53の軸方向に対して平行な方向に延びている。係合アーム55は、図5に示したように、給紙カセット40の側面外方であって、装置本体5のガイドレール3aの上方に位置する。また、装置本体5には、図5に示したように、ガイドレール3aに対向するように上ガイド3bも設けられている。なお、図5では、説明のため、上ガイド3bの正面側端部を破断して示してある。給紙カセット40のスライド部材41は、ガイドレール3aと上ガイド3bとの間のスペースに入り込んでガイドレール3a上をスライドする。この上ガイド3bの下面には、図6に示すように、被係合部材としての突起3cが設けられている。この突起3cは、給紙カセット40が装置本体5内の収納位置にあるときの係合アーム55の凸部55aが位置する箇所に対し、正面側に隣接する位置に配置されている。よって、給紙カセット40が収納位置にあるとき、上記連動軸53が回転して係合アーム55の凸部55aが上記突起3cに引っ掛かって係合することで、給紙カセット40が収納位置に固定される。これにより、給紙カセット40を容易に引き出せないようになる。
また、上記連結アーム54には、スプリング取付部54bが設けられており、これにスプリング56の一端が取り付けられている。スプリング56の他端は、給紙カセット40に固定されている。このスプリング56は、連動軸53を図中矢印Cの向きに回転させる方向に付勢力を及ぼすように設けられている。よって、係合アーム55には、その凸部55aが上記突起3cと係合する係合姿勢の向きに付勢力が常時働き、連結アーム54には、その凸部55aが固定部材51の切欠部52の背面側縁部に当接する向きに付勢力が常時働く。連結アーム54に伝達された付勢力は、切欠部52の背面側縁部に伝わって、取手部材50を給紙カセット40に対して背面側にスライドさせるように作用する。ただし、取手部材50は、給紙カセット40に設けられた固定ピンと長孔51aとによってスライド範囲が規制されている。取手部材50は、スプリング56の付勢力以外の外力が加わらない限り、後述するように初期状態が維持される。
次に、凸部55aと突起3cとの係合状態を解除する係合解除操作時と、給紙カセット40を装置本体5から引き出す引出操作時における、取手部材50及び上記連動機構の動作について説明する。
図7(a)〜(c)は、係合解除操作から引出操作までの操作中における取手部材50及び連動機構の側面図である。
給紙カセット40が収納位置にあるとき、図7(a)に示すように、係合アーム55の凸部55aが上記突起3cに引っ掛かった状態となっている。このとき、取手部材50は、スプリング56の付勢力により初期状態となっている。この初期状態から、図7(b)に示すように、ユーザーが取手部材50を取手スライド方向Bに沿って図中矢印B1の向きに引っ張るという係合解除操作を行うと、スプリング56の付勢力に抗して取手部材50が矢印B1の向きにスライドする。
ここで、本実施形態では、取手部材50を図中矢印B1の向きにスライドさせるときの負荷は、給紙カセット40を装置本体5から引き出すためにスライドさせるときの負荷よりも小さくなるように構成されている。具体的に説明すると、前者の負荷は、主に、スプリングの付勢力、及び、給紙カセット40と取手部材50に一体構成された固定部材51との間の摩擦力である。一方、後者の負荷は、給紙カセット40を装置本体5から引き出す際に働くスライド抵抗であり、主に給紙カセット40の重量によって決まる。本実施形態では、給紙カセット40が最も軽い状態すなわち給紙カセット40に記録媒体Sを設定していない状態のスライド抵抗よりも前者の負荷の方がずっと小さくなるようにしている。
詳しくは、上記スプリング56の付勢力を非常に弱く設定している。本実施形態においては、多少の振動が生じても係合アーム55の凸部55aが突起3cに引っ掛かる状態が維持できる程度の付勢力で十分であることから、スプリング56の付勢力に強い力が必要ない。
また、図8に示すように、取手部材50に一体構成された固定部材51における給紙カセット40との接触部分51bをリブ形状としている。また、給紙カセット40における固定部材51との接触部分44をリブ形状としている。このようなリブ形状とすることで、互いの接触面積を小さくしてスライド時における摩擦抵抗を小さくすることができる。なお、リブ形状とする変わりに、上記接触部分44,51bにコロを設けるようにしてもよい。この場合、リブ形状とする場合に比べて、部品点数や製造工程が複雑化してコストが高くなるが、スライド時における摩擦抵抗を大幅に小さくでき、ユーザーの操作性が大きく向上する。
このように構成されていることにより、図7(a)の初期状態からユーザーが取手部材50を図中矢印B1の向きに引っ張ったとき、給紙カセット40が装置本体5に対してスライドせずに収納位置に位置したまま、取手部材50が給紙カセット40に対してスライドする。ここで、取手部材50が給紙カセット40に対してスライドすると、その取手部材50と一体構成された固定部材51もスライドし、切欠部52の背面側縁部に当接した連結アーム54の凸部54aが正面方向へ移動する。この移動により、連動軸53が回転して、係合姿勢にある係合アーム55が図中矢印Dの向きに回転し、係合アーム55の凸部55aが突起3cから外れて、図7(b)に示すような係合解除姿勢をとる。取手部材50は、給紙カセット40の固定ピンが長孔51aの背面側縁部に当接するとスライドできなくなり、このときの係合アーム55の姿勢が係合解除姿勢である。そして、このようにして係合が解除された後、続いて、取手部材50を引っ張る力が長孔51aの背面側縁部から固定ピンに伝わって、図7(c)に示すように、給紙カセット40が装置本体5に対して所定の引出位置までスライドする引出操作が行われる。
次に、引き出した給紙カセット40を装置本体5の内部へ収納する収納操作時における、取手部材50及び上記連動機構の動作について説明する。
図9は、押込操作中における取手部材50及び連動機構の側面図である。ユーザーが取手部材50を引っ張っていないときには、その取手部材50は上記スプリング56の付勢力により初期状態になっている。引き出した給紙カセット40を装置本体5の内部へ収納する場合、この初期状態の取手部材50をユーザーが押すことにより、上記固定ピンが長孔51aの正面側内壁に当接し、取手部材50は後述するように押込状態となる。そして、給紙カセット40が図中矢印B2の向きにスライドして装置本体5内へ収納される。その途中で、スプリング56の付勢力によって係合姿勢となっている係合アーム55の凸部55aは、装置本体5に設けられた突起3cの正面側壁面に接触する。突起3cの正面側壁面は、図示のように、上ガイド3bの面から突起先端に向かって背面方向に傾斜している。ユーザーの押し込みにより、凸部55aが突起3cの正面側壁面に沿って移動して、係合アーム55がスプリング56の付勢力に抗して係合解除姿勢になるまで回転する。
このとき、係合アーム55の回転により連動軸53を介して連結アーム54も回転し、その凸部54aが移動する。本実施形態では、この凸部54aが挿入される固定部材51の切欠部52は、長孔形状になっており、この凸部54aの移動に連動して固定部材51が動作することはない。係合アーム55の凸部55aが突起3cの正面側壁面を乗り越えるときに、取手部材50がスライドすることはない。
そして、ユーザーが取手部材50を更に押し込んで、凸部55aが突起3cの正面側壁面を乗り越えると、スプリング56の付勢力により係合アーム55は図中矢印Cの向きに回転し、凸部55aが突起3cに引っ掛かって係合姿勢となる。
ここで、本実施形態の給紙カセット装置は、引出操作中又は押込操作中にユーザーが必要とする力を少なくするために、図示しない駆動源からの駆動力により収納位置から引出位置又は引出位置から収納位置へと給紙カセット40をスライドさせるケース駆動手段を備えている。このケース駆動手段の具体的構成は次の通りである。
図5に示すように、給紙カセット40の側面に固定されたスライド部材41には、ラック部41aとスライド部41bとが設けられている。ラック部41a及びスライド部41bは、スライド部材41の長手方向(カセットスライド方向)に沿って互いに平行に配置されている。引出操作中において、スライド部41bは装置本体5のガイドレール3a上をスライドする。このとき、ラック部41aは、図5に示すように、給紙カセット40の側面から離れる方向のガイドレール3aの側方に位置することになる。そして、このように位置するラック部41aの歯と噛み合う位置には、ピニオン57が配置されている。よって、引出操作中において、スライド部41bは装置本体5のガイドレール3a上をスライドし、ラック部41aはピニオン57と噛み合う。
ピニオン57の軸57aは、図5に示すように、装置本体5に設けられた駆動源であるモータMに接続している。このモータMは、正逆回転可能なものである。モータMが正回転すると、この回転駆動力が軸57aを介してピニオン57に伝達され、ピニオン57が正回転する。ピニオン57の回転駆動力は、これと噛み合っているラック部41aに伝達され、給紙カセット40が正面方向へ移動し、給紙カセット40が装置本体5から引き出される。一方、モータMが逆回転すると、この回転駆動力が軸57aを介してピニオン57に伝達され、ピニオン57が逆回転する。ピニオン57の回転駆動力は、これと噛み合っているラック部41aに伝達され、給紙カセット40が背面方向へ移動し、給紙カセット40が装置本体5の内部へ押し込まれる。
次に、本発明の特徴部分である、モータMの駆動開始タイミングについて説明する。
図1は、取手部材50のスライド動作に連動したモータMの駆動制御機構についての説明図である。
本実施形態における給紙カセット装置は、検知手段としての圧力センサ61及びスイッチ62を備えている。これらの圧力センサ61及びスイッチ62は、駆動制御手段としての制御部63に接続されている。この制御部63は、これらの圧力センサ61及びスイッチ62の検知結果に基づいて上記モータMの駆動を制御するものであり、マイコンなどにより構成される。また、固定部材51における上記切欠部52が設けられた側面とは反対側の側面には、検知用突起60が固定されている。取手部材50がスライドすると、そのスライド動作に連動して移動する検知用突起60が、圧力センサ61やスイッチ62に接触する。
上記圧力センサ61は、公知のものを広く利用でき、検知用突起60の接触圧が所定値以上になると上記制御部63へ検知信号を出力する。また、スイッチ62は、可撓性の高いフィラー部と、そのフィラー部に検知用突起60が接触したことを検知する検知部とから構成されている。この検知部は、フィラー部に検知用突起60が接触したことを検知すると、上記制御部63へ検知信号を出力する。
ユーザーが取手部材50に対して外力を及ぼしていないとき、取手部材50は、図1(a)に示すように、上記スプリング56の付勢力により初期状態が維持される。この初期状態のとき、給紙カセット40に固定されている上記固定ピン59は、固定部材51の長孔51aにおける正面側内壁と僅かに隙間を空けた位置に位置決めされる。これは、固定部材51の側面に設けられた検知用突起60が圧力センサ61に接触するため、固定部材51がそれ以上背面方向へ移動しないためである。このように取手部材50が初期状態にあるとき、圧力センサ61には、上記スプリング56により付勢された固定部材51の検知用突起60の接触圧が加わるが、この接触圧は非常に弱い。具体的には、この接触圧は、静止した給紙カセット40を動かし始めるのに要する力よりもずっと小さい。ここで、本実施形態では、上記圧力センサ61が検知信号を出力するか否かを決定するための上記所定値が、静止した給紙カセット40を背面方向へ動かし始めるのに要する力よりも小さい値であって、上記接触圧よりも大きい値に設定されている。よって、取手部材50が図1(a)に示す初期状態にある場合、圧力センサ61からは検知信号が出力されない。また、取手部材50が初期状態にある場合には、固定部材51の検知用突起60はスイッチ62のフィラー部に接触しないので、スイッチ62からも検知信号が出力されない。
以上のように、取手部材50が初期状態にある場合、制御部63には、圧力センサ61及びスイッチ62のいずれの検知信号も入力されない。この場合、制御部63は、モータMを停止状態にするように駆動制御する。したがって、取手部材50が初期状態にあるときには、給紙カセット40はスライドせずに静止する。
ユーザーが取手部材50に対して引出操作を行ったとき、図1(b)に示すように、固定ピン59が長孔51aの背面側内壁に当接し、取手部材50が給紙カセット40から引っ張り出された引っ張り状態となる。取手部材50が引っ張り状態にあるとき、スイッチ62のフィラー部には、固定部材51の検知用突起60が接触する。これにより、スイッチ62は、制御部63に対して検知信号を出力する。制御部63は、この検知信号を受信すると、モータMに対して正回転に駆動する駆動命令を出力する。これにより、モータMは正回転に駆動し、給紙カセット40が正面方向へスライド移動する。
ここで、モータMの駆動力により給紙カセット40が正面方向へ動き出すまでにユーザーが取手部材50に加える力は、その取手部材50を初期状態から引っ張り状態にするために要する力だけである。この力は、取手部材50を図中矢印B1の向きにスライドさせるときの負荷に抗する力である。そして、この負荷は、給紙カセット40と取手部材50に一体構成された固定部材51との間の摩擦力と、スプリング56の付勢力との合力である。この合力は、静止した給紙カセット40を正面方向へ動かし始める時の負荷よりもずっと小さい。したがって、本実施形態によれば、静止した給紙カセット40を正面方向へ動かし始める時にユーザーが要する力は、ユーザーが手動で静止した給紙カセット40を正面方向へ動かし始める場合に比べて、ずっと小さくて済む。
このようにしてモータMの駆動力により正面方向へ動き出した給紙カセット40は、引出位置に到達すると停止する。具体的には、制御部63は、例えば給紙カセット40が引出位置に到達したか否かを検知するセンサを用いて、給紙カセット40が引出位置に到達したか否かを認識する。そして、給紙カセット40が引出位置に到達したと認識したら、制御部63は、モータMに対して駆動停止命令を出力する。これにより、モータMの駆動が停止し、給紙カセット40が引出位置で停止する。
本実施形態では、給紙カセット40がモータMの駆動力により正面方向へ動き出した後、引出位置に到達する前に、ユーザーが取手部材50から手を離すなどして取手部材50が初期状態になると、モータMの駆動が停止するようになっている。具体的には、引っ張り状態の取手部材50が初期状態になると、スイッチ62からの検知信号が出力されなくなる。これにより、制御部63は、上述したようにモータMを停止状態にするように駆動制御するので、モータMの駆動が停止する。この結果、ユーザーが取手部材50から手を離すなどして取手部材50が初期状態になるとすぐに、給紙カセット40の移動が停止する。
一方で、ユーザーが取手部材50に対して押込操作を行ったとき、図1(c)に示すように、固定ピン59が長孔51aの正面側内壁に当接するまで、取手部材50が給紙カセット40内へ押し込まれ、押込状態となる。取手部材50が押込状態にあるとき、圧力センサ61は、取手部材50が初期状態にあるときよりも大きな圧力、具体的には上記所定値以上の圧力を検知する。これにより、圧力センサ61は、制御部63に対して検知信号を出力する。制御部63は、この検知信号を受信すると、モータMに対して逆回転に駆動する駆動命令を出力する。これにより、モータMは逆回転に駆動し、給紙カセット40が背面方向へスライド移動する。
ここで、モータMの駆動力により給紙カセット40が背面方向へ動き出すまでにユーザーが取手部材50に加える力は、その取手部材50を初期状態から押込状態にするために要する力だけである。この力は、取手部材50を図中矢印B2の向きにスライドさせるときの負荷に抗する力である。そして、この負荷は、主に、給紙カセット40と取手部材50に一体構成された固定部材51との間の摩擦力である。この摩擦力は、静止した給紙カセット40を背面方向へ動かし始める時の負荷よりもずっと小さい。したがって、本実施形態によれば、静止した給紙カセット40を背面方向へ動かし始める時にユーザーが要する力は、ユーザーが手動で静止した給紙カセット40を背面方向へ動かし始める場合に比べて、ずっと小さくて済む。
このようにしてモータMの駆動力により背面方向へ動き出した給紙カセット40は、装置本体5内の収納位置に到達すると停止する。具体的には、制御部63は、例えば給紙カセット40が収納位置に到達したか否かを検知するセンサを用いて、給紙カセット40が収納位置に到達したか否かを認識する。そして、給紙カセット40が収納位置に到達したと認識したら、制御部63は、モータMに対して駆動停止命令を出力する。これにより、モータMの駆動が停止し、給紙カセット40が引出位置で停止する。
本実施形態では、給紙カセット40がモータMの駆動力により背面方向へ動き出した後、収納位置に到達する前に、ユーザーが取手部材50から手を離すなどして取手部材50が初期状態になると、モータMの駆動が停止するようになっている。具体的には、押込状態の取手部材50が初期状態になると、圧力センサ61からの検知信号が出力されなくなる。これにより、制御部63は、上述したようにモータMを停止状態にするように駆動制御するので、モータMの駆動が停止する。この結果、ユーザーが取手部材50から手を離すなどして取手部材50が初期状態になるとすぐに、給紙カセット40の移動が停止する。
本実施形態において、圧力センサ61及びスイッチ62は給紙カセット40に設けられているが、上記モータM及び上記制御部63は装置本体5に設けられている。そして、給紙カセット40側の圧力センサ61及びスイッチ62の検知結果を示す電気信号は、給紙カセット40が装置本体5に対してスライドしている間、伝送ラインを介して装置本体5側の制御部63に伝送されなければならない。そのため、本実施形態では、上記伝送ライン上において、装置本体5に対する給紙カセット40のカセットスライド方向に対して直交する方向に配向した給紙カセット40の側面に被接触端子を設け、かつ、この被接触端子と摺動可能に当接する接触端子を装置本体5に設けている。
図10(a)は、装置本体5の内部における給紙カセット40の一側面部分を鉛直方向上方から見たときの上面図である。図10(b)は、装置本体5の内部における給紙カセット40の当該一側面部分を水平方向から見たときの側面図である。
図10(a)に示すように、装置本体5には、制御部63に接続された接触端子である接触ピン64が、給紙カセット40の一側面に当接するように配置されている。この接触ピン64は、給紙カセット40の側面に向けて付勢されており、接触ピン64と給紙カセット40の側面との相対距離が多少変動しても、接触ピン64と給紙カセットの側面との接触は維持される。この接触ピン64は、装置本体5に設けられた上ガイド3bの上面に配置されている。一方、この接触ピン64が当接する給紙カセット40の側面部分には、図10(b)に示すように、被接触端子としての接触ラインが露出するように設けられている。この接触ラインは、給紙カセット40に設けられた圧力センサ61及びスイッチ62に接続されている。また、この接触ラインは、給紙カセット40が収納位置と引出位置との間をスライドする間は常に上記接触ピンと接触することになる給紙カセット40の側面部分の全域にわたり、カセットスライド方向に沿って延びている。このような構成により、給紙カセット40が収納位置と引出位置との間をスライドしているときには、接触ピンと接触ラインとは常に当接した状態となる。
なお、本実施形態では、ユーザーが引出操作を行ったときに取手部材50に作用する外力を検知する検知手段としてスイッチ62を用いているが、収納位置に静止した給紙カセットを手動で動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を検知できるものであれば、他の検知手段であってもよい。なお、この検知手段としては、外力の大きさを検知できるものでなくてもよく、取手部材50に上記外力が作用したことを検知できるものであればよい。このような検知手段としては、例えば、上記圧力センサ61と同様の圧力センサのほか、光学センサや磁気センサ等の非接触型のセンサなども利用できる。非接触型のセンサを利用する場合には、取手部材50が引っ張り状態にあるときの検知用突起60を検知するように構成する。
また、本実施形態では、ユーザーが押込操作を行ったときに取手部材50に作用する外力を検知する検知手段として圧力センサ61を用いているが、引出位置に静止した給紙カセットを手動で動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を検知できるものであれば、他の検知手段であってもよい。なお、この検知手段も、外力の大きさを検知できるものでなくてもよく、取手部材50に上記外力が作用したことを検知できるものであればよい。このような検知手段としては、例えば、上記スイッチ62と同様のメカニカルなスイッチのほか、光学センサや磁気センサ等の非接触型のセンサなども利用できる。非接触型のセンサを利用する場合には、取手部材50が引っ張り状態にあるときの検知用突起60を検知するように構成する。
〔変形例〕
次に、上記給紙カセット装置の変形例について説明する。
上記実施形態では、制御部63からの駆動開始命令を受けたモータMは、一定の駆動速度(回転速度)で駆動する。そのため、ユーザーは、引出操作中又は押込操作中の給紙カセット40のスライド速度を調節することができない。なお、上記実施形態においても、引出操作中の引出速度又は押込操作中の押込速度を速めれば、モータMの駆動力による給紙カセット40の移動速度よりも速い速度で、給紙カセット40を引き出したり押し込んだりすることは可能である。しかし、この場合、モータMに負荷がかかるため、モータMが故障するおそれがある。また、ユーザーの手には、そのモータMにかかる負荷に相当する力が加わるため、この力をユーザーが負担しなければならず、操作性が低下する。本変形例に係る給紙カセット装置によれば、このような操作性の低下を抑制しつつ、ユーザーが引出操作中又は押込操作中の給紙カセット40のスライド速度を調節することができる。なお、以下の説明において、上記実施形態と同様の構成及び動作については省略する。
図11は、取手部材50のスライド動作に連動したモータMの駆動制御についての説明図である。
本変形例に係る給紙カセット装置は、引出操作中又は押込操作中の取手部材50に作用するユーザーによる外力を検知する検知手段として、両方とも圧力センサ161,162を用いている。これらの圧力センサ161,162は、公知のものを広く利用でき、検知用突起60の接触圧に応じた検知信号を駆動制御手段としての制御部163へ出力する。制御部163は、上記実施形態と同様に、これらの圧力センサ161,162の検知結果に基づいて上記モータMの駆動を制御するものである点では同様であるが、圧力センサ161,162からの検知信号に応じてモータMの回転速度を制御する点で、上記実施形態のものとは異なっている。すなわち、本変形例では、圧力センサ161,162が検知した圧力の大きさによって、制御部163はモータMの回転速度を制御する。
図12は、制御部163によるモータMの駆動制御の概要を示すフローチャートである。
ユーザーが取手部材50に対して外力を及ぼしていないとき、取手部材50は、上記実施形態と同様に、図11(a)に示す初期状態が維持される。このように取手部材50が初期状態にあるとき、押込圧力センサ161には、上記スプリング56により付勢された固定部材51の検知用突起60の接触圧(押込接触圧)が加わるが、このときの押込接触圧は上述したように非常に弱い。本変形例では、この弱い押込接触圧に応じた検知信号も、押込圧力センサ161から制御部163へ出力される。制御部163は、第1基準値(上記弱い押込接触圧よりも大きい値)以下の押込接触圧に応じた検知信号を受信しているときには、モータMを停止状態にするように駆動制御する(S9)。したがって、取手部材50が初期状態にあるときには、給紙カセット40はスライドせずに静止する。
ユーザーが取手部材50に対して引出操作を行ったとき、図11(b)に示すように、固定ピン59が長孔51aの背面側内壁に当接し、取手部材50が引っ張り状態となる。取手部材50が引っ張り状態にあるとき、引出圧力センサ162には、固定部材51の検知用突起60の接触圧(引出接触圧)が加わる。この引出接触圧に応じた検知信号が制御部163に入力されると、制御部163は、その検知信号に基づいて引出接触圧が第1基準値以上であるか否かを判断する(S2)。そして、制御部163は、第1基準値以上であると判断したとき、モータMに対して正回転の規定モードで駆動する駆動命令を出力する。これにより、モータMは規定速度で正回転に駆動し(S3)、給紙カセット40が正面方向へ所定の速度でスライド移動する。本変形例において、引出接触圧についての第1基準値は非常に低い値に設定されているので、固定部材の検知用突起60が引出圧力センサ162に接触すれば、この第1基準値以上の引出接触圧に係る検知信号が制御部163に入力される。したがって、上記実施形態と同様に、取手部材50が初期状態から引っ張り状態になるとすぐに、モータMが規定速度で正回転に駆動し、給紙カセット40が正面方向へスライド移動する。
ここで、規定速度で正回転するモータMの駆動力による給紙カセット40のスライド移動速度よりも速い速度で給紙カセット40を引き出したいとき、ユーザーは、取手部材50を更に引っ張って、より大きな外力を取手部材50に作用させる。これにより、この外力に応じた引出接触圧が引出圧力センサ162に加わり、その引出接触圧に応じた検知信号が制御部163に入力される。すると、制御部163は、その検知信号に基づいて引出接触圧が第2基準値以上であるか否かを判断する(S4)。そして、制御部163は、第2基準値以上であると判断したとき、モータMに対して正回転の高速モードで駆動する駆動命令を出力する。これにより、モータMは規定速度よりも速い速度で正回転に駆動し(S5)、給紙カセット40が正面方向へ高速にスライド移動する。
高速モードに移行した後、ユーザーが取手部材50を引っ張る力を緩めて、引出圧力センサ162が検知する引出接触圧が第2基準値よりも小さくかつ第1基準値以上となると、制御部163は、再びモータMに対して正回転の規定モードで駆動する駆動命令を出力する。よって、給紙カセット40のスライド移動速度は上記所定の速度に戻る。
また、ユーザーが取手部材50を引っ張る力を更に緩めて又は取手部材50から手を離して、引出圧力センサ162が検知する引出接触圧が第1基準値よりも小さくなると、制御部163は、モータMを停止させる(S9)。よって、給紙カセット40のスライド移動が停止する。
一方で、ユーザーが取手部材50に対して押込操作を行ったとき、図11(c)に示すように、固定ピン59が長孔51aの正面側内壁に当接するまで、取手部材50が給紙カセット40内へ押し込まれ、押込状態となる。取手部材50が押込状態にあるとき、押込圧力センサ161は、取手部材50が初期状態にあるときよりも大きな圧力、具体的には上述した押込接触圧についての第1基準値以上の圧力を検知し、その検知信号を制御部163へ出力する。制御部163は、この検知信号に基づいて押込接触圧が第1基準値以上であるか否かを判断する(S1)。そして、制御部163は、第1基準値以上であると判断したとき、モータMに対して逆回転の規定モードで駆動する駆動命令を出力する。これにより、モータMは規定速度で逆回転に駆動し(S6)、給紙カセット40が背面方向へ所定の速度でスライド移動する。
ここで、規定速度で逆回転するモータMの駆動力による給紙カセット40のスライド移動速度よりも速い速度で給紙カセット40を押し込みたいとき、ユーザーは、取手部材50を更に押し込んで、より大きな外力を取手部材50に作用させる。これにより、この外力に応じた押込接触圧が押込圧力センサ161に加わり、その押込接触圧に応じた検知信号が制御部163に入力される。すると、制御部163は、その検知信号に基づいて押込接触圧が第2基準値以上であるか否かを判断する(S7)。そして、制御部163は、第2基準値以上であると判断したとき、モータMに対して逆回転の高速モードで駆動する駆動命令を出力する。これにより、モータMは規定速度よりも速い速度で逆回転に駆動し(S8)、給紙カセット40が背面方向へ高速にスライド移動する。
高速モードに移行した後、ユーザーが取手部材50を押し込む力を緩めて、押込圧力センサ161が検知する押込接触圧が第2基準値よりも小さくかつ第1基準値以上となると、制御部163は、再びモータMに対して逆回転の規定モードで駆動する駆動命令を出力する。よって、給紙カセット40のスライド移動速度は上記所定の速度に戻る。
また、ユーザーが取手部材50を押し込む力を更に緩めて又は取手部材50から手を離して、押込圧力センサ161が検知する押込接触圧が第1基準値よりも小さくなると、制御部163は、モータMを停止させる(S9)。よって、給紙カセット40のスライド移動が停止する。
以上のように、本変形例によれば、引出操作中又は押込操作中の給紙カセット40のスライド速度を、ユーザーが取手部材50に加える力を調節することで2段階(規定モードと高速モード)で変更することができる。しかも、本変形例では、規定モード時における給紙カセット40のスライド速度(規定速度)よりも速い速度で引き出したり押し込んだりする際に、モータMにかかる負荷を軽減できるとともに、ユーザーの手にかかる力も軽減できる。
なお、本変形例では、規定モードと高速モードの2段階で給紙カセット40のスライド速度を変更する場合について説明したが、3段階以上であってもよい。このスライド速度の変更段数が多いほど、モータMにかかる負荷及びユーザーの手にかかる力を軽減しつつ給紙カセット40のスライド速度を微調整することができる。
また、本変形例では、圧力センサ161,162の検知結果に応じて制御部163がモータMを規定モードと高速モードのいずれかで駆動させる場合について説明したが、これに限られない。例えば、モータM自身が自己に加わる負荷を一定範囲内に維持するように自己の回転数を調整するようなものであれば、上記実施形態のように制御部が駆動開始及び駆動停止のみを制御するような構成であっても、本変形例と同様の効果を得ることができる。この場合、駆動制御手段の一部は、モータMに設けられることになる。特に、このようにモータMに加わる負荷が一定範囲内に維持される構成とすれば、取手部材50に対して加える力をユーザーが調節することで、引出操作中又は押込操作中の給紙カセット40のスライド速度を調整することができ、その際にユーザーの手に加わる力もおよそ上記一定範囲内に維持される。したがって、上記一定範囲を比較的小さい負荷の範囲に設定すれば、ユーザーは軽い力で給紙カセット40のスライド速度を調整することができる。
以上、本実施形態(上記変形例を含む。以下同じ。)のシート収容装置である給紙カセット装置は、内部にシートである記録媒体Sを収容するシートケースとしての給紙カセット40と、この給紙カセット40に支持された取手部材50と、駆動源であるモータMからの駆動力により、給紙カセット40が装置本体5の内部に収納される収納位置から装置本体5の外部に引き出される引出位置へと給紙カセット40をスライドさせるケース駆動手段とを有している。そして、本給紙カセット装置は、取手部材50に作用する外力を検知する検知手段としてのスイッチ62又は圧力センサ162と、給紙カセット40が収納位置から引出位置へスライドする向きと同じ向きB1の外力であって、静止した給紙カセット40を動かし始めるのに要する力よりも小さい外力をスイッチ62又は圧力センサ162が検知したとき、給紙カセット40が収納位置から引出位置へ向かう向きB1にスライドするように上記ケース駆動手段の駆動を開始させる駆動制御手段としての制御部63,163とを有している。このような構成により、取手部材50に加えたユーザーの引っ張り力によって給紙カセット40が動き出す前に、ケース駆動手段の駆動が開始され、給紙カセット40が駆動されることになる。上述したように、収納位置と引出位置との間で給紙カセット40を移動させる際、静止状態の給紙カセット40を動かし始める時に比較的大きな力が必要となる。したがって、本給紙カセット装置によれば、収納位置から引出位置へと給紙カセット40を移動させる際にユーザーに対して強いる力を軽減することができる。
特に、本実施形態においては、取手部材50は、静止した給紙カセット40を動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を受けることで装置本体5に対する給紙カセット40のスライド方向に平行な方向Bに給紙カセット40に対してスライド自在に構成されている。そして、スイッチ62又は圧力センサ162は、給紙カセット40が収納位置から引出位置へスライドする向きと同じ向きB1に取手部材50がスライドしたことを検知するものである。このような構成を採用することで、取手部材50に作用する外力を、例えば上記スイッチ62のような簡易な手段で検知することができるようになる。
また、本実施形態においては、給紙カセット40が収納位置にあるときに装置本体5に設けられた被係合部材である突起3cと係合して給紙カセット40を収納位置に固定する係合部材としての係合アーム55が、給紙カセット40に設けられている。そして、給紙カセット40が収納位置から引出位置へスライドする向きと同じ向きB1に取手部材50が給紙カセット40に対してスライドするときのスライド動作に連動して、突起3cとの係合が解除されるように係合アーム55を動作させる連動機構が設けられている。これにより、上述したように、係合アーム55と突起3cとの係合状態を解除する係合解除操作が、給紙カセット40を収納位置から引出位置へ引き出す向きと同じ向きB1に取手部材50を引っ張るというものとなる。その結果、係合解除操作時におけるユーザーが行う操作は、給紙カセット40を収納位置から引出位置へ引き出す向きB1に取手部材50を引っ張るという引出操作と同じになる。したがって、係合解除操作と引出操作との間における操作の連続性が良く、ユーザーの操作性を向上させることができる。
また、本実施形態においては、スイッチ62又は圧力センサ162が上記外力を検知した後、給紙カセット40が引出位置に到達するまでの間にその外力を検知しなくなったとき、上記制御部63,163は上記ケース駆動手段の駆動を停止させる。これにより、ユーザーが取手部材50を引っ張って給紙カセット40を装置本体5から引き出しているときに、ユーザーが取手部材50から手を離すなどすると、給紙カセット40が停止する。よって、ユーザーは取手部材50から手を離すなどのような簡単に操作で、いつでも給紙カセット40の移動を止めることができる。
また、本実施形態において、ケース駆動手段は、モータMからの駆動力により引出位置から収納位置へと給紙カセット40をスライドさせることもできる。そして、取手部材50に作用する外力を検知する検知手段として圧力センサ61,161を有し、上記制御部63,163は、給紙カセット40が引出位置から収納位置へスライドする向きと同じ向きB2の外力であって、静止した給紙カセット40を動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を、圧力センサ61,161が検知したとき、給紙カセット40が引出位置から収納位置へスライドするようにケース駆動手段の駆動を開始させる。このような構成により、取手部材50に加えたユーザーの押し込み力によって給紙カセット40が動き出す前に、ケース駆動手段の駆動が開始され、給紙カセット40が駆動されることになる。上述したように、収納位置と引出位置との間で給紙カセット40を移動させる際に必要となる最大の力は、静止状態の給紙カセット40を動かし始めるときである。したがって、本給紙カセット装置によれば、引出位置から収納位置へと給紙カセット40を移動させる際にユーザーに対して強いる最大の力を軽減することができる。
特に、本実施形態においては、取手部材50は、上述したように、静止した給紙カセット40を動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を受けることで装置本体5に対する給紙カセット40のスライド方向に平行な方向Bに給紙カセット40に対してスライド自在に構成されている。そして、圧力センサ61,161は、給紙カセット40が引出位置から収納位置へスライドする向きと同じ向きB2に取手部材50がスライドしたことを検知するものである。このような構成を採用することで、取手部材50に作用する外力を、簡易な手段で検知することができるようになる。
また、本実施形態においては、圧力センサ61,161が上記外力を検知した後、給紙カセット40が収納位置に到達するまでの間にその外力を検知しなくなったとき、上記制御部63,163は上記ケース駆動手段の駆動を停止させる。これにより、ユーザーが取手部材50を押し込んで給紙カセット40を装置本体5へ押し込んでいるときに、ユーザーが取手部材50から手を離すなどすると、給紙カセット40が停止する。よって、ユーザーは取手部材50から手を離すなどのような簡単に操作で、いつでも給紙カセット40の移動を止めることができる。
また、上記変形例においては、上記制御部163は、圧力センサ161,162が検知した外力の大きさに応じて、ケース駆動手段の駆動速度を変更する。これにより、引出操作中又は押込操作中の給紙カセット40のスライド速度を、ユーザーが取手部材50に加える力を調節することでで変更することができる。しかも、その変更の際にモータMにかかる負荷を軽減できるとともに、ユーザーの手にかかる力も軽減できる。
また、本実施形態においては、上記制御部63,163が装置本体5側に設けられている。また、圧力センサ61,161,162又はスイッチ62の検知結果を示す電気信号を制御部63,163へ伝送する伝送ラインを有しており、その伝送ライン上には、装置本体5に対する給紙カセット40のスライド方向に対して直交する方向に配向した給紙カセット40の外面(側面)に露出する被接触端子である接触ライン65と、この接触ライン65と摺動可能に当接する装置本体5に設けられた接触端子である接触ピン64とが設けられている。このような構成により、給紙カセット40が装置本体5に対してスライドしている間、給紙カセット40側の圧力センサ61,161,162又はスイッチ62の検知結果を示す電気信号を、簡易な構成で、装置本体5側の制御部63,163に伝送することができる。
また、本実施形態では、このような給紙カセット装置を、給紙カセット40が頻繁に出し入れされることの多い画像形成装置であるプリンタに適用するので、ユーザーの操作性が向上する本発明を有効利用することができる。なお、本給紙カセット装置を適用可能な画像形成装置は、上記プリンタに限らず、給紙カセット装置から搬送された記録媒体S上に画像を形成するものであればよいので、他の電子写真方式の画像形成装置や、インクジェット方式の画像形成装置などでもよい。
なお、本実施形態では、本発明に係るシート収容装置を画像形成装置の給紙カセット装置に適用した場合を例に挙げたが、このような画像形成装置に限らず、他の装置のシート収容装置として広く適用することができる。
また、本実施形態では、取手部材50が給紙カセット40に対してスライド自在に構成されているが、取手部材50が給紙カセット40に固定されている場合でも、本発明を適用することができる。
また、本実施形態では、引出操作時と押込操作時の両方で、取手部材50に加えたユーザーの力によって給紙カセット40が動き出す前にケース駆動手段の駆動が開始される場合について説明したが、いずれか一方であってもよい。
(a)は実施形態に係るプリンタの給紙カセット装置における取手部材が初期状態にあるときのモータ駆動制御機構の説明図。(b)は同取手部材が引っ張り状態にあるときのモータ駆動制御機構の説明図。(c)は同取手部材が押込状態にあるときのモータ駆動制御機構の説明図。 同プリンタの正面図。 同プリンタの内部構造の概略を示す概略構成図。 同給紙カセット装置の給紙カセットの正面図。 同給紙カセット装置の一部を示す斜視図。 同取手部材及び連動機構の構成を示す斜視図。 (a)〜(c)は、引出操作中における給紙カセットの取手部材及び連動機構の側面図。 同取手部材と給紙カセットの構成を説明するための説明図。 同給紙カセット装置における押込操作中における同取手部材及び同連動機構の側面図。 (a)は装置本体の内部における給紙カセットの一側面部分を鉛直方向上方から見たときの上面図。(b)は装置本体の内部における給紙カセットの当該一側面部分を水平方向から見たときの側面図。 (a)は変形例に係る給紙カセット装置における取手部材が初期状態にあるときのモータ駆動制御機構の説明図。(b)は同取手部材が引っ張り状態にあるときのモータ駆動制御機構の説明図。(c)は同取手部材が押込状態にあるときのモータ駆動制御機構の説明図。 同給紙カセット装置の制御部によるモータ駆動制御の概要を示すフローチャート。
符号の説明
1 プリンタ
2 プリンタエンジン
3a ガイドレール
3b 上ガイド
3c 突起
5 装置本体
40 給紙カセット
41 スライド部材
41a ラック部
41b スライド部
50 取手部材
55 係合アーム
56 スプリング
57 ピニオン
60 検知用突起
61,161,162 圧力センサ
62 スイッチ
63,163 制御部
64 接触ピン
65 接触ライン
M モータ

Claims (10)

  1. 内部にシートを収容するシートケースと、
    該シートケースに支持された取手部材と、
    駆動源からの駆動力により、該シートケースが装置本体内部に収納される収納位置から該装置本体外部に引き出される引出位置へと該シートケースをスライドさせるケース駆動手段とを有するシート収容装置において、
    上記取手部材に作用する外力を検知する検知手段と、
    上記シートケースが上記収納位置から上記引出位置へスライドする向きと同じ向きの外力であって、静止した該シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい所定の外力を、該検知手段が検知したとき、該収納位置から該引出位置に向かう向きに該シートケースをスライドさせるように上記ケース駆動手段の駆動を開始させる駆動制御手段とを有することを特徴とするシート収容装置。
  2. 請求項1のシート収容装置において、
    上記取手部材は、静止した上記シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を受けることで上記装置本体に対する該シートケースのスライド方向に平行な方向に該シートケースに対してスライド自在に構成されており、
    上記検知手段は、該シートケースが該収納位置から上記引出位置へスライドする向きと同じ向きに該取手部材がスライドしたことを検知するものであることを特徴とするシート収容装置。
  3. 請求項2のシート収容装置において、
    上記シートケースが上記収納位置にあるときに上記装置本体に設けられた被係合部材と係合して該シートケースを該収納位置に固定する係合部材を、該シートケースに設けるとともに、
    該シートケースが該収納位置から上記引出位置へスライドする向きと同じ向きに上記取手部材が該シートケースに対してスライドするときのスライド動作に連動して、上記被係合部材との係合が解除されるように、上記係合部材を動作させる連動機構を設けたことを特徴とするシート収容装置。
  4. 請求項1、2又は3のシート収容装置において、
    上記駆動制御手段は、上記検知手段が上記所定の外力を検知した後、該シートケースが該引出位置に到達するまでの間に該所定の外力を検知しなくなったとき、上記ケース駆動手段の駆動を停止させることを特徴とするシート収容装置。
  5. 内部にシートを収容するシートケースと、
    該シートケースに支持された取手部材と、
    駆動源からの駆動力により、該シートケースが装置本体外部に引き出される引出位置から該装置本体内部に収納される収納位置へと該シートケースをスライドさせるケース駆動手段とを有するシート収容装置において、
    上記取手部材に作用する外力を検知する検知手段と、
    上記シートケースが上記引出位置から上記収納位置へスライドする向きと同じ向きの外力であって、静止した該シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい所定の外力を、該検知手段が検知したとき、該引出位置から該収納位置へ向かう向きに該シートケースをスライドさせるように上記ケース駆動手段の駆動を開始させる駆動制御手段とを有することを特徴とするシート収容装置。
  6. 請求項5のシート収容装置において、
    上記取手部材は、静止した上記シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を受けることで上記装置本体に対する該シートケースのスライド方向に平行な方向に該シートケースに対してスライド自在に構成されており、
    上記検知手段は、該シートケースが該引出位置から上記収納位置へスライドする向きと同じ向きに該取手部材がスライドしたことを検知するものであることを特徴とするシート収容装置。
  7. 請求項5又は6のシート収容装置において、
    上記駆動制御手段は、上記検知手段が上記所定の外力を検知した後、該シートケースが該収納位置に到達するまでの間に該所定の外力を検知しなくなったとき、上記ケース駆動手段の駆動を停止させることを特徴とするシート収容装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7のシート収容装置において、
    上記駆動制御手段は、上記検知手段が検知した外力の大きさに応じて上記ケース駆動手段の駆動速度を変更することを特徴とするシート収容装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8のシート収容装置において、
    上記駆動制御手段は、上記装置本体側に設けられており、
    上記検知手段の検知結果を示す電気信号を上記駆動制御手段へ伝送する伝送ラインを有し、
    上記装置本体に対する上記シートケースのスライド方向に対して直交する方向に配向した該シートケースの外面に露出する被接触端子と、該被接触端子と摺動可能に当接する該装置本体に設けられた接触端子とを、該伝送ライン上に設けたことを特徴とするシート収容装置。
  10. シート収容装置から搬送されたシート上に画像を形成する画像形成装置において、
    上記シート収容装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9のシート収容装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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