JP2006290581A - シート収容装置及びこれを用いる画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 このシート収容装置は、シートケース42に支持された取手部材50に対してユーザーが引出操作を行うと、シートケースが静止状態のまま取手部材がシートケースに対してスライドする。これがスイッチ62により検知されると、シートケースを駆動するモータMの駆動が開始される。よって、シートケースが動き出す前にモータの駆動が開始され、シートケースが駆動される。
【選択図】 図1
Description
この不具合を軽減するために、上記特許文献2に記載のシート収容装置では、用紙トレイの移動速度を検出するエンコーダを設け、このエンコーダにより検出された用紙トレイの移動速度が予め決められた速度より遅くなったときは、何らかの障害物に衝突したものと判断して、用紙トレイの駆動方向を反転する。よって、このシート収容装置によれば、用紙トレイの駆動機構に無理な力が加わるのが抑制され、その駆動機構が故障する等の不具合が軽減される。
しかし、上記特許文献1、2に記載のいずれのシート収容装置も、ユーザーは、用紙トレイを引き出す際に用紙トレイとは異なる場所に位置する取り出しボタンを操作する必要がある。そのため、ユーザーは、その取り出しボタンに気を取られている間に、自動的に引き出されてきた用紙トレイがユーザー自身に衝突してしまうことがある。なお、上記特許文献2に記載のシート収容装置によれば、用紙トレイがユーザーに衝突するとすぐに用紙トレイの駆動方向が反転するが、衝突を防止できるわけではない。
また、上記特許文献3に記載の装置では、引出位置の用紙収容部材が装置本体に向けて手動で少し押し込まれると、これが第2のセンサにより検知され、駆動源が用紙収容部材を収納位置へ移動するように駆動を開始する。そして、用紙収容部材が収納位置に到達したことが第1のセンサで検知されると、駆動源が停止して、用紙収容部材が収納位置で停止する。よって、この装置によれば、ユーザーが用紙収容部材を手動で押し込んだ後は、その用紙収容部材が駆動源からの駆動力によって自動的に押し込まれるので、用紙収容部材を引出位置から収納位置までの間ずっと手動で押し込む場合に比べて、その押込操作の際にユーザーに対して強いる力が少なくなる。
なお、上記特許文献1や上記特許文献2に記載の装置でも、ユーザーに対して用紙トレイを押し込む操作を強いるため、この問題は、これらの装置でも同様に生じ得るものである。
また、第2の目的は、ユーザーがシートケースに対して押込操作を行う際に、静止しているシートケースを動かし始める時にユーザーに強いる力を軽減することができるシート収容装置及びこれを用いる画像形成装置を提供することである。
また、請求項2の発明は、請求項1のシート収容装置において、上記取手部材は、静止した上記シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を受けることで上記装置本体に対する該シートケースのスライド方向に平行な方向に該シートケースに対してスライド自在に構成されており、上記検知手段は、該シートケースが該収納位置から上記引出位置へスライドする向きと同じ向きに該取手部材がスライドしたことを検知するものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のシート収容装置において、上記シートケースが上記収納位置にあるときに上記装置本体に設けられた被係合部材と係合して該シートケースを該収納位置に固定する係合部材を、該シートケースに設けるとともに、該シートケースが該収納位置から上記引出位置へスライドする向きと同じ向きに上記取手部材が該シートケースに対してスライドするときのスライド動作に連動して、上記被係合部材との係合が解除されるように、上記係合部材を動作させる連動機構を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3のシート収容装置において、上記駆動制御手段は、上記検知手段が上記所定の外力を検知した後、該シートケースが該引出位置に到達するまでの間に該所定の外力を検知しなくなったとき、上記ケース駆動手段の駆動を停止させることを特徴とするものである。
上記第2の目的を達成するために、請求項5の発明は、内部にシートを収容するシートケースと、該シートケースに支持された取手部材と、駆動源からの駆動力により、該シートケースが装置本体外部に引き出される引出位置から該装置本体内部に収納される収納位置へと該シートケースをスライドさせるケース駆動手段とを有するシート収容装置において、上記取手部材に作用する外力を検知する検知手段と、上記シートケースが上記引出位置から上記収納位置へスライドする向きと同じ向きの外力であって、静止した該シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい所定の外力を、該検知手段が検知したとき、該引出位置から該収納位置へ向かう向きに該シートケースをスライドさせるように上記ケース駆動手段の駆動を開始させる駆動制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5のシート収容装置において、上記取手部材は、静止した上記シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を受けることで上記装置本体に対する該シートケースのスライド方向に平行な方向に該シートケースに対してスライド自在に構成されており、上記検知手段は、該シートケースが該引出位置から上記収納位置へスライドする向きと同じ向きに該取手部材がスライドしたことを検知するものであることを特徴とするものである。
上記第2の目的を達成するために、請求項7の発明は、請求項5又は6のシート収容装置において、上記駆動制御手段は、上記検知手段が上記所定の外力を検知した後、該シートケースが該収納位置に到達するまでの間に該所定の外力を検知しなくなったとき、上記ケース駆動手段の駆動を停止させることを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6又は7のシート収容装置において、上記駆動制御手段は、上記検知手段が検知した外力の大きさに応じて上記ケース駆動手段の駆動速度を変更することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8のシート収容装置において、上記駆動制御手段は、上記装置本体側に設けられており、上記検知手段の検知結果を示す電気信号を上記駆動制御手段へ伝送する伝送ラインを有し、上記装置本体に対する上記シートケースのスライド方向に対して直交する方向に配向した該シートケースの外面に露出する被接触端子と、該被接触端子と摺動可能に当接する該装置本体に設けられた接触端子とを、該伝送ライン上に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、シート収容装置から搬送されたシート上に画像を形成する画像形成装置において、上記シート収容装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9のシート収容装置を用いることを特徴とするものである。
図2は、本実施形態に係るプリンタの正面図である。図3は、このプリンタの内部構造の概略を示す概略構成図である。
本実施形態のプリンタ1は、プリンタエンジン(画像形成部)2、複数のシートケースとしての給紙カセット40、定着部4等が装置本体5内に設けられている。装置本体5の側面部には、用紙反転機構部6と手差し機構部7とが取り付けられている。また、装置本体5内には、給紙カセット40から給紙された記録媒体Sを排紙トレイ8に向けて搬送するための搬送路9が形成され、この搬送路9に沿って搬送ローラ対10、レジストローラ対11、プリンタエンジン2、定着部4等が配置されている。プリンタエンジン2は、ドラム状の感光体12、感光体12の周囲に配置された帯電器13、露光器14、現像器15、転写器16、クリーニング器17等により構成されている。
図4は、給紙カセット40の正面図である。図5は、給紙カセット装置の一部を示す斜視図である。
本実施形態における給紙カセット装置は、図2に示したように装置本体5の下部に配置されている。給紙カセット40の側面には、図5に示すように、スライド部材41が取り付けられている。なお、図5では、説明のため、スライド部材41の正面側端部を破断して示してある。このスライド部材41が装置本体5に設けられた被スライド部材としてのガイドレール3a上をスライドすることで、給紙カセット40は、装置本体5の内部に収納される収納位置と装置本体5の外部に引き出される引出位置との間で図中矢印Aの示す方向(カセットスライド方向)に略水平面に沿ってスライドすることができる。また、給紙カセット40の正面パネル42には、取手部材50が取り付けられている。この取手部材50は、詳しくは後述するが、給紙カセット40に対し、図中矢印Bの示す方向(取手スライド方向)に略水平面に沿ってスライド自在に取り付けられている。本実施形態において、カセットスライド方向Aと取手スライド方向Bは互いに一致している。
取手部材50は、連動機構を構成する固定部材51と一体的に構成されている。固定部材51は、その上面に2つの長孔51aを有し、これらの長孔51aには、給紙カセット40に固定されている図示しない固定ピンが挿入される。これにより、取手部材50は、固定ピンが長孔51aの長手方向に移動できる範囲内で、給紙カセット40に対するスライド範囲が規制される。なお、図5に示した状態は、取手部材50が給紙カセット40内へ収容された状態(初期状態)を示すものである。この初期状態から、ユーザーが取手部材50を正面方向へ引っ張ると、固定ピンが長孔51aの背面側内壁に当接するまで取手部材50が給紙カセット40に対してスライドし、取手部材50が給紙カセット40から引っ張り出された状態(引っ張り状態)となる。
図7(a)〜(c)は、係合解除操作から引出操作までの操作中における取手部材50及び連動機構の側面図である。
給紙カセット40が収納位置にあるとき、図7(a)に示すように、係合アーム55の凸部55aが上記突起3cに引っ掛かった状態となっている。このとき、取手部材50は、スプリング56の付勢力により初期状態となっている。この初期状態から、図7(b)に示すように、ユーザーが取手部材50を取手スライド方向Bに沿って図中矢印B1の向きに引っ張るという係合解除操作を行うと、スプリング56の付勢力に抗して取手部材50が矢印B1の向きにスライドする。
また、図8に示すように、取手部材50に一体構成された固定部材51における給紙カセット40との接触部分51bをリブ形状としている。また、給紙カセット40における固定部材51との接触部分44をリブ形状としている。このようなリブ形状とすることで、互いの接触面積を小さくしてスライド時における摩擦抵抗を小さくすることができる。なお、リブ形状とする変わりに、上記接触部分44,51bにコロを設けるようにしてもよい。この場合、リブ形状とする場合に比べて、部品点数や製造工程が複雑化してコストが高くなるが、スライド時における摩擦抵抗を大幅に小さくでき、ユーザーの操作性が大きく向上する。
図9は、押込操作中における取手部材50及び連動機構の側面図である。ユーザーが取手部材50を引っ張っていないときには、その取手部材50は上記スプリング56の付勢力により初期状態になっている。引き出した給紙カセット40を装置本体5の内部へ収納する場合、この初期状態の取手部材50をユーザーが押すことにより、上記固定ピンが長孔51aの正面側内壁に当接し、取手部材50は後述するように押込状態となる。そして、給紙カセット40が図中矢印B2の向きにスライドして装置本体5内へ収納される。その途中で、スプリング56の付勢力によって係合姿勢となっている係合アーム55の凸部55aは、装置本体5に設けられた突起3cの正面側壁面に接触する。突起3cの正面側壁面は、図示のように、上ガイド3bの面から突起先端に向かって背面方向に傾斜している。ユーザーの押し込みにより、凸部55aが突起3cの正面側壁面に沿って移動して、係合アーム55がスプリング56の付勢力に抗して係合解除姿勢になるまで回転する。
そして、ユーザーが取手部材50を更に押し込んで、凸部55aが突起3cの正面側壁面を乗り越えると、スプリング56の付勢力により係合アーム55は図中矢印Cの向きに回転し、凸部55aが突起3cに引っ掛かって係合姿勢となる。
図1は、取手部材50のスライド動作に連動したモータMの駆動制御機構についての説明図である。
本実施形態における給紙カセット装置は、検知手段としての圧力センサ61及びスイッチ62を備えている。これらの圧力センサ61及びスイッチ62は、駆動制御手段としての制御部63に接続されている。この制御部63は、これらの圧力センサ61及びスイッチ62の検知結果に基づいて上記モータMの駆動を制御するものであり、マイコンなどにより構成される。また、固定部材51における上記切欠部52が設けられた側面とは反対側の側面には、検知用突起60が固定されている。取手部材50がスライドすると、そのスライド動作に連動して移動する検知用突起60が、圧力センサ61やスイッチ62に接触する。
以上のように、取手部材50が初期状態にある場合、制御部63には、圧力センサ61及びスイッチ62のいずれの検知信号も入力されない。この場合、制御部63は、モータMを停止状態にするように駆動制御する。したがって、取手部材50が初期状態にあるときには、給紙カセット40はスライドせずに静止する。
本実施形態では、給紙カセット40がモータMの駆動力により正面方向へ動き出した後、引出位置に到達する前に、ユーザーが取手部材50から手を離すなどして取手部材50が初期状態になると、モータMの駆動が停止するようになっている。具体的には、引っ張り状態の取手部材50が初期状態になると、スイッチ62からの検知信号が出力されなくなる。これにより、制御部63は、上述したようにモータMを停止状態にするように駆動制御するので、モータMの駆動が停止する。この結果、ユーザーが取手部材50から手を離すなどして取手部材50が初期状態になるとすぐに、給紙カセット40の移動が停止する。
本実施形態では、給紙カセット40がモータMの駆動力により背面方向へ動き出した後、収納位置に到達する前に、ユーザーが取手部材50から手を離すなどして取手部材50が初期状態になると、モータMの駆動が停止するようになっている。具体的には、押込状態の取手部材50が初期状態になると、圧力センサ61からの検知信号が出力されなくなる。これにより、制御部63は、上述したようにモータMを停止状態にするように駆動制御するので、モータMの駆動が停止する。この結果、ユーザーが取手部材50から手を離すなどして取手部材50が初期状態になるとすぐに、給紙カセット40の移動が停止する。
図10(a)に示すように、装置本体5には、制御部63に接続された接触端子である接触ピン64が、給紙カセット40の一側面に当接するように配置されている。この接触ピン64は、給紙カセット40の側面に向けて付勢されており、接触ピン64と給紙カセット40の側面との相対距離が多少変動しても、接触ピン64と給紙カセットの側面との接触は維持される。この接触ピン64は、装置本体5に設けられた上ガイド3bの上面に配置されている。一方、この接触ピン64が当接する給紙カセット40の側面部分には、図10(b)に示すように、被接触端子としての接触ラインが露出するように設けられている。この接触ラインは、給紙カセット40に設けられた圧力センサ61及びスイッチ62に接続されている。また、この接触ラインは、給紙カセット40が収納位置と引出位置との間をスライドする間は常に上記接触ピンと接触することになる給紙カセット40の側面部分の全域にわたり、カセットスライド方向に沿って延びている。このような構成により、給紙カセット40が収納位置と引出位置との間をスライドしているときには、接触ピンと接触ラインとは常に当接した状態となる。
また、本実施形態では、ユーザーが押込操作を行ったときに取手部材50に作用する外力を検知する検知手段として圧力センサ61を用いているが、引出位置に静止した給紙カセットを手動で動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を検知できるものであれば、他の検知手段であってもよい。なお、この検知手段も、外力の大きさを検知できるものでなくてもよく、取手部材50に上記外力が作用したことを検知できるものであればよい。このような検知手段としては、例えば、上記スイッチ62と同様のメカニカルなスイッチのほか、光学センサや磁気センサ等の非接触型のセンサなども利用できる。非接触型のセンサを利用する場合には、取手部材50が引っ張り状態にあるときの検知用突起60を検知するように構成する。
次に、上記給紙カセット装置の変形例について説明する。
上記実施形態では、制御部63からの駆動開始命令を受けたモータMは、一定の駆動速度(回転速度)で駆動する。そのため、ユーザーは、引出操作中又は押込操作中の給紙カセット40のスライド速度を調節することができない。なお、上記実施形態においても、引出操作中の引出速度又は押込操作中の押込速度を速めれば、モータMの駆動力による給紙カセット40の移動速度よりも速い速度で、給紙カセット40を引き出したり押し込んだりすることは可能である。しかし、この場合、モータMに負荷がかかるため、モータMが故障するおそれがある。また、ユーザーの手には、そのモータMにかかる負荷に相当する力が加わるため、この力をユーザーが負担しなければならず、操作性が低下する。本変形例に係る給紙カセット装置によれば、このような操作性の低下を抑制しつつ、ユーザーが引出操作中又は押込操作中の給紙カセット40のスライド速度を調節することができる。なお、以下の説明において、上記実施形態と同様の構成及び動作については省略する。
本変形例に係る給紙カセット装置は、引出操作中又は押込操作中の取手部材50に作用するユーザーによる外力を検知する検知手段として、両方とも圧力センサ161,162を用いている。これらの圧力センサ161,162は、公知のものを広く利用でき、検知用突起60の接触圧に応じた検知信号を駆動制御手段としての制御部163へ出力する。制御部163は、上記実施形態と同様に、これらの圧力センサ161,162の検知結果に基づいて上記モータMの駆動を制御するものである点では同様であるが、圧力センサ161,162からの検知信号に応じてモータMの回転速度を制御する点で、上記実施形態のものとは異なっている。すなわち、本変形例では、圧力センサ161,162が検知した圧力の大きさによって、制御部163はモータMの回転速度を制御する。
ユーザーが取手部材50に対して外力を及ぼしていないとき、取手部材50は、上記実施形態と同様に、図11(a)に示す初期状態が維持される。このように取手部材50が初期状態にあるとき、押込圧力センサ161には、上記スプリング56により付勢された固定部材51の検知用突起60の接触圧(押込接触圧)が加わるが、このときの押込接触圧は上述したように非常に弱い。本変形例では、この弱い押込接触圧に応じた検知信号も、押込圧力センサ161から制御部163へ出力される。制御部163は、第1基準値(上記弱い押込接触圧よりも大きい値)以下の押込接触圧に応じた検知信号を受信しているときには、モータMを停止状態にするように駆動制御する(S9)。したがって、取手部材50が初期状態にあるときには、給紙カセット40はスライドせずに静止する。
高速モードに移行した後、ユーザーが取手部材50を引っ張る力を緩めて、引出圧力センサ162が検知する引出接触圧が第2基準値よりも小さくかつ第1基準値以上となると、制御部163は、再びモータMに対して正回転の規定モードで駆動する駆動命令を出力する。よって、給紙カセット40のスライド移動速度は上記所定の速度に戻る。
また、ユーザーが取手部材50を引っ張る力を更に緩めて又は取手部材50から手を離して、引出圧力センサ162が検知する引出接触圧が第1基準値よりも小さくなると、制御部163は、モータMを停止させる(S9)。よって、給紙カセット40のスライド移動が停止する。
高速モードに移行した後、ユーザーが取手部材50を押し込む力を緩めて、押込圧力センサ161が検知する押込接触圧が第2基準値よりも小さくかつ第1基準値以上となると、制御部163は、再びモータMに対して逆回転の規定モードで駆動する駆動命令を出力する。よって、給紙カセット40のスライド移動速度は上記所定の速度に戻る。
また、ユーザーが取手部材50を押し込む力を更に緩めて又は取手部材50から手を離して、押込圧力センサ161が検知する押込接触圧が第1基準値よりも小さくなると、制御部163は、モータMを停止させる(S9)。よって、給紙カセット40のスライド移動が停止する。
なお、本変形例では、規定モードと高速モードの2段階で給紙カセット40のスライド速度を変更する場合について説明したが、3段階以上であってもよい。このスライド速度の変更段数が多いほど、モータMにかかる負荷及びユーザーの手にかかる力を軽減しつつ給紙カセット40のスライド速度を微調整することができる。
また、本変形例では、圧力センサ161,162の検知結果に応じて制御部163がモータMを規定モードと高速モードのいずれかで駆動させる場合について説明したが、これに限られない。例えば、モータM自身が自己に加わる負荷を一定範囲内に維持するように自己の回転数を調整するようなものであれば、上記実施形態のように制御部が駆動開始及び駆動停止のみを制御するような構成であっても、本変形例と同様の効果を得ることができる。この場合、駆動制御手段の一部は、モータMに設けられることになる。特に、このようにモータMに加わる負荷が一定範囲内に維持される構成とすれば、取手部材50に対して加える力をユーザーが調節することで、引出操作中又は押込操作中の給紙カセット40のスライド速度を調整することができ、その際にユーザーの手に加わる力もおよそ上記一定範囲内に維持される。したがって、上記一定範囲を比較的小さい負荷の範囲に設定すれば、ユーザーは軽い力で給紙カセット40のスライド速度を調整することができる。
特に、本実施形態においては、取手部材50は、静止した給紙カセット40を動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を受けることで装置本体5に対する給紙カセット40のスライド方向に平行な方向Bに給紙カセット40に対してスライド自在に構成されている。そして、スイッチ62又は圧力センサ162は、給紙カセット40が収納位置から引出位置へスライドする向きと同じ向きB1に取手部材50がスライドしたことを検知するものである。このような構成を採用することで、取手部材50に作用する外力を、例えば上記スイッチ62のような簡易な手段で検知することができるようになる。
また、本実施形態においては、給紙カセット40が収納位置にあるときに装置本体5に設けられた被係合部材である突起3cと係合して給紙カセット40を収納位置に固定する係合部材としての係合アーム55が、給紙カセット40に設けられている。そして、給紙カセット40が収納位置から引出位置へスライドする向きと同じ向きB1に取手部材50が給紙カセット40に対してスライドするときのスライド動作に連動して、突起3cとの係合が解除されるように係合アーム55を動作させる連動機構が設けられている。これにより、上述したように、係合アーム55と突起3cとの係合状態を解除する係合解除操作が、給紙カセット40を収納位置から引出位置へ引き出す向きと同じ向きB1に取手部材50を引っ張るというものとなる。その結果、係合解除操作時におけるユーザーが行う操作は、給紙カセット40を収納位置から引出位置へ引き出す向きB1に取手部材50を引っ張るという引出操作と同じになる。したがって、係合解除操作と引出操作との間における操作の連続性が良く、ユーザーの操作性を向上させることができる。
また、本実施形態においては、スイッチ62又は圧力センサ162が上記外力を検知した後、給紙カセット40が引出位置に到達するまでの間にその外力を検知しなくなったとき、上記制御部63,163は上記ケース駆動手段の駆動を停止させる。これにより、ユーザーが取手部材50を引っ張って給紙カセット40を装置本体5から引き出しているときに、ユーザーが取手部材50から手を離すなどすると、給紙カセット40が停止する。よって、ユーザーは取手部材50から手を離すなどのような簡単に操作で、いつでも給紙カセット40の移動を止めることができる。
また、本実施形態において、ケース駆動手段は、モータMからの駆動力により引出位置から収納位置へと給紙カセット40をスライドさせることもできる。そして、取手部材50に作用する外力を検知する検知手段として圧力センサ61,161を有し、上記制御部63,163は、給紙カセット40が引出位置から収納位置へスライドする向きと同じ向きB2の外力であって、静止した給紙カセット40を動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を、圧力センサ61,161が検知したとき、給紙カセット40が引出位置から収納位置へスライドするようにケース駆動手段の駆動を開始させる。このような構成により、取手部材50に加えたユーザーの押し込み力によって給紙カセット40が動き出す前に、ケース駆動手段の駆動が開始され、給紙カセット40が駆動されることになる。上述したように、収納位置と引出位置との間で給紙カセット40を移動させる際に必要となる最大の力は、静止状態の給紙カセット40を動かし始めるときである。したがって、本給紙カセット装置によれば、引出位置から収納位置へと給紙カセット40を移動させる際にユーザーに対して強いる最大の力を軽減することができる。
特に、本実施形態においては、取手部材50は、上述したように、静止した給紙カセット40を動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を受けることで装置本体5に対する給紙カセット40のスライド方向に平行な方向Bに給紙カセット40に対してスライド自在に構成されている。そして、圧力センサ61,161は、給紙カセット40が引出位置から収納位置へスライドする向きと同じ向きB2に取手部材50がスライドしたことを検知するものである。このような構成を採用することで、取手部材50に作用する外力を、簡易な手段で検知することができるようになる。
また、本実施形態においては、圧力センサ61,161が上記外力を検知した後、給紙カセット40が収納位置に到達するまでの間にその外力を検知しなくなったとき、上記制御部63,163は上記ケース駆動手段の駆動を停止させる。これにより、ユーザーが取手部材50を押し込んで給紙カセット40を装置本体5へ押し込んでいるときに、ユーザーが取手部材50から手を離すなどすると、給紙カセット40が停止する。よって、ユーザーは取手部材50から手を離すなどのような簡単に操作で、いつでも給紙カセット40の移動を止めることができる。
また、上記変形例においては、上記制御部163は、圧力センサ161,162が検知した外力の大きさに応じて、ケース駆動手段の駆動速度を変更する。これにより、引出操作中又は押込操作中の給紙カセット40のスライド速度を、ユーザーが取手部材50に加える力を調節することでで変更することができる。しかも、その変更の際にモータMにかかる負荷を軽減できるとともに、ユーザーの手にかかる力も軽減できる。
また、本実施形態においては、上記制御部63,163が装置本体5側に設けられている。また、圧力センサ61,161,162又はスイッチ62の検知結果を示す電気信号を制御部63,163へ伝送する伝送ラインを有しており、その伝送ライン上には、装置本体5に対する給紙カセット40のスライド方向に対して直交する方向に配向した給紙カセット40の外面(側面)に露出する被接触端子である接触ライン65と、この接触ライン65と摺動可能に当接する装置本体5に設けられた接触端子である接触ピン64とが設けられている。このような構成により、給紙カセット40が装置本体5に対してスライドしている間、給紙カセット40側の圧力センサ61,161,162又はスイッチ62の検知結果を示す電気信号を、簡易な構成で、装置本体5側の制御部63,163に伝送することができる。
また、本実施形態では、このような給紙カセット装置を、給紙カセット40が頻繁に出し入れされることの多い画像形成装置であるプリンタに適用するので、ユーザーの操作性が向上する本発明を有効利用することができる。なお、本給紙カセット装置を適用可能な画像形成装置は、上記プリンタに限らず、給紙カセット装置から搬送された記録媒体S上に画像を形成するものであればよいので、他の電子写真方式の画像形成装置や、インクジェット方式の画像形成装置などでもよい。
また、本実施形態では、取手部材50が給紙カセット40に対してスライド自在に構成されているが、取手部材50が給紙カセット40に固定されている場合でも、本発明を適用することができる。
また、本実施形態では、引出操作時と押込操作時の両方で、取手部材50に加えたユーザーの力によって給紙カセット40が動き出す前にケース駆動手段の駆動が開始される場合について説明したが、いずれか一方であってもよい。
2 プリンタエンジン
3a ガイドレール
3b 上ガイド
3c 突起
5 装置本体
40 給紙カセット
41 スライド部材
41a ラック部
41b スライド部
50 取手部材
55 係合アーム
56 スプリング
57 ピニオン
60 検知用突起
61,161,162 圧力センサ
62 スイッチ
63,163 制御部
64 接触ピン
65 接触ライン
M モータ
Claims (10)
- 内部にシートを収容するシートケースと、
該シートケースに支持された取手部材と、
駆動源からの駆動力により、該シートケースが装置本体内部に収納される収納位置から該装置本体外部に引き出される引出位置へと該シートケースをスライドさせるケース駆動手段とを有するシート収容装置において、
上記取手部材に作用する外力を検知する検知手段と、
上記シートケースが上記収納位置から上記引出位置へスライドする向きと同じ向きの外力であって、静止した該シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい所定の外力を、該検知手段が検知したとき、該収納位置から該引出位置に向かう向きに該シートケースをスライドさせるように上記ケース駆動手段の駆動を開始させる駆動制御手段とを有することを特徴とするシート収容装置。 - 請求項1のシート収容装置において、
上記取手部材は、静止した上記シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を受けることで上記装置本体に対する該シートケースのスライド方向に平行な方向に該シートケースに対してスライド自在に構成されており、
上記検知手段は、該シートケースが該収納位置から上記引出位置へスライドする向きと同じ向きに該取手部材がスライドしたことを検知するものであることを特徴とするシート収容装置。 - 請求項2のシート収容装置において、
上記シートケースが上記収納位置にあるときに上記装置本体に設けられた被係合部材と係合して該シートケースを該収納位置に固定する係合部材を、該シートケースに設けるとともに、
該シートケースが該収納位置から上記引出位置へスライドする向きと同じ向きに上記取手部材が該シートケースに対してスライドするときのスライド動作に連動して、上記被係合部材との係合が解除されるように、上記係合部材を動作させる連動機構を設けたことを特徴とするシート収容装置。 - 請求項1、2又は3のシート収容装置において、
上記駆動制御手段は、上記検知手段が上記所定の外力を検知した後、該シートケースが該引出位置に到達するまでの間に該所定の外力を検知しなくなったとき、上記ケース駆動手段の駆動を停止させることを特徴とするシート収容装置。 - 内部にシートを収容するシートケースと、
該シートケースに支持された取手部材と、
駆動源からの駆動力により、該シートケースが装置本体外部に引き出される引出位置から該装置本体内部に収納される収納位置へと該シートケースをスライドさせるケース駆動手段とを有するシート収容装置において、
上記取手部材に作用する外力を検知する検知手段と、
上記シートケースが上記引出位置から上記収納位置へスライドする向きと同じ向きの外力であって、静止した該シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい所定の外力を、該検知手段が検知したとき、該引出位置から該収納位置へ向かう向きに該シートケースをスライドさせるように上記ケース駆動手段の駆動を開始させる駆動制御手段とを有することを特徴とするシート収容装置。 - 請求項5のシート収容装置において、
上記取手部材は、静止した上記シートケースを動かし始めるのに要する力よりも小さい外力を受けることで上記装置本体に対する該シートケースのスライド方向に平行な方向に該シートケースに対してスライド自在に構成されており、
上記検知手段は、該シートケースが該引出位置から上記収納位置へスライドする向きと同じ向きに該取手部材がスライドしたことを検知するものであることを特徴とするシート収容装置。 - 請求項5又は6のシート収容装置において、
上記駆動制御手段は、上記検知手段が上記所定の外力を検知した後、該シートケースが該収納位置に到達するまでの間に該所定の外力を検知しなくなったとき、上記ケース駆動手段の駆動を停止させることを特徴とするシート収容装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6又は7のシート収容装置において、
上記駆動制御手段は、上記検知手段が検知した外力の大きさに応じて上記ケース駆動手段の駆動速度を変更することを特徴とするシート収容装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8のシート収容装置において、
上記駆動制御手段は、上記装置本体側に設けられており、
上記検知手段の検知結果を示す電気信号を上記駆動制御手段へ伝送する伝送ラインを有し、
上記装置本体に対する上記シートケースのスライド方向に対して直交する方向に配向した該シートケースの外面に露出する被接触端子と、該被接触端子と摺動可能に当接する該装置本体に設けられた接触端子とを、該伝送ライン上に設けたことを特徴とするシート収容装置。 - シート収容装置から搬送されたシート上に画像を形成する画像形成装置において、
上記シート収容装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9のシート収容装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005115653A JP2006290581A (ja) | 2005-04-13 | 2005-04-13 | シート収容装置及びこれを用いる画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005115653A JP2006290581A (ja) | 2005-04-13 | 2005-04-13 | シート収容装置及びこれを用いる画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006290581A true JP2006290581A (ja) | 2006-10-26 |
Family
ID=37411573
Family Applications (1)
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JP2005115653A Pending JP2006290581A (ja) | 2005-04-13 | 2005-04-13 | シート収容装置及びこれを用いる画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006290581A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008127110A (ja) * | 2006-11-16 | 2008-06-05 | Ricoh Co Ltd | ユニット位置決め装置および画像形成装置 |
JP2012103359A (ja) * | 2010-11-08 | 2012-05-31 | Kyocera Mita Corp | 交換ユニットのロック機構及びそれを備えた交換ユニット並びに画像形成装置 |
CN108263878A (zh) * | 2016-12-30 | 2018-07-10 | 虹光精密工业股份有限公司 | 纸盘抽屉及应用该纸盘抽屉的多功能事务机 |
-
2005
- 2005-04-13 JP JP2005115653A patent/JP2006290581A/ja active Pending
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CN108263878A (zh) * | 2016-12-30 | 2018-07-10 | 虹光精密工业股份有限公司 | 纸盘抽屉及应用该纸盘抽屉的多功能事务机 |
CN108263878B (zh) * | 2016-12-30 | 2020-09-25 | 虹光精密工业股份有限公司 | 纸盘抽屉及应用该纸盘抽屉的多功能事务机 |
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