JP2006290013A - 車両のシート配設構造 - Google Patents

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公志 岩坂
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Abstract

【課題】 フロアパネルに段上げされたキックアップ部を、第1キックアップ部と、この第1キックアップ部よりも高い第2キックアップ部とから構成し、第1キックアップ部上に第1シートを、第2キックアップ部上に小型の第2シートをそれぞれ配設することにより、低全高のコンパクトなボディにおいて各乗員の居住性と多人数乗車とを両立した車両のシート配設構造の提供を目的とする。
【解決手段】 車室のフロアパネル2上に車幅方向に並設して複数の乗員用シートを配設した車両のシート配設構造であって、フロアパネル2には上方へ段上げされたキックアップ部3が設けられ、キックアップ部3は第1キックアップ部4と、第1キックアップ部4と車幅方向で並設されると共に、より高い第2キックアップ部5とから成り、第1キックアップ部4上に第1シート60を配設し、第2キックアップ部5上に第1シート60より小型の第2シート64を配設したことを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

この発明は、車室のフロアパネル上に車幅方向に並設して複数の乗員用シートが配設されたような車両のシート配設構造に関する。
従来、上述例の車両のシート配設構造としては、図15、図16、図17に示す構造のものがある。
すなわち、フロアパネル100の前部に運転席シート101と助手席シート102とを左右に並設する一方、フロアパネル100には上方へ段上げされたキックアップ部103を設け、このキックアップ部103上に左右のリヤシート104,105を並設し、さらに、上述のキックアップ部103の車幅方向中間部において、その車外下方には車両補機としての燃料タンク106を配設した大人4人乗車タイプのシート配設構造である。
一方、特許文献1には、フロアパネルに対して湾曲部と、該湾曲部をそのまま上方に延長させた延長部とを備えて成るキックアップ部を段上げ形成し、このキックアップ部上にリヤシートを配設する一方、キックアップ部の車外下方には、その上面が湾曲部および延長部に沿う形状の燃料タンクを配設したものが開示されている。
また、特許文献2には、フロアパネルに段部を介してキックアップフロア部を連設し、このキックアップフロア部にリヤキックアップ部を介してリヤフロアを連設すると共に、キックアップフロア部およびリヤキックアップ部上にリヤシートを配設し、上述の段部、キックアップフロア部、リヤキックアップ部およびフロアの車外下方には、これら各要素の連設形状に沿う構造の燃料タンクを配設したものが開示されている。
しかし、上述の各特許文献1、2には、車幅方向においてキックアップ部の大きさ、並びにリヤシートの大きさを異ならせるという技術思想は何等開示されていない。
ところで、低全高のコンパクトな車両を構成する場合、居住性を確保しつつ、多人数が乗車できると共に、車両補機のレイアウトを達成することが要請される。
特開平6−211169号公報 特開平5−627号公報
そこで、この発明は、フロアパネルに段上げされたキックアップ部を、第1キックアップ部と、この第1キックアップ部よりも高さ方向で高い第2キックアップ部とから構成し、第1キックアップ部上に第1シートを、第2キックアップ部上に小型の第2シートをそれぞれ配設することにより、低全高のコンパクトなボディにおいて各乗員の居住性と多人数乗車との両立を図ることができる車両のシート配設構造の提供を目的とする。
この発明による車両のシート配設構造は、車室のフロアパネル上に車幅方向に並設して複数の乗員用シートを配設した車両のシート配設構造であって、上記フロアパネルには上方へ段上げされたキックアップ部が設けられ、該キックアップ部は第1キックアップ部と、該第1キックアップ部と車幅方向で並設されると共に、高さ方向でより高い第2キックアップ部とから成り、上記第1キックアップ部上に第1シートを配設し、上記第2キックアップ部上には第1シートより小型の第2シートを配設したものである。
上述の第1シートおよび第2シートはリヤシートに設定されるが、小型の第2シートはチャイルドシートに設定してもよい。
上記構成によれば、車幅方向において高さが異なる第1キックアップ部と第2キックアップ部とを設け、第2キックアップ部より高さ方向で低い第1キックアップ部上には第1シートを配設し、第1キックアップ部よりも高さ方向で高い第2キックアップ部には小型の第2シートを配設したので、低全高のコンパクトなボディにおいて各乗員の居住性と多人数乗員との両立を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記第2シートは子供専用シートに設定されたものである。
上記構成によれば、高さ方向で高い第2キックアップ部上には第1シートよりも小型の子供専用シート(いわゆるチャイルドシート)を配設するので、適切な空間に安全性を確保した子供専用シートを確実に配設することができる。
この発明の一実施態様においては、上記第1シートと第2シートとの前方には前列シートがそれぞれ配設されたものである。
上記構成によれば、リヤ側の第1シートおよび第2シートと、前列シートとで、多人数乗車を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記前列シートは車幅方向に並設された運転席シートと助手席シートとから成り、上記第1シートの前方に助手席シートが配設され、上記第2シートの前方に運転席シートが配設されたものである。
上記構成によれば、第1シートの前方に助手席シートを配設し、小型の第2シートの前方に運転席シートを配設したので、各シートの前後スペースをバランスよく保持することができ、これら各シートに着座する乗員各位の居住性を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記前列シートは車幅方向に並設された運転席シートと助手席シートから成り、運転席シートにより助手席シートが車両前方にオフセットして配設されたものである。
上記構成によれば、その前方にステアリングホイールが存在しない助手席シートを運転席シートに対して車両前方にオフセットさせたので、リヤ側第1シートの後席乗員の足元スペースを確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記第1キックアップ部はフロアパネルから立上がる前面壁部と、該前面壁部から後方に延びるキックアップフロア部とを有し、上記キックアップフロア部を凹状に形成したものである。
上記構成によれば、凹状のキックアップフロア部に第1シートのシートクッションを沿設することが可能となり、リヤ側第1シートの後席乗員の上下方向スペースの拡大を図って、限られたスペース内で当該乗員の居住性向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記第2キックアップ部の車外下方には車両補機が配設されたものである。
上記構成によれば、第1キックアップ部に対して高さが高い第2キックアップ部の車外下方に車両補機を配設するので、大型の補機を配設することができ、低全高のコンパクトな車両において居住性を確保しつつ、多人数乗車と補機レイアウトとの両立を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記車両補機は燃料タンクに設定されたものである。
上記構成によれば、高さが高い第2キックアップ部の車外下方に燃料タンクを配設するので、低全高のコンパクトな車両において居住性を確保しつつ、多人数乗車とタンク容量の確保との両立を図ることができる。
この発明によれば、フロアパネルに段上げされたキックアップ部を、第1キックアップ部と、この第1キックアップ部よりも高さ方向で高い第2キックアップ部とから構成し、第1キックアップ部上に第1シートを、第2キックアップ部上に小型の第2シートをそれぞれ配設したので、低全高のコンパクトなボディにおいて各乗員の居住性と多人数乗車との両立を図ることができる効果がある。
低全高のコンパクトなボディにおいて乗員の居住性と多人数乗車との両立を図るという目的を、車室のフロアパネル上に車幅方向に並設して複数の乗員用シートが配設されたものにおいて、フロアパネルに上方へ段上げされたキックアップ部を設け、キックアップ部は第1キックアップ部と、この第1キックアップ部と車幅方向で並設され、かつ高さ方向でより高い第2キックアップ部とから成り、第1キックアップ部上に第1シートを配設し、第2キックアップ部上に第1シートよりも小型の第2シートを配設するという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両のシート配設構造を示すが、まず、図1〜図4を参照して車体構造について説明する。
エンジンルームと車室とを前後方向に仕切るダッシュロアパネル(ダッシュパネル)1を設け、ダッシュロアパネル1の下端後部には、後方に向けてほぼ水平に延びるフロアパネル2を連設し、このフロアパネル2で車室床面を構成している。
上述のフロアパネル2の後部には上方へ段上げされたキックアップ部3を設けるが、このキックアップ部3は助手席側(車両の右側参照)の第1キックアップ部4と、この第1キックアップ部4と車幅方向で並設された運転席側(車両の左側参照)の第2キックアップ部5とを備えている。
しかも、第2キックアップ部5は第1キックアップ部4よりも高さ方向でより一層高く形成されている。
ここで、上述の第1キックアップ部4は、フロアパネル2から立上がる前面壁部4aと、この前面壁部4aから後方に延びるキックアップフロア部4bとを有するが、このキックアップフロア部4bの中間は下方に窪む凹状に形成されている。
また、上述の第2キックアップ部5は、フロアパネル2から立上がる前面壁部5aと、この前面壁部5aから後方に向けて略水平に延びるキックアップフロア部5bとを有し、第2キックアップ部5の前面壁部5aの立上り量は第1キックアップ部4の前面壁部4aの立上り量よりも大きく設定されている。
上述のキックアップ部3における各キックアップフロア部4b,5bのさらに後方には、キックアップ量が小さいリヤキックアップ部6を介してリヤフロア7を連設している。
一方、フロアパネル2の中央部には車室内方へ突出して、車両の前後方向に延びるトンネル部8を形成している。このトンネル部8はダッシュロアパネル1とキックアップ部3との間において車両の前後方向に延びるように形成されると共に、このトンネル部8の上部には該トンネル部8との間に2つの閉断面9,9(図5参照)を形成するトンネルメンバ10(いわゆるハイマウントバックボーンフレーム)を接合している。
上述のトンネルメンバ10はトンネル部8の上部に沿って、ダッシュロアパネル1とリヤキックアップ部6との間において車両の前後方向に延びる車体剛性部材(強度部材)であり、このトンネルメンバ10によりフロア剛性および車体剛性の向上を図っている。
また、フロアパネル2の車幅方向両端部には車両の前後方向に延びるサイドシルを接合している。
このサイドシルは、サイドシルアウタとサイドシルインナ11とサイドシルレインフォースメントとを接合して、車両の前後方向に延びるサイドシル閉断面をもった車体剛性部材である。
図1、図3、図4に示すように、フロアパネル2の前後方向中間部には、トンネル部8とサイドシルインナ11とを連結して車幅方向に延びるクロスメンバ12(No.2クロスメンバ)を設け、このクロスメンバ12とフロアパネル2の上面との間には閉断面13を形成している。
図2、図3、図4に示すように、キックアップ部3の前面壁部4a,5aにおける背面下部には車幅方向に延びる前部クロスメンバとしてのクロスメンバロア14(No.3クロスメンバロア)を接合し、このクロスメンバロア14と前面壁部4a,5aとの間には車幅方向に延びる閉断面15を形成している。
図2、図3に示すように、第2キックアップ部5における前面壁部5aとキックアップフロア部5bの角部の下部には、車幅方向に延びる中間クロスメンバとしてのクロスメンバアッパ16(No.3クロスメンバアッパ)を接合し、このクロスメンバアッパ16と各部5a,5bのコーナ部との間には車幅方向に延びる閉断面17を形成している。
このクロスメンバアッパ16は運転席側と対応する第2キックアップ部5側にのみ存在し、助手席側と対応する第1キックアップ部4側には存在しない。
図2、図3、図4に示すように、キックアップ部3における各キックアップフロア部4b,5b直後のリヤキックアップ部6下面には、車幅方向に延びる後部クロスメンバとしてのクロスメンバ18(No.4クロスメンバ)を接合し、このクロスメンバ18とリヤキックアップ部6下面との間には、車幅方向に延びる閉断面19を形成している。
一方、図1、図2に示すように、フロアパネル2の下面において、サイドシルインナ11とトンネル部8との間の中間部を、車両の前後方向に延びるフロアフレーム20を設け、このフロアフレーム20とフロアパネル2の下面との間には、同方向に延びる閉断面21を形成している。
このフロアフレーム20はフロアパネル2に接合された車体剛性部材である。
また、キックアップフロア部4b,5bおよびリヤフロア7の側部下面には、リヤサイドフレーム22を設けるが、図2のA−A線矢視断面図を図5に示すように、上述のキックアップフロア部4b,5bおよびリヤフロア7の左右の側端部には、リヤサイドインナパネル23,23が接合されており、同図に示すように助手席と対応する車両右側にあっては、リヤサイドインナパネル23とキックアップフロア部4bとの間に、リヤサイドフレームロア24を接合している。
また図5に示すように、運転席と対応する車両左側にあっては、キックアップフロア部5bとリヤサイドインナパネル23との間に、リヤフロアフレーム25を接合して、車両の前後方向に延びる閉断面26を形成すると共に、このリヤフロアフレーム25とリヤサイドインナパネル23との間には、リヤサイドフレームアッパ27およびリヤサイドフレームロア28を接合して、車両の前後方向に延びる閉断面29を形成している。
ところで、図2に示すように、トンネル部8の車外側下部空間内には、トランスミッション30を配設し、このトランスミッション30の出力をプロペラシャフト31を介してリヤディファレンシャル装置32に伝達し、リヤディファレンシャル装置32の差動出力を左右の後輪ドライブシャフト33,33を介して、左右の後輪34,34に伝達すべく構成している。なお、左右の各後輪34,34はリヤサスペンション装置35,35により左右独立して懸架されている。
また、上述のトランスミッション30のミッションケースと、リヤディファレンシャル装置32のデフケースとの間には、断面略Z字状で、車両の前後方向に延びるパワープラントフレーム36を設けている。
このパワープラントフレーム36(いわゆるPPF)はエンジン駆動系からのロール方向の動きを許容しつつ、リヤディファレンシャル装置32のワインドアップ振動を抑制するためのものである。
さらに、図2に示すように、エンジンの排気系には、フロントエキゾーストパイプ37、キャタリスト38、ミドルエキゾーストパイプ39、プリサイレンサ40、リヤエキゾーストパイプ41、メインサイレンサ42、テールパイプ43,43から成る排気通路44を接続し、この排気通路44をブラケット45を介してボディ側に支持すると共に、フロントエキゾーストパイプ37、キャタリスト38、ミドルエキゾーストパイプ39は、トンネル部8の車外側下部空間内に位置させ、ミドルエキゾーストパイプ39の一部およびプリサイレンサ40は、図5に示す如く、上述の第2キックアップ部5の車外側の下方空間46に配設している。
加えて、上述の第2キックアップ部5の車外側の下方空間46には、大型の車両補機として、フュエルポンプ47を備えた燃料タンク48を配設している。
ここで、図5に示すように、上述の燃料タンク48における各要素31,36,40と対応する部分には、凹部48aが形成されており、下方空間46における上記凹部48aと対応する部分にはパワープラントフレーム36、プロペラシャフト31、プリサイレンサ40を配設している。
また、上述の燃料タンク48は図3に示すように、クロスメンバロア14とクロスメンバ18との間にボルト、ナット等の締結部材49を用いて取付けられるタンクバンド50を用いて車体側に支持されるものである。
なお、図3、図4において、51はインストルメントパネル、52はメータフード、53はステアリングホイールであり、図5において54はトンネルメンバ10上部に設けられたセンタコンソールである。
次に図3、図4、図6を参照して、シート配設構造について説明する。
前述の第1キックアップ部4のキックアップフロア部4b上には第1シートとしてのリヤシート60を配設している。このリヤシート60はシートクッション61と、シートバック62と、ヘッドレスト63とを有し、上述のシートクッション61は、図4に示すように、キックアップフロア部4b中間の凹状部に沿うように配置されている。
また、第2キックアップ部5のキックアップフロア部5b上には第1シート(リヤシート60参照)より小型の第2シートとしての子供専用シート64(以下、単にチャイルドシートと略記する)を配設している。このチャイルドシート64はシートクッション65と、シートバック66とを備えている。
上述のリヤシート60、チャイルドシート64の前方には前列シートがそれぞれ配設されるが、第1シートとしてのリヤシート60の前方にはパッセンジャーズシート67が配設され、第2シートとしてのチャイルドシート64の前方にはドライバーズシート68が配設されていて、これらの前列シートは車幅方向に並設されている。
ここで、パッセンジャーズシート67は、シートクッション69と、シートバク70と、ヘッドレスト71とを有し、同様にドライバーズシート68も、シートクッション72と、シートバック73と、ヘッドレスト74とを有する。
また、パッセンジャーズシート67は、図6に示すように、ドライバーズシート68に対して車両前方にオフセットして配設され、このオフセット構造により、リヤシート60に着座する後席乗員の足元スペースを確保すべく構成している。
図7はシート配設構造を示す概略平面図、図8は車両左側の運転席側のシート配設構造を示す概略側面図、図9は車両右側の助手席側のシート配設構造を示す概略側面図であって、第1キックアップ部4上に図9に示す如くリヤシート60を配設し、第2キックアップ部5上に示す如くチャイルドシート64を配設し、これら各シート60,64の前方においてフロントシートを配置する際、チャイルドシート64の前方にドライバーズシート68を、またリヤシート60の前方にパッセンジャーズシート67を配設し、このパッセンジャーズシート67を車両前方にオフセットさせることにより、ドライバD、パッセンジャP、後席乗員(大人)R、後席乗員(子供)Cの大人3人および子供1人の居住性を確保しつつ、これら各乗員D,P,R,Cの多人数乗車を達成すべく構成したものである。
また、図7、図8で示すように、第1キックアップ部4よりもその高さが高い第2キックアップ部5の車外側下部空間46には大型の車両補機としての燃料タンク48を配設し、この燃料タンク48の充分な容量確保を図るように構成している。
特に、図7、図8、図9は従来構造を示した図15、図16、図17との対比用の図面である。
図10、図11はキックアップフロア部5b、リヤキックアップ部6、リヤフロア7を省略した状態でチャイルドシート64の取付け構造を示す斜視図であって、チャイルドシート64の背面部には金具としてのテザーアンカ75と複数のロアアンカ76,77を設ける一方、車体後部において車幅方向に延びる閉断面構造のデッキメンバ78には、テザーアンカ取付け部79を形成し、クロスメンバ18(No.4クロスメンバ)には複数のロアアンカ取付け部80,81を形成して、図10に示す分解状態から図11に示すようにテザーアンカ75を取付け部79に取付け、複数のロアアンカ76,77を対応する複数の取付け部80,81に取付けて、チャイルドシート64をボディ側に固定すべく構成している。
図3で示した燃料タンク48の前側形状は、該燃料タンク48がクロスメンバロア14およびクロスメンバアッパ16と干渉しないように前低後高状に傾斜するスラント形状と成したが、図12に示すように、クロスメンバロア14とクロスメンバアッパ16との間の空間部82内に燃料タンク48の前側突部48bが臨設するタンク形状と成して、燃料タンク48の容量拡大を図ってもよい。
また図13に示すように、クロスメンバロア14(No.3クロスメンバロア)を第2キックアップ部5の最下端背面に接合し、燃料タンク48の前側形状が、各クロスメンバロア14およびクロスメンバアッパ16と、これら両クロスメンバ14,16間の空間部82とにほぼ沿うような形状と成して、燃料タンク48の容量をさらに拡大設定してもよい。
さらに、図14で示すように、第2キックアップ部5角部のクロスメンバアッパ16(No.3クロスメンバアッパ)を廃止し、チャイルドシート64のシートクッション65の前部下面に補強メンバを兼ねるチャイルドシートフレーム83を設け、車幅方向に延び、かつ閉断面構造のチャイルドシートフレーム83をトンネルメンバ10とリヤサイドフレーム22との間に取付けて、このチャイルドシートフレーム83を第2キックアップ部5におけるキックアップフロア部5b上面に固定して、チャイルドシート64の取付け剛性の向上と、燃料タンク48のさらなる容量拡大との両立を図るように構成してもよい。なお、図12、図13、図14において、前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
このように、上記実施例の車両のシート配設構造は、車室のフロアパネル2上に車幅方向に並設して複数の乗員用シートを配設した車両のシート配設構造であって、上記フロアパネル2には上方へ段上げされたキックアップ部3が設けられ、該キックアップ部3は第1キックアップ部4と、該第1キックアップ部4と車幅方向で並設されると共に、高さ方向でより高い第2キックアップ部5とから成り、上記第1キックアップ部4上に第1シート(リヤシート60参照)を配設し、上記第2キックアップ部5上には第1シートより小型の第2シート(チャイルドシート64参照)を配設したものである。
この構成によれば、車幅方向において高さが異なる第1キックアップ部4と第2キックアップ部5とを設け、第2キックアップ部5より高さ方向で低い第1キックアップ部4上には第1シート(リヤシート60)を配設し、第1キックアップ部4よりも高さ方向で高い第2キックアップ部5には小型の第2シート(チャイルドシート64)を配設したので、低全高のコンパクトなボディにおいて各乗員の居住性と多人数乗員(この実施例では大人3人プラス子供1人)との両立を図ることができる。
また、上記第2シートは子供専用シート(チャイルドシート64参照)に設定されたものである。
この構成によれば、高さ方向で高い第2キックアップ部5上には第1シート(リヤシート60)よりも小型の子供専用シート(チャイルドシート64)を配設するので、適切な空間に安全性を確保した子供専用シートを確実に配設することができる。
さらに、上記第1シート(リヤシート60)と第2シート(チャイルドシート64)との前方には前列シート67,68がそれぞれは配設されたものである。
上記構成によれば、リヤ側の第1シート(リヤシート60)および第2シート(チャイルドシート64)と、前列シート67,68とで、多人数乗車を確保することができる。
加えて、上記前列シートは車幅方向に並設された運転席シート(ドライバーズシート68)と助手席シート(パッセンジャーズシート67)とから成り、上記第1シート(リヤシート60)の前方に助手席シート(パッセンジャーズシート67)が配設され、上記第2シート(チャイルドシート64)の前方に運転席シート(ドライバーズシート68)が配設されたものである。
この構成によれば、第1シート(リヤシート60)の前方に助手席シート(パッセンジャーズシート67)を配設し、小型の第2シート(チャイルドシート64)の前方に運転席シート(ドライバーズシート68)を配設したので、各シート67,60,68,64の前後スペースをバランスよく保持することができ、これら各シート67,60,68,64に着座する乗員各位の居住性を確保することができる。
しかも、上記前列シートは車幅方向に並設された運転席シート(ドライバーズシート68)と助手席シート(パッセンジャーズシート67)とから成り、運転席シート(ドライバーズシート68)より助手席シート(パッセンジャーズシート67)が車両前方にオフセットして配設されたものである。
この構成によれば、その前方にステアリングホイール53が存在しない助手席シート(パッセンジャーズシート67)を運転席シート(ドライバーズシート68)に対して車両前方にオフセットさせたので、リヤ側第1シート(リヤシート60)の後席乗員の足元スペースを確保することができる。
また、上記第1キックアップ部4はフロアパネル2から立上がる前面壁部4aと、該前面壁部4aから後方に延びるキックアップフロア部4bとを有し、上記キックアップフロア部4bを凹状に形成したものである。
この構成によれば、凹状のキックアップフロア部4bに第1シート(リヤシート60)のシートクッション61を沿設することが可能となり、リヤ側第1シート(リヤシート60)の後席乗員の上下方向スペースの拡大を図って、限られたスペース内で当該乗員の居住性向上を図ることができる。
さらに、上記第2キックアップ部5の車外下方には車両補機(燃料タンク48参照)が配設されたものである。
この構成によれば、第1キックアップ部4に対して高さが高い第2キックアップ部5の車外下方に車両補機を配設するので、大型の補機を配設することができ、低全高のコンパクトな車両において居住性を確保しつつ、多人数乗車と補機レイアウトとの両立を図ることができる。
そのうえ、上記車両補機は燃料タンク48に設定されたものである。
この構成によれば、高さが高い第2キックアップ部5の車外下方に燃料タンク48を配設するので、低全高のコンパクトな車両において居住性を確保しつつ、多人数乗車とタンク容量の確保との両立を図ることができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の第1シートは、実施例のリヤシート60(後列シート)に対応し、
以下同様に、
第2シートは、チャイルドシート64(後列シート)に対応し、
運転席シートは、ドライバーズシート68(前列シート)に対応し、
助手席シートは、パッセンジャーズシート67(前列シート)に対応し、
車両補機は、燃料タンク48に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
車両の車体構造を示す斜視図 車両の要部底面図 本発明の車両のシート配設構造を示す運転席側の側面図 車両のシート配設構造を示す助手席側の側面図 図2のA−A線矢視断面図 シート配設構造を示す平面図 シート配設構造を示す概略平面図 運転席側の乗員着座状態を示す概略側面図 助手席側の乗員着座状態を示す概略側面図 第2シートの取付け構造を示す分解斜視図 第2シートの取付け構造を示す斜視図 車両補機配設構造の他の実施例を示す側面図 車両補機配設構造のさらに他の実施例を示す要部拡大側面図 第2シート取付け構造の他の実施例を示す側面図 従来の車両のシート配設構造を示す概略平面図 図15の運転席側の側面図 図15の助手席側の側面図
符号の説明
2…フロアパネル
3…キックアップ部
4…第1キックアップ部
4a…前面壁部
4b…キックアップフロア部
5…第2キックアップ部
48…燃料タンク(車両補機)
60…リヤシート(第1シート)
64…チャイルドシート(第2シート)
67…パッセンジャーズシート(前列シート)
68…ドライバーズシート(前列シート)

Claims (8)

  1. 車室のフロアパネル上に車幅方向に並設して複数の乗員用シートを配設した車両のシート配設構造であって、
    上記フロアパネルには上方へ段上げされたキックアップ部が設けられ、
    該キックアップ部は第1キックアップ部と、該第1キックアップ部と車幅方向で並設されると共に、高さ方向でより高い第2キックアップ部とから成り、
    上記第1キックアップ部上に第1シートを配設し、上記第2キックアップ部上には第1シートより小型の第2シートを配設した
    車両のシート配設構造。
  2. 上記第2シートは子供専用シートに設定された
    請求項1記載の車両のシート配設構造。
  3. 上記第1シートと第2シートとの前方には前列シートがそれぞれ配設された
    請求項1または2記載の車両のシート配設構造。
  4. 上記前列シートは車幅方向に並設された運転席シートと助手席シートとから成り、上記第1シートの前方に助手席シートが配設され、上記第2シートの前方に運転席シートが配設された
    請求項3記載の車両のシート配設構造。
  5. 上記前列シートは車幅方向に並設された運転席シートと助手席シートから成り、運転席シートにより助手席シートが車両前方にオフセットして配設された
    請求項3または4記載の車両のシート配設構造。
  6. 上記第1キックアップ部はフロアパネルから立上がる前面壁部と、該前面壁部から後方に延びるキックアップフロア部とを有し、
    上記キックアップフロア部を凹状に形成した
    請求項1記載の車両のシート配設構造。
  7. 上記第2キックアップ部の車外下方には車両補機が配設された
    請求項1〜6の何れか1に記載の車両のシート配設構造。
  8. 上記車両補機は燃料タンクに設定された
    請求項7記載の車両のシート配設構造。
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