JP2006289713A - 積層体およびその積層体を用いたテープ、包装体 - Google Patents

積層体およびその積層体を用いたテープ、包装体 Download PDF

Info

Publication number
JP2006289713A
JP2006289713A JP2005111749A JP2005111749A JP2006289713A JP 2006289713 A JP2006289713 A JP 2006289713A JP 2005111749 A JP2005111749 A JP 2005111749A JP 2005111749 A JP2005111749 A JP 2005111749A JP 2006289713 A JP2006289713 A JP 2006289713A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
laminate
vinyl acetate
laminated body
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005111749A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4701801B2 (ja
Inventor
Masayoshi Suzuta
昌由 鈴田
Kaori Fujimura
香往里 藤村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2005111749A priority Critical patent/JP4701801B2/ja
Publication of JP2006289713A publication Critical patent/JP2006289713A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4701801B2 publication Critical patent/JP4701801B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、包装材開封時の初期強度および再シール強度を粘着樹脂に粘着付与剤を配合せずに調整することが可能な積層体、およびその積層体を用いた、従来のジッパー/チャックに比較して、安価なテープあるいは包装体を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも粘着性を有する樹脂Aを一層含む積層体において、前記樹脂Aが粘着付与剤を配合しなくとも粘着性を有する樹脂、あるいは樹脂組成物であることを特徴とする、積層体およびその積層体を用いたテープ、包装体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、再シール性を有するテープあるいは包装体などに展開が可能な積層体に関する。
各種内容物を包装するパッケージ事業という分野において、パッケージに再封機能(リクローズ機能)を付与した形態が多くなってきた。この再封機能(リクローズ機能)を付与したパッケージの大半はジッパー/チャックといった物理的緘合を利用したものが多い。しかしながら、ジッパー/チャックといった物理的緘合を用いた手法は、コスト的な面から軽包装への展開が困難であること、ジッパー/チャックを設けた包装体は、製袋時にピンホールが発生しやすいことから高度な製袋技術を要する、などといった課題点を有する。
これらのジッパー/チャックの課題点を改善するべく、粘着性を有する樹脂あるいは樹脂組成物を用いた再封機能を有するパッケージが登場するようになった。ここで、粘着性を利用した再封機能ということで、以下、再シール性と記載する。この再シール性を有する積層体を用いたパッケージ形態として多くの提案がなされている。
先行技術1(特許文献1、2参照)は、粘着性を有する樹脂層を共押出により積層させ、この積層体を包材全体に用いることで、再シール性を有する包装体の開示が見受けられる。しかしながら、これらの粘着性を有する樹脂層を共押出により得られた積層体は、特殊な共押出機を用いることで、局所的に粘着性を有する樹脂層を多層で押出すことから、製膜機が限定されるという点、また、局所的に粘着性を有する樹脂層を多層で押出すことから、この粘着性を有する多層部分を必然的に包材のヒートシール部分に設ける必要があることから、包材の形態に制約を伴うといった課題点が挙げられる。
先行技術2(特許文献3参照)は、A/B/Cタイプの3種3層共押出多層フィルム中間層に、粘着性を有する樹脂を設け、A/BあるいはB/C間の層間剥離を利用することで中間層である粘着性を有する樹脂を露出し、その粘着性を有する樹脂を、AあるいはCと粘着させることで再シール性を付与するといった提案がなされている。また、これらの技術を利用して蓋材などの各種用途に展開する提案も開示されている。しかしながら、この技術は粘着樹脂とその粘着樹脂と層間剥離するAあるいはC層との初期強度と再シール強度のコントロールが困難であり、層間剥離を利用した初期強度の制御を行うと、再シール強度が弱くなるといった課題点を有する。また、層間剥離タイプの場合は、層間剥離面(粘着樹脂の露出状態)が均一でないと再シール性を付与することができないといった課題点も有する。
先行技術3(特許文献4参照)は、ポリエステル基材などに水系あるいは溶剤系の粘着性樹脂をグラビアコートなどの手法などにより設けることで、粘着性を有する樹脂を設けた積層体の開示が見うけられ、これを用いた再シールテープなどの部材への展開が記載されている。しかしながら、この内容は、上記先行技術1、2等でも同様であるが、粘着樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂やスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体などのエラストマーに粘着付与剤を必須成分として配合しているものである。再シール機能は、通常指圧レベルの圧力で接着性を発現する必要があり、粘着付与剤は上記エラストマーの基材への粘着性を付与するべく(基材への濡れ性を向上させるべく)、指圧程度の圧によりエラストマーの分子運動性を向上させ、基材への粘着性(濡れ性)を向上させるために配合されるものである。しかしながら、粘着付与剤はその移行性や溶出性の問題が
ある。また、包装材で再シール性を付与させたい箇所は、通常一旦はヒートシールにより密封させているものである。粘着付与剤を配合することで感圧接着性を付与させた粘着樹脂は、ヒートシール性も向上しているものであり、粘着付与材の配合量やそのタイプに応じては、包装材封緘時のヒートシールで著しく強度が向上し、初期開封強度が著しく強くなるといった課題点を有する。
先行技術4(特許文献5参照)は、粘着付与剤を用いず、数平均分子量が2000〜7000という低分子量の非晶質ポリオレフィンを用いた粘着性を有する多層シートの開示が見受けられる。しかしながらこのレベルの低分子量化合物は、加工(プロセス)上の課題を伴うと共に、粘着/再シールの再に糊残りといった現象が起きる。
上述した先行技術は、粘着樹脂としてエラストマーに粘着付与剤を配合していることが必須成分として挙げられる。しかしながら、粘着付与剤を配合することによる初期強度の安定性や、再シール性能という点では満足行くものは得られていない状態である。
特許第2938186号公報 特許第3322693号公報 特開2002−301786号公報 特開2003−137314号公報 特開平5−237477号公報
本発明は、上記の実情を考慮してなされたものであって、包装材開封時の初期強度および再シール強度を粘着樹脂に粘着付与剤を配合せずに調整することが可能な積層体およびその積層体を用いたテープあるいは包装体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、すなわち、
請求項1記載の発明は、少なくとも粘着性を有する樹脂Aを一層含む積層体において、
前記樹脂Aが粘着付与剤を配合しなくとも粘着性を有する樹脂、あるいは樹脂組成物であることを特徴とする、積層体である。
請求項2記載の発明は、前記粘着性を有する樹脂Aが、示差走査熱量計(DSC)により実質的に融解ピークおよび結晶化ピークを持たない非晶質ポリオレフィン系樹脂の単体、あるいはこの樹脂を50重量%以上配合された樹脂組成物であることを特徴とする、請求項1記載の積層体である。
請求項3記載の発明は、前記非晶性ポリオレフィン系樹脂がJIS K6760におけるMFRが0.1〜50g/10分のプロピレン−αオレフィン共重合体であることを特徴とする、請求項1または2記載の積層体である。
請求項4記載の発明は、前記粘着性を有する樹脂Aが、酢酸ビニルコンテントが40〜90wt%である高酢酸ビニルコンテントのエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の単体、あるいはこの樹脂を50重量%配合された樹脂組成物であることを特徴とする、請求項1記載の積層体である。
請求項5記載の発明は、前記高酢酸ビニルコンテントのエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が、示差走査熱量計(DSC)により実質的に融解ピークおよび結晶化ピークを持たないことを特徴とする、請求項1または4記載の積層体である。
請求項6記載の発明は、前記粘着性を有する樹脂Aが、少なくともどちらか一方に隣接する各種基材層と粘着性を有し、かつ、複数回の再シール性能を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体である。
請求項7記載の発明は、前記再シール強度が0.1〜10N/25mmの範囲であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体である。
前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体を、再シール可能なテープとして用いることを特徴とする、積層体である。
前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体を、再シール可能な包装体として用いることを特徴とする、積層体である。
本発明により、非晶性のプロピレン−ブテン−1共重合体あるいは高酢酸ビニルコンテントのエチレン−酢酸ビニル共重合体などの樹脂Aに粘着付与剤を配合せずに粘着性を有する樹脂を一層含む積層体であるから、テープあるいは包装体などにおける包装材開封時の初期強度および再シール強度を調整することができる。また、下記の効果を奏する。
1.従来のジッパー/チャックに比較して、安価なテープあるいは包装体が得られる。
2.従来の粘着剤付与剤を配合する粘着樹脂に比較して、包装材開封時の初期強度および再シールを安定して行える。
3.押圧することで安定して再シールが行えるので、指先の不自由な人、子供、高齢者でも簡単に扱うことができる。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。本発明の積層体は、包装材開封時の初期強度や再シール強度に最も影響を与えやすい粘着付与剤を用いなくとも粘着性がある樹脂(以下、樹脂Aと記載する)を用いることを特徴とするものである。
このように、粘着付与剤を配合しなくても粘着性がある樹脂Aとしては、ポリオレフィン系エラストマーが挙げられる。このポリオレフィン系エラストマーの中でも、石油樹脂系やテルペン系の粘着付与剤を配合しなくとも粘着性を有する樹脂について誠意検討を行った結果、下記に示す材料が好適であることが確認された。
樹脂Aとして用いられる材料のひとつとして、示差走査熱量計(DSC)により実質的に融解ピークおよび結晶化ピークを持たない非晶質ポリオレフィン系樹脂の単体、あるいはこの樹脂を50重量%以上配合された樹脂組成物が挙げられる。この非晶質ポリオレフィン系樹脂は、JIS K6760におけるMFRが0.1〜20g/10分のプロピレン−αオレフィン共重合体が好ましく、αオレフィンとしてはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1など3≦α≦20のαオレフィンが挙げられる。MFRの下限について制限は無いが、加工性という点から考慮すると0.1以上が、上限は50程度が好ましい。またMFRが50を超えるとアタク
チック構造の低分子量非晶質成分が多く含まれやすいが、この低分子量成分は粘着性を有する一方で、移行性やべたつき性という点で問題を有する。そのような意味でMFRは0.5〜20g/10分程度が好適である。なお、このMFRの範囲から非晶質ポリオレフィン系樹脂としてアタクチック構造の低分子量成分は除外される。このような樹脂の代表的な材料としては住友化学(株)のタフセレンなどが挙げられる。
樹脂Aとして用いられる材料のもうひとつは、酢酸ビニルコンテントが40〜90重量%である高酢酸ビニルコンテントのエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の単体、あるいはこの樹脂を50重量%以上配合された樹脂組成物である。通常エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルコンテントが40重量%以下のものが代表的であり、酢酸ビニルコンテントが多くなるにつれてエチレン主鎖の結晶性が低下し、ホットメルト接着剤などに用いられている。しかしながら、通常のエチレン−酢酸ビニル共重合体では、わずかながらにエチレン主鎖由来の結晶成分が残っており、結晶化度としては30%以上有するものである。そのため、粘着付与剤を配合しないと再シールの際に求められる、感圧接着性能を発現することが困難である。しかしながら、酢酸ビニルコンテントが40〜90重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体は、結晶化度が0(完全非晶質)〜30%程度であり、粘着付与剤を配合しなくとも感圧接着性能を付与することが可能である。実質的には結晶成分が存在すると感圧接着性能が低下する(再シール強度が小さくなる)ため、好ましくは、示差走査熱量計(DSC)により実質的に融解ピークおよび結晶化ピークを持たないほうが好ましい。感圧接着性能は上述したように圧による分子鎖の運動性が影響される。この運動性は結晶化度およびガラス転移温度(Tg)に左右される。酢酸ビニルコンテントが多くなると、ガラス転移温度(Tg)が高くなる。通常包装材の再シールを行う状況は室温環境で行われるケースが多い。そのような意味で、非晶性でもガラス転移温度(Tg)が高いと分子運動性が拘束されるため、好ましくはガラス転移温度が室温(25℃)以下、より好ましくは0℃以下が好ましい。これらの結晶化度、ガラス転移温度(℃)を満たす酢酸ビニルコンテント最適範囲として50〜80重量%が適当である。このような材料としてはBayer社のLEVAMELTが挙げられる。
通常、これらの材料は自己粘着性が顕著であることから、加工性と再シール強度のバランスに応じて、互着防止剤や他の結晶性樹脂を配合してもかまわない。互着防止剤としてはタルク、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウムなどの無機化合物系、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩系を、上記樹脂Aに配合あるい添着させてもかまわない。
また、これらの互着防止剤ではなく、結晶性の樹脂を配合し、結晶化度をコントロールすることで互着防止効果を狙ってもかまわなく、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、3≦α≦20の範囲のαオレフィンを共重合させたエチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロプレン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂、4≦<α≦20の範囲のαオレフィンを共重合させたプロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂のイオン架橋物などの結晶性〜低結晶性樹脂が挙げられ、その種類には制約を受けないが、非晶質の樹脂Aとこれらの結晶性樹脂の最適な組み合わせは、両者が相溶する組み合わせが好ましい。上述した互着防止剤あるいは結晶性樹脂を配合し、樹脂Aとしての濃度が50重量%以上になるようにしたほうが好ましい。それより少ないと再シール性に劣る。より好ましくは樹脂Aとして75重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。
さらに樹脂Aには、必要に応じては上記以外の各種添加剤、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤など各種添加剤を配合してもかまわない。
これらの樹脂Aを用いて積層体を作成する方法としては、押出ラミネーション、あるいは多層共押出機を用いて粘着性を有する樹脂Aを含有する共押出多層(キャストやインフレーション)フィルムを作成し、ドライラミネーションなどのを公知の技術を用いることで作成することが可能である。また、上述した非晶質な樹脂は、各種溶剤に対して可溶であることから、溶媒で希釈し、グラビアコートやリバースコートやダイコートなどの各種コーティング方式で各種基材に積層させることも可能である。
本発明の積層体の一例を以下に記載する。
<構成例−1>
・ポリオレフィン樹脂(1)/粘着性を有する樹脂A/ポリオレフィン樹脂(2)
ポリオレフィン樹脂(1)は樹脂Aと強接着し、ポリオレフィン樹脂(2)は樹脂Aと再シール性を有する。
<構成例−2>
・ポリオレフィン樹脂(1)/粘着性を有する樹脂A/ポリエステル樹脂/ポリオレフィン樹脂(1)
ポリオレフィン樹脂(1)は粘着性を有する樹脂Aと強接着し、ポリエステル樹脂は樹脂Aと再シール性を有する。
<構成例−3>
・ポリエステル樹脂/ウレタン系接着剤/アルミ箔/粘着性を有する樹脂A/ポリオレフィン樹脂(1)
ポリオレフィン樹脂(1)は粘着性を有する樹脂Aと強接着し、アルミ箔は樹脂Aと再シール性を有する。
<構成例−4>
・ポリエステル樹脂/粘着性を有する樹脂A/ポリオレフィン樹脂(1)
ポリオレフィン樹脂(1)は粘着性を有する樹脂Aと強接着し、ポリエステル樹脂は樹脂Aと再シール性を有する。
これらの例に限らず、各種材料の組み合わせにより粘着性を有する樹脂Aを含む積層体を設計することは可能である。これらの積層体は、例えば、図1に示すように、構成例−1,2の積層体の両側にヒートシール性を有するポリオレフィン樹脂b1,b3を用いていることから、再シール機能を有するテープとして使用することが可能である。また、図2、3に示すように、構成例−3,4の積層体自体を包装体として製造することも可能である。
本発明の積層体をテープ状に製造し包装体に設ける場合、あるいはこの積層体自体を包装体に製造する場合、ヒートシールにより包装体を封緘する必要がある。つまり、再シール(再シール強度)を行う前に、このヒートシール部を一度開封(初期強度)することが必要である。この場合、初期強度としては3〜20N/25mmが好ましく、再シール強度としては0.1〜10N/25mmが好ましい。初期強度として3N/25mmより弱いと封緘性におとり、20N/25mmより強いと初期開封強度が強くなりすぎる。より好ましくは5〜15N/25mmである。再シール強度の指標としては指圧程度の圧力で再シールされることが好ましく、0.1N/25mmより弱いと再シール性に劣り、強い分には再シール部の密封性という点で好ましいが、あけやすさを考慮すると10N/25mm以下が好ましい。
上述したように、様々な構成で得られた積層体は、そのまま各種用途の包装体へ展開することが可能である。これらの例は上述した内容に限られないで、様々な包装形態へ展開が可能になる。
以下に、本発明の実施例を示すが、それに限定されるものではない。
[積層体の作成]
以下の実施例で使用する粘着性を有する樹脂Aとして下記の材料を用いた。
A−1:住友化学(株)製タフセレンH3002(MFR=2互着防止剤あり)、非晶質ポリプロピレン系樹脂(プロピレン−ブテン−1共重合体95重量%)
A−2:住友化学(株)製タフセレンT3712(MFR=3互着防止剤あり)、非晶質ポリプロピレン系樹脂(プロピレン−ブテン−1共重合体85重量%)
A−3:サンアロマー(製)PM671A(MFR=7)、結晶性ブロックPP
A−4:Bayer社製LEVAMELT 700、(結晶化度0% ガラス転移温度(Tg)<0℃、酢酸ビニル70wt% MFR=4)
A−5:Bayer社製LEVAMELT 500、(結晶化度5% ガラス転移温度(Tg)<0℃、酢酸ビニル50wt% MFR=3)
A−6:三井デュポンポリケミカル(株)製エバフレックスEV260、(結晶化度20% ガラス転移温度(Tg)<0℃、酢酸ビニル28wt% MFR=6)
(実施例1)
あらかじめ、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(25μm)に、2液反応型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネート手法により低密度ポリエチレンフィルム(25μm)を積層させ基材−1を作成した。その積層体を共押出ラミネート装置の巻き出し部にセットし、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、樹脂A−1が接するようにラミネートを行った。その際、共押出樹脂としてシングルサイト系触媒により得られたエチレン−ヘキセン−1共重合体(密度0.920g/cm3、MFR=4)を用いた。加工温度は240℃で加工速度は50m/min.である。得られた積層体の構成は下記の通りであり、この積層体の構成の断面模式図を図4に示す。
低密度ポリエチレンc(25μm)/ウレタン系接着剤d/二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムe(25μm)/樹脂(A−1)f(20μm)/エチレン−ヘキセン−1共重合体g(20μm)
得られた上記積層体を、上記基材−1で挟み込み、ヒートシールによりシール温度130、140、150、160℃でシールを行った。このサンプルにあらかじめ二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(25μm)/樹脂A−1間にきっかけを作成し、25mm幅の短冊状に切り取った後、テンシロンにてクロスヘッドスピード300mm/min.のT型剥離にて初期強度を測定した。その得られた剥離サンプルを再度指圧にて再シールを施し、その再シール強度を同様に評価した。この作業を4回行った結果を表1、表2に示す。
(実施例2)
樹脂をA−2にした以外は、実施例1と同じである。
(実施例3)
本発明の積層体と性能を比較するための比較例として、
樹脂をA−3にした以外は実施例1と同じである。
(実施例4)
本発明の積層体と性能を比較するための比較例として、
樹脂をA−1/A−3=50/50になるように配合したものを用いた以外は実施例1と同じである。
(実施例5)
樹脂をA−4にし、加工温度を200℃にした以外は実施例1と同じである。
(実施例6)
樹脂をA−5にした以外は実施例5と同じである。
(実施例7)
本発明の積層体と性能を比較するための比較例として、
樹脂をA−6にした以外は実施例5と同じである。
(実施例8)
本発明の積層体と性能を比較するための比較例として、
樹脂をA−6にジシクロペンタジエン系粘着付与剤およびプロセスオイルを配合した樹脂を用いた以外は実施例5と同じである。
(実施例9)
基材として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(25μm)/ウレタン系接着剤/アルミニウム箔(7μm)をドライラミネート法により作成した基材−2を用い、アルミニウム箔上に樹脂Aが積層するように加工をした以外は実施例1と同じである。エチレン−ヘキセン−1共重合体への被着体は基材−1を用いた。得られた積層体の構成は下記の通りであり、この積層体の構成の断面模式図を図5に示す。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムe(25μm)/ウレタン系接着剤d/アルミニウム箔h(7μm)/樹脂(A−1)f(20μm)/エチレン−ヘキセン−1共重合体g(20μm)
(実施例10)
樹脂をA−4にし、加工温度を200℃にした以外は実施例9と同じである。
表より、非晶性のプロピレン−ブテン−1共重合体あるいは高酢酸ビニルコンテントのエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いることで、粘着付与剤無しでも各種基材に対し良好な初期強度および再シール強度が得られていることが確認できる。一方で、結晶性の樹脂を用いたり(実施例3)、樹脂Aのコンテントが少ない(実施例4)と初期強度、再シール強度とも得られていないことが確認される。また酢酸ビニルコンテントが少ないエチレン−酢酸ビニル共重合体の初期強度は良好であるが、再シール強度が得られないことが確認される(実施例7)。さらに、この樹脂に粘着付与剤を配合することで再シール性能を付与することは可能であるが、シール温度による初期強度の安定性にかけると共に、今回は評価をしていないが上述した粘着付与剤の移行の問題が懸念される(実施例8)。
[包装材の作成]
(実施例11)
実施例1記載の積層体を25mm幅にスリットを施し、図5に示すような再シール性を有するテープとして用いた。この時の包装材は、二軸延伸ポリエステルフィルム(12μm)/ウレタン系接着剤/二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/ウレタン系接着剤/
アルミ箔(7μm)/低密度ポリエチレン(40μm)からなる。この包装材を製造時に、上記テープを介在させ、ヒートシールにより包装材に装着した。この包装材を切り下記部から開封し、テープ部分を開封(初期強度)し、数回の再シール性の評価を行った。その結果、初期強度および再シール強度は良好であった。
(実施例12)
実施例4記載の積層体を用いて実施例11と同様の評価を行ったが、密封性(初期強度)が劣るだけでなく、再シール機能を付与することができなかった。
本発明の一例としての構成例1、2の積層体を用いたテープの構成を示す断面模式図である。 本発明の一例としての構成例4の積層体を用いた包装体の構成を示す断面模式図である。 本発明の一例としての構成例4の積層体を用いた他の包装体の構成を示す断面模式図である。 本発明の実施例1で得られた積層体の構成を示す断面模式図である。 本発明の実施例9で得られた積層体の構成を示す断面模式図である。
符号の説明
a:包装材
b:再シールテープ
b1:ポリオレフィン樹脂(1)
b2:樹脂A
b3:ポリオレフィン樹脂(2)
b4:ポリエステル樹脂
c:低密度ポリエチレン樹脂
d:ウレタン系接着剤
e:二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
f:樹脂A
g:エチレン−ヘキセン−1共重合体
h:アルミニウム箔

Claims (9)

  1. 少なくとも粘着性を有する樹脂Aを一層含む積層体において、
    前記樹脂Aが粘着付与剤を配合しなくとも粘着性を有する樹脂あるいは樹脂組成物であることを特徴とする、積層体。
  2. 前記粘着性を有する樹脂Aが、示差走査熱量計(DSC)により実質的に融解ピークおよび結晶化ピークを持たない非晶質ポリオレフィン系樹脂の単体、あるいはこの樹脂を50重量%以上配合された樹脂組成物であることを特徴とする、請求項1記載の積層体。
  3. 前記非晶性ポリオレフィン系樹脂が、JIS K 6760におけるMFRが0.1〜50g/10分のプロピレン−αオレフィン共重合体であることを特徴とする、請求項1または2記載の積層体。
  4. 前記粘着性を有する樹脂Aが、酢酸ビニルコンテントが40〜90wt%である高酢酸ビニルコンテントのエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の単体、あるいはこの樹脂を50重量%以上配合された樹脂組成物であることを特徴とする、請求項1記載の積層体。
  5. 前記高酢酸ビニルコンテントのエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が、示差走査熱量計(DSC)により実質的に融解ピークおよび結晶化ピークを持たないことを特徴とする、請求項1または4記載の積層体。
  6. 前記粘着性を有する樹脂Aが、少なくともどちらか一方に隣接する各種基材層と粘着性を有し、かつ、複数回の再シール性能を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記再シール強度が0.1〜10N/25mmの範囲であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体を、再シール可能なテープとして用いることを特徴とする、積層体。
  9. 前記請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体を、再シール可能な包装体として用いることを特徴とする、積層体。
JP2005111749A 2005-04-08 2005-04-08 積層体およびその積層体を用いたテープ、包装体 Expired - Fee Related JP4701801B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005111749A JP4701801B2 (ja) 2005-04-08 2005-04-08 積層体およびその積層体を用いたテープ、包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005111749A JP4701801B2 (ja) 2005-04-08 2005-04-08 積層体およびその積層体を用いたテープ、包装体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006289713A true JP2006289713A (ja) 2006-10-26
JP4701801B2 JP4701801B2 (ja) 2011-06-15

Family

ID=37410830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005111749A Expired - Fee Related JP4701801B2 (ja) 2005-04-08 2005-04-08 積層体およびその積層体を用いたテープ、包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4701801B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007125820A (ja) * 2005-11-04 2007-05-24 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 再封機能付き多層フィルム及びこれを用いた再封可能な包装体

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05237977A (ja) * 1992-02-27 1993-09-17 Okura Ind Co Ltd 粘着性を有する多層フイルム及びその製造方法
JP2000297259A (ja) * 1999-04-16 2000-10-24 Nippon Kakoh Seishi Kk 自己貼着性簡易貼着シート及びその製造方法
JP2001302815A (ja) * 2000-02-16 2001-10-31 Beiersdorf Ag 特に塗装された車両もしくは車両部品のための粘着性保護フィルム
JP2003063539A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Dainippon Printing Co Ltd 再封可能なピロータイプ袋。
JP2003112768A (ja) * 2001-10-04 2003-04-18 Kazunori Yamada 包装材料

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05237977A (ja) * 1992-02-27 1993-09-17 Okura Ind Co Ltd 粘着性を有する多層フイルム及びその製造方法
JP2000297259A (ja) * 1999-04-16 2000-10-24 Nippon Kakoh Seishi Kk 自己貼着性簡易貼着シート及びその製造方法
JP2001302815A (ja) * 2000-02-16 2001-10-31 Beiersdorf Ag 特に塗装された車両もしくは車両部品のための粘着性保護フィルム
JP2003063539A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Dainippon Printing Co Ltd 再封可能なピロータイプ袋。
JP2003112768A (ja) * 2001-10-04 2003-04-18 Kazunori Yamada 包装材料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007125820A (ja) * 2005-11-04 2007-05-24 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 再封機能付き多層フィルム及びこれを用いた再封可能な包装体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4701801B2 (ja) 2011-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4522562B2 (ja) 包装材料および容器
CA2530824C (en) Heat sealable and peelable film
JP5092215B2 (ja) 積層体
US9080082B2 (en) Medium density polyethylene film layer and multilayer film comprising same
TWI404632B (zh) 熱熔著性多層膜
JP2008150541A (ja) シーラントフィルム、積層フィルムおよびポリプロピレン製容器用蓋材
JPWO2019220912A1 (ja) 多層フィルム及び包装材
JP2012045886A (ja) 共押出多層フィルム及びこれを用いる蓋材
JP6473009B2 (ja) 積層フィルム、包装材料及び包装容器
JP2004526810A (ja) 凝集破壊性のある接着組成物
JP4701801B2 (ja) 積層体およびその積層体を用いたテープ、包装体
JP2000198170A (ja) 易開封性容器
KR101154590B1 (ko) 폴리프로필렌계 필름 및 그 제조 방법
JP4904770B2 (ja) ポリエチレン用易剥離性接着剤及びその構造物
JP4692818B2 (ja) 共押出積層フィルム並びにそれを用いたラミネートフィルム及び包装容器
WO2016175335A1 (ja) 多層シーラントフィルム
JPH1143655A (ja) 粘着テープまたはシート
JP2009083163A (ja) 易開封性及び耐熱性を有する多層積層フィルム
JP5030704B2 (ja) ポリプロピレン製容器の蓋材用シーラントフィルム
JP2021195498A (ja) 太陽電池バックシート用ホットメルト接着剤、積層体、及び太陽電池バックシート
JP3155303B2 (ja) ヒートシール用樹脂組成物
JP2004042565A (ja) 易開封性シーラントフィルム及びそれを用いた包装材料及び容器
JP6801342B2 (ja) 再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルム
JP6624358B1 (ja) 積層フィルム及び蓋材
JP7342694B2 (ja) 積層フィルム及び包装材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080407

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100928

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4701801

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees