JP2006289072A - 超音波組織評価装置及び超音波組織評価方法 - Google Patents

超音波組織評価装置及び超音波組織評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バラツキのない正確な測定が行える超音波組織評価装置を提供する。
【解決手段】互いに対向するように対で配置されるとともに、それぞれに超音波振動子を備えるスタンドオフ11・12と、上記スタンドオフのうち少なくとも一方(可動スタンドオフ12)を移動させる移動機構6と、超音波振動子間の距離を計測する距離計測手段8と、超音波振動子間の超音波の伝搬時間を計測する時間計測手段(コントローラ15)とを含む。移動機構6でスタンドオフ12を移動させることで被検体を挟み、このときの超音波振動子間の距離及び超音波振動子間の超音波伝搬時間を測定し、これらの測定値から被検体組織内の音速を求めることで評価を行う。スタンドオフ11・12により挟まれた状態の被検体の温度を測定又は推定する温度測定手段9を備える。求められた被検体組織内の音速は、温度測定手段9で得られた被検体の温度に基づいて補正される。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を用いて生体の組織を評価する超音波組織評価装置の構成、及び、超音波組織評価方法に関する。
近年、骨粗しょう症が注目されるようになり、骨の評価の必要性が増大している。骨の評価方法としては従来はX線を用いる方法が主流であったが、超音波による骨の評価は、X線に比べて装置を小型化できるとともに、X線被曝がなく、測定を短時間で行える等、患者への負担が少ないという利点があり、最近は急速に普及が進んでいる。超音波による骨評価に用いる指標としては、SOS(Speed of Sound;骨伝搬時の音速)を診断に利用することが多くなっている。
特許文献1は、音響整合材の温度を整合材温度センサによって測定し、この測定された温度に基づいて音響整合材内の音速を補正する構成を開示する。
特許文献2は、温度センサーを用いて被検体の温度を測定し、その測定温度に基づいて整合液の温度を調整する構成を開示する。この構成によれば、被検体の温度と整合液の温度とが平衡に達した時点で超音波透過測定を開始でき、安定した再現性に優れた超音波測定を行うことができるとしている。
特許2840040号公報(図6、0041、0042、0047、0048) 特開平6−197895号公報
ところで、上記のような装置による生体の評価部位としては、踵の骨が採用されることが多いが、踵の骨を透過する超音波の音速を測定する場合、踵を透過する音速が踵の温度の影響を受けて変動し、音速の測定値に相当のバラツキが生じてしまう。特に冬季には足の温度が冷えることにより、この現象が発生し易い。
なお、従来では、測定前に被験者を暖房の効いた室内で長時間(1時間近く)待機させることが多く、その間に足の温度が上昇して足の冷えが軽減するので、顕著な問題にはなっていない。しかしながら、患者の待機を強制することとすると、患者の待ち時間が増大し、測定効率も低下するので、優れたアプローチとは言いがたい。
また、特許文献1は、被検体の温度を測定して音響整合材内の音速を補正するのみであって、踵の透過音速の温度によるバラツキを補正できるものではない。また、特許文献2では、被検体の温度が整合液の温度と等しくなるまで測定を開始できないことから、測定に時間が掛かって効率が悪くなってしまう。また、特許文献2は被検体を整合液へ浸漬する構成であることから、被験者が違和感を覚えることがあり、衛生面の管理の手間も大きくなってしまう。
一方、超音波による骨評価に用いる指標として、BUA(Broadband Ultrasonic Attenuation;骨伝搬時の周波数依存減衰)と前記SOSを組み合わせることで、踵の透過音速の温度によるバラツキを軽減する方法も考えられる。しかし、この方法は、計算が煩雑で、骨評価の演算の際の演算装置の負荷が大きくなってしまう。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
◆本発明の第1の観点によれば、以下のように構成する、超音波組織評価装置が提供される。互いに対向するように対で配置されるとともに、それぞれに超音波振動子が備えられたスタンドオフと、上記スタンドオフのうち少なくとも一方を移動させる移動機構と、前記超音波振動子間の距離を計測する距離計測手段と、前記超音波振動子間の超音波の伝搬時間を計測する時間計測手段と、を含む。前記移動機構でスタンドオフを移動させることによって被検体を挟み、このときの超音波振動子間の距離及び超音波振動子間の超音波伝搬時間を測定し、これらの測定値から被検体組織内の音速を求め、この求められた音速を用いて被検体組織の評価を行う。前記スタンドオフにより挟まれた状態の被検体の温度を測定又は推定する温度測定手段を備える。算出された被検体組織内の音速が、前記温度測定手段で得られた被検体の温度に基づいて補正され、補正後の音速を用いて被検体組織の評価を行う。
これにより、被検体の温度の変動に起因する測定精度の低下を防止し、正確な組織評価を行える評価装置を提供できる。即ち、被検体の温度が変動しても評価値のバラツキを少なくでき、正確な組織評価を行うことができる。
◆前記の超音波組織評価装置においては、前記温度測定手段は、温度を適当な時間間隔をおいて複数回測定し、この複数回の測定値から平衡時の被検体の温度を推定することが好ましい。
これにより、被検体の温度を求める際の時間を短縮することができる。
◆前記の超音波組織評価装置においては、前記被検体を置く置き台を備え、この置き台に前記温度測定手段が設けられていることが好ましい。
これにより、被検体を置き台に置くだけで温度も併せて測定でき、被験者の手間が殆ど増大しない構成とできる。
◆前記の超音波組織評価装置においては、前記温度測定手段は深部温度センサであることが好ましい。
これにより、被検体の温度測定の際に外気温の影響を受けず、正確な温度測定又は推定が行える。また、非侵襲的に被検体の深部温度を測定できるから、被験者の負担も殆ど増大しない構成とできる。
◆本発明の第2の観点によれば、以下のように構成する、被検体に対して超音波の送受波を行って組織評価を行う超音波組織評価装置が提供される。被検体を挟んで両側に一対の超音波振動子を設け、各超音波振動子の前面には、被検体と接触する被検体接触面が設けられている。また、前記被検体接触面の少なくとも一方が被検体に対して接離方向に移動可能に構成されている。前記被検体の温度を測定し、その温度に基づいて被検体組織内の超音波の音速を補正し、その補正値を用いて被検体組織の評価を行う。なおここで、「被検体の温度を測定し」とは、被検体の温度を推定する場合も含む意味である。
これにより、被検体の温度の変動に起因する測定精度の低下を防止し、正確な組織評価を行える評価装置を提供できる。
◆本発明の第3の観点によれば、以下のように構成する、被検体を挟んで両側に一対の超音波振動子を設け、被検体に対して超音波の送受波を行って組織評価を行う超音波組織評価装置が提供される。前記被検体の温度を測定し又は推定する温度測定手段を備えており、前記温度測定手段によって測定された温度に基づいて、被検体内の音速を補正する。
これにより、被検体の温度の変動に起因する測定精度の低下を防止し、正確な組織評価を行える評価装置を提供できる。
◆本発明の第4の観点によれば、以下のように構成する超音波組織評価装置が提供される。被検体の表面温度を測定するセンサを含む温度検出器と、測定された前記表面温度に対応する前記被検体の内部温度に基づいて、前記被検体内の音速を補正する演算手段を備えている。
これにより、被検体の温度の変動に起因する測定精度の低下を防止し、正確な組織評価を行える評価装置を提供できる。なお、被検体の内部温度は、温度検出器内において被検体の表面温度から推定されてもよいし、あるいは、音速を補正する演算手段内において被検体の表面温度から推定されてもよい。
◆前記の超音波組織評価装置においては、温度検出器が、測定された前記表面温度に基づいて前記被検体の内部温度を推定し、推定された内部温度を前記演算手段に出力するものであってもよい。
これにより、温度検出器内で、測定された表面温度に基づいて被検体の内部温度を推定して、演算手段へ出力することができる。
◆前記の超音波組織評価装置においては、前記温度検出器は、被検体の表面温度を適当な時間間隔をおいて複数回測定し、前記演算手段は、表面温度の複数回の測定値に基づいて、前記被検体の表面と内部の温度がほぼ等しくなる平衡温度を推定し、推定された平衡温度に基づいて、前記複数回の表面温度測定の少なくとも何れかにおいて同時に測定された前記被検体内の音速を補正するものであってもよい。
これにより、被検出体の温度が平衡状態に達する前でも、演算手段により、測定された表面温度から平衡時の被検出体の温度を推定することができるため、温度検出に要する時間、ひいては、音速の測定時間を短縮できる。
◆本発明の第5の観点によれば、以下のような超音波組織評価方法が提供される。被検体の表面温度を測定し、測定された表面温度に対応する前記被検体の内部温度に基づいて前記被検体内の音速を補正する。
これにより、被検体の温度の変動に起因する測定精度の低下を防止し、正確な組織評価を行うことができる。
◆前記の超音波組織評価方法においては、前記内部温度が所定の基準温度よりも低いときには、前記内部温度に基づいて前記被検体内の音速を補正し、前記内部温度が前記基準温度よりも高いときには、前記内部温度に基づいて前記被検体内の音速を補正しないことが好ましい。
これにより、被検体の内部温度が基準温度よりも低い場合のみ内部温度に基づく音速の補正を行い、そうでない場合には補正を行わない。
◆前記の超音波組織評価方法においては、被検体の表面温度を適当な時間間隔をおいて複数回測定するとともに、これら複数回の表面温度測定の少なくとも何れかにおいて同時に被検体内の音速を測定し、複数回の表面温度の測定値に基づいて、前記被検体の表面と内部の温度がほぼ等しくなる平衡温度を推定し、推定された平衡温度に基づいて、前記被検体内の音速を補正してもよい。
これにより、被検出体の温度が平衡状態に達する前に、平衡時の被検出体の温度を推定することができるため、温度検出に要する時間、ひいては、音速の測定時間を短縮できる。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る骨評価装置の全体的な構成を示した平面図、図2は骨評価装置の足置き台に被験者の足をセットした状態を示す要部側面図である。
図1に示す超音波組織評価装置としての骨評価装置1は、本体2の上面に足置き台3を備え、この足置き台3の上面に、図1の鎖線で示すように被験者が足を置くことができるようになっている。
足置き台3に被験者が足を置いた状態の要部側面図が図2に示され、この図2に示すように足置き台3は、つま先側が若干上向きとなるように若干傾斜した支持面4を備えている。また、足置き台3の後部には立上げ部5が形成され、この立上げ部5に被験者の踵(被検体)の後面を当てるようにすることで、足を足置き台3の所定の位置にセットできるように構成されている。
また、骨評価装置1の本体2は、足置き台3に置いた足の踵に対応する位置に、固定側スタンドオフ11と、可動側スタンドオフ12とを備えている。両側のスタンドオフ11・12のそれぞれには図示しない超音波振動子が互いに対向するように取り付けられており、超音波の透過波、反射波の送受信が行われるようになっている。両スタンドオフ11・12の前面には、被検体に接触する被検体接触面11a・12aが、互いに対向するように備えられている。
被検体接触面12aを備える可動側スタンドオフ12は適宜の移動機構(本実施形態では、ラックアンドピニオン機構6)を介して支持されており、回転ハンドル7を回転させることで、固定側スタンドオフ11ないし被検体に対して近づく方向及び離れる方向(接離方向)に移動できるようになっている。この構成で、足を足置き台3にセットするときや測定終了後は可動側スタンドオフ12を離す一方、測定時には、可動側スタンドオフ12を固定側スタンドオフ11側へ移動させ、踵が両側のスタンドオフ11・12の被検体接触面11a・12aに密着しながら挟まれるようにする。
なお、上記ラックアンドピニオン機構6には図略のトルクリミッタが設置されており、回転ハンドル7を無理に回しても、可動側スタンドオフ12が過大な力で踵を押圧しないように構成されている。
前記可動側スタンドオフ12の移動機構としてのラックアンドピニオン機構6にはエンコーダ(距離計測手段)8が設置されており、踵が両スタンドオフ11・12に挟まれている状態での可動側スタンドオフ12の位置を測定できるようになっている。これにより後述のコントローラ15は、両スタンドオフ11・12間の超音波振動子間の距離、ひいては被験者の踵の幅を算出することができる。
この構成の骨評価装置1を用いた測定の際は、両スタンドオフ11・12の超音波振動子から適宜の周波数の超音波信号を送信し、送波・受波の時間間隔(超音波の伝播時間)を測定して、この測定した時間間隔と、前記エンコーダ8の測定値に基づいて算出した踵の幅とから、踵を透過する音速(SOS)を計算する。そして、この音速に基づいて踵部の骨塩量を演算し、演算結果を骨評価の結果として、図示しないディスプレイ等に出力できるようになっている。
超音波の伝播時間の測定や上記の演算は、骨評価装置1の制御手段としてのコントローラ15により行われる。このコントローラ15は公知のマイクロコンピュータ式に構成されており、図示しない中央演算処理装置(CPU)や、ROM、RAM等の記憶手段を備えている。このコントローラ15は、前述のエンコーダ8、及び、スタンドオフ11・12の超音波振動子に対し、電気的に接続されている。
踵部の温度の測定は、表面で行うよりも深部の温度を測定する方がより正確に測定できる。前記足置き台3の支持面4には、被験者の踵に対応する位置に、深部温度センサ(温度測定手段、温度検出器)9が設けられている。深部温度センサ9は、対象部位の表面温度を測定するセンサを有し、測定された表面温度から深部温度(内部温度)を検出する。例えば、後述の実験で使用することが可能なテルモ株式会社製の「コアテンプCM−210」では、皮膚の表面を断熱することにより表面温度が深部温度と一致することを応用して測定を行うように構成されている。測定又は測定結果より推定して深部温度を得る。深部温度センサ9は前記のコントローラ15に電気的に接続されており、推定した深部温度をコントローラ15に出力する。これによりコントローラ15は、被験者の踵部の温度を認識することができる。
本実施形態の骨評価装置1のコントローラ(演算手段を含む)15は、前述の踵部を透過する際の音速を演算する際に、深部温度センサ9から得られた被験者の踵部の温度(平衡時の温度)を取得し、予め得られている音速の温度特性の相関関係を用いて、音速の温度特性を補正する。これにより、温度特性の影響による測定値のバラツキを低減することができる。
なお、踵を透過する音速の踵部温度との相関は、以下のように臨床的な実験によって得られる。
実験は、踵部の温度と踵部を透過する音速を2回測定して、その測定値の変化を調べることで行われる。2回の測定は、明らかに温度が異なる条件で行うことが望ましい。例えば、冬と夏、また冬季でも朝と昼のように、冬季の朝の測定結果と比較するようにすると、精度の良い相関が得られる。
実際に、冬季(具体的には1月〜2月)において、22歳〜56歳の女性21名を被験者として踵部の温度及び踵部を透過する音速を、午前と午後の2回測定し、その測定値の変化を調べた。午前の測定は9時〜11時の時間帯に行い、実験を行った日の朝の外気温は6℃〜12℃で、9時頃に23℃〜26℃の室内に入った後に測定を行った。午後の測定は、午前の測定を行った日と同日の、14時から16時の時間帯に行った。なお、午前の測定後、午後の測定まで被験者は室内で待機させることとした。
踵部の音速は、前述の図1に示された構成で測定される。このような相関を求めるための実験には、音速の測定及び深部温度の測定にそれぞれ市販品を用いて行うことも可能である。
上記の実験の結果を、踵の深部温度の温度変化dTに対する踵部の音速の変化dVの形で、図3に示す。なお、dV=(午前の音速測定値−午後の音速測定値)、dT=(午前の深部温度測定値−午後の深部温度測定値)である。この実験で得られた踵の音速は1491〜1562m/sの範囲にあり、その平均は1511m/sであった。
この図3のグラフによれば、踵部の温度が上がれば音速は低下する傾向にあることが判る。プロットされた点を最小二乗法で直線近似すると、dV=−2.27dTの関係が得られた。前述の骨評価装置1では、例えばこの相関式を、踵部を透過する音速の補正に用いることが考えられる。
なお、補正に用いる相関係数には、上記のように臨床的に測定した結果だけでなく、物理的に検討した結果も用いることができる。例えば、踵の骨の大半を占める海綿骨や皮下脂肪などの軟組織の実測した温度係数から、補正係数を決めることもできる。踵を透過する音速の温度係数は平均的にはほぼ踵骨の温度係数に依存しており、約−2.5m/s/℃と推定され、これは臨床的な測定結果(dV=−2.27dT)とも近い値である。
このように、補正係数は実測値に基づくものであるので、臨床データや解析データの蓄積により、より精度の高い補正係数に変更することも可能である。
次に、上記の補正係数を用いた具体的な測定例について説明する。まず、装置の初期設定の段階で、上記の補正係数(即ち、温度変化に対する音速の変化の係数)を設定しておく。例えば、上記の臨床的実験の結果に基づき、−2.27m/s/℃という値を装置に入力し、コントローラ15に記憶させておく。更に、測定を行う場合の踵の基準温度を例えば30℃に設定し、これもコントローラ15に記憶させておく。
そして、スタンドオフ11・12により踵部を挟んだ実際の測定の際は、コントローラ15は、深部温度センサ9によって踵の温度(深部温度)を測定するとともに、音速Vを測定する。コントローラ15は、深部温度センサ9によって測定された踵の温度と上記の基準温度とを比較する。踵の温度が上記の基準温度以上であれば、通常の測定と同条件とみなし、音速Vの補正は行わない。
一方、測定された踵の温度が上記の基準温度を下回っていた場合、踵の温度と基準温度の差を求め、それに前記の係数を乗じることで温度補正値dVを求める。そして、この温度補正値を求めた形で音速Vを求め、この音速Vから骨伝播時の音速を計算する。こうすることで正確な測定値を得ることができる。
以上に示すように、本実施形態の骨評価装置1は、超音波振動子を備えつつ互いに対向するように対で配置されたスタンドオフ11・12と、上記スタンドオフのうち少なくとも一方(可動側スタンドオフ12)を移動させるラックアンドピニオン機構6と、前記超音波振動子間の距離を計測するエンコーダ8と、超音波振動子間の超音波の伝搬時間を計測するコントローラ15と、を含む。そして、前記ラックアンドピニオン機構6で可動側スタンドオフ12を移動させることによって踵部を挟み、このときの超音波振動子間の距離及び超音波振動子間の超音波伝搬時間を測定し、これらの測定値から被検体組織内の音速を求め、この求められた音速を用いて踵部の組織の評価を行うように構成されている。更に骨評価装置1は、スタンドオフ11・12により挟まれた状態の踵部の温度を測定又は推定する深部温度センサ9を備える。算出された被検体組織内の音速は、深部温度センサ9で得られた被検体の温度に基づいて補正され、補正後の音速を用いて被検体組織の評価を行う。
これにより、踵部の温度を測定してその被検体を透過する音速の演算値を補正することができ、踵部の温度による音速の測定値のバラツキ、ひいては骨塩量などの評価値のバラツキを低減することが可能になる。
なお、上記のような補正を行わなくても、測定された踵部の温度が予め設定した所定の範囲を外れた場合に警告表示をディスプレイやブザー等の出力手段で報知することとすれば、被検体の温度が通常よりも高すぎたり低すぎることに起因する不正確な測定を減少させることが可能で、これによっても音速の測定値の精度を向上させることができる。
また、本実施形態の骨評価装置1においては、足置き台3に深部温度センサ9が設置されているので、足置き台3に足を置くだけで踵部の温度の測定ができ、既存の骨評価装置に比較しても測定の手間は殆ど変わらない。また、温度計として深部温度センサ9が使用されているので、外気温の影響を少なくでき、また、刺針を用いたりせず非侵襲的に踵部の深部温度を測定できるので、被験者の測定の負担の増加は殆ど問題にならないレベルである。
なお、上記の実施形態では、深部温度センサ9により踵部の平衡時での温度を測定することとしていたが、これに限らず、例えば図4に示すように、平衡状態に達する前から踵部の表面温度を適当な時間間隔をおいて複数回測定するとともに、これら複数回の表面温度測定の少なくとも何れかにおいて同時に被検体内の音速を測定し、コントローラ15により、表面温度の複数回の測定値から表面と深部の温度がほぼ等しくなる平衡時の踵部の温度を推定しても良い。この場合は、踵部の温度測定に要する時間、ひいては音速の測定時間を短縮できる点で有利である。推定には、温度T0の物体とT1の物体とが接触したときの熱の移動による温度上昇の一般式を用いれば良い。また、温度は複数回測定して、例えば最小二乗近似により推定すれば良い。
以上に本実施形態の好適な実施形態を説明したが、上記の実施形態が種々変形されて実施されることは妨げられない。
例えば、深部温度センサ9は、SOSだけでなくBUAを測定する骨評価装置に適用することもできる。また、可動スタンドオフ12のみを移動させる構成に限定されず、一対のスタンドオフの両方を移動させて被検体を挟む構成であってもよい。また、超音波振動子の間隔は一定に保ち、被検体接触面11a・12aの少なくとも一方が移動する構成であっても良い。
更に、被検体は足の踵部に限定されず、必要に応じて適宜の部位を選択できる。ただし、足の踵部を被検体とすれば、評価装置をコンパクトとできるとともに、評価が簡単で、評価時の被験者の負担を軽減できる点で好ましい。
本発明の一実施形態に係る骨評価装置の全体的な構成を示した平面図。 骨評価装置の足置き台に被験者の足をセットした状態を示す要部側面図。 踵部を透過する音速と踵の温度との相関関係を調べる実験の結果を示すグラフ図。 平衡状態の踵の温度を平衡状態になる前の段階で推定する原理を示すグラフ図。
符号の説明
1 骨評価装置(超音波組織評価装置)
3 足置き台
6 ラックアンドピニオン機構(移動機構)
8 エンコーダ(距離計測手段)
9 深部温度センサ(温度測定手段、温度検出器)
11・12 スタンドオフ
11a・12a 被検体接触面
15 コントローラ(時間計測手段、演算手段を含む)

Claims (12)

  1. 互いに対向するように対で配置されるとともに、それぞれに超音波振動子が備えられたスタンドオフと、
    上記スタンドオフのうち少なくとも一方を移動させる移動機構と、
    前記超音波振動子間の距離を計測する距離計測手段と、
    前記超音波振動子間の超音波の伝搬時間を計測する時間計測手段と、を含み、
    前記移動機構でスタンドオフを移動させることによって被検体を挟み、このときの超音波振動子間の距離及び超音波振動子間の超音波伝搬時間を測定し、これらの測定値から被検体組織内の音速を求め、この求められた音速を用いて被検体組織の評価を行う超音波組織評価装置であって、
    前記スタンドオフにより挟まれた状態の被検体の温度を測定又は推定する温度測定手段を備え、
    算出された被検体組織内の音速が、前記温度測定手段で得られた被検体の温度に基づいて補正され、補正後の音速を用いて被検体組織の評価を行うことを特徴とする、超音波組織評価装置。
  2. 請求項1に記載の超音波組織評価装置であって、
    前記温度測定手段は、温度を適当な時間間隔をおいて複数回測定し、この複数回の測定値から平衡時の被検体の温度を推定することを特徴とする、超音波組織評価装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の超音波組織評価装置であって、前記被検体を置く置き台を備え、この置き台に前記温度測定手段が設けられていることを特徴とする、超音波組織評価装置。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の超音波組織評価装置であって、前記温度測定手段は深部温度センサであることを特徴とする、超音波組織評価装置。
  5. 被検体に対して超音波の送受波を行って組織評価を行う超音波組織評価装置であって、
    被検体を挟んで両側に一対の超音波振動子を設け、各超音波振動子の前面には、被検体と接触する被検体接触面が設けられており、
    また、前記被検体接触面の少なくとも一方が被検体に対して接離方向に移動可能に構成されているとともに、
    前記被検体の温度を測定し、その温度に基づいて被検体組織内の超音波の音速を補正し、その補正値を用いて被検体組織の評価を行うことを特徴とする、超音波組織評価装置。
  6. 被検体を挟んで両側に一対の超音波振動子を設け、被検体に対して超音波の送受波を行って組織評価を行う超音波組織評価装置であって、
    前記被検体の温度を測定し又は推定する温度測定手段を備え、
    前記温度測定手段によって測定された温度に基づいて、被検体内の音速を補正することを特徴とする、超音波組織評価装置。
  7. 被検体の表面温度を測定するセンサを含む温度検出器と、
    測定された前記表面温度に対応する前記被検体の内部温度に基づいて、前記被検体内の音速を補正する演算手段を備えていることを特徴とする、超音波組織評価装置。
  8. 請求項7に記載の超音波組織評価装置であって、
    前記温度検出器が、測定された前記表面温度に基づいて前記被検体の内部温度を推定し、推定された内部温度を前記演算手段に出力することを特徴とする、超音波組織評価装置。
  9. 請求項7に記載の超音波組織評価装置であって、
    前記温度検出器は、被検体の表面温度を適当な時間間隔をおいて複数回測定し、
    前記演算手段は、表面温度の複数回の測定値に基づいて、前記被検体の表面と内部の温度がほぼ等しくなる平衡温度を推定し、推定された平衡温度に基づいて、前記複数回の表面温度測定の少なくとも何れかにおいて同時に測定された前記被検体内の音速を補正することを特徴とする、超音波組織評価装置。
  10. 被検体の表面温度を測定し、
    測定された表面温度に対応する前記被検体の内部温度に基づいて前記被検体内の音速を補正することを特徴とする、超音波組織評価方法。
  11. 請求項10に記載の超音波組織評価方法であって、
    前記内部温度が所定の基準温度よりも低いときには、前記内部温度に基づいて前記被検体内の音速を補正し、
    前記内部温度が前記基準温度よりも高いときには、前記内部温度に基づいて前記被検体内の音速を補正しないことを特徴とする、超音波組織評価方法。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の超音波組織評価方法であって、
    被検体の表面温度を適当な時間間隔をおいて複数回測定するとともに、これら複数回の表面温度測定の少なくとも何れかにおいて同時に被検体内の音速を測定し、
    表面温度の複数回の測定値に基づいて、前記被検体の表面と内部の温度がほぼ等しくなる平衡温度を推定し、
    推定された平衡温度に基づいて、測定された被検体内の音速を補正することを特徴とする、超音波組織評価方法。
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