JP2011512976A - 骨密度測定のための装置および方法 - Google Patents

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Abstract

この発明の目的は、骨密度情報を形成する超音波装置である。較正された既知の距離Lとして、距離L1およびL2の少なくとも1つを用い、前記超音波装置は骨密度情報の形成のため、距離L1の間隔を有し、骨の中へ超音波信号を送信するための少なくとも2つの送信機100,102と、距離L2の間隔を有し、骨から超音波信号を受信するための少なくとも2つの受信機104,106とを備える。超音波装置は、第1の送信機100から前記超音波信号を受信するそれらの受信機104,106間の超音波信号の伝達時間差と、第2の送信機102から前記超音波信号を受信するそれらの受信機間の超音波信号の伝達時間差との平均で既知の距離を割ることによって、前記受信機104,106が受信した超音波信号に基づいて骨内の超音波速度を計算し、骨密度情報を形成するための処理装置101も備える。

Description

様々な理由から骨の密度が減少して骨格が弱くなり、様々な種類の骨折の危険性を増大させる。この現象は、骨粗鬆症と呼ばれる。
骨の密度は、骨を透過してきたX線の減衰を測る測定装置によって測定される。これらの装置は比較的高価である。特に、このような理由のため、骨の中または表面上を伝搬する機械的振動、すなわち超音波の測定に基づいた装置および方法がより普及してきた。
特許公報EP1507476A1(CENTRE NAT RECH SCIENT)に先行技術による超音波測定の装置が開示されている。当該先行技術において、超音波は少なくとも1つの送信機を用いて骨に送信し、いくつかの受信機を用いて受信する。そしてこれらの受信機間の距離はせいぜい1cmである。骨粗鬆症の情報は、フーリエ変換または行列計算を利用することによって形成された超音波空間−時間−周波数図に基づいて決定される。
公報EP1507476A1において、適用可能な周波数の範囲は100kHz−5MHzとされているが、実際にはEP1507476A1に開示されている送信機および受信機は、せいぜい0.5mしか離れておらず、1MHz以下の周波数は適用可能でない。
先行技術による骨の測定結果の形成には、最大の障害として、十分かつ信頼に足る測定結果を得るには、超音波信号の受信のために少なくとも10、実際には、いっそう多くの受信機を用いる必要がある。これは経済的コストをいっそう増大させる。
この発明の目的は、骨密度の測定を容易にうまく行うための方法および前記方法を利用する手頃な価格の装置である。これは骨密度の情報を形成する超音波装置により達成される。前記超音波装置は、骨密度情報の形成のため、距離L1の間隔を有し、骨の中へ超音波信号を送信するための少なくとも2つの送信機と、距離L2の間隔を有し、骨から超音波信号を受信するための少なくとも2つの受信機とを備え、較正された既知の距離Lとして、距離L1およびL2の少なくとも1つを用い、第1の送信機から前記超音波信号を受信するそれらの受信機間の超音波信号の伝達時間差と、第2の送信機から前記超音波信号を受信するそれらの受信機間の超音波信号の伝達時間差との平均で既知の距離を割ることによって、前記受信機が受信した超音波信号に基づいて骨内の超音波速度を計算し、骨密度情報を形成するための処理装置を備える。
この発明の目的は骨密度情報の形成のための方法でもある。この方法において、距離L1の間隔を有する少なくとも2つの送信機によって骨の中へ超音波信号を送信し、距離L2の間隔を有する少なくとも2つの受信機によって骨から超音波信号を受信し、較正された既知の距離Lとして、L1およびL2の少なくとも1つを用い、第1の送信機から前記超音波信号を受信するそれらの受信機間の超音波信号の伝達時間差と、第2の送信機から前記超音波信号を受信するそれらの受信機間の超音波信号の伝達時間差との平均で既知の距離Lを割るようにして、前記受信機が受信した超音波信号に基づいて骨密度情報を形成するために計算する。
この発明による骨密度測定において、超音波の伝搬速度が測定される。前記超音波は骨表面または骨内を伝搬し、実質的には骨の表面方向に沿って伝搬して超音波速度の測定に基づく先行技術の骨密度測定方法に存在する問題を最小限に抑える。この発明は、0.5MHz以下の周波数で実施するのが好ましく、この発明の利用においてはフーリエ変換の使用は必要ない。
この発明は、軟組織および骨を通り抜けて最速ルートに沿って伝搬する超音波の速度計算に基づいて、骨粗鬆症のための応答データを決定することを基礎とする。この方法において、異なる場所に位置する少なくとも2つの送信機を用いて超音波信号を骨の中へ送信し、異なる場所に位置する受信機によって各超音波信号を骨から受信する。送信機または受信機間の距離Lは既知である。
この発明はさらに、較正部の温度を測定し、較正部で較正する距離Lに対する超音波の伝達時間を測定し、前記測定温度において較正部で測定された伝達時間および既知の超音波測度に基づいて距離Lを計算することを基礎とする。較正された距離情報は、第1の送信機から前記超音波信号を受信するそれらの受信機間の超音波信号の伝達時間差と、第2の送信機から前記超音波信号を受信するそれらの受信機間の超音波信号の伝達時間差との平均で既知の距離を割るようにして、前記受信機が受信した超音波信号に基づいて骨密度情報を形成するため、骨内の超音波速度の計算に利用される。
この発明の利点は、骨粗鬆症が骨折を引き起こす前に、測定によって確実に発見し、栄養物の変更または薬物の使用によって骨粗鬆症の予防を可能にすることである。骨粗鬆症が十分早期に発見されれば、様々な保護手段を用いることによって骨折の危険性も最小限に抑えられる。
図1は、測定のため皮膚上に設置するこの発明による測定ヘッドを示す。 図2は、この発明の第1の好ましい実施形態による測定を示す。 図3は、この発明の第2の好ましい実施形態による測定を示す。 図4A−4Bは、超音波の質を調査するためのこの発明による超音波装置を示す。 図5は、この発明による処理装置を示す。
超音波は、様々な媒質およびそれらの界面において様々な伝搬特性を有する媒質内を伝搬する機械的振動と描写できる。超音波の周波数が同一のとき、媒質の組成によって速度が変化する。
この発明による実施形態においては、2つの超音波センサを用いるだけで十分である。第1のセンサは骨の中へ超音波を送信するための送信機であり、第2のセンサは骨から超音波を受信するための受信機である。実際には、骨とセンサ間の軟組織層が、軟組織層が有する様々な構成および厚さに依存する測定エラーを引き起こす。それゆえ、超音波センサを2つだけ用いることは、医学の分野において満足しうる測定結果を得るには、しばしば不十分である。
この発明による超音波装置の測定ヘッドは、列をなした少なくとも4つの超音波センサを備え、そのうち少なくとも2つのセンサを患者に超音波信号を送信するために用い、少なくとも2つのセンサを患者から超音波信号を受信するために用いる。
図1は、測定のため皮膚上に設置するこの発明による測定ヘッドを示す。図1は、横断面図として軟組織層105および骨107を示す。測定ヘッドは、軟組織層を通り抜けて超音波を骨の中へ送信するための少なくとも2つの送信機100,102と、軟組織層を通り抜けて骨から超音波を受信するための少なくとも2つの受信機104,106とを備える。測定ヘッド103から処理装置101へ有線または無線のデータ接続109があり(図4B)、当該処理装置は受信機が受信した測定データを処理する。
図2に示されるこの発明の第1の好ましい実施形態において、骨密度情報の形成のための超音波装置は、骨の中へ超音波信号を送信するための2つの送信機100,102を測定ヘッド103内に備える。前記送信機間の距離L1は既知である必要はない。測定された既知の距離L2の間隔を有するように設置した測定ヘッド103内の受信機104,106によって、骨から超音波信号を受信する。第1の送信機が少なくとも1つのパルス状の超音波信号を、軟組織を通り抜けて骨の中へ送信するように超音波の第1の伝達時間測定を行う。超音波は骨表面または骨内を伝搬する。骨表面または骨内を伝搬するとき超音波は減衰し、骨および軟組織の接合部分を通じて超音波エネルギーの一部が軟組織に移る。超音波が第1の受信機104近くに到達すると、超音波エネルギーの一部が軟組織を通り抜けて第1の受信機に移り、超音波の他の部分がさらに伝搬する。超音波が第1の受信機と同じ方向でさらに遠くに位置する第2の受信機106近くに到着すると、超音波エネルギーの一部は、軟組織を通り抜けて第2の受信機に移り、超音波の他の部分はさらに遠くに伝搬する。
超音波信号の伝搬速度は、軟組織がなければ、送信機から受信機まで、あるいは第1の受信機から第2の受信機まで、互いの距離が既知のとき、骨に沿って信号の伝達に要する時間の測定によって得られる。実際の測定においては、その限度として、信号が軟組織を通り抜ける時間に測定結果に影響を与える未知の位置要因がある。信号が2つの受信機間を伝達する時間を測定するとき、軟組織を通り抜ける時間は、軟組織が両方の受信機において等しく同じ厚さなら誤差を生じない。実際の測定においては、状況はそうではなく、受信機において軟組織を通り抜けた伝達時間差に依存して時間測定に誤差が生じる。
この発明による実施形態においては、第1の送信機100から送信された前記超音波信号と同様に、第2の送信機から少なくとも1つのパルス状の超音波信号を、実質的に反対方向から受信機104,106に軟組織を通り抜けて骨の中へ送信することによって第2の超音波の伝達時間測定が行い、前記誤差を取り除く。それゆえ、第2の送信機102が送信した前記超音波は、最初に第2の送信機106に到達し、その後、第1の送信機104に到達する。受信機104,106は、第1の送信機100が送った超音波信号を受信するのと同様に、適時異なる順序で、第2の送信機が送った超音波信号を受信する。
前記第1および第2の伝達時間測定において、軟組織層を通り抜ける伝達時間の間の抽出(extraction)によって引き起こされる変化は同じであるが反対符号、すなわち絶対値は同じである。受信機104,106間の既知の距離L2、すなわち骨表面に投影された距離を第1および第2の伝達時間測定における測定時間値の平均値で割り、軟組織層によって引き起こされた測定誤差を前記のように除去することによって超音波速度を計算する。送信機100,102から受信機104,106への距離は既知である必要はなく、測定ヘッド103および軟組織間の関係を正確に調整する必要はない。
この発明の第1の好ましい実施形態は、以下のような方程式で与えられる。
Figure 2011512976
ここで、Vは超音波の速度、L2は受信機間の既知の距離、t0は第1の送信機から送られる超音波の送信時間、t1は第2の送信機から送られる超音波の送信時間、tb0は第1の送信機から送られてきた超音波信号を第1の受信機が受信する時間、tc0は第1の送信機から送られてきた超音波信号を第2の受信機が受信する時間、tb1は第2の送信機から送られてきた超音波信号を第1の受信機が受信する時間、tc1は第2の送信機から送られてきた超音波信号を第2の受信機が受信する時間である。
図3に示されるこの発明の第2の好ましい実施形態は、この発明の前記第1の好ましい実施形態に極めて似ているが、主な違いは、計算に必要な既知の距離は受信機104,106の間に位置する送信機100,102間の既知の距離である。前記受信機104,106間の距離L2は、この発明の第2の好ましい実施形態において既知である必要はない。
この発明の第1の好ましい実施形態のように、送信機および受信機104,106を測定ヘッド103に列をなして設置する。超音波の第1の伝達時間測定は、第1の送信機が軟組織を通り抜けて骨の中へ少なくとも1つのパルス状の超音波信号を送信するように行い、超音波は骨表面または骨内を伝搬する。骨表面または骨内を伝搬するとき超音波は減衰し、骨および軟組織の接合部分を通じて超音波エネルギーの一部が軟組織に移る。超音波が第1の受信機104の近くに到達すると、超音波エネルギーの一部が軟組織を通り抜けて受信機104に移る。超音波が受信機104と反対方向でさらに遠くに位置する受信機106近くに到達すると、超音波エネルギーの一部は、軟組織を通り抜けて受信機106に移る。
この発明の第2の好ましい実施形態において、超音波の第2の伝達時間測定は、第2の送信機102から少なくとも1つのパルス状の超音波信号を、軟組織を通り抜けて骨の中へ送信することによって行われ、超音波は骨表面または骨内を伝搬する。超音波が受信機106の近くに到達すると、超音波エネルギーの一部が軟組織を通り抜けて受信機106に移る。超音波が受信機104と反対方向において、さらに遠くに位置する受信機104の近くに到達すると、超音波エネルギーの一部は、軟組織を通り抜けて受信機104に移る。
第1および第2の伝達時間測定において、軟組織層を通り抜ける伝達時間の間の抽出によって引き起こされる変化は同じであるが反対符号、すなわち絶対値は同じである。受信機100,102間の既知の距離L1、すなわち骨表面に投影された距離を第1および第2の伝達時間測定における測定時間値の平均値で割り、軟組織層により生じた測定誤差を前記のように除去することによって超音波速度を計算する。送信機100,102から受信機104,106への距離は既知である必要はなく、測定ヘッド103および軟組織間の関係は正確に調整される必要はない。
この発明の第2の好ましい実施形態は、以下のような方程式で与えられる。
Figure 2011512976
ここで、Vは超音波の速度、L1は受信機間の既知の距離、t0は第1の送信機から送られる超音波の送信時間、t1は第2の送信機から送られる超音波の送信時間、tb0は第1の送信機から送られてきた超音波信号を第1の受信機が受信する時間、tc0は第1の送信機から送られてきた超音波信号を第2の受信機が受信する時間、tb1は第2の送信機から送られてきた超音波信号を第1の受信機が受信する時間、tc1は第2の送信機から送られてきた超音波信号を第2の受信機が受信する時間である。
第1および第2の実施例において、超音波装置は、受信機104,106が受信する超音波信号に基づいて骨内の超音波速度を計算することによって骨密度情報を形成するための処理装置101(図5)を備える。図4Bに示される処理装置101に、受信機が受信する測定データがデータ接続109を介して中継される。処理装置は表示装置111に接続された処理装置、キーボードを備えるコンピュータまたはその同等物である。当該処理装置から処理された測定データが調査でき、当該キーボードから制御処理コマンド等が処理装置に、そして処理装置を介して超音波装置全体に与えられる。処理装置101は、第1の送信機100から前記超音波信号を受信する受信機104,106間の超音波信号の伝達時間差と、第2の送信機102から前記超音波信号を受信するそれらの受信機間の超音波信号の伝達時間差との平均によって既知の距離を割るようにして計算を行う。測定データの処理に必要な電子装置は、処理装置101内以外の他の場所、例えば測定ヘッド103内にも位置可能である。この発明の第1の好ましい実施形態において、既知の距離は受信機間の距離L2であり、この発明の第2の好ましい実施形態において、既知の距離は送信機間の距離L1である。いずれの実施形態においても、この発明の利点は既知の距離が少なくとも1cmのときに最適化されるが、この発明はそれより短い距離でも使用可能である。
この発明の好ましい実施形態において、超音波装置は、異なる時間に異なる送信機100,102で骨の中へ超音波信号を送信するための送信機100,102を備える。
送信機100,102として、様々な骨密度を測定する状況(situations)における超音波信号用に様々な周波数を形成するための多周波数送信機を用いることができる。また、受信機104,106として、様々な骨密度を測定する状況における様々な周波数を含む前記超音波信号を受信するための多周波数受信機を用いることができる。様々な周波数を用いて行うこれらの骨密度測定は、調査される対象の相互補完的な骨密度情報を与える。好ましい実施形態において、送信機100,102は骨の中へ100−500kHzの周波数の超音波信号を送信し、受信機104,106は骨から100−500kHzの周波数の超音波信号を受信する。
図4A−4Bにおいて、この発明による超音波装置用の較正装置が示されている。この発明の第1および第2の好ましい実施形態において、測定ヘッド103は、送信機100,102および受信機104,106が、相互の相対位置が同一に保たれるよう、しっかり測定ヘッドに固定されるように作製される。
測定ヘッドの製造の間、較正部112の温度を測定し、較正部内で較正する距離Lに対する超音波の伝達時間を測定し、その後、測定された伝達時間および前記温度における較正部112内の既知の超音波速度に基づいて伝達時間および速度を掛けることによって、距離Lを計算する。この発明の第1の好ましい実施形態において、距離L2に対して較正を行い、この発明の第2の好ましい実施形態において、距離L1に対して較正を行う。当該測定において、例えば、プラスチックのような骨を模倣した材料を含む較正部112を用いることができる。超音波装置のユーザに較正装置とともに較正部112を供給し、超音波装置の使用中にチェックのための較正を行うこともできる。
較正プログラムは、超音波装置とともに供給される較正装置の一部として、処理装置101(図5)の処理にプログラムで統合される。当該装置は、様々な温度における既知の距離に対して距離Lを較正するため、測定ヘッドの製造段階で必要となる前記較正部112を含むこともできる。この発明による骨密度測定を実施するとき、温度Tも測定する。そして、測定された温度に基づいて、より正確な骨密度情報の形成のための較正を行うことにより、較正プログラムは骨内の超音波速度の計算のために用いる既知の距離Lに関する正確な情報を計算する。
図4Aは、超音波信号の質を調査するためのこの発明の第1の好ましい実施形態による超音波装置を示す。前記超音波装置は、超音波信号の質を調査するための測定ヘッド103内に、骨からの超音波信号を受信する少なくとも1つの受信機110を備える。前記受信機は、第1の受信機104から既知の距離L5に、第1の送信機100および第2の送信機102間の第2の受信機106から既知の距離L6に位置する。図2に示されるように、既知の距離L2は、受信機104,106間の距離である。この発明の第1の好ましい実施形態に関連して、受信機110は、送信機100によって第1の方向から、送信機102によってその反対方向から送信する超音波信号を受信機104,106とともに受信する。そして、受信した信号に基づいて既知の距離L2,L5,L6における超音波速度を計算する。もし、既知の距離L2,L5,L6における超音波速度が明らかに異なる、あるいはいくつかの速度値が測定さえできないことが判明すると、いくつかの超音波センサが皮膚の表面上に適切に接触していないか、あるいはいくつかの超音波センサが故障していることに留意しうる。速度間の大きな差は、例えば5%になりうるが、これよりずっと小さくも、ずっと大きくもなりうる。このように、ユーザはセンサの測定位置をより良くするように教えられ、測定ヘッド103が制御チェックやサービスを要するときは、自動的に警報を鳴らすサービス警報を行うことができる。
図4Bは、超音波信号の質を調査するためのこの発明の第1の好ましい実施形態による超音波装置を示す。前記超音波装置は、超音波信号の質を調査するための測定ヘッド103内に、骨からの超音波信号を送信する少なくとも1つの送信機108を備える。前記送信機108は、第1の送信機100から既知の距離L3に、第1の受信機104および第2の受信機106間の第2の送信機102から既知の距離L4に位置する。図3に示されるように、既知の距離L1は、送信機100,102間の距離である。各送信機によって次々に送信した信号を受信機104,106が受信し、受信した信号に基づいて既知の距離L1,L3,L4における音速値を計算する。もし、既知の距離L1,L3,L4における超音波速度が明らかに異なる、あるいはいくつかの速度値が測定さえできないことが判明すると、いくつかの超音波センサが皮膚の表面上に適切に接触していないか、あるいはいくつかの超音波センサが故障していることに留意しうる。速度間の大きな差は、例えば5%になりうるが、これよりずっと小さくも、ずっと大きくもなりうる。このように、ユーザはセンサの測定位置をより良くするように教えられ、測定ヘッド103が制御チェックやサービスを要するときは、自動的に警報を鳴らすサービス警報を行うことができる。
図4Aに関連して、最高速度を有する第1の波が第2の波よりも低いバースト状の超音波によって、より発展した方法で品質検査を行うことができる。第1の好ましい実施形態(図2)で述べたように既知の距離L5,L6およびL2を用いることにより、受信機104,106および110が受信することによって超音波速度を測定する。もし、距離L1,L3,L4における超音波速度が明らかに異なり、例えば5%になるか、あるいはいくつかの速度値が測定さえできないことが判明すると、いくつかの受信機または送信機が皮膚の表面上に適切に接触していないか、いくつかの受信機または送信機が故障していることに留意しうる。これは、例えば皮膚上に接触不良を有する受信機が第1の低い波を受信できない、および/または接触不良を有する送信機が極低超音波しか送信していないことにより引き起こされる。速度間の大きな差は、例えば5%になりうるが、これよりずっと小さくも、ずっと大きくもなりうる。
図4Bに対応して、この発明の第2の好ましい実施形態(図3)で述べたように既知の距離L3,L4およびL1を用いることにより、送信機100,102および108が送信した超音波を受信機104,106が受信することによって超音波速度を測定する。もし、受信機が受信した超音波速度が明らかに異なり、例えば5%であることが判明すると、いくつかの受信機が皮膚の表面上に適切に接触していないか、いくつかの受信機が故障していることに留意しうる。これは、例えば皮膚上に接触不良を有する受信機が第1の低い波を受信できないおよび/または接触不良を有する送信機が極低超音波しか送信していないことにより引き起こされる。速度間の大きな差は、例えば5%になりうるが、これよりずっと小さくも、ずっと大きくもなりうる。
100,102,108・・・送信機
101・・・処理装置
103・・・測定ヘッド
104,106,110・・・受信機
105・・・軟組織層
107・・・骨
109・・・データ接続
111・・・表示装置
112・・・較正部
L・・・較正された既知の距離
L1,L3,L4・・・送信機間の距離
L2,L5,L6・・・受信機間の距離

Claims (16)

  1. 距離L1の間隔を有し、骨の中へ超音波信号を送信するための少なくとも2つの送信機(100,102)と、
    距離L2の間隔を有し、骨から超音波信号を受信するための少なくとも2つの受信機(104)とを備え、
    較正された既知の距離Lとして、距離L1およびL2の少なくとも1つを用い、
    第1の送信機(100)から前記超音波信号を受信するそれらの受信機(104,106)間の超音波信号の伝達時間差と、第2の送信機(102)から前記超音波信号を受信するそれらの受信機間の超音波信号の伝達時間差との平均で既知の距離を割ることによって、前記受信機(104,106)が受信した超音波信号に基づいて骨内の超音波速度を計算し、骨密度情報を形成するための処理装置(101)も備えることを特徴とする、骨密度情報の形成のための超音波装置。
  2. 前記既知の距離は、少なくとも1cmである請求項1に記載の超音波装置。
  3. 異なる時間に異なる送信機100,102で骨の中へ超音波信号を送信するための送信機(100,102)を備える請求項1に記載の超音波装置。
  4. 送信機(100,102)として、異なる骨密度を測定する状況において、超音波信号用に異なる周波数を形成するための多周波数送信機と、受信機(104,106)として、異なる骨密度を測定する状況において、異なる周波数を含む前記超音波信号を受信するための多周波数受信機とを備える請求項1に記載の超音波装置。
  5. 骨の中へ100−500kHzの超音波信号を送信するための送信機(100,102)および骨から100−500kHzの超音波信号を受信するための受信機(104,106)を備える請求項1に記載の超音波装置。
  6. 超音波信号の質を調査するため、骨の中へ超音波信号を送信するための少なくとも1つの送信機(108)であって、前記送信機(108)は、第1の送信機(100)から既知の距離L3および第2の送信機(102)から既知の距離L4に位置する請求項1に記載の超音波装置。
  7. 超音波信号の質を調査するため、骨から超音波信号を受信するための少なくとも1つの受信機(110)であって、前記受信機(110)は、第1の受信機(104)から既知の距離L5および第2の受信機(106)から既知の距離L6に位置する請求項1に記載の超音波装置。
  8. プログラムで統合された較正プログラムからなる較正装置と、既知の距離を較正するための較正部(112)とを備え、前記較正部(112)において様々な温度における超音波速度が既知である請求項1に記載の超音波装置。
  9. 距離L1の間隔を有する少なくとも2つの送信機(100,102)によって骨の中へ送信し、
    距離L2の間隔を有する少なくとも2つの受信機(104,106)によって骨から受信し、
    較正された既知の距離Lとして、距離L1およびL2の少なくとも1つを用い、
    骨内の超音波速度を、第1の送信機(100)から前記超音波信号を受信するそれらの受信機(104,106)間の超音波信号の伝達時間差と、第2の送信機(102)から前記超音波信号を受信するそれらの受信機(104,106)間の超音波信号の伝達時間差との平均で既知の距離Lを割るようにして、前記受信機(104,106)が受信した超音波信号に基づいて骨密度情報の形成のために計算することを特徴とする、骨密度情報の形成のための方法。
  10. 既知の前記距離は、少なくとも1cmである請求項9に記載の方法。
  11. 前記超音波装置は、異なる時間に異なる送信機100,102で骨の中へ超音波信号を送信する請求項9に記載の方法。
  12. 異なる骨密度を測定する状況において超音波信号用に様々な周波数を形成するための送信機(100,102)として多周波送信機および受信機(104,106)として多周波数受信機を用いることにより、異なる骨密度測定が様々な周波数を含む超音波信号で行われる請求項9に記載の方法。
  13. 100−500kHzの超音波信号を骨の中へ送信し、骨から受信する請求項9に記載の方法。
  14. 前記超音波装置は、超音波信号の質を調査するため、骨の中へ超音波信号を送信する少なくとも1つの送信機(108)であって、前記送信機(108)は、第1の送信機(100)から既知の距離L3および第2の送信機(102)から既知の距離L4に位置する請求項9に記載の方法。
  15. 前記超音波装置は、超音波信号の質を調査するため、少なくとも1つの受信機(110)によって骨から超音波信号を受信し、前記受信機(110)は、第1の受信機(104)から既知の距離L5および第2の受信機(106)から既知の距離L6に位置する請求項9に記載の方法。
  16. 距離Lを確認するため、超音波の速度が様々な温度において知られている較正部(112)を用いて較正測定を行い、当該較正測定において、
    較正部(112)の温度を測定し、
    較正部において較正する距離Lに対する超音波の伝達時間を測定し、
    測定温度で較正部(112)において測定された伝達時間および既知の超音波速度に基づいて距離Lを計算する請求項9に記載の方法。
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