JP2006288916A - 動体視力の測定ひいては向上のためのプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 動体視力プログラム1を提供する。このプログラムを実行しているCPU11は、複数種類のボールを画面21に表示することによって、正しく回答するには個々のボールをその種類を含めて見分ける必要がある問題を出し、問題が出された時点以降の開始時点から開始する待ち受け時間内にキーボード30の操作によって入力された情報を受け取り、上記開始時点から当該情報を受け取るまでの時間を計測し、当該問題に対して正しい回答が入力されたか否かを当該情報に基づいて判定して判定結果を揮発性メモリ16に書き込み、当該判定結果が肯定的な場合には当該判定結果に対応付けて、計測した時間を揮発性メモリ16に書き込む。
【選択図】 図10
Description
また、このプログラムによる測定では、対応すべき事象は複数種類の動体が画面に表示されることによって生起し、この事象に正しく反応するには個々の動体をその種類を含めて見分ける必要がある。前述のように、現実の局面では複数の動体を見分ける必要があるのが普通であるから、このプログラムによれば、現実に必要とされる動体視力を測定することができる。
また、測定に必要な装置はコンピュータのみである。したがって、大掛かりな設備や専用の装置を用意する必要がなく、容易に動体視力を測定することができる。
以上をまとめると、このプログラムによれば、現実に必要とされる動体視力を容易に測定することができる。
動体は見分けられるべき仮想的な存在であり、その映像(画像)を通じてのみ視認され得る。したがって、動体を画面に表示することは、動体の映像を画面に表示することと等価である。動体の映像は、動体を画面に映した像である。したがって、動体が存在する空間が画面と一致していれば、動体の映像は動体そのものとなる。また、1つの事象を通じて変化のない存在は動体ではない。動体の変化としては、位置の変化や形状の変化、色の変化、柄の変化、大きさの変化、有無の変化などが挙げられる。
2つの動体は、両者間で特定の視覚的属性が共通していれば1種類の動体となり、共通していなければ2種類の動体となる。動体の視覚的属性は、動体の属性のうち視覚を通じて感じることができる属性であり、動体の映像に現れる。動体の視覚的属性としては、位置や形状、色、柄、大きさ等を挙げることができる。本来、いかなる視覚的属性を特定の視覚的属性とするかは任意であるが、形状、色、柄および大きさを特定の視覚的属性とするのが好適である。
また、使用者は、正しく反応するために、外側については、動体の表示位置に応じた操作子を操作する必要がある。つまり、状況に応じて反応の内容を変える必要がある。現実の局面では状況に応じた反応が要求されることが多いことを考えると、このプログラムによれば、より現実に即した動体視力を測定することができることになる。さらに、内側についての操作子と外側についての操作子は必ずしも一致せず、むしろ異なるのが自然である。つまり、使用者は、動体の表示位置に応じた操作子および内側についての操作子から、適切な操作子を選択して操作しなければならない。よって、より現実に即した動体視力を測定することができる。
これに対して、上述したプログラムを用いたトレーニングでは、必要なのは、プログラムと当該プログラムを実行可能なコンピュータのみである。したがって、時間や場所の制約は緩い。また、トレーニングはトレイニーが画面を見て操作子を操作することによって行われる。したがって、一人で行うことが可能であるし、安全でもある。また、トレイニーに要求される行動は、画面を見ることと操作子を操作することのみである。したがって、トレイニーは動体視力のトレーニングに意識を集中し易い。よって、効率的である。つまり、従前のトレーニング方法における上述の問題の全てを解決することができる。
動体を見るという行為は、動体を眼球が捉えて、その映像情報を取り込み、それを脳が映像処理(視覚認識)するということに他ならない。言い換えると、眼球という入力装置を使って脳が見ているのである。眼球を動かしているのは、6つの眼筋(内直筋、外直筋、上直筋、下直筋、上斜筋、下斜筋)である。そして、映像情報を処理しているのは脳である。したがって、動体視力は、眼球を動かしている6つの眼筋の運動能力及び、脳の映像処理能力を高めることで向上する。
本発明に係る動体視力トレーニングでは、トレイニーは表示された複数種類の動体を必然的に眼球で追うことになるから、眼筋の運動能力の向上が効率的に図られる。
最初は速いと感じるスピードでも、それよりさらに速いスピードレベルに脳を順応させた後に見ると、当初感じたスピードより遅く感じる。遅く感じるので当然、速く感じていた時よりも反応の精度が高まる。これについては、似たような現象を身近なところで簡単に体験することができる。例えばバッティングセンターにおいて、最初に時速100kmのボールを見て速く感じたとしても、時速130kmのボールで目(脳)を慣らした直後に、再度時速100mのボールを見ると先ほどに比べて非常に遅く感じる。遅く感じるから先ほどより打ちやすくなる。その他、車の運転などでも同じような現象を体験することができる。脳はその環境に順応する性質をもっているので、高速かつ大量な映像情報を送り込んでやると、しばらくしてその状況に順応していくことができる。
例えば、本発明に係る動体視力トレーニングでは、動体の映像情報が視覚を通じて脳に送り込まれる。人間の五感のうち視覚が脳に占める割合は極めて高いから、本発明に係る動体視力トレーニングによれば、脳をおおいに刺激して活性化させることができる。これは、脳損傷者のリハビリや痴呆症防止の対策にも有効である。
動体視力を向上させるためには、動体を見分けるまでの時間を短縮し、同時にその反応の精度をも高める必要がある。つまり、速く正確に反応しなければならない。前述のように、反応速度(反応時間)と反応精度は一般的にトレードオフの関係にあり、これらを同時に向上させるトレーニングが必要である。
空手道において、敵の攻撃に対する防御のプロセスを概説すると以下の通りである。
(1)相手が攻撃に入る初期動作(映像)を眼球が捉える。
(2)眼球からの映像を用いて脳が状況を把握し、次にとるべき動作(防御)を判断する。
(3)判断に応じた情報を神経が伝達する。
(4)伝達された情報に従って筋肉群が収縮して一連の運動(防御)となる。
このプロセスの中で動体視力と強く関係するのは(1)〜(3)である。したがって、(1)〜(3)にかかる時間を短縮することができれば、反応時間(反応速度)も短縮されることになる。よって、(1)〜(3)にかかる時間をいかに短縮するかが動体視力の向上の鍵となる。
本発明に係る動体視力トレーニングでは、反応動作は操作子の操作のみである。したがって、(1)〜(3)にかかる時間と略同一の時間を計測することができる。よって、(1)〜(3)にかかる時間を重視したトレーニングが可能となる。
実験により、動体を認識するまでの時間や、視点の軌道には個人差があり、特にスポーツにおける初級者と上級者の間ではかなりの差があることが分かっている。つまり、見る技術には優劣があり、見る技術の差が、競技における勝敗にも関係すると考えられる。視点の軌道は反応までの時間の長さに影響するものであり、見る技術の優劣は動体視力の高低に直結する。したがって、見る技術を向上させることにより、動体視力の向上を図ることができる。
ただ漫然と動体を眺めていても、視覚刺激を受けているに過ぎず、テレビゲーム等の遊戯をしているのと変わりがなく、動体視力は向上し難い。目的意識が必要なのである。本発明に係る動体視力トレーニングでは、動体視力が測定されるから、少なくとも、測定結果を上げる目的を持つことができる。したがって、動体視力を効率よく向上させることができる。しかし、このような目的で行ったトレーニングにより動体視力が向上しても、本来の競技に活かされない可能性がある。これは、実際の反応動作を意識せずにトレーニングを行っているからである。前述のように、動体視力とは、動体を眼球で捉え、その映像を脳で処理し、その状況に反応する能力である。しがたって、動体視力トレーニングは、反応動作にまで結びつかなければ意味をなさない。例えば、野球のバッティング能力を向上させることを目的として動体視力トレーニングを行うのであれば、その際には野球のバッティング(反応動作)をイメージすべきである。これが、動体視力の向上をバッティング能力の向上に直結させるトレーニングとなるのである。
図1は、本発明の実施の形態に係るプログラム(動体視力プログラム1)を実行するパーソナルコンピュータ100の外観を示す斜視図である。この図に示すように、パーソナルコンピュータ100は、コンピュータ本体10と、コンピュータ本体10に接続された表示装置20、キーボード30およびスピーカ装置40とを有する。
キーボード30は、押下(操作)されたキー(操作子)に固有の信号を出力する。キーボード30には多数のキーが配置されている。これらのキーのうち、後述のテスト処理において操作されるのはテンキー31とエンターキー32である。キーボード30は一般的なキーボードであり、テンキー31における「1」〜「9」の数字キーの配列も一般的なものとなっている。テンキー31およびエンターキー32の配置位置も一般的なものとなっており、両者を同時に片手で操作するのは困難である。
スピーカ装置40は、図示しないスピーカを有し、信号の供給を受けて当該信号に応じた音を当該スピーカから発する。
[2−1.全体的な処理]
まず、全体的な処理の流れについて説明する。
図3は、動体視力プログラム1による処理の流れを示すフローチャートである。
この図に示すように、CPU11は、まず、レベルを特定する(ステップS1)。特定されるレベルは使用者のレベルである。ここで「レベル」について説明する。動体視力プログラム1は動体視力の測定ひいては向上を目的としたものであり、テスト結果が予め定められた数値基準を満たした場合にのみ次の段階に進めるように構成されている。この数値基準を「レベルアップ基準」と呼ぶ。レベルアップ基準には段階があり、この段階がレベルに相当する。したがって、使用者のレベルとは、使用者の動体視力をテスト結果および数値基準に基づいて評価した値である。テスト結果は後述のように不揮発性メモリ15の書き換え可能な記憶領域に書き込まれる。よって、CPU11は不揮発性メモリ15からテスト結果を読み出し、これを予め定められたレベルアップ基準と比較することによって使用者のレベルを特定する。ただし、動体視力プログラム1の最初の実行ではテスト結果が存在しないため、CPU11は、最低のレベルを使用者のレベルとする。
ボールは使用者に見分けられるべき仮想的な存在であり、この実施の形態においては、ボールの映像(画像)そのものである。例えば、図4においては、ハッチングが付されているもののみがボールである。以上より明らかなように、CPU11がボールを画面21に表示することは、CPU11がボールの映像を画面21に表示することと等価である。また、ボールは1つの問題において変化し得る存在である。変化し得ないものはボールではない。この実施の形態におけるボールの変化としては、位置の変化や形状の変化、色の変化、および有無の変化がある。なお、ボールの種類は、ボールの生成から消滅まで一貫しており、途中で種類が変わる動体は存在しない。この実施の形態では、形状、色、柄および大きさが共通しているボールを同種のボール、これらのいずれか一つでも異なるボールを別種のボールとして扱っている。
次に、テスト処理の具体的な内容について説明する。ただし、以降の説明では、第1テストが選択された場合のテスト処理を第1テスト処理、第2テストが選択された場合のテスト処理を第1テスト処理、…、第5テストが選択された場合のテスト処理を第5テスト処理と呼ぶ。また、以降の説明において、「出題数」とは、実行中のテスト処理において現実に出された問題の数を意味する。
第1テスト処理により行われるテストは、広い視野を伴った動体視力の測定ひいては向上を目的とする。このテストでは、図4に示すように、画面21において、長方形のグリッド枠Gの内側領域(以降、内側フレーム)では予測困難な軌道で移動しつつ分裂および消滅する比較的に小さな暗緑色のボール(以降、「内側ボール」)が一時的に変形および変色することにより問題が出される一方、グリッド枠Gの外側領域(以降、外側フレーム)では比較的に大きな明るい緑色のボール(以降、「外側ボール」)が予測困難な位置に一時的に出現することにより問題が出される。つまり、画面21の内側と外側で同時並行的に出題がなされる。したがって、使用者は視野を広げて画面21全体を把握しなければならない。よって、上記の目的を達成することができる。また、内側フレームでの出題に対する回答の入力にはエンターキー32を用いる必要があり、外側フレームでの出題に対する回答の入力にはテンキー31を用いる必要があるから、使用者は両手を独立して同時に使う必要がある。これは、より現実に即した動体視力の測定ひいては向上に寄与する。
図10は内側処理の流れを示すフローチャートである。
内側処理では、CPU11は、まず、複雑表示を開始する(ステップSa1)。これにより、画面21の内側に内側ボールが表示される。内側ボールは、予測困難な軌道で移動しつつ、分裂(倍増)を繰り返して増加し、所定の個数(例えば16個)まで増加すると分裂を止めて消滅(半減)を開始し、1個まで減少すると再び分裂を開始する。内側ボールの分裂および消滅の時間間隔は例えば10sに固定されている。内側ボールの移動速度はある範囲内の値であり、所定の時間(例えば3〜10s)間隔でランダムに変化し得る。この範囲の広狭は、テストの難易度が使用者のレベルに応じたものとなるように定められている。つまり、使用者のレベルが高くなると、当該範囲が広くなり、使用者は内側ボールを眼球で追うのが難しくなる。
図11は外側処理の流れを示すフローチャートである。
外側処理では、CPU11は、まず、所定の時間(例えば1s)だけ待機する一方、外側ボールの位置を決定する(ステップSb1)。この決定は、各々の内部に1つの外側ボールを配置可能な表示領域D1〜D8から1つを選択することにより行われる。表示領域D1〜D8は外側フレーム内の領域であり、内側フレームを囲むように、テンキー31に対応付けて配置されている。具体的には、表示領域D1〜D4は順に「1」〜「4」の数字キー、表示領域D5〜D8は順に「6」〜「9」の数字キーに対応する位置に配置されている。
第2テスト処理により行われるテストは、動体の種類毎の数を認識するための動体視力の測定ひいては向上を目的とする。このテストでは、図5に示すように、画面21内を予測困難な軌道で移動する多数のボール(以降、「第2ボール」)が同時に出現することにより問題が出される。使用者は第2ボールの種類毎の数を回答しなければならない。よって、上記の目的を達成することができる。
第2テスト処理では、CPU11は、まず、所定の時間(例えば1s)だけ待機する固定待機処理を行う一方、出題数をゼロにするとともに第2ボールの種類数と種類毎の数を決定する(ステップSc1)。第2ボールの種類数の決定は、テストの難易度が使用者のレベルに応じたものとなるように行われる。つまり、使用者のレベルが高くなると、この種類数が多くなり、使用者は多くの種類毎に第2ボールの数を把握しなければならなくなる。また、第2ボールの種類毎の数は、1個〜9個の範囲内でランダムに決定される。
第3テスト処理により行われるテストは、複数の動体を異なる観点で見分けて記憶し、記憶内容に基づいて反応するまでの動体視力の測定ひいては向上を目的とする。このテストでは、図6に示すように、画面21が分割されて3行3列のマトリクスとなり、このマトリクスを構成する9個の単位領域(位置)の少なくとも2つに、種類毎に異なる数字を柄としたボール(以降、「第3ボール」)が1種類ずつ排他的にランダムな順序(単位領域の順序および種類の順序)で出現することにより、問題が出される。使用者は、出現した第3ボールについて、その出現順における、単位領域の順序および種類の順序を記憶して回答しなければならない。よって、上記の目的を達成することができる。
第3テスト処理では、CPU11は、まず、出題数をゼロにするとともに画面21に分割枠Bを表示する。これにより、領域としての画面21が9個の単位領域に分割され、3行3列のマトリクスとなる。次に、所定の時間(例えば1s)だけ待機する固定待機処理を行う一方、出題数をゼロにし、第3ボールが出現する単位領域の順序を決定し、回答フラグをリセットする(ステップSd1)。回答フラグは不揮発性メモリ16上の記憶領域であり、その状態(セット状態/リセット状態)は回答の種類(第3ボールの表示順における単位領域の順序/当該表示順における種類の順序)を示す。詳しくは後述するが、これら2種類の回答は順に入力される。
第4テスト処理により行われるテストは、動体を配置してなるパターン同士の相違点を識別するための動体視力の測定ひいては向上を目的とする。このテストでは、図7に示すように、画面21内の正領域R1内では9種類の第4ボールを3行3列のマトリクス状に所定の並びで配置してなる正パターンが移動し、画面21内の誤領域R2内ではこれら9種類のボールを3行3列のマトリクス状に上記所定の並びと異なる並びで配置してなる誤パターンが移動することにより、問題が出される。使用者は両パターンの相違点を回答しなければならない。よって、上記の目的を達成することができる。
第4テスト処理では、CPU11は、まず、画面21に2つの矩形の枠を表示し、これらの枠で囲まれた正領域R1および誤領域R2を確保する。また、正領域R1の近傍には文字「正」を、正領域R2の近傍には文字「誤」を表示する。次に、所定の時間(例えば1s)だけ待機する固定待機処理を行う一方、出題数をゼロにするとともに正パターンの決定および入れ換え箇所の決定を行う(ステップSe1)。正パターンは正領域R1内を移動するものであり、色または柄のみが相互に異なる9種類の第4ボールを3行3列のマトリクス状に配置して構成される。このステップでは、正パターン内の各第4ボールの位置を決定することにより正パターンを決定する。誤パターンは正パターンにおける少なくとも1組の第4ボールを入れ換えることにより構成される。この入れ換えの対象となる組を決定することが上記の入れ換え箇所の決定である。正パターンを構成する各第4ボールが入れ換えの対象となるのは最大でも1回である。したがって、両パターンは必ず偶数箇所で相違することになり、また、正パターンおよび入れ換え箇所の決定により誤パターンが特定されることになる。なお、入れ換えの組数は、テストの難易度が使用者のレベルに応じたものとなるように行われる。
第5テスト処理により行われるテストは、動体を配置してなる複数のブロックを見分けて記憶し利用するまでの動体視力の測定ひいては向上を目的とする。このテストでは、図8に示すように、画面21に、9個の円が3行3列に並べられたブロック枠内に3つの緑色のボール(以降、「導入ボール」)と1つのピンク色のボール(以降、「対象ボール」)とを配してなる候補ブロックを複数個同時に一時的に表示し、その後に、図9に示すように、これらの候補ブロックの1つを構成する導入ボールをブロック枠内に1つずつ表示することにより、問題を出す。使用者は、これら3つの候補ブロックを記憶し、1つずつ表示される緑色の導入ボールを見て、これらの導入ボールに対応する対象ボールの位置を回答しなければならない。よって、上記の目的を達成することができる。
第5テスト処理では、CPU11は、まず、出題数をゼロにする。次に、予め用意された多数のブロックの中から複数を選択して候補ブロックとし、これらを画面21いっぱいにランダムに分散させて候補表示時間だけ同時に表示する一方、対象ブロックの決定、表示順序および導入表示時間の決定を行う(ステップSg1)。ブロックはブロック枠内に3つの導入ボールおよび1つの対象ボールを重なることなく配置して構成されている。ブロック枠は大きさが同じ9個の円を配列してなり、その配列は3行3列である。各円の大きさは導入ボールおよび対象ボールの大きさと同一であり、各ボールはいずれか1つの円で規定される単位領域に配置される。候補ブロックの選択は、基本的にはランダムに行われる。ただし、選択された候補ブロックでは3つの導入ボールの配置パターンが相互に異なっており、かつ、対象ボールの配置位置(対象ボールが配置されている単位領域)も相互に異なっている必要がある。
3つ目のボールが画面21から消えて導入表示が終了すると、CPU11は、この時点からの経過時間の計測を開始する(ステップSg4)。
以上説明したように、この実施の形態によれば、動体視力を測定することができる。また、この測定では、使用者が回答すべき問題は複数種類のボールが画面21に表示されることによって出され、この問題に正しく回答するには個々のボールをその種類を含めて見分ける必要がある。現実の局面では複数の動体を見分ける必要があるのが普通であるから、この実施の形態によれば、現実に必要とされる動体視力を測定し、ひいては向上させることができる。また、測定には大掛かりな設備や専用の装置を用意する必要がないから、容易に動体視力を測定することができる。
以上より、この実施の形態によれば、現実に必要とされる動体視力を容易に測定、ひいては向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、イメージトレーニング処理が用意されているから、使用者は目的をイメージし易い。これにより、向上させた動体視力と目的(例えば、野球のバッティング能力の向上)とが直接的に結び付き易くなる。
なお、上述した実施の形態において、誤答であることを示す音は、全てのテスト処理に共通して定められてもよいし、テスト処理毎に独立して定められてもよい。また、部分的な正答であることを示す音は、第2〜第4テスト処理に共通して定められてもよいし、テスト処理毎に独立して定められてもよい。このことは、全体的な正答であることを示す音についてもあてはまる。また、全体的な正答であることを示す音は、第1テスト処理の内側処理(外側処理)における正答であることを示す音と同一であってもよいし異なっていてもよい。もちろん、第5テスト処理における正答であることを示す音と同一であってもよいし異なっていてもよい。これと同様に、第5テスト処理における正答であることを示す音は、第1テスト処理の内側処理(外側処理)における正答であることを示す音と同一であってもよいし異なっていてもよい。
また、上述した実施の形態における固定的な時間を可変の時間としてもよい。例えば、第1テスト処理における内側ボールの分裂および消滅の時間間隔や、固定待機処理により待機する時間、図15のステップSg12における対象ボールの表示時間等を、使用者のレベルに応じた長さになるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、第2テスト処理における第2ボールの種類間の相違点を色のみとしたが、形状または大きさのみとしてもよいし、色、形状、大きさの任意の組み合わせのみとしてもよい。
また、上述した実施の形態では、使用者はそのレベルに応じたテストしか受けることができないが、使用者がレベルを自ら指定して任意のレベルに応じたテストを受けることができるようにしてもよい。これと同様に、ボールの移動速度や移動方向等の各種パラメータを使用者が指定することができるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、動体としてボールを用いているが、ボール以外の動体を用いるようにしてもよいし、用いる動体を使用者が選択または設定することができるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、本発明に係るプログラムとして、パーソナルコンピュータで実行可能な動体視力プログラム1を例示したが、これに限るものではない。つまり、パーソナルコンピュータに代えて他のコンピュータを用いることが可能である。他のコンピュータとしては、ゲームセンター等の施設に設置される業務用ゲーム装置や、家庭用ゲーム機、スポーツジム等の施設に設置されるトレーニング器具等を例示することができる。
Claims (6)
- コンピュータを、
複数種類の動体を画面に表示することによって、正しく反応するには個々の動体をその種類を含めて見分ける必要がある事象を生起させる表示手段と、
前記表示手段によって前記事象が生起された時点以降の開始時点から開始する所定の待ち受け期間内に操作子の操作によって入力された情報を受け取り、前記開始時点から当該情報を受け取るまでの時間を計測し、当該事象に対して正しい反応がなされたか否かを当該情報に基づいて判定して判定結果をメモリに書き込み、当該判定結果が肯定的な場合には当該判定結果に対応付けて前記時間をメモリに書き込む記録手段
として機能させるためのプログラム。 - 前記表示手段は、
内側表示処理および外側表示処理を並列に実行し、
前記内側表示処理では、前記画面の内側に1種類の動体を表示する一方、前記1種類の動体のうち少なくとも1つの動体の視覚的属性を一時的に変化させることによって前記事象を生起させ、
前記外側表示処理では、前記画面の外側に前記内側を囲むように配列された複数の位置のいずれか一の位置に前記1種類の動体とは異なる種類の1つの動体を一時的に表示することによって前記事象を発生させ、
前記記録手段は、
内側記録処理および外側記録処理を並列に実行し、
前記内側記録処理では、前記内側表示処理によって前記事象が生起された時点を前記開始時点とし、前記情報が所定の操作子の操作によって入力されたものであるか否かを判定し、この判定結果が肯定的であれば正しい反応がなされたと判定し、
前記外側記録処理では、前記外側表示処理によって前記事象が生起された時点を前記開始時点とし、前記情報が前記一の位置に応じた操作子の操作によって入力されたものであるか否かを判定し、この判定結果が肯定的であれば正しい反応がなされたと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。 - 前記表示手段は複数種類の動体を同時に表示することによって前記事象を生起させ、
前記記録手段は、前記表示手段によって前記事象が生起された時点を前記開始時点とし、前記情報が前記複数種類の動体の種類毎の数を正しく示すものであるか否かを判定し、この判定結果が肯定的であれば正しい反応がなされたと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。 - 前記表示手段は複数種類の動体を相互に異なる位置に順に表示することによって前記事象を生起させ、
前記記録手段は、
位置順記録処理および種類順記録処理を実行し、
前記位置順記録処理では、前記表示手段によって前記事象が生起された時点以降の第1の時点を前記開始時点とし、当該第1の時点から開始する所定の期間を前記所定の待ち受け期間とし、前記情報が前記表示手段による表示の順での動体の位置の順序を正しく示すものであるか否かを判定し、
前記種類順記録処理では、前記表示手段によって前記事象が生起された時点以降の時点であって前記第1の時点から開始する所定の期間と重複しない所定の期間を確保可能な第2の時点を前記開始時点とし、当該第2の時点から開始する所定の期間を前記所定の待ち受け期間とし、前記情報が前記表示手段による表示の順での動体の種類の順序を正しく示すものであるか否かを判定し、
両処理での判定結果が共に肯定的であれば正しい反応がなされたと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。 - 前記表示手段は、複数種類の動体を配列して得られる正パターンと前記正パターンにおいて異なる種類の動体同士の入れ換えを行って得られる誤パターンとを表示することによって前記事象を生起させ、
前記記録手段は、前記表示手段によって前記事象が生起された時点を前記開始時点とし、前記情報が前記入れ換えの箇所を正しく示すものであるか否かを判定し、この判定結果が肯定的であれば正しい反応がなされたと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。 - 前記表示手段は、行数および列数が共通する枠内に、特定の種類の1つの動体が前記枠内でのその配置位置が相互に異なるように、かつ、前記1つの動体と異なる種類の他の動体が前記枠内でのその配置パターンが相互に異なるように配置された複数のブロックを、一時的に表示し、その後に、前記複数のブロックのうちの1つのブロックから前記1つの動体を除いたものを表示することによって前記事象を生起させ、
前記記録手段は、前記情報が前記1つのブロック内での前記1つの動体の位置を正しく示すものであるか否かを判定し、この判定結果が肯定的であれば正しい反応がなされたと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
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