JP2006288279A - 出血時間延長傾向判定方法 - Google Patents

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Koji Suematsu
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Abstract

【課題】 アスピリン服用による出血時間延長傾向を、これに対する特異的識別マーカーを利用して、検出、決定する手段を提供する。
【解決手段】(a)アスピリン服用対象者由来検体から特定のヒト遺伝子ゲノムDNA配列もしくはその相補鎖を調製し、(b)当該ゲノムDNA配列もしくはその相補鎖のDNA配列を解析して遺伝子多型を決定し、決定された遺伝子多型をマーカーとしてアスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する方法。

Description

本発明は、ヒト遺伝子多型を指標(マーカー)として、アスピリン服用対象者について、アスピリン服用に起因して出血時間が延長する傾向があるか否かを判定する方法および該方法に利用するオリゴヌクレオチドに関する。
ゲノム科学の進歩により、遺伝子配列の個人差の解明、すなわち遺伝子多型の解明が急速になされつつある。その中でも、高密度遺伝子多型マーカーである一塩基多型(Single nucleotide polymorphisms: SNPs)が注目されている。該SNPsは、ありふれた疾患との関連の解析のみならず薬剤反応性の個人差との関連の解析に有用なマーカーであると考えられている。また、複数のSNPsにまたがるハプロタイプも、同様に有用なマーカーと考えられ、その解析が進められてきている(以上の先行技術に関して、非特許文献1-4参照)。
近年、個々の患者についてオーダーメイドの治療法を確立するために、該患者の、例えば薬物動態に関連する蛋白質、薬物標的蛋白質等のような特定の遺伝子多型と薬剤反応性との関連を明らかにする研究が展開されている。
一方、アスピリンは、1897年ドイツ・バイエル社のフェリックス・ホフマンにより化学合成された世界ではじめての医薬品である。このものは、それまで、柳の木から単離されていたサリチル酸をアセチル化したアセチルサルチル酸であり、副作用としての胃腸障害を起すおそれを軽減した、安全性の高いものである。
該アスピリンは、シクロオキシゲナーゼ活性を阻害することによってプロスタグランジンの産生を抑制する作用を奏する。この作用によって、炎症、発熱作用を持つプロスタグランジンが抑制され、抗炎症作用、解熱作用が発現される。尚、シクロオキシゲナーゼは、血小板の作用に関係するトロンボキサンの合成にも関与している。
このような作用を奏するアスピリンは、解熱鎮痛薬として、古くから慢性関節リウマチ、関節炎、術後疼痛、歯痛、症候性神経痛、関節痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、頭痛、月経痛、急性上気道炎の解熱・鎮痛など、幅広い病的疾患に使用されている。その投与量は、一日1.0〜4.5g程度である。
また、アスピリンは、トロンボキサン作用をも抑制し、最近では低用量における抗血小板作用も見出されており、これらの作用に基づいて、狭心症、虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作、脳梗塞)、心筋梗塞再発予防などに使用される血栓予防薬としても使用されている。その用量は、一日1回100mg程度であり、一日当たりの総投与量は300mgまでである。
アスピリンの副作用としては、胃腸障害が最も多く、まれに発疹や蕁麻疹、喘息発作が報告されている。また、消化管出血、肺出血、脳出血、眼底出血、皮下出血などの出血傾向の出現も上記アスピリンの副作用として報告されている。
アスピリン投与禁忌の患者としては、消化性潰瘍のある患者および出血傾向の認められる患者が挙げられる。即ち、アスピリンは、その胃粘膜保護作用を持つプロスタグランジン生合成抑制作用により胃粘膜が障害され消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。また、アスピリン投与によれば、血小板機能異常が起こることがあり出血傾向を助長する恐れがある。
また、アスピリンを代表とするNSAIDSの副作用の医療経済学的影響は、本邦では報告がないが、米国では報告されており、NSAIDSの1ドル分の使用に対し、NSAIDS に起因する副作用に0.66〜1.25ドルの医療費が消費されている。米国の場合、年間、10万の入院と1万5千の副作用死がNSAIDSによるとされ、そのコストは20億ドル近いものと考えられている。
出血を伴う潰瘍合併症に至る危険因子については、可能な限り該危険因子を持つ患者を特定すること、また該危険因子をあらかじめ回避することが必要であるとされている。現在のところ、該危険因子としては、潰瘍合併症の履歴があること、アスピリンを含む複数のNSAIDSを併用していること、抗凝固薬を使用すること、潰瘍の履歴があること、年齢70歳以上であること、コルチコステロイドを服用していることなどが挙げられている。遺伝的素因としての危険因子については、未だ報告はないが、アスピリン服用の出血への影響については、近年、次の報告がある。
グリコプロテインIIIaをコードする遺伝子のTからCへの一塩基多型は、一般に認められる頻度で二重対立遺伝子多型Leu-33→Pro(PLA1/A2)につながる。Szczeklikらは、健康男子80名(年齢20-25歳)におけるPLA1/2多型と出血時間(bleeding time: BT)の間の関係を研究した。その結果、アスピリン服薬前において、出血時間は、PLA1/A1遺伝子型保有者群の平均より、PLA2アレル保有者群の平均の方が短かった。アスピリン300mgの服用4時間後、両群に出血時間の延長が認められ、群間の出血時間延長の平均の差が有意にひろがった。このように、アスピリン服用後の出血時間は、グリコプロテインIIIaのPLA1/A2多型に影響を受ける可能性が示された(非特許文献5参照)。
この研究報告によれば、アスピリン服用に伴う出血に影響する遺伝的素因の存在の可能性が考えられるが、もしこのような遺伝的素因の特定が可能になれば、その遺伝子は消化性潰瘍合併症の危険因子として、その様な合併症の予知に有用であると考えられる。
上記したように、アスピリンは急性・慢性の様々な疾患や病態に対して短期的にあるいは長期的に様々な用量で使用されている医薬品であり、一般薬としても上市され広く日常的に服用されている医薬品のひとつであるが、出血傾向のある患者や胃・十二指腸潰瘍を起している患者には使用禁忌となっている。このようなアスピリン服用禁忌の患者に対してアスピリンが服用された場合、重篤な副作用や事故が起こる可能性がある。また今まで認められている危険因子も、履歴であるために必ずしも予知的に把握できない可能性がある。またアスピリン投与に伴い出血時間試験を検査する方法としては、出血時間試験としてDuke法やTemlate-Ivy法やSimplate II法などが知られているが、これらの方法はいずれも耳朶や上腕部などの生体に侵襲を加える必要があり、複数回の検査は、あまりに患者への負担が大きい。さらにこのような検査には医療現場において専門的な機器と手技が必要であったり、検査値自体が何らかの変動を含んでおり正確でなかったりするなどの問題を多く含んでいる。このため、アスピリン服用対象者が安全にアスピリンを服用できるか否かを判断することを可能とする新たな手段、そのための指標の開発が望まれている。
Brookes, A. J., "The essence of SNPs", Gene, USA, (1999), 234, 177-186 Cargill, M, et al., "Characterization of single-nucleotide polymorphisms in coding regions of human genes", Nature Genet., USA, (1999), 22, 231-238 Evans, W. E., & Relling, M. V., "Pharmacogenomics: translating functional genomics into rational therapeutics", Science, USA, (1999), 286, 487-491 Schlaak, J.F., et. al., "Cell-type and Donor-specific Transcriptional Responses to Interferon-α"J. Biol. Chem., (2002) 277, 51, 49428-49437 Szczeklik, A., et al., British J. Haematology, (2000,110, No.4, 965-967)
本発明は、特定のヒト遺伝子多型を指標としたアスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する手段を提供することをその主な課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、まず、前記指標としての遺伝子多型に着目したが、現在、アスピリンの服用と出血時間とを関連付ける遺伝子多型については全く報告はなく、甚大なヒト遺伝子中からそのような遺伝子多型を検索すること自体、不可能と考えられた。本発明者らは、次いで、抗血小板作用に関連する可能性が考えられる遺伝子(血小板関連遺伝子)に着目し、この遺伝子の中から任意に246遺伝子を選び、該遺伝子に存在する918のSNPsについて、アスピリン服用と出血時間とに関連のある遺伝子多型の検索を行った。即ち、これらの選択したSNPsについて、アスピリン服用によって出血時間延長傾向が認められる群および認められない群の2群の被検者由来ゲノムDNAを検体として用いて、それらSNPsの現れる頻度の差を求めた。その結果、上記2群間で統計学的に有意な差を示す幾つかのSNPsの存在を確認した。かくして、アスピリン服用による出血時間延長傾向を判定でき、従って該出血時間延長を生じる可能性のある服用対象者を検出できる、新しい識別マーカーとしてのSNPsを見出した。本発明は、この知見を基礎として更に研究を重ねた結果完成されたものである。
本発明は、下記項1〜9に示すアスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する方法を提供する。
項1. 以下の(a)〜(d)の工程を含む、アスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する方法;
(a)アスピリン服用対象者に由来する遺伝子サンプルを得る工程、
(b)上記(a)の遺伝子サンプルについて、ADORA2A、MYLK、PPP3CC、PLA2G4C、ADCY9、ACTL7B、PLCG2、ITPR2、PPP1R15A、PDE2A、PPP1R7、PTPN11、SELP、CRKLおよびMAPK1からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のゲノムDNAもしくはその相補鎖を調製する工程、
(c)当該ゲノムDNA配列もしくはその相補鎖の配列を解析して、遺伝子多型を決定する工程、
(d)上記(c)で決定された少なくとも1つの遺伝子多型をマーカーとして、アスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する工程。
項2. 遺伝子多型が、ADORA2A、MYLK、PPP3CC、PLA2G4CおよびADCY9からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子における多型である項1に記載の、アスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する方法。
項3. 遺伝子多型が、リファレンスSNP ID番号:rs2267076、リファレンスSNP ID番号:rs820464、リファレンスSNP ID番号:rs1049437、リファレンスSNP ID番号:rs1045376、リファレンスSNP ID番号:rs3761422、リファレンスSNP ID番号:rs2240735、リファレンスSNP ID番号:rs820463、リファレンスSNP ID番号:rs3750467、リファレンスSNP ID番号:rs3732490、リファレンスSNP ID番号:rs3813010、リファレンスSNP ID番号:rs2291263、リファレンスSNP ID番号:rs2230379、リファレンスSNP ID番号:rs527、リファレンスSNP ID番号:rs3825012、リファレンスSNP ID番号:rs2268899、リファレンスSNP ID番号:rs2301756、リファレンスSNP ID番号:rs2076074、リファレンスSNP ID番号:rs2266953およびリファレンスSNP ID番号:rs2266965からなる群から選ばれる少なくとも1つである項1に記載のアスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する方法。
項4. 遺伝子多型が、リファレンスSNP ID番号:rs2267076、リファレンスSNP ID番号:rs820464、リファレンスSNP ID番号:rs1049437、リファレンスSNP ID番号:rs1045376、リファレンスSNP ID番号:rs3761422、リファレンスSNP ID番号:rs2240735およびリファレンスSNP ID番号:rs820463のいずれかである項1 に記載のアスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する方法。
項5. アスピリン服用による出血時間延長傾向を判定するためのマーカーが、下記(a)-(s)からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子多型である項1に記載のアスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する方法;
(a) リファレンスSNP ID番号:rs2267076であるADORA2A遺伝子の4221164番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型、
(b) リファレンスSNP ID番号:rs820464であるMYLK遺伝子の29852208番目における遺伝子型がG/GあるいはG/Cである遺伝子多型、
(c) リファレンスSNP ID番号:rs1049437であるPPP3CC遺伝子の672970番目における遺伝子型がT/TあるいはT/Gである遺伝子多型、
(d) リファレンスSNP ID番号:rs1045376であるPLA2G4C遺伝子の20819599番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型、
(e) リファレンスSNP ID番号:rs3761422であるADORA2A遺伝子の4217241番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型、
(f) リファレンスSNP ID番号:rs2240735であるADCY9遺伝子の1369031番目における遺伝子型がG/Gである遺伝子多型、
(g) リファレンスSNP ID番号:rs820463であるMYLK遺伝子の29852183番目における遺伝子型がC/CあるいはC/Tである遺伝子多型、
(h) リファレンスSNP ID番号:rs3750467であるACTL7B遺伝子の13278869番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型、
(i) リファレンスSNP ID番号:rs3732490であるMYLK遺伝子の29844745番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型、
(j) リファレンスSNP ID番号:rs3813010であるPLCG2遺伝子の8564番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型、
(k) リファレンスSNP ID番号:rs2291263であるITPR2遺伝子の19569790番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型、
(l) リファレンスSNP ID番号:rs2230379であるITPR2遺伝子の19568290番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型、
(m) リファレンスSNP ID番号:rs527であるPPP1R15A遺伝子の21647372番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型、
(n) リファレンスSNP ID番号:rs3825012であるPDE2A遺伝子の2487872番目における遺伝子型がA/AあるいはG/Aである遺伝子多型、
(o) リファレンスSNP ID番号:rs2268899であるPPP1R7遺伝子の1295633番目における遺伝子型がA/AあるいはG/Aである遺伝子多型、
(p) リファレンスSNP ID番号:rs2301756であるPTPN11遺伝子の3409518番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型、
(q) リファレンスSNP ID番号:rs2076074であるSELP遺伝子の8084058番目における遺伝子型がT/Tである遺伝子多型、
(r) リファレンスSNP ID番号:rs2266953であるCRKL遺伝子の693494番目における遺伝子型がT/Tである遺伝子多型および
(s) リファレンスSNP ID番号:rs2266965であるMAPK1遺伝子の1511724番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型 。
項6. 遺伝子多型の決定が、ヌクレオチド直接塩基配列決定法、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)-ドットブロット分析、一塩基プライマー伸長法、PCR-単鎖高次構造多型(SSCP)分析、PCR-制限酵素断片長多型(RFLP)分析、インベーダー法、定量的リアルタイムPCR検出法および質量分析計を用いた遺伝子多型検出法(mass array)からなる群から選ばれる少なくとも1つの方法により行われる項1〜5のいずれかに記載の方法。
項7. 遺伝子多型の決定が、インベーダー法またはヌクレオチド直接配列決定法により行われる項6に記載の方法。
項8. 遺伝子多型の決定が、下記(a)-(s)からなる群から選ばれる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを遺伝子多型検出用プライマーまたはプローブとして用いて行われる項6に記載の方法;
(a)リファレンスSNP ID番号:rs2267076であるADORA2A遺伝子の4221164番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(b)リファレンスSNP ID番号:rs820464であるMYLK遺伝子の29852208番目における遺伝子型がG/GあるいはG/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(c)リファレンスSNP ID番号:rs1049437であるPPP3CC遺伝子の672970番目における遺伝子型がT/TあるいはT/Gである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(d)リファレンスSNP ID番号:rs1045376であるPLA2G4C遺伝子の20819599番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(e)リファレンスSNP ID番号:rs3761422であるADORA2A遺伝子の4217241番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(f)リファレンスSNP ID番号:rs2240735であるADCY9遺伝子の1369031番目における遺伝子型がG/Gである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(g)リファレンスSNP ID番号:rs820463であるMYLK遺伝子の29852183番目における遺伝子型がC/CあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(h)リファレンスSNP ID番号:rs3750467であるACTL7B遺伝子の13278869番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(i)リファレンスSNP ID番号:rs3732490であるMYLK遺伝子の29844745番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(j)リファレンスSNP ID番号:rs3813010であるPLCG2遺伝子の8564番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(k)リファレンスSNP ID番号:rs2291263であるITPR2遺伝子の19569790番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(l)リファレンスSNP ID番号:rs2230379であるITPR2遺伝子の19568290番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(m)リファレンスSNP ID番号:rs527であるPPP1R15A遺伝子の21647372番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(n)リファレンスSNP ID番号:rs3825012であるPDE2A遺伝子の2487872番目における遺伝子型がA/AあるいはG/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(o)リファレンスSNP ID番号:rs2268899であるPPP1R7遺伝子の1295633番目における遺伝子型がA/AあるいはG/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(p)リファレンスSNP ID番号:rs2301756であるPTPN11遺伝子の3409518番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(q)リファレンスSNP ID番号:rs2076074であるSELP遺伝子の8084058番目における遺伝子型がT/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(r)リファレンスSNP ID番号:rs2266953であるCRKL遺伝子の693494番目における遺伝子型がT/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチドおよび
(s)リファレンスSNP ID番号:rs2266965であるMAPK1遺伝子の1511724番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド。
項9. 遺伝子多型検出用プライマーが、下記(1)〜(14)に記載のものである項8に記載の方法;
(1) ADORA2Aに対して配列番号:1および15で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
(2) MYLKに対して配列番号:2および16で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
(3) PLA2G4Cに対して配列番号:3および17で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
(4) ADORA2Aに対して配列番号:4および18で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
(5) ADCY9に対して配列番号:5および19で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
(6) ACTL7Bに対して配列番号:6および20で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
(7) MYLKに対して配列番号:7および21で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
(8) ITPR2に対して配列番号:8および22で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
(9) ITPR2に対して配列番号:9および23で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
(10) PDE2Aに対して配列番号:10および24で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
(11) PPP1R7に対して配列番号:11および25で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
(12) SELPに対して配列番号:12および26で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
(13) CRKLに対して配列番号:13および27で示される各配列のオリゴヌクレオチド対および
(14) MAPK1に対して配列番号:14および28で示される各配列のオリゴヌクレオチド対。
本明細書におけるアミノ酸、ペプチド、塩基配列、核酸などの略号による表示は、IUPAC-IUBの規定〔IUPAC-IUB communication on Biological Nomenclature, Eur. J. Biochem., 138: 9 (1984)〕、「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作成のためのガイドライン」(特許庁編)および当該分野における慣用記号に従うものとする。
本明細書において、「遺伝子多型」または「多型」とは、1つの遺伝子座を占める複数種の対立遺伝子群またはこのような対立遺伝子群に属する個々の対立遺伝子をいうものとする。また多型の内、1塩基のみが異なるものを特に一塩基多型(SNP:Single Nucleotide Polymorphism)ともいう。この一塩基多型を本明細書においては「SNP」と略称する。
また、ハプロタイプとは、ゲノムDNA中の連続した複数箇所の遺伝子多型部位における共に子孫に伝えられる対立遺伝子の一連の集まりを示す。
さらに、本明細書において遺伝子型とは、特定の遺伝子多型部位における遺伝子座の対立遺伝子の状態を示す。例えばADORA2A遺伝子の4221164番目のSNPについての遺伝子型は、T/Tホモ接合またはC/Tヘテロ接合であると表わす。これは、「遺伝子型がT/TあるいはC/Tである」と表記する。該遺伝子型ADORA2AがT/TあるいはC/Tである対象者の場合、アスピリン服用により出血時間の延長傾向が認められる可能性が高いと予測される。従って、ADORA2A遺伝子の遺伝子多型およびその遺伝子型は、アスピリン服用による出血時間延長傾向の識別マーカーとして使用し得る。
尚、本明細書中に示されるヒト遺伝子のゲノム配列は、NCBI (National Center for Biotechnology Information:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/viewer.)の核酸配列データバンクにGenBankアクセッション番号(例:NT_011520.9)にて掲載されている核酸配列に従うものとする。本発明においてヒト遺伝子多型として示されるSNPに関する位置情報および核酸の変異に関する情報は、同様にNCBIのSNPデータバンクに、リファレンスSNP ID番号(例:rs2267076)にて掲載されている(リファレンスSNP(refSNP)クラスター・レポート(Reference SNP(refSNP) Cluster Report)参照、ttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP)。本明細書においても、SNPはこのリファレンスSNP ID番号にて表示するものとする。
GenBankより入手した上記した遺伝子配列情報、mRNAの配列情報、SNPに関する位置情報、核酸の変異に関する情報などの概略を表1および2に示す。
Figure 2006288279
Figure 2006288279
各表中、各遺伝子名(Gene symbol)の項の記載は、本発明者らが見出したSNPsが存在する遺伝子の名称を表示するものである。表中、「rs#」は、リファレンスSNP のアクセッション番号を、「Nucleotide」は、核酸の変異(例えばCがTに置換したSNP はC/Tのように表す)を、「In gene」は、SNPの存在するゲノム上の領域がイントロン(intron)、3'UTR、プロモーター(promoter)またはコード領域(CDS)のいずれであるかを、「Contig ID」はゲノムコンティグ配列のアクセッション番号を、「Contig position」はゲノム配列における核酸変異の位置を示す位置番号を示す。また、「Protein ID」は、蛋白質配列のアクセッション番号を、「遺伝子名」は、遺伝子のフルネームをそれぞれ示す。
表1および2に示す通り、本発明方法に用いる特定ヒト遺伝子多型は、これによってアミノ酸の変異(置換)は生じない。
本明細書において「遺伝子」なる語は、2本鎖DNAのみならず、それを構成する各1本鎖DNA(センス鎖およびアンチセンス鎖)を包含する。即ち、本発明遺伝子(DNA)は、特に言及しない限り、ヒトゲノムDNAを含む2本鎖DNA、cDNA、1本鎖DNA(センス鎖)、該センス鎖と相補的な配列を有する1本鎖DNA(アンチセンス鎖)およびそれらの断片を含む。また上記遺伝子(DNA)は、調節領域、コード領域、エクソンおよびイントロンを含むことができる。ポリヌクレオチドは、RNAおよびDNAを包含する。DNAは、cDNA、ゲノムDNAおよび合成DNAを含む。ポリペプチドは、その断片、同族体、誘導体および変異体を含む。更に変異体は、天然に存在するアレル変異体、天然に存在しない変異体、改変(欠失、置換、付加および挿入)のなされた変異体およびコードするポリペプチドの機能を実質的に変更しないポリヌクレオチド配列を意味する。尚、アミノ酸配列における改変は、天然において例えば突然変異、翻訳後の修飾などにより生じることもあり、天然由来の遺伝子を利用して人為的にこれを行うこともできる。
本発明は、ヒト遺伝子(血小板に関与することが報告された遺伝子)の特定位置における遺伝子型を含む遺伝子多型(SNPもしくはSNPs)が、対象者のアスピリン服用による出血時間延長傾向と強く相関しており、アスピリン服用予定のあるヒトについて該遺伝子多型(特定位置における遺伝子型)を検出することによって、該ヒトにアスピリンを服用させた場合に出血時間延長傾向があるか否かを判定できるという事実の発見に基づいて完成されている。換言すれば、本発明は、特定のヒト遺伝子多型、特に特定のSNPsが、アスピリン服用対象者の出血時間延長傾向の判定マーカーとして使用できることを見出し完成されている。本発明方法によれば、アスピリン服用対象者由来検体の特定のSNPsを検出することによって、該アスピリン服用対象者の出血時間延長傾向を予測することが可能である。
本発明方法は、アスピリン服用対象者由来検体における特定ヒト遺伝子の多型、即ち、ADORA2A、MYLK、PPP3CC、PLA2G4C、ADCY9、ACTL7B、PLCG2、ITPR2、PPP1R15A、PDE2A、PPP1R7、PTPN11、SELP、CRKLおよびMAPK1の各遺伝子の多型(遺伝子型)を検出することを必須の要件とする。
本発明方法によって検出(解析)すべきSNPs、即ち、該アスピリン服用対象者の出血時間延長傾向と相関する遺伝子的多型(または遺伝子型)は、より具体的には下記(a)〜(s)に記載のものである。なお、これら各多型の存在する遺伝子上の位置は、前記表1および2に示す通りである;
(a) リファレンスSNP ID番号:rs2267076であるADORA2A遺伝子の4221164番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型、
(b) リファレンスSNP ID番号:rs820464であるMYLK遺伝子の29852208番目における遺伝子型がG/GあるいはG/Cである遺伝子多型、
(c) リファレンスSNP ID番号:rs1049437であるPPP3CC遺伝子の672970番目における遺伝子型がT/TあるいはT/Gである遺伝子多型、
(d) リファレンスSNP ID番号:rs1045376であるPLA2G4C遺伝子の20819599番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型、
(e) リファレンスSNP ID番号:rs3761422であるADORA2A遺伝子の4217241番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型、
(f) リファレンスSNP ID番号:rs2240735であるADCY9遺伝子の1369031番目における遺伝子型がG/Gである遺伝子多型、
(g) リファレンスSNP ID番号:rs820463であるMYLK遺伝子の29852183番目における遺伝子型がC/CあるいはC/Tである遺伝子多型、
(h) リファレンスSNP ID番号:rs3750467であるACTL7B遺伝子の13278869番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型、
(i) リファレンスSNP ID番号:rs3732490であるMYLK遺伝子の29844745番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型、
(j) リファレンスSNP ID番号:rs3813010であるPLCG2遺伝子の8564番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型、
(k) リファレンスSNP ID番号:rs2291263であるITPR2遺伝子の19569790番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型、
(l) リファレンスSNP ID番号:rs2230379であるITPR2遺伝子の19568290番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型、
(m) リファレンスSNP ID番号:rs527であるPPP1R15A遺伝子の21647372番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型、
(n) リファレンスSNP ID番号:rs3825012であるPDE2A遺伝子の2487872番目における遺伝子型がA/AあるいはG/Aである遺伝子多型、
(o) リファレンスSNP ID番号:rs2268899であるPPP1R7遺伝子の1295633番目における遺伝子型がA/AあるいはG/Aである遺伝子多型、
(p) リファレンスSNP ID番号:rs2301756であるPTPN11遺伝子の3409518番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型、
(q) リファレンスSNP ID番号:rs2076074であるSELP遺伝子の8084058番目における遺伝子型がT/Tである遺伝子多型、
(r) リファレンスSNP ID番号:rs2266953であるCRKL遺伝子の693494番目における遺伝子型がT/Tである遺伝子多型、および
(s) リファレンスSNP ID番号:rs2266965であるMAPK1遺伝子の1511724番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型。
本発明によれば、特定ヒト遺伝子の遺伝子多型(SNPsおよびハプロタイプ)および遺伝子型を検出することによって、アスピリン服用対象者の出血時間延長傾向の把握、アスピリン服用対象者の出血時間延長傾向の予測診断などに有用な情報乃至手段を与えることができる。また、本発明によれば、アスピリン服用対象者に対する治療方針を決定するための根拠となる情報、特にアスピリン服用対象者個々に合わせたオーダーメイド医療のための治療方針としてアスピリン投与を行うか否かを決定するための重要な情報を提供することができる。
本明細書において、アスピリン服用対象者などについて用いられる「アスピリン」とは、アスピリン(アセチルサルチル酸)自体及びこれを含む各種の医薬製剤を意味する。この医薬製剤には、市販のアセチルサルチル酸製剤、例えばアスピリン錠、アスピリン腸溶製剤、アスピリン粉末製剤などが含まれる。本発明方法は、これらのアスピリン製剤を単独で用いる場合は勿論のこと、他の抗血小板剤、消炎・鎮痛剤などと併用する場合も、その対象とする。
遺伝子多型(SNPs)を有するヒト遺伝子の調製
以下、本発明方法につき詳述すれば、本発明方法においては、まず検体としてアスピリン服用対象者に由来する遺伝子サンプルを調製する(a工程)。該遺伝子サンプルは、特定の遺伝子多型(SNPs)、具体的には先に(a)〜(s)として記載した遺伝子多型を含むものである。該サンプルとしては、アスピリン服用対象者より常法に従って抽出されたcDNAまたはゲノムDNAを利用することができる。このサンプルは、また上記例示の遺伝子多型を含むDNAの相補鎖であってもよい。
サンプルとするcDNAまたはゲノムDNAの起源としては、(a)〜(s)の遺伝子(SNPs)を有する各種細胞、組織、これらに由来する培養細胞などを例示できる。具体的には、血液、唾液、リンパ液、気道粘液、尿、精液などの体液を例示することができる。尚、検体としての上記起源材料は、アスピリン服用前(特に既に他の薬剤を投与している症例に追加してアスピリンを投与する前も含む)のヒト由来のDNAまたはゲノムDNAであるのが好ましい。これら起源材料からのRNAの分離、mRNAの分離および精製、cDNAの取得、そのクローニングなどは、いずれも常法に従って実施することができる。
本発明方法では、次に、上記遺伝子サンプルから特定ヒト遺伝子のゲノム配列もしくはその相補鎖(例えば前記(a)〜(s)の遺伝子多型を有する遺伝子もしくはその相補鎖(SNPs))を調製する。この調製は、本明細書に開示された前記(a)〜(s)の遺伝子多型の具体的配列情報を参考にして、一般的遺伝子工学的手法〔Molecular Cloning 2d Ed, Cold Spring Harbor Lab. Press (1989);続生化学実験講座「遺伝子研究法I、II、III」、日本生化学会編(1986)など参照〕により容易に行い得る。
上記調製は、より具体的には、(a)〜(s)の遺伝子多型を有するアスピリン服用対象者より抽出されたゲノムDNAまたはmRNAから、(a)〜(s)の特定遺伝子型を含む適当なプローブ、制限酵素などを利用して、常法〔例えばProc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 78, 6613 (1981); Science, 222, 778 (1983)など参照〕に従って実施できる。より詳しくは、目的のSNPsのDNA配列に選択的に結合し得る遺伝子多型部分を含むプローブを作成し、これを用いて一塩基プライマー伸長法、インベーダー法、定量的リアルタイムPCR法などを実施すればよい。
スクリーニング用プライマーとしては、所望の(a)〜(s)の遺伝子多型の塩基配列情報に基づいて設定したフォワード・プライマーおよびリバース・プライマーを用いることができる。これらは常法に従い、例えば自動合成装置を用いて合成することができる。該スクリーニング用プローブは、通常、標識したプローブであるが、直接的または間接的に標識したリガンドと特異的に結合できるものであれば、非標識のものであってもよい。プローブおよびリガンドの標識剤および標識法は、既にこの種技術分野で知られている。標識剤の例としては、例えばニック・トランスレーション、ランダム・プライミングム、キナーゼ処理などの方法によって取り込ませることができる放射性標識剤、ビオチン、蛍光性色素、化学発光剤、ルシフェラーゼなどの酵素、抗体などを例示できる。
抽出したゲノムDNAあるいはmRNAは、遺伝子増幅法によって増幅させることができる。この増幅によれば、本発明判定方法における判定をより容易に且つ精度の高いものとすることができる。遺伝子増幅法の例としては、PCR法 (Saiki, R. K., Bugawan, T. L., et al., Nature, 324, 163-166 (1986))、NASBA法 (Comptom, J., Nature, 650, 91-92 (1991))、TMA法 (Kacian, D. L., and Fultz, T. J., 米国特許第5,399,491号 (1995))、SDA法 (Walker, G. T., Little, M. C., et al., Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 89, 392-396 (1992))などが挙げられる。
尚、PCR法などで増幅させたゲノムDNA断片の単離精製は、常法、例えばゲル電気泳動法などを用いるかまたはカラムを用いて実施することができる。その確認は、例えばマススペクトル法またはゲル電気泳動法によることができる。これらの方法により増幅させたゲノムDNA遺伝子は、その増幅物の特性に応じて、本発明に係る(a)〜(s)の遺伝子多型(SNPs)の検出(遺伝子多型の決定)に供される。
遺伝子多型の検出
本発明方法では、上記サンプル中のゲノム領域のDNA配列を決定、解析して、その多型(SNPs)の有無を検出(多型を決定)する。この検出は、具体的には下記(1)-(8)に示す各方法に従って実施することができる。
(1) ヌクレオチド直接塩基配列決定法
この種遺伝子の塩基配列の決定に慣用されている、例えばダイデオキシ法(Sanger, et al., Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 74, 5463-5467 (1977))、マキサム-ギルバート法〔Methods in Enzymology, 65, 499 (1980)〕などのヌクレオチド直接塩基配列決定法に従い、特定遺伝子のDNA配列を決定することによって、遺伝子多型を検出できる。このヌクレオチド直接塩基配列決定法とPCR法などのDNA増幅法とを組み合わせた方法も、遺伝子多型の検出に有効である。特に、少量のDNA試料を用いて簡便かつ容易にしかも感度および精度の高い検出が可能である観点からは、PCR法もしくはそれに準じたDNA増幅法を組み合わせた方法の実施が好ましい。
この好ましい方法は、基本的には、例えばPCR法で増幅させたゲノムDNA断片またはその精製物についてダイデオキシ法、マキサム-ギルバート法などに従って直接その塩基配列をシーケンスすることにより実施できる。また、簡便には市販のシークエンスキットなどを用いてヌクレオチド配列を決定することにより実施できる。かくして、特定ヒト遺伝子の前述したゲノムDNA部位におけるSNPの存在の有無を検出できる。
上記方法および以下に示す各方法において、PCR法で増幅させるゲノムDNA断片は、前述した変異の存在が想定される特定部位の少なくとも1つを含むか或いはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とするDNAである限り特に限定されるものではない。通常、約50から数千塩基の長さ、好ましくは50から数百塩基の長さを有するものであるのがよい。
(2) 対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド-ドットブロット法
特定遺伝子の多型検出の別法としては、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)-ドットブロット法 (Conner, B. J., et al., Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 80, 278-282 (1983))に従う方法を挙げることができる。該方法は、例えば目的とするSNPを挟むように設計したフォワード・プライマーおよびリバース・プライマーを利用して、PCR増幅した遺伝子断片に対する対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド・プローブにハイブリダイズするDNA断片を、ドット・ブロット分析することにより実施できる。かくして、該断片中にSNPが存在するか否かを決定することができる。
(3) 一塩基プライマー伸長法
遺伝子多型の検出は、また、スナップショット法、ピロシーケンス法、特開平2000-279197号公報に開示の点変異検出法のような、一塩基伸長法によっても実施することができる。これらの方法では、目的の遺伝子多型(SNP)の直前の塩基または数塩基前の塩基に対応するように設定したプローブ、即ち、その3'末端を検出目的である変異の1塩基上流またはその近傍(数塩基上流)に設定したプローブを、DNA検体にアニーリングさせる。各方法は市販のSNPs検出用キットおよび該キットに添付のソフトウェアを利用して実施することができる。例えばスナップショット法は、ABI PRISM SNaPshot ddNTP Primer Extension Kit (ABI社製)を用いて実施できる。SNPsは、反応後に生成した蛍光フラグメントを、ABI PRISM310/377/3100/3700DNA Analyzer (いずれもABI社製)とGeneScanソフトウェアを用いて解析することにより検出することができる。
ピロシーケンス法は、例えば、以下のごとくして実施できる。即ち、血液サンプルなどから常法によりゲノムDNAを単離し、ビオチン標識したプライマーを用いて変異を含む数十から数百塩基をPCR増幅させ、マグネットビーズを用いて一本鎖DNAを精製し、この精製DNAを検体とする。該検体に、所望の遺伝子多型の1〜数塩基上流からシーケンスするように設定したプライマーをアニーリングさせ、次いでソフトウェアに入力された遺伝子多型付近のシーケンスに従って1種類ずつdNTPを添加反応させる。DNAポリメラーゼが塩基伸長するとピロリン酸(PPi)を生成するので、該PPiをスルフリラーゼ(Sulfurylase)によりATPに変換させ、これを基質としてルシフェラーゼを作用させ、得られる発光を発光検出器、CCDカメラなどを用いて検出する。かくして、添加したdNTPに応じて得られる発光のピークを解析することによって、所望の遺伝子のタイピングが可能となる。該方法を用いれば、96サンプルを15分ほどでタイピングすることができる。
上記方法において試薬および装置としては、通常のものを用いることができる。例えば、試薬としては、DNAポリメラーゼ、ATP-スルフリラーゼ、ルシフェラーゼおよびアピラーゼ(apyrase)の4種の酵素混合液、ルシフェリンおよびAPS(アデノシン5'硫酸リン酸)からなる基質液、dATP(デオキシアデノシン・3リン酸)、dCTP、dGTPおよびdTTPからなるdNTPを構成要素とする市販のSNP Reagent Kits (Pyrosequencing AB社製)などを用いることができる。また装置としては、例えば自動DNA配列分析のためのPSQ96システム (Pyrosequencing AB社製)およびその使用のためのSNPソフトウェア (Pyrosequencing AB社製)を用いることができる。
また、ピロシーケンス法は、例えば米国特許第6,159,693号明細書の記載に従って、核酸を単離し、PCR法によって増幅させ、増幅したPCR産物を精製後、READITTM System (プロメガ・コーポレーション社製)を用い、これにピロリン酸を反応させ、得られデータを分析することによっても実施できる。このデータ分析には、例えば市販のREADIT技術 (プロメガ・コーポレーション社製)を利用したExcel分析を採用できる。
(4) PCR-単鎖高次構造多型(SSCP)分析法
本発明方法における遺伝子多型の決定(検出)には、更に、PCR-SSCP法(Orita, M., Iwahara, H., et al., Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 86, 2776-2770 (1989))を採用することもできる。この方法は、PCR増幅産物(一本鎖DNA)を非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動して、その移動度の差異により一塩基変異の有無を識別するものである。
(5) PCR-制限酵素断片長多型(RFLP)分析法
本発明のSNPsの決定(またはハプロタイプの決定)にあたり、目的とする多型を含む核酸配列が制限酵素認識部位をも含んでいる場合には、該決定は、制限酵素断片長多型分析法(RFLP法: Botstein, D. R., et al., Am. J. Hum. Gen., 32, 314-331 (1980))によって行うことができる。
RFLP法は、特定遺伝子の特定位置における遺伝子型を検出するために、該遺伝子型の箇所を含めてその前後の配列を認識し得る制限酵素を用いて実施される。かかるRFLP法に用いられる酵素は、目的とする遺伝子型の箇所の前後配列を認識し得る各種の公知の制限酵素であればよい。
該RFLP法は、より好適にはPCR-RFLP法、即ち予めPCR法またはその変法などによって検体DNAを増幅・調製後、多量に調製され且つ濃縮された検体DNAについて実施する方法によることができる。かくして、特異的切断サイトの存在の有無として、所望の遺伝子多型の存在の有無を検出することができる。
この方法に従う遺伝子多型の検出は、次のようにして実施される。即ち、まず、ヒト検体からゲノムDNAを抽出し、該遺伝子の遺伝子多型部位を含む領域のDNA断片をPCR法などにより増幅させて多量の濃縮された遺伝子サンプルを得る。次いで、増幅DNA検体を特定の制限酵素を用いて消化し、DNAの切断様式(切断の有無、切断フラグメントの塩基長など)を常法に従って確認する。
(6) インベーダー法
本発明特定遺伝子のSNPsは、インベーダー(Invader)法によっても検出及び決定することができる。インベーダー法の実施には、以下の文献が参照できる。
・Lyamichev, V., et al., Nat. Bioltechnol., 17 (3)292-296 (1999)および
・国際特許公開WO9823774号(特表2001-526526号)。
該方法は、ゲノムDNAのSNPsを分析するために予め標的DNAを増幅する必要がない方法であって、以下のごとくして実施される。
目的とする特定遺伝子の、例えば(a), (b), (d)〜(s)に記載の各遺伝子の、SNPsの存在の有無を検出するために、先ずゲノムDNAを単離した後、15から50塩基長からなる5'フラップと、検出したい核酸(本発明ではSNP)を5'フラップの3'端に配し、目的の遺伝子型の核酸以外は標的ゲノムDNAに相補するようにした30から数百塩基のオリゴヌクレオチドからなる第一の標的プローブと、検出したい核酸に相補的な核酸を3'端に配する以外は、標的ゲノムDNAに相補するようにした15から数十塩基長のオリゴヌクレオチドからなるインベーダー・オリゴヌクレオチド・プローブとを、例えば自動合成機により合成する。これらのプローブに、単離したゲノムDNAおよび第一のプローブの5'フラップを切断する酵素(フラップエンドヌクレアーゼ)を同時に加えて適当な反応液中で反応させる。
もし検体中のゲノムDNAが所望の遺伝子多型(SNP)を有している場合は、遺伝子型の核酸を3'端に有する5'フラップを遊離する第一の反応が終了する。もし、検体中のゲノムDNAが遺伝子型の核酸配列を有していない場合は、前記酵素による切断は生じない。
酵素で切断された第一のプローブから遊離した5'フラップは、標的として蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)プローブに相補的に結合し、5'フラップの3'端がFRETプローブ内に侵入(invasion)する。同様に、酵素による反応が起こり、クエンチングされていた蛍光色素が遊離する。
次いで、第二の反応に用いる各FRETプローブを、検出される標的にもかかわらず、同一の配列を含んでいて、以下の本質的に2つのエレメントからなるように構築する。
(1)第一の反応から割裂した産物に相補する3'領域および(2)一本鎖プローブを模倣するために複式を形成し、そして標的が共にハイブリダイズして、それらがレポーター蛍光色素とクエンチャー蛍光色素を含んでいる自家相補的領域。
前記レポーター蛍光色素は、該レポーター蛍光色素が前記クエンチャー蛍光色素と同一のプローブに結合されている場合には、蛍光共鳴エネルギー転移によりその蛍光強度が抑制され、前記クエンチャー蛍光色素と同一のプローブに結合されていない状態では、蛍光強度は抑制されない。従って、切断された第一のプローブから遊離した5'フラップが、FRETプローブにハイブリダイズしたとき、それは第二の反応においてインベーダー・オリゴヌクレオチドとして作用し、特異的酵素によって認識された侵入複合物を産生する。かくして、FRETプローブの上記特異的酵素による切断が、二つの蛍光色素を分離し、検出可能な蛍光シグナルを産生する。該シグナルを標準蛍光マイクロタイタープレート読み取り機器で読み取ることによって、所望のSNPsの遺伝子多型を検出することができる。第一と第二の反応の組み合わせにより、シグナルを1から1×106倍まで増幅することができる。より具体的には、蛍光色素の異なる2種類のフレットプローブを用いることによって、SNPの有無を検出(タイピング)することができる。
(7) 定量的リアルタイムPCR検出法
本発明にかかる遺伝子多型の検出(決定)は、定量的リアルタイムPCR検出法(TaqMan法)によっても、簡便に実施することができる。
該方法は、以下のごとくして実施できる。即ち、まず、目的とするSNPの遺伝子多型を検出するために、その多型(核酸部位)を含む適当な領域のDNA断片を検出するための、15〜39塩基からなるフォワード側プライマーおよびリバース側プライマーを作製する。但し、フォワード側プライマーおよびリバース側プライマーには目的とする核酸部位(一塩基の遺伝子型)は含まないように作製する。次いで、15〜50塩基からなる塩基配列を有するオリゴヌクレオチドであってレポーター蛍光色素とクエンチャー蛍光色素とが結合されたプローブを作成する。但し、該プローブの塩基配列としては、フォワード側プライマーがハイブリダイズする領域と該プローブがハイブリダイズする領域とが互いに重複しない組み合わせを選ぶものとする。該プローブは、目的とする一塩基の遺伝子型の有無を検出するための対立遺伝子特異的配列に相補的な配列を有するように作製する。該プローブを用いて、検体中の測定すべき特定遺伝子、例えば前記(a)〜(s)に記載の遺伝子の所望のDNA断片をPCRによって増幅させて、反応液からの蛍光をリアルタイムに測定する。かくして、SNPを検出することができる。また、蛍光色素の異なる2種類のプローブを用いることによって、SNPの検出(タイピング)を行うことができる。
上記インベーダーアッセイやTaqMan法に用いられるレポーター蛍光色素としては、FAM(6-カルボキシ-フルオレッセイン)のようなフルオレッセイン系蛍光色素が好ましく、クエンチャー蛍光色素としては、TAMRA(6-カルボキシ-テトラメチル-ローダミン)のようなローダミン系蛍光色素が好ましい。これらの蛍光色素は公知であり、市販のリアルタイム検出PCR用キットに含まれているそれらを用いることができる。レポーター蛍光色素およびクエンチャー蛍光色素の結合位置は特に限定されないが、通常、プローブのオリゴヌクレオチド部の一端(好ましくは5'末端)にレポーター蛍光色素が、他端にクエンチャー蛍光色素が結合される。なお、オリゴヌクレオチドに蛍光色素を結合する方法は公知であり、例えばNoble et al., (1984), Nuc. Acids Res., 12: 3387-3403およびIyer et al., (1990), J. Am. Chem. Soc., 112: 1253-1254に記載されている。
TaqMan法自体は公知であり、そのための装置およびキットも市販されているので、本発明ではこのような市販の装置およびキットを用いることもできる。これらの装置およびキットを利用して本発明方法を実施する場合は、例えば特許第2,825,976号に記載の方法に従うか、PEバイオシステムズ社製のABI PRISM 7700配列決定システム・ユーザーマニュアルに従えばよい。
(8) 質量分析計を用いた遺伝子多型検出法(mass array)
Mass array法は、多型によって生じる質量の差を検出する方法である。具体的には、検出したい多型を含む領域をPCRにて増幅した後、SNP位置直前に伸長用プライマーをハイブリダイズさせ、ddNTP/dNTP混合物を含む反応液、例えばddATP、dCTP、dGTPおよびdTTPを含む反応液を用いて伸長反応を行うことで、SNPに応じて長さの異なる断片が生成される。この生成産物を精製し、MALDI-TOF質量分析計などによって分析することで、質量数と遺伝子型との対応を解析することができる(Pusch, W., Wurmbach, JH., Thiele, H., Kostrzewa, M., MALDI-TOF mass spectrometry-based SNP genotyping, Pharmacogenomics,3(4): 537-48 (2002))。該方法は、例えばSequenom Mass ARRAYハイスループットSNP解析システムを用いて簡便に実施することができる(http://www.sequenom.com/Files/applications/hme_assay.html)。
(9) その他の検出法
本発明の方法に用いられるSNPsの検出は、従来よりDNAについてその塩基配列の決定法として、また遺伝子多型または遺伝子変異の検出法として知られている各種の方法によっても実施することができる。それらの例を以下に挙げる。
(9-1) 配列特異的オリゴヌクレオチドを用いるPCR-SSO法;
各遺伝子多型(SNPs)に対するプローブを担体に固相化し、これに検体(遺伝子増幅産物)をハイブリダイズさせ、ミスマッチの有無によるハイブリダゼーションの効率の差を判定するもの。
(9-2) 点変異を検出するPCR-SSP法;
点変異に対応する塩基を3'末端に設定した遺伝子増幅用配列特異的プライマーを用いて、プライマーの3'末端が相補的であるか否かによってPCRによる増幅効率に著しい差が生じることを利用したもの。
(9-3) PCR-DGGE(変性剤濃度勾配ゲル電気泳動)法;
遺伝子多型DNA断片と野生型DNA断片とを混合してハイブリッド結合させた後、尿素、ホルムアミドなどの変性剤の濃度が徐々に高くなっているポリアクリルアミドゲル中で電気泳動すると、ミスマッチのないホモ2本鎖に比べて、より低い濃度の変性剤の位置で1本鎖に解離する。この1本鎖DNAは、2本鎖DNAに比べて泳動速度が速いため、移動度の差を比較することで1塩基の遺伝子多型の違いを検出することができる。
(9-4) PCR-DGGE/GCクランプ法(Shefield, V. C., et al., Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 86, 232-236 (1989));
上記PCR-DGGE法に加えて、GC含量の高い領域を遺伝子多型核酸の検出対象であるDNA断片に繋げることにより複数の塩基置換、欠失、付加および挿入がある場合の検出の欠点を補った方法である。該方法は特に遺伝子多型検出の対象DNA断片にGCクランプを付加する工程を必要とする。
(9-5) RNase保護アッセイ法(Finkelstein, J., et al., Genomics, 7, 167-172 (1990))。
(9-6) in situ RT-PCR (Nucl. Acids Res., 21, 3159-3166 (1993))。
(9-7) in situ ハイブリダイゼーション。
(9-8) サザンブロッティング(Sambrook, J., et al., Molecular Cloning a Laboratory Manual., Cold Spring Harbor Laboratory Press: NY. (1989))。
(9-9) ドットハイブリダイゼーション法(Southern, E. M., J. Mol. Biol., 98: 503-517 (1975)など参照)。
(9-10) 蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH: Takahashi, E., et al., Hum. Genet., 86, 1416 (1990))。
(9-11) 競合的ゲノミック・ハイブリダイゼーション(Comparative Genomic Hybridization: CGH: Kallioneimi, A., et al., Science, 258, 818-821 (1992))、(Spectral karyotyping: SKY: Rowley, J. D., et al., Blood, 93, 2038-2042 (1999))。
(9-12) 酵母人工染色体(YAC)ベクターのクローンをプローブとする方法(Lengauer, C., et al., Cancer Res., 52, 2590-2596 (1992))。
かくして、本発明の方法に用いるヒト遺伝子の多型(SNPs)を検出することができる。
本発明に従うアスピリン服用対象者に対する出血時間延長傾向を判定する方法は、上記に従って検出されたヒト遺伝子多型を指標(マーカー)として、該遺伝子多型の存在が確認される検体の場合に、該検体を提供するアスピリン服用対象者は、アスピリンを服用した場合に出血時間延長傾向が出現する可能性が高いと判定する方法である。
このようにアスピリンを服用した場合に出血時間延長傾向が出現する可能性が高いと判定されたアスピリン服用対象者に対しては、例えばアスピリンの服用量を低用量とするか、またはアスピリンに変えて別の解熱・鎮痛剤や抗血小板剤を投与するなどの薬剤選択順位を事前に検討することができ、かくして薬剤投与による副作用や事故の出現を減らすことができる。
特に、本発明の方法においてマーカーとするヒトの遺伝子多型あるいは遺伝子型は、アスピリンを服用した場合の出血時間延長傾向が出現する可能性との関連の高いものであり、従って、本発明方法に従う判定結果に基づけば、個々のアスピリン服用対象者に対するオーダーメイドの療法、即ち、アスピリン服用に際し、消化性潰瘍合併症の出血リスクを小さくすることができる可能性がある。
オリゴヌクレオチド
本発明は、本発明判定(検出)方法に用いる遺伝子多型検出用プライマーまたはプローブとしてのオリゴヌクレオチドをも提供する。該オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載した特定のヒト遺伝子多型或いは遺伝子型部分を含むか或いは該部分の1〜数塩基上流を3'末端とする配列を特異的に増幅できるものである限り特に制限はない。該オリゴヌクレオチドは各特定の遺伝子多型または遺伝子型の配列情報に基づいて常法に従って適宜、合成、構築することができる。
その合成は、より具体的には通常のホスホルアミダイト法、リン酸トリエステル法などの化学合成法によることもでき、また市販されている自動オリゴヌクレオチド合成装置、例えば(Pharmacia LKB Gene Assembler Plus: ファルマシア社製)などを使用して実施することもできる。二本鎖断片は、化学合成した一本鎖生成物とその相補鎖を合成し、両者を適当な条件下でアニーリングさせるか、または適当なプライマー配列とDNAポリメラーゼとを用いて、上記一本鎖生成物に相補鎖を付加させることによって、得ることができる。
前記プローブまたはプライマーとして用いられるオリゴヌクレオチドの好適なものとしては、本発明にかかる特定遺伝子の遺伝子多型配列を含むか或いは該遺伝子型部分の1〜数塩基上流を3'末端とするように設定されたDNA断片に対応する部分オリゴヌクレオチドであって、少なくとも10個、通常10〜35個程度の連続した塩基を有するものを例示することができる。プライマー対としては、本発明にかかる特定遺伝子のDNA配列におけるSNPを挟むように設計、合成されたそれぞれ2つのオリゴヌクレオチド配列を挙げることができる。
プローブとして用いられるオリゴヌクレオチドは、本発明にかかる遺伝子多型配列を含むDNA断片それ自体を用いることもできる。
前記プローブまたはプライマーとして用いられるオリゴヌクレオチドの好適なものとしては、下記(a)〜(s)に示されるオリゴヌクレオチドを挙げることができる。なお、これらのオリゴヌクレオチドのうちでは、特定遺伝子多型部分を含むかまたはその一から1〜数塩基上流を3'末端として含む少なくとも15個の連続する配列を有するものが好ましい。
(a)リファレンスSNP ID番号:rs2267076であるADORA2A遺伝子の4221164番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(b)リファレンスSNP ID番号:rs820464であるMYLK遺伝子の29852208番目における遺伝子型がG/GあるいはG/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(c)リファレンスSNP ID番号:rs1049437であるPPP3CC遺伝子の672970番目における遺伝子型がT/TあるいはT/Gである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(d)リファレンスSNP ID番号:rs1045376であるPLA2G4C遺伝子の20819599番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(e)リファレンスSNP ID番号:rs3761422であるADORA2A遺伝子の4217241番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(f)リファレンスSNP ID番号:rs2240735であるADCY9遺伝子の1369031番目における遺伝子型がG/Gである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(g)リファレンスSNP ID番号:rs820463であるMYLK遺伝子の29852183番目における遺伝子型がC/CあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(h)リファレンスSNP ID番号:rs3750467であるACTL7B遺伝子の13278869番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(i)リファレンスSNP ID番号:rs3732490であるMYLK遺伝子の29844745番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(j)リファレンスSNP ID番号:rs3813010であるPLCG2遺伝子の8564番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(k)リファレンスSNP ID番号:rs2291263であるITPR2遺伝子の19569790番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(l)リファレンスSNP ID番号:rs2230379であるITPR2遺伝子の19568290番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(m)リファレンスSNP ID番号:rs527であるPPP1R15A遺伝子の21647372番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(n)リファレンスSNP ID番号:rs3825012であるPDE2A遺伝子の2487872番目における遺伝子型がA/AあるいはG/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(o)リファレンスSNP ID番号:rs2268899であるPPP1R7遺伝子の1295633番目における遺伝子型がA/AあるいはG/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(p)リファレンスSNP ID番号:rs2301756であるPTPN11遺伝子の3409518番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(q)リファレンスSNP ID番号:rs2076074であるSELP遺伝子の8084058番目における遺伝子型がT/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
(r)リファレンスSNP ID番号:rs2266953であるCRKL遺伝子の693494番目における遺伝子型がT/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、および
(s)リファレンスSNP ID番号:rs2266965であるMAPK1遺伝子の1511724番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド。
本発明オリゴヌクレオチドの具体例としては、上記各遺伝子に対してそれぞれ、後記実施例に示される配列番号1-15で示されるフォワード・プライマーおよび配列番号16-30で示されるリバース・プライマーとしてのオリゴヌクレオチドを挙げることができる。本発明の遺伝子特異的プローブとしては、前記各遺伝子型のいずれかを検出できるものであればいずれでもよい。
検出用キット
本発明検出(判定)方法は、検体中の特定ヒト遺伝子の遺伝子多型または遺伝子型の検出のための試薬キットを利用することによって、より簡便に実施することができる。本発明はかかる検出用キットをも提供する。
本発明キットの一つの例は、上記特定ヒト遺伝子のいずれかの遺伝子多型または遺伝子型のDNA断片である塩基配列もしくはその相補的塩基配列の一部または全てにハイブリダイズするDNA断片を少なくとも必須構成成分として含むか、あるいは上記特定遺伝子多型部位または遺伝子型部位の1塩基前または数塩基前の配列からなる塩基配列にハイブリダイズするDNA断片を少なくとも必須構成成分として含む。
本発明キットにおける他の成分としては、標識剤、PCR法に必須な試薬(例えば、TaqDNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチド三リン酸、DNA増幅用プライマーなど)を例示することができる。標識剤としては、放射性同位元素、発光物質、蛍光物質などの化学修飾物質などが挙げられ、DNA断片自身が予め該標識剤でコンジュゲートされていてもよい。更に当該キットには、測定の実施の便益のために適当な反応希釈液、標準抗体、緩衝液、洗浄剤、反応停止液などが含まれていてもよい。
本発明者の見出した特定遺伝子の遺伝子多型或いは遺伝子型は、アスピリン服用者の出血時間延長傾向との関連性が高いために、本発明方法によれば、個々のアスピリン服用対象者に対するオーダーメイド医療において、消化性潰瘍合併症の出血リスクを予測し、リスクの小さい患者を選択することによってより安全にアスピリンを服用できる可能性がある。本発明は、かかる特定のヒト遺伝子多型或いは遺伝子型を、アスピリン服用対象者の出血時間延長傾向と関連するマーカーとして検出する方法、即ち、アスピリン服用対象者から得られた検体中の特定の遺伝子多型または遺伝子型を、アスピリン服用対象者の出血時間延長傾向識別マーカーとして検出する方法、並びに該方法に用いる診断剤および診断用キットを提供するものである。
本発明は、アスピリン服対象者の出血時間延長傾向識別マーカーを検出する方法、特にアスピリン服用対象者検体中の特定のヒト遺伝子多型または遺伝子型を検出して、該アスピリン服用対象者に対する出血時間延長傾向の有無を判定する方法、そのためのキット、それらに利用する遺伝子多型、遺伝子型、遺伝子型検出用プライマーおよびプローブを提供する。これらは患者個々のオーダーメイド医療における、より安全なアスピリンの服用を可能とする。
以下、本発明を更に詳しく説明するため、実施例を挙げるが本発明はこれに限定されない。
(1) 解析対象検体
本試験における解析対象は、被験者同意を得た健康成人男子(アスピリン投与群の例数は35名(年齢:20-40歳)の血液検体より抽出したゲノムDNA検体である。なお、これらの検体は、大塚製薬社内倫理委員会より承認を受けた市販後臨床試験計画番号:C02100-001の研究計画に基づき収集した検体である。この研究計画は「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(平成13年3月文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号)」に準拠して行われた。収集された血液検体は連結不可能匿名化処理後、冷凍状態で大塚製薬株式会社TRC(Theranostics Research Center)へ搬送された。TRCにおいて、それら血液検体からゲノムDNAを抽出し解析用試料とした。
本研究で使用する全てのゲノムDNA試料は、実験期間中、TRC実験施設内の専用の保存庫(冷蔵、4℃)にて厳重に管理・保管した。
(2) 解析対象遺伝子
本試験において解析対象とした遺伝子は、以下の遺伝子群を含む246の血小板関連遺伝子である。
(a) ADORA2A遺伝子(Adenosine A2a receptor) (GenBank Accession No. NT_011520.9)、
(b) MYLK遺伝子(Myosin light polypeptide kinase (GenBank Accession No. NT_005612.14)、
(c) PPP3CC遺伝子(Protein phosphatase 3) (GenBank Accession No. NT_023666.16)、
(d) PLA2G4C遺伝子(Phospholipase A2, group IVC) (GenBank Accession No. NT_011109.15)、
(e) ADCY9遺伝子(Adenylate cyclase 9) (GenBank Accession No. NT_010552.13) 、
(f) ACTL7B遺伝子(Actin-like 7 Beta) (GenBank Accession No. NT_008470.16) 、
(g) PLCG2遺伝子(Phospholipase C, gamma 2) (GenBank Accession No. NT_024814.5) 。
(h) ITPR2遺伝子(Inositol 1,4,5-triphosphate receptor, type 2) (GenBank Accession No. NT_009714.16) 、
(i) PPP1R15A遺伝子(Protein phosphatase 1, regulatory (inhibitor) subunit 15A) (GenBank Accession No. NT_011109.15)、
(j) PDE2A遺伝子(Phosphodiesterase 2A) (GenBank Accession No. NT_033927.6) 、
(k) PPP1R7遺伝子(Protein phosphatase 1, regulatory subunit 7) (GenBank Accession No. NT_005416.11) 、
(l) PTPN11遺伝子(Protein tyrosine phosphatase, non-receptor type 11) (GenBank Accession No. NT_009775.14) 、
(m) SELP遺伝子(Selectin P (granule membrane protein 140kDa, antigen CD62) (GenBank Accession No. NT_004668.16) 、
(n) CRKL遺伝子(v-crk sarcoma virus CT10 oncogene homolog(avian)-like) (GenBank Accession No. NT_011520.9)、および
(o) MAPK1遺伝子(Mitogen-activated protein kinase 1) (GenBank Accession No. NT_011520.9)。
(3) 解析対象SNPs
本試験において解析対象としたSNPsは、上記遺伝子群のうちで、試験開始時点でNCBIのSNPsデータベース”dbSNPs”に登録されているものを、大塚製薬株式会社Bioinformatics室(以下「BI室」という)にて解析対象遺伝子の登録配列と比較した結果、その周辺部にマップされたものである。BI室での検索結果においてSNPsがマップされなかった遺伝子は解析対象から除いた。最終的に解析対象SNPs数は918SNPsであった。
(4) 実験手順
(4a) ゲノムDNAの抽出
ゲノムDNA抽出には全血からのゲノム抽出用キット(PUREGENETM、Gentra)を用いた。
抽出手順はPUREGENETMに添付の標準プロトコールに準じた。抽出したゲノムDNAはキット添付の溶解液に溶解後、吸光度を測定して全抽出量を算出した。
(4b) PCR(インベーダーアッセイ用)
解析対象のSNPsを含むゲノム領域をPCRにより増幅した。DNAポリメラーゼはEx TaqTM(TaKaRa)、反応バッファは添付の10×Ex Taq Bufferを用いた。
反応は、以下の条件で行った。
テンプレート量(ゲノムDNA):1〜10ng、
プライマー濃度:0.1〜0.2μM、
総反応液量:15μL、
PCRサイクル:(1)95℃×2分、(2)95℃×30秒、(3)50〜64℃×30秒、(4)72℃×1分30秒、(5) (2)〜(4)×50サイクル、(6) 15℃×永続。
PCR産物は、以下のインベーダーアッセイの反応用鋳型として使用した。
上記反応に用いたフォワード・プライマーの核酸配列は、配列番号:1〜配列番号:15に示され、またリバース・プライマーの核酸配列は、配列番号:16〜配列番号:30に示される。これらの各プライマーと特定ヒト遺伝子ゲノムおよびその有するSNPsとの関連を下記表3に示す。
Figure 2006288279
表3において、DCS(ダイレクトサイクルシークエンス法)及びインベーダープローブの各列における丸印は、該丸印を付した遺伝子多型の検出がそれぞれDCS法によりまたはインベーダープローブを用いて行われたことを示す。
(5) インベーダーアッセイ
SNPs領域を増幅したPCR産物を蒸留水にて10〜1000倍に希釈し、この希釈PCR産物を変性して一本鎖DNAとするために95℃で5分間加熱後、氷上で急冷した。これを反応用鋳型として用いてインベーダーアッセイ試薬(Third Wave Technologies, Inc)と混合して反応液を調製した。反応液組成は、当該試薬添付のプロトコール384-WELL REACTION FORMATに従った。なお、PCRが成功しなかったSNPsについては、ゲノムDNAを直接インベーダーアッセイの反応用鋳型として使用した。
反応液を63℃で30〜60分間インキュベートして酵素を反応させた。反応後、蛍光マルチプレートリーダー・サファイア(TECAN)で励起光485±6nm、蛍光530±6nm(FAM dye)および励起光560±6nm、蛍光620±6nm(Redmond Red dye)の2つの波長(赤色と緑色の2色)の蛍光強度を測定した。
以上の希釈を除くタイピング作業は、Biomek FX/SAMI(Beckman Coulter)を中心としたSNPs自動タイピングシステムで行った。
得られた蛍光強度の測定結果を、BARCODE LAB SYSTEM(BLABSTM、三井情報開発株式会社)version1.0(自動判定補正あり)に取り込ませたのち、自動判定によって各SNPsの遺伝子型を決定した。判定結果は、再度、スキャッタープロットから確認した。
(6) ダイレクトサイクルシークエンス法
インベーダーアッセイによってタイピングできないSNPsは、ダイレクトサイクルシークエンス法にてタイピングを行った。本法はPCR産物を鋳型にインベーダーアッセイを実施したSNPsについて、インベーダーアッセイにより遺伝子型の判別が困難であった場合に用いた方法であり、PCR産物をPCR反応用に用いたプライマーにてシークエンスを行う方法である。かくして該方法によりPPP1R7(rs2268899)を始めとする48のSNPsをタイピングした。
(7) 遺伝子型判定法
遺伝子型は、前記(5)に示すインベーダーアッセイ反応の結果検出される2色の蛍光強度により判定した。また、インベーダーアッセイにより遺伝子型の判定が困難であった場合には、ダイレクトサイクルシークエンス法により遺伝子型を判定した。かくしてインベーダーアッセイ及びダイレクトサイクルシークエンス法により246遺伝子に存在している918個のSNPsについて、対象者の遺伝子型を決定した。
(8) 出血時間延長傾向判定の試験方法
アスピリン服薬4時間前とアスピリン324mg単回服薬した3時間後に被験者から血液を採取し、出血時間および血小板凝集能(コラーゲン(Horm社製):0.125μg/mL〜8.0μg/mL、ADP(Sigma社製):0.25μM〜20μMおよびエピネフリン(第一製薬株式会社製)16μMを使用した試験をそれぞれ実施した)のそれぞれを測定し、出血時間に関連するSNPsのアレル頻度、血小板凝集能に関連するSNPsのアレル頻度および副次的にアスピリン出血時間の反応性と血小板凝集の反応性との関連を検討した。
なお、出血時間の測定法はIvy変法を用いて実施した。即ち、被験者の上腕に血圧計で40mmHgの圧をかけて静脈圧を高め血管を拡張させた状態で皮膚に傷をつける器具(Simplate: Organon Teknika Corporation社製)で深さと長さを一定にした切創を作製し、該切創から湧出する血液を濾紙で30秒毎に軽く触れて吸い取り、濾紙に血液がつかなくなったときを出血時間とした。
血小板凝集能の測定は、Mebanix model PAM 8T12(メバニクス株式会社製)を用いて比濁法によって実施し、最大凝集率および抑制率を求めた。凝集惹起物質としては、コラーゲン、ADPおよびエピネフリンを用いた。測定チャート(凝集曲線)から、ピークが1つで、凝集惹起物質添加5分後に最大凝集から15%以上の凝集率の低下が認められる場合を二次凝集なしと判定した。
(9) 結果(出血時間延長傾向の識別に有効なSNPsの探索研究)
解析対象者35例について、アスピリン投与後の出血時間延長と血小板凝集能の変化との間に関連は認められなかった。また、血小板凝集能については、コラーゲン惹起の場合にのみ、アスピリン投与により凝集が抑制された。
アスピリン投与による出血時間延長については、アスピリン服用前後の出血時間の差が、平均の2SD以上の被験者を高応答者、平均の2SD未満の被験者を低応答者として、表現形を分類できた。
上記高応答者の表現形の識別に有効なSNPsの検討を、全918個の単一SNPsについて、統計的判別解析法で調べ、ピアソンのカイ2乗検定において有意水準p<0.05となったSNPsを選択した。なお、47個のSNPsは何れの方法においても遺伝子型を判別できなかったため解析対象因子から除外した。
かくして、918個の中から47個のSNPsを除外して、871個の候補SNPsの中から出血時間延長高応答者に関連する有効SNPsを検討した結果を次表4に示す。
Figure 2006288279
表4中、「OR」は、オッズ比を示す。「p」は、スコアーのカイ2乗検定のP値を、「遺伝子シンボル」は、遺伝子名をそれぞれ表す。
表4に示されるように、遺伝子型頻度表においてカイ2乗検定でp<0.05を採用した場合、15遺伝子における19のSNPsが、アスピリン服用による出血時間延長と関連するものと認められた。
これらの判別に有効と認められたSNPsは、ADORA2A、MYLK、PPP3CC、PLA2G4C、ADCY9、ACTL7B、PLCG2、ITPR2、PPP1R15A、PDE2A、PPP1R7、PTPN11、SELP、CRKLおよびMAPK1である。この15のSNPsのうちP値が0.01より小さいSNPsは、ADORA2A、MYLK、PPP3CC、PLA2G4CおよびADCY9である。
上記結果からアスピリン服用による出血時間延長傾向と関連ある遺伝子多型が、ADORA2A、MYLK、PPP3CC、PLA2G4C、ADCY9、ACTL7B、PLCG2、ITPR2、PPP1R15A、PDE2A、PPP1R7、PTPN11、SELP、CRKLおよびMAPK1遺伝子に存在しており、これらの遺伝子多型またはその遺伝子型の存在を指標(識別マーカー)とすれば、アスピリン服用対象者の出血時間延長傾向を予測できることが明らかとなった。
本発明は、アスピリン服用による出血時間延長傾向と関連ある遺伝子多型を指標とするアスピリン服用対象者の出血時間延長傾向を判定する方法を提供するものである。
配列番号:1-28は、プライマー配列である。

Claims (9)

  1. 以下の(a)〜(d)の工程を含む、アスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する方法;
    (a)アスピリン服用対象者に由来する遺伝子サンプルを得る工程、
    (b)上記(a)の遺伝子サンプルについて、ADORA2A、MYLK、PPP3CC、PLA2G4C、ADCY9、ACTL7B、PLCG2、ITPR2、PPP1R15A、PDE2A、PPP1R7、PTPN11、SELP、CRKLおよびMAPK1からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のゲノムDNAもしくはその相補鎖を調製する工程、
    (c)当該ゲノムDNA配列もしくはその相補鎖の配列を解析して、遺伝子多型を決定する工程、
    (d)上記(c)で決定された少なくとも1つの遺伝子多型をマーカーとして、アスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する工程。
  2. 遺伝子多型が、ADORA2A、MYLK、PPP3CC、PLA2G4CおよびADCY9からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子における多型である請求項1に記載の、アスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する方法。
  3. 遺伝子多型が、リファレンスSNP ID番号:rs2267076、リファレンスSNP ID番号:rs820464、リファレンスSNP ID番号:rs1049437、リファレンスSNP ID番号:rs1045376、リファレンスSNP ID番号:rs3761422、リファレンスSNP ID番号:rs2240735、リファレンスSNP ID番号:rs820463、リファレンスSNP ID番号:rs3750467、リファレンスSNP ID番号:rs3732490、リファレンスSNP ID番号:rs3813010、リファレンスSNP ID番号:rs2291263、リファレンスSNP ID番号:rs2230379、リファレンスSNP ID番号:rs527、リファレンスSNP ID番号:rs3825012、リファレンスSNP ID番号:rs2268899、リファレンスSNP ID番号:rs2301756、リファレンスSNP ID番号:rs2076074、リファレンスSNP ID番号:rs2266953およびリファレンスSNP ID番号:rs2266965からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載のアスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する方法。
  4. 遺伝子多型が、リファレンスSNP ID番号:rs2267076、リファレンスSNP ID番号:rs820464、リファレンスSNP ID番号:rs1049437、リファレンスSNP ID番号:rs1045376、リファレンスSNP ID番号:rs3761422、リファレンスSNP ID番号:rs2240735およびリファレンスSNP ID番号:rs820463のいずれかである請求項1 に記載のアスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する方法。
  5. アスピリン服用による出血時間延長傾向を判定するためのマーカーが、下記(a)-(s)からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子多型である請求項1に記載のアスピリン服用による出血時間延長傾向を判定する方法;
    (a) リファレンスSNP ID番号:rs2267076であるADORA2A遺伝子の4221164番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型、
    (b) リファレンスSNP ID番号:rs820464であるMYLK遺伝子の29852208番目における遺伝子型がG/GあるいはG/Cである遺伝子多型、
    (c) リファレンスSNP ID番号:rs1049437であるPPP3CC遺伝子の672970番目における遺伝子型がT/TあるいはT/Gである遺伝子多型、
    (d) リファレンスSNP ID番号:rs1045376であるPLA2G4C遺伝子の20819599番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型、
    (e) リファレンスSNP ID番号:rs3761422であるADORA2A遺伝子の4217241番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型、
    (f) リファレンスSNP ID番号:rs2240735であるADCY9遺伝子の1369031番目における遺伝子型がG/Gである遺伝子多型、
    (g) リファレンスSNP ID番号:rs820463であるMYLK遺伝子の29852183番目における遺伝子型がC/CあるいはC/Tである遺伝子多型、
    (h) リファレンスSNP ID番号:rs3750467であるACTL7B遺伝子の13278869番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型、
    (i) リファレンスSNP ID番号:rs3732490であるMYLK遺伝子の29844745番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型、
    (j) リファレンスSNP ID番号:rs3813010であるPLCG2遺伝子の8564番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型、
    (k) リファレンスSNP ID番号:rs2291263であるITPR2遺伝子の19569790番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型、
    (l) リファレンスSNP ID番号:rs2230379であるITPR2遺伝子の19568290番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型、
    (m) リファレンスSNP ID番号:rs527であるPPP1R15A遺伝子の21647372番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型、
    (n) リファレンスSNP ID番号:rs3825012であるPDE2A遺伝子の2487872番目における遺伝子型がA/AあるいはG/Aである遺伝子多型、
    (o) リファレンスSNP ID番号:rs2268899であるPPP1R7遺伝子の1295633番目における遺伝子型がA/AあるいはG/Aである遺伝子多型、
    (p) リファレンスSNP ID番号:rs2301756であるPTPN11遺伝子の3409518番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型、
    (q) リファレンスSNP ID番号:rs2076074であるSELP遺伝子の8084058番目における遺伝子型がT/Tである遺伝子多型、
    (r) リファレンスSNP ID番号:rs2266953であるCRKL遺伝子の693494番目における遺伝子型がT/Tである遺伝子多型および
    (s) リファレンスSNP ID番号:rs2266965であるMAPK1遺伝子の1511724番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型 。
  6. 遺伝子多型の決定が、ヌクレオチド直接塩基配列決定法、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)-ドットブロット分析、一塩基プライマー伸長法、PCR-単鎖高次構造多型(SSCP)分析、PCR-制限酵素断片長多型(RFLP)分析、インベーダー法、定量的リアルタイムPCR検出法および質量分析計を用いた遺伝子多型検出法(mass array)からなる群から選ばれる少なくとも1つの方法により行われる請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 遺伝子多型の決定が、インベーダー法またはヌクレオチド直接配列決定法により行われる請求項6に記載の方法。
  8. 遺伝子多型の決定が、下記(a)-(s)からなる群から選ばれる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを遺伝子多型検出用プライマーまたはプローブとして用いて行われる請求項6に記載の方法;
    (a)リファレンスSNP ID番号:rs2267076であるADORA2A遺伝子の4221164番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (b)リファレンスSNP ID番号:rs820464であるMYLK遺伝子の29852208番目における遺伝子型がG/GあるいはG/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (c)リファレンスSNP ID番号:rs1049437であるPPP3CC遺伝子の672970番目における遺伝子型がT/TあるいはT/Gである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (d)リファレンスSNP ID番号:rs1045376であるPLA2G4C遺伝子の20819599番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (e)リファレンスSNP ID番号:rs3761422であるADORA2A遺伝子の4217241番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (f)リファレンスSNP ID番号:rs2240735であるADCY9遺伝子の1369031番目における遺伝子型がG/Gである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (g)リファレンスSNP ID番号:rs820463であるMYLK遺伝子の29852183番目における遺伝子型がC/CあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (h)リファレンスSNP ID番号:rs3750467であるACTL7B遺伝子の13278869番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (i)リファレンスSNP ID番号:rs3732490であるMYLK遺伝子の29844745番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (j)リファレンスSNP ID番号:rs3813010であるPLCG2遺伝子の8564番目における遺伝子型がT/TあるいはC/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (k)リファレンスSNP ID番号:rs2291263であるITPR2遺伝子の19569790番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (l)リファレンスSNP ID番号:rs2230379であるITPR2遺伝子の19568290番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (m)リファレンスSNP ID番号:rs527であるPPP1R15A遺伝子の21647372番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (n)リファレンスSNP ID番号:rs3825012であるPDE2A遺伝子の2487872番目における遺伝子型がA/AあるいはG/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (o)リファレンスSNP ID番号:rs2268899であるPPP1R7遺伝子の1295633番目における遺伝子型がA/AあるいはG/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (p)リファレンスSNP ID番号:rs2301756であるPTPN11遺伝子の3409518番目における遺伝子型がC/Cである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (q)リファレンスSNP ID番号:rs2076074であるSELP遺伝子の8084058番目における遺伝子型がT/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド、
    (r)リファレンスSNP ID番号:rs2266953であるCRKL遺伝子の693494番目における遺伝子型がT/Tである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチドおよび
    (s)リファレンスSNP ID番号:rs2266965であるMAPK1遺伝子の1511724番目における遺伝子型がA/Aである遺伝子多型部位を含むかまたはその部位から1〜数塩基上流を3'末端とする、少なくとも10の連続する配列のオリゴヌクレオチド。
  9. 遺伝子多型検出用プライマーが、下記(1)〜(14)に記載のものである請求項8に記載の方法;
    (1) ADORA2Aに対して配列番号:1および15で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
    (2) MYLKに対して配列番号:2および16で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
    (3) PLA2G4Cに対して配列番号:3および17で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
    (4) ADORA2Aに対して配列番号:4および18で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
    (5) ADCY9に対して配列番号:5および19で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
    (6) ACTL7Bに対して配列番号:6および20で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
    (7) MYLKに対して配列番号:7および21で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
    (8) ITPR2に対して配列番号:8および22で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
    (9) ITPR2に対して配列番号:9および23で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
    (10) PDE2Aに対して配列番号:10および24で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
    (11) PPP1R7に対して配列番号:11および25で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
    (12) SELPに対して配列番号:12および26で示される各配列のオリゴヌクレオチド対、
    (13) CRKLに対して配列番号:13および27で示される各配列のオリゴヌクレオチド対および
    (14) MAPK1に対して配列番号:14および28で示される各配列のオリゴヌクレオチド対。
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