JP2006285295A - 活線ファイバの光減衰方法および光減衰器 - Google Patents

活線ファイバの光減衰方法および光減衰器 Download PDF

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Abstract

【課題】活線ファイバの光パワーを復元可能に減衰することができる活線ファイバの光減衰方法、活線ファイバの光減衰治具、および、活線ファイバの作業方法を提供する。
【解決手段】通光中の光ファイバの光パワーを所定量だけ復元可能に減衰させる、活線ファイバの光減衰方法、および、通光中の光ファイバの光パワーを所定量だけ復元可能に減衰させた状態で光ファイバを固定する光ファイバ把持部を備えた、活線ファイバの光減衰器であって、光ファイバ把持部が、対応する曲面をそれぞれ有する上蓋部、および下蓋部を備えており、上蓋部および下蓋部の何れか一方の曲面に光ファイバ素線、光ファイバテープ心線、または光ケーブルを誘導する溝部が形成されており、光ファイバ素線、光ファイバテープ心線、または光ケーブルが上蓋部および下蓋部によって把持される。
【選択図】図3

Description

本発明は、光減衰方法および光減衰器に関し、特に、光ファイバ布設作業時における機器の損傷防止のための通光中の光ファイバの光減衰方法および光減衰器に関する。
近年、WDMシステムの普及に伴う通信容量の増大や伝送距離の長距離化により、光伝送路における高出力化が進んでいる。例えば、EDFアンプやラマンアンプにおける励起光は、数百mWから数Wに達している。また、信号光においても多波長が合波された場合には数百mWに達することもある。このとき、光ファイバのコア径は非常に小さい(SMFの場合はφ10μm程度)ため、光パワー密度としては非常に高くなる。このためこの光が直接作業機器に照射した場合には、機器の損傷につながる恐れがある。
従って、従来、通光中の光ファイバに対してそのまま作業をすることはできず、光ファイバ布設作業(ファイバ切断、被覆除去、融着接続、メカスプ接続、コネクタ着脱、コネクタ端面清掃等)の際には、光源を停止してから作業するのが一般的な方法であった。即ち、光ファイバに通光した状態での作業は行なわれていなかった。
特開平7−225319号公報
しかし、最近になって、活線(通光中の)ファイバにおいて上記作業(ファイバ切断、被覆除去、融着接続、メカスプ接続、コネクタ着脱、コネクタ端面清掃等)を実施したいという要求が高まってきている。図7は、映像配信システムを示す概略図である。例えば、映像配信システムの場合、センタ101において光源102の光が光アンプ103に増幅され、光カプラ104によって分配されて加入者107に配信される。離隔地は伝送ファイバ105によって伝送され、光カプラ106によって分配され加入者108、109に配信される。図7に示すように加入者に対して、ツリー状に光ファイバが構成され、映像が分配(同時配信)されるため、一度サービスの提供を開始してしまうと、サービスの停止は難しく、例え加入者が増えた場合にも、光源を停止することなく、光ファイバに通光しながら、上述した活線ファイバにおける作業が必要となっている。
なお、図7の映像配信システムにおいて、伝送ファイバにおける光パワーが+20dBmに達することは十分に起こり得る現実的な値である。光パワーが+20dBmに達するとき、光ファイバ(SMF)コアにおける光パワー密度は約0.13MW/cmとなり、活線ファイバを用いた各作業においては、種々の問題が発生する危険性がある。例えば、光を放射しながらコネクタ端面を拭き清掃すると、上述した高い光パワー密度によって、コネクタ端面が破損されることがある。
実際には、クロージャにおける活線ファイバの融着接続といった作業が考えられるため、融着機の樹脂部品や、クロージャ筐体もしくはクロージャ内のファイバ収納トレイ等の損傷が危惧されている。
従って、この発明の目的は、活線ファイバの光パワーを復元可能に減衰することができる活線ファイバの光減衰方法、活線ファイバの光減衰治具、および、活線ファイバの作業方法を提供することにある。
上述した従来の問題点を解決するため、通光中の光ファイバの光パワーを所定量だけ復元可能に減衰させる、即ち、通光中の光ファイバを少なくとも1回曲げて、曲げによる放射損失を利用して光パワーを減衰すると、ファイバ切断、被覆除去、融着接続、メカスプ接続、コネクタ着脱、コネクタ端面清掃等の作業を活線(通光中の)ファイバにおいて行うことができ、更に、上述した曲げを復元可能な範囲において行うと、作業終了後、原状に復帰することができることが判明した。
この発明は上述した研究結果に基づいてなされたものであって、この発明の活線ファイバの光減衰方法の第1の態様は、通光中の光ファイバの光パワーを所定量だけ復元可能に減衰させる、活線ファイバの光減衰方法である。
これには、通光中の光ファイバの光パワーを、該光ファイバの曲げ半径を7〜9mm、中心角を90°〜180°及び曲げ条長を72〜500mmとした複数個の円弧を波状に組み合わせることにより、20dB以上復元可能に減衰させる、活線ファイバの光減衰方法が含まれる。
この発明の活線ファイバの光減衰方法の第2の態様は、前記光パワーの前記減衰を、光ファイバを少なくとも1回曲げて、曲げによる放射損失を利用して行う、活線ファイバの光減衰方法である。
この発明の活線ファイバの光減衰方法の第3の態様は、前記光ファイバの前記曲げを複数回直列に配置する、活線ファイバの光減衰方法である。
この発明の活線ファイバの光減衰方法の第4の態様は、前記光ファイバの前記曲げの径がR3〜R9である、活線ファイバの光減衰方法である。
この発明の活線ファイバの光減衰方法の第5の態様は、前記光ファイバに側圧をかけて、マイクロベンディングロスを発生させ、更に減衰量を増加させる、活線ファイバの光減衰方法である。
この発明の活線ファイバの光減衰器の第1の態様は、前記光ファイバを固定する光ファイバ把持部を備え、該光ファイバ把持部が、対応する曲面をそれぞれ有する上蓋部、および下蓋部を備えており、該上蓋部および該下蓋部の何れか一方の曲面に光ファイバ素線、光ファイバテープ心線、または光ケーブルを誘導する溝部が形成されている活線ファイバの光減衰器であって、
該光ファイバ把持部の該曲面が、曲げ半径が7〜9mm、中心角が90°〜180°の複数個の円弧を波状に組み合わせ、曲げ条長を72〜500mmとして、通光中の該光ファイバの光パワーを20dB以上復元可能に減衰させることを特徴とする活線ファイバの光減衰器である。
この発明の活線ファイバの光減衰器の第2の態様は、波状に組み合わせる前記複数個の円弧の中心角が光の進行方向に沿って逐次大きくなっている、活線ファイバの光減衰器である。
この発明の活線ファイバの光減衰器の第3の態様は、波状に組み合わせる前記複数個の円弧の中心角が光の進行方向に沿って逐次大きくなり、次いで逐次小さくなり、中心部に関して対称の形状を形成している、活線ファイバの光減衰器である。
この発明の活線ファイバの光減衰器の第4の態様は、前記円弧の少なくとも一つの中心角が90°以上である、活線ファイバの光減衰器である。
この発明の活線ファイバの光減衰器の第5の態様は、前記円弧の半径が3〜9mmである、活線ファイバの光減衰器である。
この発明の活線ファイバの光減衰器の第6の態様は、前記光ファイバ把持部が、金属、または、白色若しくは透明の樹脂で形成されている、活線ファイバの光減衰器である。
この発明の活線ファイバの光減衰器の第7の態様は、光ファイバを前記ファイバ把持部によって把持する際に、光ファイバに側圧をかけて、マイクロベンディングロスを発生させる、側圧付加部を更に備えている、活線ファイバの光減衰器である。
この発明の活線ファイバの光減衰器の第8の態様は、前記減衰が曲げによる放射損失を利用して行われ、前記光ファイバ把持部が、中心角が180°以下の少なくとも1個の円弧からなっている、活線ファイバの光減衰器である。
この発明の活線ファイバの作業方法の第1の態様は、通光中の光ファイバの光パワーを所定量だけ復元可能に減衰させて、ファイバ切断、被覆除去、融着接続、メカスプ接続、コネクタ着脱、コネクタ端面清掃等の作業を行い、減衰した光パワーは、作業終了によって前記活線ファイバを元に戻したときに復元可能である、活線ファイバの作業方法である。
この発明の活線ファイバのファイバ端末処理方法の第1の態様は、上述した活線ファイバの光減衰方法を用いたファイバ端末処理方法である。
図面を参照しながら、この発明の活線ファイバの光減衰方法、活線ファイバの光減衰器、および、活線ファイバの作業方法について説明する。この発明の活線ファイバの光減衰方法の1つの態様は、通光中の光ファイバの光パワーを所定量だけ復元可能に減衰させる、活線ファイバの光減衰方法である。上述した光パワーの減衰を、光ファイバを少なくとも1回曲げて、曲げによる放射損失を利用して行ってもよい。更に、光ファイバの曲げを複数回直列に配置して所定の光減衰を行っても良い。更に、光ファイバの上述した曲げの径がR3〜R9であってもよい。更に減衰量を増大させるために、光ファイバに側圧をかけて、マイクロベンディングロスを発生させても良い。
以下、具体的に説明する。
融着機部品材料として使用されることがあり、また、クロージャのファイバ収納トレイ材料としても使用されることもあるABS樹脂(黒)に関して、ハイパワー光を照射して樹脂の損傷具合を調査した。但し、過酷な条件の確認のため、ファイバ端面はへき界面で実験を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2006285295
表1から明らかなように、+ 19dBm以上のハイパワー光を照射すると、樹脂が貫通してしまうことがある(例えば、+ 19dBmで接触の場合、+ 22dBmで接触または10mmの距離の場合)。また、+ 10〜+ 16dBmに関しては、樹脂が貫通することはないが、微小範囲(φ1mm程度)で窪む(溶ける)(例えば、+10dBm、+13dBmで接触の場合、+15dBm、+16dBmで接触または10mmの距離の場合)。更に、通光していないファイバと同等に扱えるのは+ 7dBm以下のときだけであることが分かる。即ち、通光中の光ファイバの光パワーを約+ 7dBm以下に復元可能に減衰させると、通光していないファイバと同等に扱えるといえる。
クロージャ内で活線ファイバに2分岐カプラを導入する作業を例にとって、従来の作業および本発明の作業の場合を比較しながら説明する。図8は従来の作業フローを説明する図である。従来の作業フローにおいては、図8(a)に示すように、光ファイバは通光中である。図8(b)に示すように、通光中の活線ファイバをカプラを組み入れるために切断すると、放射される光によって、クロージャ筐体、または、収納トレイが損傷する可能性がある。
更に、各ファイバ端末の境面切断処理をする際に、被覆除去具、ファイバカッタの樹脂部分の損傷の可能性がある。更に、図8(c)に示すように、融着接続を行うと(入出力2箇所)、融着機の樹脂部品を損傷する可能性がある。更に、終端部も上述したと同様の可能性がある。
上述した部材に対する損傷を避けるためには、光パワーを減衰させてから作業する必要がある。この発明においては、上述したように、通光中の光ファイバの光パワーを所定量だけ復元可能に減衰させる。即ち、通光中の光ファイバの光パワーを減衰させることによって、ファイバ切断、被覆除去、融着接続、メカスプ接続、コネクタ着脱、コネクタ端面清掃等の作業を活線(通光中の)ファイバにおいて行うことができ、更に、復元可能に減衰しているので、作業終了後、原状に復帰することができることが重要である。
図1はこの発明の作業フローを説明する図である。図1(a)に示すように、1つの方法として、例えば、活線ファイバの切断(予定)部手前で光ファイバを小径に曲げて光パワーを減衰させてから作業を行う方法が考えられる。図1(b)に示すように、上述したように光ファイバを小径に曲げて光パワーを減衰させてから、活線ファイバを切断する。この状態では、光パワーは十分に減衰されているので、放射される光によって、クロージャ筐体、または、収納トレイが損傷することはない。更に、各ファイバ端末を切断しても、被覆除去具、ファイバカッタの樹脂部分が損傷することはない。
更に、図1(c)に示すように、融着接続を行っても(入出力2箇所)、融着機の樹脂部品を損傷することはない。更に、カプラ出力端の一方は加入者宅へ繋がり、他方の出力端は加入者があるまで解放端となっている。従来の方法によると、カプラで分配されて光パワーが低下してるとはいえ、ここから放射されてしまう光にも留意する必要がある。従って、この発明による活線ファイバの光減衰方法は、光ファイバ終端部の処理方法としても同様に効果的に利用することができる。
上述した本発明の活線ファイバの光減衰方法においては、光ファイバを1回曲げて、曲げによる放射損失を利用して行う場合について例示的に説明したが、光ファイバの曲げを複数回直列に配置して、曲げによる放射損失を繰り返して光ファイバの光減衰を行っても良い。即ち、カスケード式に曲げを繰り返して、少しづつ減衰して所定のパワーまで減衰する。このようにすることによって、ファイバ切断、被覆除去、融着接続、メカスプ接続、コネクタ着脱、コネクタ端面清掃等の作業を活線(通光中の)ファイバにおいて行うことができ、更に、復元可能に減衰することができる。
図3は、この発明の活線ファイバの光減衰器の1つの態様を示す図である。図3(a)は、上蓋部および下蓋部を備えたこの発明の光減衰器を説明する側面図である。図3(b)は、下蓋部の上面部を説明する図である。この発明の活線ファイバの光減衰器の1つの態様は、通光中の光ファイバの光パワーを所定量だけ復元可能に減衰させた状態で光ファイバを固定する光ファイバ把持部を備えた、活線ファイバの光減衰器である。即ち、上述した光ファイバ把持部が、対応する曲面をそれぞれ有する上蓋部、および下蓋部を備えており、上蓋部および下蓋部の何れか一方の曲面に光ファイバ素線、光ファイバテープ心線、または光ケーブルを誘導する溝部が形成されており、光ファイバ素線、光ファイバテープ心線、または光ケーブルが上蓋部および下蓋部によって把持される、活線ファイバの光減衰器である。
図3(a)に示すように、この発明の活線ファイバの光減衰器は、通光中の光ファイバの光パワーを所定量だけ復元可能に減衰させた状態で光ファイバを固定する光ファイバ把持部1を備えている。光ファイバ把持部1は、上蓋部2および下蓋部3を備えている。上蓋部2および下蓋部3は、それぞれ対応する曲面4、5を有している。即ち、上蓋部2の下面4および下蓋部3の上面5は、相互に組み合わせることによって、密接に嵌合する曲面を有している。
更に、下蓋部3は、図3(a)に点線で示し、図3(b)に示すように、光ファイバ素線、光ファイバテープ心線、または光ケーブルを誘導する溝部が形成されている。なお、図3に示す態様の活線ファイバの光減衰器においては、下蓋部に溝部が形成されているが、上蓋部の下面に溝部を形成しても良い。上述した、上蓋部および下蓋部の何れか一方の曲面に形成された溝部に、光ファイバ素線、光ファイバテープ心線、または光ケーブルが誘導・収容されて、上蓋部および下蓋部によって把持される。上述した光ファイバ把持部の長さを調整することによって、所望の光減衰を得ることができる。即ち、光ファイバ把持部の長さを長くすることによって、光減衰量を多くすることができ、短くすることによって、光減衰量を小さくすることができる。いずれの場合においても、復元性を考慮することが必要である。
図4は、この発明の活線ファイバの光減衰器の他の1つの態様を示す図である。図4(a)に示す態様においては、波状に組み合わせる複数個の円弧の中心角が、光の進行方向に沿って逐次大きくなっている。即ち、図の左から右に行くに従って、Rが小さくなっている。このような円弧の組み合わせによって、活線ファイバの光の減衰をより確実にすることができる。図4(b)に示す態様においては、波状に組み合わせる複数個の円弧の中心角が光の進行方向に沿って逐次大きくなり、次いで逐次小さくなり、中心部に関して右左対象の形状を形成している。即ち、図の左から中央部にかけては、Rが次第に小さくなり、中央部から右に行くに従って、逆にRが次第に大きくなり、全体として、中央に関して、左右が対称になっている。このような円弧の組み合わせによって、より効果的な光の減衰が可能になると共に、入射端、出射端の混同を防ぐことが出来る。
図5は、この発明の活線ファイバの光減衰器の1つの態様を説明する概略斜視図である。活線ファイバの光減衰器は、図5に示すように、相互に組み合わされて、密接に嵌合する曲面4、5を有している上蓋部2および下蓋部3を備えている。光ファイバが収納される溝部は、図3および図4を参照して説明したような形状を有している。溝部に活線ファイバが収納されて組み合わされた上蓋部2および下蓋部3は、固定部材10によって、ファイバを把持した状態で固定される。活線ファイバの光減衰器は、使用する状況に対応して、所定形状の部材11に搭載されていてもよい。
図6は、活線ファイバの光減衰器における、光ファイバの曲げ方を説明する図である。図6(a)は、上述したように、活線ファイバを円形に曲げた状態を説明する図である。図6(b)および図6(c)は、円弧を波型形状に繰り返した状態を示す図である。即ち、図6(b)においては、中心角90度で反転して波型形状に曲げた状態を示し、図6(c)においては、中心角60度で反転して波型形状に曲げた状態を示している。この発明の活線ファイバの光減衰器においては、上述したように減衰が曲げによる放射損失を利用して行われ、光ファイバ把持部が、中心角が180°以下の少なくとも1個の円弧からなっていてもよい。上述したファイバ把持部が、中心角が180°以下の複数個の円弧を波状に組み合わせたものからなっていてもよい。上述した円弧の少なくとも一つの中心角が90°以上であってもよい。円弧の半径がR3〜R9であってもよい。即ち、この発明の活線ファイバの光減衰器は、図3を参照して説明した態様の他に、図6(a)に示す1個または複数個の円形に曲げた状態で光ファイバを保持する態様であってもよい。
なお、上述した光ファイバ把持部が、金属、または、白色または透明の樹脂で形成されていてもよい。その理由は、把持部材が近赤外光を吸収し易い材質(樹脂が黒色に着色されている、例えば、ABS樹脂にカーボンブラックが配合されているABS黒)であると、光パワーが大きい場合、ファイバからの漏れ光を吸収して発熱し、溶融してしまう可能性がある。従って、把持部材の材質は、金属等の高融点材料か、白色か透明な(近赤外光の吸収が少ない)樹脂が好ましい。
更に、この発明の活線ファイバの光減衰器の他の1つの態様は、光ファイバをファイバ把持部によって把持する際に、光ファイバに側圧をかけて、マイクロベンディングロスを発生させる、側圧付加部を更に備えていてもよい。
更に、この発明の活線ファイバの作業方法の1つの態様は、通光中の光ファイバの光パワーを所定量だけ復元可能に減衰させて、ファイバ切断、被覆除去、融着接続、メカスプ接続、コネクタ着脱、コネクタ端面清掃等の作業を行い、作業終了後に光パワーを復元させる、活線ファイバの作業方法である。
更に、上述したこの発明の活線ファイバの光減衰方法を用いて、ファイバ端末を処理することができる。
次にこの発明の活線ファイバの光減衰方法および光減衰器を実施例によって更に詳細に説明する。
現実的には、上述したような映像配信システムの場合には、光パワーは最大+23dBmを考えれば十分である。また、表1を参照して説明したように、光パワーが+7dBm以下であれば、通光していないファイバと同等に扱える安全な領域といえる。従って、安全率を考慮して、光パワーが20dB減衰するような曲げを活線光ファイバの外部から加えることができれば、十分な効果が得られ、通光中の諸作業が可能になる。
汎用SMFに関して曲げ径(半径)と曲げ損失(単位長)の関係のシミュレーションを行った。その結果を図2に示す。図2において、縦軸には曲げ損失(Macrobend loss (dB/m))を、横軸には曲げ径(Bend radius(mm))を示し、波長1550nmのときの両者の関係を示す。更に、本結果をもとに光パワーの20dB の減衰を実現することができる曲げ径と曲げ条長を計算した。その計算結果を表2に示す。
Figure 2006285295
クロージャ等での利用を考えると、曲げ条長が500mm以上(R10以上)という状態は、光ファイバを棒に巻き付けるにしても手間がかかり過ぎ現実的ではない。逆に曲げ半径Rが小さければ小さいほど曲げ条長は短く設計可能だが、今度はファイバ破断確率が上昇してしまう。ファイバ破断確率は、曲げ半径と負荷歪み印加時間がパラメータとなるが、融着接続作業を想定し負荷歪み印加時間を数十分とすると、曲げ半径2mm以下は現実的ではない(ファイバが破断する確率が非常に高くなる)。光パワーの減衰も、作業等の終了によって、元に戻したときに復元可能であることが重要である。従って、曲げ半径はR3からR9の間が最適であると考えられる。
活線ファイバを曲げる方法としては、簡単には円柱状の棒に活線ファイバを巻き付ける方法が考えられる。例えばR8の棒を使用した場合、周長は50mm程度となるので、活線ファイバを棒の周りに3周以上巻けば20dB 以上のパワーダウンが可能な計算となる。R6以下であれば1周以上巻けば良い。なお、巻き付ける棒の形状が円錐であっても良い。つまり、円錐の形状は、棒の一端がR9であり、もう一端がR3である。徐々にRが小さくなるため、巻き付ける場所により、減衰量をコントロールすることができる。
他の方法としては図3を参照して説明したような光減衰器(治具)を使用することが考えられる。光減衰器は、上述したように、通光中の光ファイバの光パワーを所定量だけ復元可能に減衰させた状態で光ファイバを固定(把持)する光ファイバ把持部1を備えている。光ファイバ把持部1は、上蓋部2および下蓋部3を備えており、上蓋部2および下蓋部3は、それぞれ対応する曲面4、5を有している。即ち、上蓋部2の下面4および下蓋部3の上面5は、相互に組み合わせることによって、密接に嵌合する曲面を有している。下蓋部3は、光ファイバ素線、光ファイバテープ心線、または光ケーブルを誘導する溝部が形成されている。上述した、上蓋部および下蓋部の何れか一方の曲面に形成された溝部に、光ファイバ素線、光ファイバテープ心線、または単心、多心光ケーブルが誘導・収容されて、磁石もしくはバネ力により上蓋部および下蓋部によって把持される。上述した光ファイバ把持部の長さを調整することによって、所望の光減衰を得ることができる。即ち、光ファイバ把持部の長さを長くすることによって、光減衰量を多くすることができ、短くすることによって、光減衰量を小さくすることができる。いずれの場合においても、復元性を考慮することが必要である。
ここで、図2および表2に示した曲げ損失(理論値)は、曲げ方向が常に同じ場合の計算である。図3に示した通りに波状にした(曲げ方向を変えた)場合には、電界分布の揺らぎが解消されるため(直感的には直線に近づくため)、曲げ損失の実測値は理論値よりも小さくなる。具体的には以下の通りである。
例えば、図6(a)に示すように、R8で一周の輪取りを形成した場合、曲げ条長は約50mmとなる。そのときの曲げ損失(実測値)は、7.2dBである。図6(b)、図6(c)に関してもR8で曲げ条長は約50mmとなる。図6(b)では、中心角90°でターンし、図6(c)では、中心角60°でターンしている。このとき、曲げ損失の理論値は6.7dBであるが、実測値は、図6(b)の場合で、6.6dB、図6(c)の場合で、2.1dBである。実験のバラツキ(光ファイバを曲げ方のバラツキ)が1dB程度あるので図6(a)と図6(b)の間に有意差はないが、図6(c)に示すように中心角60°でターンすると、設計通りの損失が得られないことは明らかである。従って、円弧の中心角を少なくとも90°以上にすることが望ましい。
この発明によると、活線ファイバの光パワーを復元可能に減衰することができる活線ファイバの光減衰方法、活線ファイバの光減衰治具、および、活線ファイバの作業方法を提供することができる。
図1は、この発明の作業フローを説明する図である。 図2は、汎用SMFに関して行った曲げ径(半径)と曲げ損失(単位長)の関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 図3は、この発明の活線ファイバの光減衰器の1つの態様を示す図である。 図4は、この発明の活線ファイバの光減衰器の他の1つの態様を示す図である。 図5は、この発明の活線ファイバの光減衰器の1つの態様を説明する概略斜視図である。 図6は、活線ファイバの光減衰器における、光ファイバの曲げ方を説明する図である。 図7は、映像配信システムを示す概略図である。 図8は、従来の作業フローを説明する図である。
符号の説明
1.光減衰器(治具)
2.上蓋部
3.下蓋部
4.上蓋部の下部曲面
5.下蓋部の上部曲面
6.溝部
101.センタ
102.光源
103.光アンプ
104.光カプラ
105.伝送ファイバ
106.光カプラ
107.加入者
108.加入者
109.加入者

Claims (7)

  1. 通光中の光ファイバの光パワーを、曲げ半径を7〜9mm、中心角を90°〜180°及び曲げ条長を72〜500mmとした複数個の円弧を波状に組み合わせることにより、20dB以上復元可能に減衰させる、活線ファイバの光減衰方法。
  2. 前記光ファイバに側圧をかけて、マイクロベンディングロスを発生させ、更に減衰量を増加させる、請求項1に記載の活線ファイバの光減衰方法。
  3. 前記光ファイバを固定する光ファイバ把持部を備え、該光ファイバ把持部が、対応する曲面をそれぞれ有する上蓋部、および下蓋部を備えており、該上蓋部および該下蓋部の何れか一方の該曲面に光ファイバ素線、光ファイバテープ心線、または光ケーブルを誘導する溝部が形成されている活線ファイバの光減衰器であって、
    該光ファイバ把持部の該曲面が、曲げ半径が7〜9mm、中心角が90°〜180°の複数個の円弧を波状に組み合わせ、曲げ条長を72〜500mmとして、通光中の該光ファイバの光パワーを20dB以上復元可能に減衰させることを特徴とする活線ファイバの光減衰器。
  4. 波状に組み合わせる前記複数個の円弧の中心角が光の進行方向に沿って逐次大きくなっている、請求項3に記載の活線ファイバの光減衰器。
  5. 波状に組み合わせる前記複数個の円弧の中心角が光の進行方向に沿って逐次大きくなり、次いで逐次小さくなり、中心部に関して対称の形状を形成している、請求項3に記載の活線ファイバの光減衰器。
  6. 前記光ファイバ把持部が、金属、または、白色若しくは透明の樹脂で形成されている、請求項3から5の何れか1項に記載の活線ファイバの光減衰器。
  7. 前記光ファイバを前記ファイバ把持部によって把持する際に、該光ファイバに側圧をかけて、マイクロベンディングロスを発生させる側圧付加部を更に備えている、請求項3から6の何れか1項に記載の活線ファイバの光減衰器。
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