JP2006284956A - カラーフィルタ形成用の転写用凹版とカラーフィルタの遮光層部の形成方法 - Google Patents

カラーフィルタ形成用の転写用凹版とカラーフィルタの遮光層部の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大サイズのガラス基板にカラーフィルタの色材部や遮光部を裏面露光法によって作成する転写用凹版の取り扱いを容易にする。
【解決手段】露光波長を透過するプラスチックフィルムまたは布からなる補強体6を、凹版の支持基板であるガラス板に、露光波長を透過する接着剤5で貼り合わせる。さらに、そのサイズをガラス板より大きくして、はみ出した部分に取り扱い用の治具等を設置する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、裏面露光法によってカラーフィルタの色材部や遮光部を形成するための転写用凹版に関する。さらに詳しくは、ガラス板またはプラスチックフィルムを凹部の支持基板として使用した裏面露光法に使用する転写用凹版の構造を補強して、破損防止を行うと共に、取り扱い容易さを向上させるための構造に関する。そしてカラーフィルタの遮光層部の形成方法に関する。
液晶ディスプレイ等に使用されるカラーフィルタを形成する方法としてはいわゆるフォトリソ法が主流であるが、工程が長く、高コストになっている。
また、印刷の手法を用いたものがあって、転写用凹版の版面の各凹部へ硬化性インキを充填し、そのインキが硬化した後に、接着剤または粘着材を使用して、硬化したインキを被転写体へ転写する方法がある。この転写する方法は、凹部の形状に忠実な転写形状を被転写体上に高寸法精度で形成することができるので、後に示すように高精細パターン形成方法として種々検討されている(特許文献1〜7)。
中でも、裏面露光法を使用する方法は後に示すように、硬化性インクを凹部にだけを選択して充填する必要はなく、版面に全面的に供給した後、それらの凹部に充填されたインクだけを硬化することができ、いくつかの方法が開示されている(特許文献1から3)。
上記転写用凹版の基本構造は、図1(a)、(b)に示したように、支持基板aと凹部を形成するための材料(凸部形成材b、凹部形成材c)よりなる場合と図1(c)に示したように版全体が支持基板aと同一材であることもある。本発明においては、図1(c)の場合にも支持基板とよぶ。また、図1(a)の構造では凸部形成材bは、凹部を形成するためのものであるので、煩雑さを避けるため、本発明ではこの凸部形成材も凹部形成材と呼んでいる。また、模式図等においては図1(a)の構造を代表例として示すが、図1(b)、(c)の構造の場合を含むこととする。
図1に示した転写用凹版の構造では一般に支持基板aの熱伸縮によって全体の寸法が変化するので、通常の印刷においても対策を採ることがある。特に、カラーフィルタの製造においては、必要な寸法精度が±3μm/m以下という、高精度を要求されるので、カラーフィルタ用基板の温度伸縮を考慮する必要がある。すなわち、液晶ディスプレイに使用しているカラーフィルタ用基板としてのガラス板の熱膨張係数は約4×10―6/℃であり、一辺が2mのガラス基板の場合、仕様の寸法精度を得るためには少なくとも0.5℃程度の温度管理が必要であるからである。実際にこの精度を達成するために、フォトリソ法でカラーフィルタを作成する場合には、温度による寸法変化がない石英ガラス製のフォトマスクを使用し、露光装置を含めプロセス全体にわたり、厳重な温度管理を行っている。
そのため、転写用凹版においては、支持基板として使用できる材料は、実際問題として、熱伸縮のない石英ガラス、インバー材、使用されるカラーフィルタ用ガラス基板と同一の熱伸縮をもつ42%ニッケル−鉄合金板、カラーフィルタ用基板と同一材料である。
さらに、本発明の対象である裏面露光用の転写用凹版に使用することができる材料は、後述するように石英ガラス、カラーフィルタ用基板のガラス板と同一の材料である。ただし、図1(d)に示した上記の材料で裏打ちされたプラスチックフィルムeの上に凹部を形成した転写用凹版も、室温付近における熱膨張率が上記構造のものと同じ程度なので、本発明の対象である。
現在、液晶ディスプレイのカラーフィルタ用基板に使用されるガラス板は大型化が進行し、幅2mを越すサイズも検討されている。この程度に大型になった場合、上記の材料の中で実際に容易に入手して使用することが可能な支持基板としての材料は、カラーフィルタ用基板のガラス板と同一材料しかない。
転写用凹版の支持基板がガラス製の場合、破損が問題となるが、充分厚ければ補強は不要である。しかし、サイズが大きくなるにつれて、重量が大きくなり取り扱いが不便になる。その理由は、カラーフィルタの製造においては多面付けして形成しており、1500×1800mmサイズのガラス板が現在使用されているが、例えば10mmの厚さのガラス板を支持基板とする転写用凹版であっても、その重量は大略65kgになり、取り扱いが大変だからである。そして、今後はさらに大きなサイズのガラス板が使用されようとしている。また、このような厚いガラス板は特注品になる可能性が高い。
一方、実際に使用されるカラーフィルタ用基板のガラス板を転写用凹版の支持基板として使用することができれば、材料入手の問題はなくなる。また、転写用凹版と被印刷物(カラーフィルタ用基板)が同一材質となるので、熱膨張の差による寸法変化の対策がかなり容易になる。さらに、裏面露光用としては、可視光より短波長の光を透過するガラスが好ましいが、液晶用カラーフィルタに使用されているガラスは、通常、ソーダガラスよりも短波長透過率が高く、好ましい。
しかし、現状のカラーフィルタ用基板のガラス板の厚さが0.7mmと薄く、将来は0.5mmになる可能性もあるので、転写用凹版の支持基板として取り扱うときに破損し易いことが問題であり、何らかの補強が必要である。よって、カラーフィルタ形成用の転写用凹版における支持基板としたガラス板のサイズが大きい場合、そのガラス板に対する単なる補強だけでなく取り扱いが容易になる補強方法が好ましい。
そこで従来における転写用凹版を検討すると、カラーフィルタを作成する場合、ガラス板を支持基板とする裏面露光用の転写用凹版が、以下の如く開示されている。
特許文献1では、ガラス板にカラーフィルタの各色の色材インキを充填する凹部を形成し、凹部の周囲に充填する色材インキを選択的に硬化する波長を選択透過する層を形成している。ガラス板を使用する理由は、裏面露光して色材インキを硬化するために、露光光に対して透光性を有する材質である必要があるからである。
特許文献2においても裏面露光に使用するためガラス板を支持基板とした凹版を使用している。この場合、裏面よりUV光を照射して、凹部に充填したカラーフィルタ用インキを硬化し、次に、接着剤を介して硬化したインキをカラーフィルタ用ガラス基板へ転写している。
特許文献3は、転写に接着剤や粘着剤を使用しない方法であるが、転写用凹版の基本構造は同じである。版の支持基板の材質については記載がないが、版裏面より露光することが記載されているので、ガラス板も想定されていると考えられる。
一方、ガラス製の転写凹版を使用しているが、透光性を利用しないものに特許文献4、5、6、7がある。そして、特許文献5、6、7には、ガラスの他、シリコンウエーハ、樹脂、金属、セラミックも基板材料例として記載されている。従って、熱膨張による寸法変化についての配慮はない。
硬化したカラーフィルタ用の色材インクや遮光用インクが凹版から離型するためには、凹版の表面がこれらの硬化したインクに対して本質的に離型性を有する材料、例えばフッ素樹脂やシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂である場合と、色材インクや遮光用インクに離型性を賦与する添加剤、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂を凸部形成材、または色材インクに添加する方法がある。本明細書で記載している転写用凹版においては、いずれも対象としている。しかし、一番好ましいのは、硬化したインクに対して本質的に離型性を有する材料を使用した転写用凹版である。
本発明者らにあっては、転写用凹版での離型層や凸部(凹部を囲む凸部)を、カラーフィルタ用インクの樹脂分であるアクリル系樹脂から形成できることを見出しており、アクリル系樹脂剤を離型層や凹部形成材に使用した転写用凹版は図2の構造のものであり、本質的に光硬化したカラーフィルタ用色材インクに対して離型性を有している。特徴として、支持基板としてガラス板を使用することが可能であり、凸部をフォトリソ法で形成するので形状や寸法精度は充分仕様を満足し、また、カラーフィルタ材に近い材料を使用しているので、材料からの汚染もなかった。さらに、フォトリソ法によるカラーフィルタ製造の現状の設備、技術で、形状や寸法精度がカラーフィルタの仕様を満足するものを得ることも可能であった。
しかし、転写用凹版をカラーフィルタ用基板から引き剥ぐことで転写用凹版の版面の凹部からカラーフィルタ用インクをカラーフィルタ用基板に転写する方法であり、カラーフィルタ用インクと離型層形成材、凸部形成材に同種の材料を使用しているので、引き剥がしに要する力が、離型層としてシリコーン樹脂やフッ素樹脂を使用した場合と比較して、かなり強いものであることが必要であった。そのため、カラーフィルタ用インクを確実にカラーフィルタ用基板に転移させるべく強力な接着剤を使用していた。すると、引き剥がし時にガラス板が割れてしまうことがあった。引き剥がし速度を上げるとガラス板の破損が発生することが多くなった。破損すると、ガラスの破片が飛散し、危険であるだけでなく、後かたづけに時間がかかった。
なお、通常のガラス板にフィルムを貼り付けて補強することは一般的に行われているが、この点は上記特許文献には記載されていない。また、転写用凹版に使用した場合について、具体的に補強方法を開示している公知資料は見当たらない。また、ガラス板を使用した転写用凹版の使用方法に適した補強方法を開示している公知資料は見当たらない。このように現状においてカラーフィルタ形成用の転写用凹版を補強する技術は存在しないものであった。
特開平6−317774号公報 特開平7−5321号公報 特開平7−239410号公報 特開平4−221674号公報 再公表特許 国際公開番号 WO98/19188号 特開平11−202115号公報 特開平11−271523号公報
本発明はかかる事情を考慮してなしとげられたものであり、その第一の目的は、カラーフィルタ用基板のガラス板の如き1mm程度以下の薄いガラス板を支持基板として使用している裏面露光用の転写用凹版について、具体的な補強方法を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、カラーフィルタ用基板のガラス板の如き1mm程度以下の薄いガラス板を支持基板として使用している転写用凹版について、実際の使用方法を提示すると共に、その使用方法に適した構造、構成を提供することにある。
(請求項1)
本発明は上記課題を達成すべくなされたものであり、ガラス板を支持基板とし、該支持基板に形成された版面の凹部へ硬化性のカラーフィルタ用塗料を充填して、カラーフィルタ用塗料が硬化した後に接着剤を介してカラーフィルタ用基板へ転写するためのカラーフィルタ形成用の転写用凹版であって、前記支持基板のガラス板は裏面露光光透過性を有するものであり、少なくとも前記支持基板の版面の凹部を形成してない側の面に、プラスチックフィルムと布とガラス板とのうちの何れかからなる裏面露光光透過性の補強体を裏面露光光透過性の接着剤を介して貼り合わせて、支持基板と補強体とを積層したことを特徴とするカラーフィルタ形成用の転写用凹版を提供して、上記課題を解消するものである。
(請求項2)
上記発明において、上記補強体はプラスチックフィルムまたは布からなるシート状であって、該シート状の補強体の上記支持基板側とは反対側の面に、補強用としての裏面露光光透過性のガラス板が裏面露光光透過性の接着剤を介して貼り合わせられて、支持基板とシート状の補強体と前記補強用のガラス体とが積層されているものとすることが可能である。
(請求項3)
上記発明において、上記補強体はプラスチックフィルムまたは布からなるシート状であって、このシート状の補強体の少なくとも一部が上記支持基板より外方に延設されているものとすることが可能である。
(請求項4)
上記発明において、上記補強体はプラスチックフィルムまたは布からなるシート状であって、この一枚のシート状の補強体に対して、二枚以上の支持基板が前記補強体の同一面側に配置されているものとすることが可能である。
(請求項5)
上記発明において、上記補強体はプラスチックフィルムまたは布からなるシート状であり、上記支持基板より相対する外方の二方向に前記シート状の補強体が延設され、該延設部分それぞれが治具に固定されて、シート状の補強体が治具に張設されているものとすることが可能である。
(請求項6)
上記発明において、上記補強体はプラスチックフィルムまたは布からなるシート状であって、支持基板より外方に前記シート状の補強体が延設され、該延設部分に、転写用装置の送り機構に掛け止めするための孔加工を施したものとすることが可能である。
(請求項7)
上記発明において、上記支持基板は、材質を石英ガラスとしたガラス板であり、かつ上記補強体は、材質を石英ガラスとしたガラス板であって、前記支持基板と補強体とを実質的に熱収縮しない非収縮部材としたものとすることが可能である。
(請求項8)
上記発明において、上記支持基板のガラス板は、カラーフィルタ用基板のガラス板と同一であり、かつ上記補強体は、カラーフィルタ用基板のガラス板と同一のガラス板であって、前記支持基板と補強体とを熱膨張率に差がないものとすることが可能である。
(請求項9)
さらにもう一つの発明は、プラスチックフィルムを支持基板とし、該支持基板に形成された版面の凹部へ硬化性のカラーフィルタ用塗料を充填して、カラーフィルタ用塗料が硬化した後に接着剤を介してカラーフィルタ用基板へ転写するためのカラーフィルタ形成用の転写用凹版であって、前記支持基板のプラスチックフィルムは裏面露光光透過性を有するものであり、少なくとも支持基板とした前記プラスチックフィルムの版面の凹部を形成していない側の面に補強用としての裏面露光光透過性のガラス板を裏面露光光透過性の接着剤を介して貼り合わせて、支持基板と前記補強用のガラス板とを積層したことを特徴とするカラーフィルタ形成用の転写用凹版を提供して上記課題を解消するものである。
(請求項10)
上記発明において、上記補強用のガラス板の支持基板側とは反対側の面に、プラスチックフィルムまたは布などからなる裏面露光光透過性としたシート状の補強体を裏面露光光透過性の接着剤を介して貼り合わせて、前記支持基板と前記補強用のガラス板と前記シート状の補強体とが積層されているものとすることが可能である。
(請求項11)
上記発明において、上記シート状の補強体の少なくとも一部が上記補強用の板より外方に延設されているものとすることが可能である。
(請求項12)
上記発明において、一枚の上記シート状の補強体に対して、二枚以上の支持基板が前記補強体の同一面側に配置されているものとすることが可能である。
(請求項13)
上記発明において、一枚の上記支持基板の同一平面上に複数の版面が形成されているものとすることが可能である。
(請求項14)
上記発明において、上記補強用の板より相対する外方の二方向に上記シート状の補強体が延設され、該延設部分それぞれが治具に固定されて、シート状の補強体が治具に張設されているものとすることが可能である。
(請求項15)
上記発明において、上記補強用の板より外方に上記シート状の補強体が延設され、該延設部分に、転写用装置の送り機構に掛け止めするための孔加工を施したものとすることが可能である。
(請求項16)
上記発明において、上記補強用の板は、石英ガラスからなるガラス板であって、実質的に熱収縮しない非収縮部材とすることが可能である。
(請求項17)
上記発明において、上記補強用の板は、カラーフィルタ用基板のガラス板と同一のガラス板であって、前記補強用の板を、カラーフィルタ用基板のガラス板に対して熱膨張率に差が無いものとすることが可能である。
(請求項18)
さらにもう一つの発明は、カラーフィルタ形成用の転写用凹版におけるシート状の補強体の両端部を連結してなる無端形状体を、回転移動する機構に搭載し、前記無端形状体が一回転する間に補強体上の各転写用凹版に以下の少なくとも工程(1)から(7)を順次行なうことを特徴とするカラーフィルタの遮光層部の形成方法であり、このカラーフィルタの遮光層部の形成方法を提供して上記課題を解消するものである。
(1)転写用凹版に遮光剤を塗布する遮光剤塗布工程
(2)転写用凹版を裏面から露光する裏面露光工程
(3)転写用凹版の遮光剤を現像する現像工程
(4)転写用凹版に接着剤を塗布する接着剤塗布工程
(5)接着剤を伸ばす接着剤の挟み込み工程
(6)接着剤を硬化させる接着剤の光硬化工程
(7)カラーフィルタ用基板から転写用凹版を引き剥がす工程
(請求項1の効果)
請求項1の発明によれば、裏面露光光透過性のガラス板である支持基板に貼り合わせにより裏面露光光透過性の補強体が積層されているので、本転写用凹版を被転写基体であるカラーフィルタ用基板から引き剥がす際に、転写用凹版をその端部から湾曲させて引き剥がすことが安定して行なえ、引き剥がし速度を向上させることができる。また、転写用凹版の支持基板であるガラス板の厚さが薄くとも破損し難くなる。
(請求項2の効果)
請求項2の発明により、支持基板の反りに対する強度がより高められるようになる。そして、引き剥がす際の治具などの取り付けが容易になり、引き剥がし工程が容易になる。さらに、シート状の補強体を有していることから仮に支持基板が割れたとしても破片が飛散しないようになり、安全なものとなる。
(請求項3の効果)
請求項3の発明により、外方に延設されたシート状の補強体の延設部分を取り扱い部分となり、転写用凹版全体の取り扱いが容易になる。
(請求項4の効果)
請求項4の発明により、複数の支持基板の引き剥がし操作が連続的に行えるようになる。
(請求項5の効果)
請求項5の発明により、転写用凹版の引き剥がし操作がより安定的にして簡単に行えるようになる。
(請求項6の効果)
請求項6の発明により、転写用装置への取り付けが簡単になる。
(請求項7の効果)
請求項7の発明により、支持基板と補強体とを、実質的に熱収縮しない非収縮部材としたため、カラーフィルタ用基板に転写する際の本転写用凹版の温度収縮を考慮する必要がなく、仕様の寸法精度のパターンを被転写基体であるカラーフィルタ用基板に良好に形成できる。
(請求項8の効果)
請求項8の発明により、支持基板と補強体とが熱膨張率に差がないものであり、そして支持基板と補強体との熱膨張率がカラーフィルタ用基板の熱膨張率と同じとなるため、これによって、カラーフィルタ用基板に対する本転写用凹版の温度収縮を考慮する必要がなく、仕様の寸法精度のパターンを被転写基体であるカラーフィルタ用基板に良好に形成できる。
(請求項9の効果)
請求項9の発明によれは、裏面露光光透過性のブラスチックフィルムの支持基板の反対面に裏面露光光透過性の補強用のガラス板が積層されているので、支持基板がプラスチックフィルムであってもその熱収縮が極めて小さくなり、版面の精度が頗る向上する。また、補強用のガラス板が存在するため、引き剥ぎ時にブラスチックフィルムからなる支持基板に局部的な折れを生じさせずに反りを有した状態で前記被転写基体から引き剥がすことができ、パターンの転写が良好になる。そして、転写用凹版をその端部から湾曲させて引き剥がすことが安定して行なえ、引き剥がし速度を向上させることができる。さらに引き剥ぎ時などで仮に補強用のガラス板が割れたとしてもブラスチックフィルムの支持基板に積層されているものであるため、その補強用のガラス板の破片が飛散することが防止される。
(請求項10の効果)
請求項10の発明により、シート状の補強体とプラスチックフィルムの支持基板との間に補強用のガラス板が挟まれている状態となるので、その補強用のガラス板の割れがさらに抑えられるようになる。
(請求項11の効果)
請求項11の発明により、外方に延設されたシート状の補強体の延設部分が取り扱い部分となり、転写用凹版全体の取り扱いが容易になる。
(請求項12の効果)
請求項12の発明により、複数の支持基板の引き剥がし操作が連続的に行えるようになる。
(請求項13の効果)
請求項13の発明により、一回の引き剥がしにより、複数のパターンを被転写基体であるカラーフィルタ用基板側に転写できるようになる。
(請求項14の効果)
請求項14の発明により、転写用凹版の引き剥がし操作がより安定的にして簡単に行えるようになる。
(請求項15の効果)
請求項15の発明により、転写用装置への取り付けが簡単になる。
(請求項16の効果)
請求項16の発明により、支持基板に積層された補強用の板が実質的に熱収縮のないものであるため、カラーフィルタ用基板に転写する際の本転写用凹版の温度収縮を考慮する必要がなく、仕様の寸法精度のパターンを被転写基体であるカラーフィルタ用基板に良好に形成できる。
(請求項17の効果)
請求項17の発明により、補強用の板の熱膨張率をカラーフィルタ用基板のガラス板の熱膨張率とに差が無いものとしたため、カラーフィルタ用基板に対する本転写用凹版の温度収縮を考慮する必要がなく、仕様の寸法精度のパターンを被転写基体であるカラーフィルタ用基板に良好に形成できる。
(請求項18の効果)
請求項18の発明により、カラーフィルタの遮光部の形成が効率よく行われるようになる。
つぎに本発明に係る実施の形態を図2から図16に基づいて詳細に説明する。
(転写用凹版)
図2は第1の実施の形態を示していて、図中1はカラーフィルタ形成用の転写用凹版であり、ガラス板からなる支持基板2の片面に凹部形成材3により凹部dを設けてなる版面4を形成し、支持基板2の版面4側とは反対側に接着剤5によりシート状の補強体6を貼り合わせて、支持基材2とシート状の補強体6とを積層一体化したものとしている。
(転写用凹版の支持基板)
この転写用凹版1から転写するカラーフィルタのパターンの寸法精度を±3μm/m以下に納めるために、支持基板2のガラス板の室温付近における熱膨張率はカラーフィルタ用基板に使用するガラス板と実質的に等しいことが、転写するサイズが小さい場合には好ましく、1500×1800mmのように大サイズの場合には必須である。そのため、小・中サイズの場合には石英ガラス板を使用して、温度管理によって必要な寸法精度を得ることが可能であるが、カラーフィルタ用基板に使用するガラス板と同一材質のガラス板を使用することが好ましい。さらには、カラーフィルタ用基板に使用するガラス板を使用することが、入手のし易さの点からも好ましい。大サイズになれば、支持基板として入手できるのは、実際的にはカラーフィルタ用基板に使用するガラス板のみになり、厚さは現在0.7mmであり、将来は0.5mm程度になる可能性がある。石英ガラスの場合にも、薄い場合には補強が必要であり、補強体6との積層一体化でその補強が達成される。
このように支持基板2はカラーフィルタ用基板に使用するガラス板を使用しており、そして、裏面露光光透過性を有するものとしている。
(転写用凹版の凹部形成)
本発明の転写用凹版1の凹部形成材3よりなる凸部は裏面露光光に対して遮光性にする必要がある。ここで必要な遮光性とは、遮光部以外に塗布された裏面露光光硬化性塗料又はインキを現像によって削らない程度に硬化させても、遮光部上の該裏面露光光硬化性塗料又はインキが現像によって除去される程度にしか硬化しないことを意味する。本発明において特に好ましい材料はアクリル系のカラーフィルタの遮光部材である。すなわち、遮光部材は、カーボンブラックやチタンブラックを黒材として使用している場合には、可視光全部と紫外光全部に渉って高い遮光性を有する。また、露光波長が紫外線領域であればアクリル系のカラーフィルタの青色色材を使用することもできる。これらは、充填するカラーフィルタ部材と同一のアクリル系材料であるが、UV硬化したアクリル系のカラーフィルタの色材部材や遮光部材に対して離型性を有する。また、色材部用インクや遮光部用インクに対して適度な濡れ性があるので、インク充填時に、凹部の気泡残りの発生が少ない。この材料を使用すれば、厚さがカラーフィルタの色材部や遮光部の厚さ、すなわち通常は0.5〜5μm程度であれば、通常のフォトリソ法によるカラーフィルタの製造装置や技術を使用して、所望の遮光性パターンを形成することができる。実際の構造、製法については、実施例において述べる。
全く別の材質としてクロム−銅−クロムの3層膜を使用することができる。その構造、作成方法はプラズマディスプレイの前面板の電極配線として使用されているクロム−銅−クロムと同じである。すなわち、ガラス基板の上にクロム(約0.1μm)−銅(約3μm)−クロム(0.1μm)をスパッタリング等で3層成膜し、フォトリソ法でパターンニングする方法である。銅の厚さを変えれば、必要な厚さをうることができる。この構成の版は耐久性が非常に高く好ましい。しかし、金属部は通常のカラーフィルタ用のインクの光硬化物に対して充分な離型性を持たせることが難しい。実際には、アクリル系の樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂を表面に被覆した構造とする。その場合、凹版の底面も同時に同一材の被覆をすることが、製版の低コスト化に有用である。被覆すると、金属表面と比較して耐久性は減少するが、摩耗したり傷がついた場合は被覆を剥離して、再被覆して再生する。
(転写用凹版のシート状の補強体)
積層したシート状の補強体6はプラスチックフィルムや布からなるものである。
補強体6に利用できるプラスチックフィルムとしては露光光透過性と可撓性があり、機械強度、特に引っ張り強度があり、接着剤または粘着剤でガラス板(支持基板2)に貼り付けることが可能なものなら使用することができる。ここで、露光光透過性とは、充填するインクを硬化するに足る程度透過性でよく、露光波長において高透過率でなくてもよい。例えば、透過率10%であっても、露光強度を高くしたり、露光時間を長くすることで硬化することができればよい。この点は本転写用凹版1の各素材を貼り合わせるときに用いられる後述の接着剤についても同様である。現在はUV吸収剤を添加した塗料の光硬化性が求められる場合が多く、長波長側で硬化することが求められている。使用する塗料やインクの光硬化の波長は光反応開始剤の種類によって変えることができる。たとえば、光反応開始剤として、イルガキュアー819(チバ ガイギー社製)を使用すれば410nm程度の長波長の近紫外光まで硬化するようになり、本発明に使用する光硬化性インクの光重合開始剤として使用することができる。さらに言えば充填するインクは可視光で硬化するものであっても、作業性は低下するが基本的な問題はない。
従って、UV透過性が高いことが好ましいが、少なくとも無色透明なプラスチックフィルムなら、補強体6用としてまた、後述の支持基板用として、露光光透過性の点では使用することが可能である。
一方、補強体6に利用できるプラスチックフィルムには、使用するカラーフィルタ用インクに対して耐性があることが好ましい。
以上の性質を有する好ましいプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリシクロオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニールフィルム、メタクリル−スチレン樹脂フィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、シリコーン樹脂フィルム、フッ素樹脂フィルム、などがある。
補強体6として用いるプラスチックフィルムの厚さは、フィルムの強度、ガラス板(支持基板2)の重量、転写用凹版1の取り扱い方法によって異なるが、耐えられる厚さのものを選定する。
大サイズになると幅広のフィルムが生産されていない場合がある。その場合には、一枚でなく、二枚以上を支持基板2に貼り合わせるが、転写に影響しないように継ぎ目の隙間を極く狭くする必要がある。
補強体6に利用できる布としては、スクリーン印刷の版に使用されるもので、一般に紗と呼ばれるものが好ましい。すなわち、ポリエステル樹脂製、ナイロン樹脂製、ポリアクリレート樹脂製の紗が好ましい。各素材において、品番がさらに線径とメッシュ数で分類されているが、本発明の目的にはほとんど全ての品番のものを、目的に応じて使用することができる。ただし、通常にスクリーン版を形成する場合、感光性材料でパターンを形成するが、紗で露光光が反射してパターンがぼける。これを防止するために、UV光吸収性の色材を添加したファイバーを使用した紗がある。この紗は本発明の目的には適当でない。
スクリーン印刷用の紗を使用することの利点は、第一に補強用として引っ張り応力に強く適度な弾力性があるという優れた特性を有していることであるが、第二に近年プラズマディスプレイ用として特性が優れた広幅のものが生産されていて、入手が容易であること、第三にガラス板(支持基板2)と貼り合わせる際にコンビネーション版とよばれる版を作成する際の、紗と金属製の版を貼り合わせる技法、装置、材料を使用することが可能であるからである。
上記ガラス板からなる支持基板2と上記プラスチックフィルムや布からなるシート状の補強体6との接着剤5は裏面露光光透過性を有するものが使用される。そしてこの接着剤5としては柔軟性があるものが好ましい。エポキシ樹脂系の接着剤はガラスに対する接着性が良好で好ましい。二液硬化型接着剤を使用する場合には、二液の割合を変化させて柔軟性を調整することができる。アクリル系の接着剤も透明性に優れ、好適である。中でも感光硬化性のものは、溶剤揮発を待たずに貼り合わせることができるので好ましい。
さらに、上記シート状の補強体6としてスクリーン印刷用の紗を使用する場合には、コンビネーション版を作成するためのホットメルト型の接着剤を使用することができる。この場合、紗とステンレスやニッケル製のメタル版と接着するが、ガラス板への接着力も高いものを選定することができる。これらの接着剤は柔軟で、耐インク性があるので好ましい。そして、一般にその他の接着剤も柔軟性を賦与することができるものが多い。
ガラス板である支持基板2とプラスチックフィルムとした補強体6との積層一体化に際して、前記ガラス板とプラスチックフィルムのいずれにもプライマーを使用して接着性を向上してもよい。
また、接着剤として露光光透過性の粘着剤が使用できる。この粘着剤としては、アクリル系、シリコーンゴム系等がある。
接着剤5の厚さは、支持基板2をガラス板とし、シート状の補強体6をプラスチックフィルムとしたとき、ガラス板とプラスチックフィルムの熱膨張の相違を吸収することができる程度であることが好ましい。ただし、作業環境温度の変化は、通常数℃以内に抑えているので、その範囲で相違を吸収することができればよい。
なお、後述の補強用のガラス板やその表面に加工したものに対して、接着剤を使用しなくても直接接着することができるプラスチックフィルムがあれば使用することができる。この場合、プラスチックフィルムの表面にガラス板への接着性を得るための処理がされる場合を含む。
図3は第2の実施の形態を示していて、この図3で示された転写用凹版1にあっては、シート状の補強体6のサイズがガラス板である支持基板2のサイズより大きいものであって、シート状の補強体6が支持基板2の四方の外方に向けて延設された形態となっている。
この構造の利点は、第一にカラーフィルタ用基板に接着剤を介して重ね合わせてからこの転写用凹版1を引き剥がす際に延設部分7を図示しない他部材にて保持しながら容易に引き剥がし力Fを加えることができ、力の方向も容易に調整することができる点である。第二に、力が均等にかかるので、ガラス板である支持基板2の破損を防ぐ効果がある点である。第三に、このはみ出した部分に後述する治具等を取り付けて、取り扱いを容易にすることができる点である。ガラス板である支持基板2に直接に取り扱い用の治具を取り付けるよりも優れたガラス板の破損対策となり、取り扱いも容易である。図3において力Fの矢印の方向は引き剥がしのための好ましい方向を表している。
なお、支持基板2から外方に向う延設部分7は四方に限定されるものではなく、対向二方であってもよく、さらには引き剥ぎの始端側となる方向のみにこの延設部分7を位置させるようにしてもよい。
上述したように、被転写基体に転写する場合に引き剥がし力を加えて反らしながら引き剥がすものを転写用凹版1とし、本発明の転写用凹版1では、反らせた引き剥がしに適した補強構造を有している。これは転写の際に転写用凹版1の方を反らせながら引き剥ぐ点が有利であるためである。この点を以下に説明する。
従来での補強の方法は、転写凹版の使用方法によって異なっていた。特開平11−311707号公報には、転写型と被転写板とを引き剥がす装置が開示されている。それによれば、蝶番構造で二枚の固定用定盤が向き合っていて、転写型と被転写板であるカラーフィルタ用ガラス基板が貼り合わさった状態で、転写型が下方の固定用定盤に固定され、カラーフィルタ用ガラス基板が上方の固定用定盤に固定され、蝶番を開くようにして両者が引き剥がされる構造となっている。どちらも平面状の状態に固定されたまま、引き剥がされるようになっている。また、引き剥がす際に界面に圧縮空気を吹き込む方法も、記載されている。転写用凹版の補強は固定用定盤が受け持っていることになる。しかし、固定用定盤に着脱する際を含め、転写用凹版を単独で取り扱う場合があり、その際の補強方法が必要である。固定用定盤に固定した状態で取り扱う方法も考えられるが、実際的でない。
また、平面を保持したまま引き剥がすと、全面で一気に転写が生じるので、装置の強度を高くする必要があり、また転写が不安定になりやすい。硬化したインキや塗料の転写用凹版に対する付着強度と被転写体への接着強度が接近している場合には、特に転写が不安定となり、一部が転写されずに転写用凹版に残ってしまうことがある。
実際に転写版と被転写板を引き剥がす場合には、転写版またはガラス基板のどちらか、または双方を端部から曲げるようにして引き剥がす方が転写し易い。例えば、特許第2593995号において可撓性凹版内で硬化したインキを、接着剤を使用して転写する際に凹版を端部より曲げて剥離する方法が開示されている。また、特開平11−194210号公報には、湾曲したプレス型が開示されている。転写用版ではないが、剥離機構については同類である。
さらに、本発明者らは、硬化したインキや塗料の付着強度が転写用凹版側と被転写基体側でほとんど同じ場合、湾曲した側から剥離し、湾曲しない側へ転写することを見い出した。実施の形態で述べるように、本発明に使用する転写用凹版は、カラーフィルタ用基板に近い材料や同一の材料を使用する。その場合には、転写用凹版から硬化したカラーフィルタ用基板を離型するに要する力がかなり高く、被転写基体と接着剤の接着強度に近くなる場合がある。従って、補強方法は転写用凹版が可撓性を有するようにすることが好ましい。よって、本発明の転写用凹版はいずれも可撓性を有するように構成されていて、且つ補強されているものである。
図4は第3の実施の形態を示している。この図4で示した転写用凹版1は、プラスチックフィルムまたは布からなるシート状の補強体6の支持基板2側とは反対側の面に、ガラス板からなる補強用の板8を接着剤5により貼り付けた構造であり、それぞれ面寸法を同一とした支持基板2とシート状の補強体6と補強用の板8とが積層一体化されている。
補強用の板8のガラス板は支持基板2のガラス板と同材質であることが好ましく、厚さも同じであれば、シート状の補強体6に対して上下対称的である。非対称の構造の場合には反りが発生するが、この構造では反りが発生しないので、取り扱いが容易で好ましい。
また、この転写用凹版1の引き剥がしの始端側を斜め上方に引っ張って引き剥がした場合、大きな引き剥がし力を加えても、ガラス板である前記支持基板2は破損し難く、好ましい。
さらに、この構造にする際、上記シート状の補強体6に引っ張り応力を加えた状態で、上下のガラス板(支持基板2と補強用の板8(ガラス板))を貼り付けると、一層破損し難くなった。その際の引っ張り応力の大きさが、引き剥がし工程などで転写用凹版1に加える引っ張り応力と同程度以上であるときに、特に効果が大きかった。
その理由は引き剥がしの際にはシート状の補強体6に引っ張り応力が加わり、ガラス板(支持基板2、補強用の板8(ガラス板))にも引っ張り応力が作用し、さらに引き剥がし時の曲げによる引っ張り応力が加わるが、転写用凹版の製造段階の操作で事前にプレストレストとしてガラス板(支持基板2、補強用の板8)に圧縮応力を発生されているので、引っ張り応力が生じたとしてもこれに抗することになり、よって、割れ難くなったと推定できる。
なお、この実施の形態において、補強用の板8(ガラス板)は一枚である必要はなく、複数枚を積層することで厚さの大きいものとすることも可能である。この場合、ガラス板同志の接着には上記の接着剤5の他にブチラール樹脂を使用することもできる。ブチラール樹脂のフィルムは強靭であって、補強体の役割も兼用する。
図5は第4の実施の形態を示している。この図5に示された転写用凹版1は、第三の実施の形態におけるシート状の補強体6のサイズを、互いに同一サイズである支持基板2と補強用の板8のサイズより大きくして、支持基板2より外方に延設部分7が設けられている構造である。第2の形態(図3)と同様に、支持基板2の破損対策や取り扱いの容易さの点で、第1の形態(図2)より優れていて、好ましい。
図6は第5の形態を示していて、補強体6として支持基板2と同種のガラス板を用いたものであり、これを接着剤5を介して積層一体化している。この場合、ガラス板同志の接着には上記の接着剤5の他にブチラール樹脂を使用することもできる。
上述したように上記各実施の形態において、支持基板2のガラス板をカラーフィルタ用基板のガラス板と同一とすることが好ましく、この支持基板2のガラス板をカラーフィルタ用基板のガラス板と同一とすることで、支持基板2の熱膨張率がカラーフィルタ用基板と同じになる。そして、支持基板2の熱膨張率と上記補強体6の熱膨張率とが同じであることが頗る良好であることから、前記支持基板2のガラス板がカラーフィルタ用基板のガラス板と同一の場合、前記補強体6をガラス板としたときには、上述のごとくこのガラス板をカラーフィルタ用基板のガラス板と同一とすることができ、支持基板と補強体との収縮の差が無く、カラーフィルタ用基板に対して温度収縮を考慮する必要が無い。なお、液晶カラー表示用(カラーフィルタ用)ガラス基板の熱膨張率(係数)は38×10−7/℃である。
また、支持基板2のガラス板としては上述したように石英ガラスが使用できる。そして、支持基板2のガラス板を、その材質が石英ガラスからなるものとした場合、上記補強体6をガラス板とするときにはその材質が石英ガラスからなるガラス板とすればよい。このようにすることで、支持基板と補強体との収縮の差がなく、かつ石英ガラスの熱膨張率が非常に小さい(5×10−7/℃)ことから、前記支持基板と補強体とが温度収縮しない非収縮部材となり、カラーフィルタ用基板に対して温度収縮を考慮する必要が無い。
図7は図5に示す構造のプラスチックフィルムからなる補強体6の延設部分7に別のフィルム、または布16をつなぎ合わせた第6の形態での構造である。この別のフィルム、布16は露光光透過性を必要とせず、強度や治具取り付けや、穴開け等の利便によって、選定する。後に述べるが、前記布としてスクリーン印刷に使用する紗を用い、周辺部を枠に固着すれば、スクリーン印刷におけるコンビネーション版と同様な構造となり、スクリーン印刷におけるコンビネーション版の作成、取り扱いの技術を使用することができる。
図8は第7の実施の形態を示している。この図8に示した転写用凹版1では、支持基板2をプラスチックフィルムとし、支持基板2の版面4とは反対側の面に裏打ちの形で補強用の板8を接着剤5を介して貼り付けた構造である。支持基板2と補強用の板8との面サイズは同一である(補強用の板8は何れの例においても裏面露光光透過性を有する)。
実際にこの構造の転写用凹版1を作成する場合には、必要な高寸法精度を得るために、プラスチックフィルムに補強用の板8を貼り付けた後に、前記プラスチックフィルムに対してフォトリソ法で凹部を有する版面4形成して支持基板2を得る。
この場合も図9に示す第8の実施の形態のように版面4の大きさを変更せずにその支持基板2の材料であるプラスチックフィルムのサイズを補強用の板8のサイズより大きくする方が、補強用の板8の破損対策としても、転写用凹版1全体の取り扱いの容易さの点でもはるかに好ましい。なお、支持基板2としてのプラスチックフィルムの外方への延設部分9は四方に限定されず、支持基板2の一辺を外方に延設した構成とすることも可能である。
図10は第9の実施の形態を示している。この第9の実施の形態における転写用凹版1は、上記第8の実施の形態における補強用の板8の支持基板2側とは反対側の面に、接着剤5を介して前記補強用の板8より大きいサイズで、延設部分9を備えたプラスチックフィルムからなる上記支持基板2と同じ面サイズとしたシート状の補強体6を貼り合わせたものであり、補強用の板8を間にした状態で支持基板2と補強用の板8とシート状の補強体6とを積層一体化した構造としているものである。さらに、補強用の板8の一対の対向辺側における支持基板2の延設部分9とシート状の補強体6との間に、本転写用凹版1の取り扱いをさらに容易にするために保持用フィルム10を取り付け固定している。この保持用フィルム10は対向するように両側に設置した構造とした方がより好ましい。なお、別部材として保持用フィルム10を設ける代わりに、上下の延設部分7、9を貼り合わせて保持部を形成してもよい。
保持用フィルム10の取付は上記第9の実施の形態に限定されるものではない。基本構造の転写用凹版の周辺に取り付ける例を図11に表していて、図11(a)に示すように、支持基板2に接着剤5を介して重ね合された補強体6の前記接着剤5側とは反対側の面における一辺に沿って保持用フィルム10を取り付けたり、図11(b)に示すように、支持基板2の版面4側での対向する二辺それぞれに沿って保持用フィルム10を取り付けてもよい。また、図11(c)に示されているように、支持基板2を補強体6より広く大きなものとし、支持基板2における対向二辺それぞれであって補強体6より側方に張り出た辺(版面4とは反対側の面)に保持用フィルム10を取り付けたり、図11(d)に示されているように、支持基板2より補強体6を広く大きなものとし、その補強体6における対向二辺それぞれであって支持基板2より側方に張り出た辺(支持基板2側の面)に取り付けるようにすることが可能である。
この保持用フィルム10を取り付けた構造の利点は、保持用フィルムが裏面露光の光を透過しないものを使用することができる点であり、例えば、金属フィルムであってもよい。
なお、図11(a)では片辺側に取り付けているが、両側であってもよい。また、図11(b)(c)(d)では両側に取り付けているものを示したが、片辺側だけであってもよい。さらに何れの例においても、保持用フィルム10を額縁状にして取り付けてもよく、使用条件によって適宜に組み合わせたり、取付位置を変化させてもよい。そして、保持用フィルム10の取付は基本的には接着や融着であるが、他の手法を採用してもよい。
図12は第10の実施の形態を示している。この実施の形態では、プラスチップフィルムまたは布からなる上記シート状の補強体6を一枚の帯状とし、このシート状とした補強体6の片面に一定の間隔を空けて複数枚の支持基板2を貼り合わせ固定したものである。前記支持基板2はガラス板からなるものであり、シート状の補強体6とは反対側の面を版面4として形成されている。
シート状の補強体6の長さは引き剥がしの工程などに適合した長さとされている。支持基板2の枚数も工程に適合した数とする。このようにすることで転写用凹版の連接体として構成が可能となる。そしてシート状の補強体6の長さ方向に沿った両辺は転写用装置における送り装置用の孔11を送り機構に掛けることによって、転写用凹版を必要場所に送ることが可能となる。
そして、第8の実施の形態(図9)、第9の実施の形態(図10)で示す補強用のガラス板8で裏打ちされるプラスチックフィルムからなる支持基板2も上記送り機構を利用する前記孔11を設ける構成としてもよい。
図13は第11の実施の形態を示している。この実施の形態における転写用凹版1にあっては、支持基板2の周囲にはみ出したシート状の補強体6における延設部分7の内、対向二方に位置する延設部分7に、凹版張設用の治具であるスクリーン印刷用の版枠12を取り付けてこの転写用凹版1を版枠12に張設したものである。その作成方法は以下の実施例で述べる。
この版枠付きの構造となった転写用凹版1は、多少改造したスクリーン印刷機を使用して、少なくとも接着剤を介して転写用凹版1とカラーフィルタ用基板とを貼り合せ、次に引き剥がす工程を行うのに好都合である。すなわち、版離れ機構を有するスクリーン印刷機を改造して、スキージの代わりに加圧ローラをとりつけた構造とする。
図14に示すように、版枠付きの転写用凹版1をこの装置のスクリーン版セット部分(図示せず)に取り付け、転写用凹版1と真空吸着定盤13に支持されたカラーフィルタ用基板14との間に加圧ローラ15の動作を伴って接着剤を挟み込む工程と、加圧ローラ15の動作を伴って引き剥がす工程を行うことができる。
図14では引き剥がし工程が示されているが、接着剤の挟み込みでは、加圧ローラ15が図14に図示の状態とは反対方向に移動して接着剤を挟み込む。加圧ローラ15は、接着剤の挟み込み時の速度、圧力、引き剥がし時の速度を制御するために使用する。また、版離れ機構hは、剥離角度を制御するために使用する。
なお、転写用凹版1の治具などに対する取り付けは上記例に限らず、例えば取り扱い用の治具としてパイプやフック用の金具を、はみ出したシート状の補強体6の穿設部分に取り付けた構造でもよい。
支持基板2をプラスチックフィルムとした上記各実施の形態においても、上記補強用の板8が転写用凹版の部材として実質的に熱収縮しない非収縮部材となるように、石英ガラスからなるガラス板とすることができる。また、補強用の板8の熱膨張率がカラーフィルタ用基板のガラス板と実質的に同じとなるように、カラーフィルタ用基板のガラス板と同一のガラス板とすることができる。
図15は図12に示した支持基板2をシート状の補強体6上に多数配置した構造のものの両端を接続して無端ベルト状の転写用凹版連接体とし、これを使用したカラーフィルタの遮光部の製造装置の模式図である。この装置の構成等を図15に基づいて以下に説明する。
転写用凹版連接体17における一単位の転写用凹版の構造は、例えば図5で示されたものである。そして、転写用凹版連接体17は所定の速度で移動するものであり、各単位の転写用凹版は、版検査工程(A)→遮光剤塗布工程(B)→裏面露光工程(C)→現像工程(D)→接着剤塗布工程(E)→接着剤の挟み込み工程(F)→接着剤の光硬化工程(G)→カラーフィルタ用基板から転写用凹版を引き剥がす工程(H)→転写用凹版のクリーニング工程(I)の順に各工程を経る。
版検査工程(A)では、前回の転写の汚れ等の有無を検査する。版検査装置としては、カラーフィルタ検査装置を使用することができる。
遮光剤塗布工程(B)では、検査結果が問題ない凹版に対してカラーフィルタの遮光剤104(カラーフィルタ用インク)を遮光剤塗布装置103(例えばスロットコータ)を用いて転写用凹版の全面に塗布する。
裏面露光工程(C)では、遮光剤の溶剤が乾燥した後、露光装置105を使用して転写用凹版101の裏面から露光して、遮光剤を硬化する。硬化する部分は転写用凹版101の遮光膜がない部分(凹部)であり、硬化する厚さは露光量によって調整することができる。
現像工程(D)では、所定の現像液(一般的にはアルカリ水溶液、例えば炭酸ナトリウム水溶液)で通常はスプレー現像する。水洗、乾燥すると転写用凹版の凹部に遮光剤が遮光パターン106(インキのカラーフィルタパターン)で硬化した状態で残る。
接着剤の塗布工程(E)では、転写用凹版101の上流側の端部に接着剤109を横一線に置く。
接着剤の挟み込み工程(F)では、横一線に置かれた接着剤109を、転写用凹版101と別のベルトコンベアー等の移動装置から供給されるカラーフィルタ用基板108との間に、加圧ロール107による加圧の下で挟み込む。接着剤109が無溶剤型の場合には図のように直ちに挟み込むことが可能である。一方、溶剤を含むタイプの接着剤の場合には、転写用凹版101の上、または貼り合わせるカラーフィルタ用基板108の上に接着剤を予め塗布しておき、溶剤が揮散した後に貼り合わせる。
接着剤の光硬化工程(G)では、カラーフィルタ用基板108側から露光する。露光光は拡散光でよい。
カラーフィルタ用基板108から転写用凹版101を引き剥がす工程(G)では、カラーフィルタ用基板108を真空吸着定盤110で固定し、転写用凹版101側にはローラー(図示せず)を設置して、所定の方向へ順次引き剥がすようにしている。ここで、真空吸着定盤110は往復運動する。
転写用凹版のクリーニング工程(I)では、転写用凹版101の版面にクリーニングロール111を接しさせて洗浄を行なう。
なお版検査工程(A)とクリーニング(I)の工程は順序を逆にすることができる。
以上のようにしてカラーフィルタの遮光部を製造することができる。なお、図15において、工程(D)、(H)、(I)において転写用凹版が湾曲しているように作図されているが、本発明の転写用凹版は可撓性であるので、湾曲することができる。ただし、破損しない曲率はかなり大きいので、それより回転半径を小さくしたい場合には、転写用凹版の部分ではほとんど曲がらず、補強体6の部分で大きく曲がるような搬送系、例えばスプロケットを使用した搬送系とする。
(実施例1)
カラーフィルタの遮光部を形成するための転写用凹版で、図5の構造、すなわち二枚のガラス板(支持基板2、補強用の板8)の間にプラスチックフィルム(補強体6)を接着剤を使用して挟み込んだものを以下のようにして作成した。
1800×1500mmサイズのカラーフィルタ用基板のガラス板と同一のガラス板に、カラーフィルタのパターンとして26インチサイズのカラーフィルタ用の遮光部を12面付けした転写用凹版を以下のようにして形成した。カラーフィルタを形成するのと同じ厚さ0.7mmのコーニング社のイーグル2000を使用した。
図16に示すように支持基板2とするガラス板上に先ず離型層17を形成する。離型層用の塗料として、光硬化型アクリル樹脂系のカラーフィルタの遮光部用インクに対して親インク性で、光硬化型であり、しかも、光硬化した遮光部用インク硬化物に対して離型性を有するものとして、特開2001―350009号公報に開示されている合成例1によって得られた感光性樹脂を主材料とし、以下の操作を行ったものを作成した。上記の感光性樹脂を樹脂濃度が10重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、この希釈液1000gに光重合性モノマーであるトリメチロールプロパントリアクリレートを4.0gと、光重合開始剤であるピペロニル−s−トリアジン5gと、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gを加えて撹拌して、塗料18を得る。
図16(a)に示すように上記塗料18を、加熱硬化後の厚さが5μmとなるようにスロットコータで支持基板2上に塗布し、光硬化し、厚さ5μmの離型層を得た。ここで加熱硬化とは、凹版作成工程の最後に加熱処理を行うが、その結果としての厚さであり、予備テストによって、塗布する際の厚さとの関係を求めておく。
図16(b)に示すように、次に、凹部形成材として、塗料18にカラーフィルタの青色用色材を分散させたカラーフィルタ用色材塗料19を作成し、加熱処理後の厚さが2,5μmになるようにスロットコータで離型層17の上に塗布し、溶剤を揮散させた。
図16(c)に示すように、次に、所望のカラーフィルタのパターンを遮光部として有する石英製のフォトマスク20を使用して、上記の凹部形成材の層を所定の光量で露光21した(UV光による露光)。
図16(d)に示すように、さらに、所定のアルカリ現像液22で現像した。
図16(e)に示すように、水洗、乾燥後、電気乾燥機で200℃、30分間の熱処理をおこない、目的とするカラーフィルタ形成に使用する裏面露光用の転写用凹版1を得た。
次に、このパターン(凹部)を形成したガラス板(支持基板2)を版面を下にして、その上に厚さ100μmのポリエステルフィルム(筒中プラスチック製 サンロイド ペットエースEPG100)(シート状の補強体6)を置き、さらにその上に何も加工してない同じサイズのガラス板(補強用の板8)を端部が一致するように重ねておき、三者の間に、光硬化型接着剤(アーデル社製 クリアルーチェ MA21)を挟み込んでラミネートした。この際、ポリエステルフィルムには0.5kg/cmのテンションを掛け、その状態でUV光で所定の露光量を照射し、硬化した。接着剤の厚さは約4μmであった。なお、ポリエステルフィルムの幅は2000mmとした。1800幅のガラス板の両サイド100mm程度ずつ余分にあったが、そのままに残した。一方、1500mm幅のほうのポリエステルフィルムは貼合せ方向であり、ガラス板に対して300mm余分をとって切断し、ポリエステルフィルムとガラス板で補強した図5に示した構造の転写用凹版を得た。
(実施例2)
図13に示した補強構造の転写用凹版を以下のようにして作成した。使用したガラス板の支持基板は、サイズ1500×1800mm、厚さ0.7mmのカラーフィルタ用のものである。その基板上に、特許文献3の実施例に記載されている転写用凹版の作成方法によって、離型性の凸部(凹部を囲む凸部)がシリコーンゴム製である版Bを作成した。なお、シリコーンゴムに黒色に着色する添加剤を厚さ3.0μmの光学濃度が3.5になるように添加した。凹部がカラーフィルタの遮光部である。補強体には、スクリーン印刷用に使用されているポリエステル製の紗(メッシュ数250,線径50μm、NBC工業製)を使用した。版枠としては、PDP用のサイズ2500×3500mmのものを使用した。紗を紗張り装置で均等に引っ張り、四辺を版枠に仮止めした。その紗にコンビネーション版作成用の光硬化型接着剤を載せ、さらに上記の版Bを載せ、接着剤を硬化した。
次に、引き剥がし方向でない両側の紗を版枠から近い部分で切断した。さらに、引き剥がし方向の仮止めを緩め、本止めとし、補強した転写用凹版を得た。緩めた程度は、転写用凹版を図13の様に使用する際の加圧による引っ張り応力によっても、ガラス板の支持基板へ引っ張り応力が充分に残る程度である。この方法によって、支持基板の破損が少なくなった。
(カラーフィルタの作成)
実施例1で作成した転写用凹版を使用して、以下のようにしてカラーフィルタ用基板の上にインクジェットインキングに適したカラーフィルタの遮光層を形成した。
遮光層のインクには、カラーフィルタの色材用インクジェットインクに対して撥インク性を有するものを使用した。特開2004−45910号公報に記載されているアクリル系樹脂を光硬化成分とし、撥インキ成分として架橋性の官能基およびポリオルガノシロキサン鎖を有するビニル重合体を含むものを使用した。
特開2004−45910号公報の実施例1に記載されている塗料を作成し、スロットコータで乾燥厚が3μm程度になるように、実施例1で作成した転写用凹版に塗布した。溶剤揮発後UV光を裏面露光して硬化した。その際露光量を調整して、硬化厚さが2.0μmになるようにした。次に接着剤として特開2000−136354号公報に開示されているものを使用した。この接着剤は溶剤系のインクジェットインクでカラーフィルタの色材用のものに対して親インク性である。この接着剤をロールラミネータを使用して、インクを充填してある面とカラーフィルタ用ガラス基板(サイズ1500×1800mm、厚さ0.7mm、コーニング社製 イーグル2000:転写用凹版と同じ品番)を位置を合わせて貼合せ、カラーフィルタ用ガラス基板側からUV光を照射して接着剤を硬化した。その後、カラーフィルタ用ガラス基板を真空吸着定盤に固定して、図3に示したように転写用凹版を斜めに引き上げるようにフィルムを一様に引っ張った。すると端部から離型が始まり、カラーフィルタ材は転写用版の凹部からカラーフィルタ用基板へ転写した。離型は順次中側へ向かって進行し、反対側の端部に到達し、離型が完了した。
このようにして、カラーフィルタ用の遮光部のパターンが形成されたガラス基板に、インクジェット法によってカラーフィルタの色材インクを遮光部で区分された所定の部分へ注入し、所望のカラーフィルタを得た。接着剤層が親インキ性であるので、底部の気泡残りがほとんど発生しなかった。
従来の転写用凹版を示す説明図である。 本発明における第1の実施の形態を示す説明図である。 本発明における第2の実施の形態を示す説明図である。 本発明における第3の実施の形態を示す説明図である。 本発明における第4の実施の形態を示す説明図である。 本発明における第5の実施の形態を示す説明図である。 本発明における第6の実施の形態を示す説明図である。 本発明における第7の実施の形態を示す説明図である。 本発明における第8の実施の形態を示す説明図である。 本発明においての保持用フィルムの取付の他の例を示す説明図である。 本発明における第10の実施の形態を示す説明図である。 本発明における第11の実施の形態を示す説明図である。 転写用凹版の被転写基体からの引き剥がしを示す説明図である。 無端状の転写用凹版連接体によるカラーらフィルタ用基板への転写を示す説明図である。 実施例における転写用凹版の作成順序を示す説明図である。
符号の説明
1…転写用凹版
2…支持基板
3…凹部形成材
4…版面
5…接着剤
6…補強体
7…延設部分
8…補強用の板
9…延設部分
10…保持用フィルム
11…孔
12…版枠
13…真空吸着定盤
14…カラーフィルタ用基板
15…加圧ローラ
F…引き剥がし力

Claims (18)

  1. ガラス板を支持基板とし、該支持基板に形成された版面の凹部へ硬化性のカラーフィルタ用塗料を充填して、カラーフィルタ用塗料が硬化した後に接着剤を介してカラーフィルタ用基板へ転写するためのカラーフィルタ形成用の転写用凹版であって、
    前記支持基板のガラス板は裏面露光光透過性を有するものであり、少なくとも前記支持基板の版面の凹部を形成してない側の面に、プラスチックフィルムと布とガラス板とのうちの何れかからなる裏面露光光透過性の補強体を裏面露光光透過性の接着剤を介して貼り合わせて、支持基板と補強体とを積層したことを特徴とするカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  2. 上記補強体はプラスチックフィルムまたは布からなるシート状であって、該シート状の補強体の上記支持基板側とは反対側の面に、補強用としての裏面露光光透過性のガラス板が裏面露光光透過性の接着剤を介して貼り合わせられて、支持基板とシート状の補強体と前記補強用のガラス体とが積層されている請求項1に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  3. 上記補強体はプラスチックフィルムまたは布からなるシート状であって、このシート状の補強体の少なくとも一部が上記支持基板より外方に延設されている請求項1または2に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  4. 上記補強体はプラスチックフィルムまたは布からなるシート状であって、この一枚のシート状の補強体に対して、二枚以上の支持基板が前記補強体の同一面側に配置されている請求項1から3の何れか一項に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  5. 上記補強体はプラスチックフィルムまたは布からなるシート状であり、上記支持基板より相対する外方の二方向に前記シート状の補強体が延設され、該延設部分それぞれが治具に固定されて、シート状の補強体が治具に張設されている請求項1から4の何れか一項に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  6. 上記補強体はプラスチックフィルムまたは布からなるシート状であって、支持基板より外方に前記シート状の補強体が延設され、該延設部分に、転写用装置の送り機構に掛け止めするための孔加工を施した請求項1から5の何れか一項に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  7. 上記支持基板は、材質を石英ガラスとしたガラス板であり、かつ上記補強体は、材質を石英ガラスとしたガラス板であって、
    前記支持基板と補強体とを実質的に熱収縮しない非収縮部材とした請求項1から6の何れか一項に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  8. 上記支持基板のガラス板は、カラーフィルタ用基板のガラス板と同一であり、かつ上記補強体は、カラーフィルタ用基板のガラス板と同一のガラス板であって、
    前記支持基板と補強体とを熱膨張率に差がないものとした請求項1から6に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  9. プラスチックフィルムを支持基板とし、該支持基板に形成された版面の凹部へ硬化性のカラーフィルタ用塗料を充填して、カラーフィルタ用塗料が硬化した後に接着剤を介してカラーフィルタ用基板へ転写するためのカラーフィルタ形成用の転写用凹版であって、
    前記支持基板のプラスチックフィルムは裏面露光光透過性を有するものであり、少なくとも支持基板とした前記プラスチックフィルムの版面の凹部を形成していない側の面に補強用としての裏面露光光透過性のガラス板を裏面露光光透過性の接着剤を介して貼り合わせて、支持基板と前記補強用のガラス板とを積層したことを特徴とするカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  10. 上記補強用のガラス板の支持基板側とは反対側の面に、プラスチックフィルムまたは布などからなる裏面露光光透過性としたシート状の補強体を裏面露光光透過性の接着剤を介して貼り合わせて、前記支持基板と前記補強用のガラス板と前記シート状の補強体とが積層されている請求項9に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  11. 上記シート状の補強体の少なくとも一部が上記補強用の板より外方に延設されている請求項10に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  12. 一枚の上記シート状の補強体に対して、二枚以上の支持基板が前記補強体の同一面側に配置されている請求項10または11に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  13. 一枚の上記支持基板の同一平面上に複数の版面が形成されている請求項9から12の何れか一項に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  14. 上記補強用の板より相対する外方の二方向に上記シート状の補強体が延設され、該延設部分それぞれが治具に固定されて、シート状の補強体が治具に張設されている請求項10〜13に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  15. 上記補強用の板より外方に上記シート状の補強体が延設され、該延設部分に、転写用装置の送り機構に掛け止めするための孔加工を施した請求項10〜14に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  16. 上記補強用の板は、石英ガラスからなるガラス板であって、実質的に熱収縮しない非収縮部材とした請求項9から15の何れか一項に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  17. 上記補強用の板は、カラーフィルタ用基板のガラス板と同一のガラス板であって、
    前記補強用の板を、カラーフィルタ用基板のガラス板に対して熱膨張率に差が無いものとした請求項9から15の何れか一項に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版。
  18. 請求項15から17の何れか一項に記載のカラーフィルタ形成用の転写用凹版におけるシート状の補強体の両端部を連結してなる無端形状体を、回転移動する機構に搭載し、前記無端形状体が一回転する間に補強体上の各転写用凹版に以下の少なくとも工程(1)から(7)を順次行なうことを特徴とするカラーフィルタの遮光層部の形成方法。
    (1)転写用凹版に遮光剤を塗布する遮光剤塗布工程
    (2)転写用凹版を裏面から露光する裏面露光工程
    (3)転写用凹版の遮光剤を現像する現像工程
    (4)転写用凹版に接着剤を塗布する接着剤塗布工程
    (5)接着剤を伸ばす接着剤の挟み込み工程
    (6)接着剤を硬化させる接着剤の光硬化工程
    (7)カラーフィルタ用基板から転写用凹版を引き剥がす工程
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JP2009119840A (ja) * 2007-10-23 2009-06-04 Shinko:Kk 立体構造物

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