JP2006283991A - 冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 フッ素系の冷媒を循環させて熱交換器で冷却する冷却システムでは、室温の冷媒を熱交換器によって0°C以下の低温にした場合、この冷媒から水が析出し氷になるが、この氷によって流量調整弁等の機器に氷詰まりが起きないようにした機構を備えた冷却システムを提供する。
【解決手段】 低温タンク4に貯留されたフッ素系の冷媒Rを冷凍機2の熱交換器3で冷却し、該冷却した冷媒を流量調整弁6を介して低温タンク4に戻すようにした冷却システムにおいて、熱交換器3と流量調整弁6とを接続する冷媒循環ホース14に、水は通過させるが熱交換器3で発生した氷はトラップするフィルタを備えたフィルタ装置Fからなる氷詰まり防止機構を設けるとともに、低温タンク4内にある空気の水分含有量を露点温度−40°C以下まで下げるエアブロータンクTからなる氷詰まり防止機構を低温タンクに接続した。
【選択図】 図3

Description

本発明は、チラーユニット等の冷却システムに関し、特に、ガルデン(商品名、以下、同様)、フロリナート(商品名、以下、同様)等のフッ素系の表面張力の小さい室温の冷媒を0°C以下の低温にしたとき、この冷媒から析出される氷によって、流量調整弁等の機器が氷詰まりを起こさないようした冷却システムに関する。
ガルデン、フロリナート等の表面張力の小さいフッ素系の冷媒は、例えば、半導体素子の電気試験(機能試験)等に使用されるプローバの温度を制御する冷却液等に用いられている。ICなど、ほとんどの半導体素子はシリコンウエハー上に作られており、1つの機能を持った半導体素子は、シリコンウエハーから切り出される前または後あるいは前後ともに、最終的な電気試験(機能試験)が行われ、その特性が計られ、良否の判定が行われている。この試験では、ウエハーの移動と、加熱・冷却の温度調節を行うプローバと呼ばれる装置が使われている。プローバ内部には3次元方向に精密に移動可能なテーブル(X―Y―Zテーブル)があり、このテーブルには、テストするウエハーを把持するチャックが取り付けられている。このプローバは、テストするウエハーの温度を、例えば−70°C〜200°Cの範囲で設定できるようになっている。
このプローバの設定温度の制御は、電気ヒータによるチャックの加熱と、冷却液によるチャックの冷却とによって行われている。このチャックを加熱・冷却する従来のシステムの一例を図5の冷却システムのフロー図に基づいて説明する。図5において、Cはチラーユニットであり、Pはプローバである。なお、図5では、説明の都合上、チラーユニットCや冷凍機2やプローバPのケーシングなどは2点鎖線で示し、低温タンク4や常温タンク8などはタンクの内部が見える形で記載してある。
チラーユニットCは、その筺体1内に、熱交換器3を備えた冷凍機2と、冷却液としてガルデン、フロリナート等のフッ素系の表面張力の小さい冷媒Rが貯留される断熱性の低温タンク4と、この冷媒Rを循環させる循環ポンプ5と、熱交換器3で冷却される低温冷媒の流量を制御する流量調整弁6と、低温タンク4内の冷媒Rの温度を検出する温度センサー7と、低温タンク4に冷媒を補給する常温タンク8と、常温タンク8の冷媒を低温タンク4に補給する補給ポンプ9とを備えている。なお、低温タンク4と常温タンク8は、それぞれ冷媒タンクとして総称されるものである。
熱交換器3は、二重管(図示せず)から構成されており、その内管の中を冷凍機2の冷媒が流れ、内管と外管との間に形成される流路に低温タンク4からの冷媒が流れるようになっている。二重管からなる熱交換器3は、内管と外管との間に冷却フィンを設けたものであってもよいし、冷却フィンを設けないものであってもよい。また、低温タンク4からの冷媒を内管の中へ、内管と外管との間に形成される流路に冷凍機2からの冷媒が流れるようにしてもよい。
低温タンク4と常温タンク8は、密閉あるいはほぼ密閉に構成されており、それぞれ上部に大気に開放する大気開放チューブ10,11が設けられている。この大気開放チューブ10,11は、低温タンク4や常温タンク8の液面が上昇や下降して、低温タンク4や常温タンク8内に圧力の変動が生じたとき、その圧力の変動を吸収するようになっている。また、低温タンク4には、常温タンク8に接続するオーバフロー管12が設けられている。低温タンク4内の冷媒Rが不足した場合には、補給ポンプ9を駆動し、常温タンク8内の冷媒を補給ホース9aを通して低温タンク4に供給するようになっている。なお、4aは低温タンク4の冷媒液面,8aは常温タンク8の冷媒液面を示す。
循環ポンプ5は、そのポンプ部が、低温タンク4に貯留された冷媒Rの中に位置し、駆動部が低温タンク4の外側に位置するように低温タンク4に取り付けられている。循環ポンプ5の吸入口(図示せず)は、低温タンク4内に開口し、その吐出口5aは、冷媒循環ホース13(往き管)によって熱交換器入口3aに接続されるとともに、冷媒循環ホース13から分岐した冷却液供給ホース15によって後述するプローバPに接続されている。
流量調整弁6は、図6に示すように、ステンレス製のケーシング6aの上部に駆動部6bを有し、その下部に弁部を有している。この弁部は、ケーシング6aの底部に開口する冷媒入口6cと、冷媒入口6cより上方でケーシング6aの側面に開口する冷媒出口6dと、冷媒入口6cと冷媒出口6dを連通する冷媒流路6eと、冷媒流路6eの途中に形成したケーシング6aと一体の弁座6fと、弁座6fの下部に配置され、弁座の6fの下方から弁座6fに離接して冷媒流路6eを開閉する樹脂製の弁体6gから構成されている。弁体6gは、弁棒6hによって駆動部6bに連結されるとともに、その下方から復帰スプリング6iによって弁座6f側に付勢されている。また、弁体6gは、ケーシング6aの底部から突接されたガイド部材6jによって案内されるようになっている。なお、図6の6kはケーシング6aに設けた断熱材である。
このように構成された流量調整弁6は、駆動部6bが低温タンク4の外部に位置し、弁部が低温タンク4内に位置するように低温タンク4に取り付けられている。また流量調整弁6の冷媒入口6cは低温タンク4内の冷媒液面4aより下方に位置し、その冷媒出口6dは冷媒液面4aより上方に位置する。この流量調整弁6の冷媒入口6cは、継手14aを介して、熱交換器出口3bに接続された冷媒循環ホース14(戻り管)に接続されている。流量調整弁6の冷媒出口6dは、低温タンク4内に開口している。
冷媒循環ホース13、14は、SUS等の材料から形成されており、低温タンク4から上方に立ち上がり、次いでほぼ水平に延びて熱交換器3に接続するようにチラーユニットの筺体1の中に配管されている。なお、図5において、2aは、冷媒循環ホース13用に冷凍機2の外壁に設けた管継手であり、2bは、同様に、冷媒循環ホース14用に冷凍機2の外壁に設けた管継手である。また、4bは、冷媒循環ホース13用に低温タンク4の外壁に設けた管継手であり、4cは、冷媒循環ホース14用に低温タンク4の外壁に設けた管継手である。
プローバPは、3次元方向に精密に移動可能なテーブルすなわちX―Y―Zテーブル(図示せず)と、このテーブルに取り付けられ、テストするウエハーを把持するチャック17と、チャック17の温度を検出する温度センサー18と、チャック17を加熱するヒータ19と、冷却液によってチャック17を冷却する冷却部20とを備えている。
冷却部20は、その冷却液入口(図示せず)がチャック接続ホース21(往き管)に接続され、その冷却液出口(図示せず)がチャック接続ホース22(戻り菅)に接続されている。さらに、チャック接続ホース21は、冷却液循環ポンプの吐出口4aに接続する冷却液供給ホース15(往き管)に継手23を介して接続され、チャック接続ホース22は、低温タンク4に連通する冷却液供給ホース16(戻り菅)に継手23を介して接続されている。チャック接続ホース21,22は、プローバPのテーブルの移動に追随できるようにテフロン(登録商標)樹脂等の可撓性の材料から形成されている。冷却液供給ホース15,16は、SUS等の材料によって形成されている。なお、図5において、4dは冷却液供給ホース16用に低温タンク4の外壁に設けた継手である。
このように構成されたシステムでは、チャック17の設定温度、すなわちプローバPの設定温度が例えば約40°C以上の場合は、ヒータ19のみによって、チャック17の温度制御が行われ、それ未満の場合は、ヒータ19と冷却部20とによってチャック17の温度制御が行われる。ヒータ19のみによって温度制御を行う場合には、プローバPに設けた温度センサー18でチャック17の温度を検出し、チャック17の温度が設定温度になるようにヒータ19を制御する。
ヒータ19と冷却部20とでチャック17の温度制御を行う場合には、冷凍機2と循環ポンプ5を運転する。循環ポンプ5によって吸引された低温タンク4内の冷媒Rは、冷媒循環ホース13を通って冷凍機2に設けた熱交換器3に供給されると同時に、冷却液供給ホース15及びチャック接続ホース21を通ってプローバPに設けたチャック17の冷却部20に供給される。低温タンク4から熱交換器3に供給された冷媒は、熱交換器3で冷却された後、冷媒循環ホース14、流量調整弁6を通って低温タンク4内に戻される。他方、チャック17の冷却部20に冷却液として供給された冷媒は、チャック17を冷却した後、チャック接続ホース22及び冷却液供給ホース16を通って低温タンク4内に戻される。
この時、流量調整弁6は、例えば5秒おきに出される開指令に基づいて開閉するようになっており、この開指令によって、駆動部6bは、復帰スプリング6iの付勢に抗して弁体6gが弁座6fから離れて所定時間冷媒流路6eを開くように弁体6gを駆動する。冷媒流路6eが開かれると、熱交換器3で冷却された低温冷媒が冷媒出口6dを通って低温タンク4内に供給される。所定時間が経過すると、駆動部6bによって弁体6gが駆動されなくなるので、図6に示すように、弁体6gは、復帰スプリング6iの付勢力によって復帰して冷媒流路6eを閉じるようになる。流量調整弁6は、このような開閉を繰り返し、低温タンク4内の冷媒Rの温度がチャック17の設定温度に対応した温度になるように、熱交換器3で冷却された冷媒を低温タンク4に供給する。弁体6gが開かれている時間、すなわち、開を維持する時間は、プローバPの設定温度に対応しており、プローバPの設定温度が高いほどその時間は短くなる。低温タンク4内の冷媒Rの温度は、温度センサー7によって監視されている。
このように温度調整された低温タンク4内の冷媒Rを冷却液としてチャック17に供給することによって、プローバの設定温度を維持する。同時に、温度センサー18でチャック17の温度を検出し、検出したチャック17の温度が設定温度より低い場合には、設定温度になるようにヒータ19を運転する。
冷媒循環装置に関連する先行技術文献として次の特許文献1があり、半導体検査装置に関連する先行技術文献として次の特許文献2,3がある。
特開平2003−148852号公報 特開平2−147973号公報 特開平2−147974号公報
前述のように構成された冷却システムにおいて、低温タンク4の冷媒温度が室温程度になる条件でシステムを運転しているとき、低温タンク4内の冷媒温度が異常に低下し、チャック17の設定温度を維持するのが困難になるという現象が生じた。発明者らが、その原因を分析したところ、図7に示すように、流量調整弁6への氷Kの詰まりが生じており、この氷Kの詰まりによって流量調整弁6の閉動作が妨げられ、熱交換器3で冷却された低温冷媒が流量調整されないまま低温タンク4に流れ込み、低温タンク4内の冷媒Rが冷却されすぎていることが分かった。
さらに、この現象を分析したところ、この流量調整弁6への氷Kの詰まりは、次のように生じていることが分かった。例えば、図5に示すように、プローバPの設定温度T0を30°Cに設定して冷却システムを運転した場合、チャック17には、約27°C(=T2)の冷媒を冷却液として供給する必要がある。一方、低温タンク4から熱交換器3に供給された冷媒は、熱交換器3で約−75°C(=T3)まで冷却され、冷媒循環ホース14を通って約−70°C(=T4)の温度となって低温タンク4に戻される。流量調整弁6は、プローバPに27°C(=T2)の冷却液を供給するため、低温タンク4内の冷媒温度T1を約23°Cに維持するように熱交換器3に供給される冷媒の流量を調整している。
ところで、ガルデンやフロリナート等の表面張力の小さいフッ素系の冷媒は、室温状態では、空気から水分を吸収しやすいという性質を持っており、前述したように低温タンク4内の冷媒温度を約23°Cの室温程度に維持したとき、低温タンク4内に存在する湿った空気から水分を吸収するようになる。この低温タンク4内で水分を吸収した室温の冷媒が、前述したように熱交換器3で0°C以下の低温に冷却されると、冷媒から水が析出し、この水は熱交換器3で冷却されて氷になる。この氷は、冷却された低温冷媒とともに冷媒供給ホース14を流れて流量調整弁6に運ばれることがある。特に、フィンを備えていない二重管から構成された熱交換器3の場合、流量調整弁6に運ばれる氷の量が多いことが分かった。
氷を含んだ低温冷媒R1が流量調整弁6に運ばれると、図7に示すように、流量調整弁6の開時に、弁座6fと弁体6gの間に氷Kが噛み込みんで、弁座6fと弁体6gが凍りつき、弁体6gの復帰が妨げられるという流量調整弁6の異常を起こすことがある。このような異常が発生すると、熱交換器3で冷却された約−70°C(=T4)の氷を含んだ低温冷媒R1が流量調整されずに低温タンク4にそのまま流れ込むため、低温タンク4内の冷媒温度T1が前述したように約23°Cより大きく低下して、プローバPの設定温度を30°Cに制御できなくなる。
また、氷を含んだ低温冷媒R1が流量調整弁6に運ばれて弁座6fと弁体6gの間を流れるとき、弁座6fと弁体6gが直接凍りつき、弁体6gが弁座6fに着座したまま、弁体6gの開閉ができないという流量調整弁6の異常を起こすことも考えられる。このような異常が発生すると、熱交換器3で冷却された冷媒が低温タンク4に供給されず、逆に、低温タンク4内の冷媒温度T1が約23°Cより大きく上昇して、プローバPの設定温度を30°Cに制御できなくなるおそれがある。
なお、フッ素系の冷媒に含まれる水分の影響を排除するため、フッ素系の冷媒に含まれる水分を水の状態で吸収するフィルタが存在するが、水を吸収するフィルタの場合、水を吸収したフィルタを水のない状態に再生することが困難であり、フィルタの交換が必要となるため、メンテナンスが容易でないという問題がある。
本発明の課題は、ガルデンやフロリナート等の表面張力の小さいフッ素系の冷媒を循環させて熱交換器で冷却する冷却システムにおいて、室温の冷媒を熱交換器によって0°C以下の低温にした場合、この冷媒から水が析出し氷になるが、この氷によって流量調整弁等の機器に異常が起きないようにした機構を備えた冷却システムを提供することにある。また、簡単な構成で流量調整弁等の機器への氷詰まりを防止でき、しかも、簡易にメンテナンスができる氷詰まり防止機構を提供することも本発明の課題としている。
本発明の課題を解決するための手段は、特許請求の範囲の請求項1(以下、「請求項1」などという)のように、冷媒タンクに貯留された表面張力の小さいフッ素系の冷媒を冷凍機の熱交換器で冷却し、該冷却した冷媒を流量調整弁等の機器を介して前記冷媒タンクに戻すようにした冷却システムにおいて、前記熱交換器の低温部中の冷媒流路、あるいは、前記熱交換器と前記流量調整弁等の機器とを接続する冷媒流路に、水は通過させるが熱交換器で発生した氷はトラップするフィルタを備えたフィルタ装置からなる氷詰まり機構を設けたものである。なお、フィルタ装置は、フィルタ単体あるいはフィルタを補強部材で挟持したフィルタ体であってもよい。
請求項1の構成によれば、冷媒タンク内の室温の冷媒を熱交換器で0°C以下の低温になるようにシステムを運転したとき、熱交換器内において冷媒から水が析出し氷になり、該氷は冷却された冷媒とともに流量調整弁等の機器に運ばれるようになるが、流量調整弁等の機器の手前に水は通過させるが熱交換器で発生した氷はトラップするフィルタを備えたフィルタ装置からなる氷詰まり防止機構を設けたので、低温冷媒とともに運ばれてきた氷は、このフィルタ装置でトラップされる。そして、氷が除去された後の乾燥した冷媒がフィルタを通過して流量調整弁等の機器に供給されるようになる。そのため、流量調整弁等の機器に氷詰まりが生じることがない。なお、ガルデンやフロリナート等のフッ素系の冷媒は、表面張力が小さいので、このフィルタを通過することができる。
フィルタでトラップした氷は、冷凍機を止め、冷媒の温度を約20°C付近まで上げて循環させることによって、溶かして水にし、フィルタを通してフィルタ装置の外、例えば冷媒タンクに回収する。このようにフィルタでトラップした氷を水にして外部に回収するだけでフィルタの再生ができ、フィルタを交換する必要がないので、フィルタ装置のメンテナンスを簡単に行うことができる。
また、前記課題を解決するため、請求項2のように、前記請求項1の冷却システムにおいて、前記冷媒タンクに接続され、該冷媒タンク内に水分含有量が露点温度−40°C以下の乾燥空気を供給するエアブロータンクからなる氷詰まり防止機構を設けた構成とするとよい。
前記請求項1のようにフィルタ装置からなる氷詰まり防止機構を設けた冷却システムでは、フィルタ装置で氷を除去された水分含有量の少なくなった冷媒が冷媒タンクに戻り、冷媒タンク内の室温の湿った空気と接触して再度水分を吸収することがあるが、この請求項2の構成によれば、冷媒タンク内は、エアブロータンクからなる氷詰まり防止機構によって、水分含有量を露点温度−40°C以下まで下げた乾燥空気で満たされるので、冷媒が空気から水を吸収しにくくなり、室温状態にある冷媒を熱交換器で0°C以下の低温に冷却しても、熱交換器で析出して氷になる水の量はごくわずかである。したがって、フィルタ装置でトラップされる氷の量を少なくすることができるので、フィルタ装置を再生する間隔を長くすることができ、フィルタ装置のメンテナンスをより簡易に行うことができる。
また、前記課題を解決するため、請求項3のように、前記請求項1または2の冷却システムにおいて、フィルタをメッシュサイズが60〜100メッシュの金網から形成するとよい。
ここで、フィルタのメッシュサイズを60〜100メッシュとしたのは、低温冷媒とともに運ばれてきた氷を確実にトラップするとともに、フィルタに蓄積した氷を溶かして水にしたとき、溶けた水が重力のみでフィルタを通過しやすくするためである。これによってフィルタの再生をより容易に行うことができる。フィルタのメッシュサイズが60メッシュより小さいと、流量調整弁等の機器に氷詰まりを起こす氷が通過してしまうため好ましくない。また、フィルタのメッシュサイズが100メッシュ以上であると、水の表面張力の影響で水が重力のみでフィルタを通りにくくなるので好ましくない。
また、前記課題を解決するため、請求項4のように、前記請求項1〜3のいずれかの冷却システムにおいて、フィルタ装置を冷凍機の外側であって、かつ、流量調整弁等の機器の直前の冷媒流路に設けるのが好ましい。
このようにフィルタ装置を冷凍機の外側であって、かつ、流量調整弁等の機器の直前の冷媒流路に設けることにより、フィルタ装置を上方に立ち上がる冷媒流路中に配置することができ、構造の簡単な縦置型のフィルタ装置を採用することができる。ここで、縦置型のフィルタ装置とは、冷媒をフィルタの上方からフィルタの下方に流す形式のものをいう。このような縦置型のフィルタ装置を採用できるので、溶かされた水は重力と室温の循環冷媒によってフィルタを通過してフィルタ装置の外部に回収できるようになり、水を回収するための特別な手段を必要としない。したがって、フィルタの再生をより容易に行うことができる。また、フィルタ装置を流量調整弁の直前に設けたので、冷媒から析出した水は、冷媒流路を通る間にも冷媒に冷やされてほぼ全て氷になる。この氷は全てフィルタ装置でトラップされ、フィルタ装置を出た冷媒は、水分や氷を含まないからからの乾燥した冷媒として、流量調整弁や冷媒タンクに送ることができる。
さらに、前記課題を解決するため、請求項5のように、前記請求項1〜4のいずれかの冷却システムにおいて、フィルタ装置を、60〜100メッシュの金網から形成されたフィルタと該フィルタの両側を挟持する16メッシュ程度の金網から形成された一対の補強部材とからなるフィルタ体と、前記フィルタ体を収納する前記冷媒流路より断面積の大きい室を有するケーシングとから構成し、該ケーシング内を前記フィルタ体によって上部室と下部室に分離するように構成するとよい。
請求項5のように構成されたフィルタ装置は、冷媒が上部室からフィルタを通って下部室に流れる縦置型のフィルタ装置を構成しており、溶かされた水は重力と室温の循環冷媒によってフィルタを通過してフィルタ装置の外部に回収できるようになり、水を回収するための特別な手段を必要としない。したがって、フィルタの再生をより容易に行うことができ、メンテナンスもより簡易に行える。また、フィルタの流路断面積を冷媒流路の断面積より大きくとることができるので、フィルタで氷をトラップしてもフィルタを通る冷媒の流れを損なうことがなく、冷媒をスムーズに流量調整弁等の機器に供給することができる。また、フィルタの流路断面積を小さくした場合(メッシュを細かくした場合)、60〜100メッシュの金網だけでは強度不足になるが、フィルタの両側を16メッシュ程度の金網から形成された補強部材で補強しているので、フィルタの強度不足を補うことができ、冷媒や氷によってフィルタが損傷することがない。
また、前記請求項2〜5のいずれかの冷却システムにおいて、請求項6のように、前記水分含有量を露点温度−40°C以下にした乾燥空気を減圧手段によって弱い正圧に減圧してエアブロータンクに供給するとともに、前記エアブロータンクに大気に開放する流路を設けるようにするとよい。
この場合、冷媒タンク内は常に弱い正圧に保たれるので、冷媒タンクに外部から湿った空気が侵入することがない。また、冷媒タンクの液面が下がったときも、冷媒タンクにはエアブロータンクから正圧の乾燥空気が供給され、外部の湿った空気を吸い込むことがない。したがって、冷媒タンクの液面が下がるような場合であっても、常に冷媒タンク内は乾燥空気で満たされており、室温状態にある冷媒を熱交換器で例えば0°C以下の低温に冷却しても、冷媒は水分をほとんど吸収しないから熱交換器で析出して氷になる水の量はごくわずかであり、流量調整弁等の機器に氷が付着して作動が不良になるというようなことはない。
また、冷媒タンクの液面が上昇したときには、冷媒タンク内の圧力が上昇するが、その上昇した圧力はエアブロータンクに形成した大気に開放する流路を通して外部に逃がすことができる。また、冷媒タンクの液面が上昇したとき、液の逆流が起きる場合もあるが、この場合にも、逆流した液はエアブロータンクに形成した大気に開放する流路を通して外部に逃がすことができる。したがって、冷媒タンクの液面が変動しても、常に冷媒タンク内の圧力を一定に維持できるので、冷却システムを安定して運転することができる。
本発明によれば、冷媒タンクに貯留された水分を吸収しやすい冷媒を冷凍機に備えた熱交換器に供給して冷却し、該冷却した低温冷媒を流量調整弁等の機器を介して前記冷媒タンクに戻すようにした冷却システムにおいて、水は通過させるが熱交換器で発生した氷はトラップするフィルタを収納したフィルタ装置からなる氷詰まり防止機構を設けたり、あるいは、フィルタ装置からなる氷詰まり防止機構に加えて、冷媒タンク内の空気の水分含有量を露点温度−40°C以下まで下げるエアブロータンクから構成された氷詰まり防止機構を冷媒タンクに接続したりしたので、水分を吸収しやすい室温の冷媒を熱交換器によって0°C以下の低温にした場合でも、熱交換器で発生する氷によって流量調整弁等の機器に氷詰まりが起きることがない。また、前記フィルタ装置からなる氷詰まり防止機構は、氷をトラップするフィルタの再生が容易であり、フィルタ装置のメンテナンスを簡単に行うことができる。さらに、エアブロータンクから構成された氷詰まり防止機構を設けることによって、フィルタ装置に堆積する氷の量を少なくすることができるので、フィルタ装置を再生する間隔を長くすることができ、フィルタ装置のメンテナンスをより簡易に行うことができる。
以下、本発明の冷却システムの第1の実施の形態を図1,2に基づいて説明する。図1は、フィルタ装置からなる氷詰まり防止機構を備えた冷却システムのフロー図であり、図2は、フィルタ装置の概略図である。なお、図1中において、図5と同一の符号を付した部材は、特段の説明がない限り図5に示した部材と同一構成であり、同一構成については、前述した図5の説明を援用し、その詳細な説明は省略する。また、流量調整弁等の機器としての流量調整弁6は、前述した図6のとおりであるので、その詳細な説明は省略する。
図1において、Cはチラーユニットであり、チラーユニットの筺体1内には、熱交換器3を備えた冷凍機2と、冷却液としてガルデン、フロリナート等の表面張力の小さいフッ素系の冷媒Rを貯留する密閉あるいはほぼ密閉された断熱性の低温タンク4と、低温タンク4に取り付けられて、冷媒を循環させる循環ポンプ5と、低温タンク4に取り付けられて、熱交換器3で冷却された低温冷媒の流量を制御する流量調整弁6と、熱交換器3と流量調整弁6の間を接続する冷媒循環ホース14に設けられたフィルタ装置Fと、低温タンク4内の冷媒の温度を検出する温度センサー7と、冷媒を低温タンク4に補給する密閉あるいはほぼ密閉された常温タンク8と、常温タンク8の冷媒を低温タンク4に補給ホース9aを通して送る補給ポンプ9とを備えている。10は低温タンク4の上部に設けた大気開放チューブ,11は常温タンク8の上部に設けた大気開放チューブであり、12はオーバフロー管である。
循環ポンプ5の吸入口(図示せず)は、低温タンク4内に開口し、その吐出口5aは、冷媒循環ホース13(往き管)によって熱交換器入口3aに接続されるとともに、冷媒循環ホース13から分岐した冷却液供給ホース15(往き管)によって後述するプローバPに接続されている。流量調整弁6は、駆動部6bと、冷媒流路6eを開閉する弁体6gとを備えた前述した図6に示すとおりのものである。流量調整弁6の冷媒入口6cは、継手14aを介して、熱交換器出口3bに接続された冷媒循環ホース14(戻り管)に接続され、流量調整弁6の冷媒出口6dは、低温タンク4内に開口している。
プローバPは、X―Y―Zテーブル(図示せず)と、このテーブルに取り付けられ、テストするウエハーを把持するチャック17と、チャック17の温度を検出する温度センサー18と、チャック17を加熱するヒータ19と、冷却液によってチャック17を冷却する冷却部20とを備えている。冷却部20は、その冷却液入口(図示せず)がチャック接続ホース21(往き管)に接続され、その冷却液出口(図示せず)がチャック接続ホース22(戻り菅)に接続されている。さらに、チャック接続ホース21は、冷却液循環ポンプの吐出口4aに接続する冷却液供給ホース15(往き管)に継手23を介して接続され、チャック接続ホース22は、低温タンク4に連通する冷却液供給ホース16(戻り菅)に継手23を介して接続されている。チャック接続ホース21,22は、プローバPのテーブルの移動に追随できるようにテフロン(登録商標)樹脂等の可撓性の材料から形成されている。
熱交換器3の出口3bと流量調整弁6とを接続する冷媒循環ホース14の配管中に設けられたフィルタ装置Fは、低温タンク4内の室温の冷媒Rを熱交換器3によって0°C以下の低温にしたとき熱交換器3で発生する氷が流量調整弁6に入るのを防止するためのものであり、流量調整弁6への氷詰まり防止機構として機能している。フィルタ装置Fは、水は通過させるが熱交換器3で発生した氷はトラップするフィルタ27aを備えている。なお、フィルタ装置Fは、流量調整弁6の手前であれば、熱交換器の出口3bと流量調整弁6とを接続する冷媒循環ホース14中のどこに設けてもよいし、また、熱交換器3の低温部の配管中に設けることもできる。好ましくは、図1に示すように、冷凍機2の外側で、かつ流量調整弁6の直前に設けるのがよい。
図2に金網から形成したフィルタ27aを備えた縦置型のフィルタ装置Fの具体例を示す。ここで、縦置型とは、冷媒をフィルタ27aの上方から下方に流す形式のものをいう。このフィルタ装置Fは、一端が開口したケーシング本体25と該開口を液密に閉蓋する蓋26とからなるケーシング24と、水は通過させるが熱交換器3で発生した氷はトラップするフィルタ27aとから構成されている。ケーシング24の内径は、冷媒循環ホース14や後述する可撓ホース28の内径よりはるかに大きい、例えば3倍程度の大きさとされている。なお、フィルタ装置Fは、冷媒循環ホース14と一体に断熱材(図示せず)で覆うようにするのがよい。
ケーシング本体25は、図2において下端が開口端として開放された略円筒状の容器として構成されている。このケーシング本体25の上壁(図2において)25aには、ケーシング本体25内に連通する可撓ホース28が液密に取り付けられている。このホース28は、熱交換器の出口3bに接続された冷媒循環ホース14に管継手28aを介して接続される。また、このケーシング本体25の開口端の内周側には、その全周にわたって凹陥部を設け、この凹陥部によってケーシング本体側壁25bの外周側が突出した断面逆L字状の段部25cが形成されている。この段部25cには、後述する蓋26の突出部26cが係合する。
蓋26は、ケーシング本体25の側壁25aと同じ厚さの縁部26bを有する容器状に形成されている。蓋26の底壁(図において)26aには、継手29が液密に取り付けられている。この継手29は、流量調整弁6の入口に接続された冷媒循環ホース14に接続される。蓋26の縁部26bには、ケーシング本体25の段部25cに係合する突出部26cがその全周にわたって一体に形成されている。蓋の突出部26bの高さは、後述するフィルタ体27をケーシング本体25の段部25bと蓋26の突出部26bとで挟持したとき、蓋の縁部26bがケーシング本体25の開口端に当接して、ケーシング本体25を液密に閉蓋できる大きさとされている。
フィルタ27aは、線径が0.05〜0.2mmで、メッシュサイズが60〜100メッシュの金網から形成されている。フィルタ27aは、ケーシング本体25の段部25bの外径とほほ等しい円板状に形成されている。フィルタ27aを形成する金網のメッシュサイズを60〜100メッシュとしたのは、熱交換器3で冷却された冷媒とともに運ばれてきた氷をトラップするとともに、フィルタ27aでトラップした氷を溶かして水にしたとき、溶けた水が重力のみでフィルタ27aを通過しやすくするためである。フィルタのメッシュサイズが60メッシュより小さいと、流量調整弁6に氷詰まりを起こす微小な氷が通過してしまうため好ましくない。また、フィルタ27aのメッシュサイズが100メッシュ以上であると、水の表面張力の影響で水が重力のみでフィルタ27aを通りにくくなるので好ましくない。好ましくは、80メッシュ程度の金網からフィルタ27aを形成するとよい。なお、ガルデンやフロリナート等のフッ素系の冷媒は、表面張力が小さいので、このフィルタ27aを通過することができる。
フィルタ27aを60〜100メッシュの金網から形成すると強度不足となるため、フィルタ27aの両側は一対の補強部材27b,27bによって押さえられている。補強部材27b,27bは、線径が0.5mm程度、メッシュサイズが16メッシュ程度の金網から形成され、フィルタ27aとほぼ同じ大きさの円板状とされている。フィルタ27aと一対の補強部材27b,27bによってフィルタ体27を構成している。このフィルタ体27は、ケーシング本体25の段部25cと蓋26の突出部26cとで挟持することによってケーシング24に固定され、冷媒が流れるとともにフィルタ27aでトラップされた氷が溜まる上部室24aと、氷が除去された後の冷媒が流れる下部室24bとに分離している。上部室24aは下部室24bより大きな空間とされている。
このように構成された冷却システムでは、図5に示した冷却システムと同様に、運転される。チャック17の設定温度が例えば約40°C以上の場合は、ヒータ19のみによって、チャック17の温度制御が行われ、それ未満の場合は、ヒータ19と冷却部20とによってチャック17の温度制御が行われる。ヒータ19のみによって温度制御を行う場合には、プローバPに設けた温度センサー18でチャック17の温度を検出し、チャック17の温度が設定温度になるようにヒータ19を制御する。
ヒータ19と冷却部20とでチャック17の温度制御を行う場合には、冷凍機2と循環ポンプ5を運転する。循環ポンプ5によって吸引された低温タンク4内の冷媒Rは、冷媒循環ホース13を介して冷凍機2に設けた熱交換器3に供給されると同時に、冷却液供給ホース15及びチャック接続ホース21を介してプローバPに設けたチャック17の冷却部20に供給される。熱交換器3に供給された冷媒は、熱交換器3で冷却された後、冷媒循環ホース14、可撓ホース28、フィルタ装置F、冷媒循環ホース14、流量調整弁6を通って低温タンク4内に戻される。他方、チャック17の冷却部20に冷却液として供給された冷媒は、チャック17を冷却した後、チャック接続ホース22及び冷却液供給ホース16を介して低温タンク4内に戻される。
この時、流量調整弁6は、前述したように、例えば5秒おきに出される開指令に基づいて開閉されるようにされており、この開指令によって、駆動部6bは、復帰スプリング6iの付勢に抗して弁体6gが弁座6fから離れて所定時間冷媒流路6eを開くように弁体6gを駆動し、所定時間が経過すると、弁体6gは、復帰スプリング6iの付勢力によって復帰して冷媒流路6eを閉じるようになる。流量調整弁6は、図6に示す正常状態では、このような開閉を繰り返し、低温タンク4内の冷媒Rの温度がチャック17の設定温度に対応した温度になるように、熱交換器3で冷却された冷媒を低温タンク4に供給する。弁体6gが開かれている時間、すなわち、開を維持する時間は、チャック17の設定温度に対応しており、チャックの設定温度が高いほどその時間は短くなる。低温タンク4内の冷媒Rの温度は、温度センサー7によって監視されている。
ところで、図1に示すようにプローバPの設定温度T0を例えば30°Cに設定し、低温タンク4内の冷媒の温度T1を約23°Cの室温状態に維持するように冷却システムを運転した場合、低温タンク4や常温タンク8内の湿った空気から水分を吸収した冷媒が、熱交換機3で−75°C(=T3)に冷却されると、冷媒内の水が析出して氷が発生する。この氷は冷却された冷媒とともに冷媒供給ホース14を流れて流量調整弁6に運ばれ、前述したように流量調整弁6の弁座6fと弁体6gとの間に氷詰まり等が生じ、弁体が正常に開閉しないことが起きることがあるが、この実施の形態によれば、流量調整弁6の手前の冷媒循環ホース14に、水は通過させるが熱交換器3で発生した氷はトラップする60〜100メッシュの金網から形成されたフィルタ27aを収納したフィルタ装置Fを設けたので、この運ばれてきた氷は流量調整弁6の手前でフィルタ装置Fによってトラップされる。これによって、流量調整弁6には、図6に示すように、フィルタ装置Fで氷が除去された後の水分含有率の小さい乾燥した約−70°Cの低温冷媒R1が通るので、氷によって流量調整弁6が異常を起こすことはない。
したがって、室温の冷媒を0°C以下の低温になるように冷却システムを運転しても、流量調整弁6は、常に、図6に示すような正常な動作を行い、低温タンク4内の冷媒Rが異常に低温になることがなく、プローバの設定温度を常に一定に維持することができる。特に、フィンを備えていない二重管から熱交換器3を構成した場合、熱交換器3から運ばれる氷の量が多いので、このフィルタ装置Fを設ける効果は著しい。
また、フィルタ27aでトラップした氷は、適宜、冷凍機2を止め、冷却システム内にある冷媒をヒータ、例えば、プローバPのヒータ19等で約20°C付近まで上げて循環させることによって、溶かして水にし、フィルタ27aを通してフィルタ装置Fの外部、例えば、冷媒タンク4に回収する。したがって、フィルタ27aの再生が可能であり、フィルタ27aの交換を必要としないため、フィルタ装置Fのメンテナンスを容易に行うことができる。なお、冷媒タンク4に回収した水は、冷媒とは分離して冷媒の上に溜まるので、冷媒を循環させても冷媒と一緒に水が循環することはない。この溜まった水の量が多くなったときには、適宜冷媒タンク4から排出される。
特に、この実施の形態では、フィルタ装置Fを冷凍機2の外側で、かつ、流量調整弁6の直前に配置したので、フィルタ装置Fを上方に立ち上がる冷媒循環ホース14中に配置することができ、フィルタ装置Fを、図2に示すような簡単な構造の縦置型とすることができる。また、フィルタ装置Fの一端に可撓ホース28が接続されているので、フィルタ装置Fの配置が容易であり、図1に示すように、配管の曲がり部に近い位置であってもフィルタ装置Fを容易に配置することができる。また、縦置型のフィルタ装置Fでは、溶かされた水は重力と室温の循環冷媒によってフィルタ27aを通過してケーシング24の下部室24bに落下するので、水をフィルタ装置Fの外部に回収するための特別な手段を必要としない。したがって、フィルタ27aの再生をより容易に行うことができる。
さらに、図2に示したフィルタ装置Fでは、フィルタ27aの流路断面積は、冷媒循環ホース14や可撓ホース28の断面積より大きいので、フィルタ27aで氷をトラップしてもフィルタ27aを通る冷媒の流れを損なうことがない。また、フィルタ27aの流路断面積を小さくした場合(メッシュを細かくした場合)、60〜100メッシュの金網だけでは強度不足になるが、フィルタ27aの両側を16メッシュ程度の金網から形成された補強部材27bで補強しているので、フィルタ27aの強度不足を補うことができ、フィルタ27aが冷媒や氷などによって損傷することがない。
なお、この実施の形態では、フィルタ27aを金網から構成したものを示したが、フィルタ27aは金網に限らない。水を通過させるが熱交換器3で発生した氷をトラップできるものであれば、例えば、板に多数の孔を穿設した多孔板や板に多数のスリットを形成したスリット板あるいは細線を屈曲させて形成した線条体やグラスウールの繊維体等から構成してもよい。この場合においても、フィルタの強度不足が心配される場合には、適宜、補強部材で補強してフィルタ体を形成するとよい。また、ケーシングも円筒状に限らず適宜の形状、大きさのものが採用できるし、ケーシングへのフィルタの取り付けも、ケーシング24の段部25cと、蓋26の突出部26cとの挟持によるものに限らず、適宜の手段で取り付けることができる。また、冷媒循環ホース14にケーシングに相当するものを直接形成し、この中にフィルタ単体や補強部材からなるフィルタ体を収納するようにしてもよい。さらに、フィルタ装置は、ケーシングを設けずに、フィルタ単体やフィルタ体を冷媒流路中に挿入するものであってもよい。
次に、本発明の冷却システムの第2の実施の形態を図3,4に基づいて説明する。図3は、フィルタ装置からなる氷詰まり防止機構と、エアブロータンクからなる氷詰まり防止機構とを備えた冷却システムのフロー図であり、図4は、エアブロータンクの概略図である。なお、図3において、図1や図5と同一の符号を付した部材は、特段の説明がない限り図1や図5に示した部材と同一構成であり、同一構成については、前述した図1や図5の説明を援用して、その詳細な説明は省略する。また、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と異なるところは、低温タンク4及び常温タンク8にエアブロータンクTを接続した点にあるので、以下、この異なる点を中心に説明する。
図3において、Fは、前述した図1と同じフィルタ装置である。第1の実施の形態で説明したように、室温の冷媒を0°C以下の低温にした場合、熱交換器3で氷が発生する。この氷は、第1の実施の形態のように、フィルタ装置Fによってトラップされる。しかしながら、低温タンク4や常温タンク8には、これらタンク4,8内の液面の変動を吸収するためそれぞれ大気開放チューブ10,11設けられており、これらタンク4,8の液面が下降したとき、外部から湿った空気を吸い込むことがある。この湿った空気が低温タンク4や常温タンク8にあると、フィルタ装置Fを通った水分含有率が低い冷媒が低温タンク4の中で一旦室温に戻ったとき、低温タンク4内のこの湿った空気と接触して、空気から水分を吸収し、再び熱交換器3で冷却されるとき氷を発生するようになる。この氷はフィルタ装置Fでトラップされるため、流量調整弁6に異常が発生することはないが、フィルタ装置Fには、トラップした氷が堆積していくため、フィルタ27aを再生する間隔が短くなるということが考えられる。
第2の実施の形態のエアブロータンクTからなる氷詰まり防止機構は、これに対処するため、水分含有率が低い冷媒が低温タンク4の中で一旦室温に戻り、低温タンク4内の室温の空気と接触するような場合にも、この室温に戻った冷媒Rが接触した室温の空気から水分を吸収しにくいようにしたものであり、具体的には、低温タンク4及び常温タンク8に接続したエアブロータンクTによって、冷媒Rが接する低温タンク4及び常温タンク8内の空気の水分含有率を露点温度−40°C以下まで下げるようにしたものである。
低温タンク4や常温タンク8に乾燥空気を供給するエアブロータンクTは、図4に示すように、密閉あるいはほぼ密閉した円筒状のタンク本体30として構成されており、タンク本体30は、天板30aと、底板30bと、周壁30cとを有している。また、エアブロータンクT内は、後述するように、弱い正圧に維持されているので、周壁30cは、天板30aや底板30bより薄肉に形成することができる。このように構成されたタンク本体30は、図示しないが、チラーユニットC内に取り付けるのが好ましい。
このエアブロータンクTには、低温タンク4や常温タンク8にエアブロータンクT内の乾燥空気を供給するための流路を構成する一対のエア供給ホース31,32と、エアブロータンクTの内部空間を大気に開放する流路を構成するドレンホース33が取り付けられている。一対のエア供給ホース31,32は、図4に示すように、周壁30cの一側に上下に取り付け、ドレンホース33は、周壁30cの他側、すなわちエア供給ホース31,32の反対側の下方に、エア供給ホース32と同じ高さに取り付けるとよい。なお、35は底板30bに設けた取り付けボルト用のネジ穴である。
上方のエア供給ホース31は、接続ホース36を介して低温タンク4に設けた大気開放チューブ10に接続され、下方のエア供給ホース32は、接続ホース37を介して常温タンク8に設けた大気開放チューブ11に接続されている。また、ドレンホース33は、接続ホース38を介して、低温タンク4や常温タンク8の下方に配置された大気に開放する水受け39に接続されている。
さらに、エアブロータンクTには、エアブロータンクTの内部空間に連通する減圧手段としてのスピードコントローラ34が接続されている。このスピードコントローラ34は、乾燥空気発生手段、例えば、チラーユニットCに既設のエアドライヤ(図示せず)からの乾燥空気を、弱い正圧までに減圧して、エアブロータンクT内に供給するものであり、図4に示すように天板30aに直接取り付けるのが好ましい。エアブロータンクTに供給される乾燥空気は、低温タンク4や常温タンク8内の空気の水分含有率を露点温度−40°C以下まで下げるようなものである。なお、エアブロータンクT内は、常に弱い正圧に保たれているので、ドレンホース33から外部の湿った空気がエアブロータンクT内に侵入することはない。
このように構成されたエアブロータンクT内の水分含有率が露点温度−40°C以下の乾燥空気は、エア供給ホース31、接続ホース36、大気開放チューブ10を介して低温タンク4内に供給され、また、エア供給ホース32、接続ホース37、大気開放チューブ11を介して常温タンク8に供給される。これによって、低温タンク4や常温タンク8内は水分含有率が露点温度−40°C以下の弱い正圧の乾燥空気で満たされる。
また、冷却システムの運転中、低温タンク4や常温タンク8の液面4a,8aが上昇したり、下降したりして低温タンク4や常温タンク8内の圧力が変動することがある。液面が下降したときは、低温タンク4や常温タンク8が空気を吸い込むようになるが、エアブロータンクT内は常に弱い正圧に保たれているので、この場合にも、低温タンク4や常温タンク8には、エアブロータンクTからの乾燥空気が供給され、低温タンク4や常温タンク8が外部の湿った空気を吸い込むようなことはない。
逆に、低温タンク4や常温タンク8の液面4a,8aが上昇したときは、低温タンク4や常温タンク8内の圧力が上昇するが、エアブロータンクTは、ドレンホース33によって常に大気に開放されており、低温タンク4内の上昇した圧力は、大気開放チューブ10、接続ホース36、エア供給ホース31、タンク本体30、ドレンホース33、接続ホース38を介して外部に逃がし、他方、常温タンク8内の上昇した圧力は、大気開放チューブ11、接続ホース37、エア供給ホース32、タンク本体30、ドレンホース33、接続ホース38を介して外部に逃がすことができる。したがって、エアブロータンクTのエア供給ホース31,32が直接低温タンク4や常温タンク8の大気開放チューブ10,11に接続されていても、低温タンク4や常温タンク8内の圧力が異常に上昇することはない。また、低温タンク4や常温タンク8の液面が上昇したとき、低温タンク4や常温タンク8内の液が逆流することもあるが、この場合も、逆流した液は、同様に、ドレンホース33、接続ホース38を介して外部に逃がし、水受け39に送ることができる。
この第2の実施の形態によれば、低温タンク4や常温タンク8に水分含有率が露点温度−40°C以下の弱い正圧の乾燥空気を供給するエアブロータンクTを接続したので、低温タンク4や常温タンク8内は水分含有率が露点温度−40°C以下の乾燥空気で満たされることになる。このため、フィルタ装置Fを通った水分含有率が低い冷媒が低温タンク4の中で一旦室温に戻り、低温タンク4内の空気と接触しても、低温タンク4内の空気は水分をほとんど含んでいないから、この冷媒が低温タンク4内の空気から吸収する水分はきわめて微量であり、室温にあるこの冷媒を熱交換器3で0°C以下の低温に冷却しても、熱交換器3で氷が発生することはほとんどない。したがって、フィルタ装置Fに氷が蓄積することがないので、フィルタ27aを再生する間隔を長くすることができ、フィルタ装置のメンテナンスが簡易になる。また、エアブロータンクTは、低温タンク4や常温タンク8の液面4a,8aの上昇、下降に伴う圧力の変動を吸収することができるので、冷却システムを安定して運転することができる。また、乾燥空気発生手段としてチラーユニットCに既設のエアドライヤを使用すれば、別途、乾燥空気を発生させる装置を設ける必要がないので、部品点数の増加を抑えることができる。
なお、この第2の実施の形態におけるエアブロータンクTによる氷詰まり防止機構は、低温タンク4のみに接続するようにしてもよい。さらに、この実施の形態では、エアブロータンクTのエア供給ホース31、32をそれぞれ大気開放チューブ10、11に接続したが、大気開放チューブ10,11とは別に独立して低温タンク4や常温タンク8に接続するようにしてもよい。この場合、エアブロータンクTには、ドレンホース33を設けないようにすることもできる。また、エアブロータンクTは、円筒状に限らず、種々の形状・大きさとすることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず種々の設計変更が可能であり、それらはいずれも本発明に含まれる。例えば、本発明の冷却システムは、プローバに使用されるものに限らず、室温にある冷媒を熱交換器で0°C以下に冷却する必要があるものであればどのような用途のものであってもよい。また、流量調整弁を設けた冷却システムに限らず、熱交換器で発生する氷によって異常を引き起こす機器を設けたものに広く適用できる。
本発明の第1の実施の形態に係る冷却システムのフロー図。 本発明の第1の実施の形態に係るフィルタ装置の概略図。 本発明の第2の実施の形態に係る冷却システムのフロー図。 本発明の第2の実施の形態に係るエアブロータンクの概略図。 従来の冷却システムのフロー図。 流量調整弁の正常状態を示す概略図。 従来の冷却システムにおいて、流量調整弁の異常状態を示す概略図。
符号の説明
C チラーユニット
P プローバ
F フィルタ装置
T エアブロータンク
1 チラーユニット筺体
2 圧縮機
3 熱交換器
4 低温タンク(冷媒タンク)
5 循環ポンプ
6 流量調整弁
7 温度センサー
8 常温タンク
10,11 大気開放チューブ
13,14 冷媒循環ホース
15、16 冷却液供給ホース
17 チャック
18 温度センサー
19 ヒータ
20 冷却部
21,22 チャック接続ホース
24 フィルタ装置のケーシング
25 ケーシング本体
26 ケーシングの蓋
27 フィルタ体
27a フィルタ
27b、27b 補強部材
30 エアブロータンクの本体
31,32 エア供給ホース
33 ドレンホース
34 スピードコントローラ
36,37,38 接続ホース

Claims (6)

  1. 冷媒タンクに貯留された表面張力の小さいフッ素系の冷媒を冷凍機の熱交換器で冷却し、該冷却した冷媒を流量調整弁等の機器を介して前記冷媒タンクに戻すようにした冷却システムにおいて、前記熱交換器の低温部中の冷媒流路、あるいは、前記熱交換器と前記流量調整等の機器とを接続する冷媒流路に、前記熱交換器で発生する氷はトラップするが水は通過させるフィルタを有するフィルタ装置からなる氷詰まり防止機構を設けたことを特徴とする冷却システム
  2. 前記冷媒タンク内に接続され、該冷媒タンク内に水分含有量が露点温度−40°C以下の乾燥空気を供給するエアブロータンクからなる氷詰まり防止機構を設けた請求項1に記載の冷却システム。
  3. 前記フィルタを60〜100メッシュの金網から形成した請求項1または2に記載の冷却システム。
  4. 前記フィルタ装置を、前記冷凍機の外側で、かつ、前記流量調整弁等の機器の直前の冷媒流路中に設けた請求項1〜3のいずれかに記載の冷却システム
  5. 前記フィルタ装置は、60〜100メッシュの金網から形成されたフィルタと該フィルタの両側を挟持する16メッシュ程度の金網から形成された一対の補強部材とからなるフィルタ体と、前記フィルタ体を収納する前記冷媒流路より断面積の大きい室を有するケーシングとから構成され、前記フィルタ体がケーシング内を上部室と下部室に分離している請求項1〜4のいずれかに記載の冷却システム。
  6. 前記エアブロータンクに減圧手段によって弱い正圧に減圧した前記乾燥空気を供給するとともに、前記エアブロータンクに大気に開放する流路を設けた請求項2〜5に記載の冷却システム。
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