JP2006283840A - ガス供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は被充填タンクの容積を求める際の圧力測定の時間短縮を課題とする。
【解決手段】 ディスペンサユニット16のガス供給経路18には、質量流量計20と、ガス供給開閉弁22と、制御弁24と、圧力伝送器26とが配設されている。制御回路40は、ガス供給経路18の下流端部が燃料タンク14側に連結された状態で、ガス供給を開始する前に三方弁30を閉とした状態でガス供給開閉弁22及び制御弁24を開としてガス供給経路18に所定圧力のガスを供給する。さらに、制御回路40は、ガス供給経路18に所定圧力のガスを供給した状態でガス供給開閉弁22を閉としてから三方弁30を開としてガス供給経路18のガスを燃料タンク14に供給し、このとき圧力伝送器26により測定された圧力値を記憶する。そして、制御回路40は、記憶された圧力値に基づく制御則により燃料タンク14にガスを供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明はガス供給装置に係り、特にガスを供給開始する前段階として被充填タンクにガスを供給して被充填タンクに残留しているガス量を推定してガス供給を制御するよう構成されたガス供給装置に関する。
天然ガスを圧縮した圧縮天然ガス(CNG)を燃料にして走行する自動車(CNG車)の開発と共に圧縮天然ガスを自動車の燃料タンク(被充填タンク)に供給するガス供給装置の実用化が進められている。この種のガス供給装置では、圧縮されたガスをガス蓄圧器に貯蔵しておき、ガス充填ホースの下流端部に設けられたガス充填カップリングをCNG車の接続カップリングに接続し、ガス充填ホースの先端部に連通された三方弁を切り替え操作することによりガス蓄圧器に貯蔵されたガスをCNG車の燃料タンクに充填するように構成されている。
また、従来のガス供給装置では、ガス充填ホースのガス充填カップリングを被充填タンクの供給口に接続させた後、三方弁を切り替え操作して管路及びガス充填ホース内に残留するガスがCNG車の燃料タンクに供給される際の圧力変化を検出し、検出された圧力変化から燃料タンクの残量を演算し、燃料タンクの残留圧力に応じた供給圧力に制御しながら効率良くガス充填を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−103595号公報
上記従来のガス供給装置では、燃料タンクの供給口にガスの逆流を防止する逆止弁が設けられているので、燃料タンクにガス供給する前に燃料タンクに残留しているガスの圧力を測定するために、ガス充填ホースのガス充填カップリングを燃料タンクの供給口に接続させても逆止弁の閉弁方向の付勢力よりも大きな圧力でないとガスを燃料タンクに供給することができない。そのため、従来は、ガス充填ホースのガス充填カップリングを燃料タンクの供給口に接続させた後、微小流量のガスを燃料タンクに供給して燃料タンク内の圧力を測定する方法が採られている。
しかしながら、従来のガス供給装置では、微小流量でガスを燃料タンクに供給して被充填タンク内の圧力を測定する際、ガス供給経路の圧力が燃料タンクの逆止弁を開弁させる圧力まで昇圧させるのに時間がかかり、ひいては、燃料タンクの圧力を測定するのに要する時間が延長されるという問題があった。
そこで、本発明は上記課題を解決したガス供給装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
本発明は、該ガス供給経路に設けられた制御弁と、該制御弁により制御されたガス供給圧力を測定する圧力測定手段と、該圧力測定手段の上流に設けられ前記ガス供給経路を開または閉とする第1の弁と、前記圧力測定手段の下流に設けられ前記ガス供給経路を開または閉とする第2の弁と、前記制御弁及び前記第1の弁及び前記第2の弁を制御する制御手段と、を有するガス供給装置であって、
前記制御手段は、ガス供給を開始する前に前記第2の弁を閉とした状態で前記第1の弁を開として前記ガス供給経路に所定圧力のガスを供給し、その後、前記第1の弁を閉とし、次に前記ガス供給経路の下流端部が前記被充填タンクに連結された状態で前記第2の弁を開として前記ガス供給経路のガスを前記被充填タンクに供給し、この状態で前記ガス供給経路の圧力を前記圧力測定手段により測定し、該測定結果に基づき前記被充填タンクにガスを供給するように制御することを特徴とする。
本発明によれば、前記制御弁による詳細な制御を行うことなく、第1の弁と第2の弁を数回開閉するだけで、充填タンクに残留している圧力の測定ができるので、従来のものよりも被充填タンクに残留している圧力の測定に要する時間を短縮することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明になるガス供給装置の一実施例を示す系統図である。図1に示されるように、ガス供給装置10は、例えば自動車12の燃料タンク(被充填タンク)14に都市ガスを所定圧力に圧縮した圧縮天然ガス(CNG)を供給するガス供給ステーションなどに設置されている。
ガス供給装置10は、大略、都市ガスを所定圧力に圧縮し加圧されたガスを生成する圧力発生ユニット(図示せず)と、圧力発生ユニットにより圧縮されたガスを燃料タンク14に供給するためのディスペンサユニット16とを有する。
また、ディスペンサユニット16のガス供給経路18には、上流側から順に、ガス供給経路18を流れるガスの供給量を計測する質量流量計20と、電磁弁よりなりガス供給経路18を開又は閉とするガス供給開閉弁(第1の弁)22と、下流側(被充填側)へ供給されるガスを制御する制御弁24と、制御弁24により制御された2次圧力を測定する圧力伝送器(圧力トランスミッタ)26とが配設されている。
さらに、ガス供給経路18の下流側端部には、ガス充填ホース28が連通されており、ガス充填ホース28の下流側端部には、電磁駆動式の三方弁(第2の弁)30が接続されている。三方弁30は、ガス充填ホース28が接続された流入ポートaと、脱圧管路32が接続された排気ポートbと、ガス充填カップリング34が接続された充填ポートcとを有する。この三方弁30は、ガス充填時に流入ポートaと充填ポートcとが連通された開弁状態に切替えられ、ガス充填完了後の脱圧操作を行う際に排気ポートbと充填ポートcとが連通するように切替えられてガス充填カップリング34内の圧力を減圧する。
また、圧力伝送器26は、ガス供給開閉弁22、制御弁24の下流に配置され、三方弁30を流入ポートaと充填ポートcとが連通された開弁状態に切替えることにより、燃料タンク14に連通されたガス供給経路18の圧力を測定することで、間接的に燃料タンク14の残留圧力を測定することができる。
さらに、ディスペンサユニット16には、制御回路40、充填開始スイッチ釦42、充填停止スイッチ釦44が配設されている。ディスペンサユニット16の制御回路40は、充填開始スイッチ釦42がオンに操作されると、ガス供給経路18に設けられたガス供給開閉弁22の開閉制御、三方弁30の切替制御を行なうと共に、質量流量計20により測定された流量、及び圧力伝送器26により測定された圧力値に基づいて制御弁24の弁開度制御を行なうことで、燃料タンク14に目標圧力のガスを充填する。
また、制御回路40は、質量流量計20及び圧力伝送器26から出力された流量及び圧力の検出信号により燃料タンク14に充填された流量及び圧力を演算する。
上記質量流量計20は、センサチューブと呼ばれる管路を振動させ、この振動する管路内を流れるガス流量に応じたコリオリ力による管路の流入側と流出側との位相差が流量に比例することを利用して流量計測を行うコリオリ式の質量流量計である。
また、制御弁21は、制御回路40からの指令により弁開度が制御されて燃料タンク3へ供給されるガス供給量(流量は圧力×時間により求まる)を制御する。
また、自動車12では、ディスペンサユニット16のガス充填カップリング34が連結される被充填側のレセプタクル50と、レセプタクル50と燃料タンク14とを連通する管路52と、管路52に配設され、燃料タンク14に充填されたガスの逆流を防止する逆止弁54とを有する。
制御回路40のメモリ(ROM)には、ガス供給経路18の下流端部が燃料タンク14側に連結された状態で、ガス供給を開始する前に三方弁30を閉とした状態でガス供給開閉弁22及び制御弁24を開としてガス供給経路18に所定圧力のガスを供給する制御プログラム(第1のガス供給手段)と、ガス供給経路18に所定圧力のガスを供給した状態でガス供給開閉弁22を閉としてから三方弁30を開としてガス供給経路18のガスを燃料タンク14に供給する制御プログラム(第2のガス供給手段)と、ガス供給経路18のガスを燃料タンク14に供給したとき圧力伝送器26により測定された圧力値を記憶する制御プログラム(記憶手段)と、記憶された圧力値に基づく制御則により燃料タンク14にガスを供給する制御プログラム(第3のガス供給手段)とが格納されている。そして、制御回路40は、後述するようにメモリに格納された各制御プログラムを読み込んでガス供給開閉弁22の開閉制御、三方弁30の切替制御を行なうと共に、質量流量計20により測定された流量、及び圧力伝送器26により測定された圧力値に基づいて制御弁24の弁開度制御を実行する。
次に上記構成になるガス供給装置10におけるガス充填作業について説明する。上記自動車12の燃料タンク14にガスを充填する際、作業者は、先ず、ディスペンサユニット15の掛止部(図示せず)からガス充填カップリング34を外して自動車12のレセプタクル50に結合させる。そして、作業者は、充填開始スイッチ釦42をオンに操作する。
これにより、制御回路40は、ガス供給開閉弁22及び制御弁24を開弁させて三方弁30より上流のガス供給経路18を最大供給圧力(目標圧力)に昇圧させる。次に、制御回路40は、ガス供給開閉弁22を閉弁させてから三方弁30を開弁状態に切替えてガス供給開閉弁22より下流のガス供給経路18に充填されたガスを燃料タンク14に供給する。尚、上記所定圧力は、燃料タンク14の上流に設けられた逆止弁54の閉弁力(弁体を付勢する力)より十分大きい圧力値に設定されている。
そして、制御回路40は、ガス供給開閉弁22より下流のガス供給経路18の圧力が燃料タンク14の圧力と均衡した状態になったとき、圧力伝送器26により測定された圧力値をメモリに記憶し、この圧力値に基づいて燃料タンク14の容積及び残留ガス量を演算し、この燃料タンク14の容積及び残留ガス量に応じた制御則(一定圧力制御あるいは一定流量制御)により制御弁24の弁開度を制御する。
燃料タンク14へのガス供給が行なわれて圧力伝送器26により測定された圧力値が目標圧力に達すると、ガス供給開閉弁22及び制御弁24を閉弁した後、三方弁30を脱圧状態に切替えてガス充填カップリング34の圧力を減圧する。これにより、作業者は、軽い力でガス充填カップリング34を自動車12のレセプタクル50から分離させることが可能になる。
その後、作業者は、ディスペンサユニット16のガス充填カップリング34を掛止部(図示せず)に掛止させる。そして、充填停止釦44がオンに操作されると、一連のガス充填作業が完了する。
ここで、上記構成になるガス供給装置10の制御回路40が実行するガス供給制御処理につき図2のフローチャート及び図3のグラフを参照して説明する。尚、図3はガス供給制御と共に変化する圧力値の変化パターンを示すグラフである。
制御回路40は、図2のS11において、ガス充填カップリング34が自動車12のレセプタクル50に結合されて充填開始スイッチ釦42がオンに操作されると、S12に進み、燃料タンク14に充填すべき最大供給圧力(目標圧力)Pをメモリから読み込む。続いて、S13に進み、三方弁30を脱圧状態(流入ポートaが閉止、排気ポートbと充填ポートcとが連通)に切替える。尚、前回のガス供給終了時には、三方弁30を脱圧状態に切替えているが、本実施例では、三方弁30より上流側のガス供給経路18を確実に密閉させるため、三方弁30の流入ポートaを閉止させる(図3中、経過時間T1)。
次のS14では、ガス供給開閉弁22及び制御弁24を開弁させる(第1のガス供給手段)。これにより、三方弁30より上流のガス供給経路18に圧力発生ユニットで生成された高圧ガスが供給される。そのため、三方弁30より上流のガス供給経路18を瞬時に最大供給圧力(目標圧力)に昇圧させることができる(図3中、経過時間T2)。このように、上記14、S15で三方弁30の流入ポートaを閉止した後、ガス供給開閉弁22及び制御弁24を開弁させることで、ガス供給経路18を短時間で最大供給圧力に昇圧させることができ、燃料タンク14に残留している圧力の測定に要する時間を短縮することができる。
続いて、S15に進み、圧力伝送器26により測定された圧力値を読み込み、測定された圧力値が最大供給圧力(目標圧力)Pに達したか否かをチェックする。このS15において、圧力伝送器26により測定された圧力値が最大供給圧力(目標圧力)Pに達したときは(図3中、経過時間T2)、S16に進み、ガス供給開閉弁22を閉弁させてガス供給経路18へのガス供給を停止させる(図3中、経過時間T3)。続いて、S17では、三方弁30を開弁状態(流入ポートaと充填ポートcとが連通、排気ポートbが閉止)に切替える(第2のガス供給手段)。これにより、ガス供給開閉弁22と三方弁30との間のガス供給経路18に充填されたガスがガス充填カップリング34、レセプタクル50を介して逆止弁54を開弁させ、燃料タンク14に供給される。
次のS18では、圧力伝送器26により測定された圧力値が最大供給圧力(目標圧力)Pより低下したか否かをチェックする。このS18において、圧力伝送器26により測定された圧力値が低下した場合、S19に進み、圧力伝送器26により測定された圧力値が所定時間一定値を維持するか否かをチェックする。このS19において、圧力伝送器26により測定された圧力値が低下している場合には、測定された圧力値が所定時間一定値を維持するまでS18,S19の処理を繰り返して待機状態となる。
そして、圧力伝送器26により測定された圧力値が所定時間一定値を維持した場合には(図3中、経過時間T4〜T5)、S20に進み、この一定圧力値を燃料タンク14に残留している充填前タンク圧力値Ptとして記憶する(記憶手段)。続いて、S21では、燃料タンク14の容積を上記充填前タンク圧力値Ptから演算する。尚、この燃料タンク14の容積を求める演算式としては、例えば、ガス供給開閉弁22と三方弁30との間のガス供給経路18の容積と、この容積に充填されたガス量(流量測定値)との関係式から求まり、既に周知であるので、その説明は省略する。
次のS22では、ガス供給開閉弁22を開弁して燃料タンク14に対するガス供給を開始すると共に、制御弁24の弁開度を燃料タンク14の容積に応じた制御則(定圧力上昇制御または定流量制御など)により制御する(第3のガス供給手段)。これにより、燃料タンク14へのガス供給が行なわれ、タンク圧力も徐々に上昇する(図3中、経過時間T5〜T6)。
次のS23では、圧力伝送器26により測定された圧力値が最大供給圧力(目標圧力)Pに達したか否かをチェックする。このS23において、圧力伝送器26により測定された圧力値が最大供給圧力(目標圧力)Pに達したときは(図3中、経過時間T6)、S24に進み、ガス供給開閉弁22、制御弁24を閉弁させてガス供給経路18へのガス供給を停止させる。そして、S25で三方弁30を脱圧状態(流入ポートaが閉止、排気ポートbと充填ポートcとが連通)に切替える。これにより、ガス充填カップリング34及びレセプタクル50の圧力が減圧されると共に、逆止弁54が圧力差により閉弁する。この後、ガス充填カップリング34をレセプタクル50から分離させてディスペンサユニット16の掛止部(図示せず)に掛止させる。これで、燃料タンク14に対するガス供給作業が終了する。
また、上記S18において、圧力伝送器26により測定された圧力値が低下しない場合には、ガス供給開閉弁22が閉弁できない等の異常が発生しているため、S26に進み、警報を発してS25に進み、三方弁30を脱圧状態(流入ポートaが閉止、排気ポートbと充填ポートcとが連通)に切替えてガス供給を中止する。
このように、燃料タンク14の充填前圧力を測定する際にガス供給経路18を短時間で所定圧力に昇圧させることができので、燃料タンク14に残留している圧力の測定に要する時間を短縮することができる。
図4は実施例2の構成を示す系統図である。図5は実施例2のガス充填装置を示す系統図である。尚、図4において、前述した図1と共通部分には同一符号を付してその説明を省略する。図4に示されるように、ガス供給装置200は、空圧駆動方式の高圧ガス充填用弁機構を有するガス充填カップリング202を用いてガス供給を行なうように構成されている。
図5に示されるように、ガス充填装置200では、例えば、燃料電池(図示せず)が搭載された車両12の燃料タンク(被充填タンク)14に高圧ガス(例えば、70MPaの水素等)を充填するガス充填カップリング202と、ガス充填カップリング202に高圧ガスを供給するディスペンサ204とから構成されている。さらに、ディスペンサ204には、圧縮空気を供給する空気経路80が接続されている。
ガス充填カップリング202は、上記実施例と同様に車両12の燃料タンク14に設けられたレセプタクル50に結合されて燃料タンク14に高圧ガスを充填する。
ガス充填カップリング202は、後述するように内部に主弁206と、閉止弁208と、残圧開放弁210とが設けられている。主弁206及び閉止弁208は、高圧ガス(燃料)を供給するガス供給経路58に連通されており、ガス供給経路58の先端はレセプタクル50を介して燃料タンク14に連通される。また、ガス供給経路58の基端は高圧ガスを生成するコンプレッサ及びガス貯蔵タンク(共に図示せず)に連通されている。
ここで、ディスペンサ204について説明する。空気経路80の下流には、圧力スイッチ90、電磁弁からなる四方切替弁(切替手段)212、ガス充填カップリング202の主弁シリンダ214が接続されている。主弁シリンダ214は、四方切替弁212を介して圧縮空気の供給により開弁動作して高圧ガスを充填するための弁駆動手段であり、四方切替弁212から供給される圧縮空気の切替に伴って開弁動作または閉弁動作する。
四方切替弁212は、2位置4ポート弁からなり、制御装置220により通電をオン・オフされるソレノイド212aと、空気経路80が連通された給気ポート212bと、大気開放とされた放気ポート212cと、開弁側ポート212dと、閉弁側ポート212eとを有する。
主弁シリンダ214の左室214aには、第1の管路216の一端が連通されており、右室214bには、第2の管路218の一端が連通されている。また、第1の管路216の他端は、上記開弁側ポート212dに連通されており、第2の管路218の他端は、上記閉弁側ポート212eに連通されている。
そして、四方切替弁212は、開弁時はソレノイド212aへの通電がオンになるため、スプール(図示せず)が下動する。そのため、空気経路80からの圧縮空気は、開弁側ポート212d、管路216を介して主弁シリンダ214の左室214aに供給されると共に、主弁シリンダ214の右室214bは、管路218、閉弁側ポート212eを介して放気ポート212cと連通される。
また、四方切替弁212は、閉弁時はソレノイド212aへの通電がオフになるため、図6に示されるように、コイルバネ212fのバネ力によりスプール(図示せず)が上動する。これにより、空気経路80からの圧縮空気は、管路218、閉弁側ポート212eを介して主弁シリンダ214の右室214bに供給されると共に、主弁シリンダ214の左室214aは、管路216、開弁側ポート212dを介して放気ポート212cと連通される。
制御装置220は、電源装置222から所定電圧の電流を供給されており、且つ圧力スイッチ90、ガス用開閉弁32、四方切替弁212と接続されている。さらに、制御装置220は、電源ランプ224、圧縮空気供給ランプ226、カップリング接続ランプ228、充填中ランプ230、充填停止スイッチ232、充填開始スイッチ234、カップリング着脱リミットスイッチ236と接続されている。
制御装置220は、充填開始スイッチ234がオンに操作されると、ガス用開閉弁32のソレノイド32aに通電して高圧ガスをガス充填カップリング202に供給させる。さらに、圧力スイッチ30から検出信号を確認して圧縮空気供給ランプ226を点灯させると共に、四方切替弁212のソレノイド212aに通電して四方切替弁212を開弁状態に切り替える。そして、充填中ランプ230を点灯させて高圧ガスが燃料タンク14に充填されていることを報知する。
また、制御装置220は、充填停止スイッチ232がオンに操作されると、四方切替弁212のソレノイド212aへの通電を停止して四方切替弁212を閉弁状態に切り替えると共に、ガス用開閉弁92のソレノイド92aへの通電も停止する。そして、制御装置220は、充填中ランプ230を消灯させ、圧力スイッチ90から検出信号が出力されない場合には、圧縮空気供給ランプ226を消灯させる。
また、制御装置220は、カップリング着脱リミットスイッチ236がガス充填カップリング202の接続状態を検出すると、カップリング接続ランプ228を点灯させ、ガス充填カップリング202が車両12のレセプタクル50に分離されると、カップリング接続ランプ228を消灯させる。
ここで、ガス充填カップリング202の構成について説明する。図6はガス充填カップリング202を示す縦断面図である。図7は主弁206及び残圧開放弁210の具体的な内部構造の一例を示す縦断面図である。図8はカップリング本体252の結合部の具体的な内部構造の一例を示す縦断面図である。尚、図6乃至図8において、黒塗りの楕円形状のものは、シール部材である。
図6乃至図8に示されるように、ガス充填カップリング202は、カップリング本体252と、カップリング本体252の一端より下方に突出するグリップ(図6では省略)と、カップリング本体252の他端に設けられた結合部256とから構成されている。
結合部256の外周には、ロック解除用の操作リング268が摺動可能に設けられている。そして、操作リング268の端部には、結合部256を保護する樹脂製の保護キャップ253が嵌合されており、保護キャップ253の突部253aには脱落防止用紐253bの一端が連結されている。また、脱落防止用紐253bの他端は、カップリング本体252の外周に係止されている。尚、保護キャップ253の内側には、脱落防止用のOリング253dが装着されている。
従って、ガス充填カップリング202の結合部256を燃料タンク14のレセプタクル50に結合する前に保護キャップ253を操作リング268の端部から分離させて結合部256を露出させる。
操作者は、ガス充填カップリング202のグリップ(図示せず)を把持して結合部256を車両のレセプタクル50に押圧操作することにより、操作リング268がロック位置に回動する。また、操作者は、一方の手でガス充填カップリング202のグリップを把持したまま、他方の手でガス充填カップリング202の操作リング268をロック解除位置に回動操作することで、ガス充填カップリング202をレセプタクル50から分離させられる。
図7に示されるように、カップリング本体252には、高圧ガス(例えば、70MPaの水素等)を供給するガス供給経路58が接続される接続部270と、圧縮空気を給排する管路216,218が接続される接続部272,274と、ガス充填終了後の残圧を外部に排出するための残圧回収経路261が接続される接続部276とが設けられている。さらに、カップリング本体252は、内部に主弁206が設けられ、前端には、結合部256及び閉止弁208を保持する保持部材278が設けられている。また、カップリング本体252の後端には、残圧開放弁210を保持すると共に、カップリング本体252の後部開口を塞ぐ蓋部材280が螺合されている。
また、主弁206は、カップリング本体252の内部に形成された主弁用弁座部材282の弁座282aに離着座する第1のポペット弁部284aを有する主弁用ロッド284と、軸線に沿うように軸方向に貫通する第1の貫通孔286aを有し、第1の貫通孔286aの一端側(Xa方向)に主弁用ロッド284が挿通されたピストン(弁駆動手段)286と、ピストン286を閉弁方向に押圧する付勢手段としてのコイルバネ288と、ピストン286が軸方向に摺動可能に収納された主弁シリンダ214とを有する。
主弁用ロッド284は、一端に円錐形状の第1のポペット弁部284aが設けられ、他端に抜け防止用の鍔部材284bが螺入されている。さらに、主弁用ロッド284及び鍔部材284bは、軸方向に貫通する小径な脱圧用通路(小径通路)284c,284dを有する。
また、主弁用ロッド284は、第1の貫通孔286aの一端側(Xa方向側)に螺入された第1のガイド部材290により摺動をガイドされ、且つ他端側(Xb方向側)がカップリング本体252の隔壁252aに設けられた挿通孔252bにガイドされており、コイルバネ292によりXa方向(ピストン28bに対して他側)に付勢されている。
また、隔壁252aの左側には、内周側の樹脂製で摺動性に優れたシールと外周側のOリングとで構成された本発明の環状シールとしてのシール部材202a1が設けられ、このシール部材202a1は、スペーサー252a2を介して主弁用弁座部材282により固定されている。
コイルバネ292は、一端が主弁用ロッド284に係止されたバネ受け294に当接し、他端がガイド部材290に当接している。そのため、主弁用ロッド284は、ピストン286がXa方向に摺動すると、ガイド部材290がコイルバネ292を圧縮し、コイルバネ292のバネ力によりXa方向に押圧される。
従って、主弁用ロッド284の第1のポペット弁部284aは、左室214aに圧縮空気が供給されてピストン286がXb方向に移動することにより主弁用弁座部材282の弁座282aから離間して開弁し、左室214aの圧縮空気を排気すると、コイルバネ292のバネ力により主弁用弁座部材282の弁座282aに押圧されて主弁206を閉弁させる。
主弁シリンダ214は、ピストン286によって左室214aと右室214bとに画成されており、左室214aには、接続部272を介して管路216が連通され、右室214bには、接続部274を介して管路218が連通されている。そのため、四方切替弁212(図5参照)の切替動作により左室214aに圧縮空気が供給されると、ピストン286及び主弁用ロッド284が開弁方向に駆動され、右室214bに圧縮空気が供給されると、ピストン286及び主弁用ロッド284が閉弁方向に駆動される。
また、ピストン286は、第1の貫通孔286aに対して半径方向にずれた偏心位置を軸方向に貫通する第2の貫通孔(連通孔)286bと、一端(Xa方向側)に突出して主弁シリンダ214よりも小径な第1の低圧室214cに摺動可能に嵌合される第1の小径部286cと、他端(Xb方向側)に突出して主弁シリンダ214よりも小径な第2の低圧室214dに摺動可能に嵌合される第2の小径部286dとを有する。
この第2の貫通孔286bは、第1の低圧室214cと第2の低圧室214dとを連通する通路であり、ピストン286の摺動動作に伴って第1の低圧室214c及び第2の低圧室214dの容積変化に応じて気体の流通を行って第1の低圧室214c及び第2の低圧室214dの圧力変化を抑制する。
残圧開放弁210は、カップリング本体252の後部に装着される蓋部材280を貫通する貫通孔280aに螺入された脱圧用弁座部材296と、主弁用ロッド284と同軸的に配され脱圧用弁座部材296の弁座296aに離着座する第2のポペット弁部298aを有する脱圧用ロッド298と、脱圧用ロッド298の摺動をガイドする第2のガイド部材300とを有する。
脱圧用弁座部材296は、弁座296aと残圧回収経路261が接続される接続部276との間を連通する脱圧通路296bと、脱圧通路296bと交差するように半径方向に形成された分岐通路296cとを有する。また、蓋部材280は、第2の低圧室214dと分岐通路296cとの間を連通するように軸方向に延在する洩れガス放気通路(排出路)280bを有する。
洩れガス放気通路280bは、第1の低圧室214cまたは第2の低圧室214dに高圧ガスが洩れた場合に、洩れたガスを残圧回収経路261に放出するための通路である。また、洩れガス放気通路280bを介して第1の低圧室214c及び第2の低圧室214dの気体を外部に排出することによりピストン作動時の負荷を軽減することができる。
また、脱圧用ロッド298は、円錐状に形成された第2のポペット弁部298aのテーパ部に弁座296aより外側で開口する傾斜通路298bと、他端より半径方向に突出する抜け防止用の鍔部298cと、一端が傾斜通路298bに連通され他端が鍔部398bの端面に開口する脱圧用通路298dとを有する。
また、脱圧用ロッド298は、一端が第1の貫通孔286aの他端側(Xb方向側)に螺入された第2のガイド部材300により摺動をガイドされ、且つ他端が蓋部材280の内部に保持された第3のガイド部材302によりガイドされており、コイルバネ304によりXb方向に付勢されている。
コイルバネ304は、一端が脱圧用ロッド298に係止されたバネ受け306に当接し、他端がガイド部材300に当接している。そのため、脱圧用ロッド298は、ピストン286がXb方向に摺動すると、ガイド部材300がコイルバネ304を圧縮し、コイルバネ304のバネ力によりXb方向に押圧される。
従って、脱圧用ロッド298の第2のポペット弁部298aは、ピストン286がXb方向に移動することによりコイルバネ304のバネ力が増大し、これにより残圧開放弁210の弁座210aに押圧されて残圧開放弁210を閉弁させる。
このように、主弁用ロッド284及び脱圧用ロッド298は、ピストン286の第1の貫通孔286aの両端に摺動可能に挿入されているので、主弁用ロッド284が主弁用弁座部材282の弁座282aに当接して閉弁状態のとき、脱圧用ロッド298が脱圧用弁座部材296の弁座296aから離間して脱圧状態となる。そして、ガス供給経路58が接続される接続部270が螺入されたねじ孔252cと弁座282aとの間が小径な連通孔252dにより連通されている。
ガス充填開始時に、ピストン286がXb方向に移動して主弁用ロッド284が主弁用弁座部材282の弁座282aから離間すると、ガス供給経路58は、連通孔252dを介して主弁用弁座部材282を軸方向に貫通する流路282bと連通される。
また、ガス充填終了後、右室214bに圧縮空気が供給されると共に、ピストン286及び主弁用ロッド284が閉弁方向(Xa方向)に駆動され、主弁用ロッド284が主弁用弁座部材282の弁座282aを閉塞する。これにより、ガス供給経路58は、遮断される。
このように、ガス充填カップリング202は、一つのピストン286により主弁206と残圧開放弁208とを駆動することが可能になり、構成のコンパクト化を図れると共に、脱圧操作に手間がかからず、ガス供給後の分離操作をすばやく行えると共に、主弁206の閉弁後に残圧開放弁208が開弁し、脱圧弁閉弁後に主弁206が開弁するように動作させることができる。
結合部256は、閉止弁208と、閉止弁208を保持する保持部材278と、レセプタクル50に係合するロック機構307と、中空状に形成された挿入パイプ308と、挿入パイプ308の外周に係合するバネ受け310と、バネ受け310を閉弁方向(Xa方向)に押圧するコイルバネ312とを有する。
保持部材278は、内部に挿入パイプ308及びバネ受け310が挿入される空間278aが形成されており、バネ受け310が空間278a内を摺動可能に取り付けられている。尚、バネ受け310は、コイルバネ312のバネ力によりXa方向に押圧されており、挿入パイプ308の外周に突出された係止部314によって抜け防止される。
このバネ受け310は、後述するようにレセプタクル50に当接してXb方向に摺動するものであり、挿入パイプ308がレセプタクル50に挿入される前はXa方向に摺動してロック機構307をロック解除状態に保持する。
さらに、保持部材278の内部には、挿入パイプ308が挿通される挿通孔278bが設けられ、この挿通孔278bには、挿入パイプ308の軸方向の摺動をガイドする第4のガイド部材318が螺入されている。尚、ガイド部材318は、挿入パイプ308の外周をシールするシール部材319を保持するシール押さえとして機能する。
挿入パイプ308は、先端に開口するように軸方向に延在された通路308aと、挿通孔278bにより閉塞されるように半径方向に延在して通路308aの他端に連通する連通孔308bとを有する。また、挿入パイプ308は、先端が操作リング268より前方に突出していないので、破損しにくい。
また、挿入パイプ308の他端には、抜け防止用ストッパ326が設けられている。このストッパ326は、主弁用弁座部材282の流路282bから高圧ガスが供給される際、挿入パイプ308がXa方向に押し出されることを阻止する。また、ストッパ326は、挿通孔278bの内径よりも大径に形成され、且つ後述するようにXb方向に摺動した際に流路282bを閉塞しないように主弁用弁座部材282に当接する突部326aを有する。
閉止弁208においては、レセプタクル50に挿入されない状態では、ガス充填が行われないので、挿入パイプ308は、コイルバネ312のバネ力によりXa方向に押圧されており、連通孔308bが挿通孔278bに挿入された状態に保持される。すなわち、閉止弁208は、閉止されている。
また、ガス充填カップリング202において、主弁206の開弁動作により主弁用弁座部材282の流路282bから連通室311に高圧のガス圧が作用した状態では、挿入パイプ308を開弁方向(Xb方向)に摺動させることができないので、ガスが挿入パイプ308の通路308bから噴射されることを防止できる。従って、ガス充填カップリング202をレセプタクル50に結合しない状態で主弁206が開弁された場合には、閉止弁208が閉弁しているので、ガスが誤って大気中に放出されることが防止される。
上記ロック機構307は、バネ受け310がXb方向に摺動することによりレセプタクル50に係合する複数の係止球330と、係止球330の外周側に設けられた押圧リング332と、空気通路334を介して供給された圧縮空気の圧力により押圧リング332をロック位置に係止する係止機構336とから構成されている。複数の係止球330は、周方向に配置されており、内周側に移動してレセプタクル50の凹部(後述する)に嵌合することでレセプタクル50との間をロックし、外周側に移動してレセプタクル50とのロックを解除する。
保持部材278には、押圧リング332の回動位置がレセプタクル50にロックされる位置に回動したことを検出するリミットスイッチ236が設けられている。リミットスイッチ236は、押圧リング332がロック位置に回動したとき閉成して検出信号を制御装置220に出力する。
また、係止機構336は、押圧リング332がロック位置に回動したとき押圧リング332に係止孔332aに挿入されて押圧リング332を係止する係止ピン338と、係止ピン338を係止解除方向に付勢するコイルバネ340と、係止ピン338が摺動可能に挿入されたシリンダ孔342と、主弁シリンダ214からシリンダ孔342へ圧縮空気を供給する空気供給孔344とを有する。
尚、空気供給孔344は、カップリング本体252に設けられた空気通路346を介して主弁シリンダ214の左室214aと連通されている。そのため、左室214aに圧縮空気が供給されてピストン286が開弁方向(Xb方向)に摺動する際、空気通路346、空気供給孔344を介してシリンダ孔342へ圧縮空気が供給されて係止ピン338を係止方向(Xa方向)に駆動する。
これにより、ガス充填中は、押圧リング332が係止ピン338によりロック状態(係止球330がレセプタクル50に係合した状態)に係止されるため、ガス充填カップリング202がレセプタクル50から脱落することが防止される。
操作リング268は、保持部材278の先端に螺入されたナット360により脱落防止されており、ナット360とカップリング本体252の端部との間で周方向に回動可能に保持されている。また、操作リング268の内周には、環状に形成された押圧リング332が一体的に嵌合しており、押圧リング332には、係止球330が挿入される係止溝332bが周方向に設けられている。
そして、係止溝332bには、係止球330の外径に対応する球面凹部が形成されたボール押さえ362が挿入されている。これらの押圧リング332及びボール押さえ362は、操作リング268の内側に取付ボルト363を介して一体的に締結されている。そのため、操作リング268がロック解除方向回動操作されると、押圧リング332及びボール押さえ362も同一方向に回動してロック解除操作が可能になる。
ここで、実施例2の制御装置220が実行するガス供給制御処理について図6を参照して説明する。制御装置220は、図9のS31でカップリング着脱リミットスイッチ236がオンか否かをチェックする。ガス充填カップリング202の結合部256を燃料タンク14のレセプタクル50に結合すると、カップリング着脱リミットスイッチ236がオンになるため、S31でカップリング着脱リミットスイッチ236がオンになると、S32に進み、充填開始スイッチ釦42がオンに操作されたか否かをチェックする。
S32において、充填開始スイッチ釦42がオンに操作されると、S33に進み、燃料タンク14に充填すべき最大供給圧力(目標圧力)Pをメモリから読み込む。続いて、S34に進み、ガス供給開閉弁22、制御弁24を開弁してガス供給経路58にガスを供給する。このとき、ガス充填カップリング202の主弁206が閉弁している。そのため、ガス充填カップリング202の主弁206より上流のガス供給経路58に圧力発生ユニットで生成された高圧ガスが供給される。
これにより、ガス充填カップリング202の主弁206より上流のガス供給経路58を瞬時に最大供給圧力(目標圧力)に昇圧させることができる(図3中、経過時間T2)。このように、ガス充填カップリング202の主弁206を閉止した後、ガス供給開閉弁22及び制御弁24を開弁させることで、ガス供給経路58を短時間で最大供給圧力に昇圧させることができ、燃料タンク14に残留している圧力の測定に要する時間を短縮することができる。
続いて、S35に進み、圧力伝送器26により測定された圧力値を読み込み、測定された圧力値が最大供給圧力(目標圧力)Pに達したか否かをチェックする。このS35において、圧力伝送器26により測定された圧力値が最大供給圧力(目標圧力)Pに達したときは(図3中、経過時間T2)、S36に進み、ガス供給開閉弁22を閉弁させてガス供給経路18へのガス供給を停止させる(図3中、経過時間T3)。
続いて、S37では、四方切替弁212のソレノイド212aへ通電をオンにして空気経路80からの圧縮空気を、開弁側ポート212d、管路216を介して主弁シリンダ214の左室214aに供給する。これにより、主弁シリンダ214の右室214bは、管路218、閉弁側ポート212eを介して放気ポート212cと連通される(図5参照)。これで、ガス充填カップリング202の主弁206は、開弁してガス供給経路58から供給されたガスを燃料タンク14に供給する。
次のS38では、圧力伝送器26により測定された圧力値が最大供給圧力(目標圧力)Pより低下したか否かをチェックする。このS38において、圧力伝送器26により測定された圧力値が低下した場合、S39に進み、圧力伝送器26により測定された圧力値が所定時間一定値を維持するか否かをチェックする。このS39において、圧力伝送器26により測定された圧力値が低下している場合には、測定された圧力値が所定時間一定値を維持するまでS38,S39の処理を繰り返して待機状態となる。
そして、圧力伝送器26により測定された圧力値が所定時間一定値を維持した場合には(図3中、経過時間T4〜T5)、S40に進み、この一定圧力値を燃料タンク14に残留している充填前タンク圧力値Ptとして記憶する(記憶手段)。続いて、S41では、燃料タンク14の容積を上記充填前タンク圧力値Ptから演算する。尚、この燃料タンク14の容積を求める演算式としては、例えば、ガス供給開閉弁22とガス充填カップリング202との間のガス供給経路58の容積と、この容積に充填されたガス量(流量測定値)との関係式から求まり、既に周知であるので、その説明は省略する。
次のS42では、ガス供給開閉弁22を開弁して燃料タンク14に対するガス供給を開始すると共に、制御弁24の弁開度を燃料タンク14の容積に応じた制御則(定圧力上昇制御または定流量制御など)により制御する(第3のガス供給手段)。これにより、燃料タンク14へのガス供給が行なわれ、タンク圧力も徐々に上昇する(図3中、経過時間T5〜T6)。
次のS43では、圧力伝送器26により測定された圧力値が最大供給圧力(目標圧力)Pに達したか否かをチェックする。このS43において、圧力伝送器26により測定された圧力値が最大供給圧力(目標圧力)Pに達したときは(図3中、経過時間T6)、S44に進み、ガス供給開閉弁22、制御弁24を閉弁させてガス供給経路18へのガス供給を停止させる。
そして、S45で四方切替弁212のソレノイド212aへ通電をオフにして空気経路80からの圧縮空気を、閉弁側ポート212e、管路218を介して主弁シリンダ214の右室214bに供給する。他方、主弁シリンダ214の左室214aは、管路216、開弁側ポート212dを介して放気ポート212cと連通される(図5参照)。これで、ガス充填カップリング202の主弁206は、閉弁して燃料タンク14へのガス供給を停止する。この後、S46に進み、残圧開放弁210を開弁してガス充填カップリング34及びレセプタクル50の圧力が減圧する。
S47では、カップリング着脱リミットスイッチ236がオフか否かをチェックする。そして、ロック解除用の操作リング268が摺動させてガス充填カップリング202の結合部256を燃料タンク14のレセプタクル50から分離すると、カップリング着脱リミットスイッチ236がオフになる。そのため、S47でカップリング着脱リミットスイッチ236がオフになると、燃料タンク14に対するガス供給作業が終了する。この後、操作者は、ガス充填カップリング202をディスペンサユニット16の掛止部(図示せず)に掛止させる。
また、上記S38において、圧力伝送器26により測定された圧力値が低下しない場合には、ガス供給開閉弁22が閉弁できない等の異常が発生しているため、S48に進み、警報を発して上記S45に進み、ガス充填カップリング202の主弁206を閉弁させ、S46で残圧開放弁210を開弁してガス供給を中止する。そして、S47でカップリング着脱リミットスイッチ236がオフになったことを確認して今回の制御処理を終了する。
このように、上記空圧駆動方式の高圧ガス充填用弁機構を有するガス充填カップリング202を用いてガス供給を行なう場合でも、燃料タンク14の充填前圧力を測定する際にガス供給経路58を短時間で所定圧力に昇圧させることができるので、燃料タンク14に残留している圧力の測定に要する時間を短縮することができる。
本発明になるガス供給装置の一実施例を示す系統図である。 ガス供給装置10の制御回路40が実行するガス供給制御処理を説明するためのフローチャートである。 実施例1のガス供給制御処理による圧力変化を示すグラフである。 実施例2の構成を示す系統図である。 実施例2のガス充填装置を示す系統図である。 ガス充填カップリング202を示す縦断面図である。 主弁206及び残圧開放弁210の具体的な内部構造の一例を示す縦断面図である。 カップリング本体252の結合部の具体的な内部構造の一例を示す縦断面図である。 実施例2の制御装置220が実行するガス供給制御処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10 ガス供給装置
12 自動車
14 燃料タンク
16 ディスペンサユニット
18 ガス供給経路
20 質量流量計
22 ガス供給開閉弁
24 制御弁
26 圧力伝送器
28 ガス充填ホース
30 三方弁
32 脱圧管路
34 ガス充填カップリング
40 制御回路
50 レセプタクル
54 逆止弁
58 ガス供給経路

Claims (1)

  1. 圧縮されたガスを被充填タンクに供給するガス供給経路と、
    該ガス供給経路に設けられた制御弁と、
    該制御弁により制御されたガス供給圧力を測定する圧力測定手段と、
    該圧力測定手段の上流に設けられ前記ガス供給経路を開または閉とする第1の弁と、
    前記圧力測定手段の下流に設けられ前記ガス供給経路を開または閉とする第2の弁と、
    前記制御弁及び前記第1の弁及び前記第2の弁を制御する制御手段と、
    を有するガス供給装置であって、
    前記制御手段は、
    ガス供給を開始する前に前記第2の弁を閉とした状態で前記第1の弁を開として前記ガス供給経路に所定圧力のガスを供給し、その後、前記第1の弁を閉とし、次に前記ガス供給経路の下流端部が前記被充填タンクに連結された状態で前記第2の弁を開として前記ガス供給経路のガスを前記被充填タンクに供給し、この状態で前記ガス供給経路の圧力を前記圧力測定手段により測定し、該測定結果に基づき前記被充填タンクにガスを供給するように制御することを特徴とするガス供給装置。
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