JP2005069361A - ガス充填カップリング - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は弁部が高圧ガスの圧力の影響を受けない弁構造であることを課題とする。
【解決手段】 ガス充填カップリング202の結合部256は、閉止弁208と、閉止弁208を保持する保持部材278と、レセプタクルに係合するロック機構307と、中空状に形成された挿入パイプ308と、挿入パイプ308の外周に係合するバネ受け310と、バネ受け310を閉弁方向(Xa方向)に押圧するコイルバネ312とを有する。結合部256の外周には、ロック解除用の操作リング268が摺動可能に設けられている。保持部材278には、押圧リング332の回動位置がレセプタクル20にロックされる位置に回動したことを検出するリミットスイッチ236が設けられている。操作リング268の回動位置は、レセプタクルにガス充填カップリング202が結合された結合状態と、非結合状態とで異なるので、この回動位置を検出することで結合状態を容易に検出できる。
【選択図】 図2

Description

本発明はガス充填カップリングに係り、特に高圧に加圧されたガスを被充填タンクに注入するのに適したガス充填カップリングに関する。
近年、燃料電池車の開発が進められており、実用化が促進されつつある。この燃料電池車では、水素と酸素とを反応させて発電を行い、この電力によりモータを駆動させて走行するように構成されている。
このような燃料電池車の普及に際して、現在のガソリンや軽油を燃料とするエンジンが搭載された車両と同様に、例えば、70MPa程度の高圧に圧縮した水素を供給する燃料供給システムの開発も重要である。
従来のガス充填カップリングとしては、例えば、20MPa程度の圧力に圧縮されたCNG(圧縮天然ガス)を燃料タンクに充填するためのものがある。この種のガス充填カップリングでは、円筒状に形成されたカップリング本体の先端に設けられた燃料タンクの注入口に結合される結合部と、カップリング本体の他端に設けられたガス供給経路が接続される継手と、カップリング本体の中間部分に設けられた開閉弁とから構成されている(例えば、特許文献1参照)。
開閉弁は、カップリング本体の側面に回動可能に突出する操作レバーの回動位置によって開弁または閉弁する。また、結合部は、内周に燃料タンクの注入口(レセプタクル)の係止溝に嵌合する係止部材が設けられ、外周には軸方向にスライドして係止部材を係止解除位置に移動させるロック解除用の操作リングが設けられている。
上記のように構成されたガス充填カップリングを用いて圧縮された高圧ガスを燃料タンクに充填させる場合は、結合部を燃料タンクの注入口に押圧することで係止部材が注入口の係止溝に嵌合してロックされて充填時の耐圧強度が確保される。次に、操作レバーが開弁位置に回動操作されると、圧縮されたガスが燃料タンクに充填される。
そして、燃料タンクの圧力が目標充填圧力に達すると、操作レバーを閉弁位置に回動操作してガスの充填を止める。その後、カップリング本体の内部に残留するガスを外部に排出するための脱圧用弁を開弁してカップリング本体の内部を減圧する。
次いで、ロック解除用の操作リングをカップリング本体の軸方向にスライドさせることにより、係止部材が注入口の係止溝から離脱してロック解除される。これで、ガス充填カップリングを注入口から離間させることが可能になる。
特開平8−295399号公報
上記のような従来の充填カップリングにおいては、操作リングを軸方向にスライドさせることにより着脱を行なう構成で、充填カップリングが離間している状態の操作リングの位置と、充填カップリングがレセプタクルに接続されロックさせた状態での操作リングの位置とが同じであった。このため、操作リングの状態で充填カップリングの着脱を検出することは困難であった。
本発明は、上記課題を解決したガス充填カップリングを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、加圧されたガスが供給されるカップリング本体と、該カップリング本体の一端に設けられ、被充填タンクのレセプタクルに結合される結合手段と、前記カップリング内に設けられ、前記被充填タンクへのガスの供給経路を開閉弁する主弁と、前記主弁を駆動する弁駆動手段とからなるガス充填カップリングにおいて、前記結合手段を、前記レセプタクルが挿入される筒部と、該筒部に前記レセプタクルが挿入された際に内方に突出して前記レセプタクルの凹部に嵌合することにより該レセプタクルの離間を防ぐ固定手段と、前記筒部の外周に設けられ、前記固定手段が突出した際に所定位置まで回動して前記固定手段を突出状態に維持する突出維持手段とから構成し、該突出維持手段が所定位置まで回動したことを検出し電気信号として出力する回動検出手段を設けたことを特徴とする。
これにより、突出維持手段の回動位置は、レセプタクルにガス充填カップリングが結合された結合状態と、非結合状態とで異なるので、この回動位置を検出するのみで結合状態を容易に検出できる。
請求項1の発明にあっては、結合手段を、レセプタクルが挿入される筒部と、筒部に前記レセプタクルが挿入された際に内方に突出してレセプタクルの凹部に嵌合することによりレセプタクルの離間を防ぐ固定手段と、筒部の外周に設けられ、固定手段が突出した際に所定位置まで回動して固定手段を突出状態に維持する突出維持手段とから構成し、突出維持手段が所定位置まで回動したことを検出し電気信号として出力する回動検出手段を設けたことにより、突出維持手段の回動位置は、レセプタクルにガス充填カップリングが結合された結合状態と、非結合状態とで異なるので、この回動位置を検出するのみで結合状態を容易に検出できる。
また、結合手段の筒部の外周部に設けられる突出維持手段の位置を検出するので、ガスの流路から径方向に離れた位置に回動検出手段を設けることができるため、電気信号を出力する安価な検出手段を利用することが可能となる。
また、請求項2の発明にあっては、突出維持手段が所定位置まで回動した状態で回動を規制にする回動規制手段を設けたことにより、操作者が誤って、突出維持手段を回動させてしまうことを確実に防止できる。
さらに、請求項3の発明にあっては、シリンダへの圧縮空気の供給して主弁を開弁する際に回動規制手段を回動規制状態とするので、開弁状態で確実に操作者が誤って、突出維持手段を回動させてしまうことを確実に防止できる。
以下、図面と共に本発明の一実施例について説明する。
図1はガス充填カップリングの一実施例が適用されたガス充填システムを示す構成図である。
図1に示されるように、ガス充填システム200では、例えば、燃料電池(図示せず)が搭載された車両12の燃料タンク(被充填タンク)18に高圧ガス(例えば、70MPaの水素等)を充填するガス充填カップリング202と、ガス充填カップリング202に高圧ガスを供給するディスペンサ204とから構成されている。さらに、ディスペンサ204には、圧縮空気を供給する空気経路60が接続されている。
ガス充填カップリング202は、上記実施例と同様に車両12の燃料タンク18に設けられたレセプタクル20に結合されて燃料供給システム18に高圧ガスを充填する。
ガス充填カップリング202は、後述するように内部に主弁206と、閉止弁208と、残圧開放弁210とが設けられている。主弁206及び閉止弁208は、高圧ガス(燃料)を供給するガス供給経路58に連通されており、ガス供給経路58の先端はレセプタクル20を介して燃料タンク18に連通される。また、ガス供給経路58の基端は高圧ガスを生成するコンプレッサ及びガス貯蔵タンク(共に図示せず)に連通されている。
ここで、ディスペンサ204について説明する。
空気経路60の下流には、圧力スイッチ30、電磁弁からなる四方切替弁(切替手段)212、ガス充填カップリング202の主弁シリンダ214が接続されている。主弁シリンダ214は、四方切替弁212を介して圧縮空気の供給により開弁動作して高圧ガスを充填するための弁駆動手段であり、四方切替弁212から供給される圧縮空気の切替に伴って開弁動作または閉弁動作する。
四方切替弁212は、2位置4ポート弁からなり、制御装置220により通電をオン・オフされるソレノイド212aと、空気経路60が連通された給気ポート212bと、大気開放とされた放気ポート212cと、開弁側ポート212dと、閉弁側ポート212eとを有する。
主弁シリンダ214の左室214aには、第1の管路216の一端が連通されており、右室214bには、第2の管路218の一端が連通されている。また、第1の管路216の他端は、上記開弁側ポート212dに連通されており、第2の管路218の他端は、上記閉弁側ポート212eに連通されている。
そして、四方切替弁212は、開弁時はソレノイド212aへの通電がオンになるため、スプール(図示せず)が下動する。そのため、空気経路60からの圧縮空気は、開弁側ポート212d、管路216を介して主弁シリンダ214の左室214aに供給されると共に、主弁シリンダ214の右室214bは、管路218、閉弁側ポート212eを介して放気ポート212cと連通される。
また、四方切替弁212は、閉弁時はソレノイド212aへの通電がオフになるため、図1に示されるように、コイルバネ212fのバネ力によりスプール(図示せず)が上動する。これにより、空気経路60からの圧縮空気は、管路218、閉弁側ポート212eを介して主弁シリンダ214の右室214bに供給されると共に、主弁シリンダ214の左室214aは、管路216、開弁側ポート212dを介して放気ポート212cと連通される。
制御装置220は、電源装置222から所定電圧の電流を供給されており、且つ圧力スイッチ30、ガス用開閉弁32、四方切替弁212と接続されている。さらに、制御装置220は、電源ランプ224、圧縮空気供給ランプ226、カップリング接続ランプ228、充填中ランプ230、充填停止スイッチ232、充填開始スイッチ234、カップリング着脱リミットスイッチ236と接続されている。
制御装置220は、充填開始スイッチ234がオンに操作されると、ガス用開閉弁32のソレノイド32aに通電して高圧ガスをガス充填カップリング202に供給させる。さらに、圧力スイッチ30から検出信号を確認して圧縮空気供給ランプ226を点灯させると共に、四方切替弁212のソレノイド212aに通電して四方切替弁212を開弁状態に切り替える。そして、充填中ランプ230を点灯させて高圧ガスが燃料タンク18に充填されていることを報知する。
また、制御装置220は、充填停止スイッチ232がオンに操作されると、四方切替弁212のソレノイド212aへの通電を停止して四方切替弁212を閉弁状態に切り替えると共に、ガス用開閉弁32のソレノイド32aへの通電も停止する。そして、制御装置220は、充填中ランプ230を消灯させ、圧力スイッチ30から検出信号が出力されない場合には、圧縮空気供給ランプ226を消灯させる。
また、制御装置220は、カップリング着脱リミットスイッチ236がガス充填カップリング202の接続状態を検出すると、カップリング接続ランプ228を点灯させ、ガス充填カップリング202が車両12のレセプタクル20に分離されると、カップリング接続ランプ228を消灯させる。
ここで、ガス充填カップリング202の構成について説明する。
図2は本発明になるガス充填カップリングの一実施例を示す縦断面図である。図3は主弁206及び残圧開放弁210の具体的な内部構造の一例を示す縦断面図である。図4はカップリング本体252の結合部の具体的な内部構造の一例を示す縦断面図である。尚、図2乃至図4において、黒塗りの楕円形状のものは、シール部材である。
図2乃至図4に示されるように、ガス充填カップリング202は、カップリング本体252と、カップリング本体252の一端より下方に突出するグリップ(図2では省略)と、カップリング本体252の他端に設けられた結合部256とから構成されている。
結合部256の外周には、ロック解除用の操作リング268が摺動可能に設けられている。そして、操作リング268の端部には、結合部256を保護する樹脂製の保護キャップ253が嵌合されており、保護キャップ253の突部253aには脱落防止用紐253bの一端が連結されている。また、脱落防止用紐253bの他端は、カップリング本体252の外周に係止されている。尚、保護キャップ253の内側には、脱落防止用のOリング253dが装着されている。
従って、ガス充填カップリング202の結合部256を燃料タンク18のレセプタクル20に結合する前に保護キャップ253を操作リング268の端部から分離させて結合部256を露出させる。
操作者は、ガス充填カップリング202のグリップ(図示せず)を把持して結合部256を車両のレセプタクル20に押圧操作することにより、操作リング268がロック位置に回動する。また、操作者は、一方の手でガス充填カップリング202のグリップを把持したまま、他方の手でガス充填カップリング202の操作リング268をロック解除位置に回動操作することで、ガス充填カップリング202をレセプタクル20から分離させられる。
図3に示されるように、カップリング本体252には、高圧ガス(例えば、70MPaの水素等)を供給するガス供給経路58が接続される接続部270と、圧縮空気を給排する管路216,218が接続される接続部272,274と、ガス充填終了後の残圧を外部に排出するための残圧回収経路261が接続される接続部276とが設けられている。さらに、カップリング本体252は、内部に主弁206が設けられ、前端には、結合部256及び閉止弁208を保持する保持部材278が設けられている。また、カップリング本体252の後端には、残圧開放弁210を保持すると共に、カップリング本体252の後部開口を塞ぐ蓋部材280が螺合されている。
また、主弁206は、カップリング本体252の内部に形成された主弁用弁座部材282の弁座282aに離着座する第1のポペット弁部284aを有する主弁用ロッド284と、軸線に沿うように軸方向に貫通する第1の貫通孔286aを有し、第1の貫通孔286aの一端側(Xa方向)に主弁用ロッド284が挿通されたピストン(弁駆動手段)286と、ピストン286を閉弁方向に押圧する付勢手段としてのコイルバネ288と、ピストン286が軸方向に摺動可能に収納された主弁シリンダ214とを有する。
主弁用ロッド284は、一端に円錐形状の第1のポペット弁部284aが設けられ、他端に抜け防止用の鍔部材284bが螺入されている。さらに、主弁用ロッド284及び鍔部材284bは、軸方向に貫通する小径な脱圧用通路(小径通路)284c,284dを有する。
また、主弁用ロッド284は、第1の貫通孔286aの一端側(Xa方向側)に螺入された第1のガイド部材290により摺動をガイドされ、且つ他端側(Xb方向側)がカップリング本体252の隔壁252aに設けられた挿通孔252bにガイドされており、コイルバネ292によりXa方向(ピストン28bに対して他側)に付勢されている。
また、隔壁252aの左側には、内周側の樹脂製で摺動性に優れたシールと外周側のOリングとで構成された本発明の環状シールとしてのシール部材202a1が設けられ、このシール部材202a1は、スペーサー252a2を介して主弁用弁座部材282により固定されている。
コイルバネ292は、一端が主弁用ロッド284に係止されたバネ受け294に当接し、他端がガイド部材290に当接している。そのため、主弁用ロッド284は、ピストン286がXa方向に摺動すると、ガイド部材290がコイルバネ292を圧縮し、コイルバネ292のバネ力によりXa方向に押圧される。
従って、主弁用ロッド284の第1のポペット弁部284aは、左室214aに圧縮空気が供給されてピストン286がXb方向に移動することにより主弁用弁座部材282の弁座282aから離間して開弁し、左室214aの圧縮空気を排気すると、コイルバネ292のバネ力により主弁用弁座部材282の弁座282aに押圧されて主弁206を閉弁させる。
主弁シリンダ214は、ピストン286によって左室214aと右室214bとに画成されており、左室214aには、接続部272を介して管路216が連通され、右室214bには、接続部274を介して管路218が連通されている。そのため、四方切替弁212(図1参照)の切替動作により左室214aに圧縮空気が供給されると、ピストン286及び主弁用ロッド284が開弁方向に駆動され、右室214bに圧縮空気が供給されると、ピストン286及び主弁用ロッド284が閉弁方向に駆動される。
また、ピストン286は、第1の貫通孔286aに対して半径方向にずれた偏心位置を軸方向に貫通する第2の貫通孔(連通孔)286bと、一端(Xa方向側)に突出して主弁シリンダ214よりも小径な第1の低圧室214cに摺動可能に嵌合される第1の小径部286cと、他端(Xb方向側)に突出して主弁シリンダ214よりも小径な第2の低圧室214dに摺動可能に嵌合される第2の小径部286dとを有する。
この第2の貫通孔286bは、第1の低圧室214cと第2の低圧室214dとを連通する通路であり、ピストン286の摺動動作に伴って第1の低圧室214c及び第2の低圧室214dの容積変化に応じて気体の流通を行って第1の低圧室214c及び第2の低圧室214dの圧力変化を抑制する。
残圧開放弁210は、カップリング本体252の後部に装着される蓋部材280を貫通する貫通孔280aに螺入された脱圧用弁座部材296と、主弁用ロッド284と同軸的に配され脱圧用弁座部材296の弁座296aに離着座する第2のポペット弁部298aを有する脱圧用ロッド298と、脱圧用ロッド298の摺動をガイドする第2のガイド部材300とを有する。
脱圧用弁座部材296は、弁座296aと残圧回収経路261が接続される接続部276との間を連通する脱圧通路296bと、脱圧通路296bと交差するように半径方向に形成された分岐通路296cとを有する。また、蓋部材280は、第2の低圧室214dと分岐通路296cとの間を連通するように軸方向に延在する洩れガス放気通路(排出路)280bを有する。
洩れガス放気通路280bは、第1の低圧室214cまたは第2の低圧室214dに高圧ガスが洩れた場合に、洩れたガスを残圧回収経路261に放出するための通路である。また、洩れガス放気通路280bを介して第1の低圧室214c及び第2の低圧室214dの気体を外部に排出することによりピストン作動時の負荷を軽減することができる。
また、脱圧用ロッド298は、円錐状に形成された第2のポペット弁部298aのテーパ部に弁座296aより外側で開口する傾斜通路298bと、他端より半径方向に突出する抜け防止用の鍔部298cと、一端が傾斜通路298bに連通され他端が鍔部398bの端面に開口する脱圧用通路298dとを有する。
また、脱圧用ロッド298は、一端が第1の貫通孔286aの他端側(Xb方向側)に螺入された第2のガイド部材300により摺動をガイドされ、且つ他端が蓋部材280の内部に保持された第3のガイド部材302によりガイドされており、コイルバネ304によりXb方向に付勢されている。
コイルバネ304は、一端が脱圧用ロッド298に係止されたバネ受け306に当接し、他端がガイド部材300に当接している。そのため、脱圧用ロッド298は、ピストン286がXb方向に摺動すると、ガイド部材300がコイルバネ304を圧縮し、コイルバネ304のバネ力によりXb方向に押圧される。
従って、脱圧用ロッド298の第2のポペット弁部298aは、ピストン286がXb方向に移動することによりコイルバネ304のバネ力が増大し、これにより残圧開放弁210の弁座210aに押圧されて残圧開放弁210を閉弁させる。
このように、主弁用ロッド284及び脱圧用ロッド298は、ピストン286の第1の貫通孔286aの両端に摺動可能に挿入されているので、主弁用ロッド284が主弁用弁座部材282の弁座282aに当接して閉弁状態のとき、脱圧用ロッド298が脱圧用弁座部材296の弁座296aから離間して脱圧状態となる。そして、ガス供給経路58が接続される接続部270が螺入されたねじ孔252cと弁座282aとの間が小径な連通孔252dにより連通されている。
ガス充填開始時に、ピストン286がXb方向に移動して主弁用ロッド284が主弁用弁座部材282の弁座282aから離間すると、ガス供給経路58は、連通孔252dを介して主弁用弁座部材282を軸方向に貫通する流路282bと連通される。
また、ガス充填終了後、右室214bに圧縮空気が供給されると共に、ピストン286及び主弁用ロッド284が閉弁方向(Xa方向)に駆動され、主弁用ロッド284が主弁用弁座部材282の弁座282aを閉塞する。これにより、ガス供給経路58は、遮断される。
このように、ガス充填カップリング202は、一つのピストン(弁駆動手段)286により主弁206と残圧開放弁208とを駆動することが可能になり、構成のコンパクト化を図れると共に、脱圧操作に手間がかからず、ガス供給後の分離操作をすばやく行えると共に、主弁206の閉弁後に残圧開放弁208が開弁し、脱圧弁閉弁後に主弁206が開弁するように動作させることができる。
結合部256は、閉止弁208と、閉止弁208を保持する保持部材278と、レセプタクル20に係合するロック機構307と、中空状に形成された挿入パイプ308と、挿入パイプ308の外周に係合するバネ受け310と、バネ受け310を閉弁方向(Xa方向)に押圧するコイルバネ312とを有する。
保持部材278は、内部に挿入パイプ308及びバネ受け310が挿入される空間278aが形成されており、バネ受け310が空間278a内を摺動可能に取り付けられている。尚、バネ受け310は、コイルバネ312のバネ力によりXa方向に押圧されており、挿入パイプ308の外周に突出された係止部314によって抜け防止される。
このバネ受け310は、後述するようにレセプタクル20に当接してXb方向に摺動するものであり、挿入パイプ308がレセプタクル20に挿入される前はXa方向に摺動してロック機構307をロック解除状態に保持する。
さらに、保持部材278の内部には、挿入パイプ308が挿通される挿通孔278bが設けられ、この挿通孔278bには、挿入パイプ308の軸方向の摺動をガイドする第4のガイド部材318が螺入されている。尚、ガイド部材318は、挿入パイプ308の外周をシールするシール部材319を保持するシール押さえとして機能する。
挿入パイプ308は、先端に開口するように軸方向に延在された通路308aと、挿通孔278bにより閉塞されるように半径方向に延在して通路308aの他端に連通する連通孔308bとを有する。また、挿入パイプ308は、先端が操作リング268より前方に突出していないので、破損しにくい。
また、挿入パイプ308の他端には、抜け防止用ストッパ326が設けられている。このストッパ326は、主弁用弁座部材282の流路282bから高圧ガスが供給される際、挿入パイプ308がXa方向に押し出されることを阻止する。また、ストッパ326は、挿通孔278bの内径よりも大径に形成され、且つ後述するようにXb方向に摺動した際に流路282bを閉塞しないように主弁用弁座部材282に当接する突部326aを有する。
閉止弁208においては、レセプタクル20に挿入されない状態では、ガス充填が行われないので、挿入パイプ308は、コイルバネ312のバネ力によりXa方向に押圧されており、連通孔308bが挿通孔278bに挿入された状態に保持される。すなわち、閉止弁208は、閉止されている。
また、ガス充填カップリング202において、主弁206の開弁動作により主弁用弁座部材282の流路282bから連通室311に高圧のガス圧が作用した状態では、挿入パイプ308を開弁方向(Xb方向)に摺動させることができないので、ガスが挿入パイプ308の通路308bから噴射されることを防止できる。従って、ガス充填カップリング202をレセプタクル20に結合しない状態で主弁206が開弁された場合には、閉止弁208が閉弁しているので、ガスが誤って大気中に放出されることが防止される。
上記ロック機構(結合手段)307は、バネ受け310がXb方向に摺動することによりレセプタクル20に係合する複数の係止球(固定手段)330と、係止球330の外周側に設けられた押圧リング332と、空気通路334を介して供給された圧縮空気の圧力により押圧リング(突出維持手段)332をロック位置に係止する係止機構(回動規制手段)336とから構成されている。複数の係止球330は、周方向に配置されており、内周側に移動してレセプタクル20の凹部(後述する)に嵌合することでレセプタクル20との間をロックし、外周側に移動してレセプタクル20とのロックを解除する。
保持部材278には、押圧リング332の回動位置がレセプタクル20にロックされる位置に回動したことを検出するリミットスイッチ(回動検出手段)236が設けられている。リミットスイッチ236は、押圧リング332がロック位置に回動したとき閉成して検出信号を制御装置220に出力する。
また、係止機構336は、押圧リング332がロック位置に回動したとき押圧リング332に係止孔332aに挿入されて押圧リング332を係止する係止ピン338と、係止ピン338を係止解除方向に付勢するコイルバネ340と、係止ピン338が摺動可能に挿入されたシリンダ孔342と、主弁シリンダ214からシリンダ孔342へ圧縮空気を供給する空気供給孔344とを有する。
尚、空気供給孔344は、カップリング本体252に設けられた空気通路346を介して主弁シリンダ214の左室214aと連通されている。そのため、左室214aに圧縮空気が供給されてピストン286が開弁方向(Xb方向)に摺動する際、空気通路346、空気供給孔344を介してシリンダ孔342へ圧縮空気が供給されて係止ピン338を係止方向(Xa方向)に駆動する。
これにより、ガス充填中は、押圧リング332が係止ピン338によりロック状態(係止球330がレセプタクル20に係合した状態)に係止されるため、ガス充填カップリング202がレセプタクル20から脱落することが防止される。
操作リング268は、保持部材278の先端に螺入されたナット360により脱落防止されており、ナット360とカップリング本体252の端部との間で周方向に回動可能に保持されている。また、操作リング268の内周には、環状に形成された押圧リング332が一体的に嵌合しており、押圧リング332には、係止球330が挿入される係止溝332bが周方向に設けられている。
そして、係止溝332bには、係止球330の外径に対応する球面凹部が形成されたボール押さえ362が挿入されている。これらの押圧リング332及びボール押さえ362は、操作リング268の内側に取付ボルト363を介して一体的に締結されている。そのため、操作リング268がロック解除方向回動操作されると、押圧リング332及びボール押さえ362も同一方向に回動してロック解除操作が可能になる。
図5は係止機構336及びリミットスイッチ236の取付構造を示す図であり、(A)は係止機構336の取付状態を示す平面図、(B)は図4中A−A線に沿う縦断面図、(C)はリミットスイッチ236の取付状態を示す底面図である。
図5(A)〜(C)に示されるように、保持部材278の上部278bには、係止機構336を収容する係止ベース348が取付ボルト350により締結されており、保持部材278の下部278cには、リミットスイッチ236を保持するスイッチベース352が取付ボルト354により締結されている。
係止ベース348は、内部を軸方向に貫通するガイド孔348aを有する。このガイド孔348aには、係止ピン338が摺動可能に挿入されており、シリンダ孔342へ圧縮空気を供給されると、係止ピン338の先端が係止ベース348の端面348bより突出して押圧リング332を係止する。
また、スイッチベース352は、側面352aにリミットスイッチ236の切片236aが突出しており、レセプタクル20に結合部256が結合されてロック状態(係止球330がレセプタクル20に係合した状態)のとき押圧リング332に固定された被検出部材356が切片236aに当接するように取り付けられている。スイッチベース352と保持部材278の下部278cとの間には、被検出部材356に当接して押圧リング332のC方向(ロック方向)への回動位置を規制するストッパ部材353が挟持されている。
被検出部材356は、押圧リング332の端面に固定される取付部356aと、リミットスイッチ236と対向するように取付部356aより起立した当接部356bとを有する。そして、被検出部材356は、押圧リング332がロック解除位置に回動すると、当接部356bがリミットスイッチ236の切片236aに当接してリミットスイッチ236から検出信号を出力させる。
図6は図4中B−B線に沿う縦断面図である。
図6に示されるように、押圧リング332と保持部材278の端部278dとの間には、一対のコイルバネ364,366が周方向に装架されている。このコイルバネ364,366は、操作リング268及び押圧リング332をロック位置に復帰させるための復帰用付勢部材であり、一端が押圧リング332の端面332aに螺入された回動側掛止ピン368,369に掛止され、他端が保持部材278の端部278dに螺入された固定側掛止ピン370,371に掛止されている。
このように、押圧リング332及び操作リング268は、コイルバネ364,366のバネ力によりC方向(ロック方向)に付勢されており、ガス充填完了後に係止機構366の係止ピン338による押圧リング332に対する係止が解除されると、D方向(ロック解除方向)に手動操作で回動されてレセプタクル20に対するロックが解除される。また、操作リング268のロック位置は、保持部材278に固定されたストッパ部材353によって決まる。そして、操作リング268がコイルバネ364,366のバネ力によりC方向(ロック方向)に回動して被検出部材356の当接部356bがリミットスイッチ236の切片236に当接する。これにより、リミットスイッチ236は、制御装置220に対してロック状態検出信号を出力する。
ここで、図7を参照して上記ガス充填カップリング202の結合部256をレセプタクル20に結合させる際の操作及び動作について説明する。
図7に示されるように、先ず、ガス充填カップリング202から保護キャップ253を外して挿入パイプ308の通路308aを露出させる。
次に、操作者は、ガス充填カップリング202のグリップ(図示せず)を把持して結合部256の先端をレセプタクル20の端部に対向させる。この状態からガス充填カップリング202の結合部256をレセプタクル20に押圧して挿入させる。
レセプタクル20は、例えば、車両の燃料タンク18の注入口として設けられており、筒状に形成されたレセプタクル本体140と、レセプタクル本体140を車体の取付板142に固定するナット144と、レセプタクル本体140の中央を貫通する取付孔140aに挿入された逆止弁(図示せず)と、逆止弁が当接する弁座部材(図示せず)と、取付孔140aの端部に螺入された差込部材150と、弁座部材と差込部材150との間に介在するシール部材152とから構成されている。
レセプタクル本体140は、外周に車体の取付板142に当接させる鍔部140dを有しており、ナット144の締め付けにより取付板142を挟持する。
差込部材150は、内部を貫通する貫通孔150aを有し、先端部の外周にはロック機構104の係止球130が係合する台形状の凹部150bが全周に設けられている。また、差込部材150の他端の外周には、レセプタクル本体140のめねじ140fに螺合されたおねじ150cが設けられている。さらに、差込部材150の貫通孔150aには、ガス充填カップリング202の挿入パイプ308を軸承する円筒状の軸受158が圧入される。
図8に示されるように、操作者は、ガス充填カップリング202の挿入パイプ308の先端を差込部材150の軸受158に挿入させる。同時に、差込部材150が相対的に挿入パイプ108の外周と操作リング268の内周との間に進入する。さらに、ガス充填カップリング202を挿入方向(Xa方向)に押圧すると、挿入パイプ308の先端が差込部材150の軸受158を通過してシール部材152の内周に嵌合する。
また、ガス充填カップリング202が挿入方向(Xa方向)に押圧されることで、差込部材150の端部がバネ受け310の端面に当接すると共に、操作リング268の内周にレセプタクル本体140の端部が相対的に挿入される。この動作状態では、挿入パイプ308の端部が押圧されていないので、ガス充填カップリング202の閉止弁208は閉弁状態である。
さらに、ガス充填カップリング202が挿入方向(Xa方向)に押圧されると、挿入パイプ308の先端が弁座部材148の挿入孔148dに挿入されると共に、差込部材150の端部がバネ受け310を相対的にXb方向に押圧する。これにより、バネ受け310は、コイルバネ312のバネ力に抗してXb方向に摺動する。
さらに、ガス充填カップリング202が挿入方向(Xa方向)に押圧されると、挿入パイプ308の他端に固着されたストッパ326の突部326aが弁座部材282に当接する。これにより、挿入パイプ308の他端がガス充填カップリング202の連通室311に突出し、挿入パイプ308の他端に設けられた通路308bが連通室311と連通される。尚、ストッパ326の突部326aが弁座部材282の端面に当接することで、挿入パイプ308の通路308bが弁座部材282の貫通孔282bに連通する。
そして、挿入パイプ308の先端がレセプタクル本体140の内壁に当接し、他端が弁座部材282に当接するため、挿入パイプ308は両端部が軸方向(Xa,Xb方向)への移動を規制された状態に保持される。従って、高圧ガスの供給が開始されても挿入パイプ308は、軸方向に摺動せず、開弁状態に保持される。
また、差込部材150及びバネ受け310が相対的にXb方向に摺動して凹部150bがロック機構307の係止球330に対向する位置に至ると、係止球330が内周側に移動して差込部材150の凹部150bに嵌合する。これと共に、押圧リング332及び操作リング268がコイルバネ364,366(図6参照)のバネ力によりC方向(ロック方向)に回動してロック位置(図示せず)に回動する。
その結果、係止球330は、外周側への移動が規制されて差込部材150の凹部150bと押圧リング332との間を結合することにより、ガス充填カップリング202とレセプタクル20との間をロック状態に保持する。これで、ガス充填カップリング202は、レセプタクル20に結合され、ガス供給可能な状態にロックされる。
このように、ガス充填カップリング202がレセプタクル20に結合された後、高圧ガスの充填が開始される。
図9はガス充填停止状態を示す縦断面図である。
図9に示されるように、四方切替弁212(図1参照)の切り替えにより右室214bに圧縮空気が供給されると共に、左室214aの空気が排気される。これにより、ピストン286及び主弁用ロッド284が閉弁方向(Xa方向)に駆動される。
主弁用ロッド284が閉弁方向に動作して第1のポペット弁部284aが主弁用弁座部材282の弁座282aに着座するため、主弁206は閉弁する。そのため、高圧ガスの充填は、停止される。
このガス充填停止状態では、ピストン286が閉弁方向(Xa方向)に移動しているため、ピストン286の右端側に摺動可能に設けられた脱圧用ロッド298は、第2のポペット弁部298aが脱圧用弁座部材296の弁座296aから離座して残圧開放弁210を開弁している。これにより、ガス充填カップリング202の内部に残留する高圧ガスは、主弁用ロッド284の脱圧用通路284c,284d、貫通孔286aを通過して脱圧用ロッド298の脱圧用通路298dに流入する。そして、主弁用ロッド284及び脱圧用ロッド298を通過した残留ガスは、残圧開放弁210を介して残圧回収経路261に排出される。よって、ガス充填カップリング202の内部の圧力が外部に脱圧される。
図10は充填開始の第1段階を説明するための縦断面図である。
図10に示されるように、四方切替弁212(図1参照)が切り替えられて左室214aに圧縮空気が供給されると共に、右室214bの空気が排気される。これにより、ピストン286及び主弁用ロッド284が開弁方向(Xb方向)に駆動される。
主弁用ロッド284は、ピストン286が閉弁方向に動作開始しても第1のポペット弁部284aがコイルバネ292のバネ力によりXa方向に押し出されるため、主弁用弁座部材282の弁座282aに着座しており、主弁206は閉弁状態を維持する。
この充填開始第1段階は、ピストン286が充填停止時(図9参照)よりも開弁方向(Xb方向)に移動しているため、ピストン286の右端側に摺動可能に設けられた脱圧用ロッド298は、第2のポペット弁部298aが脱圧用弁座部材296の弁座296aに着座して残圧開放弁210を閉弁している。そのため、残留ガスの流出が残圧開放弁210により防止される。
図11は充填開始の第2段階を説明するための縦断面図である。
図11に示されるように、四方切替弁212(図1参照)が切り替えられて左室214aに圧縮空気が供給されると共に、右室214bの空気が排気される。これにより、ピストン286及び主弁用ロッド284が図10の位置よりもさらに開弁方向(Xb方向)に駆動される。
主弁用ロッド284が開弁方向に動作して第1のポペット弁部284aが主弁用弁座部材282の弁座282aから離座して主弁206を開弁させる。そのため、ガス供給経路58から接続部270に供給された高圧ガスは、連通孔252dを介して弁座282aに供給され、流路282bを通過して連通室311に供給される。さらに、高圧ガスは、連通室311に連通された挿入パイプ308の通路308a,308bを通過してレセプタクル20の貫通孔148cに流入し、燃料タンク18に充填される。
この際、ガス充填カップリング202においては、高圧ガスの一部が主弁用ロッド284の脱圧用通路284c,284d、貫通孔286aを通過して脱圧用ロッド298の脱圧用通路298dに流入する。このように、第1のポペット弁部284aが主弁用弁座部材282の弁座282aから離座したとき、小径な脱圧用通路284c,284dが絞りとして作用することになるので、主弁用ロッド284の脱圧用通路284c,284dを通過して中間圧力バランス室を形成する貫通孔286aに高圧ガスが充填されるまでには、時間遅れが生じる。
そのため、主弁用ロッド284は、第1のポペット弁部284aが鍔部284bより小径でコイルバネ292のバネ力により閉弁方向(Xa方向)に付勢されているが、開弁直後は第1のポペット弁部284aを開弁方向(Xb方向)に押圧する圧力が強いので、第1のポペット弁部284aが比較的小さな力で開弁動作させることができる。
また、脱圧用ロッド298の第2のポペット弁部298aが脱圧用弁座部材296の弁座296aに着座して残圧開放弁210を閉弁している。そのため、ガス充填中は、高圧ガスが残圧回収経路261に排出されない。
尚、脱圧用ロッド298は、両端部に高圧ガスの圧力が作用することになるが、第2のポペット弁部298aよりも鍔部298cの方が大径であり、且つコイルバネ304のバネ力が閉弁方向(Xb方向)に作用しているので、圧力差によって閉弁位置に保持される。
また、主弁シリンダ214には、第1の小径部286cが摺動する第1の低圧室214cと、第2の小径部286dが摺動する第2の低圧室214dとが設けられ、且つ第2の貫通孔286b及び分岐通路296c、洩れガス放気通路280bを介して残圧回収経路261に連通されている。そのため、第1の低圧室214c及び第2の低圧室214dは、大気圧程度に減圧されており、ピストン286を駆動する際の負荷が軽減される。よって、ピストン286による開弁動作あるいは閉弁動作がスムーズに行える。
ここで、図12乃至図14に示すフローチャートを参照してガス充填操作手順及び制御装置220の処理手順について説明する。
図12に示されるように、制御装置220は、S11で電源装置222がオンにセットされると、S12で電源ランプ224を点灯表示させる。続いて、S13に進み、空気経路60を介して空気源(図示せず)からの圧縮空気をガス充填カップリング202に供給させる。
次のS14では、圧力スイッチ30がオンかどうかをチェックする。S14において、圧力スイッチ30がオフであるときは、圧縮空気の圧力が不足しているので、上記S11に戻る。また、S14で圧縮空気の圧力が規定値以上であるときは、圧力スイッチ30がオンになってS15に進み、圧縮空気供給ランプ226を点灯表示させる。
そして、S16では、操作者がガス充填カップリング202の結合部256が車両12のレセプタクル20に結合させる(図9参照)。次のS17では、リミットスイッチ236がオンかどうかをチェックする。S17において、図5(B)に示されるように、レセプタクル20に結合部256が結合されてロック状態(係止球330がレセプタクル20に係合した状態)になると、押圧リング332に固定された被検出部材356が切片236aに当接するため、リミットスイッチ236がオンに切り替わる。
S17でリミットスイッチ236がオンになると、S18に進み、カップリング接続ランプ228を点灯表示させる。続いて、図13に示すS19に進み、充填開始スイッチ234がオンに操作されたかどうかをチェックする。操作者は、カップリング接続ランプ228が点灯したことを確認して充填開始スイッチ234をオンに操作する。S19において、充填開始スイッチ234がオンになると、S20に進み、四方切替弁212のソレノイド212aに通電して四方切替弁212を切り替える(図1参照)。
これにより、空気経路60からの圧縮空気は、四方切替弁212の開弁側ポート212d、管路216を介して主弁シリンダ214の左室214aに供給されると共に、主弁シリンダ214の右室214bは、管路218、閉弁側ポート212eを介して放気ポート212cと連通される。
そのため、ガス充填カップリング202のピストン286が開弁方向(Xb方向)に移動して主弁用ロッド284を開弁動作させると共に脱圧用ロッド298を閉弁動作させる(図10及び図11参照)。
S21では、脱圧用ロッド298の閉弁動作により残圧開放弁210が閉弁し、S22では主弁用ロッド284の開弁動作により主弁206が開弁する。そして、係止機構336の係止ピン338が押圧リング332を係止する。これで、押圧リング332は、係止球330が差込部材150の凹部150bに嵌合したロック状態を維持するように係止される。
次のS24では、ガス用開閉弁32のソレノイド32aに通電してガス用開閉弁32を開弁させてガス供給経路58を介して供給された高圧ガスをガス充填カップリング202に供給する。これで、車両12の燃料タンク18に対する高圧ガスの充填が開始される。
そして、S25では、充填中ランプ230を点灯表示させる。次のS26では、充填停止スイッチ232がオンに操作されたかどうかをチェックする。S26で充填停止スイッチ232がオンに操作された場合は、S27に進み、リミットスイッチ236、及び四方切替弁212のソレノイド212aが両方ともオンかどうかをチェックする。
S27において、リミットスイッチ236、及び四方切替弁212のソレノイド212aが両方ともオンの場合には、S28で充填終了かどうかをチェックする。上記S26において、充填停止スイッチ232がオンに操作された場合には、S28において、高圧ガスの充填が終了したものと判断し、図14に示すS29に進む。
また、充填停止スイッチ232がオンに操作されないときは、S28からS26に戻り、S26〜S28の処理を繰り返す。また、S27において、リミットスイッチ236、及び四方切替弁212のソレノイド212aが両方ともオンではない場合には、ロック機構307がロック解除したか、S28に進む。
S29では、ガス用開閉弁32のソレノイド32aへの通電が停止され、ガス用開閉弁32を閉弁させる。これにより、ガス充填カップリング202への高圧ガスの供給が停止する。そして、S30では、充填中ランプ230を消灯させる。
続いて、S31に進み、四方切替弁212のソレノイド212aへの通電を停止させる。これにより、四方切替弁212は、図1に示されるように、コイルバネ212fのバネ力によりスプール(図示せず)が上動するため、空気経路60からの圧縮空気は、管路218、閉弁側ポート212eを介して主弁シリンダ214の右室214bに供給されると共に、主弁シリンダ214の左室214aは、管路216、開弁側ポート212dを介して放気ポート212cと連通される。
そのため、ガス充填カップリング202のピストン286が閉弁方向(Xa方向)に移動して主弁用ロッド284を閉弁動作させると共に脱圧用ロッド298を開弁動作させる(図9参照)。そして、S32では主弁用ロッド284の閉弁動作により主弁206が閉弁する。S33では、脱圧用ロッド298の開弁動作により残圧開放弁210が開弁し、ガス充填カップリング202の内部に残圧が残圧回収経路261へ放出される。
そして、S34では、係止機構336の係止ピン338を押圧していた圧縮空気の供給が停止するため、係止ピン338が押圧リング332から離間して係止を解除する。次に、操作者は、操作リング268をコイルバネ364,366のバネ力に抗してD方向(図5(B)、図6参照)に回動させる。これで、押圧リング332もD方向(ロック解除方向)に回動する。そのため、係止球330は、差込部材150の凹部150bから離間してロック解除状態に切り替わる。
S36では、リミットスイッチ236がオフかどうかをチェックする。S36において、レセプタクル20と結合部256とをロックするロック機構307がロック解除状態になると、押圧リング332に固定された被検出部材356がリミットスイッチ236から離間してリミットスイッチ236がオフに切り替わる。そして、S37では、カップリング接続ランプ228を消灯させる。これで、操作者は、ガス充填が終了し、ガス充填カップリング202の結合部256を車両12のレセプタクル20から分離させることができる。
なお、上記実施例においては、主弁用ロッド284をXa方向に付勢するためにコイルバネ292を設け、さらに、脱圧用ロッド298をXb方向に付勢するためコイルバネ304を設けているが、別構造として、主弁用ロッド284の鍔部材284bと、脱圧用ロッド298の鍔部298cとの間に圧縮コイルバネを一つ設けることにより、主弁用ロッド284をXa方向に付勢し、脱圧用ロッド298をXb方向に付勢することが可能となる。
上記実施例では、高圧に圧縮された水素ガスを充填するためのガス充填カップリングについて説明したが、これに限らず、これ以外の高圧ガス(例えば、CNGなども含む)を充填するのにも適用できるのは勿論である。
また、上記実施例においては、車両の燃料タンクに高圧ガスを充填する場合を一例として挙げたが、これに限らず、車両以外の被充填タンクにガスを充填するのにも適用できるのは勿論である。
ガス充填カップリングの実施例2が適用されたガス充填システムを示す構成図である。 本発明になるガス充填カップリングの実施例2を示す縦断面図である。 主弁206及び残圧開放弁210の具体的な内部構造の一例を示す縦断面図である。 カップリング本体252の結合部の具体的な内部構造の一例を示す縦断面図である。 係止機構336及びリミットスイッチ236の取付構造を示す図であり、(A)は係止機構336の取付状態を示す平面図、(B)は図4中A−A線に沿う縦断面図、(C)はリミットスイッチ236の取付状態を示す底面図である。 図4中B−B線に沿う縦断面図である。 ガス充填カップリング202の結合部256をレセプタクル20に結合させる際の操作及び動作について説明するための縦断面図である。 ガス充填カップリング202の結合部256をレセプタクル20に結合させた状態を示す縦断面図である。 ガス充填停止状態を示す縦断面図である。 充填開始時の動作を説明するための縦断面図である。 充填開始直後の動作を説明するための縦断面図である。 ガス充填操作手順及び制御装置220の処理手順を説明するためのフローチャートである。 図12に続いて行われるガス充填操作手順及び制御装置220の処理手順を説明するためのフローチャートである。 図13に続いて行われるガス充填操作手順及び制御装置220の処理手順を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
18 燃料タンク
20 レセプタクル
58 ガス供給経路
60 空気経路
200 ガス充填システム
202 ガス充填カップリング
204 ディスペンサ
206 主弁
208 閉止弁
210 残圧開放弁
212 四方切替弁
214 主弁シリンダ
214c 第1の低圧室
214d 第2の低圧室
216 第1の管路
218 第2の管路
220 制御装置
234 充填開始スイッチ
236 カップリング着脱リミットスイッチ
252 カップリング本体
256 結合部
268 操作リング
278 保持部材
280 蓋部材
280b 洩れガス放気通路
282 主弁用弁座部材
284 主弁用ロッド
284a 第1のポペット弁部
286 ピストン
288 コイルバネ270,272,274 接続部
296 脱圧用弁座部材
296b 脱圧通路
298 脱圧用ロッド
298a 第2のポペット弁部
300 第2のガイド部材
302 第3のガイド部材
307 ロック機構
308 挿入パイプ
318 第4のガイド部材
326 抜け防止用ストッパ
330 係止球
332 押圧リング
334 空気通路
336 係止機構
338 係止ピン
342 シリンダ孔
344 空気供給孔
352 スイッチベース
356 被検出部材

Claims (3)

  1. 加圧されたガスが供給されるカップリング本体と、
    該カップリング本体の一端に設けられ、被充填タンクのレセプタクルに結合される結合手段と、
    前記カップリング本体内に設けられ、前記被充填タンクへのガスの供給経路を開閉弁する主弁と、
    前記主弁を駆動する弁駆動手段とからなるガス充填カップリングにおいて、
    前記結合手段を、前記レセプタクルが挿入される筒部と、該筒部に前記レセプタクルが挿入された際に内方に突出して前記レセプタクルの凹部に嵌合することにより該レセプタクルの離間を防ぐ固定手段と、前記筒部の外周に設けられ、前記固定手段が突出した際に所定位置まで回動して前記固定手段を突出状態に維持する突出維持手段とから構成し、
    該突出維持手段が所定位置まで回動したことを検出し電気信号として出力する回動検出手段を設けたことを特徴とするガス充填カップリング。
  2. 前記突出維持手段が所定位置まで回動した状態で回動を規制にする回動規制手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のガス充填カップリング。
  3. 前記主弁にピストンを結合し、該ピストンが摺動すくシリンダを設け、該シリンダへの圧縮空気の供給により前記主弁を開弁駆動すると共に、該シリンダへ供給する圧縮空気により前記回動規制手段を回動規制状態とすることを特徴とする請求項2記載のガス充填カップリング。
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