JP2006283111A - アルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板、その鋼板を用いた接合方法および接合継手 - Google Patents

アルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板、その鋼板を用いた接合方法および接合継手 Download PDF

Info

Publication number
JP2006283111A
JP2006283111A JP2005104154A JP2005104154A JP2006283111A JP 2006283111 A JP2006283111 A JP 2006283111A JP 2005104154 A JP2005104154 A JP 2005104154A JP 2005104154 A JP2005104154 A JP 2005104154A JP 2006283111 A JP2006283111 A JP 2006283111A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
brazing
steel plate
steel sheet
based material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005104154A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4452205B2 (ja
Inventor
Yukihiro Uchiumi
幸博 内海
Seiji Sasabe
誠二 笹部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2005104154A priority Critical patent/JP4452205B2/ja
Publication of JP2006283111A publication Critical patent/JP2006283111A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4452205B2 publication Critical patent/JP4452205B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)

Abstract

【課題】アルミニウム系材料とのロウ付け接合により、剪断引張強度のみならず引き剥がし強度にも優れた接合継手が得られるような鋼板を提供する。
【解決手段】本発明に係る鋼板は、溶融亜鉛めっき鋼板および電気亜鉛めっき鋼板よりなる群から選ばれたいずれか1種の鋼板であって、質量%で(以下、同じ。)、C:0.05〜0.25%、Si:1.5%以下、Mn:0.1〜3.5%、P:0.05%以下、S:0.03%以下、Al:0.1%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物よりなり、かつ、C+Mn/40≧0.12を満たすことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車用構造物などの組立工程の際に必要となる鋼板とアルミニウム系材料との接合技術に関し、詳しくは、アルミニウム系材料とロウ付けで接合するのに適した鋼板、その鋼板とアルミニウム系材料との接合方法、およびその方法で接合された接合継手に関する。
鉄系材料の一種である鋼板とアルミニウム系材料(アルミニウムおよびアルミニウム合金を総称したもの)とを接合する場合、接合部に脆い金属間化合物が生成しやすいために信頼性のある高強度を有する接合部を得ることは非常に困難であった。
この対策として以下のような多数の従来技術が開示されている。
例えば、鉄系材料の表面に特定の組成の鉄−クロム層を設けアルミニウムと重ね合わせて加圧しながら加熱して接合する方法(特許文献1参照)、予め用意した鉄系材料層およびアルミニウム合金層からなる2層のクラッド材を介在させてレーザ溶接、抵抗溶接またはシーム溶接する方法(特許文献2〜4参照)、鉄系材料の接合部にアルミニウム系溶射材を溶射しTIG溶接する方法(特許文献5参照)、鉄系材料の接合部にアルミニウム、銅、亜鉛などのめっきを施しロウ付けする方法(特許文献6および7参照)、接合面に岩塩型構造の窒化物、炭化物またはケイフッ化カリウムの被覆層を形成しロウ付けする方法(特許文献8および9参照)などである。
しかしながら、上記従来技術には以下のような問題がある。
鉄系材料の表面に特定の組成の鉄−クロム層を設けアルミニウムと重ね合わせて加圧しながら加熱して接合する方法(特許文献1参照)は、平板など比較的単純な形状の部材同士の接合には利用可能であるが、プレス加工品など部材の形状が複雑な場合には適用できないため、適用範囲が狭く汎用性が劣っている。
予め用意した鉄系材料層およびアルミニウム合金層からなる2層のクラッド材を介在させてレーザ溶接、抵抗溶接またはシーム溶接する方法(特許文献2〜4参照)では、鉄系材料とアルミニウム系材料との間にクラッド材がインサートされるため、2枚の板の接合が3枚の板の接合となる。このため、実際の施工時にインサート材(クラッド材)の挿入工程や固定工程を必要とし工程が複雑となるため品質の安定性が確保できない問題がある。
鉄系材料の接合部にアルミニウム系溶射材を溶射しTIG溶接する方法(特許文献5参照)、鉄系材料の接合部にアルミニウム、銅、亜鉛などのめっきを施しロウ付けする方法(特許文献6および7参照)、接合面に岩塩型構造の窒化物、炭化物またはケイフッ化カリウムの被覆層を形成しロウ付けする方法(特許文献8および9参照)は、溶射やめっき、コーティングの工程を必要とし、上記と同様に工程が複雑となるため品質の安定性が確保できない問題がある。
上記いずれの方法とも、上記問題以外に、現状の溶接ラインに新たな設備を組み入れなければならないため設備コストが高くなる問題があった。さらに、クラッド材を用いる方法では、クラッド材自体も鉄系材料とアルミニウム系材料とを接合して製造する必要があることからその製造条件が厳しく制約され、安価でかつ性能の安定したクラッド材を入手することが困難であった。
鉄系材料とアルミニウム系材料との接合に上記のような種々の方法が提案されている背景の1つとして、鉄系材料とアルミニウム系材料とを直接溶融接合すると接合部に脆弱な金属間化合物が生成し、割れを生じ易くなることが挙げられる。そのため、ロウ材を用いて接合する場合を含めて鉄系材料とアルミニウム系材料とを直接接合する際には、鉄系材料とアルミニウム系材料との界面近傍に脆弱な金属間化合物層を如何にして生成させないようにするかが極めて重要となる。
このような観点から、ロウ材(またはロウ付けワイヤ)の成分を調整して接合部における金属間化合物の生成を抑制しつつ接合する方法(特許文献10および11参照)が提案されている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、ロウ材(またはロウ付けワイヤ)の成分を適切に選定しても、鋼板とアルミニウム系材料とをロウ付けして得られた接合継手は、剪断引張強度はともかくとして、引き剥がし強度が著しく低くなる場合があることがわかった。
特開昭63−235083号公報 特開平4−81288号公報 特開平7−47477号公報 特開平11−197846号公報 特開平11−291043号公報 特開昭62−238066号公報 特開平5−185217号公報 特開平8−257743号公報 特開平9−225631号公報 特開平3−285761号公報 特開2003−33865号公報
そこで、本発明は、アルミニウム系材料とのロウ付け接合により、剪断引張強度のみならず引き剥がし強度にも優れた接合継手が得られるような鋼板を提供することを目的とし、さらにその鋼板を用いた接合方法および接合継手を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、溶融亜鉛めっき鋼板および電気亜鉛めっき鋼板よりなる群から選ばれたいずれか1種の鋼板であって、質量%で(以下、同じ。)、C:0.05〜0.25%、Si:1.5%以下、Mn:0.1〜3.5%、P:0.05%以下、S:0.03%以下、Al:0.1%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物よりなり、かつ、C+Mn/40≧0.12を満たすことを特徴とする、アルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板である。
請求項2に記載の発明は、さらに、Cr、Moのうち1種または2種を合計で1.0%以下含有する、請求項1に記載のアルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板である。
請求項3に記載の発明は、さらに、Ti、Nb、V、Zrのうち1種または2種以上を合計で0.1%以下含有する、請求項1または2に記載のアルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板である。
請求項4に記載の発明は、さらに、B:0.003%以下含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板である。
請求項5に記載の発明は、さらに、Cu、Niのうち1種または2種を合計で0.6%以下含有する、項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板である。
請求項6に記載の発明は、さらに、Ca:0.005%以下含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板である。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の鋼板と、アルミニウム系材料とをロウ付けで接合することを特徴とする、鋼板とアルミニウム系材料との接合方法である。
請求項8に記載の発明は、前記ロウ付けがMIGロウ付けまたはTIGロウ付けである、請求項7に記載の鋼板とアルミニウム系材料との接合方法である。
請求項9に記載の発明は、前記請求項7または8に記載の方法で接合されたものである、鋼板とアルミニウム系材料との接合継手である。
本発明に係る鋼板を用いることにより、アルミニウム材料とロウ付けする際の加熱によって鋼板の接合部表面にCおよびMnが濃化し、アルミニウム系材料との界面に生成する脆い鉄−アルミニウム金属間化合物の生成が抑制され、剪断引張強度のみならず引き剥がし強度にも優れた接合継手が得られる。
〔実施形態〕
(1)本発明に係る鋼板の構成
まず、本発明に係る鋼板の化学成分の限定理由について説明する。
Cは、マルテンサイト等の低温変態組織を生成し、鋼板を高強度化するために必須の元素であり、このC量が低くなると所定の低温変態組織量が得られず強度不足を招くため、下限を0.05%とする。しかし、過多に含有させると成形性や溶接性が阻害されるので、含有量の上限を0.25%とする。より好ましいC含有量の範囲は0.05〜0.20%である。
Siは、鋼板の伸びの低下を抑制しながら高強度化するために有効な固溶強化元素である。しかし、含有量が多すぎると、化成処理性や亜鉛めっき等のめっき密着性を劣化させるので、その上限を1.5%とする。より好ましいSi含有量の上限は1.0%である。
Mnは、C同様、鋼板を高強度化するために必須の元素であるが、含有量が多いと延性を劣化させるので、その上限を3.5%とする。一方、0.1%より少ないとその効果が過小であるので、下限を0.1%とする。より好ましいMn含有量の範囲は0.5〜0.03%である。
Pは、鋼板を強化し延性を高めるためにも有効な元素であるが、反面、粒界に偏析しやすく粒界強度を低下させ靭性も低下するので、その上限は0.05%とする。より好ましいP含有量の範囲は0.01〜0.03%である。
Sは不純物であり、含有量が多いと鋼中の介在物が増加して加工性が劣化するので、その上限を0.03%とする。より好ましいS含有量の上限は0.015%である。
Alは溶鋼の脱酸剤として有用な元素である。しかし、含有量が0.1%を超えると鋼板の清浄度が損なわれるとともに、表面疵が生じ易くなるので、その上限を0.10%とする。より好ましいAl含有量の範囲は0.03〜0.06%である。
次に、C+Mn/40≧0.12の規定を設けた理由について説明する。発明者らの検討によれば、アルミニウム材料とロウ付けする際の加熱によって鋼板の接合部表面にCおよびMnが濃化する現象が認められた。現段階では詳細なメカニズムは明確ではないが、このCおよびMnの濃化の度合いが一定以上になると、アルミニウム系材料との界面に生成する脆い鉄−アルミニウム金属間化合物の生成が顕著に抑制されるようになり、剪断引張強度とともに引き剥がし強度にも優れた接合継手が得られることがわかった。さらに、この接合継手の剪断引張強度および引き剥がし強度は、ともにC+Mn/40と強い相関関係を有し、C+Mn/40が0.12以上になると剪断引張強度、引き剥がし強度とも所要の強度が得られることを見いだした(後記実施例参照)。以上より、C+Mn/40≧0.12と規定した。
また本発明に係る鋼板には、上記以外に下記の化学成分を含有させてもよい。
Cr,Moは、鋼板の焼入れ性を向上させるために有効な元素である。しかし、これらの元素を過度に含有させると、延性の低下をもたらすとともに高価な金属であるので製造コストが高くなる。したがって、含有量の上限はCrおよびMoの合計量で1.0%とする。なお、CrおよびMoは、どちらか1種のみを含有させてもよいし、両方とも含有させてもよい。
Ti,Nb,V,Zrは、組織の微細化や析出強化を目的として含有させるものである。しかし、これらの元素を過度に含有させると、析出物が増加し、延性を著しく劣化させるため、含有量の上限は、Ti、Nb、VおよびZrの合計量で0.1%とする。なお、これらの元素は、いずれか1種のみを含有させてもよいし、いずれか2種以上を含有させてもよい。
Bは、鋼板の焼入れ性を大きく向上するとともに、焼入れ組織の靱性向上にも効果のある有用な元素である。しかし、過度に含有させるとその効果が飽和するとともに延性を低下させるので、0.003%を含有量の上限とする。
Cu,Niは、生成錆を緻密化して大気環境下における鋼板の腐食速度を著しく低減し、耐遅れ破壊特性の向上を図る上で極めて有用な元素である。また、これらの元素は電気化学的に鉄よりも貴な元素であることから、相乗的に鋼板の耐食性を向上させる。しかし、これらの元素の過度の含有は、熱間圧延時に脆化を引き起こす恐れがあるとともに、高価な金属であるので製造コストが高くなる。したがって、含有量の上限はCuおよびNiの合計量で0.6%とする。なお、CuおよびNiは、どちらか1種のみを含有させてもよいし、両方とも含有させてもよい。
Caは、硫化物系介在物の低減そのものと、生じる硫化物系介在物の形態制御に有用な元素である。しかし、過度の含有は、効果が飽和するとともに、鋼の清浄度を悪くする。したがって、その上限は0.005%とする。
なお、本発明に係る鋼板は、溶融亜鉛めっき鋼板および電気亜鉛めっき鋼板のうちのいずれであってもよい。ここで、溶融亜鉛めっき鋼板または電気亜鉛めっき鋼板を用いると、アルミニウム系材料とロウ付けする際、亜鉛めっきとロウ材の界面において、金属間化合物および酸化物からなる層が形成される。そして、この層中のめっき成分である亜鉛が、母材の鋼板およびアルミニウム系材料(異種金属部材と総称)の表面の酸化物から酸素を奪いながら、ロウ材中に拡散していく。これにより、異種金属部材の表面は活性化され、ロウ材のぬれが生じ、異種金属部材表面には、ロウ材の成分と異種金属部材の成分とからなる化合物層が形成されるとともに、その化合物層を介してロウ材が強固に付着し、ロウ材からなるめっき層が形成される(特許文献7の段落[0006]参照)。したがって、溶融亜鉛めっき鋼板または電気亜鉛めっき鋼板を用いると、亜鉛めっきを施していない裸の鋼板を用いる場合に比べて、より接合強度に優れた継手が得られるものと推察される。
(2)本発明に係る鋼板を用いた接合方法
上記化学成分からなる鋼板をアルミニウム系材料とロウ付けすることにより、剪断引張強度とともに引き剥がし強度にも優れた接合継手が得られる。
ここで、ロウ材としては、アルミニウム系材料どうしを接合するのに一般的に用いられるロウ材であれば特に限定されないが、例えば銅合金、Ni合金、アルミニウム合金等を用いることができる。
また、ロウ付け方法としては、通常の手作業で行うロウ付け法の他、汎用の溶接装置を使用しアークによってロウ付けを行うMIGロウ付け法(特許文献11参照)やTIGロウ付け法などを用いることもできる。なお、MIGロウ付け法に用いられる溶接形態としては、その溶滴移行現象に関係して、短絡アーク、パルスアーク、スプレーアーク等による直流MIGならびに交流MIGが存在するが、いずれの溶接形態においても本発明の効果が得られるものであり、限定されるものではない。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
アルミ合金系MIGロウ付け用ワイヤを用いて、表1に示す種々の化学成分を有する鋼板Aとアルミニウム系材料Bとの重ねすみ肉溶接試験を行った。溶接条件は、電流:85A、電圧:10V、速度:180cm/minである。また、シールドガスとしてはAr(流量は25L/min)を使用し、アークの狙い位置は下板側コーナ部11bとした。
具体的には、厚さ1.0mmのアルミニウム系材料としてのA6022アルミニウム合金板B(下板12)と、厚さ1.0〜1.4mmの鋼板A(上板11)とを重ね合わせて重ねすみ肉継手を形成し、アルミ合金系MIGロウ付け用ワイヤ13を用いて鋼板Aとアルミニウム合金板Bとの溶接(接合)を行なった(図1参照)。なお、鋼板Aとしては、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)または電気亜鉛めっき鋼板(EG)を用いた。また、アルミ合金系MIGロウ付け用ワイヤ13としては、Siを2.5%含有したアルミ合金系MIGロウ付け用ワイヤ、Siを5%含有したアルミ合金系MIGロウ付け用ワイヤ(A4043)、またはMgを2.5%含有したアルミ合金系MIGロウ付け用ワイヤ(A5554)を用いた。
試験片の平面サイズは、鋼板A、アルミニウム合金板Bとも150mm×400mmとし、直径1.2mmの溶接ワイヤ(MIGロウ付用ワイヤ)13を使用した。溶接(接合)後、板幅25mmの継手強度評価用試験片を採取し、図2に示す剪断引張り試験片、またはジグに挟み込み接合部(上板11の端面)から10mmの位置で90度曲げて図3に示す引き剥がし試験片とした。そして、それぞれの試験片を用いて10mm/minの速度で剪断引張試験と引き剥がし試験を行い、下記式(1)にしたがい継手強度を、式(2)にしたがい強度比を算出した。なお、A6022アルミニウム合金板どうしの継手強度は上記と同様の実験により測定し、その剪断引張強度は158N/mm、引き剥がし強度は30.3N/mmであった。
式(1)(継手強度)=(最大荷重点荷重)/(接合部長さ)
式(2)(強度比)=(継手強度)/(6022アルミニウム合金板どうしの継手強度)
表1に、本溶接試験に使用した各鋼板のめっきの種類、鋼の成分、機械的性質(JIS5号試験片にて測定)、めっき付着量および板厚を示す。表2に、本溶接試験で得られた継手の剪断引張り強度、引き剥がし強度およびこれらの強度比を示す。
Figure 2006283111
Figure 2006283111
また、図5に鋼板のC+Mn/40と継手の剪断引張強度の強度比との関係を、図6に鋼板のC+Mn/40と継手の引き剥がし強度の強度比との関係を示す。図5および図6より、C+Mn/40<0.12では剪断引張強度の強度比は80%を下回ることがあり、また引き剥がし強度の強度比はすべて50%を下回る(表2の鋼種No.10〜13参照)のに対し、2C+Mn/40≧0.12とすることで剪断引張強度の強度比は常に80%以上、引き剥がし強度の強度比は常に50%以上が得られる(表2の鋼種No.1〜9参照)ことがわかる。さらに、表1および表2の鋼種No.11のデータから明らかなように、単にCおよびMnを含めた個々の元素の含有量が本発明の成分範囲を満たすだけでは不十分であり、C+Mn/40の値が本発明の規定する範囲(0.12以上)を満たさない限りは、引き剥がし強度が十分に得られないことがわかる。
また、接合部近傍のEPMA分析により、発明例の鋼板を用いた場合は、比較例の鋼板を用いた場合に比べ、ロウ付け後の鋼板の接合部表面にCおよびMnがより高濃度に濃化しているのが認められた。
したがって、本発明が規定する各元素の成分範囲とC+Mn/40≧0.12とを同時に満たす鋼板を用いることにより、アルミニウム系材料とロウ付けしても、剪断引張強度のみならず引き剥がし強度も安定して高い値を示す接合継手が得られることを確認できた。
重ねすみ肉溶接方法を模式的に示す断面図である。 剪断引張試験片の構成を模式的に示す断面図である。 引き剥がし試験片の構成を模式的に示す断面図である。 C+Mn/40と剪断引張強度の強度比との関係を示すグラフ図である。 C+Mn/40と引き剥がし強度の強度比との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
11…上板
11b…下板側コーナ部
12…下板
13…MIGロウ付用ワイヤ(溶接ワイヤ)
14…アークトーチ(溶接トーチ)
A…鋼板
B…アルミニウム系材料(アルミニウム合金板)
C…ロウ材(溶接金属)

Claims (9)

  1. 溶融亜鉛めっき鋼板および電気亜鉛めっき鋼板よりなる群から選ばれたいずれか1種の鋼板であって、質量%で(以下、同じ。)、C:0.05〜0.25%、Si:1.5%以下、Mn:0.1〜3.5%、P:0.05%以下、S:0.03%以下、Al:0.1%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物よりなり、かつ、C+Mn/40≧0.12を満たすことを特徴とする、アルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板。
  2. さらに、Cr、Moのうち1種または2種を合計で1.0%以下含有する、請求項1に記載のアルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板。
  3. さらに、Ti、Nb、V、Zrのうち1種または2種以上を合計で0.1%以下含有する、請求項1または2に記載のアルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板。
  4. さらに、B:0.003%以下含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板。
  5. さらに、Cu、Niのうち1種または2種を合計で0.6%以下含有する、項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板。
  6. さらに、Ca:0.005%以下含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の鋼板と、アルミニウム系材料とをロウ付けで接合することを特徴とする、鋼板とアルミニウム系材料との接合方法。
  8. 前記ロウ付けがMIGロウ付けまたはTIGロウ付けである、請求項7に記載の鋼板とアルミニウム系材料との接合方法。
  9. 前記請求項7または8に記載の方法で接合されたものである、鋼板とアルミニウム系材料との接合継手。

JP2005104154A 2005-03-31 2005-03-31 アルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板、その鋼板を用いた接合方法および接合継手 Expired - Fee Related JP4452205B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005104154A JP4452205B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 アルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板、その鋼板を用いた接合方法および接合継手

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005104154A JP4452205B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 アルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板、その鋼板を用いた接合方法および接合継手

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006283111A true JP2006283111A (ja) 2006-10-19
JP4452205B2 JP4452205B2 (ja) 2010-04-21

Family

ID=37405321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005104154A Expired - Fee Related JP4452205B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 アルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板、その鋼板を用いた接合方法および接合継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4452205B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018155492A1 (ja) 2017-02-22 2018-08-30 日新製鋼株式会社 レーザろう付け方法および重ね継手部材の製造方法
WO2018155508A1 (ja) 2017-02-22 2018-08-30 日新製鋼株式会社 Migろう付け方法、重ね継手部材の製造方法、および重ね継手部材

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018155492A1 (ja) 2017-02-22 2018-08-30 日新製鋼株式会社 レーザろう付け方法および重ね継手部材の製造方法
WO2018155508A1 (ja) 2017-02-22 2018-08-30 日新製鋼株式会社 Migろう付け方法、重ね継手部材の製造方法、および重ね継手部材
KR20190116432A (ko) 2017-02-22 2019-10-14 닛테츠 닛신 세이코 가부시키가이샤 레이저 브레이징 방법 및 겹치기 이음 부재의 제조방법
KR20190116431A (ko) 2017-02-22 2019-10-14 닛테츠 닛신 세이코 가부시키가이샤 Mig 브레이징 방법, 겹치기 이음 부재의 제조방법, 및 겹치기 이음 부재
KR102061470B1 (ko) 2017-02-22 2019-12-31 닛테츠 닛신 세이코 가부시키가이샤 Mig 브레이징 방법, 겹치기 이음 부재의 제조방법, 및 겹치기 이음 부재
US20200055133A1 (en) * 2017-02-22 2020-02-20 Nippon Steel Nisshin Co., Ltd. Method for mig brazing, method for manufacturing lap joint member, and lap joint member
US10792746B2 (en) 2017-02-22 2020-10-06 Nippon Steel Nisshin Co., Ltd. Laser brazing method and production method for lap joint member
US10807177B2 (en) 2017-02-22 2020-10-20 Nippon Steel Nisshin Co., Ltd. Method for MIG brazing, method for manufacturing lap joint member, and lap joint member
JP6996547B2 (ja) 2017-02-22 2022-01-17 日本製鉄株式会社 Migろう付け方法、重ね継手部材の製造方法、および重ね継手部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP4452205B2 (ja) 2010-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5098217B2 (ja) 溶接部の耐食性および耐亜鉛脆化割れ性に優れた亜鉛めっき鋼板の溶接継手並びにその製造方法
JP5198528B2 (ja) 異材接合用溶加材及び異材接合方法
JP2005305504A (ja) 鋼材とアルミニウム材との異材接合体とその接合方法
JP6594266B2 (ja) ガスシールドアーク溶接方法及び溶接構造物の製造方法
JP5700394B2 (ja) 耐食性に優れる自動車シャシ部材およびその製造法
JP4303655B2 (ja) 溶接部の耐食性および耐亜鉛脆化割れ性に優れた亜鉛めっき鋼板の溶接方法
JP4452204B2 (ja) アルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板、その鋼板を用いた接合方法および接合継手
JP2018039019A (ja) スポット溶接方法
KR20210089764A (ko) 스폿 용접 부재
JP5059455B2 (ja) アルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板、その鋼板を用いた接合方法および接合継手
JP4640995B2 (ja) アルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板、その鋼板を用いた接合方法および接合継手
JP4452205B2 (ja) アルミニウム系材料とのロウ付け接合用鋼板、その鋼板を用いた接合方法および接合継手
JP2011206842A (ja) 耐食性に優れる自動車シャシ部材およびその製造法
JP4173990B2 (ja) 溶接用亜鉛系合金めっき鋼材およびその電縫鋼管
JPH0825041B2 (ja) クラッド鋼管の製造方法
KR102061470B1 (ko) Mig 브레이징 방법, 겹치기 이음 부재의 제조방법, 및 겹치기 이음 부재
JP6829111B2 (ja) Tig溶接用溶加材
JP5187833B2 (ja) 亜鉛系合金めっき鋼材の溶接方法
JP7031796B2 (ja) クラッド鋼板及びその製造方法
JP2003126989A (ja) 高耐食性高Moオーステナイト系ステンレス鋼の溶接方法
JP2015003340A (ja) 耐食性に優れる自動車シャシ部材およびその製造法
WO2024070191A1 (ja) 溶接継手およびその製造方法
WO2024070192A1 (ja) 溶接継手およびその製造方法
WO2024063010A1 (ja) 溶接部材およびその製造方法
JP6331746B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼溶接ワイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4452205

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140205

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees