JP2006282059A - 鉄道車両用減衰力可変式ヨーダンパ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複雑な構造を必要とせず、またばね下質量を増大させることなく、高速走行安定性と小曲線通過性能を両立した鉄道車両用台車を提供する。
【解決手段】 高速走行安定性を確保すうためのヨーダンパ装置23の減衰力を可変とする。例えばある一定曲線半径以下の曲線において、自車の走行地点と地点情報から小曲線あるいは緩和曲線への侵入を検知し、制御装置26は、電磁弁28に指令を送り、ヨーダンパ装置23の減衰力を開放する。また、当該曲線脱出時には同様の手段によってヨーダンパ装置の減衰力を回復させる。高速走行時にはヨーダンパの減衰力が十分大きいため走行安定性を確保でき、小曲線通過時には減衰力を開放するので台車の操舵抵抗を小さくでき、その結果著大横圧の発生がなく小曲線通過性能が上がる。
【選択図】 図2
【解決手段】 高速走行安定性を確保すうためのヨーダンパ装置23の減衰力を可変とする。例えばある一定曲線半径以下の曲線において、自車の走行地点と地点情報から小曲線あるいは緩和曲線への侵入を検知し、制御装置26は、電磁弁28に指令を送り、ヨーダンパ装置23の減衰力を開放する。また、当該曲線脱出時には同様の手段によってヨーダンパ装置の減衰力を回復させる。高速走行時にはヨーダンパの減衰力が十分大きいため走行安定性を確保でき、小曲線通過時には減衰力を開放するので台車の操舵抵抗を小さくでき、その結果著大横圧の発生がなく小曲線通過性能が上がる。
【選択図】 図2
Description
本発明は鉄道車両用台車に係り、特に高速走行時には台車蛇行動の発生を抑制する目的で台車に設置されている鉄道車両用減衰力可変式ヨーダンパ装置に関するものである。
高速走行時の台車蛇行動を抑制するための機構としてヨーダンパ装置が用いられている。
これは車体−台車間に1組2台以上のダンパ装置を取付け、台車の車体に対する回転運動を抑制することで、軌道からの加振により台車が回転方向に運動し始めた場合に、この振動を速やかに減衰させることを目的として使用されている。
したがってヨーダンパ装置の減衰係数は基本的に大きい方が高速走行安定性の観点からは有効である。
これは車体−台車間に1組2台以上のダンパ装置を取付け、台車の車体に対する回転運動を抑制することで、軌道からの加振により台車が回転方向に運動し始めた場合に、この振動を速やかに減衰させることを目的として使用されている。
したがってヨーダンパ装置の減衰係数は基本的に大きい方が高速走行安定性の観点からは有効である。
一方、車庫内や駅およびそれに付帯した線区においては曲線半径の小さな曲線が設置されていることが多く、このような小曲線を通過する場合には車体と台車間には相対的な回転変位が生じる。
このとき車体−台車間の回転角度は、曲線半径に応じて幾何学的に決まる角度、すなわち車輪がレール接線方向を向き、アタック角が0度となるまで台車回転するのが、曲線通過性能上最も有利である。
このとき車体−台車間の回転角度は、曲線半径に応じて幾何学的に決まる角度、すなわち車輪がレール接線方向を向き、アタック角が0度となるまで台車回転するのが、曲線通過性能上最も有利である。
しかし、実際の車体−台車間の回転角度は、車輪とレール間の摩擦力に起因するコーナリングフォースと空気ばねの回転抵抗およびヨーダンパ装置が発生する回転抵抗とのつりあい位置までしか回転せず、特に直線区間と曲線区間の接続部に設置されている緩和曲線部分において台車のアタック角が大きくなるため横圧が著大値を示し、例えば乗り上がり脱線の危険性が増加することが知られている。
これを解決するために、下記の特許文献に示されているようにヨーダンパの左右の油室をリリーフ回路で連結し、リリーフ回路のリリーフ荷重を変化可能に構成した例がある。
この場合は、直線走行時には高いリリーフ荷重とし小曲線走行時には低いリリーフ荷重とすることで小曲線走行時の過大なヨーダンパ減衰力の発生を抑制しようというねらいである。
しかし、この場合においてもヨーダンパ装置のピストン速度が大きい領域においては大きな減衰力が発生してしまうという問題が残されている。
特開2004−155231号公報
この場合は、直線走行時には高いリリーフ荷重とし小曲線走行時には低いリリーフ荷重とすることで小曲線走行時の過大なヨーダンパ減衰力の発生を抑制しようというねらいである。
しかし、この場合においてもヨーダンパ装置のピストン速度が大きい領域においては大きな減衰力が発生してしまうという問題が残されている。
車両の高速化に際し、最も大きな問題となるのが走行安定性である。
走行安定性を向上させるためには台車のばね、減衰系諸元を最適化すると共に、車体−台車間にヨーダンパ装置を取付け、台車蛇行動、すなわち車体に対する台車の回転方向の持続的振動を速やかに減衰させることが一般的に実施されている。
この台車蛇行動の周波数は5〜10Hz程度であることが知られているが、ヨーダンパは粘性流体がオリフィスを通過する際の抵抗をにより減衰力を発生する装置であるため、この減衰力には周波数依存性があり、周波数が高くなるにしたがって、実質的な減衰力は低下していく傾向にあることが知られている。
走行安定性を向上させるためには台車のばね、減衰系諸元を最適化すると共に、車体−台車間にヨーダンパ装置を取付け、台車蛇行動、すなわち車体に対する台車の回転方向の持続的振動を速やかに減衰させることが一般的に実施されている。
この台車蛇行動の周波数は5〜10Hz程度であることが知られているが、ヨーダンパは粘性流体がオリフィスを通過する際の抵抗をにより減衰力を発生する装置であるため、この減衰力には周波数依存性があり、周波数が高くなるにしたがって、実質的な減衰力は低下していく傾向にあることが知られている。
このため高速走行時の台車蛇行動を抑制する目的で、ヨーダンパの減衰力を大きくすると、低い周波数領域すなわち小曲線を通過する際の台車操舵に対する抵抗力はさらに大きくなり、小曲線通過性能が大きく低下してしまう。
また、小曲線通過性能向上を達成するために輪軸操舵装置を装備した場合には、ばね下質量が大幅に増加するために高速走行には適しないという問題がある。
また、小曲線通過性能向上を達成するために輪軸操舵装置を装備した場合には、ばね下質量が大幅に増加するために高速走行には適しないという問題がある。
本発明は、高速走行安定性を確保しつつ、複雑なリンク機構やばね下質量の増加を伴わないで小曲線通過性能に優れたヨーダンパ装置を提供するものである。
上記目的は、高速走行安定性が要求される直線あるいは在来線区間では例えば曲線半径400〜600m以上の曲線、新幹線区間では曲線半径800m以上の曲線においては大きな減衰力を有し、上記以下の曲線半径となる小曲線においては減衰力を開放する減衰力可変ダンパをヨーダンパ装置に使用することで実現できる。
本発明によれば、高速走行時の走行安定性を確保しつつ、駅構内や車庫内等に存在する小曲線通過時の著大横圧発生を防止して小曲線通過性能を向上し、かつばね下質量の増大がなく、さらに構造が簡単な鉄道車両用台車を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施例を図1〜図2により説明する。
図1は、従来技術におけるヨーダンパ装置の構成を示す説明図である。
車体11は、空気ばね12により台車枠13に支持されている。
車体11と台車枠13の間には車体の最側面においてレールとほぼ平行な方向にヨーダンパ装置14が設置されていて、高速走行時の台車蛇行動を抑制するために必要な減衰力を供給する。
図1は、従来技術におけるヨーダンパ装置の構成を示す説明図である。
車体11は、空気ばね12により台車枠13に支持されている。
車体11と台車枠13の間には車体の最側面においてレールとほぼ平行な方向にヨーダンパ装置14が設置されていて、高速走行時の台車蛇行動を抑制するために必要な減衰力を供給する。
しかし、台車蛇行動抑制のための減衰力は、小曲線通過時の台車操舵の抵抗力にもなるため、高速走行安定性を上げるためにヨーダンパの減衰力を上昇させると小曲線通過性能が低下するという問題が生じる。
図2は上記のような高速走行安定性と小曲線通過性能という相反する2つの問題を解決するために、ヨーダンパの減衰力を可変とし、高速走行時には走行安定性確保のためにヨーダンパの減衰力が大きく、小曲線通過時には減衰力を開放するヨーダンパ装置の構成図である。
車体31と台車枠22の間には車体の最側面においてレールとほぼ平行な方向に減衰力可変ヨーダンパ装置23が設置されている。
車輪の回転数を検知する装置24および地上側に一定間隔で設置された地点信号を受信する装置25からの信号に基づき、可変ヨーダンパ制御装置26において現在の車両の走行地点をリアルタイムで算出している。
車輪の回転数を検知する装置24および地上側に一定間隔で設置された地点信号を受信する装置25からの信号に基づき、可変ヨーダンパ制御装置26において現在の車両の走行地点をリアルタイムで算出している。
制御装置26は、上記算出された現在の走行地点と、地点情報データベース27から得られる地点情報とを照合し、在来線区間においては例えば曲線半径400〜600m以下の小曲線、新幹線区間においては曲線半径800m以下の小曲線、あるいはそれらの曲線に緩和曲線が付帯されている場合においては緩和曲線への侵入または脱出を検知する。
上記小曲線あるいは緩和曲線への侵入を検知すると、制御装置26はヨーダンパ23に取り付けられた電磁弁28に信号を与え、ヨーダンパ23の減衰力は開放される。
また、上記小曲線あるいは緩和曲線からの脱出を検知した場合には、同様に制御装置26からの信号により、ヨーダンパ23に取り付けられた電磁弁28に信号を与え、ヨーダンパの減衰力は回復する。
また、上記小曲線あるいは緩和曲線からの脱出を検知した場合には、同様に制御装置26からの信号により、ヨーダンパ23に取り付けられた電磁弁28に信号を与え、ヨーダンパの減衰力は回復する。
上記、一連の動作において地上からの地点信号の受信ミス、あるいは制御装置の故障等によりヨーダンパとの信号の授受が不可能となった場合に備え、ヨーダンパの減衰力は無信号時には減衰力ありの状態としておくことが好ましい。
また、車庫内等を走行するときには、制御装置26からのマニュアル入力によって、ヨーダンパの減衰力を開放できるようにしても良い。
また、車庫内等を走行するときには、制御装置26からのマニュアル入力によって、ヨーダンパの減衰力を開放できるようにしても良い。
他の実施例として、小曲線通過時には曲線半径と台車間距離でヨーダンパのストロークが一意的に決まるため、例えば曲線半径600m以下の小曲線においてヨーダンパの減衰力を開放する場合には、ヨーダンパのストロークが当該曲線通過時のストロークに達した場合に減衰力を開放するようにヨーダンパを構成しても良い。
この場合には、ヨーダンパのストロークのみで現在走行位置の曲線半径を判断することになるため、曲線検知の精度は悪くなるが、著大横圧の発生する地点およびその地点におけるヨーダンパストロークが把握されている場合には、安価なシステムが構築できるため有利である。
11…車体、12…空気ばね、13…台車枠、14…ヨーダンパ装置、21…車体、22…台車枠、23…可変ヨーダンパ装置、24…車輪回転数検知装置、25…地点検知装置、26…可変ヨーダンパ制御装置、27…地点情報データベース
Claims (3)
- 鉄道車両用台車のヨーダンパ装置において、高速走行時には台車の蛇行動を速やかに減衰させるのに十分な減衰力を有し、小曲線通過時には台車のレールに対するアタック角が増大しないように減衰力を可変とし、さらには減衰力を発生させないことを特徴とした鉄道車両用減衰力可変式ヨーダンパ装置。
- 請求項1に記載の鉄道車両用ヨーダンパ装置において、小曲線通過時にヨーダンパのストロークがある一定以上となった場合に減衰力を発生させないことを特徴とする鉄道車両用減衰力可変式ヨーダンパ装置。
- 台車枠の最側部に配設されて車体と連結される電磁弁を備える減衰力可変ヨーダンパと、車輪の回転数検知及び地上側に配置された地点信号の受信装置からの信号に基づいて現在の車両走行地点を算出する制御装置と、地点情報データベースを備え、
制御装置は、算出された車両走行地点と地点情報データベースの地点情報を照合して、ヨーダンパの電磁弁に信号を与えてヨーダンパの減衰力を制御する鉄道車両用減衰力可変式ヨーダンパ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005106498A JP2006282059A (ja) | 2005-04-01 | 2005-04-01 | 鉄道車両用減衰力可変式ヨーダンパ装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010285117A (ja) * | 2009-06-15 | 2010-12-24 | Hitachi Ltd | 車両の振動制御システム |
JP2013208989A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 減衰力可変式ヨーダンパ装置 |
JP2014198522A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-23 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | サスペンション制御装置 |
JP2016185791A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-27 | 新日鐵住金株式会社 | 鉄道車両用ヨーダンパ装置 |
JP2018012374A (ja) * | 2016-07-19 | 2018-01-25 | 新日鐵住金株式会社 | 鉄道車両用ヨーダンパ装置 |
JP2018012373A (ja) * | 2016-07-19 | 2018-01-25 | 新日鐵住金株式会社 | 鉄道車両用ヨーダンパ装置 |
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2005
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