JP2006281571A - 積層成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、線膨張係数が低く、軽量で、耐衝撃性、耐久性、作業性、生産性等が優れている積層成形体、特に、雨樋等の外装建材として好適に使用できる積層成形体を提供する。
【解決手段】 延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引き抜いて延伸して得られた引抜延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートであることを特徴とする請求項1記載の積層成形体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの積層成形体及びこの積層成形体を芯材とし、外装建材として好適に使用できる積層成形体に関する。
塩化ビニル系樹脂は耐水性、難燃性、機械的特性等が優れ、且つ価格が比較的安価であるので、建築部材の材料として広く使用されている。例えば、雨樋は、一般的に硬質塩化ビニル系樹脂を押出成形により成形している。
しかし、硬質塩化ビニル系樹脂成形体の線膨張係数は7.0×10-3(1/℃)と大きいので、硬質塩化ビニル系樹脂製雨樋を設置する際には、雨樋の伸縮を吸収しうる継手で接続したり、端部をフリーにする必要があったが、雨樋の長さが長くなると、継手が大きくなり、外観が悪く且つ長期にわたって使用すると継手部分が破損することがあった。又、雨樋自身も伸縮の繰り返しにより、ひび割れやそりが発生し、長期間使用する際の信頼性が低いという欠点があった。
そのため、線膨張係数の低い雨樋の検討が種々なされている。例えば、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、マイカ20〜35重量部と、炭酸カルシウム20〜40重量部と、加工助剤5〜15重量部とを添加した塩化ビニル系樹脂組成物からなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂製雨樋(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
特許第2905260号公報
上記雨樋は、塩化ビニル系樹脂にマイカと炭酸カルシウムを添加し雨樋の線膨張係数を低くしているが、塩化ビニル系樹脂を主体とするものであり、マイカと炭酸カルシウムの添加量が少ないと線膨張係数が依然として高く、添加量を多くすると雨樋の耐衝撃性、耐久性が低下するという欠点があった。
又、補強材としてガラス繊維を含浸したり、金属薄板を積層した雨樋も提案されている。例えば、熱可塑性樹脂と強化繊維とからなる複合シートが所要断面形状に賦形され、かつ、その表面に熱可塑性樹脂が押出被覆されているとともに、上記複合シートは、少なくともその賦形部分に強化短繊維がランダム配向していることを特徴とする複合成形品(例えば、特許文献2参照。)、金属薄板を芯材とし、この芯材両面に合成樹脂を被覆してシート材を形成し、このシート材に折曲治具先端部を押し当てて断面略コ字型に折曲形成して成る雨樋において、内面側となる前記合成樹脂の折曲位置に、折曲治具先端部がガイドされる凹溝を設けて成ることを特徴とする雨樋(例えば、特許文献3参照。)等が提案されている。
特開平11−19998号公報 特開平9−279783号公報
しかしながら、前者の雨樋は熱可塑性樹脂と強化繊維とからなり、短繊維がランダムに配向した複合シートを作成し、所要断面形状に賦形した後に、その表面に熱可塑性樹脂を押出被覆しなければならず、その製造が困難であり、又、雨樋を施工する際に切断するとガラス繊維粉末が飛散し作業性が悪く、環境衛生上問題があり、且つ、廃棄する際に問題があった。
後者の雨樋は、金属薄板が芯材として積層されているので、重量が重くなり、切断作業
が困難であり、且つ、雨樋の端部に金属薄板が露出するので経時により錆が発生し、腐食により耐久性が低下するという欠点があった。
更に、金属薄板からなる芯材やガラス繊維を使用せず、線膨張係数の低い雨樋として、例えば、20〜80℃の平均線膨張率が5×10-5(/℃)以下であるポリオレフィン延伸材料の表面に、該ポリオレフィンを溶解する低分子化合物を付着させた後、加圧・加熱により前記ポリオレフィン延伸材料を接着した、20〜80℃の平均線膨張率が5×10-5(/℃)以下であるポリオレフィン成形体(例えば、特許文献4参照。)、熱可塑性樹脂を押し出し成形した後、更に、この押し出し成形したものを延伸して引き延ばすことで分子を一方向に配向し、熱可塑性合成樹脂の線膨張係数が6×10-5/℃以下で且つ厚みが0.5mmより厚いことを特徴とする合成樹脂雨樋(例えば、特許文献5参照。)等が提案されている。
特開平10−291250号公報 特開2002−285685号公報
しかしながら、前者の雨樋はポリオレフィン延伸材料は20〜40倍と高度に延伸したシートであり、延伸方向に沿って割れやすく耐衝撃性が悪いという欠点を有しており、これを防ぐために硬質塩化ビニル系樹脂、AES樹脂等と積層しようとすると、ポリオレフィンはこれらの樹脂より融点が低いためポリオレフィンの延伸状態が崩れ、線膨張係数が高くなるという欠点があった。
更に、後者の雨樋は押し出し成形した雨樋を単に延伸したものなので、延伸方向に沿って割れやすく耐衝撃性が悪いという欠点を有していた。
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、線膨張係数が低く、軽量で、耐衝撃性、耐久性、作業性、生産性等が優れている積層成形体、特に、雨樋等の外装建材として好適に使用できる積層成形体を提供することにある。
本発明の請求項1記載の積層成形体は、実質的に無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが積層されていることを特徴とする。
請求項2記載の積層成形体は、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引き抜いて延伸して得られた引抜延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートであることを特徴とする請求項1記載の積層成形体である。
請求項3記載の積層成形体は、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、引抜延伸した後、該ロールの温度より高い温度で一軸延伸して得られた一軸延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートであることを特徴とする請求項2記載の積層成形体である。
請求項4記載の積層成形体は、一軸延伸温度が、昇温速度1℃/minで測定した示差操作熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜融解ピークの立ち上がり温度であることを特徴とする請求項3記載の積層成形体である。
請求項5記載の積層成形体は、一軸延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、
一軸延伸温度より高い温度で熱固定されていることを特徴とする請求項3又は4記載の積層成形体である。
請求項6記載の積層成形体は、熱固定温度が、一軸延伸温度〜昇温速度1℃/minで測定した示差操作熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度であることを特徴とする請求項5記載の積層成形体である。
請求項7記載の積層成形体は、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸倍率が3〜8倍であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項8記載の積層成形体は、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの線膨張係数が負であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項9記載の積層成形体は、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、2枚以上の延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、延伸方向が略同一方向になるように積層されて形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項10記載の積層成形体は、無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、2枚以上の無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが積層されて形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項11記載の積層成形体は、更に、両面に熱可塑性樹脂層が積層されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の積層成形体である。
請求項12記載の積層成形体は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層が、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されていることを特徴とする請求項11記載の積層成形体である。
請求項13記載の積層成形体は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に、織布及び/又は不織布が積層されていることを特徴とする請求項11記載の積層成形体である。
請求項14記載の積層成形体は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤が含浸している織布及び/又は不織布が積層・接着されていることを特徴とする請求項11又は13記載の積層成形体である。
請求項15記載の積層成形体は、積層成形体が、外装建材であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項記載の積層成形体である。
本発明で使用される熱可塑性ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリグリコール酸、ポリ(L−乳酸)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバリレート)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエチレンサ
クシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネート/乳酸、ポリブチレンサクシネート/カーボネート、ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレナジペート/テレフタレート、ポリブチレンサクシネート/アジペート/テレフタレート等が挙げられ、耐熱性の優れたポリエチレンテレフタレートが好ましい。
又、極限粘度が低すぎるとシート作成時にドローダウンを起こしやすく、高すぎると、延伸しても機械的強度(特に弾性率)が上昇しないので、0.6〜1.0が好ましい。
本発明で使用される実質的に無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、上記熱可塑性ポリエステル系樹脂よりなるシートであって、延伸されておらず、且つ、熱可塑性ポリエステル系樹脂が結晶化されているシートである。
無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法は、特に限定されないが、溶融された熱可塑性ポリエステル系樹脂は、徐冷すると結晶化が進むので、一般に熱可塑性ポリエステル系樹脂を溶融押出してシート化した後、徐冷することにより容易に得られる。
又、無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの結晶化度は、一般に20〜40%である。
無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚みは、特に限定されないが、0.05mm未満では、厚みが薄すぎて、強度が十分な大きさとならないことがあり、5mmを超えると製造が困難となることがあるので0.05〜5mmが好ましく、より好ましくは0.1〜3mmである。
上記無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、2枚以上の無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが積層されて形成されてもよい。
無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シート同士の積層方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよく、例えば、ポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤や反応性ホットメルト型接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、及びゴム系接着剤よりなる群から選らばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されるのが好ましい。
又、無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に織布及び/又は不織布が積層されてもよい。織布及び/又は不織布が積層されると、無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの接着性が向上し、得られた積層成形体の引張強度、耐衝撃性等が向上する。
上記織布及び/又は不織布としては、特に限定されず、従来公知の任意の織布及び不織布が使用可能であり、例えば、綿、スフ等の天然繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維等の繊維からなる織布及び不織布が挙げられる。
又、織布及び不織布の目付量、厚み等は、特に限定されるものではないが、一般に、目付量は10〜500g/m2 が好ましく、厚みは0.03〜4mmが好ましい。
無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと織布及び/又は不織布の積層方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよく、例えば、ポリエステル系、ポリオレフィン
系等のホットメルト型接着剤や反応性ホットメルト型接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、及びゴム系接着剤よりなる群から選らばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されるのが好ましい。
又、無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと織布及び/又は不織布を、より簡便に積層し強固に接着し耐衝撃性を向上させるには、例えば、ポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤を含浸した織布及び/又は不織布を、無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に積層し接着するのが好ましい。
本発明で使用される延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが延伸され且つ結晶化されたシートである。
延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法は、特に限定されるものではないが、結晶化された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを延伸すると白化するので、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが延伸されるのが好ましい。
又、前述の通り、溶融された熱可塑性ポリエステル系樹脂は、徐冷すると結晶化が進むので、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを延伸した後、徐冷するのが好ましい。
上記延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートとしては、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引き抜いて延伸した後、徐冷して得られた引抜延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが好ましい。
上記引抜延伸する際の一対のロールの温度は、低温であると熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが硬すぎて引き抜くことができず、高温になると熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが柔らかくなりシートを引き抜く張力によりシートが切断されるので、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度範囲が好ましく、より好ましくは該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+10℃の温度範囲である。
又、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを引き抜く際に、ロールは回転している必要はないが、温度分布を均一にするために引き抜き方向にわずかに回転していてもよい。
上記引抜延伸の延伸倍率は、特に限定されるものではないが、延伸倍率が低いと、引張強度、引張弾性率に優れたシートが得られず、高くなると延伸時にシートの破断が生じやすくなるので、2〜9倍が好ましく、より好ましくは2.5〜7倍である。
又、引抜延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、徐冷して結晶化することなく、該ロールの温度より高い温度で一軸延伸し、その後に徐冷して結晶化されてもよい。
引抜延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートのポリエステル系樹脂は、延伸の阻害要因となる熱による等方的な結晶化及び配向が抑えられた状態で分子鎖は高度に配向しているので強度及び弾性率が優れているが結晶化度は低いので、加熱されると配向は容易に緩和され弾性率は低下してしまうという欠点を有している。
しかし、この引抜延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該ロールの温度より高い温度で一軸延伸することにより配向が緩和されることなく結晶化度が上昇し、加熱されても配向が容易に緩和されない耐熱性の優れた一軸延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが得られる。
上記一軸延伸する方法としてはロール延伸法が好適に用いられる。ロール延伸法とは、速度の異なる2対のロール間に延伸原反を挟み、延伸原反を加熱しつつ引っ張る方法であり、一軸方向のみに強く分子配向させることができる。この場合、2対のロールの速度比が延伸倍率となる。
上記一軸延伸する際の温度は、引抜延伸する際の一対のロールの温度より高い温度であればよいが、高すぎると引抜延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが溶融して切断されるので、昇温速度1℃/minで測定した示差操作熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜融解ピークの立ち上がり温度の温度範囲が好ましい。
尚、ポリエチレンテレフタレートの結晶化ピークの立ち上がり温度は約120℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃である。従って、ポリエチレンテレフタレートシートを一軸延伸する際は約120℃〜約230℃で一軸延伸するのが好ましい。
上記一軸延伸の延伸倍率は、特に限定されるものではないが、延伸倍率が低いと、引張強度、引張弾性係数等の優れたシートが得られず、高くなると延伸時にシートの破断が生じやすくなるので、1.1〜3倍が好ましく、さらに好ましくは1.2〜2倍である。又、一次延伸と一軸延伸の合計延伸倍率は、同様の理由で、2.5〜10倍が好ましく、より好ましくは3〜8倍である。
延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの線膨張係数は、大きいと温度差により大きく伸縮するので、小さいほうが好ましく、特に負であるのが好ましい。又、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは積層成形体の芯材として積層されるのであるから、強度は大きいほうが好ましく、弾性率は9GPa以上が好ましい。
一軸延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、耐熱性を向上させるために、徐冷して結晶化することなく、更に、熱固定して、その後、徐冷して結晶化してもよい。
熱固定温度は、一軸延伸温度より低いと熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化が進まないので耐熱性が向上せず、昇温速度1℃/minで測定した示差操作熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度より高くなると熱可塑性ポリエステル系樹脂が溶解して延伸(配向)が消滅し引張弾性率、引張強度等が低下するので、一軸延伸温度〜昇温速度1℃/minで測定した示差操作熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度が好ましい。
又、熱固定する際に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに負荷がかかっていると延伸され、フリーの状態では収縮するので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに負荷はかかっていないが熱により収縮しないように固定した状態で行うことが好ましく、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに圧力もかかっていないのが好ましい。例えば、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両端をピンチロール等で負荷がかからないように保持した状態で熱固定するのが好ましい。従って、加熱は熱風、ヒーター等で行うのが好ましい。
熱固定する時間は、特に限定されず、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚さや熱固定温度により異なるが、一般に10秒〜5分が好ましい。
又、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの結晶化度は、一般に20〜40%である。
延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚みは、特に限定されないが、0.05mm未満では、厚みが薄すぎて、強度が十分な大きさとならないことがあり、5mmを超えると製造が困難となることがあるので0.05〜5mmが好ましく、より好ましくは0.1〜3mmである。
上記延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、2枚以上の延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが積層されて形成されてもよく、積層する場合はその延伸方向が略同一になるように積層されるのが好ましい。
延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シート同士の積層方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよいが、熱融着すると延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸が緩和されるので、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤や反応性ホットメルト型接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、及びゴム系接着剤よりなる群から選らばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されるのが好ましい。
又、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの間に織布及び/又は不織布が積層されてもよい。織布及び/又は不織布が積層されると、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの接着性が向上し、得られた積層成形体の引張強度、耐衝撃性等が向上する。
上記織布及び/又は不織布としては、特に限定されず、従来公知の任意の織布及び不織布が使用可能であり、例えば、綿、スフ等の天然繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維等の繊維からなる織布及び不織布が挙げられる。
又、織布及び不織布の目付量、厚み等は、特に限定されるものではないが、一般に、目付量は10〜500g/m2 が好ましく、厚みは0.03〜4mmが好ましい。
延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと織布及び/又は不織布の積層方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよいが、熱融着すると延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸が緩和されるので、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤や反応性ホットメルト型接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、及びゴム系接着剤よりなる群から選らばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されるのが好ましい。
又、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと織布及び/又は不織布を、より簡便に積層し強固に接着し耐衝撃性を向上させるには、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤を含浸した織布及び/又は不織布を、延伸結晶化熱可塑性ポリエステ
ル系樹脂シートの間に積層し接着するのが好ましい。
上記積層成形体は、その両面に熱可塑性樹脂層が積層されてもよい。
熱可塑性樹脂は、上記積層成形体の両面に積層され、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが衝撃により延伸方向に沿って割れや亀裂が発生しないように保護すると共に、ポリエステル系樹脂が直接雨水や太陽光線に曝されて加水分解や劣化を受け耐久性が低下することを防ぐものである。
又、熱可塑性樹脂を溶融して延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに積層する場合は、熱可塑性樹脂の融点が熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より高いと、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの配向が緩和され線膨張係数が高くなるので、熱可塑性樹脂は積層される延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂より融点の低い樹脂が好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、硬質塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、スチレン樹脂、AS樹脂、メチルメタクリレート樹脂、エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。又、フッ素系塗料、アクリルシリコン系塗料、ウレタン系塗料等の塗料であってもよい。
上記熱可塑性樹脂の厚みは、特に限定されず、その用途により適宜決定されればよいが、薄すぎると上記保護効果が低下し、厚くなると重くなると共に延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの低線膨張係数の効果が減少されるので0.1〜3mmが好ましい。
延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂層を積層する方法は、特に限定されず、従来公知の任意の積層方法が採用されてよく、例えば、下記の方法が挙げられる。
(1)積層する延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂を押出被覆して積層する方法。
(2)積層する延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂シートを熱プレスにより接着して積層する方法。
(3)積層する延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤や反応性ホットメルト型接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ゴム系接着剤等の接着剤で熱可塑性樹脂シートを接着して積層する方法。
上記(1)、(2)の方法において接着力を高めるため、以下の方法が採用される。
(a)積層する延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの表面を削って、表面に凹凸を形成し、熱可塑性樹脂を押出被覆するか、熱可塑性樹脂シートを押し付け、アンカー効果により積層する方法。
(b)上記積成形体に多数の貫通孔を形成し、熱可塑性樹脂を押出被覆するか、熱可塑性樹脂シートを押し付け、貫通孔を通じて両面の熱可塑性樹脂シートを融着して積層する方法。
(c)積層する延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの面上に、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤や反応性ホットメルト型接着剤で熱可塑性樹脂シートを接着した後、熱可塑性樹脂を押出被覆するか、熱
可塑性樹脂シートを押し付けて積層する方法。
これらの積層方法の中ではホットメルト型接着剤等の接着剤で接着積層する方法が好適に用いられる。
又、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に織布及び/又は不織布が積層されてもよい。織布及び/又は不織布が積層されると、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の接着性が向上し、得られた積層成形体の引張強度、耐衝撃性等が向上する。
上記織布及び/又は不織布としては、特に限定されず、従来公知の任意の織布及び不織布が使用可能であり、例えば、綿、スフ等の天然繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維等の繊維からなる織布及び不織布が挙げられる。
又、織布及び不織布の目付量、厚み等は、特に限定されるものではないが、一般に、目付量は10〜500g/m2 が好ましく、厚みは0.03〜4mmが好ましい。
延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと織布及び/又は不織布並びに織布及び/又は不織布と熱可塑性樹脂層の積層方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよいが、高温で加熱すると延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸が緩和されるので、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤や反応性ホットメルト型接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、及びゴム系接着剤よりなる群から選らばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されるのが好ましい。
又、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと織布及び/又は不織布並びに織布及び/又は不織布と熱可塑性樹脂層を、より簡便に積層し強固に接着し耐衝撃性を向上させるには、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤を含浸した織布及び/又は不織布を、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に積層し接着するのが好ましい。
上記積層成形体は、異型成形、曲げ加工等の成形方法により所定形状に成形することができ、所定形状の積層成形体が得られる。
又、積層成形体の耐候性や意匠性を向上させるために、熱可塑性樹脂層の表面に異なる樹脂層を積層したり、塗料を塗装してもよい。
本発明の積層成形体は、外装建材として、特に雨樋として好適に用いられる。
本発明の請求項1記載の積層成形体の構成は上述の通りであり、実質的に無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが積層されているので、線膨張係数が低く、軽量で、引張強度、耐衝撃性、耐熱性、耐久性、作業性、生産性等が優れ、且つ、高温で長時間使用しても機械的強度が低下することがない。従って、雨樋等の外装建材として好適に使用できる。
請求項11記載の積層成形体の構成は上述の通りであり、請求項1記載の積層成形体の両面に熱可塑性樹脂層が積層されているので、より線膨張係数が低く、軽量で、引張強度、耐衝撃性、耐熱性、耐候性、耐久性、作業性、生産性等が優れ、且つ、高温で長時間使用しても機械的強度が低下することがない。従って、雨樋等の外装建材として好適に使用できる。
肉厚の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸シートは延伸の際の冷却ムラ等により、結晶化が促進されヒケが発生し、厚みが不均一になり品質が低下するが、薄厚の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを積層することにより、肉厚精度が向上し、積層成形体は欠点箇所のなく均一な品質を有する。
又、織布及び/又は不織布が、実質的に無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シート間、延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シート間及び/又は延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層間に積層されることにより、積層成形体の引張強度、耐衝撃性等がより向上する。
次に、本発明の実施例を挙げて、詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製、商品名「NEH−2070」)を溶融押出成形した、厚さ1.2mmのポリエチレンテレフタレートシートを延伸装置(協和エンジニアリング社製)に供給し、80℃に予熱した後、74℃に加熱された一対のロール(ロール間隔0.2mm)間を2m/minの速度で引き抜き、更に熱風加熱槽中でポリエチレンテレフタレートシート表面温度を180℃に加熱し、出口速度2.5m/minに設定してロール延伸し、更に、一軸延伸されたポリエチレンテレフタレートシートの前後をそれぞれ一対のロールで、延伸ポリエチレンテレフタレートシートに負荷がかからないように保持し、その両面に200℃の熱風を吹付けて熱固定した後、徐冷して、延伸倍率が約6倍、厚さ0.2mm、結晶化度が20〜40%の延伸結晶化ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
尚、上記ポリエチレンテレフタレートシートのガラス転移温度は72℃、昇温速度1℃/minで測定した示差操作熱量曲線での結晶化ピークの立ち上がり温度は約118℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃であった。
又、ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製、商品名「NEH−2070」)を溶融押出成形した後、徐冷して厚さ0.2mm、結晶化度が20〜40%の無延伸結晶化ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
得られた無延伸結晶化ポリエチレンテレフタレートシートの両面に、ポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名「バイロンGM−920」、融点107℃)を0.05mmの厚さで溶融押出コーティングして接着剤積層無延伸結晶化ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
得られた接着剤積層無延伸結晶化ポリエチレンテレフタレートシートの両面に、得られた延伸結晶化ポリエチレンテレフタレートシートを延伸方向を合わせて挟み、150℃の熱ロールプレスの間を通過させて、厚さ0.7mmの三層積層体を得た。
得られた三層積層体の両面に、塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、品番「TS1000R
」)を190℃で押出被覆して、三層積層体の両面に塩化ビニル樹脂が積層された厚さ1.01mmの積層成形体を得た。
得られた三層積層体の線膨張係数、延伸方向及び直角方向(延伸方向に対して)の引張弾性率及び延伸方向のシャルピー衝撃値を測定して表1に示した。
尚、各物性の測定方法は以下の通りであった。
(1)線膨張係数
得られた三層積層体をJIS K 7197に準拠して測定した。
(2)引張弾性率
JIS K 7113の引張試験方法に準拠して、延伸方向及びそれと直角方向への引張弾性率を測定した。
(3)シャルピー衝撃値
得られた三層積層体から長さ80mm、幅10mm(長さ方向が延伸結晶化ポリエチレンテレフタレートシートの延伸方向)を切り出し、Vノッチ (深さ2mm)加工して、JIS K−7111に準拠してシャルピー衝撃値を測定した。
(比較例1)
実施例1で得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面に、ポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名「バイロンGM−920」、融点107℃)を0.05mmの厚さで溶融押出コーティングして接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
実施例1で得られた2枚の延伸ポリエチレンテレフタレートシートの間に、得られた接着剤積層延伸ポリエチレンテレフタレートシートを延伸方向を合わせて挟み、150℃の熱ロールプレスの間を通過させて、厚さ0.7mmの三層積層体を得た。
得られた三層積層体の線膨張係数、延伸方向及び直角方向(延伸方向に対して)の引張弾性率及び延伸方向のシャルピー衝撃値を測定して表1に示した。
(比較例2)
実施例1で得られた無延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面に、ポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名「バイロンGM−920」、融点107℃)を0.05mmの厚さで溶融押出コーティングして接着剤積層無延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
実施例1で得られた2枚の無延伸ポリエチレンテレフタレートシートの間に、得られた接着剤積層無延伸ポリエチレンテレフタレートシートを延伸方向を合わせて挟み、150℃の熱ロールプレスの間を通過させて、厚さ0.7mmの三層積層体を得た。
得られた三層積層体の線膨張係数、延伸方向及び直角方向(延伸方向に対して)の引張弾性率及び延伸方向のシャルピー衝撃値を測定して表1に示した。
Figure 2006281571

Claims (15)

  1. 実質的に無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが積層されていることを特徴とする積層成形体。
  2. 延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引き抜いて延伸して得られた引抜延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートであることを特徴とする請求項1記載の積層成形体。
  3. 延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、引抜延伸した後、該ロールの温度より高い温度で一軸延伸して得られた一軸延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートであることを特徴とする請求項2記載の積層成形体。
  4. 一軸延伸温度が、昇温速度1℃/minで測定した示差操作熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜融解ピークの立ち上がり温度であることを特徴とする請求項3記載の積層成形体。
  5. 一軸延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、一軸延伸温度より高い温度で熱固定されていることを特徴とする請求項3又は4記載の積層成形体。
  6. 熱固定温度が、一軸延伸温度〜昇温速度1℃/minで測定した示差操作熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度であることを特徴とする請求項5記載の積層成形体。
  7. 延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸倍率が3〜8倍であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の積層成形体。
  8. 延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの線膨張係数が負であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の積層成形体。
  9. 延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、2枚以上の延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、延伸方向が略同一方向になるように積層されて形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の積層成形体。
  10. 無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが、2枚以上の無延伸結晶化熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが積層されて形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載の積層成形体。
  11. 更に、両面に熱可塑性樹脂層が積層されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の積層成形体。
  12. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層が、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤で接着されていることを特徴とする請求項11記載の積層成形体。
  13. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に、織布及び/又は不織
    布が積層されていることを特徴とする請求項11記載の積層成形体。
  14. 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂層の間に、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より低い融点を有するホットメルト型接着剤、反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びゴム系接着剤よりなる群から選ばれた1種類又は2種類以上の接着剤が含浸している織布及び/又は不織布が積層・接着されていることを特徴とする請求項11又は13記載の積層成形体。
  15. 積層成形体が、外装建材であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項記載の積層成形体。
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