JP2006280304A - 変異原性検出用組換えベクター、ヒト細胞、及び変異原性検出方法 - Google Patents

変異原性検出用組換えベクター、ヒト細胞、及び変異原性検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検査試料の変異原性をヒト細胞において直接的に検出するための変異原性検出用組換えベクター、ヒト細胞、及び変異原性検出方法を提供する。
【解決手段】被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子を、レポーター遺伝子の上流に挿入した。
【選択図】図2

Description

本発明は、食品添加物及び医薬品等の物質が変異原性を呈するか否かを検出させるための組換えベクター、及び当該組換えベクターを用いて形質導入されたヒト細胞、並びにこのヒト細胞を用いて物質の変異原性を検出する方法に関する。
従来より、生物の遺伝子に変異を誘発する性質を有する物質(以下、変異原性物質という)が存在することが知られており、このような変異原性物質は、たとえば食品添加物や医薬品等として人体に摂取されると、細胞内の遺伝子に突然変異を生じさせて、ガンや遺伝病などの疾病を誘発する。そこで、食品や医薬品などに含まれる変異原性物質を検出するために、エイムズ試験(Ames-test)が広く行われている。
このエイムズ試験法は、被検査試料と痕跡量のヒスチジンとを含有する平板最小寒天培地でヒスチジン要求性のサルモネラ変異株を培養し、出現する復帰突然変異株のコロニー数に基づいて、被検査試料の変異原性の有無を判断するものである。
しかし、エイムズ試験法は微生物(原核細胞)を用いているので、この試験で変異原性陰性と判断された被検査試料であっても、必ずしもヒト(真核細胞)に対して同様の結果をもたらすとは限らないという問題点があった。
そこで、たとえば既知の酵素をコードする遺伝子のように、発現の有無を確実に検出することができるレポーター遺伝子を有するベクターに、p53タンパク質が結合するDNA配列(以下、p53結合配列という)を挿入して変異原性を検出するための組換えベクターを形成し、この組換えベクターで真核細胞である哺乳動物の細胞を形質転換して得られた形質転換体を用いて変異原性を検出する変異原性検出方法が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
ここで、p53タンパク質はDNAが損傷を受けた際に誘導されて平常時よりも多く発現するタンパク質であり、DNA上にあるp53結合配列上に結合して、種々の遺伝子の転写を抑制または活性化したり、アポトーシスを誘導する機能を有するものである。
このp53結合配列をベクターに挿入する変異原性検出方法によれば、誘導されたp53タンパク質の量に伴って変化するレポーター遺伝子の発現によって生じる産物を検出することで被検査試料の変異原性を確認することができる。
また、哺乳動物細胞を宿主として用いているので、微生物を用いるエイムズ試験に比して、被検査試料がヒトに与える変異原性を、人体に近い条件下で検出することができる。
特開2005-24号公報
しかしながら、前述したp53結合配列を挿入した変異原性検出用組換えベクターで形質転換した哺乳動物の細胞を用いた変異原性検出方法では、被検査試料の変異原性によって誘導されたp53タンパク質を変異原性検出用組換えベクターのp53結合配列に結合させるので、被検査試料の変異原性により、p53結合配列の塩基配列が変わることでp53タンパク質がp53結合配列に結合できなくなった場合、被検査試料の変異原性を検出できなくなるおそれがあった。
すなわち、被検査試料の変異原性を、変異原性検出用組換えベクターが変異することで検出(以下、直接的検出という。)しているのではなく、被検査試料の変異原性によって誘導された物質を変異原性検出用組換えベクターに結合させることで被検査試料の変異原性を検出(以下、間接的検出という。)しているので、変異原性の検出試験であるにもかかわらず、被検査試料の変異原性によってp53結合配列が変異してしまうと被検査試料の変異原性を正確に検出することができないのである。
一方、p53タンパク質は変異原性物質が存在しない状態においても若干量が発現しているので、試験群と対照群との間でレポーター遺伝子の発現量を比較する比較対照試験を行う際に、対照群との差を顕著に認めることができない場合があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、上述した課題を解決することのできる被検査試料の変異原性をヒト細胞において直接的に検出するための変異原性検出用組換えベクター、ヒト細胞、及び変異原性検出方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の変異原性検出用組換えベクターでは、レポーター遺伝子をヒト細胞に形質導入して、当該ヒト細胞にレポーター遺伝子を発現させるべく構成してあり、形質導入されたヒト細胞を被検査試料が存在する状態で培養して、そのレポーター遺伝子が発現されるか否かに基づいて前記被検査試料の変異原性を検出させる変異原性検出用組換えベクターにおいて、前記被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、前記被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記レポーター遺伝子の上流に挿入してあることを特徴とする。
また、請求項2に記載の変異原性検出用組換えベクターでは、ヒト細胞で機能可能なプロモーターと、このプロモーターの下流に配してあり、当該プロモーターの作用により発現されるレポーター遺伝子と、このレポーター遺伝子の上流であって前記プロモーターの下流に設けたクローニング部位とを備え、前記レポーター遺伝子をヒト細胞に形質導入して、当該ヒト細胞にレポーター遺伝子を発現させるべく構成してあり、形質導入されたヒト細胞を被検査試料が存在する状態で培養して前記レポーター遺伝子が発現されるか否かに基づいて前記被検査試料の変異原性を検出させる変異原性検出用組換えベクターにおいて、前記被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、前記被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記クローニング部位に挿入してあることを特徴とする。
また、請求項3に記載の変異原性検出用組換えベクターでは、所定種類の細菌内で複製するための複製領域と、ヒト細胞で機能可能なプロモーターと、このプロモーターの下流に配してあり、当該プロモーターの作用により発現され、緑色蛍光蛋白質をコードするレポーター遺伝子と、このレポーター遺伝子の上流であって前記プロモーターの下流に設けたクローニング部位とを備え、前記レポーター遺伝子をヒト細胞に形質導入して、当該ヒト細胞にレポーター遺伝子を発現させるべく構成してあり、形質導入されたヒト細胞を被検査試料が存在する状態で培養して前記レポーター遺伝子が発現されるか否かに基づいて前記被検査試料の変異原性を検出させる変異原性検出用組換えベクターにおいて、前記被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、前記被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記クローニング部位に挿入してあることを特徴とする。
また、請求項4に記載の変異原性検出用組換えベクターでは、前記制御遺伝子は、開始コドンと終止コドンとの間に適宜の蛋白質をコードした塩基配列を配してなり、この制御遺伝子は前記クローニング部位に、前記プロモーターの機能により前記開始コドンから翻訳が開始されて終止コドンで翻訳が終了するように挿入してあり、当該制御遺伝子の終止コドンが変異していない場合、前記レポーター遺伝子が翻訳されず、制御遺伝子の終止コドンが変異した場合、レポーターとして機能するように前記レポーター遺伝子が翻訳されるようにしてあることにも特徴を有する。
また、請求項5に記載のヒト細胞では、レポーター遺伝子が発現可能に形質導入してあり、被検査試料が存在する状態で培養されて、前記レポーター遺伝子を発現するか否かに基づいて前記被検査試料の変異原性を検出するためのヒト細胞であって、前記被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、前記被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記レポーター遺伝子の上流に導入してあることを特徴とする。
また、請求項6に記載のヒト細胞では、プロモーターと、このプロモーターの下流に配してあり、当該プロモーターの作用により発現されるレポーター遺伝子とを備え、このレポーター遺伝子の上流であって前記プロモーターの下流にクローニング部位が設けてあるフラグメントが、前記プロモーターの作用により前記レポーター遺伝子が発現可能に形質導入してあり、被検査試料が存在する状態で培養されて、前記レポーター遺伝子を発現するか否かに基づいて前記被検査試料の変異原性を検出するためのヒト細胞であって、前記被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、前記被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記クローニング部位に導入してあることを特徴とする。
また、請求項7に記載のヒト細胞では、プロモーターと、このプロモーターの下流に配してあり、当該プロモーターの作用により発現され、緑色蛍光蛋白質をコードするレポーター遺伝子とを備え、このレポーター遺伝子の上流であって前記プロモーターの下流にクローニング部位が設けてあるフラグメントが、前記プロモーターの作用により前記レポーター遺伝子が発現可能に形質導入してあり、被検査試料が存在する状態で培養されて、前記レポーター遺伝子を発現するか否かに基づいて前記被検査試料の変異原性を検出するためのヒト細胞であって、前記被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、前記被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記クローニング部位に導入してあることを特徴とする。
また、請求項8に記載のヒト細胞では、前記制御遺伝子は、開始コドンと終止コドンとの間に適宜の蛋白質をコードした塩基配列を配してなり、この制御遺伝子は前記クローニング部位に、前記プロモーターの機能により前記開始コドンから翻訳が開始されて終止コドンで翻訳が終了するように挿入してあり、当該制御遺伝子の終止コドンが変異していない場合、前記レポーター遺伝子が翻訳されず、制御遺伝子の終止コドンが変異した場合、レポーターとして機能するように前記レポーター遺伝子が翻訳されるようにしてあることを特徴とする。
また、請求項9に記載のヒト細胞では、DNA修復酵素をコードする遺伝子の発現が抑制してあることにも特徴を有する。
また、請求項10に記載の変異原性検出方法では、ヒト細胞を被検査試料が存在する状態で培養した結果に基づいて当該被検査試料の変異原性を検出する変異原性検出方法において、請求項5から9のいずれかに記載したヒト細胞を用い、培養された複数のヒト細胞それぞれについて、レポーター遺伝子が発現されたか否かを検査し、レポーター遺伝子が発現されたヒト細胞の数、及びレポーター遺伝子が発現されていないヒト細胞の数を計数し、得られた計数結果に基づいて当該被検査試料の変異原性を判定することを特徴とする。
さらに、請求項11に記載の変異原性検出方法では、DNA修復酵素をコードする遺伝子の発現が抑制してあるヒト細胞を用いる場合、被検査試料と共にアポトーシス阻害剤が存在する状態でヒト細胞を培養することにも特徴を有する。
請求項1及び請求項5に記載の本発明では、ヒト細胞内で被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、レポーター遺伝子の上流に挿入してあることで、被検査試料の変異原性を変異原性検出用組換えベクターで直接的に検出することができて、被検査試料がヒトに及ぼす変異原性について信頼性の高いデータを得ることができる。
請求項2及び請求項6に記載の本発明では、ヒト細胞で機能可能なプロモーターと、このプロモーターの下流に配してあり、当該プロモーターの作用により発現されるレポーター遺伝子と、このレポーター遺伝子の上流であってプロモーターの下流に設けたクローニング部位とを備える変異原性検出用組換えベクターに、被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記クローニング部位に挿入してあることで、被検査試料の変異原性により制御遺伝子が翻訳を終了させる能力を失った場合には、レポータータンパク質をレポーター遺伝子から発現させることができる。このように、ヒト細胞で機能可能なプロモーターとレポーター遺伝子との間に制御遺伝子を介挿することによって、ヒト細胞に対して被検査試料が変異原性を有するか否かを確実に検出することができる。
請求項3及び請求項7に記載の本発明では、所定種類の細菌内で複製するための複製領域と、ヒト細胞で機能可能なプロモーターと、このプロモーターの下流に配してあり、当該プロモーターの作用により発現され、緑色蛍光蛋白質をコードするレポーター遺伝子と、このレポーター遺伝子の上流であってプロモーターの下流に設けたクローニング部位とを備える変異原性検出用組換えベクターに、被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記クローニング部位に挿入してあることで、複製領域に対応する所定種類の細菌を用いて容易に変異原性検出用組換えベクターをクローニングすることができると共に、変異原性検出試験において、被検査試料が変異原性を有する場合には、ヒト細胞内で緑色蛍光タンパク質を発現させることができ、被検査試料の変異原性の有無を視認により容易に知ることができる。
請求項4及び請求項8に記載の本発明では、制御遺伝子は、開始コドンと終止コドンとの間に適宜の蛋白質をコードした塩基配列を配してなり、この制御遺伝子はクローニング部位に、プロモーターの機能により開始コドンから翻訳が開始されて終止コドンで翻訳が終了するように挿入してあり、当該制御遺伝子の終止コドンが変異していない場合、レポーター遺伝子が翻訳されず、制御遺伝子の終止コドンが変異した場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳されるようにしてあることで、被検査試料が変異原性を有しない場合には、制御遺伝子の終止コドンで翻訳を終了させることで、制御遺伝子のみを発現させて、被検査試料に変異原性がないことを検査者に示すことができると共に、被検査試料が有する変異原性により制御遺伝子の終止コドンが変異した場合には、制御遺伝子を翻訳したタンパク質にレポーター遺伝子を翻訳したレポータータンパク質を結合させて発現させることができるので、被検査試料が変異原性を有することを視認によって容易に知ることができる。
また、請求項9に記載の本発明では、OGG1及びMUTYH等のDNA修復酵素をコードする遺伝子の発現が抑制してあるので、被検査試料の変異原性によって制御遺伝子の終止コドン内に、たとえば8-oxoG(8-oxoguanine)のような塩基の損傷が生じた場合、当該損傷が修復されることが防止されるため、被検査試料の変異原性の検出感度をより高くすることができる。
また、請求項10に記載の本発明では、ヒト細胞を被検査試料が存在する状態で培養した結果に基づいて当該被検査試料の変異原性を検出する変異原性検出方法において、請求項5から9のいずれかに記載したヒト細胞を用い、培養された複数のヒト細胞それぞれについて、レポーター遺伝子が発現されたか否かを検査し、レポーター遺伝子が発現されたヒト細胞の数、及びレポーター遺伝子が発現されていないヒト細胞の数を計数し、得られた計数結果に基づいて当該被検査試料の変異原性を判定することで、被検査試料の変異原性を変異原性検出用組換えベクターで直接的に検出することができて、被検査試料がヒトに及ぼす変異原性について信頼性の高いデータを得ることができる。
さらに、請求項11に記載の変異原性検出用法では、OGG1及びMUTYH等のDNA修復酵素をコードする遺伝子の発現が抑制してあるヒト細胞を用いる場合、被検査試料と共にアポトーシス阻害剤が存在する状態でヒト細胞を培養することで、被検査試料の変異原性で細胞内の遺伝子に生じた突然変異によりアポトーシスの誘導を阻止することができ、ヒト細胞を死滅させることなく変異原性検出試験を行うことができる。
本発明に係る変異原性検出用組換えベクターでは、レポーター遺伝子をヒト細胞に形質導入して、当該ヒト細胞にレポーター遺伝子を発現させるべく構成してあり、形質導入されたヒト細胞を被検査試料が存在する状態で培養して、そのレポーター遺伝子が発現されるか否かに基づいて被検査試料の変異原性を検出させる変異原性検出用組換えベクターにおいて、被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、レポーター遺伝子の上流に挿入している。
ここで、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳されるとは、レポーター遺伝子にコードされたレポータータンパク質が所定のアミノ酸配列、所定の立体構造で生産されることをいう。
本発明に係る変異原性検出用組換えベクターを用いてヒト細胞に当該ベクターを導入することにより、主に代表的な酸化的DNA損傷である8-oxoG(化1参照)を制御遺伝子内に生じさせる変異原性を検出することができる。
Figure 2006280304
この8-oxoGによる突然変異は、DNAの塩基配列上のグアニン(G)の部位が複製されることで点変異である塩基の置換が生じるものである。図3は、2本鎖DNAが2回複製されて、複製された2本鎖DNAの一部に塩基置換が生じる過程を説明する説明図である。なお、図中、A、G、C、T、Nは、それぞれアデニン、グアニン、シトシン、チミン及び任意の塩基を示している。
図3(a)中、矢印で示す塩基配列上にあるグアニン・シトシン(GC)塩基対において、被検査試料中に含まれる変異原性物質により、図3(b)に示すようにグアニン(G)が8-oxoGとなる。8-oxoGはアデニン(A)と塩基対を形成することが可能であるために、このDNAが複製されると図3(c)に示すようにアデニン(A)と8-oxoGとの塩基対を有する娘鎖DNAが生じる。
そして、この娘鎖DNAがさらに複製されると、図3(d)に矢印で示すように、図3(a)におけるグアニン・シトシン(GC)塩基対であった箇所がチミン・アデニン(TA)塩基対に置換されるのである。
本発明では、変異原性検出用組換えベクターの制御遺伝子の終止コドンに、たとえばこのような変異が起こって、翻訳を終了する能力が失われた場合、レポーター遺伝子が発現することにより被検査試料の変異原性を検出するようにしている。
すなわち、ヒト細胞内で機能可能なプロモーターの下流にレポーター遺伝子を配置し、レポーター遺伝子の5’末端上流側であって、前記プロモーターの3’末端下流側である領域に、開始コドン及び終止コドンを有すると共に所定のタンパク質の一部または全部をコードしている制御遺伝子を配置し、これらの遺伝子をヒト細胞に導入する。
このヒト細胞を、変異原性を有しない被検査試料がある状態で培養した場合、ヒト細胞内では、前記プロモーターにRNAポリメラーゼ(RNA polymerase)が結合して転写を開始する。これにより、制御遺伝子とレポーター遺伝子とを連続的に転写したmRNAが作られる。
さらに、このmRNAにリボソーム(ribosome)が結合して制御遺伝子の翻訳を開始するが、真核生物であるヒト細胞のリボソームは単シストロン性mRNAに結合したものとしてふるまうので、制御遺伝子の終止コドンで翻訳を終了する。
したがって、被検査試料が変異原性を有しない場合では、ヒト細胞内において制御遺伝子を翻訳したタンパク質は産生されるが、レポーター遺伝子は発現しないこととなる。
一方、形質導入した前記ヒト細胞を、変異原性を有する被検査試料がある状態で培養した場合、たとえば制御遺伝子の終止コドンのグアニン(G)が8-oxoGに変化すると、前述した如く複製を繰り返す間に制御遺伝子の終止コドンのグアニン(G)がチミン(T)に置換され、制御遺伝子は翻訳を終了する能力を失う。
翻訳を終了する能力を失った制御遺伝子は、プロモーターにRNAポリメラーゼが結合して転写が開始され、制御遺伝子とレポーター遺伝子とを連続的に転写したmRNAが作られる。
さらに、このmRNAにリボソームが結合して制御遺伝子の翻訳を開始するが、制御遺伝子の終止コドンは変異しているので、翻訳が終了されずに連続してレポーター遺伝子の翻訳が行われ、レポーター遺伝子の終止コドンで翻訳が終了される。この翻訳によって生じたタンパク質は、制御遺伝子及びレポーター遺伝子を翻訳したタンパク質となっている。
従って、被検査試料が変異原性を有する場合では、レポーター遺伝子にコードされていたレポータータンパク質が機能するため、これによって被検査試料が変異原性を有することを判定することができる。
ところで、DNAが変異した場合、それを修復すべく活性化されるプロモーターによってレポーター遺伝子が発現されるように構成することによっても変異原性を検出できるが、かかる検出法は間接的であり、たとえばDNA複製に失敗した場合でもレポーター遺伝子が発現されてしまい、検出感度が低い。しかし、本発明に係る変異原性検出方法は、前述したように変異原性の有無を直接的に検出することができて、検出感度も高い。
ここで、レポーター遺伝子は所望する発現形態に合わせて選択することができるが、特に緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein・GFP)をコードする遺伝子を用いることで、発光している細胞を顕微鏡下で目視で観察することができ、レポーター遺伝子の発現の有無を容易に検出することができる。
また、本発明に係る変異原性検出用組換えベクターに、所定種類の細菌内で複製するための複製領域を設けるようにしても良い。たとえばpBR322のような大腸菌で複製ができるプラスミドを開環して変異原性検出用組換えベクターの所定の領域に挿入することで、当該ベクターを所定種類の細菌内で容易にクローニングすることができる。
さらに、本発明に係る変異原性検出用組換えベクターで形質転換したヒト細胞は、DNA修復酵素をコードする遺伝子の発現を抑制(ノックダウン)することが好ましい。たとえば被検査試料の変異原性によって、制御遺伝子の終止コドンに突然変異が生起されたとしても、ヒト細胞が有するDNA修復酵素がこの突然変異を修復することで、レポーター遺伝子の発現が抑制されて、変異原性検出試験の検出感度が低下してしまう。そこで、被検査試料の変異原性によって生じた突然変異の修復を阻害すべく、DNA修復酵素をコードする遺伝子をノックダウンすることにより、変異原性検出試験の検出感度を向上させることができる。
この場合、DNA修復酵素をコードする遺伝子の発現を抑制した本発明に係るヒト細胞を用いて変異原性検出試験に供する際は、アポトーシス阻害剤を培地に添加すると良い。ヒト細胞はDNA修復酵素をコードする遺伝子の発現を抑制することで、アポトーシスが誘導されることがあり、検査に供しているヒト細胞数が減少するおそれがある。そこで、たとえばZ-VAD-FMK(Z-Val-Ala-DL-Asp-fluoromethylketone)のようなアポトーシス阻害剤を培地に添加しておくことで、アポトーシスによるヒト細胞の減少を抑制して、変異原性検出試験のデータの信頼性を良好に保つことができる。
以下、この発明の一例を図面を用いて更に詳細に説明する。なお、市販のキットを使用して行った操作については、市販のキットに添付された説明書に記載された手順で行った。
〔制御遺伝子の調製〕
変異原性検出用組換えベクターの構築に用いる制御遺伝子をたとえば次のように調製した。ここでは、ハウスキーピング遺伝子のひとつであるGAPDH(glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase)の一部分を用いた。なお、この制御遺伝子は、細胞内で発現しているハウスキーピング遺伝子の全部または一部を用いることが好ましいが、発現したタンパク質が細胞毒性を示すものでなければ特に限定されるものではない。
あらかじめ培養して得たHeLa細胞(ヒト子宮頸癌細胞、たとえば財団法人ヒューマンサイエンス振興事業団・ヒューマンサイエンス研究資源バンクより入手可能)からmRNA抽出キット(たとえばPharmacia Biotech社製 QuickPrep micro mRNA Purification Kit)を用いて全mRNAを抽出した。
抽出した全mRNAを適当なバッファー又は水に、濃度が200ng/μlとなるように溶解し、逆転写酵素(たとえばInvitrogen社製 M-MLV Reverse Transcriptase)を作用させて、各mRNAを鋳型としてcDNAを生成した。
生成したcDNAを適当なバッファー又は水に、cDNAの濃度が50ng/μlとなるように溶解し、この溶液に含まれるcDNAを鋳型DNAとして、PCR法(polymarase chain reaction)に供することで、GAPDH遺伝子の一部分の増幅を行い、変異原性検出用組換えベクター上の制御遺伝子となる前駆体断片を得た。
PCR法にあっては、GADPH遺伝子中にある所望の領域のセンス鎖3’末端側に相補的に結合する配列を有するアンチセンスプライマーと、アンチセンス鎖3’末端側に相補的に結合する配列を有するセンスプライマーとを用いて、GAPDH遺伝子の一部を増幅した。
センスプライマーとは、PCR法に供して伸長反応を行うことによりセンス鎖を形成させるためのプライマーであり、配列番号1に示したように、センスプライマーの5’末端から3’末端下流側へ続く6塩基は、後述するライゲーションの際に使用するための制限酵素BamHIの切断部位(G/GATCC)としており、これに続く3塩基を開始コドン(ATG)として翻訳の開始点とし、この開始コドン以降3’末端までは、GAPDH遺伝子配列の所望の部位の塩基配列としている。
一方、アンチセンスプライマーは、PCR法に供して伸長反応を行うことにより、アンチセンス鎖を形成させるためのプライマーであり、配列番号2に示すように、アンチセンスプライマーの5’末端から3’末端下流側へ続く6塩基は、センスプライマーと同様に制限酵素BamHIの切断認識部位としており、さらに続く3塩基を終止コドン(TAG)の相補配列(ATC)を逆に配置した配列(CTA)とし、この逆に配置した配列以降3’末端までは、GAPDH遺伝子の相補配列の所望の部位の塩基配列としている。
また、センスプライマーとアンチセンスプライマーとの伸長反応により前記cDNAを鋳型としてPCR法により増幅された制御遺伝子の前駆体断片のセンス鎖では、センスプライマー由来の開始コドンで開始された翻訳が、アンチセンスプライマー由来の終止コドンによって終了するように、読み枠を調整している。すなわち、開始コドンと終止コドンとの間に挟まれる領域の塩基数は3の整数倍となるようにしている。
このように配置することで、変異原性検出試験を行った際に、被検査試料に変異原性がない場合は、制御遺伝子の終止コドンが機能して後述するレポーター遺伝子が発現されず、被検査試料に変異原性がないことを検査者に示すことができる。
本実施例では、前述したセンスプライマー及びアンチセンスプライマーを用いて、前記cDNAを鋳型としてPCR法により増幅を行うことで、5’末端近傍に制限酵素BamHIの切断認識部位と開始コドンを有し、3’末端近傍に終止コドンと制限酵素BamHIの切断認識部位を有すると共に、開始コドンと終止コドンとの間には、306bpのGADPH遺伝子を含む324bpの制御遺伝子の前駆体断片を得た。この前駆体断片の塩基配列を配列番号3に示す。
この制御遺伝子の前駆体断片をエタノール沈殿操作に供して精製し、得られた精製物を制限酵素BamHIで消化して付着末端とし、変異原性検出用組換えベクターに挿入する制御遺伝子の断片を調製した。
〔変異原性検出用組換えベクターの構築〕
組換えに用いるベクターは、原核生物でプラスミドとして複製可能であり、しかも、ヒト細胞に感染可能なウイルスにパッケージング可能なものを用いる。このようなベクターは目的に応じて調製しても良いが、市販のベクターを利用して構築することも可能である。
また、ベクターが備えるレポーター遺伝子についても、所望の発現形態に応じて調製しても良いが、レポーター遺伝子があらかじめ挿入された市販のベクターを利用しても良い。本実施例ではpLEGFP-N1 レトロウイルスベクター (BD Biosciences Clontech社製)を用いた。
図1はpLEGFP-N1 レトロウイルスベクターの構造を示す模式図である。図1を用いて本ベクターに備えられた遺伝子について説明する。
このベクターは、大腸菌で複製可能なpBR322ベクターと、ヒト細胞に感染可能なウイルスにパッケージングできる発現ベクターとで環状に形成されている。発現ベクターとして機能する領域の5’末端及び3’末端には、レトロウイルスがヒト細胞に感染した後に、ウイルスの遺伝子(RNA)から逆転写酵素により生成したDNAを、ヒト細胞の染色体に組み込む際に利用される末端繰り返し配列(long terminal repeat・LTR)を有する5’LTR及び3’LTRが配置されている。
5’LTRの3’末端下流側には、ウイルス粒子に取り込まれる際に利用されるパッケージングであるΨ領域が配置され、これに続く3’末端下流側には、抗生物質であるネオマイシンに対する耐性遺伝子であるNeor領域が配置されている。
そして、Neor領域の3’末端下流側には、ヒト細胞内で転写の際にRNAポリメラーゼが結合する部位であるプロモーター(PCMV)が配置されており、当該プロモーター(PCMV)によって転写が可能となるように、オワンクラゲ由来の蛍光タンパク質である強化緑色蛍光タンパク質(enhanced green fluorescent protein・EGFP)をコードしたEGFP遺伝子がレポーター遺伝子として配置されている。
また、プロモーター(PCMV)の3’末端下流側であって、EGFP遺伝子の5’末端上流側の領域には、この領域でのみ切断できる複数の制限酵素認識部位を備え、外来遺伝子を挿入することができるMCS(マルチプルクローニングサイト・multiple cloning site)が配置してあり、所定の制限酵素でベクターを開環し、相補的に結合可能な末端を有する外来遺伝子を挿入することで、当該遺伝子をクローニングできるようにしている。
この、EGFP遺伝子の3’末端下流側に、前述した3’LTRが配置してある。
一方、3’LTRの3’末端下流側であって、5’LTRの5’末端上流側である領域には、大腸菌内で本プラスミドベクターを複製できるようにするための機能を備えた複製(ori)領域が配してあり、この複製領域には、抗生物質であるアンピシリンに対するの耐性遺伝子であるAmpr遺伝子を配置することで、本ベクターを導入した大腸菌のスクリーニングが容易になるようにしている。
このようなpLEGFP-N1 レトロウイルスベクターに制限酵素BamHIを添加して、前記MCSのBamHI認識部位から開環することで直鎖状DNAを得た。これにより、ベクターに導入する制御遺伝子の断片の5’及び3’末端の配列と、本ベクターの末端の配列が相補的に結合可能となる。
ここで、ベクターを開環する部位は、制御遺伝子を挿入した際に制御遺伝子の終止コドンの読み枠とレポーター遺伝子のORF(オープンリーディングフレーム)の読み枠とが一致するようにしている。すなわち、制御遺伝子の終止コドンとレポーター遺伝子の開始コドンとの間に挟まれる領域の塩基数は3の整数倍となるようにしている。
このように制御遺伝子を配置することで、被検査試料の変異原性によって制御遺伝子の終止コドンが翻訳を終結する能力を失った場合には、制御遺伝子とレポーター遺伝子とが転写されたmRNAが翻訳され、制御遺伝子産物とレポータータンパク質が結合した状態で産生できて、レポータータンパク質により検査者に被験試料が変異原性を有することを示すことができる。
本実施例では、制御遺伝子の断片とMCS内のBamHIサイトで開環したベクターとをそれぞれエタノール沈殿処理し、余分なバッファー等を除去し、次いで、T4 DNA Ligase(DNA Ligation Kit・宝酒造社製)を用いてベクターのMCSのBamHIサイトに制御遺伝子の断片をライゲーションした。
〔組換えベクターのクローニング〕
次に、ライゲーション処理して得られた組換えベクターを原核生物細胞に形質転換することで、クローニングを行った。
本実施例の組換えベクターのクローニングでは、コンピテント・セルとした大腸菌BL21株と組換えベクターとを共存させて形質転換を行った。なお、形質転換方法はコンピテント・セル法に限定されるものではなく、エレクトロポレーション法のように形質転換に用いられる他の方法であれば適用できることはいうまでもない。
そして、アンピシリンを含有するLB培地で形質転換処理した菌体を培養し、培地上に多数のコロニーを形成させた。
形成させたコロニーの中から、他のコロニーと接触していないコロニーをできるだけ多く回収し、それぞれのコロニーごとに培養を行うことで、形質転換された菌体を得た。
次いで、各コロニーを形成していた各菌体からそれぞれプラスミドDNAを抽出し、制限酵素BamHIで各プラスミドを消化した後、得られた消化物をアガロース電気泳動に供することによって、挿入した制御遺伝子断片の存否の確認を行った。
電気泳動の結果により、制御遺伝子フラグメントがベクターに挿入された組換えベクターを有していることが確認された菌体について、組換えベクター内にある制御遺伝子が適切に挿入されていることを確認するために、組換えベクターについてDNAシークエンスを行った。
そして、ベクターの所定の部位(本実施例ではpLEGFP-N1 レトロウイルスベクターのMCSの制限酵素BamHI認識部位)に、制御遺伝子断片が塩基の追加や欠失や置換を伴うことなく1つだけ挿入されており、制御遺伝子断片の終止コドンと、レポーター遺伝子のオープンリーディングフレームとの翻訳時の読み枠が一致している状態であって、被検査試料によって自己が変異された場合、レポーター遺伝子が正しく翻訳され、前記被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、レポーター遺伝子の上流に挿入してあるか否かを確認した。
本実施例ではpLEGFP-N1 レトロウイルスベクターのMCS部位に挿入されたDNA断片の塩基配列を決定するために設計されたプライマーを用いて、アプライドバイオシステムズ社製3130xlジェネティックアナライザシステムを用いてダイダーミネーター法により制御遺伝子近傍の塩基配列を決定した。
そして、DNAシークエンスの結果から制御遺伝子断片がベクターに適切に挿入されていることが判明した菌株を培養し、同菌株から抽出して得たプラスミドDNAを、変異原性検出用組換えベクター(図2参照)とした。
なお、本実施例で得られた変異原性検出用組換えベクターは、制御遺伝子の終止コドンの3’末端とEGFP遺伝子の開始コドンの5’末端とで挟まれる領域に18bpの塩基配列を有するものである。
〔ウイルスへのパッケージング〕
変異原性検出用組換えベクター内に構築したプロモーター、開始コドン及び終止コドンを具備する制御遺伝子並びにEGFP遺伝子を備える目的遺伝子をレトロウイルスパッケージングセルライン(BD Biosciences Clontech社製)を用いてウイルスの内部にパッケージングし、目的遺伝子を含みヒト細胞に感染可能なウイルス粒子を得た。
〔ヒト細胞の形質導入〕
目的遺伝子を収納したウイルス粒子をヒト細胞に感染させて形質導入することで、ウイルス内の目的遺伝子(RNA)から逆転写酵素により生成したDNAを、染色体に組み込んだヒト細胞を得た。
ヒト細胞は、正常ヒト表皮角化細胞(たとえばタカラバイオ株式会社製 正常ヒト表皮角化細胞(成人)(NHEK-Ad)TaKaRa Code C2501)を用いることもできるが、株化された正常ヒト表皮角化細胞であるHaCaT細胞を用いることで、不死化した感染ヒト細胞を得ることができ、利便性を図ることができる。
すなわち、0.5mlのウイルスストックに2×105個の正常ヒト表皮角化細胞(HaCaT細胞)を浮遊させ、ウイルス粒子とヒト表皮角化細胞の細胞膜との電荷による反発を抑えるために、ポリカチオンであるポリブレンを最終濃度が4〜10μg/mlになるように添加してウイルス粒子の感染を行った。
次いで、感染したヒト表皮角化細胞を24穴の培養皿で培養し、4〜8時間後に等量の培養液を加え、1〜2日間培養した後に細胞を洗浄した。
洗浄後のヒト表皮角化細胞をクローニングし、得られたヒト表皮角化細胞から抽出したゲノムDNAを鋳型として、前記ウイルス粒子の感染により導入した遺伝子をPCR法で増幅することにより、形質転換した細胞を選別した。
〔OGG1遺伝子及びMUTYH遺伝子のノックダウン〕
さらに、この形質導入したヒト細胞の変異原検出感度を高めるために、DNA修復酵素遺伝子のノックダウンを行った。本実施例では、ON/OFF制御型RNAiベクター(RNA interference vector)を用い、細胞の中に所定塩基配列を有するの2本鎖RNAを導入することで、RNAに対応する遺伝子のmRNAを切断して、当該遺伝子の発現を阻害する(ノックダウン)RNA干渉作用により、8-オキソグアニンDNAグリコシラーゼ1(8-oxoguanine DNA glycosylase 1、以下、OGG1という。)遺伝子と2-OH-アデニンDNAグリコシラーゼ(2-OH-A DNA glycosylase、以下、MUTYHという。)遺伝子とをノックダウンさせておくようにした。
前述したOGG1は、DNAの塩基配列上に生じた8-oxoGをグアニン(G)に修復する酵素であり、MUTYHはDNAの塩基配列上に生じた8-oxoGによって誤って取り込まれたアデニン(A)を除去することでDNAの修復を行う酵素である。
従って、これらの遺伝子の働きを抑えることで、制御遺伝子の終止コドンに生じた8-oxoGによる突然変異の修復を防いで、被検査試料の変異原性の検出感度を向上させることができる。
なお、ノックダウンする遺伝子は、OGG1遺伝子とMUTYH遺伝子との両方の遺伝子であることが好ましいが、OGG1遺伝子またはMUTYH遺伝子のどちらか一方であっても良く、また、同様の効果を生起する他の遺伝子についてノックダウンするようにしても良い。
前述のようにして調製した変異原性検出用のヒト細胞を用いて、変異原性を検出した結果について説明する。
変異原性検出用のヒト細胞を、OGG1遺伝子をノックダウンしたグループ、OGG1遺伝子及びMUTYH遺伝子との両者をダブルノックダウンさせたグループ、及び、OGG1遺伝子及びMUTYH遺伝子をダブルノックダウンさせた細胞にアポトーシス阻害剤であるZ-VAD-FMK(Z-Val-Ala-DL-Asp-fluoromethylketone)を添加したグループに分けて変異原性の試験を次のように行った。
培地を入れた直径100mmの細胞培養用ディッシュ10枚に、1枚あたり5×105個の変異原性検出用のヒト細胞を入れ、細胞培養用ディッシュ9枚を3枚ずつ3群に分けて、被検査試料として過酸化水素(H2O2)を各群の終濃度が0.1、0.3、0.5mMとなるように添加して24時間培養した。なお、残り1枚の細胞培養用ディッシュは比較対照用として過酸化水素を添加せずに他の3群と同様の操作を行った。
次いで、細胞培養用ディッシュに入れていた培地を取り除き、過酸化水素を含まない培地を再度細胞培養用ディッシュに注入し、48時間培養を行った。
そして、培養後に細胞培養用ディッシュに浮遊するヒト細胞を顕微鏡下で観察し、EGFPが発現することで緑色蛍光を発しているヒト細胞を計数した。
本実施例で得られた結果を表1に示す。なお、表1中に記載した変異率とは、所定の過酸化水素濃度で処理後に発光したヒト細胞の数を、その群の過酸化水素処理を行わないで発光したヒト細胞の数で除算して得られた値である。
Figure 2006280304
表1から明らかなように、DNA修復酵素遺伝子の発現を抑制していない状態のヒト細胞でも、培地中の過酸化水素濃度に依存して、EGFP遺伝子の発現による発色細胞の数が増加する傾向が見られ、培地中の過酸化水素濃度が0.5mMとした場合では、11.5と高い変異率を検出することができた。
また、8-oxoGを修復するOGG1遺伝子のみをノックダウンしたヒト細胞では、発色細胞の数を増加させることができたが、培地中に過酸化水素を添加していない場合の発色細胞数も増加しているので、過酸化水素濃度が0.5mMの時の変異率はDNA修復酵素遺伝子をノックダウンしていない試験番号1とほぼ同等の11.25であった。
OGG1遺伝子及びMUTYH遺伝子をノックダウンした場合では、試験中にヒト細胞のアポトーシスが見られ、発色細胞数及び変異率の濃度依存性は確認することができなかった。
しかしながら、試験番号4に示すように、OGG1遺伝子及びMUTYH遺伝子をノックダウンし、培地にアポトーシス阻害剤を添加した場合では、添加した過酸化水素濃度に依存して明確に発色細胞数が増加し、過酸化水素濃度0.5mMでの変異率は13.04と非常に良好な検出性能を示すことができた。
本発明に係る変異原性検出用組換えベクターを構築するための市販ベクターを示したベクター地図である。 本発明に係る変異原性検出用組換えベクターのベクター地図である。 DNAの塩基配列上に生じた8-oxoGによる置換変異を示すための説明図である。

Claims (11)

  1. レポーター遺伝子をヒト細胞に形質導入して、当該ヒト細胞にレポーター遺伝子を発現させるべく構成してあり、形質導入されたヒト細胞を被検査試料が存在する状態で培養して、そのレポーター遺伝子が発現されるか否かに基づいて前記被検査試料の変異原性を検出させる変異原性検出用組換えベクターにおいて、
    前記被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、前記被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記レポーター遺伝子の上流に挿入してあることを特徴とする変異原性検出用組換えベクター。
  2. ヒト細胞で機能可能なプロモーターと、このプロモーターの下流に配してあり、当該プロモーターの作用により発現されるレポーター遺伝子と、このレポーター遺伝子の上流であって前記プロモーターの下流に設けたクローニング部位とを備え、前記レポーター遺伝子をヒト細胞に形質導入して、当該ヒト細胞にレポーター遺伝子を発現させるべく構成してあり、形質導入されたヒト細胞を被検査試料が存在する状態で培養して前記レポーター遺伝子が発現されるか否かに基づいて前記被検査試料の変異原性を検出させる変異原性検出用組換えベクターにおいて、
    前記被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、前記被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記クローニング部位に挿入してあることを特徴とする変異原性検出用組換えベクター。
  3. 所定種類の細菌内で複製するための複製領域と、ヒト細胞で機能可能なプロモーターと、このプロモーターの下流に配してあり、当該プロモーターの作用により発現され、緑色蛍光蛋白質をコードするレポーター遺伝子と、このレポーター遺伝子の上流であって前記プロモーターの下流に設けたクローニング部位とを備え、前記レポーター遺伝子をヒト細胞に形質導入して、当該ヒト細胞にレポーター遺伝子を発現させるべく構成してあり、形質導入されたヒト細胞を被検査試料が存在する状態で培養して前記レポーター遺伝子が発現されるか否かに基づいて前記被検査試料の変異原性を検出させる変異原性検出用組換えベクターにおいて、
    前記被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、前記被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記クローニング部位に挿入してあることを特徴とする変異原性検出用組換えベクター。
  4. 前記制御遺伝子は、開始コドンと終止コドンとの間に適宜の蛋白質をコードした塩基配列を配してなり、
    この制御遺伝子は前記クローニング部位に、前記プロモーターの機能により前記開始コドンから翻訳が開始されて終止コドンで翻訳が終了するように挿入してあり、当該制御遺伝子の終止コドンが変異していない場合、前記レポーター遺伝子が翻訳されず、制御遺伝子の終止コドンが変異した場合、レポーターとして機能するように前記レポーター遺伝子が翻訳されるようにしてある請求項2又は3記載の変異原性検出用組換えベクター。
  5. レポーター遺伝子が発現可能に形質導入してあり、被検査試料が存在する状態で培養されて、前記レポーター遺伝子を発現するか否かに基づいて前記被検査試料の変異原性を検出するためのヒト細胞であって、
    前記被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、前記被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記レポーター遺伝子の上流に導入してあることを特徴とするヒト細胞。
  6. プロモーターと、このプロモーターの下流に配してあり、当該プロモーターの作用により発現されるレポーター遺伝子とを備え、このレポーター遺伝子の上流であって前記プロモーターの下流にクローニング部位が設けてあるフラグメントが、前記プロモーターの作用により前記レポーター遺伝子が発現可能に形質導入してあり、被検査試料が存在する状態で培養されて、前記レポーター遺伝子を発現するか否かに基づいて前記被検査試料の変異原性を検出するためのヒト細胞であって、
    前記被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、前記被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記クローニング部位に導入してあることを特徴とするヒト細胞。
  7. プロモーターと、このプロモーターの下流に配してあり、当該プロモーターの作用により発現され、緑色蛍光蛋白質をコードするレポーター遺伝子とを備え、このレポーター遺伝子の上流であって前記プロモーターの下流にクローニング部位が設けてあるフラグメントが、前記プロモーターの作用により前記レポーター遺伝子が発現可能に形質導入してあり、被検査試料が存在する状態で培養されて、前記レポーター遺伝子を発現するか否かに基づいて前記被検査試料の変異原性を検出するためのヒト細胞であって、
    前記被検査試料によって自己が変異された場合、レポーターとして機能するようにレポーター遺伝子が翻訳され、前記被検査試料によって自己が変異されない場合、レポーター遺伝子が翻訳されないようにレポーター遺伝子の翻訳を制御する制御遺伝子が、前記クローニング部位に導入してあることを特徴とするヒト細胞。
  8. 前記制御遺伝子は、開始コドンと終止コドンとの間に適宜の蛋白質をコードした塩基配列を配してなり、
    この制御遺伝子は前記クローニング部位に、前記プロモーターの機能により前記開始コドンから翻訳が開始されて終止コドンで翻訳が終了するように挿入してあり、当該制御遺伝子の終止コドンが変異していない場合、前記レポーター遺伝子が翻訳されず、制御遺伝子の終止コドンが変異した場合、レポーターとして機能するように前記レポーター遺伝子が翻訳されるようにしてある請求項6又は7記載のヒト細胞。
  9. DNA修復酵素をコードする遺伝子の発現が抑制してある請求項5から8のいずれかに記載のヒト細胞。
  10. ヒト細胞を被検査試料が存在する状態で培養した結果に基づいて当該被検査試料の変異原性を検出する変異原性検出方法において、
    請求項5から9のいずれかに記載したヒト細胞を用い、培養された複数のヒト細胞それぞれについて、レポーター遺伝子が発現されたか否かを検査し、レポーター遺伝子が発現されたヒト細胞の数、及びレポーター遺伝子が発現されていないヒト細胞の数を計数し、得られた計数結果に基づいて当該被検査試料の変異原性を判定することを特徴とする変異原性検出方法。
  11. DNA修復酵素をコードする遺伝子の発現が抑制してあるヒト細胞を用いる場合、被検査試料と共にアポトーシス阻害剤が存在する状態でヒト細胞を培養する請求項10記載の変異原性検出方法。
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