JP2006278811A - 実装基板 - Google Patents

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Tomoyuki Higuchi
知行 樋口
Akira Watanabe
亮 渡辺
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Abstract

【課題】 半導体装置とマザー基板との対向領域内に形成される空きスペースを有効利用することにより、実装密度を高めることが可能な実装基板を提供する。
【解決手段】 ランド電極22が設けられたマザー基板20と前記ランド電極22に導通接続される外部接続電極33aを有する補助基板33との間に所定の板厚からなる中継基板40を介在させて両電極間を導通接続させるとともに前記マザー基板20と前記補助基板33とが対向する領域に空きスペース50を形成する。前記空きスペース50に、前記マザー基板20と前記補助基板33の少なくとも一方に設けられた電子チップ部品26を配置させるようにすると、前記対向領域である空きスペース50を有効的に利用することができ、実装密度を高めることが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、多数の電子部品が搭載される実装基板に係わり、特にマザー基板と各電子部品との対向領域内に形成される空きスペースを有効的に利用することにより、実装密度を高めることができるようにした実装基板に関する。
本発明に関連する先行技術、すなわち積層状態にある一組の基板間に電子部品を設けることにより実装密度を高める技術としては、例えば以下の特許文献1などに記載された先行技術が存在する。
この特許文献1には、背の高い電子部品5と背の低い電子部品10とが一方のメイン回路基板3と他方の拡張回路基板4にそれぞれ半田付け固定されており、一方の基板に設けられた雄コネクタ1が他方の基板に設けられた雌コネクタ2に差し込まれることにより、多数の電子部品を高密度実装することが可能な実装基板が記載されている。
特開平7−7238号公報
しかし、上記従来のものでは、対向する二枚の基板間の対向距離は、両基板を導通接続する雄コネクタと雌コネクタとが嵌合したときの長さ寸法(高さ寸法)で一義的に定まるものであること、およびこのようなコネクタの外形寸法は規格化されているために容易に変更することができない等の理由により、前記対向距離を越える高さ寸法を有する電子部品は前記二枚の基板間に配置することができないという問題がある。
あるいは、前記対向距離間に配置される電子部品の高さ寸法が、前記対向距離に比較して、例えば1/2以下等極端に低い場合には、電子部品の頭部と対向する基板との間に形成される隙間余裕が大きくなり過ぎる。このため、薄型の実装基板にし難いという問題がある。
また上記従来の実装基板では、電子部品が基板上に半田付けされているために交換し難く、電子部品のみに不具合が発生していても基板全体を破棄しなければならないという問題がある。
さらにCPUなどの半導体装置は下面に設けられた補助基板をマザー基板上に対向させた状態で固定されるが、CPUは専有面積が広いため、例えば小型の電子機器(携帯機器など)においてはマザー基板上にその他の電子部品を載置するスペースを確保し難いという問題、すなわち前記半導体装置とマザー基板とが対向する領域が有効的に利用されていないという問題がある。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、二枚の基板を対向配置したときの両基板が対向する領域に形成される空きスペースを有効的に利用できるようにした実装基板を提供することを目的としている。
また本発明は、半導体装置などを組み込んだ後であっても前記半導体装置を容易に交換することが可能な実装基板を提供することを目的としている。
本発明の実装基板は、ランド電極が設けられたマザー基板と、前記マザー基板に対向して配置されるとともに前記ランド電極に導通接続される外部接続電極を有する補助基板と、前記マザー基板のランド電極と前記補助基板の外部接続電極とを導通接続する中継基板とを有し、
前記外部接続電極が形成された電極形成領域を除く領域で、且つ前記マザー基板と前記補助基板とが対向する空きスペース内に、前記マザー基板と前記補助基板の少なくとも一方に設けられた電子部品が配置されていることを特徴とするものである。
本発明ではマザー基板と半導体装置を構成する補助基板とを、所定の厚み寸法を有する中継基板を介して接続し、前記マザー基板と前記補助基板との対向領域に空きスペースを形成するようにしたことから、この空きスペース内に複数の電子部品が配置することができ、前記対向領域を有効利用することが可能となる。このため、マザー基板に搭載可能なチップ部品を含む電子部品の実装密度を高めることができる。
上記において、前記中継基板の一方の面に複数の第1の接点が設けられ、他方の面に複数の第2の接点が設けられており、前記第1の接点は前記マザー基板のランド電極に導通接続され、前記第2の接点は前記補助基板の外部接続電極にそれぞれ導通接続されているものとして構成できる。
この場合は、例えば前記複数の第1の接点と前記複数の第2の接点とが、前記中継基板に形成された貫通孔と、この貫通孔内に設けられた導電部を介して導通接続される構成とすることができる。
または、前記複数の第1の接点と前記複数の第2の接点とが、前記中継基板の外面に配線された連結線を介して導通接続される構成とすることもできる。
上記において、前記中継基板の一方の面と他方の面との間にベース基材が設けられており、このベース基材の板厚寸法を選択することにより、前記空きスペースの高さ寸法が調整可能とされているものが好ましい。
上記手段では、使用目的に適した板厚寸法を有する中継基板を選択することができる。
また前記第1の接点が弾性接点であり、前記第2の接点が弾性接点又は固定接点であることを特徴とする。
前記第1の接点と第2の接点とがともに弾性接点である場合には、中継基板を容易に交換することができるため、中継基板の不具合に対しては迅速に対応することが可能となる。
例えば、前記弾性接点が、スパイラル接触子であるものとして構成することができる。
また、前記補助基板に挿通孔が形成されており、前記貫通孔に前記電子部品が挿入されている構成とすることができる。
上記手段では、高さ寸法の高い電子部品であっても前記空きスペース内に配置することができるようになる。
例えば、前記補助基板には、少なくとも1ヶ以上のベアチップが設けられることにより構築された半導体装置である。
本発明の実装基板では、半導体装置の補助基板とマザー基板とが、所定の厚み寸法を有する中継基板を介して接続させることにより、補助基板とマザー基板との間に空きスペースを形成することができる。このため、前記空きスペースに小型の電子部品(電子チップ部品)を複数配置させることが可能となり、実装密度を高めることができる。すなわち、通常は使用されることのない半導体装置とマザー基板との対向領域を有効利用することが可能となる。
また半導体装置や中継基板の交換を容易とすることができる。
図1は、本発明の実装基板を有する電子機器の構造を示す部分斜視図、図2は本発明の実装基板の実施の形態を示す平面図、図3は図1に示す電子機器の部分断面図、図4は中継基板に設けられた弾性接点の一実施形態としてのスパイラル接触子を示す断面図である。
図1は、例えば携帯電話やPDA等の電子機器10の一部を構成する筐体内部の構造である。前記筐体11は、下側筐体12と、上側筐体13とを有して構成され、前記下側筐体12と上側筐体13は図示しないひんじ部を介して開閉自在に取り付けられている。あるいは前記ひんじ部等が設けられず前記下側筐体12と上側筐体13が分離して設けられていてもよい。
図1に示すように、前記下側筐体12および上側筐体13はそれぞれ凹形状で形成されている。マザー基板20は、前記下側筐体12に形成された凹部12a内に収納されている。図1に示すように、前記マザー基板20上にはLEDやコンデンサ等の複数のチップ部品(電子部品)25、および4ヶの中継基板40,40,40,40などが実装されている。
さらに前記上側筐体23の天井面23aには、例えば少なくとも1ヶ以上のベアチップを有してなるCPUやMPUなどの処理装置31、ROMやRAMなどのメモリあるいは抵抗、コンデンサなどのその他の電子部品32を補助基板33上に搭載したMCM(マルチチップモジュール)等の半導体装置30が保持されている。すなわち、1つの半導体装置30は、前記補助基板33上に処理装置31およびその他の電子部品32を有することにより構築されている。
図1のように、前記上側筐体13と前記下側筐体12とを開いた状態にて、前記上側筐体13の天井面13aに前記半導体装置30を取り付け、蓋側に相当する前記上側筐体13を前記下側筐体12に近づく方向に閉じるとともに、図示しない掛止手段で前記上側筐体13と前記下側筐体12との間を掛止すると、前記マザー基板20上に設けられた各中継基板40の上面に設けられた上側弾性接点42に前記補助基板33の底面に設けられた複数の外部接続電極33aが当接し、各上側弾性接点42と各外部接続電極33aとを導通接続する状態に設定することが可能である(図3参照)。
この実施の形態に示す半導体装置30の中心には、前記補助基板33を板厚方向に貫通する挿通孔33Aが形成されている。したがって、前記処理装置31およびその他の電子部品32は、前記挿通孔33Aを避けた位置に設けられている。
また、前記半導体装置30を構成する補助基板33の底面に形成された複数の外部接続電極33aは、例えば略マトリックス状に、すなわち前記挿通孔33Aを避けた状態で前記補助基板33の縦横方向に沿って規則正しく複数の列で配列されている。なお、前記外部接続電極33aは、図示するような平面接触子(LGA)であってもよいし、あるいは球状接触子(BGA)、コーン状接触子(CGA)またはピン状接触子(PGA)などであってもよい。
図3に示すように、前記上側筐体13の天井面13aには、図示下方向に向けて略L字状に曲がる保持部14が前記上側筐体13と一体に設けられている。前記保持部14は、下方向(図示Z2方向)に延びる垂直延出部14aと、水平方向(図示X1−X2方向)に延びる水平延出部14bとを有して構成される。前記水平延出部14bは互いに向かい合う方向(内方向)に向けて延びている。前記水平延出部14bの上面14b1は、前記補助基板33を設置するための設置面であり、前記水平延出部14bの上面14b1と前記天井面13aとの間には、所定の間隔Hが空いている。前記間隔Hは、前記半導体装置30の厚み寸法(補助基板33に最も高さ寸法が高い部品(処理装置31又はその他の電子部品32など)を加えた厚み寸法)よりも大きな寸法で形成されている。このため、前記半導体装置30を前記保持部14内に保持させると、前記半導体装置30と前記天井面13aとの間に隙間dが形成されるようになっている。よって、前記半導体装置30は、前記保持部14内で前記隙間dに相当する高さ寸法だけ図示Z方向に移動することが可能とされている。このため、前記半導体装置30と前記天井面13aとの間に隙間dとの間に、例えば薄くスライスしたスペーサ29を積層するなどして介在させるようにし、常に前記保持部14を形成する前記水平延出部14bの上面14b1に前記半導体装置30を押し付けるようにする構成が好ましい。
なお、前記保持部14は前記上側筐体13と別個に設けられていても良い。また前記保持部14は、前記補助基板33の四辺の端部をそれぞれ保持できるように設けられていても良いが、前記補助基板33の二辺あるいは三辺の端部を保持できるように前記保持部14を設けておいてもよい。この場合、前記半導体装置30を前記保持部14が形成されていない側から前記天井面13aに沿って移動させることで、前記前記半導体装置30を前記保持部14,14間に容易に保持させることができ、前記半導体装置30を組み込みや易くすることが可能となる。
図3に示すように前記上側筐体13の天井面13aに保持部14が設けられ、この保持部14により前記半導体装置30の補助基板33を前記上側筐体23下へ保持する構造であると、特に前記半導体装置30を前記上側筐体13の天井面13aに接着剤等によって接着固定しなくてもよく、前記半導体装置30を交換したいときに容易に前記半導体装置30を前記上側筐体13の天井面13aから取り外し、新しい前記半導体装置30に交換することが出来る。
前記下側筐体12の凹部12a内に収納されたマザー基板20は、多数のプリント配線板(PWB)を重ねることにより構成された積層基板であり、前記マザー基板20の上面21には、複数のランド電極22が露出形成されている。
次に、前記マザー基板20上に設けられる中継基板40の一実施形態について図4を用いて説明する。なお、図4に示す中継基板を中継基板40Aとする。
図4に示すように、中継基板40Aは、ベース基材41と、前記ベース基材41の上下に設けられた上側弾性接点(第1の接点)42と下側接点(第2の接点)43と、シート部材44,44とを有して構成される。
前記ベース基材41の上側(Z1側)に設けられた上側弾性接点42は、例えば弾性変形部がスパイラル形状で形成されたスパイラル接触子であり、以下、上側弾性接点42のことを上側スパイラル接触子42と呼ぶ。図3に示す前記上側スパイラル接触子42は、前記補助基板33の外部接続電極33aからの押圧力を受けて弾性変形した収縮状態になっているが、前記スパイラル接触子42に前記押圧力が作用していないとき、すなわち自然長にあるときの前記上側スパイラル接触子42は、図4に示すようにベース基材41の上下表面からZ1およびZ2方向方向にそれぞれ突出する形状となっている。
図4に示すように、前記上側スパイラル接触子42は固定部42aと前記固定部42aから延出形成された弾性変形部42bとを有して構成されている。前記固定部42aを真上からみると例えばリング形状で形成されており、前記固定部42aの所定部位から前記固定部42aの内方向に向けてスパイラル形状に弾性変形部42bが延出形成されている。同時に前記弾性変形部42bは、立体フォーミングにより上方に向けて突出成形されている。前記固定部42aは、前記シート部材44によって固定保持されている。すなわち、前記シート部材44には貫通孔44aが設けられており、前記固定部42aの上面が前記貫通孔44aの下面側の縁周部に接着剤で固定されている。前記上側スパイラル接触子42の弾性変形部42bは前記貫通孔44aを通って図示上方向に向けて突出されている。なお、前記シート部材44は絶縁材料で形成されることが好ましく、例えばポリイミド樹脂で形成される。
前記上側スパイラル接触子42は、電鋳形成、あるいは箔体表面にメッキ層が形成されて構成されている。一つの例を言えばスパイラル接触子形状の銅箔の周囲に無電解メッキ法にてNiやNiPがメッキ形成された構成である。
前記シート部材44にはこのような上側スパイラル接触子42が多数固定保持されている。そして、多数の上側スパイラル接触子42を有する前記シート部材44が前記ベース基材41の上側に設けられている。
図4に示すように前記ベース基材41には前記上側スパイラル接触子42の弾性変形部42bと膜厚方向にて対向する位置に貫通孔40aが形成されている。前記貫通孔40aの内周面には導電部45がスパッタ等で形成されている。前記導電部45は前記ベース基材41の上面の一部及び下面の一部にも延出して形成される。図4に示すように、前記ベース基材41の上面側に、前記上側スパイラル接触子42が固定保持された前記シート部材44が図示しない異方性導電接着剤などにより貼り付けられる。このとき前記上側スパイラル接触子42の固定部42aと前記導電部45との間は前記異方性導電接着剤を介して導通した状態になっている。
この実施の形態では、前記ベース基材41の下側に設けられた下側接点43も上側スパイラル接触子42と同様のスパイラル接触子(以下、「下側スパイラル接触子43」という)で形成されている。前記下側スパイラル接触子43のスパイラル形状に形成された弾性変形部43bは図4に示すように下方向に突出するように立体フォーミングされている。前記下側スパイラル接触子43の固定部43aは、前記導電部45に異方性導電接着剤等を介して導通接続しており、この結果、膜厚方向(図示Z1−Z2方向)にて対向する上側スパイラル接触子42と前記下側スパイラル接触子43は前記導通部45を介して導通した状態になっている。また上側スパイラル接触子42と前記下側スパイラル接触子43は前記導通部45の上下の位置で図示Z方向に弾性変形可能な状態にある。
なお、前記上側弾性接点42と下側接点43とは上記のようなスパイラル接触子に限られるものではなく、例えば金属膜の裏面にゴムやエラストマーなどからなる弾性体を張り付けた弾性コンタクト、接点となる先端部が略U字形状に湾曲形成されるとともに全体が弾性的に変形することが可能なスプリングピン(コンタクトピン)、ストレスドメタル、コンタクトプローブ(特開2002−357622参照)、あるいは竹の子バネなどで構成することも可能である。
また前記下側接点42は上記スパイラル接触子などからなる弾性接点に限られるものではない。例えば凸形状をした固定接点(スタッドバンプ)であり、前記固定接点の先端部と前記ランド電極22との間が半田付け又は導電性接着剤などで固定されている態様であってもよい。
次に、前記中継基板の他の実施形態について図5,図6を用いて説明する。図5は他の実施形態として示す中継基板を一方向から見たときの斜視図、図6は前記一方向と異なる他方向から見たときの斜視図である。なお、図5,図6に示す中継基板を中継基板40Bとする。
図5,図6に示すように、中継基板40Bは図示Y1およびY2の長手方向に向かって直線的に延びるバー形状をしている。中継基板40Bは基台として機能するベース基材41と、このベース基材41の表面に貼り付けられたシート部材44とを有している。
前記ベース基材41がバー形状で形成されており、幅(X)方向の一方の側面には円弧状の湾曲面41Aを有している。前記ベース基材41は、例えば絶縁性の硬質基板(ガラスエポキシ)などで形成することが可能である。
前記シート部材44は、上記同様にポリイミドシートなど絶縁性および可撓性を有する薄手のものが好ましく、前記シート部材44の表面には規則正しく並ぶ複数の接点が設けられている。図5に示す前記中継基板40Bの一方の面には、Y方向に向かって2列に並ぶ複数の上側弾性接点(第1の接点)42A,42Bが設けられている。
図5に示すように、上側弾性接点42Aは、前記シート部材44の表面で且つ幅方向(X方向)の外側(X1側)に位置する仮想線Yaに沿って図示Y方向に所定の間隔Lで形成されている。また上側弾性接点42Bは、前記シート部材44の表面で且つ幅方向(X方向)の内側(X2側)に位置する仮想線Ybに沿って図示Y方向に所定の間隔Lで形成されている。なお、前記上側弾性接点42A,42Bが形成されている領域が弾性接点形成領域Aである。
また図6に示す前記中継基板40Bの他方の面には、Y方向に向かって2列に並ぶ複数の下側接点(第2の接点)43A,43Bが設けられている。この実施の形態に示す複数の下側接点43A,43Bは、弾性接点以外の通常の接点(先端が凸状に突出した固定接点(スタッドバンプ))であり、前記シート部材44上の前記上側弾性接点42A,42Bが形成されている面と同じ表面上に形成されている。図6に示すように、一方の下側接点43Aは、前記シート部材44の幅方向(X方向)の外側(X1側)に位置する仮想線Ycに沿って図示Y方向に前記間隔Lで並設されており、他方の下側接点43Bは内側(X2側)に位置する仮想線Ydに沿って前記間隔Lで形成されている。なお、前記下側接点43A,43Bが形成されている領域が接点形成領域Bである。そして、前記弾性接点形成領域Aと前記接点形成領域Bとの間が、略U字形状に折り返された折り返し領域Cである。
前記弾性接点形成領域Aの外側に位置する上側弾性接点42Aと前記接点形成領域Bの外側に位置する下側接点43Aとは、例えば金、銀または銅などの導電性材料で形成された薄膜状の連結線46aで連結されており、同様に前記弾性接点形成領域Aの内側に位置する上側弾性接点42Bと前記接点形成領域Bの内側に位置する下側接点43Bとが薄膜状の連結線46bで連結されている。
前記弾性接点形成領域A、前記接点形成領域Bおよび折り返し領域Cとからなるシート部材44は、前記折り返し領域Cをベース基材41の湾曲面41Aに沿って折り返すとともに、その裏面側の全面を前記ベース基材41の外面に接着剤を介して貼り付けることにより形成されている。このため、図5に示すように前記ベース基材41の一方の面(Z1側の上面)に上側弾性接点42A,42Bを有する弾性接点形成領域Aが形成され、図6に示すように前記ベース基材41の他方の面(Z2側の下面)に下側接点43A,43Bを有する接点形成領域Bが形成されている。
なお、中継基板40Bにおいても、前記上側弾性接点42A,42Bは、例えば上記中継基板40Aと同様の立体フォーミングされたスパイラル接触子を用いることが可能である。ただし、上側弾性接点42A,42Bはスパイラル接触子に限られるものではなく、上記同様に金属膜の裏面にゴムやエラストマーなどからなる弾性体を張り付けた弾性コンタクト、接点となる先端部が略U字形状に湾曲形成されるとともに全体が弾性的に変形することが可能なスプリングピン(コンタクトピン)、ストレスドメタル、コンタクトプローブ、あるいは竹の子バネなどを用いることによっても構成することが可能である。
また図5,図6に示す実施の形態のおいては、前記下側接点43A,43Bが固定接点とした場合として説明したが、下側接点43A,43Bはこれに限られるものではなく、上記同様の弾性接点(スパイラル接触子等)で構成したものであってもよい。
また上記中継基板40に関する実施の形態では、上側弾性接点と下側接点の列数が2列の場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく3列、4列・・・と多数列を有する構成であってもよい。この場合にも各上側弾性接点とこれに対応する下側接点とは貫通孔40aの内周面に設けられた導電部45または連結線46a,46b等を用いることにより両者の間を導通接続させることが可能である。
前記中継基板40(40A,40B)では、上側弾性接点と下側接点との間に設けられる前記ベース基材41は、その板厚寸法を自由に選択することが可能である。このため、使用の目的に合わせて薄手の中継基板40とすること及び厚手の中継基板40とすることが可能である。
図3に示す上蓋(上側筐体13)を閉じた状態では、前記中継基板40の前記下側スパイラル接触子43は前記マザー基板20上のランド電極22と当接し導通した状態となっている。前記中継基板40自体は前記マザー基板20上に接着剤により接着固定されていてもよいが、そのような形態に限定されない。接着剤を用いる場合は、異方性導電ペーストを前記中継基板40の下面全体に塗布し、前記異方性導電ペーストを介して前記中継基板40とマザー基板20とを接着固定するか、あるいは非導電性ペーストや非導電性フィルムを用いて、前記中継基板40とマザー基板20とを接着固定することも出来る。前記非導電性ペーストや非導電性フィルムを用いる場合は、前記下側スパイラル接触子43と前記マザー基板20のランド電極22間の良好な導通性を図るべく、前記非導電性ペースト及び非導電性フィルムは、前記下側スパイラル接触子43及びランド電極22が形成されていない前記中継基板40とマザー基板20間に介在させることが好ましい。
前記中継基板40とマザー基板20間を接着固定しない場合は、例えば両面粘着テープ等の粘着材を用い、前記中継基板40とマザー基板20間を接合する。かかる場合、前記中継基板40はマザー基板20上から着脱可能であり、例えば前記中継基板40の交換も容易に出来る。両面粘着テープは、ポリ塩化ビニルフィルムの上下面に例えばゴム系エラストマーやアクリル樹脂のような粘着剤を塗布したものである。また特に、前記中継基板40とマザー基板20間に前記接着剤や粘着剤等を介在させなくても前記中継基板40を前記マザー基板20の所定位置上に正確に保持することも出来る。前記上側筐体13を前記下側筐体12に掛止させたとき前記中継基板40には前記上側筐体13から前記補助基板33を介して下方向(図示Z2方向)への押圧力が作用するので、前記押圧力によって前記中継基板40を前記マザー基板20の所定位置上に正確に保持することが出来る。また前記マザー基板20上に位置決め部材を設けておき、前記位置決め部材によって前記中継基板40を前記マザー基板20上に設置させるようにすれば、前記中継基板40を前記マザー基板20上の所定位置に、より正確に設置させることが可能となる。
図1および図2に示すものでは、4つの中継基板40が半導体装置30の補助基板33の4つの辺に対向する位置に設けられている。このため、前記半導体装置30とマザー基板20とが対向する領域で且つ4つの中継基板40で囲まれた領域には空きスペース50が形成される。そして、マザー基板20上の、前記空きスペース50内には例えば抵抗、コンデンサ、あるいはコイルなどからなる複数の電子チップ部品(電子部品)26(個別に符号26a,26b,26c,26dを付して示す)が設けている。
すなわち、本願発明では通常利用させることがない半導体装置30を構成する補助基板33とマザー基板20との対向領域に空きスペース50を積極的の形成し、前記空きスペース50の有効的に利用を図ること、つまりより多くの電子チップ部品26を搭載するようにしたことから、高密度実装が可能なマザー基板20とすることが可能となる。
また例えば、高さ寸法が高い電子チップ部品26を前記空きスペース50に配置する必要がある場合には、ベース基材41の板厚寸法が厚い中継基板40を選択するとともに前記スペーサ29の枚数を減らすようにすると、前記半導体装置30を上側筐体23の天井面23aに近づく図示上方(Z1方向)に移動させることができ、前記空きスペース50の対向距離L1を高さ方向に広げる方向に調整することが可能となる。このため、高さ寸法の高い電子チップ部品26であっても、前記空きスペース50に配置することが可能である。
しかし、電子チップ部品26の高さ寸法hが、前記半導体装置30が最もZ1方向に移動したときの最大の対向距離L1よりも大きい場合(ただし、前記上側筐体13の天井面13aとマザー基板20との間の対向距離L2以下)には、前記空きスペース50内に配置することができない。
そこで、高さ寸法hが前記最大の対向距離L1を越えるような場合、すなわち図3に示すような電子チップ部品26cを前記空きスペース50内に配置する必要がある場合には、前記補助基板33に形成された挿通孔33A内に電子チップ部品26cの頭部などを挿通させるようにすると、前記電子チップ部品26cを前記上側筐体13の天井面13aとマザー基板20との間の対向距離L2内に配置させることが可能となる。
上記実施の形態では、半導体装置30を構成する補助基板33とマザー基板20との間に、上側弾性接点42及び下側接点43を有する中継基板40を配置するようにしたことから、半導体装置30さらには中継基板40自体を自在に交換することができる。このため半導体装置30のバージョンアップの際や、中継基板40の不具合の際には、迅速且つ容易に新品の半導体装置30又は中継基板40に交換することができる。
しかも、前記補助基板33とマザー基板20との間の対向距離L1に対応する板厚寸法を有する中継基板40を選択することにより、前記空きスペース50内に複数の電子チップ部品26を配置した状態で前記半導体装置30の外部接続電極33aとマザー基板20のランド電極22との間の導通接続を確保することができる。
上記実施の形態では、バー形状の中継基板40を複数(4ヶ)用いた場合について説明したが、前記中継基板40の形状は前記バー形状に限られるものではない。例えば半導体装置30の前記補助基板33に合わせた正方形状のベース基材、あるいは補助基板33の中央(その他の位置でも可)に開口が形成された口型形状のベース基材、さらにはその他の形状からなるベース基材の表裏両面に、上記同様の上側弾性接点および下側接点が略マトリックス状に配置された構成であってもよい。
また上記実施の形態では、マザー基板上に設けられた電子チップ部品26が空きスペースに配置されるものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、半導体装置30の補助基板33の下面に固定された電子チップ部品26が前記空きスペースに配置される構成であってもよいし、前記マザー基板20と補助基板33の双方に設けられた電子チップ部品26が前記空きスペースに配置される構成であってもよい。
また本発明における電子機器10は携帯機器に限るものではない。
本発明の実装基板を有する電子機器の構造を示す部分斜視図、 本発明の実装基板の実施の形態を示す平面図、 図1に示す電子機器の部分断面図、 中継基板に設けられた弾性接点の一実施形態としてのスパイラル接触子を示す断面図、 他の実施形態として示す中継基板を一方向から見たときの斜視図、 他の実施形態として示す中継基板を前記一方向とは異なる他方向から見たときの斜視図、
符号の説明
10 電子機器
11 筐体
12 下側筐体
13 上側筐体
13a 天井面
14 保持部
20 マザー基板
22 ランド電極
26 電子チップ部品(電子部品)
29 スペーサ
30 半導体装置
33 補助基板
33a 外部接続電極
33A 挿通孔
40,40A,40B 中継基板
41 ベース基材
42,42A,42B 上側弾性接点(上側スパイラル接触子;第1の接点)
42a 固定部
42b,43b 弾性変形部
43 下側接点(下側スパイラル接触子;第2の接点)
43A,43B 下側接点(固定接点;第2の接点)
44a 貫通孔
45 導電部
46a,46b 連結線
50 空きスペース

Claims (9)

  1. ランド電極が設けられたマザー基板と、前記マザー基板に対向して配置されるとともに前記ランド電極に導通接続される外部接続電極を有する補助基板と、前記マザー基板のランド電極と前記補助基板の外部接続電極とを導通接続する中継基板とを有し、
    前記外部接続電極が形成された電極形成領域を除く領域で、且つ前記マザー基板と前記補助基板とが対向する空きスペース内に、前記マザー基板と前記補助基板の少なくとも一方に設けられた電子部品が配置されていることを特徴とする実装基板。
  2. 前記中継基板の一方の面に複数の第1の接点が設けられ、他方の面に複数の第2の接点が設けられており、前記第1の接点は前記マザー基板のランド電極に導通接続され、前記第2の接点は前記補助基板の外部接続電極にそれぞれ導通接続されていることを特徴する請求項1記載の実装基板。
  3. 前記複数の第1の接点と前記複数の第2の接点とが、前記中継基板に形成された貫通孔と、この貫通孔内に設けられた導電部を介して導通接続されていることを特徴とする請求項1記載の実装基板。
  4. 前記複数の第1の接点と前記複数の第2の接点とが、前記中継基板の外面に配線された連結線を介して導通接続されていることを特徴とする請求項1記載の実装基板。
  5. 前記中継基板の一方の面と他方の面との間にベース基材が設けられており、このベース基材の板厚寸法を選択することにより、前記空きスペースの高さ寸法が調整可能とされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の実装基板。
  6. 前記第1の接点が弾性接点であり、前記第2の接点が弾性接点又は固定接点であることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載の実装基板。
  7. 前記弾性接点が、スパイラル接触子であることを特徴とする請求項6記載の実装基板。
  8. 前記補助基板に挿通孔が形成されており、前記貫通孔に前記電子部品が挿入されていることを特徴とする請求項1、2、4または5のいずれか一項に記載の実装基板。
  9. 前記補助基板には、少なくとも1ヶ以上のベアチップが設けられることにより構築された半導体装置であることを特徴とする請求項1又は2記載の実装基板。
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