JP2006276250A - 有機el画素回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動トランジスタのしきい値電圧の変動を効果的に補償する。
【解決手段】ゲート電位Vgに応じた駆動電流を電源PVddから有機EL素子ELに流す駆動トランジスタT4を設ける。この駆動トランジスタT4と電源PVddの間には駆動制御トランジスタT5を挿入配置するとともに、駆動トランジスタT4をダイオード接続するか否かを制御する短絡トランジスタT3を設ける。さらに、データラインDLからのデータ信号を駆動トランジスタT4の制御端へ供給するか否かを制御する選択トランジスタT1と、選択トランジスタT1と、駆動トランジスタT4の制御端との間にコンデンサCsを挿入配置するともに、このコンデンサCsの選択トランジスタT1側と、前記電源PVddとの間の接続をオンオフする電位制御トランジスタT2を設ける。
【選択図】図1

Description

有機EL素子へ供給する駆動電流を制御する駆動トランジスタのしきい値補償が行える有機EL画素回路に関する。
自発光素子であるエレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:以下EL)素子を各画素に発光素子として用いたEL表示装置は、自発光型であると共に、薄く消費電力が小さい等の有利な点があり、液晶表示装置(LCD)やCRTなどの表示装置に代わる表示装置として注目されている。
特に、EL素子を個別に制御する薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチ素子を各画素に設け、画素毎にEL素子を制御するアクティブマトリクス型EL表示装置では、高精細な表示が可能である。
このアクティブマトリクス型EL表示装置では、基板上に複数本のゲートラインが行(水平)方向に延び、複数本のデータライン及び電源ラインが列(垂直)方向に延びており、各画素は有機EL素子と、選択TFT、駆動用TFT及び保持容量を備えている。ゲートラインを選択することで選択TFTをオンし、データライン上のデータ電圧(電圧ビデオ信号)を保持容量に充電し、この電圧で駆動TFTをオンして電源ラインからの電力を有機EL素子に流している。
特表2002−514320公報
しかし、このような画素回路において、マトリクス状に配置された画素回路の駆動TFTのしきい値電圧がばらつくと、輝度がばらつくことになり、表示品質が低下するという問題がある。そして、表示パネル全体の画素回路を構成するTFTについて、その特性を同一にすることは難しく、そのオンオフのしきい値がばらつくことを防止することは難しい。
そこで、駆動TFTにおけるしきい値のバラツキの表示に対する影響を防止することが望まれる。
ここで、TFTのしきい値の変動への影響を防止するための回路については、従来より各種の提案がある(例えば、上記特許文献1)。
しかし、この提案では、しきい値変動の補償をするための回路を必要とする。従って、このような回路を用いると、画素回路の素子数が増加し、開口率が小さくなってしまうという問題があった。また、補償のための回路を追加した場合、画素回路を駆動するための周辺回路についても変更が必要となるという問題もあった。
本発明は、効果的に駆動トランジスタのしきい値電圧の変動を補償できる画素回路を提供する。
本発明は、制御端の電位に応じた駆動電流を電源から有機EL素子に流す駆動トランジスタと、この駆動トランジスタと前記有機EL素子に直列に配置され、前記駆動電流をオンオフする駆動制御トランジスタと、前記駆動トランジスタをダイオード接続するか否かを制御する短絡トランジスタと、データラインからのデータ信号を前記駆動トランジスタの制御端へ供給するか否かを制御する選択トランジスタと、この選択トランジスタと、前記駆動トランジスタの制御端との間に挿入配置された容量と、この容量の前記選択トランジスタ側と、前記電源との間の接続をオンオフする電位制御トランジスタと、を有し、前記駆動トランジスタは、nチャネルトランジスタとすることを特徴とする。
また、前記駆動制御トランジスタ、短絡トランジスタ、選択トランジスタおよび電位制御トランジスタをnチャネルトランジスタとすることが好適である。
また、前記駆動制御トランジスタは、前記駆動トランジスタと、電源の間に挿入配置されることが好適である。
以上のように、本発明によれば、選択トランジスタをオンした状態で、短絡トランジスタをオンすることによって、駆動トランジスタの制御端電圧をデータ電圧および駆動トランジスタのしきい値電圧に応じたものにセットすることができる。従って、駆動トランジスタのしきい値電圧の変動によらず、データ電圧に応じた駆動電流を有機EL素子に供給することができる。また、駆動トランジスタをnチャネルトランジスタとしたため、トランジスタの特性が優れており、その能動層をアモルファスシリコンで形成することも可能になる。さらに、選択トランジスタと駆動トランジスタの制御端の間にコンデンサを挿入しても、従来の選択トランジスタを直接pチャネルの駆動トランジスタの制御端に接続した場合と同じ極性のデータ信号を利用することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る画素回路の構成を示している。データラインDLは、垂直方向に伸び、画素の表示輝度についてのデータ信号(データ電圧Vsig)を画素回路に供給する。データラインDLは、1列の画素に対し1本設けられており、垂直方向の画素に対し、その画素のデータ電圧Vsigを順次供給する。
このデータラインDLには、nチャネルの選択トランジスタT1のドレインが接続されており、この選択トランジスタT1のソースは、コンデンサCsの一端に接続されている。選択トランジスタT1のゲートは、水平方向に伸びるゲートラインGLに接続されている。このゲートラインGLには、水平方向の各画素回路の選択トランジスタT1のゲートが接続されている。
また、ゲートラインGLと同様に水平方向に伸びる容量セットラインCSが設けられており、この容量セットラインCSには、nチャンネルの電位制御トランジスタT2のゲートが接続されている。電位制御トランジスタT2のソースは電源ラインPVddに接続され、ドレインはコンデンサCsと選択トランジスタT1のソースに接続されている。なお、電源ラインPVddは垂直方向に伸びており、垂直方向の各画素に電源電圧PVddを供給する。
コンデンサCsの他端は、nチャンネルの駆動トランジスタT4のゲートに接続されている。駆動トランジスタT4のドレインは、nチャネルの駆動制御トランジスタT5のソースに接続され、ドレインは有機EL素子ELのアノードに接続されている。駆動制御トランジスタT5のドレインは、電源ラインPVddに接続されており、ゲートは、水平方向に伸びる発光セットラインESに接続されている。また、有機EL素子ELのカソードは、低電圧のカソード電源CVに接続されている。
さらに、駆動トランジスタT4のゲートには、nチャネルの短絡トランジスタT3のドレインが接続されており、この短絡トランジスタT3のソースは、駆動トランジスタT4のドレインに、またゲートはゲートラインGLに接続されている。
このように、本実施形態では、垂直方向にデータラインDLと、電源ラインPVddが配置され、水平方向にゲートラインGLと、発光セットラインESが配置されている。
次に、この画素回路の動作について、説明する。
図2に示すように、この画素回路(データラインDLを含む)は、1水平期間において、ゲートラインGL、発光セットラインES、容量セットラインCSの状態(Hレベル,Lレベル)に応じて、(i)データセット(GL=Hレベル,ES=Lレベル)、(ii)プリチャージ(GL=Hレベル,ES=Hレベル)、(iii)リセット(GL=Hレベル,ES=Lレベル)、(iv)電位固定(GL=Lレベル,ES=Lレベル)、(v)発光(GL=Lレベル,ES=Hレベル)の4つの状態があり、これを繰り返す。なお、この書き込み期間において容量セットラインCSは、Lレベルである。
また、データラインDLにおけるデータは、図に示すように、書き込み対象のラインが選択された段階でその水平ラインの各列のデータラインDLに順次データがセットされる。すなわち、データラインDLに対しては、データが画素毎のデータが点順次出力される。そして、すべてのデータラインDLにデータがセットされた後、各画素回路にそのデータ(データ電圧)が取り込まれる。
なお、各種の電圧は次のように設定することが好適である。電源ラインPVddはPVdd,発光セットラインESはHレベル=PVdd,Lレベル=VVBB、ゲートラインGLはHレベル=VVDD、Lレベル=VVBB、容量セットラインCSはHレベル=VVDD、Lレベル=VVBB、カソード電源CV=CVにし、PVdd=8V、VVDD=10V、VVBB=−2V、CV=−2V程度に設定するとよい。
以下、書き込みの動作について、説明する。
(i)データセット(GL=Hレベル,ES=Lレベル,CS=Lレベル)
まず、発光セットラインES=Lレベルとして、電源ラインPVddからの電流を遮断すると共に、容量セットラインCS=Lレベルとして、選択トランジスタT1と容量CSの接続点の電圧を下げる。そして、この状態でゲートラインGLをHレベルとし、データラインDLに対応する各画素のデータ電圧を順次セットする。従って、データラインDLにデータにセットされた電圧が容量CSに印加される。なお、データラインDLには、データ電圧が点順次でセットされるが、各データラインDLは容量が接続されており、一旦印加されたデータ電圧が保持される。
(ii)プリチャージ
各データラインDLへのデータセットが終了した後、発光セットラインESをHレベルとする。これによって、駆動トランジスタT4のドレインが電源ラインPVddに接続され、また短絡トランジスタT3がオンになっているため、駆動トランジスタT4のゲートが電源電位PVdd近くにまでチャージされる。
(iii)リセット
その後、発光セットラインESをLレベルに戻し、駆動トランジスタT4を電源PVddから切り離す。これによって、図3に示すように、駆動トランジスタT4のゲート電位は、そのソース電位からしきい値電圧Vtnだけオフセットのかかった電位まで下がる。一方、トランジスタT4のドレイン電位は有機EL素子ELのしきい値電圧Veとなるため、駆動トランジスタT4のゲート電圧Vg=Ve+Vtnとなる。また、このときのコンデンサCsのデータラインDL側はデータラインDLのデータ電圧Vsigになっている。
(iv)電位固定
次に、ゲートラインGLをLレベルにセットして、選択トランジスタT1、短絡トランジスタT3をオフする。これによって、駆動トランジスタT4のゲート電圧Vg=Ve+Vtnに固定される。このとき、コンデンサCsの反対側の電圧はVsigであり、コンデンサCsには、Vsig−Vg=Vsig−(Ve+Vtn)の電圧が充電される。
(v)発光
電位が固定された後、発光セットラインESおよび容量セットラインCSをHレベルにする。これによって、図4に示すように、コンデンサCsの選択トランジスタT1側の電圧はPVddになり、従って駆動トランジスタT4のゲート電圧Vg=PVdd−Vsig+Ve+Vtnとなる。そして、駆動制御トランジスタT5もオンになるため、駆動トランジスタT4がそのゲートソース間電圧Vgsに応じた電流を流し、これが有機EL素子ELに供給される。ここで、駆動トランジスタT4のソース電位Vs=Ve+I・Rとなる。ここで、Iは有機EL素子ELに流れる電流値、Rは有機EL素子ELのオン抵抗である。従って、駆動トランジスタT4のゲートソース間電圧Vgs=Vg−Vs=PVdd−Vsig+Vtn−I・Rとなる。
有機EL素子ELのオン抵抗Rは、有機EL素子の面積を大きくし、有機EL素子の有機層を薄くすることで、かなり小さくすることができる。そして、駆動トランジスタT4におけるドレイン電流Iは、I=(1/2)β(Vgs−Vtn)2によって決定されるため、駆動トランジスタT4のしきい値電圧によらずに、データ電圧Vsigに応じた電流を駆動トランジスタT4に流すことができる。なお、βは駆動トランジスタT4増幅率であり、β=μεGW/GLで表され、μはキャリアの移動度、εは誘電率、GWはゲート幅、GLはゲート長である。
特に、駆動トランジスタT4のゲートソース間電圧Vgsは、PVddからデータ電圧Vsigを減算した電圧に基づいて決定される。従って、データ電圧Vsigは、pチャネルの駆動トランジスタのゲートに直接供給するデータ電圧Vsigと同一のものを利用することができる。従って、データラインDLを駆動する回路を従来と同様の構成にすることができる。
上述の説明では、基本的に1画素についての動作についてのみ説明した。実際には、表示パネルは、マトリクス状に画素が配置されており、これらのそれぞれについて対応する輝度信号に応じたデータ電圧Vsigを供給して各有機EL素子を発光させる。すなわち、図5に示すように、表示パネルには、水平スイッチ回路HSRと、垂直スイッチVSRが設けられており、これらの出力によってデータラインDL、ゲートラインGL、その他発光セットラインES、容量セットラインCSなどの状態が制御される。特に、水平方向の各画素には、1つのゲートラインGLが対応づけられており、このゲートラインGLは垂直スイッチVSRよって、1つずつ順に活性化される。次に、1つのゲートラインGLが活性化される1水平期間の途中までの期間に、水平スイッチHSRによってすべてのデータラインDLにデータ電圧が点順次で供給され、すべてのデータラインDLにセットされる。そして、各データラインDLのデータ電圧が対応する1水平ライン分の各画素回路にデータが同時に書き込まれる(各画素に取り込まれたデータ電圧が確定する)。そして、各画素回路において、1垂直期間後まで書き込まれたデータ電圧に応じた発光がされる。
次に、1水平ライン内の各画素に対するデータの書き込み手順について、図6に基づいて説明する。
まず、1水平期間の開始を示すイネーブル信号ENBのLレベルの後に、すべてのデータラインDLに点順次データ電圧Vsigを書き込む。すなわち、データラインDLには、容量などが接続されており、電圧信号をセットすることで、データラインDLにそのデータ電圧Vsigが保持される。そこで、各列の画素についてのデータ電圧Vsigを順次対応するデータラインDLにセットすることで、すべてのデータラインDLにデータ電圧Vsigをセットする。
そして、このデータのセットが終了した段階で、発光セットラインESをHレベルとしてプリチャージし、その後発光セットラインESをLレベルに戻してリセットを行う。そして、ゲートラインGLをLレベルに戻すことで、画素回路内のコンデンサCsの充電電圧が固定され、その後容量セットラインCSをHレベルとすることで駆動トランジスタT4のゲートがシフトして、当該水平ラインの全画素において、発光が行われる。
このようにして、通常のビデオ信号(データ電圧Vsig)を順次データラインDLに書き込み、これを画素回路にセットして、発光させることができる。
「実施形態の効果」
図1の示すように、画素回路に使用するトランジスタ(薄膜トランジスタ:TFT)をすべてnチャネルトランジスタとすることが好適である。nチャネルトランジスタは、その特性がpチャネルトランジスタに比べ優れている。このため、トランジスタの能動層をアモルファスシリコンとしても、十分動作が可能になる。そこで、能動層について、ポリシリコン化する処理を不要として歩留まりを改善することができる。
また、選択トランジスタT1と駆動トランジスタT4のゲートの間にコンデンサCsを挿入しても、従来の選択トランジスタを直接pチャネルの駆動トランジスタの制御端に接続した場合と同じ極性のデータ信号を利用することができる。
「変形例」
図7には、変形例の画素回路の構成を示す。この例では、電位制御トランジスタT2の一端(ドレイン)が電源ラインPVddではなく、発光セットラインESに接続されている。この構成によっても、図1の例と同様の作用が得られる。また、電源としては同一のPVddに接続されるが、発光セットラインESは、電源ラインPVddとは別のラインであり、有機EL素子ELへ駆動供給する電源ラインPVddに比べその電圧変動がなく、安定した動作が得られる。すなわち、電位制御トランジスタT2による電圧Vnを設定する際に、電源ラインPVddの電圧降下の影響を受けることがない。
実施形態に係る画素回路の構成を示す図である。 動作を説明するチャート図である。 データの書き込みを説明する図である。 発光時を説明する図である。 パネルの全体構成を示す図である。 データセットのタイミング例を示す図である。 変形例の画素回路の構成を示す図である。
符号の説明
Cs コンデンサ、CS 容量セットライン、CV カソード電源、DL データライン、EL 有機EL素子、ENB イネーブル信号、ES 発光セットライン、GL ゲートライン、HSR 水平スイッチ、PVdd 電源電圧、T1 選択トランジスタ、T2 電位制御トランジスタ、T3 短絡トランジスタ、T4 駆動トランジスタ、T5 駆動制御トランジスタ、VSR 垂直スイッチ、Vg 駆動トランジスタのゲート電圧、Vsig データ電圧。

Claims (3)

  1. 制御端の電位に応じた駆動電流を電源から有機EL素子に流す駆動トランジスタと、
    この駆動トランジスタと前記有機EL素子に直列に配置され、前記駆動電流をオンオフする駆動制御トランジスタと、
    前記駆動トランジスタをダイオード接続するか否かを制御する短絡トランジスタと、
    データラインからのデータ信号を前記駆動トランジスタの制御端へ供給するか否かを制御する選択トランジスタと、
    この選択トランジスタと、前記駆動トランジスタの制御端との間に挿入配置された容量と、
    この容量の前記選択トランジスタ側と、前記電源との間の接続をオンオフする電位制御トランジスタと、
    を有し、
    前記駆動トランジスタは、nチャネルトランジスタとすることを特徴とする有機EL画素回路。
  2. 請求項1に記載の回路において、
    前記駆動制御トランジスタ、短絡トランジスタ、選択トランジスタおよび電位制御トランジスタをnチャネルトランジスタとすることを特徴とする有機EL画素回路。
  3. 請求項1または2に記載の回路において、
    前記駆動制御トランジスタは、前記駆動トランジスタと、電源の間に挿入配置されることを特徴とする有機EL画素回路。
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