JP2006276222A - カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 放電電極及び放電誘導電極を備えた帯電器において、部品の有効利用を図る。
【解決手段】 スコロトロン型帯電器を収容するドラムカートリッジの上フレーム211に対し、放電電極としての放電ワイヤ131を、放電誘導電極としてのシールド部材132とは独立して着脱可能となっている。このため、シールド部材132を交換することなく放電ワイヤ131のみを交換することが可能となり、シールド部材132の有効利用を図ることができる。しかも、シールド部材132を上フレーム211から取り外すことなく放電ワイヤ131を着脱することができるため、シールド部材132が汚れたり破損したりしてしまうことを防ぐことができる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、帯電器を備えたカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、像担持体としての感光ドラムの表面を帯電器により帯電し、帯電された感光ドラムの表面をレーザビームで露光して静電潜像を形成し、その静電潜像にトナーを塗布して現像することによって、感光ドラムの表面にトナー像を形成する。そして、感光ドラム上のトナー像を転写ローラによって用紙等の記録媒体に転写し、定着器で加圧し加熱して記録媒体に定着させることによって、画像を印刷する。
また、こうした画像形成装置では、消耗部品の交換等を容易に行うことができるようにするため、感光ドラム、帯電器、転写ローラ等の部品をユニット化し、着脱可能なカートリッジとして構成することが一般的である。
ここで、帯電器としては、コロナ放電を生じるワイヤ等の放電電極と、この放電電極との間に空間を空けて配置された放電誘導電極とを有し、放電電極のコロナ放電により感光ドラムを帯電させる構成のものが用いられる。このような構成の帯電器は、使用に伴い劣化する(主として、放電電極へのシリカ等の付着により放電性能が低下する)ことから、定期的に交換する必要がある。
そこで、例えば、プロセスカートリッジから帯電器のみを取り外すことができるようにしたものがある(特許文献1参照)。
特開平9−68848号公報
ところで、帯電器の放電電極は、放電誘導電極に比べ高い電圧(放電バイアス)が印加される等の理由から、放電誘導電極に比べ早く劣化する。逆にいえば、帯電器の放電誘導電極は、放電電極に比べると劣化しにくく、耐用期間が長い。しかしながら、上記特許文献1に記載の構成は、帯電器ごと交換するものであるため、放電誘導電極が十分に使用可能な状態であっても放電電極とともに交換されてしまうこととなり、放電誘導電極が有効に利用されないという問題がある。なお、プロセスカートリッジから帯電器を取り外した後に、帯電器から放電電極のみを取り外して交換することも考えられるが、交換の必要のない放電誘導電極までプロセスカートリッジから取り外されることは、放電誘導電極が汚れたり破損したりする要因となる。
本発明は、こうした問題にかんがみてなされたものであり、放電電極及び放電誘導電極を備えた帯電器において、部品の有効利用を図ることを目的としている。
上記目的を達成するためになされた本発明の請求項1に記載のカートリッジは、画像形成装置に着脱可能なカートリッジであって、帯電器と、この帯電器を収容する収容部材とを備えている。ここで、本カートリッジが備える帯電器は、コロナ放電を生じる放電電極と、この放電電極との間に空間を空けて配置された放電誘導電極とを有し、放電電極のコロナ放電により被帯電体(例えば像担持体)を帯電させる構成のものである。そして、本カートリッジにおいて、帯電器の放電電極は、帯電器の放電誘導電極が収容部材に収容された状態で着脱可能に構成されている。
このように構成された請求項1のカートリッジによれば、放電誘導電極を交換することなく放電電極を交換することが可能となるため、放電誘導電極の有効利用を図ることができる。しかも、放電誘導電極を収容部材から取り外すことなく放電電極を着脱することが可能となるため、放電誘導電極が汚れたり破損したりしてしまうことを防ぐことができる。
なお、カートリッジとしては、感光ドラム等の像担持体を備えた構成のものや、トナー等の現像剤を像担持体に供給する現像装置を更に備えた構成のものなどが挙げられる。
ここで、放電電極は、請求項2に記載のように、本カートリッジの外側から着脱可能に構成されていることが好ましい。このように構成されていれば、放電電極を交換しやすくすることができる。
また、請求項3に記載のように、放電誘導電極が、本カートリッジの外側から着脱可能に構成されていれば、放電誘導電極についても交換しやすくすることができる。
ところで、カートリッジにおいて放電電極を支持する放電電極支持部材は、請求項4に記載のように、収容部材とは別体で構成されていることが好ましい。このような構成のカートリッジによれば、放電電極支持部材を、収容部材と異なる材料で形成することができる。このため、例えば、導電性の樹脂を用いて放電電極支持部材を形成することにより放電電極支持部材を介して放電電極に電圧を印加することを可能としつつ、導電性の樹脂よりも一般的に安価な非導電性の樹脂を用いて収容部材を形成するといったことが可能となる。
そして特に、請求項5に記載のように、放電電極支持部材が、収容部材に対し、放電電極と一体で着脱可能に構成されていれば、収容部材から放電電極のみを単独で着脱する構成に比べ、放電電極の着脱(特に取り付け)を容易に行うことができる。
また、請求項6に記載のカートリッジでは、上記請求項4又は5に記載のカートリッジにおいて、放電電極支持部材にV字状の切り欠きが形成されており、この切り欠きによって放電電極の位置決めを行う。
このような構成のカートリッジによれば、放電電極の取り付け作業が容易となり、しかも、寸法誤差が取り付け位置のがたつきに影響しにくくなるという効果がある。すなわち、例えば、放電電極の位置決めを同一溝幅の切り欠きによって行う構成の場合、放電電極を挿入可能でかつ放電電極の取り付け位置にがたつきが生じない溝幅に設定する必要があるため、放電電極の取り付け作業(切り欠きへの挿入作業)がしづらく、また、寸法誤差による取り付け位置のがたつきが大きくなってしまう。これに対し、V字状の切り欠きは、放電電極の取り付け作業が容易であり、しかも、寸法誤差による取り付け位置のがたつきが生じにくいという利点がある。
さらに、請求項7に記載のカートリッジでは、上記請求項4〜6のいずれかに記載のカートリッジにおいて、放電電極支持部材が、非画像形成領域で放電電極を支持するように構成されている。このため、本カートリッジによれば、放電電極を、その機能を損なわないように支持することができる。
一方、請求項8に記載のカートリッジでは、上記請求項4〜7のいずれかに記載のカートリッジにおいて、放電誘導電極には、放電電極をその両側から挟むように互いに対向して配置された対向板部が形成されている。例えば、ワイヤ状の放電電極をその張設方向と垂直な方向の両側から挟むように(その張設方向と平行に)互いに対向して配置された構成や、板状(例えば鋸歯形状)の放電電極をその板面と垂直な方向の両側から挟むように(その板面と平行に)互いに対向して配置された構成などが挙げられる。そして、放電電極支持部材は、収容部材に収容されている状態で、放電誘導電極の前記各対向板部における他方の対向板部との対向面(内側の面)と当接する形状に構成されている。このため、本カートリッジによれば、放電誘導電極の対向板部が内側に倒れてしまうことを防止することができる。特に、この構成では、放電電極支持部材を対向板部の内倒れ防止に利用しており、専用の部材を別途用意する必要が無いことから、部品点数を削減することができる。
また、請求項9に記載のカートリッジでは、上記請求項4〜8のいずれかに記載のカートリッジにおいて、収容部材が、放電電極支持部材が取り外されている状態では、放電誘導電極を収容部材に対して着脱可能な状態で支持し、放電電極支持部材が収容されている状態では、放電誘導電極を放電電極支持部材との間で挟持するように構成されている。このような構成により、本カートリッジによれば、放電誘導電極が例えば薄い金属板で形成されている場合にも、その変形を効果的に防止することができる。また、放電電極支持部材を放電誘導電極の挟持に利用しており、専用の部材を別途用意する必要が無いことから、部品点数を削減することができる。さらに、収容部材から放電電極支持部材を取り外すことにより放電誘導電極が着脱可能となる構成のため、放電電極支持部材が収容部材に収容されているか否かに関係なく放電誘導電極を独立して着脱可能に構成する場合に比べ、構造を簡素化することができる。
ところで、放電電極にコロナ放電を生じさせるには、画像形成装置に設けられた電圧印加手段(電圧印加回路等)から放電電極に電圧を印加する構成が考えられる。具体的には、例えば請求項10又は11のように構成するとよい。
すなわち、請求項10に記載のカートリッジでは、上記請求項1〜9のいずれかに記載のカートリッジにおいて、放電電極は、収容部材の外側(帯電器を収容するための収容部の外側)に露出する露出部を有しており、この露出部から放電電極に電圧が印加されるように構成されている。このように構成されたカートリッジでは、収容部材の外側から放電電極に電圧を印加するための端子として放電電極自体を用いることができるため、放電電極に電圧を印加するための端子を別途設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。なお、本カートリッジは、放電電極自体を端子として機能させる構成であることから、帯電器としては、板状(例えば鋸歯形状)の放電電極を有した構成のものが好ましい。
また、請求項11に記載のカートリッジは、上記請求項1〜9のいずれかに記載のカートリッジにおいて、放電電極に張力を付与する導電性の張力付与部材を備えている。そして、張力付与部材は、その一部又は全部が収容部材の外側に露出しており、この露出部から放電電極に電圧が印加されるように構成されている。このように構成されたカートリッジでは、収容部材の外側から放電電極に電圧を印加するための端子として張力付与部材を用いることができるため、放電電極に電圧を印加するための専用端子を別途設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。なお、本カートリッジは、放電電極に張力を付与する張力付与部材を備えた構成であることから、帯電器としては、こうした張力付与部材の必要性が高いワイヤ状の放電電極を有した構成のものが好ましい。
一方、請求項12に記載のカートリッジでは、上記請求項1〜11のいずれかに記載のカートリッジにおいて、放電電極が、収容部材に収容された状態で固定される固定部を有しており、本カートリッジは、固定部を覆うカバー部材を備えている。このため、本カートリッジによれば、通常使用状態において放電電極に使用者の手が触れてしまうことを防止しつつ、放電電極を着脱する際には、カバー部材を取り除くことで放電電極の固定部を露出させることができる。
そして特に、請求項13に記載のように、収容部材が、帯電器を収容する第1収容部材と、この第1収容部材とは別体であって被帯電体を収容する第2収容部材とに分離可能に構成されており、カバー部材が、第2収容部材の一部として構成されていれば、通常使用状態において放電電極に使用者の手が触れてしまうことを防止しつつ、第1収容部材を第2収容部材から取り外すことにより、放電電極の着脱を行うことができる。また、専用のカバー部材を別途設ける必要がないため、部品点数を削減することができる。
次に、請求項14に記載の画像形成装置は、請求項1〜13のいずれかに記載のカートリッジを備えたことを特徴とするものである。このため、本画像形成装置によれば、上記請求項1〜13のいずれかに記載のカートリッジについて述べた効果と同様の効果を得ることができる。
次に、請求項15に記載の画像形成装置は、帯電器と、この帯電器を収容する収容部材とを備えている。ここで、本画像形成装置が備える帯電器は、コロナ放電を生じる放電電極と、この放電電極との間に空間を空けて配置された放電誘導電極とを有し、放電電極のコロナ放電により被帯電体(例えば像担持体)を帯電させる構成のものである。そして、本画像形成装置において、帯電器の放電電極は、帯電器の放電誘導電極が収容部材に収容された状態で着脱可能に構成されている。
このように構成された請求項15の画像形成装置によれば、放電誘導電極を交換することなく放電電極を交換することが可能となるため、放電誘導電極の有効利用を図ることができる。しかも、放電誘導電極を収容部材から取り外すことなく放電電極を着脱することが可能となるため、放電誘導電極が汚れたり破損したりしてしまうことを防ぐことができる。
なお、請求項15に記載の画像形成装置は、上記請求項2〜13に記載のカートリッジの構成に倣い、構成要素を限定することも可能である。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1.1 全体構成]
図1は、第1実施形態の画像形成装置としてのレーザプリンタ1の概略側断面図である。
同図に示すように、このレーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙Pを給紙するためのフィーダ部3や、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4などを備えている。なお、以下の説明では、本レーザプリンタ1について、図1でいう右側を正面側(前側)と称し、図1でいう左側を背面側(後側)と称する。
本体ケーシング2における正面側には、後述するプロセスカートリッジ100を着脱するための着脱口を開閉するフロントカバー5が設けられている。具体的には、フロントカバー5は、その下端部に挿通された図示しないカバー軸を回転軸として回転移動可能な状態で本体ケーシング2に支持されている。そして、カバー軸を中心としてフロントカバー5を閉じると、フロントカバー5によって着脱口が閉鎖され、カバー軸を中心としてフロントカバー5を開く(傾倒させる)と、着脱口が開放され、この着脱口から、プロセスカートリッジ100を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。
フィーダ部3は、本体ケーシング2内の底部に着脱可能に装着される給紙トレイ8と、給紙トレイ8の前端部の上方に設けられる給紙ローラ9と、給紙ローラ9の後斜め上方に設けられるレジストローラ13とを備えている。
給紙トレイ8は、記録媒体としての用紙Pを複数枚重ねて収容可能に構成されている。そして、給紙トレイ8に収容されている用紙Pは、給紙ローラ9の回転によって1枚ごとに分離され、レジストローラ13に搬送される。
レジストローラ13は、互いに対向する1対のローラから構成され、用紙Pを斜行補正した後、画像形成部4の転写位置(後述する感光ドラム121と転写ローラ122との間のニップ位置であって、感光ドラム121上のトナー像を用紙Pに転写する位置)に向けて搬送する。
一方、画像形成部4は、スキャナ部17、プロセスカートリッジ100、定着部19などを備えている。
スキャナ部17は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ光源、回転駆動されるポリゴンミラー20、fθレンズ21、折り返しミラー22、シリンドリカルレンズ23、反射ミラー24などを備えている。そして、レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、図1において二点鎖線で示すように、ポリゴンミラー20で偏向され、fθレンズ21を通過した後、折り返しミラー22によって光路が折り返され、更にシリンドリカルレンズ23を通過した後、反射ミラー24によって更に光路が下方に屈曲されることにより、プロセスカートリッジ100の後述する感光ドラム121の表面に高速走査にて照射される。
プロセスカートリッジ100は、画像形成プロセス(帯電、現像、転写、クリーニング(感光ドラム121のクリーニング))を行う構成を搭載したカートリッジであり、スキャナ部17の下方において、本体ケーシング2に対して着脱可能に装着されている。このプロセスカートリッジ100は、ドラムカートリッジ110と、このドラムカートリッジ110に対して着脱可能に装着される現像装置としての現像カートリッジ150とから構成されている(図3参照)。
ドラムカートリッジ110は、本体ケーシング2に対して着脱可能に構成されており、前側に現像カートリッジ150が装着され、後側に、被帯電体(像担持体)としての感光ドラム121、スコロトロン型帯電器130、転写ローラ122及びクリーニングブラシ123を備えている。
感光ドラム121は、アルミニウム等の金属素管からなるドラム本体の表面が、ポリカーボネートを主成分とする有機感光体からなる感光層によって被覆された構成のものであり、転写ローラ122と対向接触するニップ部分において用紙Pと同じ方向に移動するように(つまり、図1でいう時計回りに)回転駆動される。
スコロトロン型帯電器130は、感光ドラム121の表面における後述する現像ローラ153との接触位置よりも上流側(感光ドラムの回転方向上流側)において、感光ドラムの表面と接触しないように距離を空けて設けられている。なお、スコロトロン型帯電器130の具体的構成については後述する。
転写ローラ122は、金属製の軸部材が導電性の弾性材料(例えばゴム)からなるローラ部材で被覆された構成のものであり、感光ドラム121と上下方向において対向して接触し、感光ドラム121との間にニップを形成するように配置されている。なお、転写ローラ122には転写バイアスが印加される。
クリーニングブラシ123は、感光ドラム121の後方において、ブラシの先端が感光ドラム121のドラム本体の表面に接触する状態で配置されている。
一方、現像カートリッジ150は、ドラムカートリッジ110に対し着脱可能に構成されており、筐体151内に、トナー収容室152、現像ローラ153、供給ローラ154、層厚規制部材155などを備えている。
トナー収容室152内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが収容されている。このトナーとしては、重合性単量体、例えば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーが使用されている。なお、トナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合され、また、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。
現像ローラ153は、金属製の軸部材が導電性の弾性材料(例えばゴム)からなるローラ部材で被覆された構成のものであり、筐体151に形成された開口から感光ドラム121と対向して接触する位置に設けられている。そして、現像ローラ153は、感光ドラムと対向接触するニップ部分において感光ドラム121と同じ方向に移動するように(つまり、感光ドラム121と逆方向に回転するように)回転駆動される。なお、現像ローラ153には、所定の現像バイアスが印加される。
供給ローラ154は、金属製の軸部材が導電性の発泡材料(例えばスポンジ)からなるローラ部材で被覆された構成のものであり、現像ローラ153と対向して接触する位置に設けられている。そして、供給ローラ154は、現像ローラ153と対向接触するニップ部分においてこの現像ローラ153と逆方向に移動するように(つまり、現像ローラ153と同じ方向に回転するように)回転駆動される。
層厚規制部材155は、金属の板ばね部材からなるブレード本体の先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部を備えており、ブレード本体の一端部が筐体151に支持され、他端部の押圧部がブレード本体の弾性力によって現像ローラ153の表面に圧接されている。
一方、定着部19は、プロセスカートリッジ100の後側に設けられ、加熱ローラ68及び押圧ローラ69を備えている。
加熱ローラ68は、アルミニウム等の金属素管と、その金属素管内に加熱のためのハロゲンランプとを備え、押圧ローラ69と対向接触するニップ部分において用紙Pと同じ方向に移動するように(つまり、図1でいう時計回りに)回転駆動される。
押圧ローラ69は、金属製の軸部材が耐熱性の弾性材料(例えばゴム)からなるローラ部材で被覆されたものであり、加熱ローラ68の下方において、この加熱ローラ68を押圧するように対向配置されている。また、押圧ローラ69は、加熱ローラ68の回転駆動に従って従動される。
このような構成により、画像形成部4では、トナー収容室152内のトナーが、供給ローラ154の回転により現像ローラ153に供給され、その際、供給ローラ154と現像ローラ153との間で摩擦によって正極性に帯電する。さらに、現像ローラ153上のトナーは、現像ローラ153の回転に伴って、層厚規制部材155の押圧部と現像ローラ153との間に進入し、ここで更に摩擦帯電されて、一定厚さの薄層として現像ローラ上153に担持される。
一方、感光ドラム121の表面は、スコロトロン型帯電器130により一様に正極性に帯電された後、スキャナ部17からのレーザビームの高速走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。
そして、現像ローラ153の回転により、現像ローラ153上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム121に対向して接触する際に、感光ドラム121の表面上に形成された静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム121の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化される。こうして、感光ドラム121の表面にトナー像が形成される。
その後、感光ドラム121と転写ローラ122とが、それらの間で用紙Pを挟持して搬送するように回転駆動され、感光ドラム121と転写ローラ122との間を用紙Pが搬送されることにより、感光ドラム121の表面に担持されているトナー像が用紙P上に転写される。
また、転写後に用紙Pとの接触によって感光ドラム121の表面に付着した紙粉は、感光ドラム121の表面がその回転に伴ってクリーニングブラシ123と対向した際に、そのブラシによって除去される。
一方、定着部19では、用紙P上に転写されたトナーを、用紙Pが加熱ローラ68と押圧ローラ69との間を通過する間に熱定着させる。こうしてトナーが定着した用紙Pは、本体ケーシング2の上面に向かって上下方向に延びた排紙パス70に搬送され、その上端に設けられる排紙ローラ71によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ72上に排紙される。
[1.2 スコロトロン型帯電器の構成]
次に、プロセスカートリッジ100(具体的には、ドラムカートリッジ110)の構成要素であるスコロトロン型帯電器130の構成について、図2を用いて説明する。
同図において、(a)は、スコロトロン型帯電器130における感光ドラム121の軸方向に垂直な断面の構成を表す断面図であり、(b)は、感光ドラム121側から見たスコロトロン型帯電器130の平面図(感光ドラム121と対向する面の平面図)である。
同図に示すように、このスコロトロン型帯電器130は、放電ワイヤ131と、この放電ワイヤ131との間に空間を空けて配置されたシールド部材132とを備えている。
放電ワイヤ131は、タングステン製の線材(ワイヤ)であり、感光ドラム121の軸方向に沿って感光ドラム121と一定距離を空けて張設されている。
一方、シールド部材132は、放電ワイヤ131と感光ドラム121との間に配置され放電ワイヤ131の張設方向(感光ドラム121の軸方向)を長手方向とする長方形状の開口形成板133と、この開口形成板133における長辺から垂直に延設され、放電ワイヤ131をその張設方向と垂直な方向の両側から挟むように(その張設方向と平行に)互いに対向して配置された2枚の対向板134,134(対向板部に相当)とからなる全体としてコの字状の金属板を本体としている。また、開口形成板133には、長方形状の開口部133aが形成されており、この開口部133aに感光ドラム121の軸方向に沿って複数本のワイヤ135を張設することでグリッド電極が形成されている。
このような構成により、スコロトロン型帯電器130は、放電ワイヤ131に電圧が印加されると、放電ワイヤ131がコロナ放電を生じてコロナイオンを放出し、放出されたコロナイオンが開口部133aを通って感光ドラム121表面を帯電させる。このとき、グリッド電極に電圧が印加されることによって、コロナイオンの通過量(換言すれば、感光ドラム121の帯電電位)が制御される。
[1.3 放電ワイヤの着脱構成]
次に、ドラムカートリッジ110に対する放電ワイヤ131の着脱構成について説明する。
図3は、プロセスカートリッジ100の斜視図である。また、図4(a)は、上フレーム111を下フレーム112から取り外した状態でのドラムカートリッジ110の斜視図であり、同図(b)は、上フレーム111を下フレーム112に装着した状態でのドラムカートリッジ110の斜視図である。さらに、図5(a)は、ワイヤクリーナ124を不図示とした上フレーム111における一端の拡大図であり、同図(b)は補助フレーム113を不図示とした上フレーム111における他端の拡大図である。一方、図6は、図4(a)とは異なる方向から見た上フレーム111の斜視図である。
図4に示すように、ドラムカートリッジ110は、上方が開放された箱形状の樹脂製の下フレーム112と、下方が開放された箱形状であって下フレーム112の後端上部位置(感光ドラム121が配置された位置の上部位置)に着脱可能に構成された樹脂製の上フレーム111とによってケーシングが構成されている。そして、上フレーム111には、スコロトロン型帯電器130が収容された状態で取り付けられ、下フレーム112には、感光ドラム121、転写ローラ122及びクリーニングブラシ123が収容された状態で取り付けられている。
スコロトロン型帯電器130は、その上方(シールド部材132における開放側であって、感光ドラム121と対向する側とは反対側)を覆われた状態で上フレーム111に支持されている。具体的には、スコロトロン型帯電器130の放電ワイヤ131には、図5に示すように、その両端部に環状の金属板からなる固定部材131a,131b(本発明の固定部に相当)が設けられており、各固定部材131a,131bが上フレーム111における幅方向(放電ワイヤ131の張設方向であって、感光ドラム121の軸方向)両端位置でそれぞれ固定されることにより、放電ワイヤ131が上フレーム111に直接支持されている。
すなわち、図5(a)に示すように、放電ワイヤ131の一端は、上フレーム111における一方の側壁111a近傍に形成されたワイヤ固定用溝部111b(放電ワイヤ131を挿入可能な幅でかつ固定部材131aを挿入不能な幅の溝)に固定部材131aが引っ掛けられた状態で固定される。そして、上フレーム111の側壁111aには、上フレーム111の外側から放電ワイヤ131の着脱操作を可能とするため、その固定箇所(ワイヤ固定用溝部111b)を上フレーム111の外側に露出させる切り欠き部111cが形成されている。ただし、通常使用状態において使用者が放電ワイヤ131に触れてしまうことを防ぐため、図4(b)に示すように、上フレーム111が下フレーム112に装着されている状態においては、切り欠き部111cが塞がれるように構成されている。具体的には、図4(a)に示すように、下フレーム112には、上フレーム111が装着された状態で上フレーム111の切り欠き部111cを塞ぐ部分に位置する突出部112aが形成されている。このため、上フレーム111が下フレーム112に装着されている状態(通常使用状態)では、放電ワイヤ131の固定箇所が突出部112aによって覆われ(図3、図4(b))、上フレーム111が下フレーム112から取り外されている状態では、放電ワイヤ131の固定箇所が上フレーム111の外側に露出した状態となる(図4(a),図5(a))。
また、図5(b)に示すように、放電ワイヤ131の他端は、上フレーム111における他方の側壁111dに形成された切り欠き部111eを介して、側壁111dの外面に固定された金属製のバネ125に固定部材131bが引っ掛けられた状態で固定される。ここで、バネ125は、その弾性力により放電ワイヤ131に張力を付与する機能と、レーザプリンタ1が備える図示しない電圧印加回路から放電ワイヤ131に電圧を印加するための端子としての機能とを有するものである。このように、固定部材131bの固定箇所(バネ125)が上フレーム111の外側に露出しており(図6参照)、上フレームの111の外側から放電ワイヤ131の着脱操作が可能となっている。ただし、通常使用状態において使用者が放電ワイヤ131に触れてしまうことを防ぐため、図6に示すように、上フレーム111の側壁111dに対し着脱可能に構成された補助フレーム113により、放電ワイヤ131の固定箇所を覆うように構成されている。このような構成により、補助フレーム113が上フレーム111に装着されている状態(通常使用状態)では、放電ワイヤ131の固定箇所が補助フレーム113によって覆われ(図6)、補助フレーム113を上フレーム111から取り外した状態では、放電ワイヤ131の固定箇所が上フレーム111の外側に露出した状態となる(図5(b))。
さらに、上フレーム111の上壁111fにおいて、放電ワイヤ131の上方(シールド部材132の開放部)を覆う部分には、放電ワイヤ131の張設方向に沿って一方の側壁111aから他方の側壁111dにわたって溝部111gが形成されており、この溝部111gにより放電ワイヤ131の上方が開放されている。このような構成により、放電ワイヤ131両端部の固定部材131a,131bを上フレーム111から取り外すことによって、放電ワイヤ131をその張設方向と垂直な方向(具体的には上方)にそのまま取り外すことができるようになっている。なお、溝部111gは、その両端部分(放電ワイヤ131の固定箇所の近傍部分)を除き、使用者の指が入らない程度の一定幅で形成されており、上フレーム111の外側から溝部111gを介して放電ワイヤ131に触れることができないように構成されている。
また、溝部111gには、この溝部111gに沿ってスライド移動可能に構成されたワイヤクリーナ124が設けられている。ワイヤクリーナ124は、放電ワイヤ131を挟んで折り曲げられた発泡材料(例えばスポンジ)のクリーナ部材と、このクリーナ部材を使用者の操作により溝部111gに沿って(放電ワイヤ131に沿って)スライド移動させるための操作部材とからなるものであり、ワイヤクリーナ124をスライド移動させることによって放電ワイヤ131表面のクリーニングを行うことができる。なお、ワイヤクリーナ124は、定位置(切り欠き部111cが形成されている側の端部位置)に配置されることで、放電ワイヤ131の固定箇所(ワイヤ固定用溝部111b)を上方から覆うように構成されている(図4、図6)。
[1.4 実施形態の効果]
以上説明したように、本第1実施形態のレーザプリンタ1は、ドラムカートリッジ110(具体的には上フレーム111)にスコロトロン型帯電器130のシールド部材132が収容された状態で、スコロトロン型帯電器130の放電ワイヤ131を着脱可能に構成されている。このため、本レーザプリンタ1によれば、シールド部材132を交換することなく放電ワイヤ131のみを交換することが可能となり、シールド部材132の有効利用を図ることができる。しかも、シールド部材132をドラムカートリッジ110(具体的には上フレーム111)から取り外すことなく放電ワイヤ131を着脱することができるため、シールド部材132が汚れたり破損したりしてしまうことを防ぐことができる。
また、本レーザプリンタ1では、放電ワイヤ131に張力を付与するバネ125を、放電ワイヤ131に電圧を印加するための端子として用いているため、放電ワイヤ131に電圧を印加するための専用端子を別途設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
さらに、本レーザプリンタ1では、ドラムカートリッジ110の通常使用状態においては、放電ワイヤ131両端の固定箇所が、下フレーム112の突出部112aと補助フレーム113とによってそれぞれ覆われるようにしているため、通常使用状態において放電ワイヤ131に使用者の手が触れてしまうことを防止できる。一方、放電ワイヤ131を着脱する際には、上フレーム111を下フレーム112から取り外し、補助フレーム113を上フレーム111から取り外すことにより、放電ワイヤ131両端部の固定部材131a,131bを露出させることができ、これにより放電ワイヤ131のみを上フレーム111に対して容易に着脱することができる。
特に、放電ワイヤ131の固定箇所(ワイヤ固定用溝部111b)を側方から覆う突出部112aが、下フレーム112の一部として構成されているため、専用の部材を別途設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
[1.5 特許請求の範囲との対応]
なお、第1実施形態のレーザプリンタ1では、プロセスカートリッジ100(具体的には、ドラムカートリッジ110)が、本発明のカートリッジに相当し、スコロトロン型帯電器130が、本発明の帯電器に相当し、放電ワイヤ131が、本発明の放電電極に相当し、シールド部材132が、本発明の放電誘導電極に相当する。また、上フレーム111が、本発明の第1収容部材に相当し、下フレーム112が、本発明の第2収容部材に相当し、下フレーム112の突出部112aと、補助フレーム113とが、本発明のカバー部材に相当し、バネ125が、本発明の張力付与部材に相当する。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態のレーザプリンタ1について説明する。第2実施形態のレーザプリンタ1は、上記第1実施形態のレーザプリンタ1と比較すると、全体構成及びスコロトロン型帯電器130の構成はおおむね同一であるが、放電ワイヤ131の着脱構成が相違する。そこで、以下の説明では、この相違点を主として説明することとし、その他、上記第1実施形態のレーザプリンタ1と共通する構成については、同一符号を用いることにより詳細な説明を省略する。
[2.1 放電ワイヤの着脱構成]
図7は、第2実施形態のスコロトロン型帯電器130の着脱構成を説明するための説明図である。また、図8(a)は、シールド部材132の上フレーム211への着脱方法を説明するための断面図であり、図8(b)は、放電ワイヤ131及び放電ワイヤ支持部材240の上フレーム211への着脱方法を説明するための断面図である。さらに、図9は、放電ワイヤ支持部材の斜視図である。
図7及び図8に示すように、本第2実施形態のレーザプリンタ1において、スコロトロン型帯電器130は、ドラムカートリッジ110のケーシングを構成する樹脂製の上フレーム211の上面に形成された収容部211aに収容されている。
収容部211aには、シールド部材132の各対向板134,134における外側の面に当接する側壁211b,211bと、シールド部材132の開口形成板133における周縁部に当接してシールド部材132の感光ドラム121側への移動を規制する規制部211cとが形成されている。このような構成により、収容部211aに収容されたシールド部材132は、その外側への変形が防止される。
また、シールド部材132が収容された状態の収容部211aには、スコロトロン型帯電器130の放電ワイヤ131を支持するとともにシールド部材132を上フレーム211との間で挟持する放電ワイヤ支持部材240が収容される。
放電ワイヤ支持部材240は、図9に示すように、放電ワイヤ131の張設方向(感光ドラム121の軸方向)を長手方向とする長方形状の蓋板241と、この蓋板241における片側の面から垂直に立設され互いに対向して配置された2つの支持板242,242とを有しており、これらは樹脂により一体成形されている。そして、放電ワイヤ支持部材240は、上フレーム211の収容部211aに収容された状態で、蓋板241がシールド部材132における開放部を塞ぐ位置に配置される。なお、蓋板241には、複数のスリット241aが形成されており、放電ワイヤ131から放出されるコロナイオンを感光ドラム121側へ効率よく流すための吸気口として機能する。
各支持板242は、放電ワイヤ131の位置決めを行うためのものであり、放電ワイヤ131における画像の形成に寄与する部分(感光ドラム121における画像形成領域と対向する部分)よりも外側(非画像形成領域)で放電ワイヤ131と接するように、蓋板241の長手方向両端位置近傍に設けられている。また、各支持板242には、V字状の切り欠き部242aが形成されており、この切り欠き部242aによって放電ワイヤ131の位置決めが行われる。なお、上記第1実施形態と同様、放電ワイヤ131の両端部には固定部材131a,131bが設けられており、各固定部材131a,131bが支持板242よりも外側の位置で放電ワイヤ支持部材240にそれぞれ固定されている。具体的には、放電ワイヤ131の一端は、放電ワイヤ支持部材240に形成された図示しないワイヤ固定用溝部に固定部材131aが引っ掛けられた状態で固定されており、放電ワイヤ131の他端は、放電ワイヤ支持部材240に設けられた図示しないバネに固定部材131bが引っ掛けられた状態で固定されている。
さらに、各支持板242は、放電ワイヤ支持部材240が上フレーム211の収容部211aに収容された状態で、シールド部材132の各対向板134における他方の対向板134との対向面(内側の面)と当接する形状に(各支持板242の幅が対向板134,134間の距離とほぼ等しく)構成されている(図7)。このため、シールド部材132は、上フレーム211と放電ワイヤ支持部材240とによって挟まれた状態で支持されることとなり、その変形が防止される。
このような構成により、図8(b)に示すように、放電ワイヤ131は、上フレーム211に対し、放電ワイヤ支持部材240と一体で着脱可能となっている。そして、図8(a)に示すように、シールド部材132は、放電ワイヤ支持部材240が上フレーム211から取り外されている状態で、上フレーム211に対し着脱可能となる。
[2.2 実施形態の効果]
以上説明したように、本第2実施形態のレーザプリンタ1は、ドラムカートリッジ110(具体的には上フレーム211)にスコロトロン型帯電器130のシールド部材132が収容された状態で、スコロトロン型帯電器130の放電ワイヤ131を着脱可能に構成されている。このため、本レーザプリンタ1によれば、シールド部材132を交換することなく放電ワイヤ131のみを交換することが可能となり、シールド部材132の有効利用を図ることができる。しかも、シールド部材132をドラムカートリッジ110(具体的には上フレーム211)から取り外すことなく放電ワイヤ131を着脱することができるため、シールド部材132が汚れたり破損したりしてしまうことを防ぐことができる。特に、第1実施形態のようにドラムカートリッジ110のケーシングを分解する必要がないため、放電ワイヤ131の着脱を極めて容易に行うことができる。
また、本レーザプリンタ1では、放電ワイヤ支持部材240が、上フレーム211とは別体で構成されているため、放電ワイヤ支持部材240を、上フレーム211と異なる材料で形成することが可能となる。例えば、導電性の樹脂を用いて放電ワイヤ支持部材240を形成することにより放電ワイヤ支持部材240を介して放電ワイヤ131に電圧を印加することを可能としつつ、導電性の樹脂よりも一般的に安価な非導電性の樹脂を用いて上フレーム211を形成するといったことも可能となる。
さらに、本レーザプリンタ1では、放電ワイヤ支持部材240が、上フレーム211に対し、放電ワイヤ131と一体で着脱可能に構成されているため、上フレーム211から放電ワイヤ131のみを単独で着脱する構成に比べ、放電ワイヤ131の着脱(特に取り付け)を容易に行うことができる。
また、放電ワイヤ支持部材240は、V字状の切り欠きによって放電ワイヤ131の位置決めを行う構成であるため、放電ワイヤ131の取り付け作業が容易となり、しかも、寸法誤差が取り付け位置のがたつきに影響しにくくなるという効果がある。すなわち、例えば、放電ワイヤ131の位置決めを同一溝幅の切り欠きによって行う構成の場合、放電ワイヤ131を挿入可能でかつ放電ワイヤ131の取り付け位置にがたつきが生じない溝幅に設定する必要があるため、放電ワイヤ131の取り付け作業(切り欠きへの挿入作業)がしづらく、また、寸法誤差による取り付け位置のがたつきが大きくなってしまう。これに対し、V字状の切り欠きは、放電ワイヤ131の取り付け作業が容易であり、しかも、寸法誤差による取り付け位置のがたつきが生じにくいという利点がある。
しかも、放電ワイヤ支持部材240は、非画像形成領域で放電ワイヤ131を支持するように構成されているため、放電ワイヤ131の機能を損なわないようにすることができる。
一方、本レーザプリンタ1では、放電ワイヤ支持部材240が、シールド部材132の各対向板134における他方の対向板134との対向面(内側の面)と当接する形状に構成されているため、シールド部材132の対向板134,134が内側に倒れてしまうことを防ぐことができる。特に、この構成では、放電ワイヤ支持部材240を対向板134,134の内倒れ防止に利用しており、専用の部材を別途用意する必要が無いことから、部品点数を削減することができる。
また、本レーザプリンタ1では、放電ワイヤ支持部材240が上フレーム211から取り外されている状態では、シールド部材132が上フレーム211に対して着脱可能な状態で支持され、放電ワイヤ支持部材240が上フレーム211に収容されている状態では、シールド部材132が放電ワイヤ支持部材240と上フレーム211との間で挟持されるように構成されているため、シールド部材132の変形を効果的に防止することができる。また、放電ワイヤ支持部材240をシールド部材132の挟持に利用しており、専用の部材を別途用意する必要が無いことから、部品点数を削減することができる。さらに、上フレーム211から放電ワイヤ支持部材240を取り外すことによりシールド部材132が着脱可能となる構成のため、放電ワイヤ支持部材240が上フレーム211に収容されているか否かに関係なくシールド部材132のみを独立して着脱可能に構成する場合に比べ、構造を簡素化することができる。
[2.3 特許請求の範囲との対応]
なお、第2実施形態のレーザプリンタ1では、プロセスカートリッジ100(具体的には、ドラムカートリッジ110)が、本発明のカートリッジに相当し、スコロトロン型帯電器130が、本発明の帯電器に相当し、放電ワイヤ131が、本発明の放電電極に相当し、シールド部材132が、本発明の放電誘導電極に相当する。また、上フレーム211が、本発明の第1収容部材に相当し、放電ワイヤ支持部材240が、本発明の放電電極支持部材に相当する。
[3.他の形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、上記第1実施形態のレーザプリンタ1では、放電ワイヤ131に張力を付与するバネ125を、放電ワイヤ131に電圧を印加するための端子として用いているが、これに限ったものではなく、放電電極自体を端子として用いる構成も可能である。例えば、上記第1実施形態のレーザプリンタ1に用いられる放電ワイヤ131に代えて、図10に示す放電電極を用いる。
図10は、一端が端子として機能する放電電極の一例としての鋸歯状電極331の説明図である。
同図に示すように、この鋸歯状電極331は、複数の針部331aが形成され、一端にU字状の折り曲げ部331b(本発明の露出部に相当)が形成された金属板からなるものである。そして、鋸歯状電極331を挿入する溝部340aが形成された2つの支持部材340,340によって鋸歯状電極331の両端が支持された状態で、鋸歯状電極331の折り曲げ部331bが支持部材340の外側(ドラムカートリッジ110の外側)に露出するように構成する。このような構成によれば、鋸歯状電極331の折り曲げ部331bを端子として用いることができる。なお、この構成では、鋸歯状電極331が、本発明の放電電極に相当する。
また、上記第2実施形態のレーザプリンタ1では、ドラムカートリッジ110の上フレーム211とは別体でスコロトロン型帯電器130の放電ワイヤ131を支持する放電ワイヤ支持部材240を、放電ワイヤ131と一体で着脱するように構成しているが、これに限ったものではなく、例えば、放電ワイヤ131を単独で取り外すことができるようにしてもよい。以下、その具体例について説明する。
図11は、スコロトロン型帯電器130が取り付けられた状態でのフレーム211の斜視図である。また、図12は、放電ワイヤ支持部材441,442の上フレーム211への着脱方法を説明するための斜視図である。さらに、図13は、シールド部材132の上フレーム211への着脱方法を説明するための斜視図である。一方、図14は、別形状のシールド部材132の斜視図である。
図11〜13に示すように、スコロトロン型帯電器130は、上記第2実施形態と同様、ドラムカートリッジ110のケーシングを構成する樹脂製の上フレーム211の上面に形成された収容部211aに収容されている。
図13に示すように、収容部211aには、上記第2実施形態と同様、シールド部材132の各対向板134,134における外側の面に当接する側壁211b,211bと、シールド部材132の開口形成板133における周縁部に当接してシールド部材132の感光ドラム121側への移動を規制する規制部211cとが形成されている。また、シールド部材132における一方の対向板134には、上フレーム211の収容部211a底面に立設された規制板211dに当接することでシールド部材132の長手方向(ワイヤ135の張設方向)への移動を規制する切り欠き部134aが形成されている。なお、切り欠き部134aに代えて、図14に示すように、規制板211dを挿入可能な溝部134bが形成された構成としてもよい。
また、図11及び図12に示すように、シールド部材132が収容された状態の収容部211aには、スコロトロン型帯電器130の放電ワイヤ131を支持するとともにシールド部材132を上フレーム211との間で挟持する放電ワイヤ支持部材441,442が収容される。
放電ワイヤ支持部材441は、直方体状の本体の上端に外側へ延びる鍔部が設けられた形状の樹脂製の部材であり、その上面には、放電ワイヤ131の固定部材131aを引っ掛けた状態で固定するための溝部441aが形成されている。
一方、放電ワイヤ支持部材442には、直方体状の本体からなる樹脂製の部材であり、その上面には、放電ワイヤ131の位置決めを行うためのV字状の切り欠き部442aが形成されている。そして、放電ワイヤ131の端部は、上フレーム211の外面に固定された金属製のバネ125により固定部材131bが引っ掛けられた状態で固定されている。また、各放電ワイヤ支持部材441,442は、シールド部材132の各対向板134,134における他方の対向板134との対向面(内側の面)と当接する形状に構成されており、各放電ワイヤ支持部材441,442が上フレーム211の収容部211aに収容された状態で、シールド部材132の内側の面に当接する。このため、シールド部材132は、上フレーム211と放電ワイヤ支持部材441,442とによって挟まれた状態で支持されることとなり、その変形が防止される。
このような構成により、放電ワイヤ131は、上フレーム211に対し、単独で着脱可能となっており、シールド部材132は、放電ワイヤ支持部材441,442が取り外されている状態で、上フレーム211に対し着脱可能となる。なお、本構成においては、放電ワイヤ支持部材441,442が、本発明の放電電極支持部材に相当する。
第1実施形態のレーザプリンタの概略側断面図である。 スコロトロン型帯電器の構成を説明するための説明図である。 プロセスカートリッジの斜視図である。 ドラムカートリッジの構成を説明するための説明図である。 ワイヤクリーナ及び補助フレームを不図示とした放電ワイヤの固定箇所の説明図である。 ドラムカートリッジの上フレーム側の構成の斜視図である。 第2実施形態のスコロトロン型帯電器の着脱構成を説明するための説明図である。 スコロトロン型帯電器の着脱方法を説明するための説明図である。 放電ワイヤ支持部材の斜視図である。 一端が端子として機能する放電電極の説明図である。 変形例のスコロトロン型帯電器の着脱構成を説明するための説明図である。 放電ワイヤ支持部材の着脱方法を説明するための説明図である。 シールド部材の着脱方法を説明するための説明図である。 他の例としてのシールド部材の斜視図である。
符号の説明
1…レーザプリンタ、2…本体ケーシング、5…フロントカバー、17…スキャナ部、19…定着部、100…プロセスカートリッジ、110…ドラムカートリッジ、111…上フレーム、111a,111d…側壁、111b…ワイヤ固定用溝部、111c,111e…切り欠き部、111f…上壁、111g…溝部、112…下フレーム、112a…突出部、113…補助フレーム、121…感光ドラム、122…転写ローラ、123…クリーニングブラシ、124…ワイヤクリーナ、125…バネ、130…スコロトロン型帯電器、131…放電ワイヤ、131a,131b…固定部材、132…シールド部材、133…開口形成板、133a…開口部、134…対向板、135…ワイヤ、150…現像カートリッジ、153…現像ローラ、154…供給ローラ、211…上フレーム、211a…収容部、211b…側壁、211c…規制部、240…放電ワイヤ支持部材、241…蓋板、241a…スリット、242…支持板、242a…切り欠き部、331…鋸歯状電極、331a…針部、331b…折り曲げ部、340…支持部材、340a…溝部、441,442…放電ワイヤ支持部材、441a…溝部、442a…切り欠き部、P…用紙

Claims (15)

  1. 画像形成装置に着脱可能なカートリッジであって、
    コロナ放電を生じる放電電極と、前記放電電極との間に空間を空けて配置された放電誘導電極とを有し、前記放電電極のコロナ放電により被帯電体を帯電させる帯電器と、
    前記帯電器を収容する収容部材と、
    を備え、前記帯電器の放電電極は、前記帯電器の放電誘導電極が前記収容部材に収容された状態で着脱可能に構成されていること
    を特徴とするカートリッジ。
  2. 前記放電電極は、本カートリッジの外側から着脱可能に構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
  3. 前記放電誘導電極は、本カートリッジの外側から着脱可能に構成されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のカートリッジ。
  4. 前記収容部材とは別体で構成され、前記放電電極を支持する放電電極支持部材を備えたこと
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカートリッジ。
  5. 前記放電電極支持部材は、前記収容部材に対し、前記放電電極と一体で着脱可能に構成されていること
    を特徴とする請求項4に記載のカートリッジ。
  6. 前記放電電極支持部材には、V字状の切り欠きが形成されており、この切り欠きによって前記放電電極の位置決めを行うこと
    を特徴とする請求項4又は5に記載のカートリッジ。
  7. 前記放電電極支持部材は、非画像形成領域で前記放電電極を支持するように構成されていること
    を特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のカートリッジ。
  8. 前記放電誘導電極には、前記放電電極をその両側から挟むように互いに対向して配置された対向板部が形成されており、
    前記放電電極支持部材は、前記収容部材に収容されている状態で、前記放電誘導電極の前記各対向板部における他方の対向板部との対向面と当接する形状に構成されていること
    を特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のカートリッジ。
  9. 前記収容部材は、前記放電電極支持部材が取り外されている状態では、前記放電誘導電極を前記収容部材に対して着脱可能な状態で支持し、前記放電電極支持部材が収容されている状態では、前記放電誘導電極を前記放電電極支持部材との間で挟持するように構成されていること
    を特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のカートリッジ。
  10. 前記放電電極は、前記収容部材の外側に露出する露出部を有しており、この露出部から前記放電電極に電圧が印加されるように構成されていること
    を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のカートリッジ。
  11. 前記放電電極に張力を付与する導電性の張力付与部材を備え、
    前記張力付与部材は、その一部又は全部が前記収容部材の外側に露出しており、この露出部から前記放電電極に電圧が印加されるように構成されていること
    を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のカートリッジ。
  12. 前記放電電極は、前記収容部材に収容された状態で固定される固定部を有しており、
    本カートリッジは、前記固定部を覆うカバー部材を備えていること
    を特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のカートリッジ。
  13. 前記収容部材は、前記帯電器を収容する第1収容部材と、この第1収容部材とは別体であって前記被帯電体を収容する第2収容部材とに分離可能に構成されており、
    前記カバー部材は、前記第2収容部材の一部として構成されていること
    を特徴とする請求項12に記載のカートリッジ。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  15. コロナ放電を生じる放電電極と、前記放電電極との間に空間を空けて配置された放電誘導電極とを有し、前記放電電極のコロナ放電により被帯電体を帯電させる帯電器と、
    前記帯電器を収容する収容部材と、
    を備えた画像形成装置であって、
    前記帯電器の放電電極は、前記帯電器の放電誘導電極が前記収容部材に収容された状態で着脱可能に構成されていること
    を特徴とする画像形成装置。
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