JP2006276010A - 信号波形測定装置、信号波形測定システム及びサンプリングタイミング信号発生器 - Google Patents

信号波形測定装置、信号波形測定システム及びサンプリングタイミング信号発生器 Download PDF

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Abstract

【課題】チップ内部の多観測点における波形を高速かつ高精度に取得できる信号波形測定装置を提供する。
【解決手段】ICチップ上に設けられ、その上の複数の検出点の信号波形を測定するマルチチャンネルの信号波形測定装置102が提供される。複数の信号検出フロントエンド回路30は複数の検出点33に対応して設けられ、イネーブルタイミング信号に基づいて各検出点の電圧を緩衝増幅した後、緩衝増幅した電圧を各参照電圧と比較してその比較結果を2値デジタル出力信号にデジタル化して出力する。マルチプレクサ36は各信号検出フロントエンド回路30からの2値デジタル出力信号を時分割多重化して多重化デジタル出力信号を出力する。データ処理ユニット40はマルチプレクサ36から出力される多重化した2値デジタル出力信号の所定値の数を計数することにより上記検出された各検出点33の検出電圧についての判定出力確率を算出して出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、半導体大規模集積回路(LSI)の内部信号や電源電圧、接地電圧、ウェル電圧、基板電圧などの固定電圧配線上の信号波形をオンチップでかつ多チャンネルで取得するための信号波形測定装置及び信号波形測定システム、並びに、信号波形測定システムのためのサンプリングタイミング信号発生器に関する。
半導体製造プロセスの微細化とともにチップに搭載する回路規模は増大し、近年はアナログとデジタル、あるいは高周波無線通信処理とベースバンドデータ処理といった異なる種類の信号処理機能を単一チップ上に統合するミックストシグナル・システムLSIが一般的になっている。しかしながら、このようなLSIはいくつもの機能回路がチップ内部で結合した構成をとるために、各機能回路の動作状態をチップ外部から観測できず、動作不良時の故障解析を困難にしていた。一方で、高速・低消費電力化LSIでは電源/グラウンド/ウェル/基板に発生する雑音の考慮がますます重要になり、チップ内の雑音をオンチップで測定評価する必要性が増している。また、これらの背景技術が特許文献1―3において開示されている。
特開平10−123215号公報。 特開2001−077160号公報。 特開2003−028898号公報。 Makoto Nagata et al., "Effects of Power-Supply Parasitic Components on Substrate Noise Generation in Large-Scale Digital Circuits", 2001 Symposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers, #15-1, Kyoto in Japan, pp.159-162, June 2001。 野口宏一朗ほか,"オンチップ電源/グラウンド測定技術"、第7回システムLSIワークショップ予稿集,電子情報通信学会第2種研究会集積回路研究専門委員会主催,pp.287−290,2003年11月。
これらの要求には、LSIチップに内部信号を測定する機能を搭載することが有効である。従来、ソースフォロア(SF)回路とラッチコンパレータ(LC)で構成した検出フロントエンド(FE)回路をアレイ化することにより、チップ内の雑音分布が測定できることが示されている(非特許文献1参照)。しかしながら、検出フロントエンド回路のみのオンチップ化では、測定に必要なピン数が多く、外部測定器の要求性能も高いため、高コストであるという問題点があった。その解決策として、検出フロントエンド回路に加えて、タイミング信号発生回路や参照電圧発生機構をオンチップ化する構成も提案されている(非特許文献2参照)。
しかしながら、測定時間の短縮、チップ面積の削減、及び多チャンネル化における測定精度の確保が課題として残されており、大規模集積回路の内部信号や電源電圧、接地電圧、ウェル電圧、基板電圧の雑音など多様な波形をオンチップかつ多チャンネルに測定する手段としては不十分であった。
本発明の第1の目的は、システムLSIを構成する機能回路の内部信号や各種電圧の雑音など、チップ内部の多観測点における波形を高速かつ高精度に取得することができる信号波形測定装置及び信号波形測定システムを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、上記信号波形測定システムのためのサンプリングタイミング信号発生器であって、動作雑音が従来技術に比較して小さくオンチップ信号波形測定装置に適したサンプリングタイミング信号発生器を提供することにある。
第1の発明に係る信号波形測定装置は、ICチップ上に設けられ、上記ICチップ上の複数の検出点の信号波形を測定するマルチチャンネルの信号波形測定装置であって、
所定のタイミング信号に基づいて、互いに異なる複数の参照電圧を逐次発生して出力する参照電圧発生器と、
上記複数の検出点に対応して設けられ、所定のイネーブルタイミング信号に基づいて上記各検出点の電圧を緩衝増幅した後、上記緩衝増幅した電圧を上記各参照電圧と比較してその比較結果を2値デジタル出力信号にデジタル化して出力する複数の信号検出フロントエンド回路と、
上記各信号検出フロントエンド回路からの2値デジタル出力信号を時分割多重化して多重化したデジタル出力信号を出力するマルチプレクサと、
上記マルチプレクサから出力される多重化した2値デジタル出力信号の所定値の数を計数することにより、上記各信号検出フロントエンド回路によって検出された各検出点の検出電圧についての判定出力確率を算出して出力するデータ処理ユニットとを備えたことを特徴とする。
上記信号波形測定装置は、
所定のシステムクロック信号及び所定のマスタクロック信号に基づいて、複数の上記イネーブルタイミング信号を多重化されたイネーブルタイミング制御信号を発生するサンプリングタイミング信号発生器と、
上記イネーブルタイミング制御信号を多重分離することにより、上記各信号検出フロントエンド回路を順次動作させるためのイネーブルタイミング信号を発生して出力するデマルチプレクサとを備え、
上記サンプリングタイミング信号発生器は、
上記システムクロック信号に基づいて、上記システムクロック信号に同期して所定の基準バイアス電圧を発生して出力するレプリカDLL(Delayed Locked Loop)回路と、
上記マスタクロック信号と上記基準バイアス電圧とに基づいて、上記基準バイアス電圧に対応する基準電流をn分の1(ここで、nは1以上の数である。)に分流してなる電流を発生し、発生された電流に基づいて出力負荷容量を充電する時間をn倍することにより所定の遅延時間を生成し、上記マスタクロック信号を当該遅延時間だけ遅延させることにより、複数の上記イネーブルタイミング信号を多重化されたイネーブルタイミング制御信号を発生する遅延信号発生回路とを備え、
上記レプリカDLL回路が、上記遅延時間が上記システムクロック信号の周期に等しくなるように上記基準バイアス電圧を発生することにより、上記遅延信号発生回路は、複数の上記イネーブルタイミング信号を多重化されたイネーブルタイミング制御信号を発生することを特徴とする。
また、上記信号波形測定装置において、上記各信号検出フロントエンド回路は、
上記イネーブルタイミング信号に基づいて上記各検出点の電圧を緩衝増幅するソースフォロワ回路と、
上記緩衝増幅した電圧を上記各参照電圧と比較してその比較結果を2値デジタル出力信号にデジタル化して出力するコンパレータとを備えたことを特徴とする。
とって代わって、上記各信号検出フロントエンド回路において、
上記イネーブルタイミング信号に基づいて上記各検出点の電圧を緩衝増幅するソースフォロワ回路と、
上記緩衝増幅した電圧を電流に変換する電圧−電流変換器と、
上記変換された電流をサンプルホールドするサンプルホールド回路と、
上記サンプルホールドされた電流を、上記各参照電圧から変換された参照電流と比較してその比較結果を2値デジタル出力信号にデジタル化して出力するコンパレータとを備えたことを特徴とする。
さらに、上記信号波形測定装置において、上記各信号検出フロントエンド回路のソースフォロワ回路は、互いに異なる入力電圧範囲を有する複数のソースフォロワを含み、
上記各信号検出フロントエンド回路は、上記複数のソースフォロワを順次選択する選択回路を含み、
上記各信号検出フロントエンド回路のソースフォロワ回路は、上記各ソースフォロワの入力電圧範囲よりも広い入力電圧範囲を有することを特徴とする。
またさらに、上記信号波形測定装置において、上記データ処理ユニットは、上記マルチプレクサから出力される多重化した2値デジタル出力信号の所定値の数を計数するカウンタ回路と、
上記カウンタ回路により計数された2値デジタル出力信号の所定値の数に基づいて、上記各信号検出フロントエンド回路によって検出された各検出点の検出電圧についての判定出力確率を算出して、当該判定出力確率のシリアルデータを出力するシフトレジスタ回路とを備えたことを特徴とする。
ここで、上記データ処理ユニットは、上記検出電圧と上記参照電圧とがともに一定であるとき、一定の判定出力確率のシリアルデータを出力することを特徴とする。
第2の発明に係る信号波形測定システムは、
上記信号波形測定装置と、
上記ICチップとは別の外部装置において設けられ、上記データ処理ユニットからの各検出点の検出電圧についての判定出力確率に基づいて、参照電圧に対する比較結果の判定出力確率の特性においてその特性の傾きが実質的に最大になるときの参照電圧が検出電圧であるという特徴を用いて、上記各検出点の検出電圧を決定する別のデータ処理ユニットとをさらに備えたことを特徴とする。
上記信号波形測定システムにおいて、上記別のデータ処理ユニットは、上記データ処理ユニットからの判定出力確率のデータを順次記憶装置に記憶し、上記データ処理ユニットからの判定出力確率のデータを、上記記憶装置に直近に記憶した判定出力確率の最新データと比較し、異なるときのみ上記データ処理ユニットからの判定出力確率のデータを上記記憶装置に記憶することにより、参照電圧に対する比較結果の判定出力確率の特性においてその特性の傾きが実質的に最大になる領域近傍の遷移領域のみの判定出力確率のデータのみを上記記憶装置に記憶することを特徴とする。
第3の発明に係るサンプリングタイミング信号発生器は、所定のシステムクロック信号及び所定のマスタクロック信号に基づいて、複数のイネーブルタイミング信号を発生するサンプリングタイミング信号発生器であって、
上記サンプリングタイミング信号発生器は、
上記システムクロック信号に基づいて、上記システムクロック信号に同期して所定の基準バイアス電圧を発生して出力するレプリカDLL(Delayed Locked Loop)回路と、
上記マスタクロック信号と上記基準バイアス電圧とに基づいて、上記基準バイアス電圧に対応する基準電流をn分の1(ここで、nは1以上の数である。)に分流してなる電流を発生し、発生された電流に基づいて出力負荷容量を充電する時間をn倍することにより所定の遅延時間を生成し、上記マスタクロック信号を当該遅延時間だけ遅延させることにより、複数の上記イネーブルタイミング信号を多重化されたイネーブルタイミング制御信号を発生する遅延信号発生回路とを備え、
上記レプリカDLL回路は、上記遅延時間が上記システムクロック信号の周期に等しくなるように上記基準バイアス電圧を発生することにより、上記遅延信号発生回路は、上記イネーブルタイミング信号を発生することを特徴とする。
従って、本発明に係る信号波形測定装置及び信号波形測定システムによれば、各信号検出フロントエンド回路を検出点に対応して設け、上記各信号検出フロントエンド回路からの2値デジタル出力信号に基づいて、各検出点の検出電圧についての判定出力確率を算出して出力し、当該判定出力確率に基づいて検出電圧を決定するように構成した。それ故、例えばシステムLSIを構成する機能回路の内部信号や電源電圧、接地電圧、ウェル電圧、基板電圧の雑音など、チップ内部の多観測点における波形を高速かつ高精度に取得することができる。また、多チャンネルのオンチップ波形取得によるシステムLSIのテストコストを削減できるとともに、設計の信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係るサンプリングタイミング信号発生器によれば、システムクロック信号に基づいて、上記システムクロック信号に同期して所定の基準バイアス電圧を発生して出力し、上記マスタクロック信号と上記基準バイアス電圧とに基づいて、上記基準バイアス電圧に対応する基準電流をn分の1(ここで、nは1以上の数である。)に分流してなる電流を発生し、発生された電流に基づいて出力負荷容量を充電する時間をn倍することにより所定の遅延時間を生成し、上記マスタクロック信号を当該遅延時間だけ遅延させることにより、複数の上記イネーブルタイミング信号を多重化されたイネーブルタイミング制御信号を発生し、上記遅延時間が上記システムクロック信号の周期に等しくなるように上記基準バイアス電圧を発生することにより、上記イネーブルタイミング信号を発生する。それ故、信号波形測定システムのためのサンプリングタイミング信号発生器であって、動作雑音が従来技術に比較して小さくオンチップ信号波形測定装置に適したサンプリングタイミング信号発生器を提供できる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102の構成を示すブロック図であり、図2は、図1のオンチップ信号波形モニタ装置を搭載したシステムLSIのフロアプランを示す平面図である。
オンチップ信号波形モニタ装置102は、図1に示すように、複数M個の信号検出フロントエンド30−1乃至30−Mを含む信号検出フロントエンド回路(PFE)(総称して符号30を付す。)と、参照電圧発生器(VG)10と、サンプリングタイミング信号発生器(TG)20と、データ処理ユニット(DPU)40とを備えて構成され、1個のLSIチップ(図2参照)上に搭載されて実装される。ここで、後者の3個の回路10,20,40をまとめて総称して、信号波形取得カーネル回路90という。
ここで、信号検出フロントエンド回路30は、LSIチップ上の複数M個の検出点33−1乃至33−M(総称して、符号33を付す。)における対象信号の検出機能に加えてその対象信号に対するサンプリング機能及び参照電圧との比較機能を備える。この結果、信号波形取得カーネル回路90に対する多重化を、サンプリングクロックやコンパレータ出力などのデジタル信号系と、参照電圧やバイアス電圧などのDC信号系に限定でき、検出信号そのものの多重化を回避することにより、多チャンネル化による測定精度の劣化を抑えられる(図1参照)。すなわち、サンプリングタイミング信号発生器20からの複数のイネーブルブルタイミング信号からなる多重化されたイネーブルタイミング制御信号Tckをデマルチプレクサ35により多重分離して、各信号検出フロントエンド回路30を順次選択的に動作させるための複数のイネーブルタイミング信号を、順次選択的に各信号検出フロントエンド回路30に出力することにより、各信号検出フロントエンド回路30を順次選択的に動作させる一方、動作された各信号検出フロントエンド回路30からのデジタル出力信号Doutをマルチプレクサ36により時分割多重化してデータ処理ユニット40に出力する。また、図2に示すように、複数M個の信号検出フロントエンド回路30を測定対象の検出点33近傍に配置し、信号波形取得カーネル回路90をチップ縁端部の空きエリアに配備する構成とすることで、LSIチップの面積増を抑える一方で、同様に、信号検出フロントエンド回路30のデジタル化機能(A/D変換機能)により、長距離配線間クロストーク等による多チャンネル化の精度劣化要因を回避している。
信号波形取得カーネル回路90は、信号検出フロントエンド回路30のデジタル化動作に対して、参照電圧及びサンプリングタイミングを離散化ステップ単位で単調増加するよう制御する。一方、各ステップにおいて、信号検出フロントエンド回路30のコンパレータ34からの比較結果の2値デジタル出力信号の“1”の数を一定回数毎に計数し、その計数値のデータを、判定出力確率Pcmpを示す信号として連続的にシリアル出力する回路も搭載している。例えば、210回の比較動作に対して、たかだか10クロックサイクル程度で、信号検出フロントエンド回路30の判定出力確率Pcmpの信号の読み出しが可能であるから、オンチップ信号波形モニタ装置102の外側に設けられた外部装置のオフチップメモリに格納するために十分なバッファ時間が確保できるため、オンチップのメモリを必要としない。さらに、デジタル化値の決定にはメモリ内のデータをテスタやパーソナルコンピュータで並行処理すればよく、参照電圧発生に対するフィードバック機能を必要としない。このような制御方式の結果、データ処理ユニット40の面積は極めて小さく、またたかだか数個程度のI/Oピンで外部装置と接続できる。さらに、オンチップ信号測定に要する時間も従来例の方法(全ての信号を外部測定器で発生)に比べて大幅に(例えば、1/20以下に)低減できる。
本発明の第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102は、多観測点化に対して検出性能の劣化やチップ面積あるいはピン数の増大を回避できる特徴を有し、さらに波形取得を高速化できる。この結果、本発明の第1の実施形態によれば、ミックストシグナルLSIにおけるオンチップのアナログ機能評価や動作不良解析、アナログ信号の波形劣化と周辺雑音の相関解析に基づく感度モデルの定量化及びオンチップパラメタ抽出、等の応用領域への展開が期待できる。さらに、これらの測定において外部のアナログ信号発生器が不要となるため、ミックストシグナル・システムLSIの評価がデジタルLSIテスタで実施可能となり、測定コストを大きく削減できる。
本発明に係る第1の実施形態の構成の特徴点とその効果は、次の通りである。
(1)各信号検出フロントエンド回路30をそれに対応する複数の測定対象の検出点33近傍に配置し、複数の検出フロントエンド回路30に対して、信号波形取得カーネル回路90を共有する構成とすることで、LSIチップの実効面積を削減することができる。
(2)各信号検出フロントエンド回路30にデジタル化機構(A/D変換機能)を搭載する構成により、多チャンネル化による精度劣化を抑制することができる。
(3)アナログ信号発生のオンチップ化により、デジタルLSIテスタでミックストシグナル・システムLSIの動作診断を実現することができる。
(4)信号検出フロントエンド回路30のコンパレータ34からの判定出力確率Pcmpを一定クロック数毎に繰り返し出力するためのデータ処理ユニット40(カウンタ回路41とシフトレジスタ回路42とから構成される)の搭載により、信号取得時間を著しく低減することができる。
(5)従来例に係る、ソースフォロワ回路及びラッチコンパレータからなる回路で実証されている高線形かつ広帯域なオンチップ雑音検出方法に、本発明の第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102によるオンチップ波形取得機構を組み合わせることにより、測定時間を従来例に比べて1/20以下に低減することができる。この結果、アナログ機能モジュール内の信号波形と周辺基板雑音波形の相関測定や、ミックストシグナルLSIにおける複数事象を原因とした複雑かつダイナミックな動作不良解析など、これまでは測定時間がかかりすぎて不可能だった多観測点測定を実現することができる。
(6)多チャンネル化したオンチップ信号検出回路である信号検出フロントエンド回路30を搭載することで設計改善の確度の向上を実現することができる。具体的には、アナログ信号の波形劣化と周辺雑音の相関解析に基づく感度モデルの定量化とパラメタ抽出を行う方法、システムLSIにおけるダイナミック動作不良解析の方法を示すことができる。
以下、本発明に係る第1の実施形態とその実施例について以下詳述する。
本発明に係る第1の実施形態の目的及びねらいは以下の通りである。すなわち、LSIの高機能化や高性能化が進み、今ではほとんどのLSIがミックストシグナルLSIとなっている。しかし、多くのミックストシグナルLSIでは、回路機能間の相互作用による性能劣化や動作不良が問題となっている。オンチップでの波形取得は、回路の動作診断、電源雑音解析、機能回路の性能検証、故障解析など多くの目的に有効な手段であり、本発明に係る研究では高波形精度、低コストのマルチチャンネルオンチップ信号モニタ方法を提案する。
次いで、本発明に係る第1の実施形態の実施例の概要について以下に説明する。
(1)利用分野
本発明に係る第1の実施形態は、オンチップ波形取得、アナログ/ミックストシグナルLSIの動作検証、性能検証、ビルトイン・セルフ・テスト機能(BIST(Built-In Self-Test))などに利用できる。
(2)構成の特徴
本発明の第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102は、信号検出フロントエンド回路30に加え、波形取得に必要な信号を生成する波形取得機構である信号波形取得カーネル回路90をオンチップして実装する。複数M個の信号検出フロントエンド回路30が1つの波形取得機構である信号波形取得カーネル回路90を共有する構成を有する。
(3)性能
本発明の第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102は、オンチップするための面積コストを最小限に抑えつつ、測定コストを削減し、波形取得時間を高速化する。検出精度を低下させることなくマルチチャンネル化できる。
(4)試作
本発明の第1の実施形態の実施例では、8チャンネルオンチップ信号波形モニタ装置を1個のLSIチップ上に、0.18μmCMOSプロセスで試作した。
(5)実測性能
本発明の第1の実施形態の実施例によれば、時間分解能40psec、電圧分解能200μVでの波形取得を実現した。また、検出回路のみオンチップした場合と比較し、精度を維持したまま95%の測定時間削減を達成した。
さらに、本発明の第1の実施形態による訴求点及び効果は以下の通りである。複数M個の信号検出フロントエンド回路30と、信号波形取得カーネル回路90とからなる、マルチチャンネルのオンチップ信号波形モニタ装置102(図1)を提案する。サンプリングタイミング信号発生器20と、参照電圧発生器10と、データ処理ユニット40からなる信号波形取得カーネル回路90は、LSIチップ縁端部の空きスペースに配備可能であり、面積コストを最小限に抑えられる。信号検出フロントエンド回路30のデジタル化機能により、配線間クロストークなどによる検出精度を低下させることなく、マルチチャンネル化できる。また、本実施形態によれば、外部アナログ信号発生器や複雑な測定制御を不要とし、測定コストを削減できる。試作した実施例に係るオンチップ信号波形モニタ装置102は、従来例の方法と同等の波形精度(図18及び図19)を達成しつつ、95%の測定時間短縮(図20)を実現した。本実施形態によりアピールしたい指標は、適用性、実現性、完成度、将来性、流通性などである。
以下、本発明の実施形態とその実施例についてさらに詳しく説明する。
SOC(Systems On a chip)市場の拡大につれてLSIの高機能化や高性能化が進み、今ではほとんどのLSIがミックストシグナルLSIとなっている。多くのミックストシグナルLSIは、回路自身が動作することにより機能回路が相互干渉し、デジタルアナログ変換の精度劣化、PLL(Phase-Locked Loops)のクロック分配や回路のクリティカルパスにおけるジッターやスキューの増加などの性能劣化が引き起こされ、それにともなう動作不良の問題に直面している。また、このようなLSIはいくつもの機能がチップ内部で結合した構成をとるため、各機能回路の動作状況をチップ外部から観測できない。一方、高速低消費電力化LSIでは、電源電圧、接地電圧、ウェル電圧及び基板電圧に発生する雑音の考慮がますます重要になり、LSIチップ内の雑音をオンチップで測定評価する必要が増している。
これらを解決する最も一般的な方法は、LSIチップに内部信号を測定する機能を搭載し、オンチップで信号測定を行うことである。オンチップ信号測定はBISTの動作テスト機能としてだけでなく、電源雑音解析、機能回路の性能検証、故障解析などに有効な手段であり、EDA(Electric Design Automation)ツールの導入や検証、デザインフロー改善には不可欠な技術である。本実施形態では、測定コストの低減と、高波形精度を実現するオンチップマルチチャンネル信号モニタ回路の構成方法を提案する。関連研究として、アナログ及びミックストシグナルLSIテストのためのオンチップアナログテスト信号生成と信号波形検出方法、高速デジタル信号のためのオンチップオシロスコープマクロが発表されている。この他にも、オンチップでの電源電圧及び接地電圧の雑音測定、デジタル信号測定、クロックジッター測定の報告例がある。
次いで、オンチップ信号波形モニタ装置102の構成について以下に詳述する。
マルチチャンネルのオンチップ信号波形モニタ装置102の回路をLSIチップ上にオンチップで実装した、デバイス全体のシステム構成図を図1に示す。また、実際に製作した本実施形態の実施例に係る半導体LSIチップの平面図を図2に示す。信号検出のために、比較的小さい面積を有する信号検出フロントエンド(Probing Front-End)回路30を、機能回路ブロック近傍であって対象信号を測定する検出点33近傍に複数個配置し、検出点33で被検出信号をプローブし、検出信号を各信号検出フロントエンド回路30から出力させる。波形検出のために必要な信号を生成する信号波形取得カーネル(Waveform Acquisition Kernel)回路90はLSIチップ内に1つだけ配置され、すべての信号検出フロントエンド回路30が1つの信号波形取得カーネル回路90を共有している。
図1のオンチップ信号波形モニタ装置102は、
(a)参照電圧発生器(Reference Voltage Generator: VG)10と、サンプリングタイミング信号発生器(Sampling Timing Generator: TG)20と、データ処理ユニット(Data Processing Unit: DPU)40とからなる信号波形取得カーネル回路90と、
(b)複数M個の信号検出フロントエンド(Probing Front-End: PFE)回路30とを備えて構成される。
ここで、参照電圧発生器10は10ビットR2−Rラダー型インクリメンタルDA変換器11を備えて構成され、DA変換器11は入力される3つの信号(参照プラス電圧Vrefpと、参照マイナス電圧Vrefmと、DA変換器用インクリメント信号DACinc(参照電圧インクリメント信号である。)とを含む)に基づいて、参照電圧Vrefを発生して各信号検出フロントエンド回路30に出力する。また、サンプリングタイミング信号発生器20は、(a)システムクロック信号Sckに基づいてバイアス電圧Vbを発生して遅延信号発生回路22に出力するするレプリカDLL(Delayed Locked Loop)回路21(この回路21は、実際により近い環境で正確なバイアス電圧を発生するために提供される、DLLと同様の構成を有するレプリカ回路である。)と、(b)マスタクロック信号Mckと、DLL用インクリメント信号DLLinc(タイミングインクリメント信号である。)とに基づいて、イネーブルタイミング制御信号Tckを発生してデマルチプレクサ35を介して各信号検出フロントエンド回路30に出力する10ビット可変ステップ遅延信号発生回路22とを備えて構成される。ここで、マスタクロック信号Mckは、システムクロック信号Sckを例えば1/4分周して生成される。
デマルチプレクサ35は、遅延信号発生回路22からの複数のイネーブルタイミング信号からなる多重化されたイネーブルタイミング制御信号Tckを多重分離して各イネーブルタイミング信号をそれぞれ各信号検出フロントエンド回路30に出力することにより、各信号検出フロントエンド回路30を時分割的に選択して動作させる。そして、各信号検出フロントエンド回路30からのデジタル出力信号はマルチプレクサ36により多重化された後、多重化デジタル出力信号Doutがデータ処理ユニット40のカウンタ回路41に出力される。
各信号検出フロントエンド回路30は、バイアス電圧Vbsfで動作する2個のPチャンネルMOS電界効果トランジスタ(以下、MOS電界効果トランジスタをMOSFETという。)Q1,Q2から構成され、各検出点33からの検出電圧Vsfを緩衝増幅して検出電圧Vsfoとして出力するソースフォロワ回路112(図1では、一例として、Pチャンネルソースフォロワ回路112を図示している。当該回路について詳細後述する。)と、検出された電圧Vsfを参照電圧発生器10からの参照電圧Vrefと、サンプリングクロックのイネーブルタイミング制御信号Tck内のイネーブルタイミング信号のタイミングで比較し、比較結果のデジタル出力信号をマルチプレクサ36を介して、多重化デジタル出力信号としてデータ処理ユニット40に出力するラッチコンパレータ34とを備えて構成される。データ処理ユニット40は、10ビットカウンタ回路41と、10ビットシフトレジスタ回路42とを備えて構成される。ここで、カウンタ回路41は、各検出点33についての各参照電圧Vrefの比較動作毎に、多重化デジタル出力信号の“1”の数を計数することにより、判定出力確率Pcmpを算出し、シフトレジスタ回路42は、算出した判定出力確率Pcmpを10ビットのシリアルデジタルデータPcmpに変換して出力する。すなわち、図5を参照して詳細後述するように、多重化デジタル出力信号の“1”の数は各検出点33での各参照電圧Vref毎の判定出力確率Pcmpに対応する。なお、データ処理ユニット40は、検出電圧Vsfと参照電圧Vrefとがともに一定であるとき、一定の判定出力確率のシリアルデータを出力することを特徴としている。
図3は従来例に係るマルチチャンネル逐次比較型AD変換装置の構成を示すブロック図である。当該マルチチャンネル逐次比較型AD変換装置は、各検出点33での検出電圧をサンプルホールドする複数M個のサンプルホールド回路38−1乃至38−M(総称して符号38を付す。)と、SAR(Successive Approximation Register)型コンパレータ51を含むAD変換器50と、サンプリングタイミング信号発生器20と、マルチプレクサ39と、デマルチプレクサ35とを備えて構成される一般的なAD変換装置である。ここで、各サンプルホールド回路38は、サンプリングタイミング信号発生器20からのイネーブルタイミング制御信号Tckからデマルチプレクサ35による多重分離されたイネーブルタイミング信号によりオンとなるスイッチSW11と、電圧電荷を蓄積するキャパシタ37とを備えて構成される。また、AD変換器50は、コンパレータ51と、逐次変換レジスタ(SAR)52と、参照電圧発生器53とを備えて構成される。以上のように構成された図3の従来例では、サンプルホールド回路38からA/D変換器50へのアナログ信号経路がマルチプレクサ39により多重化されているためマルチチャンネル化するほど波形精度が低下してしまう。
一方、図1の実施形態では、バイアス電圧Vbsf及び参照電圧Vrefなどの直流信号経路を共通化し、イネーブルタイミング制御信号Tck及びデジタル出力信号Doutなどのデジタル信号経路のみの多重化を行うことで、アナログ信号経路の多重化を無くしている。また、同時にステートレジスタ(図1において図示せず。)を用いて排他的に1つの信号検出フロントエンド回路30だけを動作させる一方、他のすべての信号検出フロントエンド回路30を波形検出動作に影響しないようにカットオフするように制御することで、検出精度劣化要因を回避している。なお、遅延信号発生回路22からのイネーブルタイミング制御信号Tckは、上記ステートレジスタにより選択された信号検出フロントエンド回路30にのみデマルチプレクサ35を介して供給される。
すなわち、本実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102は、1つの信号波形取得カーネル回路90に対して複数の信号検出フロントエンド回路30を接続するように構成することを特徴としている。検出点33を増やしたい場合は、小さな面積の信号検出フロントエンド回路30のみを増やせば良く、信号波形取得カーネル回路90は、SOCレイアウト後の空きスペースに1つだけ配備すればよいので、オンチップコストを最小限に抑えることができる。
本実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102によれば、参照電圧発生器10においてインクリメンタルDA変換器11を用いることで、逐次比較型AD変換器の逐次変換レジスタ(SAR: Successive Approximation Register)52に相応する探索制御を不要にしている。また、本実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102の信号検出フロントエンド回路30は、サンプリング原理に基づき、ラッチコンパレータ34により検出電圧Vsfと参照電圧Vrefを繰り返し比較し統計処理を行うことで、サンプリング容量を代用している。その詳細動作については以下に詳述する。
次いで、本実施形態に係る信号波形取得処理と、当該装置に係る測定コストとについて以下に説明する。図4は、第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102によって実行される信号波形取得処理を示すフローチャートであり、図5は図4の信号波形取得処理における参照電圧Vrefに対する判定出力確率Pcmpを示すグラフである。図4から明らかなように、信号波形取得処理は、イネーブルタイミング制御信号Tckを変化させるサンプリングタイミングループと、参照電圧Vrefを変化させる参照電圧ループの2重ループからなり、各ループ内でそれぞれ参照電圧発生器10とサンプリングタイミング信号発生器20とが繰り返しインクリメントされて動作される。また、図5から明らかなように、参照電圧Vrefを上昇させるにつれて、ラッチコンパレータ34の判定出力確率Pcmp(コンパレータ34が2値出力値1を出力する回数の確率である。本実施形態では、2値出力値1を計数しているが、本発明はこれに限らず、もしラッチコンパレータ34の比較結果が逆であるときは、2値出力値0を計数してもよい。)は上昇するが、遷移領域のある点で傾きが最大になり、その点が検出電圧Vsfであると推定される。すなわち、図5から明らかなように、コンパレータ34からの2値デジタル出力信号の“1”の数は各検出点33での各参照電圧Vref毎の判定出力確率Pcmpに対応する。
図4の信号波形取得処理では、ステップS1においてイネーブルタイミング制御信号Tckを0にリセットした後、ステップS2において、参照電圧Vrefを0にリセットし、ステップS3においてイネーブルタイミング制御信号Tckを所定の遅延時間ΔTckだけ遅延させる。次いで、ステップS4において、参照電圧Vrefを所定の増分電圧ΔVrefだけ増大させた後、ステップS5において各参照電圧Vrefで検出電圧Vsfを参照電圧Vrefと比較することにより、ラッチコンパレータ34の判定出力確率Pcmpを計算し、ステップS6においてVref≧Vrefmax(ここで、Vrefmaxは、図5に示すように、参照電圧Vrefの最大値であり、実施形態においては、参照プラス電圧Vrefpに等しい。)であるか否かが判断される。ステップS6において、YESのときはステップS7に進む一方、NOのときはステップS4に戻る。ステップS7では、上記計算された判定出力確率Pcmpの特性に基づいて、デジタル化された信号検出電圧Vsfを決定して出力し、ステップS8に進む。ステップS8では、Tck≧Tckm(ここで、Tckmはタイミングクロック信号の最大時間である。)であるか否かが判断され、NOのときはステップS2に戻る一方、YESのときは当該信号波形取得処理を終了する。なお、ステップS5では、合計210回の比較操作からラッチコンパレータ34の判定出力確率Pcmpを計算することになる。
上述の図4の信号波形取得処理では、参照電圧Vrefを所定の増分電圧ΔVrefだけ増大させているが、本発明はこれに限らず、参照電圧Vrefの最大値から減少させるように変化させて信号波形を取得させてもよい。
図6(a)、図6(b)及び図6(c)は図1のサンプリングタイミング信号発生器20によって発生されるイネーブルタイミング制御信号Tckの発生を示すタイミングチャートである。サンプリングタイミング信号発生器20は、図6(a)に示すように、マスタクロック信号Mckの立ち下がり信号の遷移毎に、マスタクロック信号Mckの信号遷移タイミング(タイミング信号Tsckにより示される。)に任意の遅延時間ΔTを付加したイネーブルタイミング制御信号Tckを発生する。サンプリングタイミング信号発生器20での遅延時間ΔTは、レプリカDLL回路21を用いてシステムクロック信号Sckで規格化されている。各信号検出フロントエンド回路30は、サンプリングタイミング信号発生器20により発生されるイネーブルタイミング制御信号Tck内のイネーブルタイミング信号の各タイミングで、検出電圧Vsf(図1の回路では、ソースフォロワ回路112の出力電圧Vsfo)を、参照電圧発生器10により発生された参照電圧Vrefと繰り返し比較する。各参照電圧VrefでのステップS5の処理において、比較処理は210回繰り返され、その結果をデータ処理ユニット40により処理しラッチコンパレータ34の判定出力確率Pcmpを計算する。各参照電圧VrefでのステップS5の処理において判定出力確率Pcmpを計算する毎に、参照電圧Vrefは1ステップずつインクリメントされる。検出電圧Vsfは、ラッチコンパレータ34の遷移領域中の最も急勾配の点ΔPcmp/ΔVref(図5参照)と定義され、参照電圧発生器10が10ビットステップでインクリメントされる毎に、検出電圧Vsfに相当する10ビットの参照電圧Vrefの値を求める。イネーブルタイミング制御信号Tck内の各イネーブルタイミング信号での検出電圧Vsfが求まると、サンプリングタイミング信号発生器20は、イネーブルタイミング制御信号Tckを図6(b)に示すように、タイミングステップをインクリメントし、再び参照電圧Vrefループの処理が繰り返される。サンプリングタイミング信号発生器20からのイネーブルタイミング制御信号Tckが10ビットステップでインクリメントされると、サンプリングタイミング信号発生器20はリセットされ、図6(c)に示すように、マスタクロック信号Mckを1システムクロックだけシフトし、再び参照電圧Vrefループの処理を実行する。この操作を任意の領域で繰り返し行うことで、検出電圧Vsfをオンチップでデジタル化し、検出電圧Vsfの連続時間データをデジタル値で取得する。
図7は、従来例の信号波形モニタ装置(埋め込みPFEのみ)と、第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102とにおける信号波形取得のための測定時間(推定値)を示すグラフである。非特許文献1及び2において開示された従来例の方法では、これまで、本発明者は、信号検出フロントエンド回路30のみをオンチップし、信号波形検出に必要な信号は外部測定器をパーソナルコンピュータにより制御することで、信号波形取得を実現してきた。しかしながら、提案する信号波形取得処理での測定全体のループの繰り返し回数は10のオーダーに達し、膨大な回数の外部測定器アクセスと、測定器制御が必要となり、波形検出には長い測定時間が必要であった。1024ポイント測定した場合の信号波形検出に掛かる大まかな測定時間(推定値)を図7に示している。従来例の通り信号検出フロントエンド回路30のみをオンチップして実装した場合、参照電圧Vrefループ処理に単にインクリメントするだけの単純なアルゴリズムを用いると、波形検出に膨大な測定時間が必要である。参照電圧ループに2分探索アルゴリズムを適用すれば(図3の逐次比較型(Successive Approximation: SA)AD変換装置に適用する。)、測定時間を1/10程度まで短縮できるが、それでも5時間以上必要である。−方、図1に示した提案する本実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102をLSIチップ上にオンチップして実装した場合、オンチップ信号波形モニタ装置102を4MHzで動作させれば、約4分での信号波形取得を達成できる。高時間効率の波形測定はテスト機構として重要な要素であり、本発明に至る目的の1つである。
提案するオンチップ信号波形モニタ装置102をLSIチップ上にオンチップで実装するためには、LSIチップ上でチップエリアが必要となるが、外部装置に高精度のアナログ信号を生成する測定器が不要となるため、ミックストシグナルLSIの評価をデジタルLSIテスタのようなデジタル測定機器での実施が可能であり、測定コストを大きく削減できる。
さらに、オンチップ信号波形モニタ装置102の回路構成の詳細について以下に説明する。
図8は図1の信号検出フロントエンド回路30において用いるNチャンネルソースフォロア回路111の構成を示す回路図であり、図9は図1の信号検出フロントエンド回路30において用いるPチャンネルソースフォロア回路112の構成を示す回路図であり、図10は図1の信号検出フロントエンド回路30において用いるラッチコパレータ34の構成を示す回路図である。図8及び図9において、Vbsfはバイアス電圧であり、Vsfは検出点33での検出電圧である。信号検出フロントエンド回路30は、2個のNチャンネルMOSFETQ11,Q12からなるNチャンネルソースフォロワ回路111、もしくは2個のPチャンネルMOSFETQ1,Q2からなるPチャンネルソースフォロワ回路112と、ラッチコンパレータ34とを接続して構成される。これら2種類の信号検出フロントエンド回路30(すなわち、Pチャンネル信号検出フロントエンド回路と、Nチャンネル信号検出フロントエンド回路とを含む。)は検出したい電圧信号の直流レベルにより使い分け、検出したい信号の直流レベルが、0VからVdd(電源電圧)−Vthp(PチャンネルMOSFETのしきい電圧)の場合はPチャンネル信号検出フロントエンド回路を用いる一方、Vthn(NチャンネルMOSFETのしきい電圧)から電源電圧Vddまでの場合はNチャンネル信号検出フロントエンド回路を用いる。アナログ回路における電圧Vdd/2程度の直流レベルを有するアナログ信号においては、Pチャンネル信号検出フロントエンド回路と、Nチャンネル信号検出フロントエンド回路のどちらのタイプでも検出可能である。信号検出フロントエンド回路30に、入出力インターフェース用の3.3Vの電源電圧を用いれば、電源電圧1.2Vの低電圧電源の回路に対しては、Pチャンネル信号検出フロントエンド回路のみで入力電圧のフルレンジを検出できる。ラッチコンパレータ34は小面積にするため、10個のMOSFETQ31乃至Q40からなる図10に示す単純なトポロジを有する公知の差動型ラッチコンパレータを用いた。実施例に係る信号検出フロントエンド回路30全体での利得0dBで、周波数帯域は1GHzである。
オンチップ信号波形取得処理において、信号検出フロントエンド回路30は、測定対象回路であるテスト対象デバイス(DUT)への影響を最小限になるように設計する必要がある。そのため、信号検出フロントエンド回路30のソースフォロワ回路111,112は検出電圧信号のバッファとしてだけでなく、オンチップ信号波形モニタ装置102と、測定対象電圧信号とを電気的に隔離し相互干渉を抑えている。以上より、提案する信号検出フロントエンド回路30はミックストシグナルLSI内における様々な属性のオンチップ信号波形を測定可能なオンチップ信号波形モニタ装置102を実現する。
図11は図1の参照電圧発生器10の構成を示すブロック図であり、図12は図11の参照電圧発生器10によって発生される参照電圧Vrefを示すタイミングチャートである。図11において、参照電圧発生器10は、
(a)それぞれ抵抗値Rを有する複数の抵抗62と、それぞれ抵抗値2Rを有する複数の抵抗63と、複数のスイッチ64とを備え、外部装置からの参照プラス電圧Vrefpと、参照マイナス電圧Vrefmとの間の微小な電圧ステップを生成する10ビットR2−R型ラダー回路60と、
(b)DA変換器用インクリメント信号DACincを計数してその計数値に基づいて上記複数のスイッチ64のオン・オフを制御する10ビットカウンタ61とを備えて構成される。
ここで、参照電圧発生器10は、図12に示すように、10ビットインクリメンタルDA変換器11として動作する。
イネーブルタイミング制御信号Tckの生成のために、VCDL(Voltage-Controlled Delay Line)を用いる従来の方法は、遅延ステップ(遅延時間)のビット数の増加により回路規模が指数的に増加するだけでなく、すべての遅延セルが常に入力信号のエッジに反応して動作するため、多くのノイズを発生してしまう。また、バーニアトポロジを用いたタイミングインタポレータにも同様の問題があり、オンチップ信号モニタのためのタイミング発生回路には適さない。そこで、図13に示すサンプリングタイミング信号発生器20を開発した。図13は、図1のレプリカDLL回路21及び10ビット可変ステップ遅延信号発生回路22を備えたサンプリングタイミング信号発生器20の構成を示す回路図である。可変ステップ遅延信号発生回路22においては、基準バイアス電流Ibを1/n倍(ここで、本実施形態のデジタル処理のごとく実行するときは、好ましくは、nは1以上の自然数であるが、1以上の数(例えば、1.5や2.6など)であってもよい。)することで、出力負荷容量を充電する時間をn倍し、任意の遅延時間Tdelayを生成している。
[数1]
delay(n)=n×Tdelay(0) (1)
ここで、Tdelay(n)は入力クロック信号であるマスタクロック信号Mckの立ち下がり遷移から、出力クロックであるイネーブルタイミング制御信号Tckの立ち上り遷移までの時間であり、Tdelay(0)は最小遅延時間である。基準バイアス電流Ibは最長遅延時間Tdelay(2)がシステムクロック信号Sckのクロックサイクルと等しくなるように、レプリカDLL回路21からのバイアス電圧Vbにより調整される。
図14は図13の10ビット可変ステップ遅延信号発生回路22の構成の詳細を示す回路図であり、図15は図1のレプリカDLL回路21を示すブロック図及び回路図である。
図15のレプリカDLL回路21は、
(a)クロック信号CLKに基づいて動作する遅延型フリップフロップ82と、
(b)オフセット遅延時間Tdelay offsetに対応する信号を発生する遅延セル回路80と、
(c)最大遅延時間Tdelay maxに対応する信号を発生する遅延セル回路81と、
(d)遅延セル回路80,81からの信号に基づいて位相及び風波数を検出して、位相制御のアップ信号とダウン信号を発生して出力する位相及び周波数検出器83と、
(e)位相及び周波数検出器83からの位相制御のアップ信号とダウン信号に基づいてバイアス電圧Vbを発生するチャージポンプ回路84とを備えて構成される。
図13及び図14の可変ステップ遅延信号発生回路22において、2個のMOSFETQ41,Q42からなるCMOS回路は、レプリカDLL回路21からのバイアス電圧Vbに基づいて所定のバイアス電流Ibを生成し、当該バイアス電流による電圧を差動増幅器71の反転入力端子に印加する。複数のPチャンネルMOSFETQ50−0乃至Q50−5及び複数のスイッチSW10−0乃至SW10−5から構成されるMSB6ビット用電流分流回路によりバイアス電流Ibを分流し、かつ複数のPチャンネルMOSFETQ55−0乃至Q55−3及び複数のスイッチSW12−0乃至SW12−3から構成されるLSB4ビット用電流分流回路によりバイアス電流Ibをさらに分流する。なお、これら電流分流回路の両側に2個の差動増幅器71,73を設けており、2個の差動増幅器71,73はそれぞれ2個の入力端子(非反転入力端子及び反転入力端子)間の電圧値が等くなるように負帰還のかかった回路としている。この回路22では、基準電流Ibに対して10ビット分解能の自然数n分の1の電流Ib/n(ここで、本実施形態のデジタル処理のごとく実行するときは、好ましくは、nは1以上の自然数であるが、1以上の数(例えば、1.5や2.6など)であってもよい。)を発生するにあたり、差動増幅器71によりMSB側6ビットに相当するバイアス電圧を発生し、さらに差動増幅器73によりLSB側4ビットに相当するバイアス電圧の調整を行う。遅延信号発生回路22は、上述のように分流されたバイアス電流Ib/nを生成し、これに基づいて、その他の回路を用いてイネーブルタイミング制御信号Tckを発生して出力する。
すなわち、可変ステップ遅延信号発生回路22は電流モードの回路であって、MSB6ビットの遅延ステップ(遅延時間に対応する)をさらにLSB4ビットで分解している。実際の最大遅延時間Tdelay(=210)は、図14に示すMSB6ビットの最大遅延時間Tdelay maxから、オフセットの遅延時間(Tdelay offset)を引いた時間で定義され、この遅延時間が、レプリカDLL回路21により発生されたバイアス電圧Vbによりシステムクロック信号Sckのクロック周期に等しくなるように調整される。従って、レプリカDLL回路21からのバイアス電圧Vbはシステムクロック信号Sckで規格化され、サンプリングタイミング信号発生器20は、測定対象デバイス(DUT)のシステムクロック信号Sckを基準とし、かつ同期したサンプリングタイミングを示すイネーブルタイミング信号を含むイネーブルタイミング制御信号Tckを生成できる。
以上のように構成された可変ステップ遅延信号発生回路22を備えたサンプリングタイミング信号発生器20は、マスタクロック信号Mckから、サンプリングタイミングを示すイネーブルタイミング信号を含むイネーブルタイミング制御信号Tckを生成するために必要な信号遷移はわずか1回で、レプリカDLL回路21においても、フェーズ調整毎に信号遷移は2回しか起こらないため、動作雑音が小さく、オンチップ信号波形モニタ装置102に適している。
次いで、評価するための試作システムの実施例について以下に説明する。図16は、第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102の実施例に係る試作チップの平面の写真である。本実施例に係る試作LSIチップを0.18μmCMOSプロセスにより試作した。試作LSIチップ上に、図16に示すように、テスト対象デバイス(DUT)である24ビットシフトレジスタ(Shift Register: SR)と、信号波形取得カーネル回路90(図16の写真において、波形取得機構と示す。)と、8個の信号検出フロントエンド回路30と、評価用の信号波形取得カーネル回路90とをオンチップで実装した。信号波形取得カーネル回路90は700μm×600μmのエリアを有し、1個の信号検出フロントエンド回路30は60μm×200μmのエリアを有し、LSIチップのサイズは2.8mm×2.8mmである。信号波形取得カーネル回路90と信号検出フロントエンド回路30の電源電圧2.5Vの入出力用MOSFETを用いて設計し、ディープNウェルの半導体基板を用いることで、基板クロストークを低減している。なお、テスト対象デバイス(DUT)であるシフトレジスタは一般的な電源電圧1.8VのCMOSデバイスで設計した。
次いで、本実施例の測定結果について以下に説明する。図17は、図1のオンチップ信号波形モニタ装置102を備えた第1の実施形態の実施例に係る信号波形測定システムの構成を示すブロック図である。当該信号波形測定システムは、TPC/IPインターフェースによりPC120制御が可能なロジックアナライザ110(Logic Analyzer: LA)、電源電圧供給用電圧源104と、バイアス電圧供給用電圧源105と、試作チップを搭載したDUTボードであるオンチップ信号波形モニタ装置100とを備えて構成される。ここで、オンチップ信号波形モニタ装置100は、テスト対象デバイス(DUT)101と、オンチップ信号波形モニタ装置102とを備えて構成される。ロジックアナライザ110は、例えばシフトレジスタであるテスト対象デバイス(DUT)101に対して試験用ベクトルデータVecを発生して出力するとともに、システムクロック信号Sckを発生してテスト対象デバイス(DUT)101及びオンチップ信号波形モニタ装置102に入力される。また、ロジックアナライザ110はマスタクロック信号Mckを発生してオンチップ信号波形モニタ装置102に出力するとともに、DLL用インクリメント信号をオンチップ信号波形モニタ装置102内のサンプリングタイミング信号発生器20に出力し、DA変換器用インクリメント信号をオンチップ信号波形モニタ装置102内の参照電圧発生器10に出力する。これに応答してオンチップ信号波形モニタ装置102から出力される出力信号についての処理を、ロジックアナライザ110が実行する。
図18は、従来例の信号波形モニタ装置(埋め込みPFEのみ)と、第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102とにおける電源電圧Vdd(実測値)を示すグラフであり、図19は、従来例の信号波形モニタ装置(埋め込みPFEのみ)と、第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102とにおける接地電圧Vgnd(実測値)を示すグラフである。すなわち、図18及び図19は、100MHzのシステムクロック信号Sckを用いてテスト対象デバイス(DUT)101であるシフトレジスタを動作させたときの、電源電圧Vddと接地電圧Vgndの電位変動を示している。各図においてそれぞれ、2つ波形が図示され、一方の波形はオンチップ信号波形モニタ装置102により、測定に必要な信号をオンチップで生成して得た波形である。このとき、10ビット可変ステップ遅延信号発生回路22は、システムクロック信号Sckを4分周した25MHzクロック信号に同期するように制御用バイアス電圧Vbを発生するレプリカDLL回路21を動作させ、これにより、約40psecの遅延時間(遅延ステップ)を生成する。10ビットR2−R型ラダー回路60(図11)は、参照プラス電圧Vrefpと参照マイナス電圧Vrefmに基づいて、ソースフォロワ回路の直流シフト出力電庄を中心する±100mVの参照電圧Vrefを、約200μVの電圧ステップを生成する。もう一方の波形は、同一の分解能のタイミング信号及び参照電圧信号を、外部測定器を用いて生成する従来例に係るオフチップ測定によるものである。どちらも同じ信号検出フロントエンド回路30を用いて測定対象信号を検出している。図18及び図19では、オンチップとオフチップのどちらの信号生成においても実測波形はほぼ一致し、提案するオンチップ信号波形モニタ装置102により高精度な信号波形取得処理が実現できることが示された。
図20は、従来例の信号波形モニタ装置(埋め込みPFEのみ)と、第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102とにおける信号波形取得のための測定時間(実測値)を示すグラフである。図20においては、1024ポイントのサンプルの信号波形を、本実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102を用いた場合の測定時間と、オフチップで外部測定器を2分探索のアルゴリズムで制御した場合(従来例)の測定時間を図示している。ロジックアナライザ110を用いた測定システムは、図7に示す測定時間に加え、ロジックアナライザ110からパーソナルコンピュータ120へのデータ転送に時間が必要となり測定時間が増加した。しかしながら、提案する本実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102は、従来例に比べて95%の測定時間短縮を実現できた。
図21(a)は第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102とにおける電源電圧(実測値)を示すグラフであり、図21(b)第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102とにおける接地電圧(実測値)を示すグラフである。すなわち、図21(a)及び図21(b)は、電源電圧及び接地電圧の長時間の信号波形取得処理を実行した結果を示す。当該測定においては、システムクロック信号Sckの24周期の期間にわたって、マスタクロック信号Mckを、10ビットの遅延ステップ生成毎に40nsecの時間だけシフトし、全体で6144データポイントの信号波形検出を行った。このデータポイント数でのオンチップ信号波形取得処理は、測定に必要な信号をオンチップ生成した場合のみ、現実的な測定時間内で実行できる。このとき、テスト対象デバイス(DUT)101であるシフトレジスタには、“0011”の4ビットのデータパターンを繰り返し流しているため、実測された信号波形に4クロックサイクルの周期パターンを確認できる。
以上説明したように、提案する本実施形態に係るマルチチャンネルのオンチップ信号波形モニタ装置102によれば、ミックストシグナルLSIにおける様々な属性のオンチップ信号モニタを実現する。0.18μmCMOSプロセスで設計試作した実施例に係る測定システムでは、100MHzで動作する被測定デジタル回路に同期して動作し、40psec及び200μVの分解能のマルチチャンネルの信号波形実測を達成し、外部測定器を用いたオフチップ測定技術とほぼ同じ波形精度の実測波形を得られることを確認した。さらに、オフチップ測定と比べて、95%の測定時間削減を達成した。本発明の第1の実施形態に係る技術は、デジタル/アナログミックストシグナルLSIの診断に必要な構成要素に関する技術であり、波形精度、面積効率、測定コストの点で有効であり、デジタルテスト環境でミックストシグナルLSIの評価を実施できる。
第2の実施形態.
図22は第2の実施形態に係る信号波形測定システムにおいて用いる、参照電圧Vrefに対するラッチコンパレータ34の判定出力確率Pcmpを示すグラフであり、図23は本発明の第2の実施形態に係る信号波形測定システムの構成を示すブロック図である。また、図24は図23のパーソナルコンピュータ200及びFPGA170の詳細を示すブロック図である。
第2の実施形態に係る信号波形測定システムは、第1の実施形態に係る図1のデータ処理ユニット40の機能を、LSIチップ上のオンチップDPU40Aと、LSIチップとは別のFPGA170内のオフチップDPU214とに分担させたことを特徴としている。すなわち、第2の実施形態では、図1の信号検出フロントエンド回路30において、検出電圧Vsfを、ラッチコンパレータ34の判定出力確率Pcmp対参照電圧Vref特性(図5)の曲線から決定する回路の実装において、この検出電圧Vsf決定処理をコンパクトに実現するための、オンチップDPU40Aと、オフチップDPU214とに機能分担したことを特徴している。
図23において、オンチップDUTボード150は、LSIチップ151と、電圧源160からの電源電圧を所定の電源電圧Vdd及びバイアス電圧Vbsに変換してLSIチップ151に供給する電圧変換器161とを備えて構成される。LSIチップ151は、テスト対象デバイス(DUT)101と、複数の信号検出フロントエンド回路30と、信号波形取得カーネル回路90Aとを備えて構成され、信号波形取得カーネル回路90Aは、参照電圧発生器10と、サンプリングタイミング信号発生器20と、詳細後述するオンチップDPU40Aとを備えて構成される。図24において、FPGA170は、
(a)システムクロック信号Sckを発生するクロック発振器212と、
(b)クロック発振器212からのシステムクロック信号Sckに基づいてテストベクトルデータVecを発生してオンチップDUTボード150に出力するテストベクトル発生器211と、
(c)クロック発振器212からのシステムクロック信号Sckと、パーソナルコンピュータ200からのフラグFlagと、判定出力確率Pcmpとに基づいて、種々の信号Mck,DACinc,DLLincとを発生し、処理後の判定出力確率PcmpをオフチップDPU(データロッガ)214に出力するシーケンス信号発生器213と、
(d)パーソナルコンピュータ200からのフラグFlagに基づいて、シーケンス信号発生器213からの判定出力確率Pcmpについて所定の処理を実行した後、パーソナルコンピュータ200に出力するオフチップDPU(データロッガ)214とを備えて構成される。
ここで、FPGA170とパーソナルコンピュータ200との間は、USBインターフェース210を用いて各種信号を送受信する。オフチップDPU214からの処理後の判定出力確率Pcmpであるロードデータは、USBインターフェース210を介してパーソナルコンピュータ200のロードデータメモリ201に出力して格納する。パーソナルコンピュータ200は、ロードメモリ201に格納されたロードデータに基づいて所定の検出電圧Vsfサーチ処理202を実行し、その結果をプロットソフトウェア203を用いてプロッタ204を用いて出力する。
ところで、第1の実施形態では、図4の信号波形取得処理に従って、その参照電圧Vrefループ処理において、図5の特性曲線に示すように、(ΔPcmp/ΔVref)maxを満たす参照電圧Vrefを検出電圧Vsfの近似値(読み取り値)として得ている。ところで、図22は、ラッチコンパレータ34の入力電圧(検出電圧)Vsfを一定としたときの、参照電圧Vrefに対する(コンパレータ34が1を出力するときの)判定出力確率Pcmpの特性曲線を示している。この特性曲線は一般的なコンパレータ回路において普遍な特性を示し、本発明に係る実施形態では、次の2つの特徴を利用している。
(特徴A)検出電圧Vsfと参照電圧Vrefが一定のとき、判定出力確率Pcmpは変わらない。
(特徴B)検出電圧Vsfが一定で、参照電圧Vrefを最小電圧から最大電圧に向けて単一方向にインクリメントしたとき、判定出力確率Pcmpは0から「遷移領域」を経て1に移動するが、遷移領域以外では参照電圧Vrefの変化に対して判定出力確率Pcmpの値は変化しない。
上記特徴Aより、検出電圧Vsfと参照電圧Vrefが一定のとき、ラッチコンパレータ34がクロック周期毎の比較動作を連続するとき、任意のクロック数区間における出力値の加算結果から判定出力確率Pcmpを算出してよいということが分かる。図25は図23のオンチップDPU40Aの構成を示すブロック図であり、図26は図25のオンチップDPU40Aの動作を示すタイミングチャートである。図25のオンチップDPU40Aは、この考え方に基づいて、次の動作ステップを連続して実行する。
(ステップSS1)マスタクロック信号Mckに同期した1024回のコンパレータ34の比較処理毎に、信号検出フロントエンド回路30からの“1”の数を計数することにより判定出力確率Pcmpを算出する。
(ステップSS2)図26に示すように、ヘッダビットとして1ビットの“1”をシリアルデータの先頭に付加し、合計11ビットシリアルデータとして判定出力確率Pcmpの信号を出力する。
(ステップSS3)次いで、図26に示すように、ステップSS2の後、続けて“0”を出力し続けるとともに、当該オンチップDPU40Aを初期化する。すなわち、検出電圧Vsfと参照電圧Vrefが一定であるとき、オンチップDPU40Aは一定の判定出力確率Pcmpを出力し続ける。
図27において、オフチップDPU214は、Pcmpデータメモリである32ビットメモリ140と、比較ロジック141と、ナンドゲート142と、10ビットVrfカウンタ143と、7ビットTckカウンタ144とを備えて構成される。上述の特徴Bより、オフチップDPU214は、参照電圧Vrefをインクリメント後の判定出力確率Pcmpを、その前の判定出力確率Pcmpと比べて変化があるときのみPcmpデータメモリである32ビットメモリ140に格納することにすれば、図22の遷移領域のみの判定出力確率Pcmpのデータを保持できる。図27のオフチップDPU214はこの考え方に基づいて、オンチップDPU40Aからの判定出力確率Pcmpの最新データPcmpup(具体的には、オンチップDPU40Aからシーケンス信号発生器213の信号発生器230の30ビットシフトレジスタ231(図29参照)を介して入力される)を、ナンドゲート142により、32ビットメモリ140内の最新データPcmpcuと比較して、両者が異なるときのみ32ビットメモリ140に最新データPcmpとして格納する。単一方向にインクリメントする参照電圧Vrefの全ステップについてこの処理を行うことで、図28のコンパレータ34の遷移領域内の判定出力確率Pcmのデータのみを32ビットメモリ140に蓄える。
図25のオンチップDPU40Aは、
(a)11ビットマスタクロックカウンタ131と、10ビットデータカウンタ132とを含むカウンタ回路41と、
(b)11個のマルチプレクサMU0乃至MU10と、11個の遅延型フリップフロップDF0乃至DF10とを含むシフトレジスタ回路42とを備えて構成される。
ここで、11ビットマスタクロックカウンタ131はマスタクロック信号Mckを計数し、図26に示すように、最初の“1”の立ち上がりであるヘッダビットを検出してヘッダ検出信号Selectを発生して出力する。また、10ビットデータカウンタ132はデジタル出力信号Doutを計数し、上記ヘッダビット後の0ビット目から9ビット目の10ビットの判定出力確率PcmpのシリアルデータをFPGA170のシーケンス信号発生器213に出力する。すなわち、オンチップDPU40Aは、上記特徴Aからコンパレータ34の1024回の比較動作による判定出力確率Pcmpを出力し続けるが、その出力データ列の先頭にはヘッダビット“1”が付加されており、また10ビットの出力データ列の後には連続した“0”が並ぶ。すなわち、オンチップDPU40Aには、判定出力確率Pcmpのデータ列からヘッダビットを検出し、有効な10ビットデータを取得する機構を含んでいる。
以上説明したように、上記特徴Aに基づく図25のオフチップDPU40Aは、図25に示すように、2個のカウンタ131,132と、10個のマルチプレクサMU0乃至MU10と、10個の遅延型フリップフロップDF0乃至DF10程度で構成でき、特に、LSIチップ内にデータメモリ140を搭載しなくてすむため、回路規模を小さくできる。
図29は図24のシーケンス信号発生器213の構成を示すブロック図である。図29において、シーケンス信号発生器213は3個の信号発生器220,230,240を備えて構成される。信号発生器220は、カウンタ221と、オアゲート222と、(1/n)分周器223とを備えて構成され、システムクロック信号Sckと、フラグFlagとに基づいてマスタクロック信号Mckを発生して、信号発生器230、サンプリングタイミング信号発生器20及びオンチップDPU40Aに出力する。また、信号発生器230は、30ビットシフトレジスタ231と、ヘッダ検出器232と、アンドゲート233とを備えて構成され、マスタクロック信号Mckと、フラグFlagと、判定出力確率Pcmpとに基づいて、判定出力確率Pcmpの最新データPcmpupをオフチップDPU214に出力するとともに、参照電圧インクリメント信号DACincを発生して信号波形取得カーネル回路90A及びオフチップDPU214に出力する。さらに、信号発生器240は(1/1024)分周器241を備えて構成され、参照電圧インクリメント信号DACincを1/1024分周することによりタイミングインクリメント信号DLLincを発生して信号波形取得カーネル回路90A及びオフチップDPU214に出力する。
上述の特徴Bを有するオフチップDPU214(図27)は論理回路及びメモリで構成でき、波形測定の制御に必要な各種デジタル信号を発生するシーケンス信号発生器213等とあわせて市販のFPGA(再構成可能なゲートアレイ)170に実装できる。本実施形態に係る信号波形測定システムは、オンチップDUTボード150と、FPGA170と、電圧源160と、パーソナルコンピュータ200とで構成され、ロジックアナライザを用いて同等の機能を実現した図17に比べて、安価かつコンパクトである。
図30は、従来例の信号波形モニタ装置(埋め込みPFEのみ)と、第2の実施形態に係る図27の信号波形測定システムとにおける信号波形取得のための測定時間(実測値)を示すグラフである。特に、図30は、第2の実施形態の構成による測定時間短縮効果を示しており、信号検出フロントエンド回路30のみを搭載する場合に比べ、測定時間をおよそ1/100以下に短縮できる。ロジックアナライザを用いた第1の実施形態の構成の結果(図20)に比べてもさらに1/4以下である。
第2の実施形態の測定時間をさらに短縮し、かつ測定確度を向上する方法として、上記特徴Bの特性より、オンチップDPU40Aによるコンパレータ34の比較出力の計数回数Ncmpを可変とする(すなわち、非線形とする)ことが考えられる。例えば、判定出力確率Pcmpが0.0もしくは1.0に近い領域では計数回数Ncmp=256とし、遷移領域では計数回数Ncmp=2048としてもよい。これにより、測定時間をさらに短縮しかつ高精度で測定できる。
またさらに、測定時間を短縮しかつ測定確度を向上する方法として、オンチップDPU40Aのカウンタ回路41と、シフトレジスタ回路42とをパイプライン動作するよう構成してもよい。
第3の実施形態.
図31は、本発明の第3の実施形態に係る信号検出フロントエンド回路30Aの構成を示す回路図である。すなわち、図31は、電流モードのサンプルホールド回路253を用いた信号検出フロントエンド回路30Aの構成を示す。信号検出フロントエンド回路30Aは、被測定信号電圧Vinを検出するソースフォロワ回路251と、検出された検出電圧を電流に変換する電圧−電流変換器252と、変換された電流をスイッチSW21を介して保持キャパシタ253Cに保持して出力する電流モードのサンプルホールド回路253と、サンプルホールド回路253から出力される電流に基づいて当該電流に比例する対応した所定の大きさの出力電流Ioutを発生して出力する電流発生器254とを備えて構成される。ここで、電圧−電流変換器252と、サンプルホールド回路253と、電流発生器254とをまとめて、電流モードサンプルホールド回路という。図31において、ソースフォロワ回路251の出力電圧Vsfoは抵抗RinによりIsfo=Vsfo/Rinの関係式に基づいて電流Isfoに変換される。サンプル動作時は電流IsfoがMOSFETM0に流れ、ホールド動作時は、MOSFETM0のゲート電圧を保持キャパシタ253C上に保持する。このゲート電圧はMOSFETM3で再び電流値に変換され、電流発生器254内のカレントミラー回路を経て出力電流Ioutとして出力される。ここで、MOSFETM0及びM3のチャンネル寸法比R(=ゲート幅W/ゲート長さL)が等しければ、出力電流Iout=Isfoである。
なお、図31の信号検出フロントエンド回路30Aにおいて電流型コンパレータ(図33の電流型コンパレータ34Aと同様である。)を図示していないが、電圧型コンパレータ34と同様に、電流発生器254により発生された電流を、各参照電圧Vrefから変換された参照電流Irefと比較してその比較結果を2値デジタル出力信号にデジタル化して出力する。
図32は、本発明の第3の実施形態の変形例に係る信号検出フロントエンド回路30Bの構成を示す回路図である。第3の実施形態の変形例は、第3の実施形態に比較して、図32に示すように、例えば3個のソースフォロワ回路251−0乃至251−2を、1個の電流モードサンプルホールド回路(回路252,253,254を含む。)に接続した多重入力構成を実現したことを特徴としている。
図32において、各ソースフォロワ回路251−0乃至251−2において、2個のMOSFETQ81,Q82からなるソースフォロワの出力端子には、抵抗値Rinの抵抗252Rの一端が接続され、抵抗252Rの他端は、1対のMESFETQ101,Q102からなるセレクタスイッチ252S(3個のソースフォロワ回路251−0乃至251−2のうちの1つのセレクタスイッチ252Sがオンとなるように制御信号sel0とその反転制御信号により制御される。)に接続されている。さらに、セレクタスイッチ252Sは、電流モードサンプルホールド回路の電圧−電流変換器252の入力端子Iinにまとめて接続されている。このとき、本変形例の回路30Bは、以下の特徴を有する。
(特徴a)電圧−電流変換器252の入力端子Iin、すなわちMOSFETM0のドレイン端子の電圧が、MOSFETM1,M2からなるフィードバック回路によりほぼ一定値に保たれるため、セレクタスイッチ252Sの後段側の電位が一定となる。
(特徴b)各ソースフォロワの出力側において、セレクタスイッチ252Sと、抵抗252Rとが直列接続されており、セレクタスイッチ252Sのオン時の寄生抵抗値はMOSFETQ101,Q102のゲートサイズを適切に選ぶことにより、抵抗252Rのサイズに比べて1桁以上小さく設計できる。
これら2つの特徴a,bにより、本変形例に係る信号検出フロントエンド回路30Bでは、図32に示すように、入力回路を多重化しても、セレクタスイッチ252Sによる信号劣化は十分に小さく、無視できる。さらに、各ソースフォロワ回路251−0乃至251−2である入力回路は、2個のMOSFETQ81,Q82からなるソースフォロワと、抵抗252Rと、セレクタスイッチ252Sのみからなるため、図31の回路30Aそのものを複数個搭載するよりも小面積になる。従って、当該変形例に係る回路構成は、詳細後述する、許容入力電圧範囲の中心電圧の異なる複数個のソースフォロワ回路270−1乃至270−3(図34乃至図36)を用いて同一の被観測信号配線を評価する構成に適用することにより、その回路を小型に実現できる。
なお、図32の信号検出フロントエンド回路30Bにおいて電流型コンパレータ(図33の電流型コンパレータ34Aと同様である。)を図示していないが、電圧型コンパレータ34と同様に、電流発生器254により発生された電流を、各参照電圧Vrefから変換された参照電流Irefと比較してその比較結果を2値デジタル出力信号にデジタル化して出力する。
第4の実施形態.
図1の信号検出フロントエンド回路30が十分に小面積であれば、被観測信号に対して複数個の信号検出フロントエンド回路30を割り付けることが可能である。ここで、通常の信号検出フロントエンド回路30は線形な入出力特性を得ることのできるアナログ入力電圧範囲が被測定信号の振幅よりも小さいことが多い。そこで、上述の複数個の信号検出フロントエンド回路30において、各信号検出フロントエンド回路30の許容入力電圧範囲の合計が被測定信号振幅電圧を十分含むように、信号検出フロントエンド回路30の中心電圧を変更した設計を施すことが可能である。このように、許容入力電圧範囲の中心電圧の異なる複数の信号検出フロントエンド回路30を用いて、同一の被観測信号配線を評価することで、広い入力電圧範囲を得ることを特徴とする、オンチップ信号波形モニタ装置を構成できる。
信号検出フロントエンド回路30の許容入力電圧範囲とその中心電圧を設定する方法として、以下の方法がある。
(1)信号検出フロントエンド回路30のアナログ動作電圧点をMOSFETのゲートサイズで調整する第1の方法。
(2)利用するMOSFETの製造技術に与えられるトランジスタ種類、すなわち、Nチャンネル型MOSFETと、Pチャンネル型MOSFETと、入出力用高耐圧NチャンネルMOSFETと、入出力用高耐圧PチャンネルMOSFETとの組み合わせにより調整する第2の方法。
(3)第1の方法と第2の方法とを併用する方法も有効である。
以下、具体例について説明する。
図33は、本発明の第4の実施形態に係る信号検出フロントエンド回路30Cの構成を示す回路図である。
図33において、信号検出フロントエンド回路30Cは、入力電圧範囲が互いに異なる複数M個のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1乃至270−Mと、それらM個のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1乃至270−Mのいずれか1つを動作させるための選択回路と、電流型コンパレータ34Aとを備えて構成される。ここで、選択回路は、
(a)それぞれ検出器選択信号Dselを選択クロックCKselに基づいて一時的に記憶して出力するM個の遅延型フリップフロップ271−1乃至271−Mと、
(b)各遅延型フリップフロップ271−1乃至271−Mからの出力信号をクロック信号CLKがハイレベルのときのみ出力するM個のアンドゲート272−1乃至272−Mと、
(c)各遅延型フリップフロップ271−1乃至271−Mからの出力信号がハイレベルのときのみ接点a側に切り換えられ、バイアス電圧Vbsを各ソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1乃至270−Mに供給するスイッチSW31−1乃至SW31−Mとを含む。
各ソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1乃至270−Mからの出力信号は電流出力Ioutであり、当該電流出力Ioutは電流型コンパレータ34Aに出力される。電流型コンパレータ34Aは入力される検出電流Ioutを、各参照電圧Vrefから変換された参照電流Irefと比較してその比較結果を2値デジタル出力信号にデジタル化してマルチプレクサ36に出力する。
次いで、M=3のときのソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1乃至270−3の実施例について図34乃至図39を参照して以下に説明する。ここで、図34乃至図36はそれぞれ図33のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1,270−2,270−3の構成を示すブロック図である。さらに、図37乃至図39はそれぞれ、図34乃至図36のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1,270−2,270−3の入出力電圧特性を示すグラフである。
図34のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1は、2個のPチャンネルMOSFETQ1,Q2からなるソースフォロワ回路と、電流モードサンプルホールド回路260とを備えて構成される。また、図35のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−2は、2個のNチャンネルMOSFETQ11,Q12からなるソースフォロワ回路と、電流モードサンプルホールド回路260とを備えて構成される。さらに、図36のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−3は、2個のPチャンネルMOSFETQ1,Q2からなるソースフォロワ回路及び2個のNチャンネルMOSFETQ11,Q12からなるソースフォロワ回路の従属接続回路と、電流モードサンプルホールド回路260とを備えて構成される。これらのソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1乃至270−3は、入力段に設けたソースフォロワ回路の入力電圧範囲の中心を、図37乃至図39に示すように、例えば0.0V、0.5V、1.0Vとシフトして設計することが可能である。ここで、図37乃至図39は各ソースフォロワ回路の入出力電圧特性を示し、ソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1乃至270−3の電流出力Ioutは50Ωの終端抵抗より電圧変換して読みとっている。
上述したソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1乃至270−Mは電流出力Iout型であるため、図33のように複数M個のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1乃至270−Mをアレイ化して搭載するには、その電流出力を単一の電流読み出し端子に接続するだけでよい。ただし、同時に動作するソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1乃至270−Mは図33の上記選択回路により1個のみとし、このために、複数M個のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1乃至270−Mから選択的に1個の回路をオンにする選択回路を設けている。
上述したソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1乃至270−Mはトランジスタ数が少ないため小型に実現でき、1つの回路当たり、例えば0.25μmCMOS技術で設計した場合に30μm×120μm程度のエリアを占有する。
以上説明したように、これらの特徴から、入力電圧範囲の中心の異なるソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1乃至270−Mを複数個用いて同一の被測定信号を観測する構成により、例えば−0.2Vから1.2Vの合計入力電圧範囲を実現し、図40に示すように、CMOSデジタル回路内部のオンチップ信号のフルスイング波形観測を実現できる。すなわち、図40は本発明の第4の実施形態に係る信号検出フロントエンド回路30Cにおいて観測したオンチップ信号波形を示す波形図であり、被測定信号は電源電圧1VのCMOSデジタル回路が動作周波数200MHz,400MH,600MHzで動作しているときの内部のクロック信号であり、横軸はクロック周期で規格化している。また、このときの信号検出フロントエンド回路30C全体の面積は120μm×100μmと十分に小面積である。
以上詳述したように、本発明に係る信号波形測定装置及び信号波形測定システムによれば、各信号検出フロントエンド回路を検出点に対応して設け、上記各信号検出フロントエンド回路からの2値デジタル出力信号に基づいて、各検出点の検出電圧についての判定出力確率を算出して出力し、当該判定出力確率に基づいて検出電圧を決定するように構成した。それ故、例えばシステムLSIを構成する機能回路の内部信号や電源電圧、接地電圧、ウェル電圧、基板電圧の雑音など、チップ内部の多観測点における波形を高速かつ高精度に取得することができる。また、多チャンネルのオンチップ波形取得によるシステムLSIのテストコストを削減できるとともに、設計の信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係るサンプリングタイミング信号発生器によれば、システムクロック信号に基づいて、上記システムクロック信号に同期して所定の基準バイアス電圧を発生して出力し、上記マスタクロック信号と上記基準バイアス電圧とに基づいて、上記基準バイアス電圧に対応する基準電流をn分の1(ここで、nは1以上の数である。)に分流してなる電流を発生し、発生された電流に基づいて出力負荷容量を充電する時間をn倍することにより所定の遅延時間を生成し、上記マスタクロック信号を当該遅延時間だけ遅延させることにより、複数の上記イネーブルタイミング信号を多重化されたイネーブルタイミング制御信号を発生し、上記遅延時間が上記システムクロック信号の周期に等しくなるように上記基準バイアス電圧を発生することにより、上記イネーブルタイミング信号を発生する。それ故、信号波形測定システムのためのサンプリングタイミング信号発生器であって、動作雑音が従来技術に比較して小さくオンチップ信号波形測定装置に適したサンプリングタイミング信号発生器を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102の構成を示すブロック図である。 図1のオンチップ信号波形モニタ装置を搭載したシステムLSIのフロアプランを示す平面図である。 従来例に係るマルチチャンネル逐次比較型AD変換装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102によって実行される信号波形取得処理を示すフローチャートである。 図4の信号波形取得処理における参照電圧Vrefに対する判定出力確率Pcmpを示すグラフである。 (a)は図1のサンプリングタイミング信号発生器20によって発生されるイネーブルタイミング制御信号Tckの発生を示す第1の部分のタイミングチャートであり、(b)は図1のサンプリングタイミング信号発生器20によって発生されるイネーブルタイミング制御信号の発生を示す第2の部分のタイミングチャートであり、(c)は図1のサンプリングタイミング信号発生器20によって発生されるイネーブルタイミング制御信号Tckの発生を示す第3の部分のタイミングチャートである。 従来例の信号波形モニタ装置(埋め込みPFEのみ)と、第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102とにおける信号波形取得のための測定時間(推定値)を示すグラフである。 図1の信号検出フロントエンド回路30において用いるNチャンネルソースフォロア回路111の構成を示す回路図である。 図1の信号検出フロントエンド回路30において用いるPチャンネルソースフォロア回路112の構成を示す回路図である。 図1の信号検出フロントエンド回路30において用いるラッチコパレータ34の構成を示す回路図である。 図1の参照電圧発生器10の構成を示すブロック図である。 図11の参照電圧発生器10によって発生される参照電圧Vrefを示すタイミングチャートである。 図1のレプリカDLL回路21及び10ビット可変ステップ遅延信号発生回路22を備えたサンプリングタイミング信号発生器20の構成を示す回路図である。 図13の10ビット可変ステップ遅延信号発生回路22の構成の詳細を示す回路図である。 図1のレプリカDLL回路21を示すブロック図及び回路図である。 第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102の実施例に係る試作チップの平面の写真である。 図1のオンチップ信号波形モニタ装置102を備えた第1の実施形態に係る信号波形測定システムの構成を示すブロック図である。 従来例の信号波形モニタ装置(埋め込みPFEのみ)と、第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102とにおける電源電圧(実測値)を示すグラフである。 従来例の信号波形モニタ装置(埋め込みPFEのみ)と、第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102とにおける接地電圧(実測値)を示すグラフである。 従来例の信号波形モニタ装置(埋め込みPFEのみ)と、第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102とにおける信号波形取得のための測定時間(実測値)を示すグラフである。 (a)は第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102とにおける電源電圧(実測値)を示すグラフであり、(b)は第1の実施形態に係るオンチップ信号波形モニタ装置102とにおける接地電圧(実測値)を示すグラフである。 第2の実施形態に係る信号波形測定システムにおいて用いる、参照電圧Vrefに対するラッチコンパレータ34の判定出力確率Pcmpを示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る信号波形測定システムの構成を示すブロック図である。 図23のパーソナルコンピュータ200及びFPGA170の詳細を示すブロック図である。 図23のオンチップDPU40Aの構成を示すブロック図である。 図25のオンチップDPU40Aの動作を示すタイミングチャートである。 図24のオフチップDPU302の構成を示すブロック図である。 図27の32ビットメモリに格納される、参照電圧Vrefに対するデジタル出力信号Pcmpの特性を示すグラフである。 図24のシーケンス信号発生器213の構成を示すブロック図である。 従来例の信号波形モニタ装置(埋め込みPFEのみ)と、第2の実施形態に係る図27の信号波形測定システムとにおける信号波形取得のための測定時間(実測値)を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る信号検出フロントエンド回路30Aの構成を示す回路図である。 本発明の第3の実施形態の変形例に係る信号検出フロントエンド回路30Bの構成を示す回路図である。 本発明の第4の実施形態に係る信号検出フロントエンド回路30Cの構成を示す回路図である。 図33のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1の構成を示すブロック図である。 図33のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−2の構成を示すブロック図である。 図33のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−3の構成を示すブロック図である。 図34のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−1の入出力電圧特性を示すグラフである。 図35のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−2の入出力電圧特性を示すグラフである。 図36のソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路270−3の入出力電圧特性を示すグラフである。 本発明の第4の実施形態に係る信号検出フロントエンド回路30Cにおいて観測したオンチップ信号波形を示す波形図である。
符号の説明
10…参照電圧発生器、
11…インクリメンタルDA変換器、
20…サンプリングタイミング信号発生器、
21…レプリカDLL回路、
22…可変ステップ遅延信号発生回路、
30,30−1乃至30−M,30A,30B,30C…信号検出フロントエンド回路、
33,33−1乃至33−M…検出点、
34…ラッチコンパレータ、
34A…電流型コンパレータ、
35…デマルチプレクサ、
36…マルチプレクサ、
40…データ処理ユニット、
40A…オンチップDPU、
41…カウンタ回路、
42…シフトレジスタ回路、
60…ラダー回路、
61…10ビットカウンタ、
62,63…抵抗、
64…スイッチ、
71,73…差動増幅器、
72…インバータ、
80,81…遅延セル回路、
82…遅延型フリップフロップ、
83…位相及び周波数検出器、
84…チャージポンプ回路、
85,87…インバータ、
86…コンパレータ、
90,90A…信号波形取得カーネル回路、
100…オンチップ信号波形測定装置
101…テスト対象デバイス(DUT)、
102…オンチップ信号波形モニタ装置、
104…電圧源、
105…電圧源、
110…ロジックアナライザ、
120…パーソナルコンピュータ、
111…Nチャンネルソースフォロワ回路、
112…Pチャンネルソースフォロワ回路、
120…パーソナルコンピュータ、
131…11ビットマスタクロックカウンタ、
132…10ビットデータカウンタ、
140…32ビットメモリ、
141…比較ロジック、
142…ナンドゲート、
143…10ビットVrefカウンタ、
144…7ビットTckカウンタ、
150…オンチップDUTボード、
151…LSIチップ、
160…電圧源、
161…電圧変換器、
170…FPGA、
200…パーソナルコンピュータ、
210…USBインターフェース、
211…テストベクトル発生器、
212…クロック発振器、
213…シーケンス信号発生器、
214…オフチップDPU(データロッガ)、
220,230,240…信号発生器、
251,251−0乃至251−2…ソースフォロワ回路、
252…電圧−電流変換器、
252R…抵抗、
252S…セレクタスイッチ、
253…サンプルホールド回路、
254…電流発生器、
255…バイアス発生回路、
260…電流モードサンプルホールド回路、
270−1乃至270−M…ソースフォロワ及び電流モードサンプルホールド回路、
271−1乃至271−M…遅延型フリップフロップ、
272−1乃至272−M…アンドゲート、
MU0乃至MU10…マルチプレクサ、
DF1乃至DF10…遅延型フリップフロップ、
Q1乃至Q112…電界効果トランジスタ、
SW10−0乃至SW10−(m−1),SW11,SW12−0乃至SW12−3,SW21,SW31−1乃至SW31−M…スイッチ。

Claims (10)

  1. ICチップ上に設けられ、上記ICチップ上の複数の検出点の信号波形を測定するマルチチャンネルの信号波形測定装置であって、
    所定のタイミング信号に基づいて、互いに異なる複数の参照電圧を逐次発生して出力する参照電圧発生器と、
    上記複数の検出点に対応して設けられ、所定のイネーブルタイミング信号に基づいて上記各検出点の電圧を緩衝増幅した後、上記緩衝増幅した電圧を上記各参照電圧と比較してその比較結果を2値デジタル出力信号にデジタル化して出力する複数の信号検出フロントエンド回路と、
    上記各信号検出フロントエンド回路からの2値デジタル出力信号を時分割多重化して多重化したデジタル出力信号を出力するマルチプレクサと、
    上記マルチプレクサから出力される多重化した2値デジタル出力信号の所定値の数を計数することにより、上記各信号検出フロントエンド回路によって検出された各検出点の検出電圧についての判定出力確率を算出して出力するデータ処理ユニットとを備えたことを特徴とする信号波形測定装置。
  2. 上記信号波形測定装置は、
    所定のシステムクロック信号及び所定のマスタクロック信号に基づいて、複数の上記イネーブルタイミング信号を多重化されたイネーブルタイミング制御信号を発生するサンプリングタイミング信号発生器と、
    上記イネーブルタイミング制御信号を多重分離することにより、上記各信号検出フロントエンド回路を順次動作させるためのイネーブルタイミング信号を発生して出力するデマルチプレクサとを備え、
    上記サンプリングタイミング信号発生器は、
    上記システムクロック信号に基づいて、上記システムクロック信号に同期して所定の基準バイアス電圧を発生して出力するレプリカDLL(Delayed Locked Loop)回路と、
    上記マスタクロック信号と上記基準バイアス電圧とに基づいて、上記基準バイアス電圧に対応する基準電流をn分の1(ここで、nは1以上の数である。)に分流してなる電流を発生し、発生された電流に基づいて出力負荷容量を充電する時間をn倍することにより所定の遅延時間を生成し、上記マスタクロック信号を当該遅延時間だけ遅延させることにより、複数の上記イネーブルタイミング信号を多重化されたイネーブルタイミング制御信号を発生する遅延信号発生回路とを備え、
    上記レプリカDLL回路が、上記遅延時間が上記システムクロック信号の周期に等しくなるように上記基準バイアス電圧を発生することにより、上記遅延信号発生回路は、複数の上記イネーブルタイミング信号を多重化されたイネーブルタイミング制御信号を発生することを特徴とする請求項1記載の信号波形測定装置。
  3. 上記各信号検出フロントエンド回路は、
    上記イネーブルタイミング信号に基づいて上記各検出点の電圧を緩衝増幅するソースフォロワ回路と、
    上記緩衝増幅した電圧を上記各参照電圧と比較してその比較結果を2値デジタル出力信号にデジタル化して出力するコンパレータとを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の信号波形測定装置。
  4. 上記各信号検出フロントエンド回路は、
    上記イネーブルタイミング信号に基づいて上記各検出点の電圧を緩衝増幅するソースフォロワ回路と、
    上記緩衝増幅した電圧を電流に変換する電圧−電流変換器と、
    上記変換された電流をサンプルホールドするサンプルホールド回路と、
    上記サンプルホールドされた電流を、上記各参照電圧から変換された参照電流と比較してその比較結果を2値デジタル出力信号にデジタル化して出力するコンパレータとを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の信号波形測定装置。
  5. 上記各信号検出フロントエンド回路のソースフォロワ回路は、互いに異なる入力電圧範囲を有する複数のソースフォロワを含み、
    上記各信号検出フロントエンド回路は、上記複数のソースフォロワを順次選択する選択回路を含み、
    上記各信号検出フロントエンド回路のソースフォロワ回路は、上記各ソースフォロワの入力電圧範囲よりも広い入力電圧範囲を有することを特徴とする請求項3又は4記載の信号波形測定装置。
  6. 上記データ処理ユニットは、上記マルチプレクサから出力される多重化した2値デジタル出力信号の所定値の数を計数するカウンタ回路と、
    上記カウンタ回路により計数された2値デジタル出力信号の所定値の数に基づいて、上記各信号検出フロントエンド回路によって検出された各検出点の検出電圧についての判定出力確率を算出して、当該判定出力確率のシリアルデータを出力するシフトレジスタ回路とを備えたことを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載の信号波形測定装置。
  7. 上記データ処理ユニットは、上記検出電圧と上記参照電圧とがともに一定であるとき、一定の判定出力確率のシリアルデータを出力することを特徴とする請求項6記載の信号波形測定装置。
  8. 請求項1乃至7のうちのいずれか1つに記載の信号波形測定装置と、
    上記ICチップとは別の外部装置において設けられ、上記データ処理ユニットからの各検出点の検出電圧についての判定出力確率に基づいて、参照電圧に対する比較結果の判定出力確率の特性においてその特性の傾きが実質的に最大になるときの参照電圧が検出電圧であるという特徴を用いて、上記各検出点の検出電圧を決定する別のデータ処理ユニットとをさらに備えたことを特徴とする信号波形測定システム。
  9. 上記別のデータ処理ユニットは、上記データ処理ユニットからの判定出力確率のデータを順次記憶装置に記憶し、上記データ処理ユニットからの判定出力確率のデータを、上記記憶装置に直近に記憶した判定出力確率の最新データと比較し、異なるときのみ上記データ処理ユニットからの判定出力確率のデータを上記記憶装置に記憶することにより、参照電圧に対する比較結果の判定出力確率の特性においてその特性の傾きが実質的に最大になる領域近傍の遷移領域のみの判定出力確率のデータのみを上記記憶装置に記憶することを特徴とする請求項8記載の信号波形測定システム。
  10. 所定のシステムクロック信号及び所定のマスタクロック信号に基づいて、複数のイネーブルタイミング信号を発生するサンプリングタイミング信号発生器であって、
    上記サンプリングタイミング信号発生器は、
    上記システムクロック信号に基づいて、上記システムクロック信号に同期して所定の基準バイアス電圧を発生して出力するレプリカDLL(Delayed Locked Loop)回路と、
    上記マスタクロック信号と上記基準バイアス電圧とに基づいて、上記基準バイアス電圧に対応する基準電流をn分の1(ここで、nは1以上の数である。)に分流してなる電流を発生し、発生された電流に基づいて出力負荷容量を充電する時間をn倍することにより所定の遅延時間を生成し、上記マスタクロック信号を当該遅延時間だけ遅延させることにより、複数の上記イネーブルタイミング信号を多重化されたイネーブルタイミング制御信号を発生する遅延信号発生回路とを備え、
    上記レプリカDLL回路は、上記遅延時間が上記システムクロック信号の周期に等しくなるように上記基準バイアス電圧を発生することにより、上記遅延信号発生回路は、上記イネーブルタイミング信号を発生することを特徴とするサンプリングタイミング信号発生器。
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