JP2006275582A - 濃度測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 試料の旋光度を測定する事により試料内の旋光性物質の濃度を測定する際、特に尿中におけるグルコース濃度を測定する際、尿中に含まれる様々な測定阻害成分を樹脂類を用いて除去するときに、尿を樹脂に通液しただけではグルコースが樹脂間に物理的に挟まってしまうなどの原因により、グルコースを高い割合で回収するのが困難となる。
【解決手段】 尿を樹脂を充填したカラムに通液した後に、純水などの洗浄水を更に同一のカラムに通液することによって、尿の通液時に回収されなかったグルコースを回収することができる。この時、通液後のサンプルには測定阻害成分はほとんど含まれていないため、通液後のサンプルの旋光度を測定する事で、元の尿中におけるグルコース濃度が測定阻害成分の影響なしに高精度に測定できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 尿を樹脂を充填したカラムに通液した後に、純水などの洗浄水を更に同一のカラムに通液することによって、尿の通液時に回収されなかったグルコースを回収することができる。この時、通液後のサンプルには測定阻害成分はほとんど含まれていないため、通液後のサンプルの旋光度を測定する事で、元の尿中におけるグルコース濃度が測定阻害成分の影響なしに高精度に測定できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は試料中の旋光性物質の濃度測定装置に関し、特に尿中に含まれるグルコース濃度を尿中に含まれるその他の測定阻害成分の影響を受けることなく高精度に測定する技術に関するものである。
試料内の旋光性物質の濃度を測定する手段として、試料に光線を入射してその旋光度などの測定より濃度を求める光学的な方式は、直接試料に触れることなく測定することが可能であるため、有用であるとされている。旋光度より試料内の旋光性物質の濃度を求める方法の原理は式1に基づく。
θ(λ)=α(λ)・c・L(式1)
ここで、θ(λ)は光線の波長をλとしたときの旋光度、α(λ)は光線の波長をλとしたときの旋光性物質の比旋光度、cは試料内における旋光性物質の濃度、Lは試料の光路長である。式1において、比旋光度α(λ)は旋光性物質固有の係数であり、試料の光路長Lも同様に濃度測定前に既知の値であるため、試料に光線を入射したときの旋光度θ(λ)を測定することにより、旋光性物質の濃度cを求めることが出来る。例えば、D−グルコースの場合、波長λを589nmとし、光路長Lを10cmと仮定すると、比旋光度α(λ)は約52であるので、旋光度θ(λ)が0.52°と測定されたとき、試料中のグルコース濃度cは約1g/dlと求まる。
θ(λ)=α(λ)・c・L(式1)
ここで、θ(λ)は光線の波長をλとしたときの旋光度、α(λ)は光線の波長をλとしたときの旋光性物質の比旋光度、cは試料内における旋光性物質の濃度、Lは試料の光路長である。式1において、比旋光度α(λ)は旋光性物質固有の係数であり、試料の光路長Lも同様に濃度測定前に既知の値であるため、試料に光線を入射したときの旋光度θ(λ)を測定することにより、旋光性物質の濃度cを求めることが出来る。例えば、D−グルコースの場合、波長λを589nmとし、光路長Lを10cmと仮定すると、比旋光度α(λ)は約52であるので、旋光度θ(λ)が0.52°と測定されたとき、試料中のグルコース濃度cは約1g/dlと求まる。
その他の濃度測定手段としては、酵素を用いた酵素法が挙げられる。例えばグルコース濃度を測定する方法としては、GOD(グルコース酸化酵素)法などが知られており、尿中グルコース濃度すなわち尿糖測定にも用いられている。この方法は、特定の成分に対して反応するため、不特定多数の成分が混在しているような場合でも測定が可能という利点があるが、酵素法は測定原理上、測定期間と測定回数に限度があるため一定期間、一定回数毎の交換が必要となる。また、濃度が高くなると反応が飽和してしまうため、試料を希釈するなどの測定前処理が必要となる。その点、旋光度測定などの光学的方式においては、特に消耗品の交換などのメンテナンス等を必要とせず、長い期間において測定が可能である。
また尿糖の一般的な判別法として広く用いられているのは試験紙法である。この方式に関しては定性的測定となってしまう点や、被験者が尿に触れる危険性があり不衛生的である点、また、一度紙コップなどで尿を採取してから試験紙を浸すなど、作業が面倒な点など改善すべき点が多い。その点、旋光度などを用いる光学的な方式では測定に際して被験者が尿に触れる危険性もなく、装置構成によってはボタンを押すだけ、もしくは排尿するだけで尿糖値の測定、尿糖値レベルの判別をすることができる。
しかし、旋光度を用いて尿糖を測定する上での問題点として、尿中におけるグルコース以外の旋光性物質の存在が挙げられる。尿中のグルコース以外の主な旋光性物質としては、種々のアミノ酸やアスコルビン酸(ビタミンC)、ペプチド、タンパク質などがある。この内、特にアミノ酸に関しては健常者の尿においてある程度の量が排出されており、またアスコルビン酸に関しては、通常の摂取では尿には出てこないが、近年ビタミン多量摂取健康法に対する関心が高まってきたことから、サプリメントの経口摂取などにより、必要以上のアスコルビン酸、例えば一日に1g以上のアスコルビン酸を摂取するケースが多くなってきている。この場合、アスコルビン酸は水溶性であるために体内に必要な分以外はそのほとんどが尿中に排出される。
そこで、それら測定阻害物質の影響を取り除いてグルコース濃度を測定する方法が考案されてきている。例えば、特許文献1によれば、多波長測定を用い、かつ阻害物質による誤差範囲をあらかじめ設定しておくことで、測定成分の濃度の範囲を判定するなどの手法が用いられている。しかしここで、尿中には様々な成分が存在し、またその成分はその人の体調や食事などに大きく左右され、阻害成分の量も大きく変化することが知られている。また、被験者が健常者ではない場合、例えば様々な薬を服薬している場合や、尿に血液が混入する、いわゆる血尿が出る場合なども考慮した場合、それらの測定阻害成分入りの尿の旋光度からグルコース濃度を算出するのは困難である。
そこで、測定前にそれらの測定阻害成分を除去してしまい、測定阻害成分の入っていない尿の旋光度を測定する方法が考えられる。その測定阻害成分除去の一手法として、例えばイオン交換樹脂や合成吸着樹脂などの樹脂類を用いる手法が挙げられる。イオン交換樹脂に関しては陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂があり、それぞれ陽イオンと陰イオンを樹脂に吸着させることが可能である。このため、尿を通液した際に、尿中のアミノ酸やアスコルビン酸はイオン交換樹脂に吸着されるので、測定阻害成分の除去が可能である。また、合成吸着樹脂は分子サイズによって樹脂内に分子を吸着するものであり、吸着する分子サイズを選定することにより例えばペプチドなどを吸着させることが可能となる。このように、樹脂類を用いることにより測定阻害成分が除去できるため、樹脂類に通液した後の尿を測定することにより、グルコース濃度が測定できるものである。
しかし、上記の方法は以下に示す問題を有している。樹脂類に尿を通液する場合、樹脂の詰まったカラムを準備し、その中に尿を通す方法となる。しかしこの際、カラムに尿を通液しただけでは測定対象の成分、すなわちここではグルコースも物理的に樹脂と樹脂の間や樹脂の表面上にある溝などに挟まるなどしてしまい、すべてのグルコースを回収する事は難しい。カラムの長さ等、条件によっては、通液した後のグルコース量は通液前と比較して半分以下に減少してしまうケースも起こり得る。
これによりグルコース濃度の測定精度は低いものとなってしまい、更に、同じ樹脂を用いた場合にも例えば尿の粘度や測定阻害成分量など様々な要因によって通液後のグルコースの回収率が変化することは容易に推測されるため、高い精度でグルコース濃度を測定することは難しい。
そこで、本発明では上述した従来技術による課題を解決するため、試料内の旋光性物質の濃度、特に尿中のグルコース濃度を尿中の測定阻害成分の量に依存せず常に高精度に測定することが可能な濃度測定装置を提供することを目的とする。
これらの課題を解決するために本発明による濃度測定装置は、下記に記載の手段を採用する。すなわち本発明の濃度測定装置は、試料の旋光度を測定することにより試料中の旋光性物質の濃度を測定する濃度測定装置であって、試料を樹脂を充填したカラムに通液することによって濃度測定対象の旋光性物質以外の成分を除去する手段を備え、試料をカラムに通液した後に、カラムに洗浄水を通液し、試料をカラムに通液した後の第一のサンプルと洗浄水をカラムに通液した後の第二のサンプルの旋光度をそれぞれ測定し、第一のサンプルの旋光度の値と第二のサンプルの旋光度の値より、試料中の旋光性物質の濃度を測定することを特徴とする。
また本発明の濃度測定装置は、試料の旋光度を測定することにより試料中の旋光性物質の濃度を測定する濃度測定装置であって、試料を樹脂を充填したカラムに通液することによって濃度測定対象の旋光性物質以外の成分を除去する手段を備え、試料をカラムに通液した後に、カラムに洗浄水を通液し、試料をカラムに通液した後の第一のサンプルと洗浄水をカラムに通液した後の第二のサンプルとを混合した後のサンプルの旋光度を測定することにより、試料中の旋光性物質の濃度を測定することを特徴とする。
また、本発明における試料は尿であり、試料中の旋光性物質は尿中グルコースである場合により有用である。
また、本発明における洗浄水は純水、浄水または水道水であることが好ましい。
また、本発明における、濃度測定対象の旋光性物質以外の成分を除去する手段は、通液する試料の量を一定にする手段を有することが好ましい。
また、本発明における洗浄水の量は一定であることが好ましい。
また、本発明における樹脂はイオン交換樹脂または合成吸着樹脂であることが好ましい。
(作用)
試料中の旋光性物質、特に尿中におけるグルコース濃度を旋光度を用いて測定する際、樹脂を用いて尿中の測定阻害成分を除去する手法において、尿を樹脂を充填したカラムに通液した後に、純水などの洗浄水を更に同一のカラムに通液することによって、例えば樹脂間などに物理的に挟まっていたグルコースを回収することができる。この時、通液後のサンプルには測定阻害成分はほとんど含まれていないため、試料を通液した後のサンプルと洗浄水を通液した後のサンプルの旋光度をそれぞれ測定し、値を合算する事で、元の尿中におけるグルコース濃度が阻害成分の影響なしに高精度に測定できる。
試料中の旋光性物質、特に尿中におけるグルコース濃度を旋光度を用いて測定する際、樹脂を用いて尿中の測定阻害成分を除去する手法において、尿を樹脂を充填したカラムに通液した後に、純水などの洗浄水を更に同一のカラムに通液することによって、例えば樹脂間などに物理的に挟まっていたグルコースを回収することができる。この時、通液後のサンプルには測定阻害成分はほとんど含まれていないため、試料を通液した後のサンプルと洗浄水を通液した後のサンプルの旋光度をそれぞれ測定し、値を合算する事で、元の尿中におけるグルコース濃度が阻害成分の影響なしに高精度に測定できる。
以上の説明のように、本発明の濃度測定装置においては、下記に記載する効果を有する。
試料の旋光度を測定する事により試料内の旋光性物質の濃度を測定する濃度測定装置において、試料を樹脂を充填したカラムに通液することによって試料中の測定対象成分以外の成分を除去する際に、試料をカラムに通液した後に同一のカラムに更に水などの洗浄水を通液することによって、試料をカラムに通液した際に樹脂間などに物理的に挟まっていた測定対象成分が洗浄水によって流されて出てくるため、すべての測定対象物質が回収できる。カラムに通液後のサンプルは阻害成分を含んでいないため、試料を通液した後のサンプルと洗浄水を通液した後のサンプルのそれぞれの旋光度を測定することにより、測定対象成分の濃度を高精度に測定する事が可能となる。
また、本発明においては例えば、尿中のグルコース濃度を測定する場合など、尿中の阻害成分の量は一定ではなく、体調や食事によって大きく変化すると考えられるが、尿の旋光度を測定して阻害成分の影響を補正する手法ではなく、阻害成分を除去する手法であるため、阻害成分量が大きく変化した場合でも、高精度にグルコース濃度を測定する事ができる。
更に、本発明においては洗浄水も純水、浄水や水道水とすることが可能で、特に化学薬
品等を必要としないため、ユーザーに対するメンテナンスなどの負荷が小さいという利点が挙げられる。
品等を必要としないため、ユーザーに対するメンテナンスなどの負荷が小さいという利点が挙げられる。
以下、図面を用いて本発明を利用した濃度測定装置の最適な実施形態を説明する。
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態の例である。図1において例えばレーザダイオードなどの光源101より出射された光線をコリメートレンズ102に入射する。コリメートレンズ102によって平行光となった光線を次に偏光子103に入射する。偏光子103によって光線は偏光子103の透過軸方向に光軸を持つ直線偏光となる。次に偏光子103を透過してきた直線偏光を電気光学的な旋光度変調素子106に入射する。図1に示す本実施形態においては、電気光学的な旋光度変調素子106としてホモジニアス配向の液晶素子104とλ/4波長板105を用いている。ここで、液晶素子104へ印加する電圧を変化させることにより、直線偏光の偏光軸方向を回転させること、すなわち旋光させることが出来る。
図1は本発明の第一の実施形態の例である。図1において例えばレーザダイオードなどの光源101より出射された光線をコリメートレンズ102に入射する。コリメートレンズ102によって平行光となった光線を次に偏光子103に入射する。偏光子103によって光線は偏光子103の透過軸方向に光軸を持つ直線偏光となる。次に偏光子103を透過してきた直線偏光を電気光学的な旋光度変調素子106に入射する。図1に示す本実施形態においては、電気光学的な旋光度変調素子106としてホモジニアス配向の液晶素子104とλ/4波長板105を用いている。ここで、液晶素子104へ印加する電圧を変化させることにより、直線偏光の偏光軸方向を回転させること、すなわち旋光させることが出来る。
旋光度変調素子106によって旋光度が変調された光線は次に試料セル107に入射する。ここで、試料セル107内に試料がある場合、試料セル107を通過する光線は、試料を通過する際、その試料内の旋光性物質によって未知の変位量だけ旋光する。このときの変位量は上述の式1のように試料内の旋光性物質の濃度、試料を通過する光線の光路長の長さに比例する。
試料セル107を通過した光線は次に検光子108に入射する。検光子108においては、検光子108の透過軸方向の光成分のみが透過し、光検出器109の受光部に到達する。光検出器109は受光した光線の強度を電圧信号として出力するものである。このとき、例えば、検光子108を回転させる、もしくは旋光度変調素子106によって直線偏光の旋光度の変調範囲や変調量を変化させるなどの手段を用い、そのときの光検出器109を観察することによって、試料の旋光度を測定することが出来る。
このとき、試料が尿110であり、濃度を測定する物質がグルコースである場合、尿中にはグルコース以外にも他の旋光性成分など様々な成分が含まれるため、尿110の旋光度を測定することによりグルコース濃度を正確に求める事は難しい。そこで、尿110の旋光度を測定する前に、樹脂112を充填したカラム113を使用し、尿110をカラム113に通液する。樹脂112は尿110中の阻害成分を吸着するもの、例えば合成吸着樹脂やイオン交換樹脂などであり、通液により尿110中の阻害成分のほとんどは樹脂112に吸着するため、通液後のサンプル中には阻害成分はほとんど存在しない。その後、通液後のサンプルを試料セル107に入れ、上述のような方法で旋光度を測定する。ここで、通液後のサンプルの旋光度の値は阻害物質の影響は受けていないが、グルコースも樹脂間に挟まるなどの原因により100%回収されていないため、この時の旋光度より求めたグルコース濃度は実際の値よりも小さい値となる。
次に、尿110を通液したのと同一のカラム113に対して、純水などの洗浄水111を通液し、同様に通液後のサンプルの旋光度を測定する。この時、旋光度の測定に尿110通液後のサンプルと同じ測定系を用いる場合は、尿110通液後のサンプルはあらかじめ廃棄しておく。また、測定系が複数ある場合には別の測定系の試料セルに入れて測定する事も可能である。
この通液によって、例えば樹脂112間に物理的に挟まっていたグルコース分子が洗浄水111によって流されて出てくるため、ほぼすべてのグルコースが回収できる。このと
き、洗浄水111をカラム113に通液して出てきたサンプルの成分は、阻害成分を含まないため、尿110を通液したときに回収できなかった残りのグルコースがほとんどとなり、測定した旋光度は洗浄水111の通液によって回収されたグルコースの濃度に依存したものとなる。ここで、例えば、最初にカラム113に通液する尿110の容量を10mlとし、洗浄水111の容量も同じく10mlとすると、尿110を通液後のサンプルの旋光度から求めたグルコース濃度c11と洗浄水111を通液後のサンプルの旋光度から求めたグルコース濃度c12を加算することで、尿110中のグルコース濃度c1が求まる。仮に、カラム113に通液する尿110と洗浄水111の容量の割合が仮にx1:y1であった場合、c1は式2で表す事ができる。
c1=c11+c12×y1/x1(式2)
き、洗浄水111をカラム113に通液して出てきたサンプルの成分は、阻害成分を含まないため、尿110を通液したときに回収できなかった残りのグルコースがほとんどとなり、測定した旋光度は洗浄水111の通液によって回収されたグルコースの濃度に依存したものとなる。ここで、例えば、最初にカラム113に通液する尿110の容量を10mlとし、洗浄水111の容量も同じく10mlとすると、尿110を通液後のサンプルの旋光度から求めたグルコース濃度c11と洗浄水111を通液後のサンプルの旋光度から求めたグルコース濃度c12を加算することで、尿110中のグルコース濃度c1が求まる。仮に、カラム113に通液する尿110と洗浄水111の容量の割合が仮にx1:y1であった場合、c1は式2で表す事ができる。
c1=c11+c12×y1/x1(式2)
実験においても、合成吸着樹脂をカラム内に充填し、カラムに尿を通液した後のサンプルを測定したところグルコースは約60%程度しか回収されないが、その後同じカラムに純水を通液することによって、合計の回収率は95%程度となる実験結果が得られており、有効である事が確認されている。このように、尿中グルコース濃度を旋光度より測定する際に、尿中の阻害成分を樹脂で除去した後に水などの洗浄水を同一の樹脂に通液する事で高い割合のグルコースが回収できる。このとき、樹脂通液後のサンプルは阻害成分を含まないため、阻害成分の影響無しでグルコース濃度を測定する事ができ、高精度の濃度測定が可能となる。
(第二の実施形態)
次に第二の実施形態について図2を用いて説明する。装置構成に関しては第一の実施形態と同様のものとする。第一の実施形態と同様に、尿の旋光度を測定して、尿中のグルコース濃度を測定する際、尿中にはグルコース以外にも他の旋光性成分など様々な成分が含まれるため、測定した旋光度よりグルコース濃度を正確に求める事は難しい。そこで、尿の旋光度を測定する前に、樹脂112の詰まったカラム113を用いて、尿210をカラム113に通液する。樹脂112は尿210中の阻害成分を吸着するものであり、通液により尿210中の阻害成分は樹脂112に吸着するため、通液後のサンプル中には阻害成分はほとんど存在しない。
次に第二の実施形態について図2を用いて説明する。装置構成に関しては第一の実施形態と同様のものとする。第一の実施形態と同様に、尿の旋光度を測定して、尿中のグルコース濃度を測定する際、尿中にはグルコース以外にも他の旋光性成分など様々な成分が含まれるため、測定した旋光度よりグルコース濃度を正確に求める事は難しい。そこで、尿の旋光度を測定する前に、樹脂112の詰まったカラム113を用いて、尿210をカラム113に通液する。樹脂112は尿210中の阻害成分を吸着するものであり、通液により尿210中の阻害成分は樹脂112に吸着するため、通液後のサンプル中には阻害成分はほとんど存在しない。
次に、尿210を通液したのと同一のカラム113に対して、純水などの洗浄水211を通液する。ここで、尿210を通液後のサンプルと洗浄水211を通液後のサンプルは同じ試料セル107に入れる。よって、試料セル107には尿210を通液後のサンプルと洗浄水211を通液後のサンプルが混在する事になる。このとき、洗浄水211の通液によって、例えば、尿210通液時に樹脂112間に物理的に挟まっていたグルコース分子などが洗浄水211によって流されて出てくるため、試料セル107内のサンプルには尿210中にあったグルコースとほぼ同量のグルコースが存在しており、また阻害物質は樹脂112に吸着されているためほとんど存在しない。
ここで、試料セル107中のサンプルの旋光度を測定することによりグルコース濃度を求める際、尿210と試料セル107中のサンプルとはグルコースの量についてはほぼ等しいが、容量が異なるため、濃度も異なっている。すなわち、例えば、尿210の容量を10mlとし、洗浄水211の容量も同じく10mlとすると、試料セル107中のサンプルの容量は20mlとなり、グルコース濃度は尿210に対して約1/2の値となる。そこで、試料セル107中のサンプルのグルコース濃度を2倍する事によって尿210中のグルコース濃度を求める事ができる。ここで、尿210中のグルコース濃度をc2、旋光度測定より求めた試料セル107中のサンプル中のグルコース濃度をc21とし、カラム113に通液する尿210と洗浄水211の容量の割合が仮にx2:y2であった場合、c2は式3で表す事ができる。
c2=((x2+y2)/x2)×c21(式3)
c2=((x2+y2)/x2)×c21(式3)
上述のように、尿中グルコース濃度を旋光度より測定する際に、尿中の阻害成分を樹脂で除去した後に水などの洗浄水を同一の樹脂に通液する事で高い割合のグルコースが回収できる。このとき、樹脂通液後のサンプルは阻害成分をほとんど含まないため、阻害成分の影響無しでグルコース濃度を測定する事ができ、高精度のグルコース濃度測定が可能となる。
ここで、上述の実施形態においては試料として尿を用いているが、これに限るものではなく、様々な成分が混在している試料中で特定の旋光性物質の濃度を測定する際には有効である。
また、上述の実施形態における電気光学的な旋光度変調手段としては液晶素子とλ/4波長板を用いているが、例えばファラデーセル、光弾性変調子またはポッケルセルなど、その他の素子を用いた場合にも本手法は有効である。
101 光源
102 コリメートレンズ
103 偏光子
104 液晶素子
105 λ/4波長板
106 旋光度変調素子
107 試料セル
108 検光子
109 光検出器
110 尿
111 洗浄水
112 樹脂
113 カラム
102 コリメートレンズ
103 偏光子
104 液晶素子
105 λ/4波長板
106 旋光度変調素子
107 試料セル
108 検光子
109 光検出器
110 尿
111 洗浄水
112 樹脂
113 カラム
Claims (7)
- 試料の旋光度を測定することにより該試料中の旋光性物質の濃度を測定する濃度測定装置であって、前記試料を樹脂を充填したカラムに通液することによって濃度測定対象の旋光性物質以外の成分を除去する手段を備え、前記試料を前記カラムに通液した後に、前記カラムに洗浄水を通液し、前記試料を前記カラムに通液した後の第一のサンプルと前記洗浄水を前記カラムに通液した後の第二のサンプルの旋光度をそれぞれ測定し、前記第一のサンプルの旋光度の値と前記第二のサンプルの旋光度の値より、前記試料中の旋光性物質の濃度を測定する濃度測定装置。
- 試料の旋光度を測定することにより該試料中の旋光性物質の濃度を測定する濃度測定装置であって、前記試料を樹脂を充填したカラムに通液することによって濃度測定対象の旋光性物質以外の成分を除去する手段を備え、前記試料を前記カラムに通液した後に、前記カラムに洗浄水を通液し、前記試料を前記カラムに通液した後の第一のサンプルと前記洗浄水を前記カラムに通液した後の第二のサンプルとを混合した後のサンプルの旋光度を測定することにより、前記試料中の旋光性物質の濃度を測定する濃度測定装置。
- 前記試料は尿であり、前記試料中の旋光性物質は尿中グルコースであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の濃度測定装置。
- 前記洗浄水は純水、浄水または水道水であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
- 前記濃度測定対象の旋光性物質以外の成分を除去する手段は、通液する試料の量を一定にする手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
- 前記洗浄水の量は一定であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
- 前記樹脂はイオン交換樹脂または合成吸着樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019002944A (ja) * | 2018-10-16 | 2019-01-10 | 株式会社アタゴ | 旋光度及び屈折率の測定装置 |
-
2005
- 2005-03-28 JP JP2005091342A patent/JP2006275582A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019002944A (ja) * | 2018-10-16 | 2019-01-10 | 株式会社アタゴ | 旋光度及び屈折率の測定装置 |
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