JP2006090930A - 濃度測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 尿中のグルコース濃度を測定する手法として旋光性を用いた場合の問題点として、尿中のグルコース以外の旋光性成分が挙げられる。これらの成分により、旋光度より、グルコース濃度が測定できない、もしくは測定誤差が発生するといった状況が考えられる。
【解決手段】 尿に直線偏光を照射し、尿の旋光度を測定することにより尿中のグルコース濃度を測定する濃度測定装置において、尿の旋光度を測定する手段とともに尿の透過率を測定する手段を有し、尿の透過率より尿中のグルコース以外の旋光性成分量を測定し、尿中のグルコース以外の旋光性成分量により尿中のグルコース濃度を補正する。
【選択図】 図1
【解決手段】 尿に直線偏光を照射し、尿の旋光度を測定することにより尿中のグルコース濃度を測定する濃度測定装置において、尿の旋光度を測定する手段とともに尿の透過率を測定する手段を有し、尿の透過率より尿中のグルコース以外の旋光性成分量を測定し、尿中のグルコース以外の旋光性成分量により尿中のグルコース濃度を補正する。
【選択図】 図1
Description
本発明は試料中の旋光性物質の濃度測定装置に関し、特に尿中に含まれるグルコース濃度を高精度に測定する技術に関するものである。
試料内の旋光性物質の濃度を測定する手段として、試料に光線を入射してその旋光度を測定し、測定した旋光度より濃度を求める光学的な方式は有用である。これは、例えば旋光性物質としてグルコースを挙げた場合、その濃度を測定する方法として他にGOD法などの酵素を用いた酵素法が知られているが、この方法は測定原理上一つのセンサーの測定回数に限りがあるため一定期間ごとのセンサー部の交換、またメンテナンスが必要であり、その上、緩衝液、センサー部の保存液などの消耗品も必要となる。その点、旋光度を用いた光学的方式においては、直接試料に触れることなく測定することが可能であり、センサー部に汚れが付着することもないため、特に部品の交換や消耗品等を必要とせず、長い期間において測定が可能である。
また特に尿中のグルコース濃度、すなわち尿糖を判別する方法としては試験紙を用いた方法が一般的である。試験紙には通常、酵素を用いてはいるが、使い捨てのものであるため、特にメンテナンス等は必要でない。しかし、この方式は第一に尿に触れる可能性が大きいため不衛生的であり、また、一度紙コップなどで尿を採取してから試験紙を浸すなど、作業も面倒である。また、試験紙法自体が定性的に判断するものであるため、定量的な測定はできないという問題点も挙げられる。その点、旋光度を用いた光学的方式では測定に際して被験者が尿に触れる危険性もなく、装置構成によってはボタンを押すだけ、もしくは排尿するだけで尿糖値の定量的な測定ができ、無論、定性的に尿糖値レベルの判別をすることも可能である。
旋光度より試料内の旋光性物質の濃度を求める方法の原理は式1に基づく。
θ=1/100×[α]λT×c×L (式1)
ここで、θは旋光度であり、一般に右旋光方向を+、左旋光方向を−とする。[α]λTは光線の波長がλ、温度がTの場合の旋光性物質の比旋光度であり、物質固有の係数である。また、cは試料中の旋光性物質の濃度、Lは試料の光路長である。式1において、前述のように比旋光度[α]λTは濃度測定前に既知の係数であり、試料の光路長Lも同様に既知の値であるため、試料に光線を通したときの旋光度θを測定することにより、試料中の旋光性物質の濃度cを求めることが出来る。
θ=1/100×[α]λT×c×L (式1)
ここで、θは旋光度であり、一般に右旋光方向を+、左旋光方向を−とする。[α]λTは光線の波長がλ、温度がTの場合の旋光性物質の比旋光度であり、物質固有の係数である。また、cは試料中の旋光性物質の濃度、Lは試料の光路長である。式1において、前述のように比旋光度[α]λTは濃度測定前に既知の係数であり、試料の光路長Lも同様に既知の値であるため、試料に光線を通したときの旋光度θを測定することにより、試料中の旋光性物質の濃度cを求めることが出来る。
しかし、旋光度を用いて尿糖を測定する上での問題点として、尿中に存在する旋光性物質はグルコースのみではないことが挙げられる。尿中のグルコース以外の主な旋光性物質としては、種々のアミノ酸、タンパク質などが挙げられる。アミノ酸は一般化学式は式2で表される。
RCH(NH2)COOH (式2)
式2においてRはアミノ酸の種類によって異なる。これによるとグリシンR=H以外のアミノ酸のほとんどは不斉炭素を持つため、旋光度を持つ。また、生体に含まれるアミノ酸はほとんどがL型と言うことが知られている。また、タンパク質に関しては約20種類のアミノ酸が大量にペプチド結合したものであり、分子量も数万と大きい分子である。このため、タンパク質はフィルターなどにより除去可能であると考えられ、アミノ酸が旋光度による尿糖測定において大きな阻害物質の一つであると考えられる。
RCH(NH2)COOH (式2)
式2においてRはアミノ酸の種類によって異なる。これによるとグリシンR=H以外のアミノ酸のほとんどは不斉炭素を持つため、旋光度を持つ。また、生体に含まれるアミノ酸はほとんどがL型と言うことが知られている。また、タンパク質に関しては約20種類のアミノ酸が大量にペプチド結合したものであり、分子量も数万と大きい分子である。このため、タンパク質はフィルターなどにより除去可能であると考えられ、アミノ酸が旋光度による尿糖測定において大きな阻害物質の一つであると考えられる。
これまで、アミノ酸に限らず、ある尿成分を測定する上で阻害物質となる成分の影響を
取り除く手段として、様々な手法が考案されてきている。例えば、特許文献1によれば、グルコースと例えばアルブミンの比旋光度の波長依存性の差を用いて、多波長の光で旋光度を測定し、測定した旋光度より連立方程式でグルコース濃度を算出する方法や、特許文献2によれば、試料に電界を印加し、電気泳動により阻害物質を測定に影響を与えない位置に局在化させる方法が挙げられている。
取り除く手段として、様々な手法が考案されてきている。例えば、特許文献1によれば、グルコースと例えばアルブミンの比旋光度の波長依存性の差を用いて、多波長の光で旋光度を測定し、測定した旋光度より連立方程式でグルコース濃度を算出する方法や、特許文献2によれば、試料に電界を印加し、電気泳動により阻害物質を測定に影響を与えない位置に局在化させる方法が挙げられている。
しかし、上述した方法には以下のような問題が生じる。グルコースとアルブミンなどの旋光度の波長依存性の差を用いて、それぞれの濃度を推測する方法に関しては、阻害物質が1種類もしくは数種類であれば可能であると考えられるが、例えばアミノ酸などは尿中に数十種類も入っており、それぞれに対応させた波長で測定し連立方程式により濃度を求めることは困難である。また、電界により阻害物質を局在化する手法に関しては、アミノ酸はpHによってイオン状態が異なることは既知であり、ほぼ弱酸性領域で変動する尿のpHにおいては双性イオンの状態であるアミノ酸が多数存在する。この双性イオンは一つのイオンにNH3 +とCOO-が両方存在し電気的に中性であるため、電界によって移動することはなく、この手法での局在化は不可能である。また、上記以外の方法でも阻害物質の除去を行おうとした場合は旋光度を測定する系以外に、何らかの機構を装置に付加したり、試料の前処理等を必要としてしまうため、装置全体の構造の複雑化、大型化を招いてしまう。
そこで、本発明では上述した従来技術による問題点を解決し、アミノ酸などの阻害物質を含んだ尿においても尿中のグルコース濃度を高精度に測定することが可能な濃度測定装置を提供することを目的とする。
これらの課題を解決するために本発明による濃度測定装置は、下記に記載の手段を採用する。すなわち本発明は、尿に直線偏光を照射し、尿の旋光度を測定することにより尿中のグルコース濃度を測定する濃度測定装置であって、尿の旋光度を測定する手段とともに尿の透過率を測定する手段を有し、尿の透過率より尿中のグルコース以外の旋光性成分量を測定し、尿中のグルコース以外の旋光性成分量により尿中のグルコース濃度の値を補正することを特徴とする。
また、本発明における尿の旋光度を測定する手段は、直線偏光を出力する直線偏光出力部と、直線偏光の旋光度を変調する旋光度変調部と、旋光度変調部によって旋光度が変調された直線偏光が尿へ出射されることによって、尿中の旋光性物質によって旋光されて尿を透過してくる透過光の一方向成分のみを透過させる検光子と、検光子を透過してくる透過光強度を検出する光強度検出部によって構成されることが好ましい。
また、本発明の濃度測定装置は直線偏光をビームスプリッタにより分割することによって尿を通過しない参照用の光学系を有することが好ましい。
また、本発明における尿の透過率は、検光子を180度以上回転させたときの光強度検出部における検出信号の最大値より測定することがを好ましい。
また、本発明における尿の透過率は、光強度検出部における信号の周波数を旋光度変調部における変調周波数の2倍の周波数としたときの、信号の振幅より測定することが好ましい。
また、本発明における尿の透過率は、検光子を光路外に移動したときに光強度検出部において検出される光強度より測定することが好ましい。
また、本発明における尿の透過率は、参照用の光学系における信号強度を基準とすることが好ましい。
また、本発明における旋光度変調部は液晶素子によって構成されることが好ましい。
また、本発明における尿中のグルコース以外の旋光性成分は尿中アミノ酸である場合により有用である。
(作用)
尿の旋光度を測定することにより尿中のグルコース濃度、すなわち尿糖値を測定する濃度測定装置において、尿の旋光度測定とともに尿の透過率測定を行い、透過率より尿中のグルコース以外の旋光性成分量を測定することにより、測定した尿の旋光度から尿中のグルコース以外の旋光性成分による旋光度を減算することで尿中のグルコース濃度を補正することができ、高精度のグルコース濃度測定が可能となる。
尿の旋光度を測定することにより尿中のグルコース濃度、すなわち尿糖値を測定する濃度測定装置において、尿の旋光度測定とともに尿の透過率測定を行い、透過率より尿中のグルコース以外の旋光性成分量を測定することにより、測定した尿の旋光度から尿中のグルコース以外の旋光性成分による旋光度を減算することで尿中のグルコース濃度を補正することができ、高精度のグルコース濃度測定が可能となる。
以上の説明のように、本発明の濃度測定装置においては、下記に記載する効果を有する。
尿の旋光度を測定することにより尿中のグルコース濃度、すなわち尿糖値を測定する濃度測定装置において、尿の旋光度測定とともに尿の透過率測定を行い、透過率より尿中のグルコース以外の旋光性成分、すなわち、旋光度によるグルコース濃度測定の際の阻害物質の量を測定することにより、測定した旋光度の値から阻害成分の影響を除去するといった補正ができ、高精度のグルコース濃度測定が可能となる。
また本発明によれば、旋光度によるグルコース濃度測定の際の阻害物質そのものを除去する方法ではなく、尿の透過率を用いて阻害物質による影響を除去する方法であり、尿の透過率は旋光度を測定する測定系をほぼそのまま用いて測定することが出来るため、装置の小型化、簡略化が可能である。
また、旋光度によるグルコース濃度測定の際の阻害物質そのものを除去する方法の場合、例えばイオン交換樹脂などを用いる方法が考えられるが、何らかの試薬が必要であったり、メンテナンスが必要となってしまい、光学式測定における特に消耗品の交換やメンテナンス等を必要とせず長い期間において測定が可能であるというメリットが失われてしまうと考えられるが、本発明によれば、試薬やメンテナンス等は特に必要でなく、消耗品などを用いずに長期間の測定が可能である。
以下、図面を用いて本発明を利用した濃度測定装置の最適な実施形態を説明する。
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態の例である。図1において例えばレーザダイオードなどの光源101より出射された光線をコリメートレンズ102に入射する。コリメートレン
ズ102によって平行光となった光線を次に偏光子103に入射する。偏光子103によって光線は偏光子103の透過軸方向に光軸を持つ直線偏光となる。次に偏光子103を透過してきた直線偏光を旋光度変調部に入射する。図1に示す本実施形態においては、旋光度変調部として液晶素子104を用いている。ここで、液晶素子104へ印加する電圧を変化させることにより、液晶素子を透過した直線偏光の偏光軸を回転させる、すなわち旋光させることが出来る。
図1は本発明の第一の実施形態の例である。図1において例えばレーザダイオードなどの光源101より出射された光線をコリメートレンズ102に入射する。コリメートレン
ズ102によって平行光となった光線を次に偏光子103に入射する。偏光子103によって光線は偏光子103の透過軸方向に光軸を持つ直線偏光となる。次に偏光子103を透過してきた直線偏光を旋光度変調部に入射する。図1に示す本実施形態においては、旋光度変調部として液晶素子104を用いている。ここで、液晶素子104へ印加する電圧を変化させることにより、液晶素子を透過した直線偏光の偏光軸を回転させる、すなわち旋光させることが出来る。
液晶素子104によって旋光度が変調された光線は次にビームスプリッタ105に入射し、ビームスプリッタ105によって光線は分割される。分割された光線の内、ビームスプリッタを透過した光線Aは次に、試料である尿106を含んだ試料セル107に入射する。ここで、試料セル107を通過する光線は、尿106を通過する際、その尿中の旋光性物質によって未知の変位量だけ旋光する。このときの変位量は上述の式1のように尿中の旋光性物質の濃度、尿106を通過する光線の光路長に比例する。
試料セル107を通過した光線は次に第一の検光子108に入射する。第一の検光子108においては、第一の検光子108の透過軸方向の光成分のみが透過し、第一の光検出器109の受光部に到達する。第一の光検出器109は受光した光線の強度を電圧信号として出力するものである。このとき、例えば、第一の検光子108を回転させる、もしくは液晶素子104によって直線偏光の旋光度の変調範囲や変調量を変化させるなどの手段を用い、そのときの第一の光検出器109における信号を観察することによって、尿106の旋光度を測定することが出来る。すなわち、例えば第一の検光子108を回転させる手段においては、尿106がない場合に第一の光検出器109における信号が最小となる第一の検光子108の透過軸の角度θ1を記録しておき、次に尿106がある場合に同様に最小となる第一の検光子108の透過軸の角度θ2を測定することにより、両者の角度差である(θ1−θ2)が尿106による旋光度となる。
次に、ビームスプリッタ105において分割された光線の内、ビームスプリッタで反射した光線Bは第二の検光子110に入射する。第二の検光子110は第一の検光子108と同様に透過軸方向の光成分のみが透過するもので、透過した光線は第二の光検出器111の受光部に到達する。このとき、第二の光検出器111で検出される信号は外気の温度変化などの影響は受けるものの、試料である尿106の影響を受けないため、参照信号として用いることが可能である。
本実施形態においては、上述の様に尿106の旋光度を測定する直前もしくは直後に尿106の透過率も測定する。透過率測定の方法としては、例えば、液晶素子104による変調を停止し、光線の光軸方向が変調しない状態で、尿106に光線Aを入射する。尿106を透過した光線Aは、次に第一の検光子108に入射するが、この時、第一の検光子108を180度以上回転させ、この時第一の光検出器109における信号の最大値Iを測定する。ここで、第一の検光子108を180度以上回転させることによって、光線Aの光軸と第一の検光子108の透過軸が交わる点が少なくとも1点以上存在することとなる。
また、同様に尿106が無い状態で同様に第一の光検出器における信号の最大値I0を測定し、I/I0より尿の透過率を求める。また、このとき第二の光検出器111における値I’を基準として、I/I’から透過率を求めることも可能である。
ここで、尿106の透過率は尿の濃さ、すなわち、ほとんど場合尿の黄色成分量に依存するものと考えられる。例えば、尿中に多量のタンパク質が混入して尿に濁りがある場合などには尿をフィルターに通すことによって透過率測定が可能となる。
上述のように測定した尿106の旋光度より尿中のグルコース濃度を測定する際、尿中にはグルコース以外の旋光性成分、すなわち阻害成分が含まれており、それらの阻害成分の影響を除去するため、尿106の旋光度に加えて、尿106の透過率を用いる。すなわち、測定した尿106の透過率より尿中の阻害成分による旋光度を算出し、測定した尿106の旋光度より減算することによって、尿中のグルコースによる旋光度が算出でき、尿中のグルコース濃度が求まる。ここで、阻害成分としては主にアミノ酸が挙げられ、アミノ酸の多くはグルコースと逆の左旋光を示す。
図2に尿中のグルコース以外の旋光性成分による旋光度と尿の透過率の依存性を示す。図2において、横軸の透過率は−log(I0/I)であるので、値が大きいほど透過率が小さいことを示す。また、縦軸の旋光度は−方向が左旋光を表す。これより、尿中のグルコース以外の旋光性成分による旋光度と尿の透過率は相関があるといえる。これは、尿106の主な黄色成分であるウロクロームは1日24時間のうち、比較的一定に尿中に排出され、また、主な阻害成分であるアミノ酸に関しても同様のことがいえるためであると考えられる。
上述のように、尿中のグルコース以外の旋光性成分による旋光度と尿の透過率は相関があるため、測定した尿106の透過率より尿中の阻害成分による旋光度が算出でき、測定した尿106の旋光度から阻害成分による旋光度を減算することによって、阻害物質の影響を除去する補正ができるため、高精度にグルコース濃度を求めることが出来る。
また、本実施形態においては尿の透過率測定は旋光度を測定する測定系をほぼそのまま用いて測定することが出来るため、特に尿106の測定前処理を行う装置を付加する必要が無く、装置の小型化、簡略化が可能である。また、本実施例においては尿106の測定前処理などに伴う試薬やメンテナンス等は特に必要でなく、消耗品などを用いずに長期間の測定が可能である。
上述においては、旋光度変調部として液晶素子104を用いているが、上述の旋光度測定方法は一例であり、素子の構成や旋光度の算出方法などは様々な手法が考えられるため、本実施形態に示した手法に限るものではない。
(第二の実施形態)
次に第二の実施形態について説明する。測定系に関しては第一の実施形態と同様のものとする。本実施形態においては第一の実施形態と同様に尿106の旋光度を測定し、旋光度測定の直前もしくは直後に尿106の透過率も測定する。第一の検光子108は固定とし、液晶素子104によって旋光度を周波数fで変調した場合、例えば尿106がない場合は第一の光検出器109で検出される信号は図3(a)の様な波形が得られるものとする。図3(a)の波形の周波数が2f、振幅がA0の波形である。
次に第二の実施形態について説明する。測定系に関しては第一の実施形態と同様のものとする。本実施形態においては第一の実施形態と同様に尿106の旋光度を測定し、旋光度測定の直前もしくは直後に尿106の透過率も測定する。第一の検光子108は固定とし、液晶素子104によって旋光度を周波数fで変調した場合、例えば尿106がない場合は第一の光検出器109で検出される信号は図3(a)の様な波形が得られるものとする。図3(a)の波形の周波数が2f、振幅がA0の波形である。
この状態で、尿106を光路上においた場合、第一の光検出器109で検出される信号は図3(b)の様な波形、すなわち、周波数fで振幅も図3(a)と比較して小さい波形になると考えられる。これは尿106によって光線が旋光したことに加え、尿106を透過する際に光線が吸収されるためである。ここで、液晶素子104に印加する電圧を変化させることによって、図3(b)の波形を図3(c)の様に周波数2fの波形にすることが可能である。仮に、図3(c)の振幅をA’とすると図3(a)の振幅A0とA’を比較することによって、尿106の透過率を求めることが可能である。
ここで、上述で求めた透過率を用いることによって、第一の実施形態と同様に尿中の阻害成分による旋光度が算出でき、測定した尿106の旋光度から阻害成分による旋光度を減算することによって、阻害物質の影響を除去する補正ができるため、高精度にグルコー
ス濃度を求めることが出来る。
ス濃度を求めることが出来る。
本実施形態によれば、第一の検光子108を回転させるという機械的動作が必要でなく、液晶素子104の電気的な駆動のみにより、旋光度と透過率を測定することができる。このため、第一の検光子108を回転させるモータなどが不要で装置構成の簡易化、小型化が可能である。
(第三の実施形態)
次に第三の実施形態について説明する。測定系に関しては第一、第二の実施形態と同様のものとする。本実施形態においては尿106の透過率を測定する際、第一の検光子108を光路にかからない位置に配置する。これにより、尿106を透過してきた光線は検光子を通らずにそのまま第一の光検出器109に到達する。このとき、尿106がある場合とない場合の信号強度を比較することによって、尿106の透過率が測定できる。
次に第三の実施形態について説明する。測定系に関しては第一、第二の実施形態と同様のものとする。本実施形態においては尿106の透過率を測定する際、第一の検光子108を光路にかからない位置に配置する。これにより、尿106を透過してきた光線は検光子を通らずにそのまま第一の光検出器109に到達する。このとき、尿106がある場合とない場合の信号強度を比較することによって、尿106の透過率が測定できる。
ここで、第一、第二の実施形態と同様に、上述で求めた透過率を用いることによって、尿中の阻害成分による旋光度が算出でき、測定した尿106の旋光度から阻害成分による旋光度を減算することによって、阻害物質の影響を除去する補正ができるため、高精度にグルコース濃度を求めることが出来る。
本実施形態においては、検光子を透過させないため、光強度を低下させることがなく、透過率をより正確に測定することが可能である。
101 光源
102 コリメートレンズ
103 偏光子
104 液晶素子
105 ビームスプリッタ
106 尿
107 試料セル
108 第一の検光子
109 第一の光検出器
110 第二の検光子
111 第二の光検出器
102 コリメートレンズ
103 偏光子
104 液晶素子
105 ビームスプリッタ
106 尿
107 試料セル
108 第一の検光子
109 第一の光検出器
110 第二の検光子
111 第二の光検出器
Claims (9)
- 尿に直線偏光を照射し、該尿の旋光度を測定することにより前記尿中のグルコース濃度を測定する濃度測定装置であって、前記尿の旋光度を測定する手段とともに前記尿の透過率を測定する手段を有し、前記尿の透過率より前記尿中のグルコース以外の旋光性成分量を測定し、前記尿中のグルコース以外の旋光性成分量により前記尿中のグルコース濃度の値を補正する濃度測定装置。
- 前記尿の旋光度を測定する手段は、前記直線偏光を出力する直線偏光出力部と、前記直線偏光の旋光度を変調する旋光度変調部と、該旋光度変調部によって旋光度が変調された直線偏光が前記尿へ出射されることによって、前記尿中の旋光性物質によって旋光されて前記尿を透過してくる透過光の一方向成分のみを透過させる検光子と、該検光子を透過してくる透過光強度を検出する光強度検出部によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の濃度測定装置。
- 前記直線偏光をビームスプリッタにより分割することによって前記尿を通過しない参照用の光学系を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の濃度測定装置。
- 前記尿の透過率は、前記検光子を180度以上回転させたときの前記光強度検出部における検出信号の最大値より測定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
- 前記尿の透過率は、前記光強度検出部における信号の周波数を前記旋光度変調部における変調周波数の2倍の周波数としたときの、前記信号の振幅より測定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
- 前記尿の透過率は、前記検光子を光路外に移動したときに前記光強度検出部において検出される光強度より測定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
- 前記尿の透過率は、前記参照用の光学系における信号強度を基準とすることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
- 前記旋光度変調部は液晶素子によって構成されることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
- 前記尿中のグルコース以外の旋光性成分は尿中アミノ酸であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の濃度測定装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012108117A (ja) * | 2010-10-25 | 2012-06-07 | Olympus Corp | イメージング装置 |
CN105300891A (zh) * | 2015-11-17 | 2016-02-03 | 上海理工大学 | 基于重心算法的激光调频双光路旋光仪及测量方法 |
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