JP2006274330A - バッチ式焼鈍炉用インナーカバー - Google Patents
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Abstract
【課題】仕上焼鈍のコイル加熱時における昇温速度を通常より速めても、しわ状欠陥による製品歩留りを低下させることなく、低コストでコイル等の被加熱物を加熱することを可能にするバッチ式焼鈍炉用インナーカバーを提供する。
【解決手段】インナーカバー1の側面に、外面と内面の間に空隙部を備えた二重構造部2が設けられており、その中に液体3を充填するようになっている。
【選択図】図1
【解決手段】インナーカバー1の側面に、外面と内面の間に空隙部を備えた二重構造部2が設けられており、その中に液体3を充填するようになっている。
【選択図】図1
Description
本発明は、バッチ式焼鈍炉用インナーカバーであり、バッチ式焼鈍炉において、インナーカバーの工夫により、被加熱物、特に焼鈍コイル内を均一に加熱しようとするものである。
方向性電磁鋼板は、所定の成分組成に調整して製造した鋼鋳片を熱間圧延し、1回もしくは中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延にて最終板厚とした後に脱炭焼鈍を行い、次いで焼鈍分離剤を塗布してから、コイル状に巻き取り、さらに該コイルを、いわゆるバッチ式焼鈍炉内で所定の雰囲気ガス中で高温に加熱して仕上焼鈍することによって製造される。
方向性電磁鋼板の製造では、前記したように、脱炭焼鈍後に高温の仕上焼鈍を行うが、その際、二次再結晶を目的として、900℃〜1200℃程度という高温に昇温し、その間の所定の温度に保持される。
この仕上焼鈍は、バッチ式の焼鈍炉に前記コイルを挿入し、このコイルにインナーカバー(インナーケース)と称されるベル型のカバーを被せた状態で加熱して行うが、通常は上部からバーナーもしくは電熱線等により加熱するので、昇温時には、バーナーや電熱線等の位置によって、その外周部からの入熱量に差が生じ、温度分布ができる。その際、ゆっくりと温度を上昇させれば、コイル内での最高温部と最低温部との温度差を小さくすることができるので、そのような温度分布はある程度解消するのだが、最近は、生産性を向上させるため、少しでも加熱時間を短縮させる必要に迫られている。
しかし、加熱時間を短縮すると、被加熱物である焼鈍コイルの上下方向での焼鈍コイル外周部の温度差が著しくなって、焼鈍コイル外周部において、上下方向(すなわち、コイル幅方向)の熱膨張の差に起因すると思われるしわ状の欠陥が発生してしまう。
コイル内の温度分布は様々な弊害をもたらすため、これを解消するために、例えば、特許文献1のようにインナーカバーの内側に内筒を設置する方法や、特許文献2のようにインナーケースの側壁面に断熱材を設置する方法が提案され、さらには、特許文献3に、その断熱材の壁を昇降可能に設置したものが開示されている。
実開昭56−87455号公報
実開昭60−110459号公報
実公昭63−8754号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術では、インナーカバーと内筒とが外れないように設置しなければならず、作業が煩雑になり、断熱効果も小さいため、高温での焼鈍においては、コイル外周にしわ状欠陥の発生が避けられなかった。また、引用文献2や3に記載の技術では、断熱材による温度分布解消の効果は認められるものの、高温での焼鈍では断熱材の劣化が著しく、断熱効果の持続性や、メンテナンスや設備コストの上昇を招いていた。
本発明は、かかる事情に鑑み、仕上焼鈍のコイル加熱時における昇温速度を通常より速めても、形状欠陥(しわ状欠陥)による製品歩留りを低下させることなく、低コストでコイル等の被加熱物を加熱することを可能にするバッチ式焼鈍炉用インナーカバーを提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]バッチ式焼鈍炉において、被加熱物に被せて焼鈍を行うインナーカバーにおいて、インナーカバーの外面と内面の間に空隙部を設けた二重構造とし、この空隙部に液体を充填することを特徴とするバッチ式焼鈍炉用インナーカバー。
[2]前記[1]に記載のバッチ式焼鈍炉用インナーカバーにおいて、前記空隙部に、液体の導入孔と排出孔が設けられていることを特徴とするバッチ式焼鈍炉用インナーカバー。
[3]前記[1]または[2]に記載のバッチ式焼鈍炉用インナーカバーにおいて、前記空隙部がインナーカバー側面にのみ設けられていることを特徴とするバッチ式焼鈍炉用インナーカバー。
本発明においては、インナーカバーの外面と内面の間に空隙部を設けた二重構造とし、この空隙部に液体を充填するようにしているので、断熱効果が持続され、被加熱物の外縁部の温度分布を均一にすることができる。その結果、仕上焼鈍のコイル加熱時における昇温速度を通常より速めても、しわ状欠陥による製品歩留りを低下させることなく、低コストでコイル等の被加熱物を加熱することができる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に述べる。
図1は、本発明の一実施形態に係るバッチ式焼鈍炉用インナーカバーの構造を示す図である。図1に示すように、バッチ式焼鈍炉内において、炉床8に設置されたコイル受台5に、被加熱物である焼鈍コイル4を載置し、その上にインナーカバー1を被せて焼鈍を行う。その際に、この実施形態では、インナーカバー1の側面に、外面と内面の間に空隙部を備えた二重構造部2が設けられており、その中に液体3を充填するようになっている。このインナーカバー1の材質としては、被加熱物を焼鈍する温度に応じて適宜選択すればよいが、例えば、SUS304や309等のステンレス鋼や、高Ni鋼等の各種耐熱合金を用いる。
そして、上記のような構造とすることによって、持続的な断熱効果が得られ、被加熱物の外縁部(すなわち、焼鈍コイル4の外周部)の温度分布を均一にすることができる。その結果、仕上焼鈍のコイル加熱時における昇温速度を通常より速めても、しわ状欠陥による製品歩留りを低下させることなく、低コストでコイル等の被加熱物を加熱することが可能となる。
すなわち、本発明の第1のポイントは、インナーカバー1の外面と内面の間に空隙部を有する二重構造部2を設けることである。このような二重構造部2は、インナーカバーの周方向に沿って設けられるが、インナーカバーの上下方向については、インナーケース内面全体に設けても構わない。しかしながら、被加熱物である焼鈍コイル4の外周部に沿って断熱されれば良いので、図1に示したように、インナーカバー1の側面にのみ二重構造部2を設けた上で、上面については二重構造部のない形態としてそこから積極的に入熱させることが好ましい。
本発明の第2のポイントは、二重構造部2に断熱用の液体3を充填する。この液体としては、熱容量が低い点から水を用いることが好ましいが、二重構造部2からの入熱量をコントロールするために、水に適宜添加剤を混入させてもよく、また、鉱物油等の各種油脂等を用いてもよい。
図2は、本発明の他の実施形態に係るバッチ式焼鈍炉用インナーカバーの構造を示す図である。この実施形態では、図1に示したインナーカバーにおいて、二重構造部2に、空隙部に液体3を導入するために導入孔6と、空隙部から液体3を排出するための排出孔7が設けられている。
上記のような構造とすることで、特に焼鈍を高温で行う場合、断熱用の液体3を導入孔6から導入し、排出孔7から排出することによって随時流通させる。これにより、焼鈍を高温で行う場合でも持続的な断熱効果を得ることができる。なお、この場合、常に新しい液体を供給してもよいが、経済上の観点から、導入孔6に供給する液体や排出孔7から排出される液体を回収して貯留する貯留槽(図示しない)や、液体の冷却装置(図示しない)を設置して、液体3を循環させて用いることが好ましい。
また、二重構造部2を周方向や上下方向について複数に分割し、各分割部分について、充填する液体の種類を変化させたり、導入する液体の流量を変化させたりするようにすれば、焼鈍コイル4の各部分への入熱量を詳細にコントロールすることができるので好ましい。
本発明の実施例として、冷間圧延済みの3%Si鋼板(0.35mm厚)のコイル(全長約4000m)について、1200℃まで20時間で昇温する仕上焼鈍を行った。
その際、本発明例として、インナーカバーの素材を高Ni耐熱鋼として、図2に示すような構造のインナーカバーを作製し、二重構造部2の空隙部に水を充填し、導入孔6から供給しつつ、排水孔7から排水する状態(通水状態)で焼鈍を行った。
これに対し、比較例1として、二重構造部のない従来通りのインナーカバーを用いて焼鈍を行った。
また、比較例2として、二重構造部2を設けたのみで、水等の液体を充填しないインナーカバーを用いて焼鈍を行った。
図3は、本発明例及び比較例において、コイル外周部に発生した形状欠陥(しわ状欠陥)の長さを示したものであるが、比較例1の場合は、外周部に発生したしわ状欠陥は、コイル全長約4000mに対して、コイル外周部分の100mの長さにわたって発生しており、比較例2の場合は、60mの長さにわたって発生していた。これに対して、本発明例の場合は、欠陥の長さはコイル全長約4000mに対して5mとなり、著しく低減されていることがわかる。
1 インナーカバー
2 二重構造部
3 断熱用の液体
4 被加熱物(焼鈍コイル)
5 被加熱物受台(コイル受台)
6 液体導入孔
7 液体排出孔
8 炉床
2 二重構造部
3 断熱用の液体
4 被加熱物(焼鈍コイル)
5 被加熱物受台(コイル受台)
6 液体導入孔
7 液体排出孔
8 炉床
Claims (3)
- バッチ式焼鈍炉において、被加熱物に被せて焼鈍を行うインナーカバーにおいて、インナーカバーの外面と内面の間に空隙部を設けた二重構造とし、この空隙部に液体を充填することを特徴とするバッチ式焼鈍炉用インナーカバー。
- 請求項1に記載のバッチ式焼鈍炉用インナーカバーにおいて、前記空隙部に、液体の導入孔と排出孔が設けられていることを特徴とするバッチ式焼鈍炉用インナーカバー。
- 請求項1または2に記載のバッチ式焼鈍炉用インナーカバーにおいて、前記空隙部がインナーカバー側面にのみ設けられていることを特徴とするバッチ式焼鈍炉用インナーカバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005093464A JP2006274330A (ja) | 2005-03-29 | 2005-03-29 | バッチ式焼鈍炉用インナーカバー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005093464A JP2006274330A (ja) | 2005-03-29 | 2005-03-29 | バッチ式焼鈍炉用インナーカバー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006274330A true JP2006274330A (ja) | 2006-10-12 |
Family
ID=37209364
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005093464A Pending JP2006274330A (ja) | 2005-03-29 | 2005-03-29 | バッチ式焼鈍炉用インナーカバー |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006274330A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022513132A (ja) * | 2018-11-30 | 2022-02-07 | ポスコ | 耐食性及び耐熱性に優れた熱間成形用アルミニウム-鉄合金めっき鋼板、熱間プレス成形部材及びこれらの製造方法 |
JP2022513651A (ja) * | 2018-11-30 | 2022-02-09 | ポスコ | 熱間成形部材及びその製造方法 |
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2005
- 2005-03-29 JP JP2005093464A patent/JP2006274330A/ja active Pending
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US11549167B2 (en) | 2018-11-30 | 2023-01-10 | Posco | Steel sheet plated with Al—Fe alloy for hot press forming having excellent corrosion resistance and heat resistance, hot press formed part, and manufacturing method therefor |
US11578397B2 (en) | 2018-11-30 | 2023-02-14 | Posco Co., Ltd | Hot press-formed part, and manufacturing method thereof |
JP7251010B2 (ja) | 2018-11-30 | 2023-04-04 | ポスコ カンパニー リミテッド | 耐食性及び耐熱性に優れた熱間成形用アルミニウム-鉄合金めっき鋼板、熱間プレス成形部材及びこれらの製造方法 |
JP7402232B2 (ja) | 2018-11-30 | 2023-12-20 | ポスコ カンパニー リミテッド | 熱間成形部材及びその製造方法 |
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