JP2006274213A - インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 印字部の光沢性に優れ、光沢ムラが大幅に低減された印刷物を提供し得るインクセット、インクカートリッジ及びインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】 カラーインクは、着色剤としての顔料、該顔料を包含し且つ該顔料をインク中に分散可能とするポリマー及び水を含んでいる。該ポリマーは、A)下記式(I)で表されるモノマーA1、下記式(II)で表されるモノマーA2及び下記式(III)で表されるモノマーA3からなる群から選ばれる1種以上のモノマーAと、B)塩生成基を有するモノマーBと、C)数平均分子量500〜500,000のモノマーCと、D)該モノマーA〜Cと共重合可能なモノマーDとを重合させてなるビニルポリマーである。一方、クリアインクは、着色剤を含まず、下記式(IV)で表される化合物及び水を含んでいる。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【選択図】 なし

Description

本発明は、インクセット、インクカートリッジ、及び該インクセットを用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インクの液滴を飛翔させ、これを紙などの記録媒体に付着させて記録を行う印刷方法である。近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、インクジェット記録方法は、これまで銀塩写真やオフセット印刷によってのみ実現されてきた高精細印刷の分野にまで適用されるようになってきており、普通紙のみならず、印画紙やアート紙のような高い光沢性を有する光沢紙に対してもインクジェット記録方法が適用されるようになっている。更に、近年では、インクジェットプリンタで印刷したインクジェット印刷物を、広告用や観賞用として室内のみならず屋外での掲示に用いることも多くなっており、インクジェット印刷物には、耐光性、耐ガス性、耐水性等について優れた特性を有し、保存性に優れることが求められている。
インクジェット記録用のインクとしては、従来、着色剤として染料を用いた染料インクが主流であったが、染料インクは、耐光性、耐ガス性、耐水性に劣るという欠点を有していることから、近年は、染料に比してこれらの特性に優れている顔料を色材として用いた顔料インクが使用されるようになっている。しかし、顔料インクは、染料インクに比して、印刷画像の発色性及び光沢性に乏しいという欠点を有している。即ち、染料インクによる画像形成は、染料を記録媒体内部に侵入させることにより記録媒体自体を染色して画像を形成することによりなされるもので、染料が記録媒体の表面に留まらないのに対し、顔料インクによる画像形成は、染料より大きな顔料粒子を記録媒体の表面に留め、その顔料粒子自体の発色により画像を形成することによりなされるため、顔料インクにより形成された印刷画像は、顔料粒子による光の乱反射によって発色性や光沢性の低下が起こりやすいのである。
そこで、上記欠点を解消した顔料インクとして、顔料を含有する水不溶性ビニルポリマーのポリマー粒子の水分散体を用いた水系インク(特許文献1参照)が提案されている。 しかしながら、特許文献1に開示されている水系インクは、ある程度の発色性は得られるものの、印字部の光沢性については満足できるレベルにあるとは言い難い。
また、特許文献1に開示されているような、樹脂成分を含有する顔料インクを用いて印刷を行った場合、インク付着量の多い高デューティー(duty)領域は樹脂成分の量も多いために高光沢となるのに対し、インク付着量の少ない低デューティー領域は低光沢となり、インクが付着しない非印刷領域は更に光沢が低くなる。このように、樹脂成分を含有させたインクを使った場合には、樹脂成分の付着量の多少によって印刷物の光沢感に部分的な差異が生じ、光沢ムラとして印刷品質に悪影響を及ぼすことになる。こうした光沢ムラは、特に、銀塩写真調のフォトライクな高精細画質が得られるように開発されたインクジェット光沢紙において問題となっている。
特開2004−75988号公報
従って、本発明の目的は、印字部の光沢性に優れ、光沢ムラが大幅に低減された印刷物を提供し得るインクセット、インクカートリッジ及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明は、着色剤を含むカラーインクと、着色剤を含まないクリアインクとを備えたインクセットであって、上記カラーインクは、上記着色剤としての顔料、該顔料を包含し且つ該顔料をインク中に分散可能とするポリマー及び水を含んでおり、上記ポリマーは、A)下記式(I)で表されるモノマーA1、下記式(II)で表されるモノマーA2及び下記式(III)で表されるモノマーA3からなる群から選ばれる1種以上のモノマーAと、B)塩生成基を有するモノマーBと、C)数平均分子量500〜500,000のモノマーCと、D)該モノマーA〜Cと共重合可能なモノマーDとを重合させてなるビニルポリマーであり、上記クリアインクは、下記式(IV)で表される化合物及び水を含んでいるインクセットを提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、上記インクセットを収容したインクカートリッジを提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、上記インクセットを用いて、各インクを記録媒体上に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、記録媒体上における上記カラーインクのデューティーが所定の基準値以下である領域に、上記クリアインクを、該領域における該カラーインク及び該クリアインクの合計デューティーが該基準値以上となるように付着させるインクジェット記録方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明のインクセット及びインクカートリッジによれば、特に、表面光沢の高い光沢紙において、印字部の光沢性に優れた印刷画像を実現することができ、銀塩写真のような、濃い画像濃度で高い光沢感を伴った高精細印刷物が得られる。
また、本発明のインクジェット記録方法によれば、光沢ムラが大幅に低減された上記高精細印刷物が得られる。
以下、先ず、本発明のインクセットについて説明する。
本発明のインクセットは、着色剤を含むカラーインクと、着色剤を含まないクリアインクとを備えている。カラーインクの種類は特に限定されないが、少なくともイエローインク、シアンインク及びマゼンタインクの3種類を備えることが好ましく、更に、ブラックインク、グリーンインク、オレンジインク、ブラウンインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク等を備えていてもよい。
本発明に係るカラーインクは、着色剤としての顔料、該顔料を包含し且つ該顔料をインク中に分散可能とするポリマー(ビニルポリマー)及び水を含んでいる。
本発明に係るカラーインクにおいては、顔料はビニルポリマーにより包含された結果、粒子の形態をとることとなる。この粒子は、後述するように、顔料とポリマーとから調製される。該粒子の調製方法については後述するが、簡潔に述べれば、顔料と、有機溶媒に溶解又は分散されたポリマーと、水と、必要により中和剤とを混合分散し、有機溶媒を除去し、脱溶媒物を分散して顔料を包含した粒子を得ることができる。以下、カラーインクを構成する各成分について説明する。
上記着色剤としては、従来からインクジェット記録用のインクに用いられている各種顔料を用いることができる。例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の有機顔料;カーボンブラック(例えば、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等)、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等の無機顔料;シリカ、炭酸カルシウム、タルク等の体質顔料等を、着色剤として用いることができる。
有彩色のカラーインクに用いる有機顔料としては、好ましいイエロー顔料として、C.I.ピグメントイエロー74、93、109、110、128、138、150、151、154、155、180、185等が挙げられ、特に、ピグメントイエロー74が好ましい。また、好ましいマゼンタ顔料として、C.I.ピグメントレッド122、202、209及びC.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられ、特に、C.I.ピグメントレッド122及びピグメントバイオレット19が好ましい。また、好ましいシアン顔料として、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4及び60等が挙げられ、特に、C.I.ピグメントブルー15:3及びピグメントブルー15:4が好ましい。また、イエロー、シアン、マゼンタ以外の有彩色のカラーインクに用いる有機顔料としは、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、10(グリーンゴールド)、36、37;C.I.ピグメントブラウン3、5、25、26;あるいはC.I.ピグメントオレンジ1、2、5、7、13、14、15、16、34、36、38等を用いることができる。
上記着色剤の含有量は、画像濃度及び上記ポリマー中に包含させやすさの観点から、上記ポリマーの樹脂固形分100重量部に対して好ましくは0.1〜20重量部である。
上記ポリマーは、A)下記式(I)で表されるモノマーA1、下記式(II)で表されるモノマーA2及び下記式(III)で表されるモノマーA3からなる群から選ばれる1種以上のモノマーAと、B)塩生成基を有するモノマーBと、C)数平均分子量500〜500,000のモノマーCと、D)該モノマーA〜Cと共重合可能なモノマーDとを重合させてなるビニルポリマーである。
上記モノマーA1の具体例としては、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記モノマーA2の具体例としては、エチレングリコール・プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ
単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
商業的に入手し得る上記モノマーA1又はA2の例としては、日本油脂(株)製のブレンマーPP-1000、PP-500、PP-800、AP-150、AP-400、AP-550、AP-800、50PEP-300、70PEP-350B、AEPシリーズ、30PPT-800、50PPT-800、70PPT-800、APTシリーズ、10PPB-500B、10APB-500B、50POEP-800B、50AOEP-800B、ASEPシリーズ、PNEPシリーズ、PNPEシリーズ、43ANEP-500、70ANEP-550等が挙げられる。
上記モノマーA3の具体例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
商業的に入手し得る上記モノマーA3の具体例としては、新中村科学(株)製のNKエステM-20G、40G、90G、230G、日本油脂(株)のブレンマーPEシリーズ、PME-100、200、400、1000等が挙げられる。
上記モノマーA〔(メタ)アクリル酸エステルモノマー〕の含有量は、印字濃度及びインク粘度の観点から、上記ビニルポリマー中、好ましくは5〜45重量%、更に好ましくは5〜35重量%である。
上記モノマーBは、塩生成基を含んでなるモノマーである。この塩生成基含有モノマーとしては、アニオン性モノマー、カチオン性モノマーが好ましい。アニオン性モノマー、カチオン性モノマーは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記アニオン性モノマー(モノマーB)の具体例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、及び不飽和リン酸モノマーからなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸モノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記アニオン性モノマーとしては、インク粘度及び吐出性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
上記カチオン性モノマー(モノマーB)としては、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。これらのうち、特にN,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、及びN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドが好ましい
上記モノマーBの含有量は、分散安定性及び吐出安定性の観点から、上記ビニルポリマー中、好ましくは3〜40重量%、更に好ましくは5〜30重量%である。
上記モノマーCは、数平均分子量500〜500,000のポリスチレン系マクロモノマーである。マクロモノマーの好ましい例としては、片末端に重合性官能基を有し、好ましくは数平均分子量が500〜500,000、より好ましくは1,000〜10,000であるマクロモノマーが挙げられる。
上記マクロモノマー(モノマーC)の具体例としては、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマー、片末端に重合性官能基を有するスチレン・アクリロニトリル系マクロモノマー等が挙げられる。これらのうち、ビニルポリマーが着色剤と十分に含有し得るものであることから、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマーが好ましい。
上記の片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマーを構成するスチレン以外のモノマーとしては、アクリロニトリルが挙げられる。また、スチレンの含有量は、顔料が十分にビニルポリマーに含有されるようにする観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
上記の片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマーの中では、片末端に重合性官能基としてアクリルロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するものであることが好ましい。
商業的に入手し得るスチレン系マクロモノマーとしては、例えば、東亜合成(株)製のAS-6、AN-6、AN-6S、HS-6S、HS-6等が挙げられる。
上記マクロモノマーCの含有量は、耐水性及び耐擦過性の観点から、上記ビニルポリマー中、好ましくは0.1〜40重量%、更に好ましくは1〜30重量%である。
上記モノマーDは、上述したモノマーA〜Cと共重合可能なものであり、その具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル、芳香環含有モノマー、マクロモノマーが挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。このモノマーDには、耐水性及び耐擦過性の観点から、芳香環含有モノマー及びマクロモノマーからなる群より選ばれた1種以上が含有されていることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル(モノマーD)としては、具体的には例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソまたはターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等のエステル部分が炭素数1〜18のアルキル基である(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
尚、上記「(イソまたはターシャリー)及び「(イソ)」は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルを示す。
上記芳香環含有モノマー(モノマーD)としては、耐水性の観点から、スチレン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸及びネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステルからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。これらの中では、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンからなる群より選ばれる1種以上が、耐水性及び耐擦過性の観点からより好ましい。
以上のモノマーA、B、C及びDを重合させてなるビニルモノマーにおける各モノマーの存在量は、モノマーAが5〜45重量%(好ましくは5〜35重量%)、モノマーBが3〜40重量%(好ましくは5〜30重量%)、モノマーCが0.1〜40重量%(好ましくは10〜30重量%、モノマーDが0〜87重量%(好ましくは0〜75重量%)である。
上記ビニルポリマーの重量平均分子量は、印字濃度と吐出安定性の観点から、好ましくは3,000〜300,000、更に好ましくは5,000〜200,000である。
上記ビニルポリマーを分散剤とする顔料分散液は、例えば、特開2001−247810号公報に記載の方法によって調製することができる。具体的には、水溶性有機溶媒に溶解したポリマー溶液と、顔料と、必要により中和剤とを混合して、溶剤分散液を調製し、この分散液を水相に展開して水性の懸濁液を調製する。そして、溶剤分散液調整時に添加してある水溶性有機溶媒を蒸留して除き、顔料をビニルポリマー粒子で包含する。
上記中和剤は、適宜決定されてよいが、アルカリとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの三級アミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。また、酸としては、塩酸、硫酸などの無機塩基、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の有機酸が利用可能である。
上記有機溶媒としては、水溶性有機溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類などが挙げられる。
また、顔料をポリマーで包含する工程は分散機を利用出来、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなどの分散機を用いて分散する。より好ましくは、分散メディアの破砕片等が混入しにくい高圧ホモジナイザーが挙げられる。
上述の如き手順により得られたビニルポリマー粒子の粒径は、好ましくは25〜250nm程度であり、より好ましくは下限が30nm程度であり、上限が175nm程度である。
上記ビニルポリマーの含有量は、画像濃度及び吐出安定性の観点から、上記カラーインクの全重量に対して好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明に係るカラーインクに含まれる水(主溶媒としての水)は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。また、紫外線照射、又は過酸化水素添加などにより滅菌した水は、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
本発明に係るカラーインクには、上述の着色剤(顔料)、ポリマー及び水の他に、必要に応じ、各種添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤(アセチレングリコール系又はアセチレンアルコール系界面活性剤)等の界面活性剤、防腐剤・防かび剤、グルコース等の糖類、キレート剤、酸化防止剤、導電率調整剤、pH調整剤、pH緩衝剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤等が挙げられる。これらの添加剤は、インクジェット記録用インクに通常用いられる公知のものである。
また、本発明に係るカラーインクには、水と相溶性を有し、インクに含まれる顔料、上記ポリマー、更には上記各種添加剤を安定に溶解又は分散させて保持し得る水溶性有機溶媒を含有させることが好ましい。水溶性有機溶媒としては、この種の水系インクに含有されるものと同様のものを用いることができ、例えば、アルコール類、グリコール類、グリコール系ブチルエーテル、ピロリドン等が挙げられる。
本発明に係るカラーインクは、pHが8.0〜11の範囲にあることが好ましい。後述するクリアインクのpHについても同じである。このような範囲にインクのpHを調整することにより、より優れた光沢感を実現できる。インクのpHを斯かる範囲に調整するには、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等のpH調整剤を用いるとよい。
本発明に係るクリアインクは、着色剤を含まず、下記式(IV)で表される化合物(PO/EO共重合化合物)及び水を含んでいる。水としては、上記カラーインクにおけるものと同様のものを用いることができる。
上記式(IV)において、EOは、エチレンオキシ、即ち、−CH2CH2O−を表し、POは、プロピレンオキシ、即ち、−CH2CH2CH2O−、又は、−CH(CH3)CH2O−を表す。このEO及びPOは、上記式(IV)で表される化合物の分子中において(即ち、上記式(IV)中の[ ]内において)、アルコール基にまずPOが付加され、次にEOが付加された構造のものが好ましい。
上記PO/EO共重合化合物(上記式(IV)で表される化合物)は、アルキル鎖長が炭素数7〜14である。アルキル鎖がこの範囲のPO/EO共重合化合物と上記の顔料分散液とを組み合わせて用いることにより、記録媒体に光沢紙を用いた場合にあっても、光沢性に優れた印字部を有する画像が得られる。アルキル鎖は分岐していても直鎖であっても良く、炭素数は、9〜14がより好ましい。
また、上記式(IV)において、m、nは、n/m≧1.5の関係が成立するものであることが好ましい。n/m、即ち、プロピレンオキシ基に対するエチレンオキシ基の割合を1.5以上とすることにより、より一層光沢性に優れた画像を実現できる。
上記PO/EO共重合化合物は、インクの粘度適性の観点から、数平均分子量が2,000以下であることが好ましい。尚、数平均分子量は、日立製作所製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、溶剤をTHFとして測定したときのスチレン換算分子量である。
上記PO/EO共重合化合物は、対応する構造を有するアルコール又は多価アルコールを出発原料として、アルカリ等の雰囲気下でエチレンオキシドやプロピレンオキシドを目標モル量付加することによって得ることができる。こうして得られたPO/EO共重合化合物は、上記式(IV)で表される化合物の2種以上の混合物であることが一般的である。
上記PO/EO共重合化合物としては、市販されているものも好適に使用できる。具体的には、青木油脂株式会社製FINESURF 560、580、5010、9010、7045、7085、BLAUNON DAP-1008、ELP-0809B、ELP-1608B等が挙げられる
上記PO/EO共重合化合物の含有量は、上記クリアインクの全重量に対して好ましくは0.5〜5.0重量%である。含有量が0.5重量%以上であれば、光沢性に優れた画像を実現でき、また、5.0重量%以下であれば、インクの粘度の調整を容易にすることができる。
本発明に係るクリアインクには、上述のPO/EO共重合化合物(上記式(IV)で表される化合物)及び水の他に、必要に応じ、上記カラーインクに含有可能な各種添加剤、水溶性有機溶媒と同様のものを適宜含有させることができる。
本発明のインクカートリッジは、上述した本発明のインクセットを収容したものである。インクカートリッジ自体(インクセットを除いた部分)は、上述のインクセットが収容可能であればよく、その形状及び材質は特に限定されない。
次に、本発明のインクジェット記録方法について説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、上述した本発明のインクセットを用いて、各インクを記録媒体上に付着させて記録を行うインクジェット記録方法である。
そして、本発明のインクジェット記録方法においては、記録媒体上における上記カラーインクのデューティーが所定の基準値以下である領域に、上記クリアインクを、該領域における該カラーインク及び該クリアインクの合計デューティーが該基準値以上となるように付着させる。該基準値は、デューティー40%であることが好ましい。
本発明において、「デューティー」(duty)とは、次式で算出される値である。duty(%)=実印字ドット数/(縦解像度×横解像度)×100 式中、「実印字ドット数」は単位面積当たりの実印字ドット数であり、「縦解像度」及び「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。duty100%とは、画素に対する単色の最大インク重量を意味する。
上記のように、記録媒体上における上記カラーインクのデューティーが所定の基準値以下である領域、即ち、カラーインクが付着しない非印字領域及びカラーインクの付着量が少ない低デューティー領域に、クリアインクを付着させることにより、該領域の印字部光沢性が高められ、カラーインクのデューティーが所定の基準値を超える高デューティー領域の印字部光沢性との差異が低減されるので、印刷画像全体として光沢ムラを大幅に低減することができる。
上記のように、カラーインクの低デューティー領域にクリアインクを付着させる場合、クリアインクのデューティーは、カラーインクのデューティー(その領域に複数のカラーインクを付着させる場合は、それらのうちの最小デューティー)より小さいことが好ましい。このように、カラーインクよりも少量のクリアインクを付着させることで、その領域における印字部の発色性を損なわずに、光沢性を高めることができる。
上述の本発明のインクジェット記録方法は、例えば、次のようにして実施することができる。
先ず、デジタルカメラの撮影などによって取得された画像データ(例えば、RGB表色系に従った画像データ)に対し、常法通り、インクジェットプリンタで使用されるカラーインクの色に沿った色への色変換処理、更にハーフトーン処理などを施して、印刷データを生成する。
次いで、上記印刷データに基づいて、所定領域毎にカラーインクのデューティーを計算する。その際、複数のカラーインクを使用する領域については、各カラーインクのデューティーの合計値を、当該領域におけるカラーインクのデューティーとする。
次いで、こうして得られた所定領域におけるカラーインクのデューティーが、予め定められた基準値以下であるか否かを判定する。判定の結果、該デューティーが基準値以下である場合は、当該領域に対してクリアインクを吐出し且つカラーインクとクリアインクとの合計デューティーが基準値以上となるように、各インクの吐出量(記録媒体上への付着量)を制御する。該デューティーが0%の非印字領域に対しては、クリアインク単独のデューティーが基準値以上となるように制御される。こうした吐出量の制御は、具体的には、上記印刷データにおける当該領域に対応する部分を適宜修正することによりなされる。一方、上記判定の結果、上記デューティーが基準値を超える場合は、当該領域については当初の印刷データのままとし、修正は行わない(即ち、当該領域に対してはクリアインクを吐出しない)。このように、上記印刷データについて、所定領域毎に判定、必要な修正を行うことで、データ修正が適宜施された最終印刷データが得られる。
そして、上記最終印刷データに基づき、常法に従って、カラーインク、クリアインクをインクジェットプリンタの記録ヘッドからそれぞれ吐出させ、記録媒体上に付着させることにより、上記画像データが示す画像であって、印字部の光沢性に優れ、光沢ムラが大幅に低減された画像を、記録媒体上に出力することができる。
尚、本発明のインクジェット記録方法においては、カラーインクとクリアインクとを同一処理時に吐出させてもよい。「同一処理時」とは、1回の記録(1パス)において、カラーインク及びクリアインクの両インクにより、一の特定画像を形成するように処理する時をいい、両インクを全く同時に吐出する場合の他、1パス内においてカラーインク、クリアインクの順に吐出する場合、あるいはこれとは逆に、1パス内においてクリアインク、カラーインクの順に吐出する場合も「同一処理時」に含まれる。
本発明のインクジェット記録方法は、上述した印刷データの生成、デューティー計算、判定、データ修正等の各制御構成に対応するプログラムコードから構成されたプリンタドライバを、本発明のインクジェット記録方法の実施に使用するインクジェットプリンタに接続又は内蔵されたコンピュータにインストールし、こうしてプリンタドライバがインストールされたインクジェットプリンタを常法通り使用することにより、実施することができる。本発明のインクジェット記録方法を制御するプリンタドライバとしては、例えば、画像データ取得モジュール、色変換モジュール、ハーフトーン処理モジュール、データ修正モジュール(デューティー計算、判定、修正行うモジュール)、及び最終印刷データ生成モジュール(修正処理後のデータをプリント順に並べ替え、必要に応じ所定の情報を付加してプリンタに送信するモジュール)から構成されるものが挙げられる。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録が可能な記録媒体であれば特に制限なく適用できるが、とりわけ、被記録面の表面光沢性の高いいわゆる光沢紙に対して有効であり、光沢紙上に、印字部の光沢性に優れ、光沢ムラが大幅に低減された画像を出力することができる。本発明が有効な光沢紙としては、インクジェット専用紙などとして一般に市販されている光沢タイプのインクジェット記録用紙の他、インクジェット記録が可能な表面光沢層が設けられたCD−R、CD−ROM、CD−RW、DVD−RAM等の光ディスクなどが挙げられる。本発明は、特に、被記録面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度が10%以上の光沢紙を用いた場合に有効である。
以下に、本発明の実施例及び本発明の効果を示す試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、斯かる実施例により何等制限されるものではない。
(ビニルポリマーの調製)
下記組成のモノマーを調製した。
・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(n=9) 15重量%
(上記式(I)において、R1がメチル及びR2が水素である化合物。商品名:BlemmerPP-500、NOF社製)
・ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=23) 10重量%
(上記式(II)において、m=23、R1及びR2がメチルである化合物。商品名:NKESTER M230G、新中村化学社製)
・メタクリル酸 14重量%
・スチレンモノマー 36重量%
・スチレンマクロマー 15重量%
(スチレン−アクロニトリル共重合マクロマー、スチレン含量:75重量%、数平均分子量:6,000、重合性官能基:メタクリロイル基、商品名:AN-6、TOAGOSEI社製)
・n−ブチルメタクリレート 10重量%
反応容器に、メチルエチルケトン20重量部、重合連鎖移動剤(2−メルカプタンエタノール)0.03重量部、及び上記モノマーの全量の10%を充填し、混合した。その後、容器を窒素ガス置換した。一方、滴下装置に上記モノマーの残り90%を充填した。
重合連鎖移動剤(2−メルカプタンエタノール)0.27重量%、メチルエチルケトン60重量%、及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を次いで滴下装置に加え、混合した。その後、滴下装置を窒素ガス置換した。
反応容器内の混合物の温度を、窒素雰囲気下、撹拌しながら65℃まで上げ、滴下装置内の混合物を反応容器に3時間かけて滴下した。65℃下での滴下終了後2時間経過した後に、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3重量%をメチルエチルケトン5重量%に溶解した溶液を加えた。混合物を65℃で2時間、さらに70℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
上記のようにして得たポリマー溶液の一部を、減圧留去して溶媒を除いて乾燥させて単離した。
重量平均分子量を、ポリスチレンを標準物質とし、濃度60mmol/Lのリン酸及び50mmol/Lのリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミドを溶媒としたゲルパーシエーションクロマトグラフィーにより決定した。その結果、重量平均分子量は、70,000であった。
(顔料分散液の調製)
上記で得られたビニルポリマー5重量部を、メチルエチルケトン45重量部に溶解させて、その中に中和剤(20重量%の水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えて塩生成基を中和し、さらに顔料(着色剤)を添加して、ビーズミルで2時間混練した。
尚、顔料及びその添加量は、カラーインクの種類に応じて次の通りとした。
・シアンインク用…C.I.ピグメントバイオレット19 20重量部
・マゼンタインク用…C.I.ピグメントレッド122 15重量部
・イエローインク用…C.I.ピグメントイエロー128 16重量部
上記で得られた混練物に、イオン交換水120重量部を加えて攪拌した後、減圧下、60℃にてメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、固形分濃度が20重量%の顔料分散液を得た。
(PO/EO共重合化合物の調製)
上記式(IV)で表されるPO/EO共重合化合物として、FINESURF(青木油脂(株)製)を用いた。また、比較例として、上記式(IV)において、Rが炭素数C4、mが6、nが4のPO/EO共重合化合物(下記式(V)で表される化合物)を用いた。各PO/EO共重合化合物のアルキル鎖長、EO/POモル比、及び分子量をそれぞれ下記表1に示す。下記表1中、A〜Cは、実施例のPO/EO共重合化合物であり、Dは、比較例のPO/EO共重合化合物である。
(インクの調製)
下記表2に示した組成のカラーインク(イエローインク、マゼンタインク、シアンインク)及びクリアインクC1〜C4を調製した。
(インクセットの調製)
上記で得られたカラーインクセット及びクリアインクを適宜組み合わせて、下記インクセット1〜4をそれぞれ調製した。
・インクセット1(実施例1);上記3色のカラーインク及びクリアインクC1
・インクセット2(実施例2);上記3色のカラーインク及びクリアインクC2
・インクセット3(実施例3);上記3色のカラーインク及びクリアインクC3
・インクセット4(比較例1);上記3色のカラーインク及びクリアインクC4
(印字部光沢性試験)
インクジェットプリンタ(セイコーエプソン株式会社製PX−G900)を用いて、上記インクセット1〜4によって、光沢タイプのインクジェット記録用紙(セイコーエプソン株式会社製PM写真用紙、被記録面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度15%)の被記録面に対して、解像度1440×720dpiにてカラーインクとクリアインクとを同一処理時に吐出させ、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクそれぞれのベタ印字を行った。各ベタ印字部におけるカラーインクとクリアインクとの重量比率は、(カラーインク):(クリアインク)=90:10とした。インクの吐出安定性は何れのインクセットも良好であった。
こうして作製された印刷物を25℃で24時間放置した後、該印刷物の印字部についての入射角20度における鏡面光沢度を、コニカミノルタセンシング株式会社製光沢計GM−268を用いて測定した。鏡面光沢度の測定は、インクセット毎に6回(1色のベタ印字部につき2回)行い、それらの平均値を算出し、該平均値が60以上のものをA(印字部光沢性良好)、55以上で60未満のものをB、50以上で55未満のものをC、50未満のものをDとした。その結果を下記表3に示す。
(光沢均一性試験)
上記インクセット1を搭載した上記インクジェットプリンタを用いて、上記PM写真用紙の被記録面に対して、解像度1440×720dpiにてカラーインクとクリアインクとを同一処理時に吐出させ、下記印刷パターン(1)〜(3)に従って印刷を行った。尚、下記の何れの印刷パターンにおいても、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクはそれぞれ単独でデューティーを0〜100%まで10%刻みとして被印刷面に付着させた。インクの吐出安定性は良好であった。
(1)印刷パターン1(実施例4);基準値を40%とし、カラーインクのデューティーが40%以下の領域におけるシアン、マゼンタ、イエローの印刷部分それぞれに、クリアインクを、当該印刷部分におけるカラーインク及びクリアインクの合計デューティーが60%となるように付着させる。
(2)印刷パターン2(比較例2);クリアインクは使用しない。
(3)印刷パターン3(比較例3);基準値を40%とし、カラーインクのデューティーが40%以下の領域におけるシアン、マゼンタ、イエローの印刷部分それぞれに、クリアインクをデューティー10%で付着させる。
こうして作製された印刷物の印字部から各色各デューティー毎にそれぞれ任意に2箇所を選択し、これらの選択箇所について、村上色彩研究社製の変角光沢計GM−3D型を用いて20度鏡面光沢度をそれぞれ測定し、これらの測定値の平均値及び標準偏差並びに非印字部の20度鏡面光沢度(白地光沢度)から、下記評価基準により評価した。その結果を下記表4に示す。
A:光沢度の平均値と白地光沢度との差が±15以内であり、且つ光沢度の標準偏差が15以下である。光沢均一性良好。
B:光沢度の平均値と白地光沢度との差が±(15超20以下)以内であり、且つ光沢度の標準偏差が15超20以下である。
C:光沢度の平均値と白地光沢度との差が±20を超えるか、又は光沢度の標準偏差が20を超えている。

Claims (7)

  1. 着色剤を含むカラーインクと、着色剤を含まないクリアインクとを備えたインクセットであって、
    上記カラーインクは、上記着色剤としての顔料、該顔料を包含し且つ該顔料をインク中に分散可能とするポリマー及び水を含んでおり、
    上記ポリマーは、A)下記式(I)で表されるモノマーA1、下記式(II)で表されるモノマーA2及び下記式(III)で表されるモノマーA3からなる群から選ばれる1種以上のモノマーAと、B)塩生成基を有するモノマーBと、C)数平均分子量500〜500,000のモノマーCと、D)該モノマーA〜Cと共重合可能なモノマーDとを重合させてなるビニルポリマーであり、
    上記クリアインクは、下記式(IV)で表される化合物及び水を含んでいるインクセット。
  2. 上記ビニルポリマーは、上記モノマーAを5〜45重量%と、上記モノマーBを3〜40重量%と、上記モノマーCを0.1〜40重量%と、上記モノマーDを0〜87重量%と重合させてなるものである請求項1記載のインクセット。
  3. 上記式(IV)において、mとnとの間にn/m≧1.5の関係が成立する請求項1又は2記載のインクセット。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のインクセットを収容したインクカートリッジ。
  5. 請求項1〜3の何れかに記載のインクセットを用いて、各インクを記録媒体上に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、
    記録媒体上における上記カラーインクのデューティーが所定の基準値以下である領域に、上記クリアインクを、該領域における該カラーインク及び該クリアインクの合計デューティーが該基準値以上となるように付着させるインクジェット記録方法。
  6. 上記基準値は、デューティー40%である請求項5記載のインクジェット記録方法。
  7. 上記記録媒体は、被記録面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度が10%以上である請求項5又は6記載のインクジェット記録方法。

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