JP2006273888A - 生分解性複合材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的物性や断熱性に優れ、かつ環境にも優しい生分解性複合材料を提供すること。
【解決手段】ココナッツ繊維と生分解性樹脂を含有することを特徴とする生分解性複合材料であり、繊維長が6〜20mmであるココナッツ繊維と生分解性樹脂10〜70質量%とからなることを特徴とする生分解性複合材料とすることにより、機械的物性、断熱性にすぐれ、自動車部品や建築物の断熱材などの素材として有用な複合材料を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】ココナッツ繊維と生分解性樹脂を含有することを特徴とする生分解性複合材料であり、繊維長が6〜20mmであるココナッツ繊維と生分解性樹脂10〜70質量%とからなることを特徴とする生分解性複合材料とすることにより、機械的物性、断熱性にすぐれ、自動車部品や建築物の断熱材などの素材として有用な複合材料を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ココナッツ繊維と生分解性樹脂を含有し、機械的物性、断熱性に優れている上に、環境にも優しい生分解性複合材料に関する。
従来、自動車の部材や建築材料として石油から製造されたプラスチックとガラス繊維などからなるガラス強化複合材料が用いられてきたが、これらの部材は最終的に二酸化炭素を放出し、環境に大きな影響を与えることから環境に配慮した材料の使用が試みられている。かかる材料として、炭素同化作用によって造られた植物性の原料をベースとする材料が例えば特許文献1に提案されている。植物性の材料であれば基本的に生分解性であり、廃棄物の蓄積を伴わない利点があるが、特許文献1の部材にあっては、接着剤が石油から生産されたプラスチックスであることから、最終的には大気中に二酸化炭素を放出し環境を汚染する材料である。そこで、とうもろこしや芋から得られるデンプンからプラスチックを生産する一方、麻の一種であるケナフという植物の表皮から繊維を取り出し前記プラスチックと植物性繊維とからなる複合材料が提案され、例えばスペアタイヤのカバー、エンジンカバー、バッテリートレーなどに試作されている。しかし、前記ケナフは一部東南アジアでは生産されているが、自動車で使用する材料として使用するには、常に一定の量を大量に供給できる状態にする必要があり、そのために新たな農場でケナフ栽培を実施しなければならない。農業は工業と違い、一年や二年で簡単に軌道に乗るものでなく、ケナフの生産を工業的規模で生産するには困難がある。
特開平11−333986号公報
しかし、植物性の繊維であっても椰子の実から採れるココナッツ繊維は、椰子の木の栽培が東南アジアでかなり広い範囲で栽培されている上に、その用途も家具の一部にとどまり多くが産業廃棄物として廃棄され反面、平均長さが12cm以上のものもあり、引張り強度が70〜150MPaと高いことから、このココナッツ繊維であれば工業的規模での生産にも原料として安価に、かつ十分耐えると考え、本発明者は、鋭意研究した結果、生分解性樹脂でココナッツ繊維を固定することで、ココナッツ繊維がもつ機械的強度が十分に発揮される上に、断熱性があり、かつ環境にも優しい複合材料が得られることを見出して本発明を完成したものである。すなわち、
本発明は、産業廃棄物として廃棄されているココナッツ繊維と生分解性樹脂とからなる機械的物性や断熱性に優れ、かつ環境にも優しい生分解性複合材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、ココナッツ繊維と生分解性樹脂を含有することを特徴とする生分解性複合材料に係る。
本発明で使用するココナッツ繊維は主にタイなどの東南アジアで生産され、平均長さが6〜20cm、含水率が12%以下、繊維の直径が100〜300μm、引張強度が70〜150MPa、破断伸びが40〜70%の繊維である。前記ココナッツ繊維が多くの水を含有する場合には、前記範囲にまで乾燥する必要がある。
また、生分解性樹脂としては、ポリ乳酸、乳酸単位が60モル%以上の乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、乳酸単位が60モル%以上の乳酸、脂肪族多価カルボン酸及び脂肪族グリコールからなる脂肪族ポリエステル共重合体などのポリ乳酸系樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂などが挙げられる。前記ポリ乳酸としては、具体的にL−乳酸、D−乳酸、あるいはL−乳酸とD−乳酸の混合物を脱水縮合した樹脂が挙げられ、特に物性、耐熱性が要求される場合にはL体が85モル%、好ましくは95モル%のポリ乳酸がよい。前記ポリ乳酸は、乳酸の環状二量体であるラクチドを開環重合するなどの方法で製造され、その数平均分子量は20,000〜1,000,000、好ましくは50,000〜500、000の範囲がよく、数平均分子量が20,000未満では、実用的な水分散液が得られず、また、1,000,000を超えると塗布性が悪く好ましくない。
乳酸と共重合する他のヒドロキシカルボン酸としては、例えばグリコール酸、ジメチルグリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
脂肪族ポリエステル共重合体を形成する脂肪族多価カルボン酸としては、例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸及びこれらの無水物などが、また脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンチルジオール、1.6−ペンチルジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコールなどが挙げられる。
また、脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリラクチドなどのポリ(α−ヒドロキシカルボン酸)、ポリ−ε−カプトラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリ−β−プロピオラクトン、ポリグリコール酸又はそれらの共重合体などが挙げられる。
上記生分解性樹脂で主たる樹脂の機械的物性値を表1に示す。
本発明の複合材料は、ココナッツ繊維を上記生分解性樹脂で結合した複合材料であり、自然界で分解し二酸化炭素の発生がない環境に優しい材料である。そして、その製造にあっては、生分解性樹脂を有機溶媒に溶解し、平均長さが6〜20cmのココナッツ繊維を所定の絡み合った塊としたのち前記樹脂溶液に含浸させる。加熱して有機溶剤を揮発させたのち、加熱プレスを用いて150〜200℃で加圧成形して製造される。加熱プレスによる成形圧は使用するココナッツ繊維の使用量、繊維長さにより異なり、適宜選定するのがよい。また、使用する生分解性樹脂の量はココナッツ繊維に対し10〜70質量%の範囲がよい。ココナッツ繊維の平均長さが6cm以上であることで繊維同士の絡み合いが多くなり、繊維自体の高い強度と相まって高い強度の複合材料が得られる。繊維長が6cm未満では繊維の絡み合いが少なく低い強度の複合材料が得られるにとどまり、20cmを超えるとプレス成形などの成形性が劣り好ましくない。ココナッツ繊維の主成分はセルロースとリグニンであり接着効果に優れている。生分解性樹脂が10質量%未満では接合性が十分でなく高い強度を有する材料が得られず、70質量%を超える生分解性樹脂の使用は製品コストを高くし好ましくない。
生分解性樹脂の有機溶剤としては、特に限定されないが例えばクロロホルム、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、N,N-ジメチルアニリン等が挙げられる。成形に当たり、成形性を増すため高級アルコール、エチレングリコールなどの可塑剤などを添加しても良い。
また、複合材料の成形法としては、加熱プレス法が簡便でよく、プレス法としては、バッチ式の平板プレスや連続プレスなどが採用できる。
本発明の生分解性複合材料は、植物繊維と生分解性樹脂とからなり、自然界で容易に分解し、石油から生産されたプラスチックのように二酸化炭素の放出量が少なく環境に優しい上に、ココナッツ繊維という産業廃棄物に近い繊維を使用し、ココナッツ繊維自体の機械的特性を十分に生かした複合材料である。
本発明をさらに実施例に基づいて詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
シクロヘキサノンにポリ乳酸を20質量%添加し加熱溶融して樹脂溶液を調整した。これに繊維直径100〜300μm、長さが10cmで表2に示す重量のココナッツ繊維を5分間浸した。樹脂溶液から取り出した後、ドライチャンバー内で一昼夜乾燥して、溶媒を揮発除去したのち、樹脂溶液含浸繊維を190℃で圧力10MPaで30分ホットプレスに掛け厚さ3mmのシートを形成した。該シートから幅15mm、長さ80mmの試験片を作成し、JISK72-3に従って曲げ試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を求めたところ表2に示す高い強度であり自動車の部材などとして十分に使用できる強度を有していた。
シクロヘキサノンにポリ乳酸を20質量%添加し加熱溶融して樹脂溶液を調整した。これに繊維直径100〜300μm、長さが10cmで表2に示す重量のココナッツ繊維を5分間浸した。樹脂溶液から取り出した後、ドライチャンバー内で一昼夜乾燥して、溶媒を揮発除去したのち、樹脂溶液含浸繊維を190℃で圧力10MPaで30分ホットプレスに掛け厚さ3mmのシートを形成した。該シートから幅15mm、長さ80mmの試験片を作成し、JISK72-3に従って曲げ試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を求めたところ表2に示す高い強度であり自動車の部材などとして十分に使用できる強度を有していた。
上記複合材料の試験片を土壌中に90日間放置した後、各試験片の質量及び分子量の減少率を測定したところ、重さが20質量%低下していた。
本発明の複合材料は、土壌中に放置しておいても自然に分解し、環境に優しい上に、機械的強度も高く、例えば自動車用部品ヤ建築物の断熱材などの素材として有用である。
Claims (3)
- ココナッツ繊維と生分解性樹脂を含有することを特徴とする生分解性複合材料。
- ココナッツ繊維長が6〜20mmであることを特徴とする請求項1記載の生分解性複合材料。
- 複合材料中の生分解性樹脂の含有量が10〜70質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の生分解性複合材料。
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Cited By (1)
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KR20160062641A (ko) * | 2014-11-25 | 2016-06-02 | 윤장희 | 모판 제조용 조성물 및 그 모판 제조 방법 |
Citations (3)
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---|---|---|---|---|
JPH1072544A (ja) * | 1996-06-14 | 1998-03-17 | Okura Ind Co Ltd | 生分解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッグ |
JP2002069208A (ja) * | 2000-08-29 | 2002-03-08 | Chiba Inst Of Technology | 複合材料およびその製造方法 |
JP2004256947A (ja) * | 2003-02-26 | 2004-09-16 | Yamaguchi Technology Licensing Organization Ltd | 天然繊維の改質方法とその装置、及びその改質した天然繊維とそれを用いた複合材料 |
-
2005
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KR101665022B1 (ko) | 2014-11-25 | 2016-10-11 | 윤장희 | 모판 제조용 조성물 및 그 모판 제조 방법 |
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