JP2004256947A - 天然繊維の改質方法とその装置、及びその改質した天然繊維とそれを用いた複合材料 - Google Patents

天然繊維の改質方法とその装置、及びその改質した天然繊維とそれを用いた複合材料 Download PDF

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Abstract

【課題】植物セルロース繊維から成る天然繊維の機械的性質、特には引張強さと破断ひずみを含む機械的性質、を好適に改質し得る天然繊維の改質方法とその方法を実施するための装置、及びその改質した天然繊維とそれを用いた複合材料を提供することを目的とする。
【解決手段】天然繊維に10MPa〜200MPaの軸方向張力を負荷する工程と、張力を負荷した状態で天然繊維にアルカリ溶液を用いてアルカリ処理を施す工程と、アルカリ処理を施した天然繊維を洗浄し残余のアルカリを除去する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物セルロース繊維から成る天然繊維の機械的性質を改質する天然繊維の改質方法とその方法を実施するための装置、及びその改質した天然繊維とそれを用いた複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
環境問題が地球規模で問われる現在、人類は、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄という物質フローを改変させる必要に迫られており、材料リサイクル率を向上させるための研究・調査や、廃棄後に微生物によって分解され再び自然界に戻る、生分解性を有する環境に優しい自然サイクル型物質の開発が活発に進められている。この種の材料の代表例として、ケナフ、サイザル麻、ラミー麻、マニラ麻、ジュート麻、ニュージーランド麻、ココナッツ、油ヤシ、パイナップル、竹などの植物セルロース繊維から成る天然繊維を強化材とし、植物由来の生分解性樹脂や石油由来の生分解性樹脂などを結合材とした複合材料が挙げられ、その開発が近年注目を浴び実用化もされているが、汎用合成樹脂と比べて伸びが劣るなどのため、用途が限られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、生分解性を有する繊維強化複合材料及びその製造方法を提供することを目的に、生分解性樹脂100質量部に対し、マニラ麻、サイザル麻、又はニュージーランド麻より選ばれた植物セルロース繊維1乃至100質量部を強化材として含む複合材料が開示され、植物セルロース繊維を表面処理する工程を含む製造方法が開示されているが、その実施例に示された如く、得られた複合材料の曲げ強度は42〜54MPa程度であり、充分な強度が得られていない。
【0004】
また、本発明者らは、用途・範囲を拡大できる高強度の生分解性複合材料の開発を目指し、鋭意、研究開発を進めてきた。例えば、非特許文献1に示されているように、ホットプレス成形法によりラミー麻繊維(平均直径35.7μm、平均引張強さ402MPa)を強化材とした生分解性複合材料を作製する方法に関し、成形圧力をパラメータとした実験的検討(成形温度は150℃)により、比較的低強度の天然繊維を強化材とした場合でも、ホットプレス成形法により、高強度の複合材料が得られることを明らかにした。即ち、加圧せずに成形した複合材料の引張強さ約190MPaに対し、成形圧力6.5MPa〜26.2MPaの範囲で引張強さ約250MPa(最大は250MPa)という高強度が達成でき、この強度の改善は、光学顕微鏡による断面組織観察や破面SEM観察により、成形圧力との関係において、繊維間への樹脂の浸透性、繊維表面への樹脂の接着性、過大負荷による繊維の損傷などに関連して生じることを明らかにした。この複合材料は、エンジニアリングプラスチックを凌ぐ強度を有するが、天然繊維の機械的性質を改質するなどにより、なお改善の余地がある。
【0005】
一般に、天然繊維を強化材とし生分解性樹脂とから成る複合材料は、天然繊維に表面処理を施すことにより、一層高い補強効果を得ることができることが知られている。例えば、上述の特許文献1には、その実施の形態において、植物セルロース繊維に表面処理を施すことにより、植物セルロース繊維と生分解性樹脂との親和性を改善することができ、また、一層高い補強効果を得ることができることが示され、この表面処理は、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理と、水酸化アルカリやカップリング剤を使用する化学的表面処理に分類でき、水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が好適に使用できることが開示されている。
【0006】
然しながら、この従来技術は、水酸化アルカリを用いて行うアルカリ処理について、その実施例において、水酸化ナトリウム水溶液中にサイザル麻を室温で浸漬した後、水洗し、空気中で乾燥する、という形態が具体的に開示されているのみであり、それが又、植物セルロース繊維の機械的性質に如何なる影響を与えるかについても開示されていない。即ち、特許文献1で施すアルカリ処理は、セルロース繊維がアルカリ溶液中で膨潤する特質を有することに基づく、天然繊維と生分解性樹脂との親和性・浸透性を改善するための処理であって、天然繊維そのものの破断ひずみを含む機械的性質を改質するものではない。
【0007】
天然繊維にアルカリ処理を施す従来技術としては、上記特許文献1の他、例えば特許文献2があり、特許文献2には、セルロース系繊維織物を予め酵素により減量し、更に強アルカリ水溶液中、無緊張又は低緊張下でリラックス処理せしめた後、柔軟仕上げする方法が開示されている。この従来技術で行うリラックス処理は、その詳細な説明に記載されているように、アルカリ水溶液に浸漬させることにより糸を膨潤させ、且つ、強アルカリ存在下で揉みほごすことにより繊維表面をフィブリル化させ、糸表面をスレさせて毛羽立たせるための処理であり、天然繊維そのものの破断ひずみを含む機械的性質を改質する技術ではない。
【0008】
また、特許文献2には、セルロース系繊維をアルカリ処理する従来技術として、糸光沢の付与や染着性の向上を目的に緊張下でアルカリ処理を施す、綿のシルケット加工が示されている。これはマーセル化処理とも呼ばれる技術であり、上述の特性に基づく繊維の膨潤と共に、若干の緊張下でアルカリ処理を施すことにより繊維表面をフィブリル化させ、又、繊維内部のフィブリル構造を改変することにより、糸光沢の付与や染着性の向上を図ろうとするものである。即ち、特許文献2で施すアルカリ処理は、その目的とするところでも明らかなように、天然繊維そのものの破断ひずみを含む機械的性質を改質するものではなく、従って又、天然繊維の機械的性質を改質しようとする技術とは、その具体的な手段・条件が異なるものである。
【0009】
以上のように、天然繊維そのものの破断ひずみを含む機械的性質を好適に改質し得る技術は、未だ開示されていない。即ち、複合材料の実用性は、単に強度のみならず、その信頼性の点から、適度な破断ひずみを有することが極めて重要であるが、充分な引張強さを有し、且つ適度な破断ひずみを有する天然繊維は開示されていない。従来の複合材料の強化材として使用されている天然繊維は、破断ひずみが1〜3%であり、又、植物セルロース繊維から成る天然繊維ではないが、ガラス繊維強化プラスチックなどとして広く実用されているガラス繊維やカーボン繊維は、破断ひずみが2〜3%である。プラスチック系の繊維は、破断ひずみを大きくすることができるが、その場合には引張強さが低下するため、充分な引張強さを有し且つ適度な破断ひずみを有する満足し得るものは開発されていない。また、プラスチック系の繊維は、多くの場合、生分解性を有さないという問題もある。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−335710号公報
【特許文献2】
特開平05−247852号公報
【非特許文献1】
合田公一 他3名:麻繊維を利用した生分解性複合材料の創製、日本材料学会第31回FRPシンポジウム講演論文集、pp.311−312, 2002
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、植物セルロース繊維から成る天然繊維及びそれを用いた複合材料に係わる前述の状況に鑑み、天然繊維の機械的性質、特には引張強さと破断ひずみを含む機械的性質、を好適に改質し得る天然繊維の改質方法とその方法を実施するための装置、及びその改質した天然繊維とそれを用いた複合材料を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、天然繊維の機械的性質、特には引張強さと破断ひずみを含む機械的性質、を好適に改質し得る改質方法を見出したものである。即ち、請求項1の発明は、植物セルロース繊維から成る天然繊維の機械的性質を改質する天然繊維の改質方法であって、天然繊維に10MPa〜200MPaの軸方向張力を負荷する工程と、該張力を負荷した状態で該天然繊維にアルカリ溶液を用いてアルカリ処理を施す工程と、該アルカリ処理を施した天然繊維を洗浄し残余のアルカリを除去する工程とを有することを特徴とする天然繊維の改質方法である。
【0013】
請求項2の発明は、前記改質する機械的性質に係り、その改質する機械的性質は、破断ひずみを含む機械的性質であり、該改質は、該破断ひずみを前記改質前の天然繊維と比較し2倍以上に改善する改質を含むことを特徴とする天然繊維の改質方法である。
【0014】
請求項3の発明は、改質の対象とする天然繊維に係り、前記天然繊維が、ケナフ、サイザル麻、ラミー麻、マニラ麻、ジュート麻、ニュージーランド麻、ココナッツ、油ヤシ、パイナップル、又は竹の少なくとも何れか一つから得られた植物セルロース繊維を含む天然繊維であることを特徴とする天然繊維の改質方法である。
【0015】
請求項4から請求項8までの発明は、好ましいプロセス条件に係る発明である。即ち、請求項4の発明は、前記アルカリ処理を、前記天然繊維を所定濃度の水酸化アルカリ溶液に浸漬し、所定時間これを保持して行うアルカリ処理とした天然繊維の改質方法であり、請求項5の発明は、前記水酸化アルカリ溶液を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化リチウムの水溶液とし、該水溶液の濃度を5〜30質量%の範囲とした改質方法である。請求項6の発明は、前記アルカリ処理する所定時間を、数時間から数日間とした天然繊維の改質方法であり、請求項7の発明は、前記アルカリ処理を施す工程を室温〜60℃の温度条件下で行うことを特徴とする改質方法である。請求項8の発明は、前記アルカリ処理を施した天然繊維を洗浄する工程で行う洗浄を、有機酸(酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、フェノール、ポリグルタミン酸など)の水溶液を用いて行うことを特徴とする天然繊維の改質方法である。
【0016】
請求項9と請求項10の発明は、本発明の天然繊維の改質装置である。即ち、請求項9の発明は、本発明の天然繊維の改質方法を実施するための装置であって、天然繊維に10MPa〜200MPaの軸方向張力を負荷する手段と、該張力を負荷した状態で該天然繊維にアルカリ溶液を用いてアルカリ処理を施す手段と、該アルカリ処理を施した天然繊維を洗浄し残余のアルカリを除去する手段とを有することを特徴とする天然繊維の改質装置である。請求項10の発明は、その天然繊維の改質装置において、特には、天然繊維の単繊維を対象とし、その単繊維の機械的特質を改質する装置である。
【0017】
請求項11の発明は、本発明の改質した天然繊維である。即ち、請求項11の発明は、本発明の天然繊維の改質方法より改質した天然繊維であって、引張強さが該改質前の天然繊維と比較し4%以上改善され、且つ、破断ひずみが該改質前の天然繊維と比較し2倍以上に改善された天然繊維であることを特徴とする改質した天然繊維である。
【0018】
請求項12から請求項14までの発明は、本発明の天然繊維を用いた複合材料である。即ち、請求項12の発明は、本発明の改質方法により改質した天然繊維を強化材とした複合材料であることを特徴とする天然繊維を用いた複合材料であり、請求項13の発明は、その天然繊維を用いた複合材料が生分解性を有することを特徴とする複合材料である。請求項14の発明は、その複合材料の作製法に係り、ホットプレス成形法により作製した複合材料であることを特徴とする、改質した天然繊維を強化材とした複合材料である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の改質の対象とする天然繊維としては、植物セルロース繊維から成る天然繊維であれば良く、特に本発明を限定するものではないが、ケナフ、サイザル麻、ラミー麻、マニラ麻、ジュート麻、ニュージーランド麻、ココナッツ、油ヤシ、パイナップル、竹などから得られた植物セルロース繊維が挙げられる。また、これらの複数の植物セルロース繊維から成る天然繊維であってもよい。
【0020】
かかる天然繊維を改質の対象として、天然繊維に10MPa〜200MPaの範囲の所定の軸方向張力を負荷し、その所定の張力を負荷した状態で天然繊維にアルカリ溶液を用いてアルカリ処理を施して、そのアルカリ処理を施した天然繊維を洗浄し残余のアルカリを除去することにより、機械的性質を好適に改質することができる。なお、‘所定の軸方向張力を負荷し’とは、アルカリ処理の前に、予め所定時間その張力を保持することを要件とするものではなく、軸方向張力の負荷の開始と、アルカリ処理の開始をほぼ同時に行ってもよい。また、アルカリ処理中、複数の段階に区分し、負荷する軸方向張力をそれぞれ変えて実施することもできる。アルカリ処理を施した天然繊維を洗浄し残余のアルカリを除去した後、通常、これを室温空気、或いは温風などにより乾燥させて、改質した天然繊維の製品とする。
【0021】
本発明により改質できる機械的性質としては、引張強さと共に破断ひずみが挙げられ、対象とする天然繊維の種類や形状・寸法、或いはプロセス条件にもよるが、引張強さは、改質前の天然繊維と比較し概ね4%以上改善でき、破断ひずみは、概ね改質前の天然繊維と比較し2倍以上に改善することができる。本発明によれば、かかる引張強さと破断ひずみの改善を同時に達成でき、このことは、本発明が、天然繊維やそれを用いた複合材料の用途・範囲を飛躍的に拡大させることができ、地球環境問題にも大きく貢献できる可能性を有することを意味する。
【0022】
以下、本発明の好ましいプロセス条件を具体的に説明するが、これは、対象とする天然繊維の種類や形状・寸法、或いは他のプロセス条件によっても変わり、本発明を特に限定するものではない。先ず、負荷する軸方向張力(以下、単に張力と言うことがある)としては、詳細には実施例として後述するが、例えば、ケナフ繊維では、概ね10MPaが好ましく、ラミー麻繊維では、概ね80MPaが好ましい。本発明による機械的性質の改質は、原理的には、繊維内のフィブリル配列が整うことによる引張強さ(以下、単に強度と言うことがある)の増大、セルロースの組織構造が破壊されることによる強度の低下、セルロースの組織構造が部分的に破壊され、セルロース分子鎖同士が滑り易くなることによる破断ひずみの向上、等の要因の兼ね合いによって得られているものと考えられ、負荷する張力が小さいと強度や破断ひずみの改善が得られず、過大な張力を負荷するとセルロース組織構造の破壊が著しくなり強度が低下する。即ち、引張強さと破断ひずみを同時に好適に改善するためには、その最適な軸方向張力を設定する必要がある。
【0023】
アルカリ処理は、天然繊維を所定濃度の水酸化アルカリ溶液に浸漬し、所定時間これを保持することによって行うことができる。また、天然繊維に沿わせて所定濃度の水酸化アルカリ溶液を流下させ、或いは、天然繊維に所定濃度の水酸化アルカリ溶液を噴射等して実施することもできる。その水酸化アルカリ溶液のアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が使用でき、特には、一般的で且つ安価で使い易い水酸化ナトリウムが好ましい。使用する水酸化アルカリ溶液の濃度は、通常、概ね5〜30質量%の範囲が好適であり、濃度が小さいと機械的性質の改善が進み難くなり、処理時間が長くなるなどの問題が生じ、更には目的の効果が得られない。濃度が大き過ぎると、改質のための反応が急激に進行し、ついには天然繊維が劣化し強度不良となり実用価値を有する製品が得られないことになる。
【0024】
アルカリ処理する時間は、使用する水酸化アルカリ溶液の濃度などにも関連するが、通常、数時間から数日間の範囲で実施することができ、特には、経済的な観点から60〜180分程度の処理時間とするのが望ましい。なお、当然ながら、好適なプロセス条件として設定されたアルカリ処理時間を越えて処理を続けた場合には、改質のための反応が過剰に進行し、天然繊維が劣化し急激な強度低下を生じるに至ることになる。処理温度は、水酸化アルカリ溶液の濃度や処理時間などにも関連するが、室温〜60℃の温度条件下で実施することができ、特には、何らの加熱等を要さず室温下で実施することができる。一般的な傾向としては、処理温度を低くすると改質の進行が遅くなり、逆に高くすると改質の進行が早くなる。極端に処理温度を高くした場合には、過度な反応によりセルロースの組織構造が大きく劣化するに至る。
【0025】
所定のアルカリ処理を施した後は、速やかに改質した天然繊維を洗浄し残余のアルカリを除去するのが望ましい。即ち、残余のアルカリを除去しない間は、アルカリ化が進行し、更には過度の反応進行により、目的とする効果が得られなくなる場合もある。この洗浄は、水による洗浄でも良いが、反応の進行をより効果的に抑制するために、酸の水溶液で行うことができ、例えば、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、フェノール、ポリグルタミン酸などの有機酸、或いは、硫酸、塩酸、硝酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、オルトケイ酸、リン酸、炭酸などの無機酸の水溶液を用いて洗浄することができる。特には、一般的で且つ安価で取り扱いも容易な酢酸水溶液が好ましい。なお、酢酸水溶液の濃度としては、1〜5質量%が好適である。
【0026】
次に、本発明の天然繊維の改質装置について説明する。本発明の改質装置は、上述した本発明の天然繊維の改質方法を実施するための装置であって、天然繊維に10MPa〜200MPaの軸方向張力を負荷する手段と、その張力を負荷した状態で天然繊維にアルカリ溶液を用いてアルカリ処理を施す手段と、アルカリ処理を施した天然繊維を洗浄し残余のアルカリを除去する手段とを含み有する構成として実施することができる。本装置は、バッチ式としても、或いは連続式としても実施できる。
【0027】
例えば、連続式の場合、天然繊維の束に複数のプーリ等を介して所定の軸方向張力を負荷した状態でこれを連続的に移動せしめ、途中、プーリ等を介してアルカリ処理槽に導入し、所定の浸漬時間が得られるようにして所定濃度のアルカリ水溶液中を通過させて、アルカリ処理を施し、しかる後、酸洗浄槽での所定濃度の酸水溶液による酸洗浄、水洗槽での水洗、温風乾燥などの処理工程を経て、改質された天然繊維を乾燥した製品として巻き取る、といった実施の形態で実施することができる。
【0028】
本発明の改質装置は又、天然繊維の単繊維、即ち、繊維1本を対象とし、その単繊維の機械的性質を改質する装置として実施することができる。この装置は、本発明の方法を厳密に行うことができ、対象とする天然繊維に対する好適なプロセス条件の検討や、本発明の効果の検証に有効である。即ち、この装置によれば、繊維束を対象とすることによる軸方向張力のばらつき等の外乱を排除し、厳密なプロセス条件での処理が可能となり、そのプロセス条件と、改質した天然繊維の機械的性質との関係を正確に同定することができ、好適なプロセス条件を設定することができる。かかる装置の詳細な実施の形態については、実施例として、後述する。
【0029】
次に、本発明の改質した天然繊維について説明する。本発明の改質した天然繊維は、上述の本発明の方法より改質した天然繊維であって、上述のようにして、引張強さが改質前の天然繊維と比較し4%以上改善され、且つ、破断ひずみが改質前の天然繊維と比較し2倍以上に改善された機械的性質を有する天然繊維として実施できる。かかる機械的性質を改質した本発明の天然繊維は、環境に優しい自然サイクル型物質である天然繊維の用途・範囲を飛躍的に拡大させることができ、地球環境問題にも大きく貢献できるものである。
【0030】
次に、本発明の複合材料について説明する。本発明の複合材料は、上述した本発明の方法により改質した天然繊維、即ち、高い強度と大きな破断ひずみを有する改質した天然繊維を強化材とした複合材料であり、かかる複合材料としては、例えば、ガラス繊維強化プラスチックや炭素繊維強化プラスチックのガラス繊維や炭素繊維の代替としてこの天然繊維を用いた、天然繊維強化プラスチックの形態として実施できる。また、本発明の改質した天然繊維を強化材とし、植物由来の生分解性樹脂や石油由来の生分解性樹脂などを結合材とした複合材料、即ち、生分解性を有する繊維強化複合材料の形態として実施することもできる。
【0031】
かかる本発明の複合材料は、周知の従来技術により作製することができ、何ら本発明を限定するものではないが、特には、上述した非特許文献1に開示された如くホットプレス成形法により作製するのが好ましい。ホットプレス成形法により、例えば、エンジニアリングプラスチックを凌ぐ強度を有し実用性にも優れた、本発明の方法により改質した天然繊維を強化材とした生分解性複合材料を作製することができる。本発明の複合材料は、高強度かつ実用性にも優れ、天然繊維を用いた複合材料の用途・範囲を飛躍的に拡大させることができ、地球環境問題にも大きく貢献できるものである。
【0032】
以上のような実施の形態により、本発明は、植物セルロース繊維から成る天然繊維の機械的性質、特には引張強さと破断ひずみを含む機械的性質、を好適に改質し得る天然繊維の改質方法と、その方法を実施するための装置を提供することができ、その改質した天然繊維とそれを用いた複合材料を提供することができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。この実施例は、天然繊維の単繊維、即ち、繊維1本を対象とし、厳密なプロセス条件での処理を可能とし、そのプロセス条件と、改質した天然繊維の機械的性質との関係を正確に同定するために、本発明者が開発した改質装置(以下、荷重負荷化学処理装置、又は、単に処理装置とも言う)を用いて実施したものであり、先ず、その装置の概要について説明する。
【0034】
図1は、本発明の実施例で用いた荷重負荷化学処理装置(改質装置)の概略構成図であり、上がその上面図、下がその側面図である。この装置は、処理液を保持するガラス板の支持部(図1中、glass plate attached)、および張力を掛けるためのプーリと重錘から構成され、プーリ支持部には、試験片掴み部(図1中、pinch point)の位置調整冶具(図示省略)が取り付けてあり、供試体である単繊維(図1中、mono−filament)が処理液に程よく浸漬できるように配慮されている。
【0035】
試験は、本発明の実施例として、所定の軸方向張力下でのアルカリ処理を行い、それを酢酸水で洗浄し、その後、それを乾燥することで行った(アルカリ処理+酢酸処理)。また、比較のため、所定の軸方向張力下でのアルカリ処理を行い、その後、それを乾燥するケース(アルカリ処理のみ)と、何らの処理を施さないケース(未処理)についても行った。なお、アルカリ処理+酢酸処理のケース、及びアルカリ処理のみのケースでは、軸方向張力を負荷しない条件での試験も行った。
【0036】
次に、試験手順について、アルカリ処理+酢酸処理のケースを例として説明する。図2は、単繊維を試験片に貼り付けた状態の詳細図であり、先ず、図2に示したように、単繊維を試験片(ゲージ長さ25mm)に貼り付けてこれを図1の処理装置のガラス板上に配置し、次に、重錘により所定の軸方向張力を負荷し、その張力を負荷した状態でスポイドを用いて処理溶液(15質量%水酸化ナトリウム水溶液)2〜3滴を滴下し単繊維をアルカリ水溶液に浸漬させた。この状態を2時間保持した後、酢酸水(1〜5質量%酢酸水溶液)で洗浄し、それを室温で乾燥させた。負荷する軸方向荷重は、0g、5g、10gの3条件について行った。なお、アルカリ処理のみのケースでは、上記のアルカリ処理+酢酸処理のケースの酢酸水による洗浄を除いた試験手順で行った。
【0037】
以上のように処理した後、図3に示したように、その単繊維を単繊維試験用台紙に貼り付け、引張試験を行った。試験条件は、JIS R 7601(炭素繊維試験方法)に準じ、引張速度を0.8mm/min、試験片長さを10mmとした。なお、同時に、レーザー変位計((株)アンリツ製、M552AD 型、DIAMEASURING SYSTEM)により、ひずみ測定を行った。
【0038】
本実施例で使用した供試体である単繊維は、ケナフ繊維とラミー麻繊維((株)遠興製、ラミー麻6番手3撚り)である。これらの繊維は、天然質であり、セルロースを主成分とした生分解性材料である。試験は、処理のケースと張力負荷条件の全ての組合せにおいて、それぞれ20本について行った、以下に示す結果は、その20本の平均値である。
【0039】
表1は、比較のベースとなる未処理のケナフ繊維とラミー麻繊維について、繊維直径、破断荷重、引張強さをそれぞれ示したものである。表2と表3は、それぞれ処理したケナフ繊維とラミー麻繊維について、アルカリ処理のみのケースとアルカリ処理+酢酸洗浄処理のケースの2ケース、及び負荷荷重3条件を試験パラメータとした、繊維直径、破断荷重、引張強さを示したものである。
【0040】
【表1】
Figure 2004256947
【0041】
【表2】
Figure 2004256947
【0042】
【表3】
Figure 2004256947
【0043】
先ず、引張強さについて未処理のケースと比較すると、アルカリ処理のみで酢酸洗浄処理を行わないケースでは、ケナフ繊維、ラミー麻繊維ともに、それぞれ約30%〜60%、30%〜80%と大幅に低下したことが分る。これは、アルカリ処理後も濃アルカリが繊維内に残存したことにより、反応が過度に進行して、組織構造が損傷しセルロースの重合度が大きく低下したためと考えられる。
【0044】
一方、アルカリ処理と酢酸洗浄処理を行う本発明の実施例では、強度の増加傾向が見られ、具体的には、表1〜表3に示すように、ケナフ繊維で約4〜5%、ラミー麻繊維では約8〜18%、それぞれ引張強さを向上させることが出来た。即ち、本発明の実施例は、所定のアルカリ処理を施した後は、速やかに改質した天然繊維を洗浄し残余のアルカリを除去するのが望ましいことを立証するものでもある。なお、この強度の増加は、実施の形態でも説明したように、繊維内のフィブリル配列が整うことによる強度の増大と、セルロースの組織構造が破壊されることによる強度の低下、等の要因の兼ね合いによって得られているものと考えられ、この本発明の実施例においては、負荷応力をケナフ繊維で概ね10.3MPa、ラミー麻繊維では概ね80.0MPaにするとき最大の引張強さを示し、それを越すと逆に強度が低下している。
【0045】
なお、繊維直径が、アルカリ処理のみのケースでは大きくなる傾向を示し、酢酸洗浄処理を含む本発明の実施例のケースでは小さくなる傾向を示しているが、これは、アルカリが存在することによる膨潤と、軸方向張力によりルーメン(繊維中央部の空孔)が潰される現象との兼ね合いで生じるものと考えられる。即ち、アルカリが存在する時間が短い場合は、軸方向張力によりルーメンが潰される効果が大きく、繊維直径が小さくなり、その時間が長くなると、さらに膨潤が外側にも進み、繊維直径が大きくなるものと考えられる。
【0046】
次に、測定した破断ひずみについて説明する。図4〜図5が測定した応力〜ひずみ線図であり、図4はケナフ繊維のアルカリ処理のみのケース、図5はケナフ繊維のアルカリ処理+酢酸洗浄処理のケース、図6はラミー麻繊維のアルカリ処理のみのケース、図7はラミー麻繊維のアルカリ処理+酢酸洗浄処理のケースである。それぞれ、未処理繊維の結果と、軸方向負荷荷重3条件での処理繊維の結果を示している。表4は、その測定結果を、ヤング率(単位:GPa)として示したものであり、表5は、破断ひずみとして示したものである。
【0047】
【表4】
Figure 2004256947
【0048】
【表5】
Figure 2004256947
【0049】
表4は、ケナフ繊維、ラミー麻繊維ともに、処理繊維のヤング率が、未処理繊維に比べて低下したことを示している。即ち、アルカリ処理のみのケースでは、未処理繊維のヤング率の約15%〜35%に低下し、アルカリ処理+酢酸洗浄処理のケースでは、未処理繊維のヤング率の約50%〜74%に低下したことを示しており、特に、アルカリが残存するアルカリ処理のみのケースの低下が著しい。これは、アルカリ処理によって、セルロースのアルカリ化が進行すると共に、セルロースの組織構造の部分的な破壊が進行し、セルロース分子鎖同士が滑り易くなる材質軟化が生じたためと考えられ、特に、アルカリ処理後も濃アルカリが繊維内に残存するアルカリ処理のみのケースでは、その反応が過度に進行して、ヤング率の大幅低下をもたらしたものと考えられる。このヤング率の測定結果も又、所定のアルカリ処理を施した後は、速やかに改質した天然繊維を洗浄し残余のアルカリを除去するのが望ましいことを示している。
【0050】
一方、材質軟化は、それが適度であれば、破断ひずみの向上をもたらすことを意味し、本実施例では、図4〜図7及び表5に示すように、未処理繊維と比較し、処理した繊維の破断ひずみが大きく改善されている。特に、本発明の実施例であるアルカリ処理+酢酸洗浄処理のケース(図5、図7)では、ケナフ繊維、ラミー麻繊維ともに、破断ひずみが0.06〜0.08に、即ち、未処理繊維の約3倍に改善されている。なお、かかる破断ひずみの改善は、軸方向張力を負荷しない条件でも概ね同じように生じているが、同時に最大の引張強さを得るためには、上述のように、所定の軸方向張力を負荷する必要があることは言うまでもない。
【0051】
即ち、上述した本発明の実施例は、引張強さが、処理前の天然繊維と比較し4%〜18%改善され、且つ、破断ひずみが、処理前の天然繊維と比較し約3倍に改善された天然繊維を提供できることを実証したものである。また、この実施例は、天然繊維の単繊維、即ち、繊維1本を対象とし、厳密なプロセス条件での処理を可能とし、そのプロセス条件と、改質した天然繊維の機械的性質との関係を正確に同定することができる改質装置の実施例の有効性を実証したものである。
【0052】
以上、本発明の実施例を説明したが、特許請求の範囲で規定された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、その形態や細部に種々の変更がなされても良いことは明らかである。例えば、実施例では、ケナフ繊維とラミー麻繊維について説明したが、サイザル麻やマニラ麻など植物性セルロース繊維から成る天然繊維であれば良く、何ら本発明を限定するものではない。また、実施例で説明した改質装置の構造や寸法、或いはプロセス条件なども、何ら本発明を限定するものではなく、対象とする天然繊維の種類や形状・寸法、或いは、改質の目的(実験用か生産設備用かなど)などによって、適宜、決定すべきものである。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、以上、詳細に説明したように、植物セルロース繊維から成る天然繊維の機械的性質、特には引張強さと破断ひずみを含む機械的性質、を好適に改質し得る天然繊維の改質方法と、その方法を実施するための装置を提供することができ、その改質した天然繊維とそれを用いた複合材料を提供することができる効果がある。かかる本発明が提供する機械的性質を改質した天然繊維は、天然繊維やそれを用いた複合材料の用途・範囲を飛躍的に拡大させることができ、地球環境問題にも大きく貢献できる可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた荷重負荷化学処理装置の概略構成図であり、上がその上面図、下がその側面図である。
【図2】実施例で用いた荷重負荷化学処理装置にセットするために、単繊維を試験片に貼り付けた状態の詳細図である。
【図3】処理した単繊維の引張試験を行うために、単繊維を単繊維試験用台紙に貼り付け状態の詳細図である。
【図4】ケナフ繊維のアルカリ処理のみのケースの応力〜ひずみ線図であり、未処理繊維の結果と、軸方向負荷荷重3条件での処理繊維の結果を示している。
【図5】ケナフ繊維のアルカリ処理+酢酸洗浄処理のケースの応力〜ひずみ線図であり、未処理繊維の結果と、軸方向負荷荷重3条件での処理繊維の結果を示している。
【図6】ラミー麻繊維のアルカリ処理のみのケースの応力〜ひずみ線図であり、未処理繊維の結果と、軸方向負荷荷重3条件での処理繊維の結果を示している。
【図7】ラミー麻繊維のアルカリ処理+酢酸洗浄処理のケースの応力〜ひずみ線図であり、未処理繊維の結果と、軸方向負荷荷重3条件での処理繊維の結果を示している。

Claims (14)

  1. 植物セルロース繊維から成る天然繊維の機械的性質を改質する天然繊維の改質方法であって、天然繊維に10MPa〜200MPaの軸方向張力を負荷する工程と、該張力を負荷した状態で該天然繊維にアルカリ溶液を用いてアルカリ処理を施す工程と、該アルカリ処理を施した天然繊維を洗浄し残余のアルカリを除去する工程とを有することを特徴とする天然繊維の改質方法。
  2. 前記改質する機械的性質は、破断ひずみを含む機械的性質であり、前記改質は、該破断ひずみを前記改質前の天然繊維と比較し2倍以上に改善する改質を含むことを特徴とする請求項1記載の天然繊維の改質方法。
  3. 前記天然繊維は、ケナフ、サイザル麻、ラミー麻、マニラ麻、ジュート麻、ニュージーランド麻、ココナッツ、油ヤシ、パイナップル、又は竹の少なくとも何れか一つから得られた植物セルロース繊維を含む天然繊維であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の天然繊維の改質方法。
  4. 前記アルカリ処理は、前記天然繊維を所定濃度の水酸化アルカリ溶液に浸漬し、所定時間これを保持して行うアルカリ処理であることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の天然繊維の改質方法。
  5. 前記水酸化アルカリ溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化リチウムの水溶液であり、該水溶液の濃度は5〜30質量%であることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の天然繊維の改質方法。
  6. 前記アルカリ処理する所定時間は、数時間から数日間であることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の天然繊維の改質方法。
  7. 前記アルカリ処理を施す工程を室温〜60℃の温度条件下で行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の天然繊維の改質方法。
  8. 前記アルカリ処理を施した天然繊維を洗浄する工程で行う洗浄は、有機酸(酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、フェノール、ポリグルタミン酸など)の水溶液を用いた洗浄であることを特徴とする請求項1乃至請求項7記載の天然繊維の改質方法。
  9. 請求項1乃至請求項8記載の天然繊維の改質方法を実施するための装置であって、天然繊維に10MPa〜200MPaの軸方向張力を負荷する手段と、該張力を負荷した状態で該天然繊維にアルカリ溶液を用いてアルカリ処理を施す手段と、該アルカリ処理を施した天然繊維を洗浄し残余のアルカリを除去する手段とを有することを特徴とする天然繊維の改質装置。
  10. 前記天然繊維の単繊維を対象とし、その単繊維の機械的性質を改質する装置であることを特徴とする請求項9記載の天然繊維の改質装置。
  11. 請求項1乃至請求項8記載の改質方法により改質した天然繊維であって、引張強さが該改質前の天然繊維と比較し4%以上改善され、且つ、破断ひずみが該改質前の天然繊維と比較し2倍以上に改善された天然繊維であることを特徴とする改質した天然繊維。
  12. 請求項1乃至請求項8記載の改質方法により改質した天然繊維を強化材とした複合材料であることを特徴とする天然繊維を用いた複合材料。
  13. 前記複合材料は生分解性を有する複合材料であることを特徴とする請求項12記載の複合材料。
  14. 前記複合材料はホットプレス成形法により作製した複合材料であることを特徴とする請求項12又は請求項13記載の複合材料。
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