JP2006273069A - 車両側面衝撃感知システム及び車両側面衝撃感知プログラム - Google Patents

車両側面衝撃感知システム及び車両側面衝撃感知プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】側面衝撃検出のための特別な専用センサを増設することなく車両の側面方向の衝撃を感知できるようにすることである。
【解決手段】側面衝撃感知は、車速センサ、ハンドルの舵角センサ、車両の上下軸周りの回転検出のためのヨーレートセンサを用いて行われる。最初に車両10の車速検出が行われ(S10)、車両10が停止か否かが判断される(S12)。車両が走行中のときはヨーレートセンサ30で衝撃判断が行われ(S14)、ヨーレートYの時間変化であるΔY/Δtが閾値以上か否かが判断される(S16)。車両が停止と判断されると、舵角センサ28とヨーレートセンサ30とで衝撃判断が行われ(S18)、舵角/Δtと、ΔY/Δtとが、それぞれの閾値以上か否かが判断される(S20)。それぞれの場合において閾値を超えるときは、システムメインリレーが遮断される(S22)。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両側面衝撃感知システム及び車両側面衝撃感知プログラムに係り、特に、車両の正面衝突のほかに、側面衝突を感知できる車両側面衝撃感知システム及びそのシステム上で実行される車両側面衝撃感知プログラムに関する。
車両が予期せぬことで障害物等に衝突すると、車両はもとより運転者等に被害を与えることがあるので、衝突をより速く感知して運転者等を保護することが図られる。例えば特許文献1においては、レーダー装置等で自車両の周囲の障害物を検知し、センサによって車両の速度、加速度、横転、急制動、急旋回、横滑り等の自車両の車両状況検出を行い、これに基づいてシートベルトの調整を行う車両の安全装置が開示される。ここでは、車両状況検出のため、車両の前後、左右、上下方向の加速度、及びこれら各方向軸周りの角速度を検出するセンサが用いられる。
また、特許文献2においては、電気自動車について、衝突検知センサから衝突を表す信号が入力されると、コントローラにより、高電圧の蓄電装置とM/G(モータ/発電機)制御装置とを結ぶ回路が自動的に強制遮断されることが開示される。ここで衝撃検知センサは、例えば加速度センサで構成され、あるいはエアバッグシステムからの衝突信号を取り込むことでもよい、とされる。
特開2001−55105号公報 特開平10−94101号公報
車両における衝撃センサは、衝撃をより速く検出すべきところに設けられる。例えば電気自動車等では、高圧電源部であるインバータの側面等に取り付けられ、衝撃を検出すれば、特許文献2のように、いち早くコントローラに知らせ、高圧電源の受給を遮断し、衝突時における高電圧の漏出を防ぐことが行われる。
しかし、インバータの側面に取り付けられるセンサは、その取り付けられた側面に沿った方向の衝撃を検知できるが、それ以外の方向、特にその方向に垂直方向の衝撃を検知できない。通常、衝撃検知センサは車両の前後軸方向に沿って取り付けられ、したがって車両の正面衝突等の正面からの衝撃をいち早く検出できるが、その方向に垂直な方向、すなわち車両のいわゆる側突等のような側面方向からの衝撃を検知することができない。
特許文献1のように、衝突検知のためにふんだんにセンサを準備することも考えられるが、費用もかかり、検知システムも複雑になる。
本発明の目的は、側面衝撃検出のための特別な専用センサを増設することなく車両の側面方向の衝撃を感知できる車両側面衝撃感知システム及び車両側面衝撃感知プログラムを提供することである。
本発明に係る車両側面衝撃感知システムは、車両に取り付けられ、車両の上下軸周りの回転であるヨーレートを検出するヨーレートセンサと、車両のハンドルの回転角度である舵角を検出する舵角センサと、検出された舵角とヨーレートとに基づき、車両の側面方向から受ける衝撃の程度を判断し、判断に応じて車両の高圧電源遮断器を遮断する制御部と、を備えることを特徴とする。
また、制御部は、車速センサにより車両が走行中か否かを判断する走行判断手段と、車両が走行中の場合に、ヨーレートセンサにより検出される車両の上下軸周りの回転であるヨーレートの時間変化に基づき、車両走行中の側面衝撃の程度を判断する走行中衝撃判断手段と、車両が停止した場合に、舵角センサにより検出される車両のハンドルの回転角度である舵角の時間変化と、ヨーレートの時間変化とに基づき、車両走行中の側面衝撃の程度を判断する停止時衝撃判断手段と、走行中衝撃判断手段又は停止時衝撃判断手段において判断される衝撃の程度に応じて車両の高圧電源遮断器を遮断する遮断手段と、を備えることが好ましい。
また、走行中衝撃判断手段は、ヨーレートの時間変化に対し任意に定める閾値を用いて走行中の側面衝撃の程度を判断し、停止時衝撃判断手段は、舵角の時間変化およびヨーレートの時間変化に対しそれぞれ任意に定める閾値を用いて停止時の側面衝撃の程度を判断することが好ましい。
また、停止時衝撃判断手段は、舵角の時間変化の検出値と、ヨーレートの時間変化の検出値との間に重み付けを行って側面衝撃の程度を判断することが好ましい。
また、本発明に係る車両側面衝撃感知プログラムは、車両の上下軸周りの回転であるヨーレートを検出するヨーレートセンサと、車両のハンドルの回転角度である舵角を検出する舵角センサとを含む車両側面衝撃感知システムの制御装置上で実行される車両側面衝撃感知プログラムであって、車速センサにより車両が走行中か否かを判断する走行判断処理手順と、車両が走行中の場合に、ヨーレートセンサにより検出されるヨーレートの時間変化に基づき、車両走行中の側面衝撃の程度を判断する走行中衝撃判断処理手順と、車両が停止した場合に、舵角センサにより検出される舵角の時間変化と、ヨーレートの時間変化とに基づき、車両走行中の側面衝撃の程度を判断する停止時衝撃判断処理手順と、走行中衝撃判断処理手順又は停止時衝撃判断処理手順において、判断される衝撃の程度に応じて車両の高圧電源遮断器を遮断する遮断処理手順と、を実行することを特徴とする。
上記構成により、ヨーレートセンサと、舵角センサとを備えて、これらにより検出された舵角とヨーレートとに基づき、車両の側面方向から受ける衝撃の程度を判断し、判断に応じて車両の高圧電源遮断器を遮断する。通常、車両は、車両の走行制御等のために、車両の上下軸周りの回転を検出するためのヨーレートセンサと、ハンドルの回転角度を検出する舵角センサとを備えていることが多い。そして、側面方向の衝突を予知すると、一般的に運転者は急ハンドルを切り、それにより車両は上下軸周りに回転する。すなわち衝突のときには、ヨーレート及び舵角が通常と異なる値を示すことが多い。したがって、これらの既設のセンサによる検出値を利用することで、車両の側面方向から受ける衝撃の程度を判断できるので、側面衝撃検出のための特別な専用センサを増設することなく車両の側面方向の衝撃を感知できる。
また、車両の停止時は、ヨーレートの時間変化及びハンドルの舵角の時間変化の双方から側面方向から受ける衝撃の程度を判断し、車両の走行中は、通常の運転でもハンドルの回転は適当に行われているのでこれを除外し、ヨーレートの時間変化のみに基づいて側面方向から受ける衝撃の程度を判断するので、車両の状態に合わせて、側面方向の衝撃の程度の判断を的確に行うことができる。
また、判断は、ヨーレートの時間変化についての閾値、舵角の時間変化についての閾値を定めて行うので、側面方向の衝撃の程度の判断を自動的に客観的に再現よく行うことができる。また、閾値を側面衝突の実験等から求められるものとすることで、実際に車両やインバータ等に与える損傷との関係で、感知精度を合わせることができる。
また、舵角の時間変化の検出値と、ヨーレートの時間変化の検出値との間に重み付けを行って側面衝撃の程度を判断する。一般にハンドルの舵角は、急ハンドルで代表されるように、衝撃検知に関し応答が速い。これに対し、ヨーレートの時間変化は、舵角の時間変化より応答が遅いが、車両全体に与える衝撃の程度をより忠実に表す。したがって、2つの検出値に適当な重み付けを行うことで、実際に車両やインバータ等に与える損傷との関係で、衝撃の程度を判断することができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下において、車両は、電気自動車として説明するが、ここでいう電気自動車は、高圧電源部を備える車両一般を指し、いわゆるハイブリッド車両を含む。また、車両はインバータ回路を含む高圧電源部を含むものとして説明するが、インバータ回路を含まず、単に高圧の電池を搭載する車両であってもよい。また、以下では、車両の制御機能について、車両の電子制御機能と、高圧電源部の遮断制御機能とが分離しているものとして説明するが、両制御機能を1つの制御部に一体化する構成としてもよい。
最初に、車両側面衝撃感知システムが検出しようとする車両側面衝撃について説明する。図1は、車両10が障害物から衝撃を受ける代表的な場合を模式的に示す図である。図1(a)は、いわゆる「正突」と呼ばれるもので、車両10が前面において障害物である壁12に衝突する場合で、一般に言われる正面衝突の典型例に相当する。図1(b)は、正面衝突する障害物がポール14である場合で、いわゆる「ポール衝突」と呼ばれる。ここでは、車両10の前面のほぼ中央がポール14に衝突している。図1(c)は、いわゆる「アンダーライド衝突」と呼ばれるもので、正面衝突する障害物が、例えばトラックの後部のように上方に張出部を有する張出壁16で、車両10の前面部がちょうどトラックの後部に当たる張出壁16の下側にめり込みながら衝突する場合である。
図1(a)から(c)に示される各場合は、いずれも車両10がその前後軸方向に沿って正面から衝撃を受けるもので、従来技術において、例えばインバータの側面で車両10の前後軸に沿った方向に取り付けられる衝撃検知センサによって、その衝撃の程度が検出される。
これに対し、図1(d)は、いわゆる「側突」と呼ばれるもので、車両10の側面がポール18に衝突する場合で、車両10は、その側面から衝撃を受け、一般に言われる側面衝突に相当する。障害物は、ポール18以外の壁等であってもよい。このような車両10の側面からの衝撃は、車両10の前後軸に垂直方向の成分を含み、従来技術の車両前後軸に沿った方向に配置される衝撃検知センサのみでは十分に検出できない。
図2にブロック図で示す車両側面衝撃感知システム20は、車両10の側面方向からの衝撃も感知できる機能を有する。車両側面衝撃感知システム20は、車両に設けられる各種センサと、各種センサからの検出信号に基づいて側面方向の衝撃の程度を判断し、その判断に基づき、図示されていない車両10の高圧電源部を場合により遮断する指令をシステムメインリレー遮断制御部60に出す車両安定化制御電子制御ユニット(Vehicle Stability Control−Electric Control Unit:VSC−ECU)40とを含んで構成される。
各種センサは次のものを含む。すなわち、従来技術でも使用される衝撃検知センサ22と、各車輪にそれぞれ設けられ、各車輪ごとに車速を検出する車速センサ24と、ハンドル26の回転角である舵角を検出する舵角センサ28と、車両10の上下軸周り、すなわち図1における紙面に垂直な軸周りの回転であるヨーレートを検出するヨーレートセンサ30を含む。
車速センサ24は、各車輪に設けられ、特に各車輪ごとにその回転が停止しているか、走行のために回転しているかを検出するために用いられるセンサである。かかる車速センサ24は、車両10に通常設けられて、車両10の走行状態を検出するために用いられる車両速度センサをそのまま利用することができる。例えば、車軸の回転数を検出しているセンサをそのまま用いることができる。各車輪にそれぞれ車速センサ24を設けるのは、車両10が走行中かあるいは停止中かを正確に判断できるようにするためである。例えば衝突等で車両10が停止しているにもかかわらず、空転している車輪がある場合でも、少なくとも1つの車輪について車速がゼロであれば、車両は走行中でなく停止中であると判断できる。逆に、1つまたは2つまたは3つの車輪が回転していてもそれが空転であって、車両は停止していることもあるが、4つの車輪が全部回転していれば車両走行中と判断できる。
舵角センサ28は、図示されていない運転者のハンドル26の操作を検出するためのもので、具体的にはハンドル軸の回転角度を検出する機能を有する。後述するように、衝突等の局面では急ハンドルの程度が判断の対象となるので、ハンドル軸の回転角度の時間変化、すなわち、ハンドル軸の角速度を検出するセンサであれば、さらに好ましい。かかる舵角センサ28は、車両10に通常設けられて、ハンドル26の回転状態を検出するために用いられるハンドル軸舵角センサをそのまま利用することができる。
ヨーレートセンサ30は、車両10の上下軸周りの回転を検出するために用いられるセンサである。車両10の重心付近にヨーレートセンサ30を設けることで、車両10の重心周りの回転を検出でき、車両の走行状態の安定性等を評価することができるので、かかるヨーレートセンサ30も、一般的な車両10に通常備えられるものである。舵角センサ28と同様に、衝突等の局面では車両の上下軸周りの回転角度の時間変化、すなわち、ヨー角速度を検出するセンサであれば、さらに好ましい。具体的には、ジャイロセンサをヨーレートセンサ30として用いることができる。あるいは2軸又は3軸の加速度センサから回転を検出することでもよい。
VSC−ECU40は、車両10が安定して走行するための制御を行う機能を有する電子制御回路ユニットである。VSC−ECU40は、車両10のハンドル26や図示されていないアクセルペダル、ブレーキペダル等の操作部、図示されていない駆動モータやエンジン等の駆動部、車両10の各要素に設けられる各種センサ等と接続され、各種センサの検出データと、操作部からの指令等に基づき、車両10が安定走行するように駆動部等に指示を与える機能を有する。かかるVSC−ECU40は、車両搭載用プロセッサで構成できる。そして、車両側面衝撃感知システム20の観点からは、VSC−ECU40は、CPUに相当する車両電子制御部42と、車速センサI/F44と、舵角センサI/F46と、ヨーレートセンサI/F48とを有し、これらは相互に内部バスで接続される。
車両電子制御部42は、その構成の中に側面衝撃感知部50を含み、側面衝撃感知部50は、車両10が走行中か停止かを判断する走行判断モジュール52、走行中の側面衝撃の程度を判断する走行中衝撃判断モジュール54、停止時の側面衝撃の程度を判断する停止時衝撃判断モジュール56、側面衝撃の程度に応じ図示されていない車両用高圧電源部の受給を遮断する遮断処理モジュール58を含んで構成される。かかる機能はソフトウェアで実現でき、具体的には、対応する車両側面衝撃感知プログラムを実行することで実現できる。これらの機能の一部をハードウェアで構成してもよい。
システムメインリレー遮断制御部60は、VCS−ECU40と接続され、その指令により、図示されていない車両用高圧部の受給を接続あるいは遮断するリレーの動作を制御する機能を有する。ここで車両用高圧部とは、車両10の電動機及び発電機に接続されるインバータ回路である。インバータ回路とその負荷である電動機等との間には、システムメインリレー(SMR)と呼ばれる遮断器が通常設けられるが、システムメインリレー遮断制御部60は、そのSMRの接続及び遮断を制御する。
かかる構成の車両側面衝撃感知システム20の作用、特にVCS−ECU40の側面衝撃感知部50の各機能について、以下に説明する。図3は、側面衝撃感知の手順を示すフローチャートである。車両10の始動キーが入れられると、VCS−ECU40において車両側面衝撃感知プログラムが立ち上がり、図3の各手順を実行する。
最初に車両10の車速検出が行われ(S10)、車両10が停止か否かが判断される(S12)。具体的には、側面衝撃感知部50の走行判断モジュール52の機能により、各車輪に設けられた車速センサ24の出力が車速センサI/F44を介して取得され、そのデータに基づき車両10が現在走行中か、停止かを判断する。上記のように、4つの独立して設けられる車速センサ24の中で1つでも検出速度が0km/secであれば、車両10は停止したと判断し、4つの車速センサ24のすべてについて何らかの速度が検出されると車両10が停止とは判断されず走行中と判断される。車両10の状態は、いずれにせよ、停止か、走行中か、のいずれかに判断される。
S12において車両が走行中と判断されると、S14に進み、ヨーレートセンサ30で衝撃判断が行われ(S14)、ヨーレートYの時間変化であるΔY/Δtが予め任意に定めた閾値以上か否かが判断される(S16)。具体的には、走行中衝撃判断モジュール54の機能により、ヨーレートセンサ30の検出値をヨーレートセンサI/F48を介して所定のサンプリングレートで取得し、これの時間変化を計算し、予め設定され記憶されている閾値と比較する。ここでヨーレートは、車両10の上下軸周りの回転角度で、単位は、度(°)であり、ヨーレートの時間変化ΔY/Δtは、いわゆる角速度に相当し、単位は度/時間(°/sec)である。走行中側面衝撃判断のための閾値は、車両10の模擬実験等で定めることができ、例えば200°/secとすることができる。
車両10の走行中において、ヨーレートの時間変化のみを用いて車両側面衝突の程度を判断するのは、車両10が側面衝突等により側面衝撃を受けると、正面衝突の場合とは異なり、車両10はその上下軸周りに回転を生じるからである。また、舵角センサ28の検出データを用いないのは、車両10の走行中においては、ハンドル26が走行状況に応じ適宜回転操作され、必ずしも衝突のために急ハンドルを切ったと判断されないことがあるからである。
S12において車両が停止と判断されると、S18に進み、舵角センサ28とヨーレートセンサ30とで衝撃判断が行われ(S18)、舵角の時間変化である舵角/Δtと、ヨーレートYの時間変化であるΔY/Δtのそれぞれが、予め任意に定めた閾値以上か否かが判断される(S20)。具体的には、停止時衝撃判断モジュール56の機能により、舵角センサ28の検出値を舵角センサI/F46を介し、ヨーレートセンサ30の検出と同様なサンプリングレートで取得し、これの時間変化を計算して、舵角/Δt、ΔY/Δtをそれぞれ求め、予め設定され記憶されているそれぞれの閾値と比較する。それぞれの閾値は、相互に異なる値で、通常は舵角/Δtに対する閾値の方がΔY/Δtに対する閾値より大きく設定される。ここで舵角はハンドル26の回転角度で、単位は、度(°)であり、舵角の時間変化、舵角/Δtは、いわゆる角速度に相当し、単位は度/時間(°/sec)である。停止時側面衝撃判断のための閾値は、車両10の模擬実験等で定めることができ、例えば舵角/Δtに対して300°/sec、ΔY/Δtに対して200°/secとすることができる。
車両10が停止した時において、舵角の時間変化を判断の条件に入れるのは、車両10が側面衝突等の状況において、運転者は衝突回避のために急ハンドルを切ることが多いからである。そして、舵角の時間変化とヨーレートの時間変化の双方を判断の条件とするのは、これら2つが、ともに側面衝撃に密接に結びつくものの、その性格が異なるためである。すなわち、舵角の時間変化は、急ハンドルで代表されるごとく、側面衝突の直前あるいは同時に生じ、その発生は、側面衝撃の有無に対し、時間的な応答が極めて速い。換言すれば、きわめて速やかに側面衝撃を感知しうる。しかし、急ハンドルによって側面衝突を回避できることもあり、それのみでは側面衝撃を確実に感知したことにならない。一方ヨーレートの時間変化は、側面衝撃による車両10の上下軸周りの回転角速度であるので、車両10の慣性等の影響で、必ずしも側面衝撃に対し高速応答するわけではない。しかし、確実に側面衝撃があることを感知できる。このように、側面衝撃にハンドル操作の程度の判断を取り入れるためには、車速検出のS10から、舵角の時間変化を含む衝撃の程度判断のS20までは、きわめて短時間に手順が行われることが好ましい。
このように、車両走行中においてはΔY/Δtの評価に基づき、車両停止時においては、舵角/Δt、ΔY/Δtの双方の評価に基づき、それぞれ側面方向衝撃の程度が判断される。そして、S16またはS20において、ΔY/Δtが、あるいは舵角/ΔtとΔY/Δtとが、所定の閾値を超えるときは、システムメインリレーが遮断される(S22)。すなわち、遮断処理モジュール58の機能により、システムメインリレー遮断制御部60に指令が出され、システムメインリレーが遮断され、車両の高圧電源部の受給が遮断される。
上記では、側面衝撃の程度の判断は、ΔY/Δtとその閾値が、あるいは舵角/Δtとその閾値及びΔY/Δtその閾値とがそれぞれ比較され、いわゆる閾値判定を行うものとした。この他に、舵角の時間変化の検出値と、ヨーレートの時間変化の検出値との間に重み付けを行って側面衝撃の程度を判断することもできる。
図4は、側面衝撃の判断の様子についての具体的例を示すものである。ここで説明する数字は、あくまで説明のための1例示である。ここでは、(a)から(f)の6つの場合につき、側面衝撃の程度の判断をシステムメインリレー遮断によって代表させて示す。そして、閾値としては、上記の舵角/Δtに対して300°/sec、ΔY/Δtに対して200°/secを用いている。
(a)と(b)は、車両10が走行中の場合である。このときは、上記のようにΔY/Δtのみが閾値判断される。そして、(a)は、ΔY/Δtが閾値200°/secより小さい5°/secであるので、側面衝撃の程度はシステムメインリレーを遮断する程度に至らず、システムメインリレーの接続はそのまま維持される。(b)は、ΔY/Δtが210°/secで、閾値200°/sec以上であり、側面衝撃の程度はシステムメインリレーを遮断する程度に至り、システムメインリレーは遮断される。
(c)と(d)は、車両10が停止した場合である。このときは、上記のように舵角/Δt、ΔY/Δtの双方が閾値判断される。そして、(c)は、舵角/Δt、ΔY/Δtの双方ともそれぞれの閾値より小さく、側面衝撃の程度はシステムメインリレーを遮断する程度に至らず、システムメインリレーの接続はそのまま維持される。(d)は、舵角/Δt、ΔY/Δtの双方ともそれぞれの閾値より大きく、側面衝撃の程度はシステムメインリレーを遮断する程度に至り、システムメインリレーは遮断される。なお、舵角/Δt、ΔY/Δtの一方のみがその閾値より大きい場合は、図3のS20の判断により、システムメインリレーの接続はそのまま維持される。
(e)と(f)は、側面衝撃の程度の判断に重み付け法を用いる場合を示す例である。ここでは車両10が停止した場合において、舵角/Δt、ΔY/Δtの検出値に重み付けを行って、その結果により、システムメインリレーの遮断の程度に至る大きな側面衝撃か否かが判断される。(e)は、舵角/Δtがかなり大きく、ΔY/Δtはそれほどではなく、いずれも閾値法による所定の閾値以下である。(f)においては、舵角/Δtはそれほど大きくないが、ΔY/Δtがかなり大きく、いずれも閾値法による所定の閾値以下である。前者の例は、急ハンドルをして、結果としてかする程度の側面衝撃ですんだ場合が考えられ、後者は、ハンドル操作を緩慢にしているうちに、ある程度の衝撃により車両が回転した場合が考えられる。
重み付けは、システムメインリレーの遮断を安全側で行うか、それとも確実側で行うかによって選択できる。上記のように、ΔY/Δtが確実に側面衝撃を示しているのに対し、舵角/Δtは、側面衝撃の前段階の急ハンドルを示している。したがって、後者の舵角/Δtに重みを置くと、車両10が結果として大きな上下軸周りの回転衝撃を受けない場合でもシステムメインリレーを安全に遮断できる一方、車両10は、高圧電源の受給が絶たれ、走行維持ができなくなる。前者のΔY/Δtに重みを置くと、車両10がかなり大きな回転衝撃を受けないかぎり車両10は走行を維持できるが、結果として、車両10がかなり大きな回転衝撃を受けてから高圧電源の遮断が行われることになる。
例えば、舵角/Δt:ΔY/Δt=2:1として、システムメインリレー遮断に至る重み付け後の閾値を360°/secとすると、(e)の場合は、重み付け後の値が430°/secとなり、システムメインリレーを遮断する。(f)の場合は、320°/secとなって、システムメインリレーを遮断しない。
逆に、舵角/Δt:ΔY/Δt=1:2として、システムメインリレー遮断に至る重み付け後の閾値を同様に360°/secとすると、(e)の場合は、重み付け後の値が260°/secとなり、システムメインリレーは遮断されない。(f)の場合は、430°/secとなって、システムメインリレーが遮断される。
このように、舵角/Δtの検出値とΔY/Δtの検出値において重み付けを行うことで、舵角/ΔtとΔY/Δtについて閾値管理するときに比べ、きめ細かい側面衝撃の程度判断が可能となる。なお、重み付け法は、車両が走行中の場合についても、用いることができる。このときは、舵角/Δtの重み付けをΔY/Δtに比べ小さくすることが好ましい。
車両が障害物から衝撃を受ける代表的な場合を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態における車両側面衝撃感知システムのブロック図である。 本発明に係る実施の形態における側面衝撃感知の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、側面衝撃の判断の様子についての具体的例を示す図である。
符号の説明
10 車両、12 壁、14,18 ポール、16 張出壁、20 車両側面衝撃感知システム、22 衝撃検知センサ、24 車速センサ、26 ハンドル、28 舵角センサ、30 ヨーレートセンサ、40 VSC−ECU、42 車両電子制御部、50 側面衝撃感知部、52 走行判断モジュール、54 走行中衝撃判断モジュール、56 停止時衝撃判断モジュール、58 遮断処理モジュール、60 システムメインリレー遮断制御部。

Claims (5)

  1. 車両に取り付けられ、車両の上下軸周りの回転であるヨーレートを検出するヨーレートセンサと、
    車両のハンドルの回転角度である舵角を検出する舵角センサと、
    検出された舵角とヨーレートとに基づき、車両の側面方向から受ける衝撃の程度を判断し、判断に応じて車両の高圧電源遮断器を遮断する制御部と、
    を備えることを特徴とする車両側面衝撃感知システム。
  2. 請求項1に記載の車両側面衝撃感知システムにおいて、
    制御部は、
    車速センサにより車両が走行中か否かを判断する走行判断手段と、
    車両が走行中の場合に、ヨーレートセンサにより検出される車両の上下軸周りの回転であるヨーレートの時間変化に基づき、車両走行中の側面衝撃の程度を判断する走行中衝撃判断手段と、
    車両が停止した場合に、舵角センサにより検出される車両のハンドルの回転角度である舵角の時間変化と、ヨーレートの時間変化とに基づき、車両走行中の側面衝撃の程度を判断する停止時衝撃判断手段と、
    走行中衝撃判断手段又は停止時衝撃判断手段において判断される衝撃の程度に応じて車両の高圧電源遮断器を遮断する遮断手段と、
    を備えることを特徴とする車両側面衝撃感知システム。
  3. 請求項2に記載の車両側面衝撃感知システムにおいて、
    走行中衝撃判断手段は、ヨーレートの時間変化に対し任意に定める閾値を用いて走行中の側面衝撃の程度を判断し、
    停止時衝撃判断手段は、舵角の時間変化およびヨーレートの時間変化に対しそれぞれ任意に定める閾値を用いて停止時の側面衝撃の程度を判断することを特徴とする車両側面衝撃感知システム。
  4. 請求項3に記載の車両側面衝撃感知システムにおいて、
    停止時衝撃判断手段は、舵角の時間変化の検出値と、ヨーレートの時間変化の検出値との間に重み付けを行って側面衝撃の程度を判断することを特徴とする車両側面衝撃感知システム。
  5. 車両の上下軸周りの回転であるヨーレートを検出するヨーレートセンサと、車両のハンドルの回転角度である舵角を検出する舵角センサとを含む車両側面衝撃感知システムの制御装置上で実行される車両側面衝撃感知プログラムであって、
    車速センサにより車両が走行中か否かを判断する走行判断処理手順と、
    車両が走行中の場合に、ヨーレートセンサにより検出されるヨーレートの時間変化に基づき、車両走行中の側面衝撃の程度を判断する走行中衝撃判断処理手順と、
    車両が停止した場合に、舵角センサにより検出される舵角の時間変化と、ヨーレートの時間変化とに基づき、車両走行中の側面衝撃の程度を判断する停止時衝撃判断処理手順と、
    走行中衝撃判断処理手順又は停止時衝撃判断処理手順において、判断される衝撃の程度に応じて車両の高圧電源遮断器を遮断する遮断処理手順と、
    を実行する車両側面衝撃感知プログラム。
JP2005093805A 2005-03-29 2005-03-29 車両側面衝撃感知システム及び車両側面衝撃感知プログラム Pending JP2006273069A (ja)

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