JP2006272732A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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邦彦 松橋
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Abstract

【課題】従来の装置に追加の設備を設けることなく、しかも低吸水性で印刷適性の優れた印刷用塗工紙を用いて、高品質画像が可能なインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】インクジェット記録方法は、ブリストー法において、接触開始から20msec1/2までの水吸収量が6mL/m以下の記録媒体Pに対する方法であって、1回のパスで印字可能な印字領域P1,P2を複数回のパスに分割して印字し、その複数回のパスで前記印字領域の印字を完了させる間は紙送りをしない。
【選択図】図7

Description

本発明は、インクジェット記録方法に関する。本発明のインクジェット記録方法によれば、低吸水性の印刷用コート紙に高品質画像を形成することができる。
インクジェット記録方法は、プリンタヘッドからインク小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に着弾させて印刷を行う印刷方法である。このインクジェット記録方法に使用するインクは、プリンタヘッドから飛翔させるため、低粘性であることが必要になり、高含水量のインクが使用される。従って、記録媒体としては、高吸水性の専用紙が用いられている。高吸水性のインクジェット専用紙によれば、高品質の画像を実現することができるが、インクを吸収させるための吸収層を厚く設けないと吸収量が少なくなってしまうため、塗工量が多くなり、しかも、吸収層を透明にするために微粉末シリカやアルミナなどを原料として使用するため、コストも高くなっていた。このコスト高が、ユーザーの用途を狭める障壁になっていた。
コピー用紙などの普通紙は、安価であるものの、インクジェット専用紙に比べると吸水性が低いため、インクジェット記録方法の記録媒体としては本質的に不適当である。安価な普通紙に対しても高品質画像を保証するインクジェット記録用インクが種々開発されているが、インクジェット専用紙における画像品質に到達するのは本質的に極めて困難である。
コピー用紙などの普通紙よりも更に安価な用紙として、印刷用コート紙(塗工紙)がある。この塗工紙は、原紙の両面又は片面に印刷適性の改良を目的として、塗料の一種である塗工カラーを塗布した複合シートであり、専ら印刷用紙としての用途に供されている。この塗工紙は、高粘度の印刷インクを使用する記録方法に使用され、吸水性を要求されないので、定着性や発色性が良好になるような最適化が行われており、インクジェット専用紙のような厚い吸収層や透明性の高い高級な微粒子も必要とされない。しかも、年間数百万トンという旺盛な需要に支えられて、量産設備も整い、高品質な塗工紙が極めて安く供給されている。
塗工紙は、吸水性が前記の普通紙よりも更に低いため、インクジェット記録方法の記録媒体としては、前記の普通紙よりも更に不適当であると考えられていた。しかしながら、塗工紙の画像品質は極めて高水準であるため、これをインクジェット記録方法の記録媒体として用いる技術も提案されている。
例えば、基材上に転写層を有する中間転写媒体に、インク液滴を噴射してインクジェット記録画像を形成した後、そのインクジェット記録画像を転写層と共に塗工紙に再転写するインクジェット記録方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この技術は、インクジェット記録画像を塗工紙上に直接形成させるものではなく、中間転写媒体を用いるため、インクジェットプリンタ以外の設備が必要になる。すなわち、装置サイズが大きくなり、装置コストや印刷コストも高くなるため、シンプルで小型であるというインクジェット記録方式の利点が失われてしまう。
また、インクの吐出と同時に、インクを紙上で凝集させる作用を有する画質向上性液などを散布してにじみをおさえたり、乾燥を補助するために印字中の用紙を暖めたりする技術も提案されている(特許文献2)。しかしながら、この技術では、画質向上性液を散布することによる多く弊害が発生する。例えば、画質向上性液ミストによる目詰まり、画質向上性液を散布するために、記録媒体上での液体量が増してしまい、ブリードを抑える効果が薄くなり、更に画質向上性液を扱うための専用キャップシステムが必要となる。
一方、インクジェット記録方法においては、従来からマルチパス印字の手法が知られている。マルチパス印字とは、印字領域を複数回に分けて重ね打ちすることにより印字を完成させる方法である。1パス印字モードと比べて、画像記録スピードは落ちるものの、ノズルの着弾精度に依存することなく、安定して画像品位を保持することができる点で優れている。
例えば、マルチパス印字において、プリンタヘッドの往路と復路とで異なる印字マスクを使用して印字制御を行う技術が提案されており、この技術によって色ムラが減少するとされている(特許文献3)。しかしながら、この技術は、印字ムラを減少させることを目的としており、記録媒体の水吸収性については全く触れていない。また、パス毎に紙送りを行っている。
また、縦配列ノズルを備えたプリンタヘッドによる印字用データを転送する技術において、待ち時間やマルチパス印字を利用することも知られている(特許文献4)。しかしながら、この技術は、本来、消費メモリ効率の改善と異色境界部のにじみを防止する技術であって、記録媒体の水吸収性については全く触れていない。
特開2002−240411号公報 特開2001−199151号公報 特開2004−82624号公報 特開平8−150736号公報
以上のように、シンプルで小型であるというインクジェット記録方式の利点と、安価で優れた印刷適性を有する印刷用塗工紙とを組み合わせることは、従来から当業界で待ち望まれていたものの、具体的にそれを実現する技術は提案されていない。
従って、本発明の課題は、従来から使用されているインクジェット記録装置に追加の設備を設けることなくそのまま使用することができ、しかも記録媒体として低吸水性の印刷用塗工紙を用いる技術を提供することにある。
前記の課題は、本発明により、
ブリストー法において、接触開始から20msec1/2までの水吸収量が6mL/m以下の記録媒体に対するインクジェット記録方法であって、
1回のパスで印字可能な印字領域を複数回のパスに分割して印字し、その複数回のパスで前記印字領域の印字を完了させる間は紙送りをしないことを特徴とする、前記のインクジェット記録方法によって解決することができる。
本発明方法の好ましい態様においては、前記の複数回のパスを、相互に補完性を有する複数個の印字マスクを用いて実施する。
本発明方法の別の好ましい態様においては、前記印字マスクの相互補完性がドットパターンに関する補完性である。
本発明方法の更に別の好ましい態様においては、前記印字マスクの相互補完性が多次色に関する補完性である。
本発明方法の更に別の好ましい態様においては、ドットパターンに関する補完性を有する印字マスクと、多次色に関する補完性を有する印字マスクとを併用する。
本発明方法の更に別の好ましい態様においては、複数回のパスの間に、印字待ち時間を設ける。
また、本発明は、前記インクジェット記録方法によって得られた記録画像にも関する。
本発明のインクジェット記録方法によれば、従来から使用されているインクジェット記録装置に追加の設備を設けることなく、しかも記録媒体として低吸水性で印刷適性の優れた印刷用塗工紙を用いて、高品質の画像を得ることができる。
本発明方法では、低吸水性の記録媒体を用いる。また、本明細書においては、吸水性の測定方法としてブリストー(Bristow)法を使用する。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及した方法であり、日本紙パルプ技術協会(J’TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は、J’TAPPI No.51「紙、板紙の液体吸収性試験方法」に述べられている。なお、測定時には、インクの表面張力に合わせてブリストー試験のヘッドボックススリット幅を調節する。また、紙の裏にインクがぬけてしまう点は計算から外す。
図1は、日本紙パルプ技術協会によるブリストー法によって、4種の用紙の吸水性を測定した結果を示すグラフである。後述する参考例に記載のとおり、線aは、印刷用塗工紙(商品名=OKトップコートN;王子製紙株式会社製;以下略号として「OKTN」を使用する)、線bは、上質PPC用紙(商品名=BM用紙;日本製紙株式会社製)、線cは、別のPPC用紙(商品名=Xerox Premium Multipurpose 4024;Xerox Corporation製;以下略号として「4024」を使用する)、線dは、インクジェット専用紙(商品名=スーパーファイン紙;セイコーエプソン株式会社製;以下略号として「SF紙」を使用する)の結果を示す。
また、本明細書において「接触開始から20msec1/2までの水吸収量が6mL/m以下」とは、図1の横軸の「0」msec1/2から「20」msec1/2(すなわち、0.4sec:20msec1/2=400msec=0.4sec)までの時間内に吸収される水の累積容量が、縦軸の「6」mL/mを超えないことを意味する。すなわち、低吸水性の用紙を使用する。
図1から明らかなとおり、本明細書に規定する低吸水性の要件を満足する用紙は、印刷用塗工紙(OKTN:線a)のみであり、その他のPPC用紙(線b,c)やインクジェット専用紙(SF紙:線d)は、いずれも低吸水性の要件を満足しない。
本発明方法においては、前記の低吸水性の要件を満足する限り、従来から、凸版印刷、平板印刷(例えば、オフセット印刷)、又は凹版印刷(例えば、グラビア印刷)の印刷用紙として使用されている任意の塗工紙を用いることができる。この塗工紙には、普通塗工紙、キャスト塗工紙、及びつや消し塗工紙が含まれる。
次に、1パス印字モードとマルチパス印字モードについて説明する。
図2は、インクジェット記録装置の内、記録ヘッド12を用いて記録媒体P上に記録を行うための装置主要部の構成を示した模式的斜視図である。記録ヘッド12は、ブラックインクジェットカートリッジ11aとカラーインクジェットカートリッジ11bとを備えたキャリッジ16に設けられており、キャリッジ16は、ガイド軸17に沿って図2の矢印Yの方向にスライド可能であり、往復運動を行うことができる。キャリッジ16は、それが印字を行っていない場合、あるいは記録ヘッド12の回復処理などを行う場合には、図2の破線で示したホームポジションHに待機している。また、記録媒体Pは、紙送りローラ13と補助ローラ14とによって図2の矢印Xの方向に供給され、一対の搬送ローラ15によって搬送される。
この記録ヘッド12には、例えば、図3に示すとおり、全体でn個のノズル21が1インチ当たりN個の画素密度(Ndpi)で配列されている。従って、ノズルピッチは1/Nインチとなる。
図2に示すとおり、印字開始前にホームポジションHにあるキャリッジ16は、印字開始命令があると、図2の矢印Yの方向(記録ヘッド走査方向)に移動しながら、記録ヘッド12の1インチ当たりN個の密度で配列するn個のノズルにより、記録媒体P上に幅n/Nインチの印字を行う。紙面端部までの印字が終了するとキャリッジは元のホームポジションHに戻り、再び矢印Yの方向への印字のための移動を行う。あるいは、元のホームポジションHに戻らず、そのまま、矢印Yの方向とは逆方向の印字を行いながらホームポジションHの方向に戻る。
この最初の印字が終了してから2回目の印字が始まる前に、紙送りローラ13が回転することにより幅n/NインチだけのX方向への紙送りを行う。このようにしてキャリッジ16の1主走査毎に記録ヘッド12による幅n/Nインチの印字と紙送りを繰り返し行うことにより、例えば一頁分の印字を完成することができる。このような印字モードを一般に1パス印字モードと称している。
これに対し、マルチパス印字モードとは、印字領域を複数回に分けて重ね打ちすることにより印字を完成させる印字モードである。印字開始前にホームポジションHにあるキャリッジ16は、印字開始命令があると、図2の矢印Yの方向(記録ヘッド走査方向)に移動しながら、記録媒体P上に幅n/Nインチの印字を行う。仮にM回に分けて重ね打ちを行う場合、このときの走査で印字するドットは、規定の画像データを、所定のパターンで1/Mに間引いたものである。そして、紙面端部までの印字が終了するとキャリッジは元のホームポジションHに戻り、再び矢印Yの方向への印字のための移動を行う。または、矢印Yの方向とは逆方向の印字を行いながらホームポジションHの方向に戻る。
この最初の印字が終了してから2回目の印字が始まる前に、通常のマルチパス印字モードでは(後述するとおり、本発明方法では異なるが)、紙送りローラ13が矢印方向へ回転することにより幅n/(M×N)インチだけの図2の矢印Xの方向への紙送りを行う。そして、M回目の走査で、それぞれのマスクパターンに従い印字を行うことにより、画像を完成させる。
図4に2パス印字モード(M=2)に用いられるマスクパターン41〔図4(a)〕及びマスクパターン42〔図4(b)〕を示す。2パスマスクパターン41,42は、それぞれ4×4の印字マスクであり、各々の格子が1画素に対応し、相互にドットパターンに関して補完性を有している。このマスクデータは、黒画素が1、白画素が0の2値のデータとして本体メモリに格納されている。各パスにおいて画像データとAND(論理積)をとることにより、印字する画素(データ1)を決定し、各パスの印字を行う。
この2パスマスクパターン41,42を用いて印字画像を完成する具体的な操作を、図5及び図6に沿って説明する。第1回目のパスでは、図6に示す第1位置61から記録ヘッド6が矢印Y1の方向に移動し、記録媒体Pの第1印字領域P1(図6参照)上に印字が行われる。ここで、図5(a)に示す元画像51(印字されるべき画像)における黒画素のデータと、マスクパターン41における黒画素のデータとの論理積(AND)の部分が、第1印字領域P1上に印字され、それ以外の部分が印字されない部分画像52Aが第1印字領域P1上に生成される。
次に、第2回目のパスでは、図6に示す第2位置62から記録ヘッド6が矢印Y2の方向(第1回目のパスとは逆方向)に移動する。この第2回目のパスを開始する前に、記録媒体Pが矢印Xの方向に搬送されるので、記録媒体Pと記録ヘッド6との相対的な位置関係は、図6に示すようになる。実際には記録媒体Pが矢印Xの方向に移動し、記録ヘッド6は矢印Xの方向には移動していないが、図6では、記録媒体Pを移動させずに、記録ヘッド6を移動させた状態で図示している(相対的位置関係は同じことになる)。また、この第2回目のパスでは、第1印字領域P1上を通過する記録ヘッド6の部分には、マスクパターン42における黒画素のデータとの論理積(AND)の部分が、第1印字領域P1上に印字され、部分画像52Bが形成されるので、第2回目のパスの終了時には、部分画像52Aと部分画像52Bとが合体した元画像51と同一の画像が第1印字領域P1上に形成される。
図6は、従来の通常のマルチパス印字モード(2パス印字モード)の操作を示しているが、本発明方法においては、最初の印字が終了してから2回目の印字が始まる前に紙送りを行なわず、M回のマルチパス印字モードにおいては、それらの重ね打ち間隔毎にも一切の紙送りを行なわない。本発明方法によるマルチパス印字モード(2パス印字モード)の操作を図7に示す。第1回目のパスでは、図7に示す第1位置71から記録ヘッド6が矢印Y1の方向に移動し、記録媒体Pの第1印字領域P1及び第2印字領域P2上に同時に印字が行われる。しかしながら、第1印字領域P1上には、図5(a)に示す元画像51における黒画素のデータと、マスクパターン41における黒画素のデータとの論理積(AND)の部分が印字され、第2印字領域P2上には、図5(b)に示す元画像51における黒画素のデータと、マスクパターン42における黒画素のデータとの論理積(AND)の部分が印字される。
次に、第2回目のパスでは、図7に示す第2位置72から記録ヘッド6が矢印Y2の方向(第1回目のパスとは逆方向)に移動する。この第2回目のパスを開始する前に、記録媒体Pを矢印Xの方向に搬送する操作を行わないので、記録媒体Pと記録ヘッド6との相対的な位置関係は、図7に示すように変化せず、記録ヘッド6は、第1回目のパスと同じ位置で記録媒体Pの上を通過しながら印字を行う。しかしながら、この第2回目のパスでは、第1印字領域P1上を通過する記録ヘッド6の部分にはマスクパターン42が適用され、第2印字領域P2上を通過する記録ヘッド6の部分にはマスクパターン41が適用されるので、第1印字領域P1及び第2印字領域P2上にそれぞれ部分画像52Aと部分画像52Bとが合体した元画像51と同一の画像が形成される。
なお、図7に示す態様とは異なり、第1回目のパスで、記録ヘッドの全体に同一の印字マスク(例えば、マスクパターン41)を用い、第2回目のパスで記録ヘッドの全体に、それと補完性を有する印字マスク(例えば、マスクパターン42)を用いて実施することもできる。前記の複数回のパスによって所望の画像が完成した後に、紙送りを実施する。また、2パスよりも多いマルチパスも同様の方法で実施することができる。
本発明方法においては、マルチパス印字を行うことによって隣接ドット間に印字時間の間隔が生じるので、低吸収性記録媒体上においても、隣接ドット間のにじみを防止することができる。また、記録媒体の紙送りを行わずにマルチパス印字を実施するので、バックラッシュなどの紙送り動作で発生する精度誤差を防止することもできる。
本発明方法では、多次色に関する補完性を有する印字マスクを用いて、低吸収性記録媒体上に高品質の多次色画像を得ることができる。図8は、多次色用印字マスク81,82を用いる実施態様の模式的説明図である。元画像8には、レッドのドット8Aと、グリーンのドット8Bと、ブルーのドット8Cが含まれている。
これらのドットをマルチパス印字(2パス印字)によって印字する場合には、第1色印字マスク81と第2印字マスク82とを用いる。第1色印字マスク81のレッドドット8Aに相当する部分には、マゼンタドット81Maを印字させるデータが付与されており、グリーンドット8Bに相当する部分には、シアンドット81Cbを印字させるデータが付与されており、ブルードット8Cに相当する部分には、マゼンタドット81Mcを印字させるデータが付与されている。また、第2色印字マスク82のレッドドット8Aに相当する部分には、イエロードット82Yaを印字させるデータが付与されており、グリーンドット8Bに相当する部分には、イエロードット82Ybを印字させるデータが付与されており、ブルードット8Cに相当する部分には、シアンドット82Ccを印字させるデータが付与されている。
これらの第1色印字マスク81及び第2色印字マスク82を用いて2パス印字を行うと、レッドドット8Aに相当する部分では、マゼンタドット81Maとイエロードット82Yaとが合体してレッドのドットが形成される。同様に、グリーンドット8Bに相当する部分では、シアンドット81Cbとイエロードット82Ybとが合体してグリーンのドットが形成され、そして、ブルードット8Cに相当する部分では、マゼンタドット81Mcとシアンドット82Ccとが合体してブルーのドットが形成される。これらの2次色は、最初に印字されたドットが充分に乾燥した後に第2のドットが打ち込まれるので、色にじみが起きず、高品質の2次色画像を得ることができる。
本発明方法では、2次色より多い多次色についても同様の印字マスクを用いて高品質の多次色画像を得ることができる。また、ドットパターンに関する補完性を有する印字マスクと、多次色に関する補完性を有する印字マスクとを併用することもできる。
本発明方法では、マルチパス印字における各パス間に待機時間を設けて、低吸収性記録媒体上のインクの乾燥を待ち、にじみの発生を更に効果的に防止することもできる。具体的な待機時間は、使用するインク組成物の種類や記録媒体の吸水性などと印字品質とを考慮して、適宜決定することができる。一般的には、1〜3秒程度である。
本発明方法で用いるインク組成物としては、通常のインクジェット記録方法に従来から使用されているインク組成物をそのまま使用することができ、例えば、水性顔料インク組成物を用いることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
<実施例1及び比較例1>
(1)印字操作
図4に示すような50%デューティーのドットパターンに関する補完性を有する1対の印字マスクを用い、インクジェットプリンタ(PX−G5000;セイコーエプソン製)により、2パス印字モードによって印字を行い、2パス間で紙送りを実施しない場合(実施例1)と、実施する場合(比較例1)とで色間にじみを観察した。なお、実施例1及び比較例1とも、第1パスと第2パスとの間の待ち時間を0秒とした。
インク組成物としては水系顔料分散液(前記インクジェットプリンタPX−G5000用の純正インキ;セイコーエプソン製)を用い、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクによって印刷を行った。記録媒体としては、後述する参考例に記載の印刷用塗工紙(商品名=OKトップコートN;王子製紙株式会社製;略号=OKTN)を用いた。この印刷用塗工紙のブリストー法による接触開始から20msec1/2までの水吸収量は、6mL/mであった。
(2)評価
にじみ判定パターンを4%刻みの種々のデューティーで印刷し、にじみが許容可能なデューティーの最大値(すなわち、にじみが発生する限界の印字デューティー値)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2006272732
<実施例2及び比較例2>
(1)印字操作
図8に示すような2次色に関する補完性を有する1対の印字マスクを用い、インクジェットプリンタ(PX−G5000;セイコーエプソン製)により、2パス印字モードによって印字を行い、2パス間で紙送りを実施しない場合(実施例2)と、実施する場合(比較例2)とで色間にじみを観察した。なお、実施例1及び比較例1とも、第1パスと第2パスとの間の待ち時間を0秒とした。
インク組成物としては水系顔料分散液(前記インクジェットプリンタPX−G5000用の純正インキ;セイコーエプソン製)を用いた。記録媒体としては、後述する参考例に記載の印刷用塗工紙(商品名=OKトップコートN;王子製紙株式会社製;略号=OKTN)を用いた。この印刷用塗工紙のブリストー法による接触開始から20msec1/2までの水吸収量は、6mL/mであった。
(2)評価
カラーブリード判定パターンを4%刻みの種々のデューティーで印刷し、カラーブリードが許容可能なデューティーの最大値(すなわち、色間にじみが発生する限界の印字デューティー値)を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2006272732
<参考例>
日本紙パルプ技術協会によるブリストー法によって、4種の用紙の吸水性を測定した。用紙としては、印刷用塗工紙(商品名=OKトップコートN;王子製紙株式会社製;略号=OKTN)、上質PPC用紙1(商品名=BM用紙;日本製紙株式会社製)、PPC用紙2(商品名=:Xerox Premium Multipurpose 4024;Xerox Corporation製;略号=4024)、及びインクジェット専用紙(商品名=スーパーファイン紙;セイコーエプソン株式会社製;略号=SF紙)を用いた。用紙の吸収性能は、ブリストー法による自動走査吸液計を用いて測定した。
測定結果を図1に示す。図1において、線aは、印刷用塗工紙(OKTN)、線bは、上質PPC用紙1(BM用紙)、線cは、PPC用紙2(4024)、そして線dは、インクジェット専用紙(SF紙)の結果を示す。
本発明のインクジェット記録方法は、従来から使用されているインクジェット記録装置に追加の設備を設けることなくそのまま使用することができ、しかも記録媒体として低吸水性で印刷適性の優れた印刷用塗工紙を用いて、高品質の画像を得ることができる。
ブリストー法によって、4種の用紙の吸水性を測定した結果を示すグラフである。 インクジェット記録装置主要部の構成を示した模式的斜視図である。 n個のノズルを備えた記録ヘッドの模式的平面図である。 2パス印字モードに用いられるドットパターンマスクパターンの模式的説明図である。 2パス印字モードによる画像形成方法におけるドットパターンマスクパターンの機能を示す模式的説明図である。 従来法における2パス印字モードによる画像形成方法での記録ヘッドと記録媒体との関係を示す模式的説明図である。 本発明方法における2パス印字モードによる画像形成方法での記録ヘッドと記録媒体との関係を示す模式的説明図である。 2パス印字モードによる画像形成方法における多次色マスクパターンの機能を示す模式的説明図である。
符号の説明
6・・・記録ヘッド;8A・・・元画像のレッドドット;
8B・・・元画像のグリーンドット;8C・・・元画像のブルードット;
11a・・・ブラックインクジェットカートリッジ;
11b・・・カラーインクジェットカートリッジ;
12・・・記録ヘッド;13・・・紙送りローラ;
14・・・補助ローラ;15・・・搬送ローラ;
16・・・キャリッジ;17・・・ガイド軸;21・・・ノズル;
41,42・・・2パスマスクパターン;51・・・元画像;
52A,52B・・・部分画像;
61・・・記録ヘッドの第1位置;62・・・記録ヘッドの第2位置;
63・・・記録ヘッドの第3位置;71・・・記録ヘッドの第1位置;
72・・・記録ヘッドの第2位置;81,82・・・多次色用印字マスク;
81Ma・・・第1色印字マスク印字データのマゼンタドット;
81Cb・・・第1色印字マスク印字データのシアンドット;
81Mc・・・第1色印字マスク印字データのマゼンタドット;
82Ya・・・第2色印字マスク印字データのイエロードット;
82Yb・・・第2色印字マスク印字データのイエロードット;
82Cc・・・第2色印字マスク印字データのシアンドット;
P・・・記録媒体;P1・・・第1印字領域;P2・・・第2印字領域。

Claims (7)

  1. ブリストー法において、接触開始から20msec1/2までの水吸収量が6mL/m以下の記録媒体に対するインクジェット記録方法であって、
    1回のパスで印字可能な印字領域を複数回のパスに分割して印字し、その複数回のパスで前記印字領域の印字を完了させる間は紙送りをしないことを特徴とする、前記のインクジェット記録方法。
  2. 前記の複数回のパスを、相互に補完性を有する複数個の印字マスクを用いて実施する、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記印字マスクの相互補完性がドットパターンに関する補完性である、請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記印字マスクの相互補完性が多次色に関する補完性である、請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  5. ドットパターンに関する補完性を有する印字マスクと、多次色に関する補完性を有する印字マスクとを併用する、請求項2〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 複数回のパスの間に、印字待ち時間を設ける、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法によって得られた記録画像。
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