JP2006272621A - 廃棄プラスチック洗浄脱水装置 - Google Patents

Abstract

【課題】廃プラの洗浄と脱水を一つの流れの中で行い、洗い落とされ、弾き飛ばされた異物を排出するようにして高品位の廃プラ再生品を得ることができる装置を提供する。
【解決手段】ケーシング１２の上流側に廃プラ投入口１５が開口し、下流側に廃プラ排出口１６が開口し、筒状ネット１３の下側に異物排出スクリュー１８が設けられ、その下流側に異物排出口１７が開口している。主軸１９の中間には仕切り盤２０が取り付けられ、主軸全体に螺旋翼１１ａが設けられ、上記投入口１５側の任意位置に洗浄液を噴出するノズル２１が設けられている。上記螺旋翼１１ａに代えて、螺旋軌道上にブレード１１を間欠的に稙設してもよい。また、上記ブレード１１の隙間を縫うようにして固定ブレードを稙設してもよい。このように回転・固定ブレードは、仕切り盤の上流側に設けることにより廃プラが洗浄液と接触する機会が多くなって洗浄効果を上げることができて高品位の廃プラ再生品を得ることができる。
【選択図】図２

Description

この発明は、廃棄プラスチック（以下、単に「廃プラ」という）の表面に付着した異物を除去し、高い品質で廃プラのリサイクルをするための廃プラ洗浄脱水装置に関する。

廃プラの表面には種々の異物が付着している。例えば、農業において、トンネル栽培に用いられたプラスチックシートには土砂や各種肥料の残渣が、食品産業で用いられたプラスチックには、食品や各種調味料の残渣が付着している。こうした状態のまま、廃プラをリサイクルしたのでは、高い品質の再生プラスチックを得ることはできず、その解決のために例えば特許文献１のような提案がされている。

特許第３３７１３９７号特許公報（特許請求の範囲１）

上記特許文献１に係る提案は、「粘可塑性を有する材料を機械的応力のもとで繊維化される材料としてのセルロース繊維を含有する物質から乾式で分離する方法であって、分離されるべき材料が高度の加速及び衝撃の力に供されて、繊維質材料の物質流と粘可塑性を有する材料の物質流とが別々に取り出される方法において、前記粘可塑性を有する材料と機械的応力のもとで繊維化する前記材料とが、本質的に複合材料として存在すること、繊維質の材料だけが前記力（この力はケーシング（１）内にある回転の軸に関して半径方向、軸方向及び接線方向に作用している。）の作用のもとで繊維化され、前記粘可塑性を有する材料から分離されること、さらに、前記粘可塑性を有する材料が前記物質流において、本質的に細断されない状態で取り出される」ようになったものである。

上記先行技術を簡単に説明すると第５図に示すように、ブレード（撹拌翼）５１をケーシング５２内に設けられた筒状ネット５３内で高速回転させ、この中に被処理廃プラ等を投入して破砕し、洗浄液（例えば水）を供給せず、廃プラ等に付着した異物を遠心力で筒状ネット５３の外に弾き飛ばすようにしたもので、弾き飛ばされた異物は、排出手段５４（ブレード５１と廃プラ排出口５６）により装置５０の外に送り出すものである。

上記先行技術の提案では、乾式で異物除去処理が進むものであり、遠心力で多角形筒状の外側に異物を弾き飛ばすものであるから、廃プラ等に一体に付着しているものや比重の小さいものは分別・除去が困難である。

こうした問題の対策として、廃プラ等を上記装置に投入する前、または後に脱水工程を付加して、廃プラの表面に一体に付着しているものや比重の小さいものを洗い落としてしまうことが考えられるが、この対策では行程が増えることと、洗浄後の脱水工程が必要であるなどの問題がある。

上記従来技術の問題に鑑みこの発明は、廃プラの洗浄工程と脱水行程を一つの流れの中で行い、洗い落とされ、弾き飛ばされた異物を排出するようにした廃プラの洗浄脱水装置を提供することを課題とする。

上記課題を解決するためにこの発明は、ケーシングの鏡板間に回転軸を亘設し、この回転軸に撹拌翼を設け、この回転軸の中間に仕切り盤を取り付け、上記ケーシング内で、かつ、撹拌翼を囲むようにネットを配設し、上記ケーシングの上流側に廃プラの投入口を開口し、下流側に処理済み廃プラの排出口を開口し、上記ケーシングの上流側から投入された廃プラに向けて洗浄液を噴射するノズルを設け、上記ケーシングの底面と上記ネットとの間に、洗い落とされた異物を排出する手段を設けてなるものであり、上記撹拌翼は、連続した螺旋状、または螺旋軌道上に間欠的に配設したものであり、必要ならば、上記ネットの内面に、撹拌翼の回転によって投入された廃プラに対し排出口に向けて推力が働く螺旋状リブを設ける。また、上記仕切り盤の、下流側撹拌翼の外径を、上流側撹拌翼の外径より大きくし、これらの撹拌翼に合わせてネットとケーシングの内法寸法とすることができる。

上記の如く構成するこの発明によれば、投入された廃プラは装置の前段で、撹拌されながら洗浄液が吹き付けられて洗浄されながら異物がネットの外側に弾き飛ばされ、仕切り盤では、洗浄液が後段に移動するのが阻止され、仕切り盤の後段では遠心力で水分と洗い落とされた異物がネットの外側に弾き飛ばされて異物の除去と脱水が行われる。

次にこの発明の実施例について図面を参照しながら説明する。なお、本発明に係る各実施例の外観は、基本的に図１に示すようになっており、フレームＦに支えられたケーシング１２の両鏡板１２ａには軸受け台Ｂ１が設けられ、この軸受け台Ｂ１に軸受けＢが設置され、ケーシング１２内に主軸が亘設されている。

ケーシング１２の右上には、廃プラ投入口１５が開口し、左下には洗浄・脱水された処理済みの廃プラ排出口１６と、洗浄・除去された異物排出口１７とが開口し、フレームＦにはメインモーターＭが取り付けられ、プーリーＰにベルトＶが掛け渡されて主軸に動力を伝達している。

図２は第１実施例の内部構造説明図で、ケーシング１２の上流側上部に廃プラ投入口１５が開口し、下流側下部に洗浄・脱水済みの廃プラ排出口１６が開口し、筒状ネット１３の下側とケーシング１２の底面との間に異物排出スクリュー１８が設けられ、その下流側に異物排出口１７が開口している。なお、上記筒状ネット１３を多角形の筒状とすることができる。

鏡板１２ａには主軸１９が亘設され、この主軸１９の中間には仕切り盤２０が取り付けられ、かつ、主軸全体に螺旋翼１１ａが一体的に設けられ、上記廃プラ投入口１５側の任意の位置に洗浄液（例えば水）を噴出するノズル２１が設けられている。

なお、上記主軸１９に設けた螺旋翼１１ａに代えて、主軸上の螺旋状軌道に沿ってブレード（撹拌翼）１１を間欠的に配設することもでき、さらに上記間欠的に配設したブレード１１の隙間を縫うようにして固定ブレード（図示せず）を配設することもできる。ただし、回転するブレード１１と固定ブレードとが互いに干渉しないようにする必要があり、このような回転・固定ブレードは、仕切り盤の上流側に設けることにより廃プラが洗浄液と接触する機会が多くなって洗浄効果を上げることができる。

このように構成する第１実施例では、上流側が洗浄領域Ｙになり、下流側が脱水領域Ｚなって、ケーシング１２に投入された廃プラは、上流側で洗浄されながら表面に付着した異物が洗い落とされ、仕切り盤２０の下流側では遠心分離機の作用で洗浄済み廃プラ中の水分が脱水されて廃プラ排出口１６から排出され、また、遠心力で筒状ネット１３の外側に弾き飛ばされた異物は排出スクリュー１８によって異物排出口１７から排出される。

図３は第２実施例の内部構造説明図で、第１実施例と相違するところのみ説明する。洗浄領域Ｙの螺旋翼１１ａの外径に対して、脱水領域Ｚの螺旋翼１１ａ’の外径が大きくなっており、それに伴って筒状ネット１３の外径も変えており、ケーシング１２の側面・底面も同じく内法寸法を変えている。なお、第１実施例と同様に、筒状ネット１３に代えて多角形筒状ネットにし、螺旋翼に代えて螺旋軌道上にブレード１１を間欠的に配設することや、間欠的に配設したブレード１１の隙間に互いに干渉しないように固定のブレード（図示せず）を配設することもできる。

このように構成することにより、洗浄領域Ｙでは洗浄液が遠心力で外側に移動するのを少なくして投入された廃プラ内に洗浄液が長く滞留するようにして洗浄効果を高め、脱水領域Ｚでは遠心力が大きくなって脱水効果が大きく発揮されるようになる。

図４は第３実施例の内部構造説明図で、基本構造は実施例１と同様であるから相違する部分のみ説明する。

鏡板１２ａには主軸１９が亘設され、この主軸１９の中間には仕切り盤２０が取り付けられ、かつ、主軸全体にブレード（撹拌翼）１１が間欠的に稙設され、廃プラ投入口１５側の任意の位置に洗浄液（例えば水）を噴出するノズル２１が設けられている。

なお、上記ブレード１１は、主軸１９上に螺旋軌道を画きながら間欠的に稙設することもでき、さらに上記間欠的に稙設したブレード１１の隙間を縫うようにして固定ブレード（図示せず）を配設することもできる。

また、異物排出スクリュー１８を収容するケーシング１２の底部形状を、上部を軸方向に開放したシリンダー１８ｃとして、異物排出スクリュー１８の推力が十分働くようにしている。さらに、筒状ネット１３の内面には、投入された廃プラが下流側に推進されるのを助けるために、螺旋状のリブ２２を設けることができる。

このように構成する第３実施例では、上流側の洗浄領域Ｙで廃プラは撹拌されて洗浄されながら前進し、仕切り盤２０を過ぎて下流側の脱水領域Ｚではブレード１１’によって振り回され、遠心分離機の作用で洗浄済み廃プラ中の水分が脱水されて廃プラ排出口１６から排出され、また、遠心力で筒状ネット１３の外側に弾き飛ばされた異物は、上部を軸方向に開放したシリンダー１８ｃ内に落ち込み、異物排出スクリュー１８によって効率よく異物排出口１７から排出される。

以上説明した通りこの発明によれば、ケーシングに投入された廃プラは、前段で洗浄液が注入され、撹拌されて廃プラの表面に付着した土砂や、こびり付いて食品の残渣や調味料の残渣が洗い落とされて筒状ネットの外に弾き飛ばされ、スクリューにより排出される。

また、ケーシングの後段ではブレードにより洗浄済み廃プラが振り回されて円心分離機の作用で脱水されて高品位の廃プラ再生製品を得ることができ産業状の利用価値は高い。

本発明に係る廃プラ洗浄脱水機の（ａ）外観正面図、（ｂ）同側面図 第１実施例の（ａ）軸方向内部構造図、（ｂ）対軸直交方向内部構造図 第２実施例の（ａ）軸方向内部構造図、（ｂ）対軸直交方向内部構造図 第３実施例の（ａ）軸方向内部構造図、（ｂ）対軸直交方向内部構造図 従来例の（ａ）軸方向内部構造図、（ｂ）対軸直交方向内部構造図

符号の説明

１０、５０ 廃プラ洗浄脱水装置
１１、５１ ブレード（撹拌翼）
１１ａ 螺旋翼
１２、５２ ケーシング
１２ａ 鏡板
１３、５３ 筒状ネット
１４、５４ 廃プラ排出手段
１５ 廃プラ投入口
１６，５６ 廃プラ排出口
１７ 異物排出口
１８ 異物排出スクリュー
１８ｃ シリンダー
１９ 主軸
２０ 仕切り盤
２１ ノズル
２２ リブ
Ｂ 軸受け
Ｂ１ 軸受け台
Ｆ フレーム
Ｍ メインモーター
Ｐ プーリー
Ｖ ベルト
Ｙ 洗浄領域
Ｚ 脱水領域

Claims (5)

1. ケーシングの鏡板間に回転軸を亘設し、この回転軸に撹拌翼を設け、この回転軸の中間に仕切り盤を取り付け、上記ケーシング内で、かつ、撹拌翼を囲むようにネットを配設し、上記ケーシングの上流側に廃棄プラスチックの投入口を開口し、下流側に処理済み廃棄プラスチックの排出口を開口し、上記ケーシングの上流側から投入された廃棄プラスチックに向けて洗浄液を噴射するノズルを設け、上記ケーシングの底面と上記ネットとの間に、洗い落とされた異物を排出する手段を設けてなる廃棄プラスチック洗浄脱水装置。
2. 上記撹拌翼は、連続した螺旋状、または螺旋軌道上に間欠的に配設したものである請求項１に記載の廃棄プラスチック洗浄脱水装置。
3. 上記ネットの内面に、撹拌翼の回転によって投入された廃棄プラスチックに対し排出口に向けて推力が働く、螺旋状リブを設けてなる請求項１に記載の廃棄プラスチック洗浄脱水装置。
4. 上記洗い落とされた異物を排出する手段としてスクリューを採用した請求項１乃至３のいずれかに記載の廃棄プラスチック洗浄脱水装置。
5. 上記仕切り盤の、下流側撹拌翼の外径を、上流側撹拌翼の外径より大きくし、これらの撹拌翼に合わせてネットとケーシングの内法寸法とした請求項1乃至３のいずれかに記載の廃棄プラスチック洗浄脱水装置。

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