JP2006272311A - 凝集装置及び凝集方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝集処理における凝集剤添加量を的確に制御することにより、原水中の凝集阻害物質による凝集阻害を防止し、また、凝集剤の過不足を防止して少ない凝集剤使用量で安定かつ効率的な凝集処理を行う。
【解決手段】原水を凝集攪拌槽2に導入し、凝集剤を添加することにより凝集処理する凝集装置及び凝集方法。原水中の凝集阻害物質量を検出する吸光度測定器11と、吸光度測定器11の検出値に基いて凝集剤の添加量を制御する制御手段5とを有する。センサ11により紫外部の吸光度と可視部の吸光度とを測定し、両者の差に基づいて凝集剤添加量を制御する。凝集槽2内のpHを、pHセンサ13の検出値に基いて5.0〜7.0に制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、天然水を原料とする用水処理や、工場排水又は下水等を処理する廃水処理において、原水に凝集剤を添加することにより、原水中の懸濁物質、コロイダル成分や有機物質を凝結かつ粗大化させる凝集装置及び凝集方法に係り、特に、この凝集処理における凝集剤添加量を制御することにより、凝集阻害、凝集剤の過不足を防止して安定かつ効率的な凝集処理を行う凝集装置及び凝集方法に関する。
天然水を原料とする用水処理や、工場排水又は下水等を処理する廃水処理においては、原水に凝集剤を添加して、原水中の懸濁物質、コロイダル成分や有機物質を凝結かつ粗大化させた後、沈殿、浮上、濾過、膜濾過等により固液分離することが行われている。
凝集処理は、後段に位置する沈殿、浮上、濾過、膜濾過等の固液分離効率を高めるためのものであり、凝集剤としては、一般にアルミニウム塩や鉄塩等の無機凝集剤が用いられる。また、無機凝集剤で凝結した粒子を更に粗大化させるための凝集補助剤として高分子凝集剤が併用される場合も多い。
凝集処理における凝集効率の向上のためには、添加した凝集剤や凝集補助剤を原水中に円滑に拡散移動させて、凝集対象物と接触、衝突させる頻度を増加させることが重要であり、このため、一般的には撹拌手段を備える凝集槽(以下「撹拌槽」と称す場合がある。)が用いられ、凝集剤を添加した原水を撹拌下に凝集処理することが行われている。撹拌槽には、一般に原水中の凝集対象物と凝集剤とを接触、衝突させるための撹拌を行う急速撹拌槽と、凝集ないし凝結した粒子を粗大化させるための撹拌を行う緩速撹拌槽とに区分される。撹拌手段としては、撹拌翼を用いるものや水路を迂回させて原水を撹拌する構造のものが一般的である。また、ポンプやスタティックミキサーを用いて配管移送中に撹拌する方法も用いられており、これを撹拌槽と併用する例もある。
無機凝集剤による凝集ないし凝結作用は、原水中に存在するフミン質や、藻類が生産する細胞内外の代謝産物等の天然有機物や界面活性剤等の合成化学物質等により阻害を受け、凝集ないし凝結速度が遅くなったり、凝集不良に到ったりする。
従来、この凝集阻害を防止する方法としてpHの最適化が行われており、pH計と酸やアルカリ剤のpH調整剤の添加ポンプとを連動させて自動的にpH調整することが行われている。しかしながら、pH調整のみでは、安定な凝集処理を行うことはできない。
従来においては、天然水や排水中に含まれるフミン質等の天然有機物や界面活性剤等の合成化学物質が凝集阻害を引き起こす機構は十分には解明されていない上に、これらの阻害物質の同定もなされていない。このため、用水や廃水処理では、最適な凝集条件を設定するために、別途ジャーテスターを用いて凝集剤の添加濃度やpHを決定する操作が必須となるが、このような操作は一般に煩雑な操作と長い時間を要し、このために、原水の水質変動に対応し得ず、決定した凝集剤添加量やpH調整値を即時的に反映することができない結果、凝集不良を招くことが多い。
このようなことから、現状においては、凝集剤添加量を予想される必要添加量の上限値よりも予め高く設定して凝集剤を過剰添加することにより、凝集不良を防止する方法が採用されている。しかしながら、このように凝集剤を過剰に添加することは、薬剤コストを高くすると共に、汚泥発生量を増加させる。
一方、天然有機物や合成化学物質等の凝集阻害物質については、無機凝集剤との接触、衝突頻度を高めることにより、凝集阻害を防止し、凝集、凝結速度を速めることができることが知られているが、実際の撹拌槽にこのような条件設定を行うことは容易ではない。
なお、特公平6−103296号公報には、原水への凝集剤添加率や撹拌時間、撹拌速度の組み合せにおいて、最適条件を設定するためのジャーテストを自動的に行うための試験装置が提案されているが、この装置はジャーテスターであり、試験結果を実際の撹拌槽に反映して凝集処理を行うためのものではない。
また、特許第3205450号公報には、撹拌槽内の凝集フロックの粒径と溶解性有機物の紫外吸光度を測定し、これらの結果に基いて凝集剤添加量を制御し、また、凝集フロックの粒径から撹拌槽の撹拌機の回転数を決定する薬注装置が提案されている。この装置では、撹拌槽内の溶解性有機物濃度、即ち、凝集剤が添加され撹拌されている凝集液の溶解性有機物濃度を検出し、これを凝集フロックの粒径の検出値と共に、凝集剤添加量の制御の指標とし、一方、撹拌強度は、凝集フロックの粒径に基いて設定しているが、十分に満足し得る凝集結果が得られているとは言えず、より一層の改善が望まれている。
特公平6−103296号公報 特許第3205450号公報
I.上記の通り、原水中にフミン質等の天然有機物や、界面活性剤等の合成有機化学物質、あるいはコロイド成分が存在する場合、凝集作用が阻害される。原水中の有機物を、紫外部吸光度の1波長測定により定量することが行われているが、濁度成分が高い場合、溶存有機物やコロイド成分などの阻害物質の濁度を正確に測定することは難しい。そのため、原水中の有機物濃度に基づいて凝集剤添加量を的確に制御することは行われていない。
II.凝集剤としてアルミニウム塩を用いる場合、過剰添加して残留アルミニウムが増加すると、凝集処理後に、MF膜、UF膜、NF膜又はRO膜を用いて膜分離する場合には、未凝集のアルミニウムが膜汚染を引き起こす一因になる。
また、残留アルミニウムの増加によって、濾過処理水中に未凝集のアルミニウムが大量に残ってしまう。なお、処理水中の残留アルミニウム濃度は、100μg/L以下とされることが望まれている。
III.本発明は、原水中の溶存有機物やコロイド成分などの阻害物質の濃度を検出して凝集剤添加量を的確に制御する凝集装置及び凝集方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、その一態様において、処理水中のアルミニウム(Al)濃度を低くしつつ凝集処理を的確に行うことができる凝集装置及び凝集方法を提供することを目的とする。
本発明は、さらに別の一態様において、凝集槽の凝集状態にも応じて凝集剤の添加量制御を行う凝集装置及び凝集方法を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の凝集装置は、原水に凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、原水中の凝集阻害物質量を検出する吸光度測定器と、該吸光度測定器の検出値に基いて前記凝集剤添加手段の凝集剤添加量を制御する凝集剤添加量制御手段とを備えてなることを特徴とするものである。
請求項2の凝集装置は、請求項1において、該吸光度測定器は、200〜490nmの紫外部吸光度と、500〜700nmの可視部吸光度をそれぞれ1波長以上測定するものであることを特徴とするものである。
請求項3の凝集装置は、請求項1又は2において、さらにpH測定手段と、該pH測定手段の検出値に基いて該凝集槽内のpHが5.0〜7.0となるようにpH調整剤を添加するpH調整剤添加手段とを備えてなることを特徴とするものである。
請求項4の凝集装置は、請求項3において、該pH調整剤添加手段は、該凝集槽内のpHが5.5〜7.0となるようにpH調整剤を添加することを特徴とするものである。
本発明(請求項5)の凝集方法は、原水に凝集剤を添加することにより凝集処理する凝集方法において、原水中の凝集阻害物質量を検出し、この検出値に基いて原水への凝集剤添加量を制御することを特徴とする。
請求項6の凝集装置は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記凝集剤が凝集槽又はそれよりも前段で添加されるよう構成されており、該凝集槽内の凝集状態を検出する凝集状態検出センサが設置されており、前記凝集剤添加量制御手段は、前記吸光度測定器の検出値と該凝集状態検出センサの検出値とに基づいて凝集剤添加手段の凝集剤添加量を制御するものであることを特徴とするものである。
請求項7の凝集方法は、請求項5において、前記凝集剤を凝集槽又はそれよりも前段側で添加するようにした方法であって、該凝集槽内の凝集状態を検出し、前記凝集阻害物質量の検出値と該凝集状態の検出値とに基づいて原水への凝集剤添加量を制御することを特徴とするものである。
本発明では、凝集阻害を発生させる原水中の有機物等の阻害物質濃度を吸光度測定器で検出し、この検出値に基いて凝集剤の添加量を制御することにより、凝集剤を過剰添加することなく、良好な凝集処理を行うことができる。
また、これにより、凝集処理工程の後段にMF膜、UF膜、NF膜或いはRO膜がある場合、これらの膜の汚染を防止ないし抑制することができる。
上記の吸光度測定器としては、紫外部の吸光度と可視部の吸光度とをそれぞれ1波長以上測定する吸光度測定器が好適である。
即ち、天然水の凝集特性を精査したところ、天然水の波長200nm〜490nm好ましくは230〜300nmの紫外部吸光度と波長500nm〜700nm好ましくは500〜600nmの可視部吸光度をそれぞれ1波長以上測定した結果から演算された阻害物質濃度と、0.45μmメンブレンフィルターを用いて一定量の試料水を濾過するのに要する時間(以下KMF値という。)から判断した最適凝集剤添加量との間には相関関係があること、また、阻害物質濃度と上記紫外部及び可視部の吸光度との間には次式のように相関があることが見出された。従って、紫外部及び可視部吸光度をそれぞれ1波長以上測定することにより、最適な凝集剤添加量を推算できる。
(阻害物質濃度)=[(全有機物)−(濁度物質)]
=A×[(紫外部吸光度)−(可視部吸光度)]
この紫外部吸光度と可視部吸光度とに基づいて凝集剤添加量を制御するには、例えば予めジャーテストを行って紫外部吸光度と可視部吸光度との差と凝集剤の最適添加量との関係を求めておき、この関係に基づいて凝集剤添加量を制御する。
また、一般的に凝集処理は、pH7.5〜8.0程度で行っているが、pHを5.0〜7.0特に5.0〜6.5に低下させると、KMF値を良好にできることを見出した。これは、pHを5.0〜7.0特に5.5〜6.5に下げることにより、Alの電荷が高くなり、凝結作用があがるためと考えられる。
ただし、pH5.0未満に低下させると残留アルミニウム濃度が増加してしまう。そこでpH5.0以上好ましくは5.5以上に調整することで残留アルミニウム濃度の増加を抑制する。
残留Al濃度が高くなる原因として、pHを下げすぎると、Alは、電荷は高くなるが、水酸化物をあまり持たないイオンのような極小のサイズになるため、中和が終了しても、架橋が進まず膜を通過してしまう大きさにしか成長できないためと考えられる。
本発明では、上記のように凝集阻害を発生させる原水中の有機物等の阻害物質濃度を検出するだけでなく、さらに凝集槽内の凝集状態を検出し、上記阻害物質量の検出値とこの凝集状態の検出値とに基いて凝集剤の添加量を制御することにより、きわめて良好な凝集処理を行うことができる。
なお、凝集状態検出センサとしては、凝集槽内液の凝集粒子間の清澄度を検出する光遮断式微粒子センサ又は光散乱式微粒子センサ等を用いることができる。
以下に図面を参照して本発明の凝集装置及び凝集方法の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の凝集装置を備える凝集沈殿装置の実施の形態を示す系統図である。
図1において、1は原水槽であり、吸光度測定器11を備える。2は凝集撹拌槽であり、撹拌機12とpHセンサ13を備える。この凝集攪拌槽2にpH調整用の酸、アルカリが各々の貯槽6,7から薬注ポンプ15,16を介して供給される。3は沈殿槽である。4は凝集剤貯槽であり、薬注ポンプ14を備える。5は制御装置であり、吸光度測定器11の検出値と、pHセンサ13の検出値が入力され、凝集剤薬注ポンプ14、酸薬注ポンプ15及びアルカリ薬注ポンプ16の回転数制御信号が出力される。
原水は、原水槽1に導入され、吸光度測定器11により、原水中の凝集阻害物質濃度、例えば有機物濃度が検出され、検出結果が制御装置5に入力される。この吸光度測定器11としては、波長200〜490nmの紫外部短波長の吸光度計と、波長500nmから700nmの可視光の吸光度計を備えたものが好適である。吸光度測定器11は、浸漬型のものであってもバッヂ型のものであってもよい。
原水槽1内の原水は次いで凝集撹拌槽2に導入される。凝集撹拌槽2において、原水は、凝集剤貯槽4の凝集剤が薬注ポンプ14により添加されると共に、酸、アルカリの添加によりpH調整され、撹拌機12により撹拌されて凝集処理される。この凝集撹拌槽2内のpHがpHセンサ13により検出され、検出結果が制御装置5に入力される。
凝集撹拌槽2への凝集剤添加量は、吸光度測定器11の検出値に基いて制御される。即ち、例えば、制御装置5において、入力された吸光度測定器11の検出値を予め設定した凝集剤添加量の決定式に代入し、その算出結果に基いて薬注ポンプ14の回転数が制御され、適正量の凝集剤が添加される。この薬注ポンプ14としては、市販の可変式定量ポンプ等が用いられる。
阻害物質濃度に応じて凝集剤の添加量を制御するには、阻害物質濃度に係数を乗じて凝集剤添加量を演算してもよいが、阻害物質濃度は、紫外部吸光度と可視部吸光度との差に比例するので、次式のように、紫外部吸光度と可視部吸光度に係数を乗じて凝集剤添加量を演算するのが好適である。
凝集剤添加量=A×[(紫外部吸光度)−(可視部吸光度)]
紫外部吸光度は、200〜490nm特に230〜300nm例えば260nmの吸光度とされ、可視部吸光度は、500〜700nm特に600〜700nm例えば660nmの吸光度とされる。
Aは、予め原水を用いたジャーテストにより測定したKMF値から決定した係数であり、必ずしも原水毎にAを調整する必要はない。
なお、このように吸光度差に比例した凝集剤添加量制御の代わりに閾値制御としてもよい。閾値制御としては、吸光度差が所定値a未満のときには凝集剤添加量をbとし、吸光度差が所定値a〜aのときには凝集剤添加量をbとし、吸光度差が所定値a超のときには凝集剤添加量をbとするものなどが例示されるが、これに限定されない。
酸、アルカリの薬注ポンプ15,16は、凝集攪拌槽2内のpHが5.0〜7.0好ましくは5.0〜6.5となるように制御装置5によって制御される。なお、残留アルミニウム濃度を低減する場合は、pHを5.5〜7.0特に6.0〜7.0とりわけ6.0〜6.5となるように制御するのが好ましい。
凝集撹拌槽2内で凝集剤が添加されて撹拌されることにより凝集処理された凝集処理水は、沈殿槽3に導入されて凝結、凝集粒子が沈降分離され、上澄水が処理水として取り出される。
なお、図1は本発明の実施の形態の一例を示すものであり、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示のものに限定されるものではない。
例えば、凝集攪拌槽2又はその後段に、凝集攪拌槽2内の凝集状態を確認できるセンサー(凝集センサーなど)を設置し、凝集剤添加量を補正したり、凝集不良が発生した際に警報信号を発信するようにしてもよい。
図2は、かかる凝集状態を検知する凝集状態検出センサを設けた凝集沈殿装置の実施の形態を示す系統図である。
この実施の形態では、凝集撹拌槽2にpHセンサ13と共に凝集状態検出センサ23を備える。制御装置5は、吸光度測定器11の検出値と、凝集状態検出センサ23の検出値が入力され、これに基づいて薬注ポンプ14の回転数制御信号が出力される。
この凝集状態検出センサ23としては、凝集撹拌槽2の液体を別の沈殿槽に移設して、一定時間沈降させた上澄みの濁度を検出する装置とセンサや、凝結ないし凝集した粒子のゼータ電位や流動電位を検出する装置とセンサ等も用いることもできるが、凝集撹拌槽2内にて凝結ないし凝集した粒子間の清澄度を検出する光遮断式微粒子センサや光散乱式微粒子センサが好適に用いられる。
この実施の形態のその他の構成は図1と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
薬注ポンプ14による凝集撹拌槽2への凝集剤添加量を、吸光度測定器11の検出値と凝集状態検出センサ23の検出値とに基いて制御するには、例えば、制御装置5において、入力された吸光度測定器11の検出値を予め設定した凝集剤添加量の決定式に代入し、その算出結果に基いて薬注ポンプ14の回転数を制御すると共に、凝集状態検出センサ23の検出値に基づいて薬注ポンプ14の回転数を補正する。
また、図1,2では、凝集剤を凝集撹拌槽2に添加しているが、凝集剤は、凝集撹拌槽2への原水導入配管に注入しても良い。更に、図1,2では、凝集処理水の固液分離手段として沈殿槽3を示したが、浮上槽、濾過装置、膜濾過装置等であってもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
有機物汚染の進んだA河川を水源とする凝集・沈殿・砂濾過・UF膜濾過施設において、図1に示す凝集沈殿装置を用いて、本発明による凝集沈澱処理を行った。砂濾過は有効径0.45mmの濾過砂を600mm積層したカラムを用いた。凝集撹拌槽は有効容量300mのパドル式撹拌機(60r.p.m.,5kW)付きの角型急速撹拌槽であり、原水量は30m/h、急速撹拌槽の滞留時間は6分とした。
凝集剤としてはポリ塩化アルミニウム(PAC)を用いた。なお、PAC添加量を制御する演算式は、予め、A河川水を用いたジャーテストの結果から求めた。また、凝集撹拌槽のpHは6.5となるように酸、アルカリの薬注制御を行った。
吸光度測定器としては、波長200nm〜700nm近傍の紫外〜可視光領域を走査できるS::CANセンサ(S::CAN MESSTECHNIK GMBH(オーストリア)製、セル幅35mm)を用いた。紫外部吸光度は260nmで測定し、可視部吸光度は660nmで測定した。
比較例1
吸光度の測定によるPAC添加量制御を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして凝集沈殿処理を行った。なお、PAC添加量は毎日1度の頻度で設定した。
[実施例1と比較例1との比較]
10月の晴天、降雨により水質変動が生じた時期にそれぞれ2週間の通水を行った。なお、同じ原水を使用するため、実施例1と比較例1を並列して行った。通水試験期間中の原水の阻害物質濃度と、PAC添加濃度、凝集沈殿処理水KMF値、UF膜の濾過差圧ΔP上昇速度を表1に示した。
なお、ここでのKMF値とは、直径47μmのメンブレンフィルターを用い、真空吸引圧力500mmHgで濾過した時の最初の500mL濾過時間及びその後の500mL濾過時間を足したものとする。
実施例1では、吸光度に基づいてPAC添加量を制御したことにより、KMF値及びΔP上昇速度が低い値で推移した。
比較例1のPAC添加濃度は実施例1と比較して、過剰になる場合があった。
Figure 2006272311
実施例2
凝集槽のpHを6.5に調整し、PAC添加濃度が30mg/Lを超える場合、pHを6.0に調整したこと以外は実施例1と同様にして同一の原水を処理した。
比較例2
pHの制御を行わなかったこと以外は実施例2と同様の制御を行った。
比較例3
PAC添加濃度が30mg/Lを超える場合、pHを5.0に調整したこと以外は実施例2と同様の制御を行った。
[実施例2と比較例2,3との比較]
10月の晴天、降雨により水質変動が生じた時期にそれぞれ2週間の通水を行った。なお、同じ原水を使用するため、実施例2と比較例2,3を並列して行った。通水試験期間中の原水の阻害物質濃度と、PAC添加濃度、UF膜のΔP上昇速度及びKMF値を表2に示した。
実施例2では、吸光度によりPAC添加量を制御したことにより、KMF値及びΔP上昇速度が低い値で推移した。
比較例2,3のPAC添加濃度は実施例2と比較して、過剰になる場合があり、残留するアルミニウム濃度が高くなった。
Figure 2006272311
本発明の凝集装置を備える凝集沈殿装置の実施の形態を示す系統図である。 本発明の凝集装置を備える凝集沈殿装置の別の実施の形態を示す系統図である。
符号の説明
1 原水槽
2 凝集撹拌槽
3 沈殿槽
4 凝集剤貯槽
5 制御装置
11 吸光度測定器
12 撹拌機
13 pHセンサ
14,15,16 薬注ポンプ
23 凝集状態検出センサ

Claims (7)

  1. 原水に凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、
    原水中の凝集阻害物質量を検出する吸光度測定器と、
    該吸光度測定器の検出値に基いて前記凝集剤添加手段の凝集剤添加量を制御する凝集剤添加量制御手段とを備えてなることを特徴とする凝集装置。
  2. 請求項1において、該吸光度測定器は、200〜490nmの紫外部吸光度と、500〜700nmの可視部吸光度をそれぞれ1波長以上測定するものであることを特徴とする凝集装置。
  3. 請求項1又は2において、さらにpH測定手段と、該pH測定手段の検出値に基いて該凝集槽内のpHが5.0〜7.0となるようにpH調整剤を添加するpH調整剤添加手段とを備えてなることを特徴とする凝集装置。
  4. 請求項3において、該pH調整剤添加手段は、該凝集槽内のpHが5.5〜7.0となるようにpH調整剤を添加することを特徴とする凝集装置。
  5. 原水に凝集剤を添加することにより凝集処理する凝集方法において、
    原水中の凝集阻害物質量を検出し、この検出値に基いて原水への凝集剤添加量を制御することを特徴とする凝集方法。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記凝集剤が凝集槽又はそれよりも前段で添加されるよう構成されており、
    該凝集槽内の凝集状態を検出する凝集状態検出センサが設置されており、
    前記凝集剤添加量制御手段は、前記吸光度測定器の検出値と該凝集状態検出センサの検出値とに基づいて凝集剤添加手段の凝集剤添加量を制御するものであることを特徴とする凝集装置。
  7. 請求項5において、前記凝集剤を凝集槽又はそれよりも前段側で添加するようにした方法であって、
    該凝集槽内の凝集状態を検出し、
    前記凝集阻害物質量の検出値と該凝集状態の検出値とに基づいて原水への凝集剤添加量を制御することを特徴とする凝集方法。
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