JP2006271321A - カクレクマノミの初期生活段階における飼育方法およびカクレクマノミ用生物飼料 - Google Patents

カクレクマノミの初期生活段階における飼育方法およびカクレクマノミ用生物飼料 Download PDF

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Abstract

【課題】 カクレクマノミの初期生活段階における生残率を向上する。
【解決手段】 少なくとも孵化直後から成体とほぼ同等の形態に成長するまでの期間であるカクレクマノミの初期生活段階において、カクレクマノミを飼育する飼育海水または初期生活段階において与える初期飼料としての生物飼料の一方または双方に銅を付加し、飼育海水中の銅濃度を好適な範囲にし、かつ銅の添加時期を最適な時期に調整することで、生残率を向上させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カクレクマノミの飼育方法およびカクレクマノミ用生物飼料に関する。さらに詳述すると、本発明は、カクレクマノミの初期生活段階における飼育方法および初期飼料として与える生物飼料に関する。
海産魚や海産無脊椎動物に代表される食用または観賞用もしくは各種試験用の海産動物の飼育・養殖は、飼育環境や飼料等に影響を受けやすく難しい。特に、人工的な飼育環境下での飼育は難しく、自然の棲息環境を再現したり、それに近い海水組成として海水を濾過等により清浄な状態に維持するようにしているが、初期生活段階においては清浄な環境を実現しても生残率が低いため、初期生活段階において高い生残率が得られる飼育方法の確立が強く望まれている。ここで、海産動物の初期生活段階とは、孵化直後から成体とほぼ同等の形態に成長するまでの期間を指す。初期生活段階における海産動物の口は小さく、この時期に与える初期飼料としては小さな口でも摂餌可能な物が選択され、かかる初期飼料として従来は専らワムシが用いられている。
そこで、生物飼料に対して高度不飽和脂肪酸やビタミン類による栄養強化を施して生残率を向上させる方法(非特許文献1および非特許文献2)や、配合飼料にリン、カルシウム、鉄、銅、および亜鉛などのミネラル類を添加して生残率を向上させる方法(非特許文献3および非特許文献4)が提案されている。
Watanabe, T. et al. (1983): Nutiritional values of live organisms used in Japan for mass propagation of fish: a review. Aquaculture, 34, 115-143. Craig, S.R. et al. (1994): The effects of enriching live food with highly unsaturated fatty acids on the growth and fatty acid composition of larval red drum Sciaenops ocellatus. Jounal of the World Aquaculture Society, 25(3), 424-431. Kanazawa, A. (2003): Nutrition of marine larvae. Journal of Applied Aquaculture, 13(1/2), 103-143. 佐藤秀一(2003):1-2.ミネラル、2003年度日本水産学会大会講演要旨集、319.
しかしながら、従来の生物飼料への栄養強化では、必ずしも充分な生残率向上の効果が得られていないのが実情である。
そこで本発明は、初期生活段階において高い生残率が得られるカクレクマノミの飼育方法およびカクレクマノミ用生物飼料を提供することを目的とする。
本発明者等は、環境水中の毒性物質に対する水生生物の影響評価試験を行った際に、水生生物にとって本来毒性物質であるはずの銅がある一定の濃度範囲では、むしろ生残率を上げることを知見するに至った。
そこで、初期生活段階におけるカクレクマノミを対象とした影響評価試験を積み重ねた結果、初期生活段階におけるカクレクマノミを飼育する海水中の銅濃度を0.04〜0.32ミリグラム/リットルとすることで、初期生活段階におけるカクレクマノミの生残率が向上することを知見するに至った。
さらに、孵化から36時間以内に飼育海水中の銅濃度を前記濃度とし、少なくとも48時間以上前記濃度を維持することでカクレクマノミの生残率が向上することを知見するに至った。
本発明のカクレクマノミの飼育方法は、かかる知見に基づくものであり、少なくとも孵化直後から成体とほぼ同等の形態に成長するまでの期間であるカクレクマノミの初期生活段階において、カクレクマノミを飼育する飼育海水または初期生活段階において与える初期飼料として用いる生物飼料の一方または双方に銅を付加することで、飼育海水中の銅濃度を好適な範囲にして、カクレクマノミの生残率を向上させるものである。ここで、飼育海水中の銅濃度の範囲は0.04〜0.32ミリグラム/リットルであれば好ましく、より好ましくは0.07〜0.21ミリグラム/リットル、さらに好ましくは0.09〜0.16ミリグラム/リットルである。
また、孵化から36時間以内に飼育海水中の銅濃度を前記濃度とし、少なくとも48時間前記濃度を維持すれば生残率の向上の効果が認められるが、その効果をより確実なものとするためには、前記濃度を48〜72時間維持することが好ましい。尚、前記濃度を48〜72時間維持した後は飼育海水に銅を添加しなくても生残率の向上は充分見込めるため、銅を添加する必要はなく、よってコストダウンや飼育にかかる手間を省くことができる。ただし、初期生活段階中(孵化から14日間)は銅を添加し続けてもカクレクマノミの成長に何ら影響を与えるものではない。
また、本発明のカクレクマノミ用生物飼料は、少なくとも孵化直後から成体とほぼ同等の形態に成長するまでの期間であるカクレクマノミの初期生活段階において与える初期飼料として用いる生物飼料であり、カクレクマノミを飼育する飼育海水中の銅濃度を好適な範囲内に調整する量の銅が付加されているものとしている。ここで、飼育海水中の銅濃度の範囲は0.04〜0.32ミリグラム/リットルであれば好ましく、より好ましくは0.07〜0.21ミリグラム/リットル、さらに好ましくは0.09〜0.16ミリグラム/リットルである。
したがって、飼育海水中に銅が溶け込むことによって、もしくは飼育海水中を泳ぎ回る生物飼料に銅が付加されることによって、沈殿してしまう銅含有配合飼料とは異なり、初期生活段階においてカクレクマノミが必要とする量の銅を摂取し易くなり、初期生活段階におけるカクレクマノミの生残率が飛躍的に向上する。生残率向上に寄与する飼育海水中の銅濃度の範囲は上述のとおりであり、飼育海水量に対して、銅濃度が前記範囲になるように付加する銅の量または生物飼料に付加する銅の量が決定される。
しかして請求項1および2記載のカクレクマノミの飼育方法および請求項3および4記載のカクレクマノミ用生物飼料によれば、カクレクマノミの初期生活段階において従来法よりも高い生残率が得られ、カクレクマノミの水産増養殖における生産効率が向上する。
以下、本発明のカクレクマノミの飼育方法およびカクレクマノミ用生物飼料の実施の一形態を詳細に説明する。
本発明のカクレクマノミの飼育方法は、少なくともカクレクマノミの初期生活段階において、カクレクマノミを飼育する飼育海水または初期飼料として用いる生物飼料の一方または双方に銅を付加し、飼育海水中の銅濃度を0.04〜0.32ミリグラム/リットルとし、かつ孵化から36時間以内に飼育海水中の銅濃度を前記濃度とし、少なくとも48時間以上前記濃度を維持するようにしている。
ここで、カクレクマノミの初期生活段階とは、孵化直後から成体とほぼ同等の形態に成長するまでの期間を指し、孵化直後から体色、体型、鰭の条数が成体と同等となるまでの期間であり、孵化直後から2週間程度経過するまでの期間である。初期生活段階における孵化仔魚には初期飼料を与えて飼育し、孵化仔魚が初期生活段階を経過した時点で、初期飼料に加えて配合飼料や魚介類の細切物などを投与し、徐々に初期飼料の給餌量を減らすと共に配合飼料や魚介類の細切物等の給餌量を増やし、やがて配合飼料や魚介類の細切物等のみの初期飼料を用いない給餌に切り替える。
カクレクマノミの初期飼料には、例えば一般に用いられるワムシを採用して良いが、ブラインシュリンプ(アルテミアとも呼ばれる)を用いても良い。本願発明者らが飼育実験を積み重ねた結果、クマノミ類の孵化仔魚は海産魚の中では比較的大型であり、ワムシを用いずにブラインシュリンプのみでもクマノミ類の孵化仔魚を飼育できることを見出したからである。
飼育海水または生物飼料に銅を付加するにあたっては、純銅を用いる必要は必ずしもなく、例えば銅元素を含む化合物を飼育海水または生物飼料に付加しても良い。例えば本実施形態では、硫酸銅5水和物を純水に溶解したものを、清浄な天然海水に海水中の銅濃度が0.04〜0.32ミリグラム/リットルとなるように添加し、これを飼育海水として用いる。飼育海水中に銅が溶け込むことによって、沈殿してしまう銅含有配合飼料とは異なり、孵化仔魚が必要とする量の銅を摂取しやすくなる。但し、飼育海水ではなく生物飼料に銅を付加してもよく、飼育海水と生物飼料の双方に銅を付加してもよい。飼育海水中を泳ぎ回る生物飼料に銅が付加されることによっても、沈殿してしまう銅含有配合飼料とは異なり、孵化仔魚が必要とする量の銅を摂取しやすくなる。
カクレクマノミの生残率向上に寄与する飼育海水中の銅濃度の範囲は、0.04〜0.32ミリグラム/リットルである。銅濃度が0.32ミリグラム/リットルより高濃度になるにつれて、生残率は徐々に低下し、銅濃度が0.64ミリグラム/リットルでは生残率は通常海水における場合よりも低くなる。また、銅濃度が0.04ミリグラム/リットルより小さくなると、試験海水中の銅濃度を小さくするほど生残率は低下し、最終的には、生残率が通常海水における場合と同程度となる。尚、好ましい銅濃度は0.07〜0.21ミリグラム/リットル、より好ましくは0.09〜0.16ミリグラム/リットルであり、この範囲内の銅濃度にすることで、本発明の効果がより顕著に得られる。
また、孵化から36時間以内に飼育海水中の銅濃度を前記濃度とし、少なくとも48時間前記濃度を維持すれば生残率の向上の効果が認められるが、その効果をより確実なものとするためには、前記濃度を48〜72時間維持することが好ましい。尚、前記濃度を48〜72時間維持した後は飼育海水に銅を添加しなくても生残率の向上は充分見込めるため、銅を添加する必要はなく、よってコストダウンや飼育にかかる手間を省くことができる。ただし、初期生活段階中(孵化から14日間)は銅を添加し続けてもカクレクマノミの成長に何ら影響を与えるものではない。
次に、本発明のカクレクマノミ用生物飼料について説明する。このカクレクマノミ用生物飼料は、カクレクマノミの初期生活段階において与える初期飼料として用いる生物飼料であり、カクレクマノミを飼育する飼育海水中の銅濃度を上記範囲内に調整する量の銅が付加されている。初期飼料としての生物飼料には、例えば一般に用いられるワムシを採用して良く、またはブラインシュリンプを用いても良い。
生物飼料に銅を付加して飼育海水中の銅濃度を上記範囲内に調整する場合、例えば海水中で溶解する銅成分を生物飼料の体表に付着させ、給餌の際に生物飼料の体表に付着した銅成分が飼育海水中に溶解することで上記範囲内の銅濃度となるようにすればよい。
また、生物飼料に銅を付加してカクレクマノミの銅の摂取量を一定の範囲内に調整してもよく、例えば銅を含んだ海水中で生物飼料を培養し、生物飼料の体内に銅を取り込ませる。或いは、例えば疎水性の栄養素物質、例えば油などに銅成分を含ませて生物飼料の体表に付着させる。例えばワムシは孵化後すぐに水を体内に常時取り込むようになるため、体内に銅を取り込み易く、前者の方法を用いることが好ましく、ブラインシュリンプは孵化後1日程度は開口しないため、体内に銅を取り込み難いので、後者の方法を用いることが好ましい。体内に銅を取り込んだ生物飼料または体表に銅が付着した生物飼料を、カクレクマノミが摂餌することで、カクレクマノミにおける銅の摂取量、例えば一個体あたり且つ1日あたりの銅摂取量が一定の範囲内に調整される。
生物飼料は飼育海水中を泳ぎ懸濁状態となるので、この生物飼料に銅が付加されることによって、初期生活段階におけるカクレクマノミが必要とする量の銅を摂取し易くなり、初期生活段階におけるカクレクマノミの生残率が飛躍的に向上する。
500mlの飼育海水を入れたプラスチック製のジョッキを24個用意し、カクレクマノミの孵化直後の仔魚を各ジョッキに10尾ずつ収容した。飼育海水は、(a)通常海水、(b)銅濃度が0.04ミリグラム/リットルの海水、(c)銅濃度が0.08ミリグラム/リットルの海水、(d)銅濃度が0.16ミリグラム/リットルの海水、(e)銅濃度が0.32ミリグラム/リットルの海水、(f)銅濃度が0.64ミリグラム/リットルの海水、の6種類とし、同じ飼育海水あたり4グループ飼育した。上記(b)〜(f)の飼育海水は、硫酸銅5水和物を銅濃度が2グラム/リットルになるよう純水に溶解した後に、上記の銅濃度となるよう海水に添加した。
水温は26℃に維持し、給気は行わなかった。ブラインシュリンプ乾燥卵を海水に懸濁し、28℃に保温し、24時間後に孵化した幼生を、200μmおよび60μmのフィルタを用いて海水で卵殻の除去および洗浄を行った後に給餌した。給餌は毎日1回行い、給餌量は24時間後に摂餌しきれなかったブラインシュリンプ幼生が飼育海水1mlあたり1個体以上残るように調整した。24時間毎に新たな飼育海水に仔魚を移し、摂餌しきれなかった古いブラインシュリンプを飼育海水から取り除いた。
上記条件で14日間の飼育を行い、上記6種類の飼育海水について生残率を比較した。図1に比較結果を示す。図1中の◆のプロットが通常海水での孵化仔魚の生残率の経時変化を示し、■のプロットが銅濃度が0.04ミリグラム/リットルの飼育海水での孵化仔魚の生残率の経時変化を示し、●のプロットが銅濃度が0.08ミリグラム/リットルの飼育海水での孵化仔魚の生残率の経時変化を示し、◇のプロットが銅濃度が0.16ミリグラム/リットルの飼育海水での孵化仔魚の生残率の経時変化を示し、□のプロットが銅濃度が0.32ミリグラム/リットルの飼育海水での孵化仔魚の生残率の経時変化を示し、○のプロットが銅濃度が0.64ミリグラム/リットルの飼育海水での孵化仔魚の生残率の経時変化を示す。尚、図1中の各飼育日数の生残率は、同じ飼育海水を用いた4グループの平均値をとった。
図1に示される結果から、銅濃度が0.32ミリグラム/リットルより高くなるにつれて、生残率は低下し、銅濃度が0.64ミリグラム/リットルでは、生残率は通常海水よりも低くなることが分かる。
次に、通常海水と、銅濃度が0.16ミリグラム/リットルの海水との2種の飼育海水を用意し、各飼育海水にカクレクマノミの孵化直後の仔魚を40尾ずつ収容し、上記と同条件で14日間の飼育を行った。そして、同条件で孵化7回分の飼育実験を繰り返した。2種類の飼育海水について生残率を比較した結果を図2に示す。図2は、通常海水および銅濃度が0.16ミリグラム/リットルの海水での飼育開始から14日後の各生残率を、7回分の飼育実験の平均値±標準偏差で示す。
通常海水での生残率は46±11%であるのに対し、銅濃度が0.16ミリグラム/リットルの海水では生残率が70±10%であり、通常海水と比較して生残率が飛躍的に向上していることが分かる。
以上の結果から、初期生活段階のカクレクマノミの飼育では、海水中の銅濃度が0.04〜0.32ミリグラム/リットルとなるように飼育海水に銅を付加することで、通常海水よりも生残率が向上し、特に銅濃度が0.16ミリグラム/リットルとなるように飼育海水に銅を付加することで、通常海水と比較して飛躍的に高い70%以上の生残率が得られることが明らかになった。
市販の個体および本願発明者等が仔魚から育成した個体を雌雄3ペア用意し、1ペアごとに水量270Lの循環濾過式水槽で飼育した。尚、購入魚のペアをペア−1、ペア−2、育成魚のペアをペア−3とした。また、水槽内にはイソギンチャクをそれぞれ収容した。
水温27℃設定で、アサリや配合飼料を与えて飼育したところ、親魚は飼育槽の底および岩の表面に産卵し、産卵から8〜9日後の消灯後に孵化を開始した。孵化仔魚は飼育槽内に設置したネットに水流により集めて、翌朝ビニルチューブで採取し、実験に用いた。
500mlの飼育海水を入れたプラスチック製のジョッキを72個用意し、カクレクマノミの孵化直後の仔魚を各ジョッキに10尾ずつ収容した。尚、収容する際にはペア−1、ペア−2およびペア−3から産まれた仔魚はそれぞれ別々に収容した。飼育海水は、(a)通常海水、(b)銅濃度が0.07ミリグラム/リットルの海水、(c)銅濃度が0.09ミリグラム/リットルの海水、(d)銅濃度が0.12ミリグラム/リットルの海水、(e)銅濃度が0.16ミリグラム/リットルの海水、(f)銅濃度が0.21ミリグラム/リットルの海水、の6種類とし、同じ飼育海水あたり4グループ飼育した。上記(b)〜(f)の飼育海水は、硫酸銅5水和物を銅濃度が2グラム/リットルになるよう純水に溶解した後に、上記の銅濃度となるよう海水に添加した。
試験海水は水温は26.5℃に維持し、24時間給気した。ブラインシュリンプ乾燥卵を海水に懸濁し、28℃に保温し、24時間後に孵化した幼生を、200μmおよび60μmのフィルタを用いて海水で卵殻の除去および洗浄を行った後に給餌した。給餌は毎日1回行い、給餌量は24時間後に摂餌しきれなかったブラインシュリンプ幼生が飼育海水1mlあたり1個体以上残るように調整した。24時間毎に新たな飼育海水に仔魚を移し、摂餌しきれなかった古いブラインシュリンプを飼育海水から取り除いた。
上記条件で14日間の飼育を行い、上記6種類の飼育海水について14日後の生残率を比較した。図3に比較結果を示す。図3の棒グラフの横軸は試験海水の銅濃度を示しており、左から(a)通常海水、すなわち銅濃度が0ミリグラム/リットル(b)0.07ミリグラム/リットル、(c)0.09ミリグラム/リットル、(d)0.12ミリグラム/リットル、(e)0.16ミリグラム/リットル、(f)0.21ミリグラム/リットルである。縦軸は14日後の生残率を示している。尚、該生残率は同じ飼育海水を用いた4つのジョッキの平均値をとったものである。図3下の3ペア計はペア−1、ペア−2、ペア−3のデータを合計した結果である。
図3に示される結果から、銅濃度が0.07〜0.21ミリグラム/リットルでは銅を付加していない海水中で飼育した場合と比べると、いずれも生残率は向上した。銅濃度が0.09〜0.16ミリグラム/リットルではさらに生残率が向上し、銅の最適濃度は0.09〜0.16ミリグラム/リットルの範囲内にあり、この場合には70%前後の生残率が達成されることが確認された。
次に、銅の添加開始時期および添加期間が生残率に与える影響を調査した。試験海水中の銅濃度はすべて0.16ミリグラム/リットルとし、孵化から12時間経過後に(a)1日間(24時間)、(b)2日間(48時間)、(c)3日間(72時間)、(d)4日間(96時間)、(e)5日間(120時間)、前記銅濃度を維持するように銅を添加した。また、銅の添加開始時期を孵化から12時間経過後さらに(f)4日経過後(孵化から108時間経過後)から、(g)3日経過後(孵化から84時間経過後)から、(h)2日経過後(孵化から60時間経過後)から、(i)1日経過後(孵化から36時間経過後)から、とし、14日後まで前記同濃度を維持するように銅を添加した。さらに、孵化から12時間経過後さらに(j)0日後から2日間(孵化から12時間経過後、48時間)、(k)1日後から2日間(孵化から36時間経過後、48時間)、(l)2日後から2日間(孵化から60時間経過後、48時間)、(m)3日後から2日間(孵化から84時間経過後、48時間)、前記銅濃度を維持するように銅を添加した。尚、対照区として(n)全期間銅無添加区、(o)全期間銅添加区についても調査した。
孵化から12時間経過後に銅を添加した理由は、孵化が起こる時間が夜間の消灯後であり、仔魚の採取時に親魚に刺激を与える可能性があったからである。
図4に示した調査結果においては、2日間(48時間)銅を添加して前記濃度を維持することで、70±22%の生残率が達成された。また、3日間(72時間)、4日間(96時間)、5日間(120時間)ではそれぞれ68±10%、65±13%、75±19%であり、2日間(48時間)の場合の生残率と比較しても有意差は認められなかった。さらに、対照区である全期間銅添加区の生残率も76±10%であり2日間(48時間)の場合の生残率と比較しても有意な差は無い。従って、少なくとも48時間前記濃度を維持すれば生残率が向上されることが確認された。ただし、銅の添加期間が1日(24時間)の場合は生残率の向上が僅かにしか見られないことから、銅の添加期間が24〜47時間だと本発明の効果が薄い可能性がある。よって、より確実に生残率の向上を図るためには、前記濃度を48〜72時間維持しておくのがよいと考えられる。
銅の添加開始時期については、孵化から12時間経過後さらに1日経過後(孵化から36時間経過後)では生残率が83±12%となり、生残率の飛躍的な向上が見られたが、孵化から12時間経過後さらに2日経過(孵化から60時間経過)した場合には、生残率の飛躍的向上は見られなかった。よって、銅の添加開始時期は孵化から12時間経過後さらに1日経過するまでに、すなわち、孵化から36時間以内が良いということが確認された。尚、カクレクマノミの孵化は夜間の消灯後に起こるが、本実験結果から、孵化直後である夜間の消灯後に銅を添加しなくても、孵化から36時間以内に銅を添加すれば生残率向上の効果は得られるので、夜間の消灯後に銅を添加するといった手間がかからない。
孵化から12時間経過後さらに0日後から2日間(孵化から12時間経過後、48時間)、1日後から2日間(孵化から36時間経過後、48時間)では生残率がそれぞれ75±19%、73±13%となり、生残率の飛躍的な向上が見られたが、孵化から12時間経過後さらに2日経過さらに2日後から2日間(孵化から60時間経過後、48時間)、3日経過後から2日間(孵化から84時間経過後、48時間)では、生残率の飛躍的向上は見られなかった。この結果からも、銅の添加開始時期は孵化から36時間以内が良いということが確認された。
実施例2の調査終了後に、生残したカクレクマノミの仔魚の体重を調査した。調査結果を表1に示す。表1中において、体重は平均値±標準偏差で示す。実験したどの同濃度においても、体重に有意差は無かったことから、銅は少なくとも孵化から14日後までは、カクレクマノミの仔魚の成長には影響しないことが確認された。
比較例1
500mlの飼育海水を入れたプラスチック製のジョッキを24個用意し、クマノミの孵化直後の仔魚を各ジョッキに10尾ずつ収容した。飼育海水は、(a)通常海水、(b)銅濃度が0.04ミリグラム/リットルの海水、(c)銅濃度が0.08ミリグラム/リットルの海水、(d)銅濃度が0.16ミリグラム/リットルの海水、(e)銅濃度が0.32ミリグラム/リットルの海水、(f)銅濃度が0.64ミリグラム/リットルの海水、の6種類とし、同じ飼育海水あたり4グループ飼育した。上記(b)〜(f)の飼育海水は、硫酸銅5水和物を銅濃度が2グラム/リットルになるよう純水に溶解した後に、上記の銅濃度となるよう海水に添加した。
水温は26℃に維持し、給気は行わなかった。ブラインシュリンプ乾燥卵を海水に懸濁し、28℃に保温し、24時間後に孵化した幼生を、200μmおよび60μmのフィルタを用いて海水で卵殻の除去および洗浄を行った後に給餌した。給餌は毎日1回行い、給餌量は24時間後に摂餌しきれなかったブラインシュリンプ幼生が飼育海水1mlあたり1個体以上残るように調整した。24時間毎に新たな飼育海水に仔魚を移し、摂餌しきれなかった古いブラインシュリンプを飼育海水から取り除いた。
上記条件で14日間の飼育を行い、上記6種類の飼育海水について生残率を比較した。図5に比較結果を示す。図5中の◆のプロットが通常海水での孵化仔魚の生残率の経時変化を示し、■のプロットが銅濃度が0.04ミリグラム/リットルの飼育海水での孵化仔魚の生残率の経時変化を示し、●のプロットが銅濃度が0.08ミリグラム/リットルの飼育海水での孵化仔魚の生残率の経時変化を示し、◇のプロットが銅濃度が0.16ミリグラム/リットルの飼育海水での孵化仔魚の生残率の経時変化を示し、□のプロットが銅濃度が0.32ミリグラム/リットルの飼育海水での孵化仔魚の生残率の経時変化を示し、○のプロットが銅濃度が0.64ミリグラム/リットルの飼育海水での孵化仔魚の生残率の経時変化を示す。尚、図5中の各飼育日数の生残率は、同じ飼育海水を用いた4グループの平均値をとった。
図5に示される結果から、銅濃度が0.64ミリグラム/リットルでは、カクレクマノミの場合と同様に、生残率は通常海水よりも低くなり、他の濃度においても、カクレクマノミの場合ほど顕著な生残率の向上は見られなかった。
次に、通常海水と、銅濃度が0.08ミリグラム/リットルの海水との2種の飼育海水を用意し、各飼育海水にクマノミの孵化直後の仔魚を40尾ずつ収容し、上記と同条件で14日間の飼育を行った。そして、同条件で孵化7回分の飼育実験を繰り返した。2種類の飼育海水について生残率を比較した結果を表2に示す。表2は、通常海水および銅濃度が0.08ミリグラム/リットルの海水での飼育開始から14日後の各生残率を、7回分の飼育実験の平均値±標準偏差で示す。
通常海水での生残率は15±11%であったのに対し、銅濃度が0.08ミリグラム/リットルの海水での生残率は28±20%であり、僅かな効果しか認められなかった。従って、クマノミにおいては、飼育海水中に銅を添加しても通常海水と比較しても生残率があまり向上せず、本発明の飼育方法は、カクレクマノミに対して特に効果が高いことが確認された。
以上の結果から、本発明の飼育方法は、初期生活段階のカクレクマノミの飼育において非常に効果的に作用し、海水中の銅濃度が適正銅濃度となるように飼育海水に銅を添加することで初期生活段階における生残率を大きく向上できることがわかった。
本発明によれば、カクレクマノミの初期生活段階において高い生残率が得られ、カクレクマノミの水産増養殖における生産効率が向上する。
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
異なる量の銅を添加した飼育海水中でのカクレクマノミの初期生活段階の生残率の経時変化を示すグラフである。 通常海水と銅を添加した海水をそれぞれ飼育海水とした場合のカクレクマノミの初期生活段階の生残率を、平均値±標準偏差で示すグラフである。 異なる量の銅を添加した飼育海水中でのカクレクマノミの初期生活段階における14日後の生残率を示すグラフである。Tukeyの多重比較により対照区との有意差を判定し、*、**、***、はそれぞれp<0.05、p<0.01、p<0.001の水準で有意差があると判定した場合に付した。 銅の添加開始時期および添加期間が生残率に与える影響を表す図である。 異なる量の銅を添加した飼育海水中でのクマノミの初期生活段階の生残率の経時変化を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 少なくとも孵化直後から成体とほぼ同等の形態に成長するまでの期間であるカクレクマノミの初期生活段階において、カクレクマノミを飼育する飼育海水または前記初期生活段階において与える初期飼料として用いる生物飼料のうちの一方もしくは双方に銅を付加して、飼育海水中の銅濃度を0.04〜0.32ミリグラム/リットルとし、かつ孵化から36時間以内に飼育海水中の銅濃度を前記濃度とし、少なくとも48時間以上前記濃度を維持する初期生活段階におけるカクレクマノミの飼育方法。
  2. 前記銅濃度を0.07〜0.21ミリグラム/リットルとする請求項1記載のカクレクマノミの飼育方法。
  3. 少なくとも孵化直後から成体とほぼ同等の形態に成長するまでの期間であるカクレクマノミの初期生活段階において与える初期飼料として用いる生物飼料であり、カクレクマノミを飼育する飼育海水中の銅濃度を0.04〜0.32ミリグラム/リットルに調整する量の銅が付加されたことを特徴とするカクレクマノミ用生物飼料。
  4. 前記銅濃度を0.07〜0.21ミリグラム/リットルとする請求項3記載のカクレクマノミ用生物飼料。
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