以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1及び図2には、本発明の実施の形態に画像読取り装置及び画像形成装置として適用した複写機10の概略構成を示している。
図1に示すように、複写機10は、装置上部に画像読取り装置となるスキャナユニット12が設けられ、装置下部に画像形成装置となるプリントユニット(プリントエンジン)14が配置されている。図2に示すように、プリントユニット14は、印刷出力装置として設けられて例えば電子写真プロセスによって記録紙に画像を形成するIOT16と、各種の画像処理及びIOT16を用いた印刷制御を行うコントローラ18を備えた一般的構成となっている。
これにより、複写機10では、スキャナユニット12に原稿が装填されて図示しないスタートスイッチが操作されることにより、スキャナユニット12が原稿に記録された画像(原稿画像)の読込み(スキャン)を行い、原稿画像に応じた画像データをプリントユニット14のコントローラ18へ出力する。
コントローラ18は、スキャナユニット12から入力された画像データに対して所定の画像処理を施して印刷データを生成し、この印刷データをIOT16へ出力する。IOT16は、コントローラ18から入力される印刷データに応じた画像を記録紙に形成して出力する(画像複写)。
なお、以下では、複写機10を例に説明するが、本発明は、パーソナルコンピュータなどから出力される画像データに応じた印刷処理を行うプリンタ機能を備えてもよく、ファクシミリ機能を備えた所謂複合機であっても良い。また、本発明は、画像読取り装置と画像形成装置が別体であっても良い。
図2に示すように、コントローラ18は、CPU20、ROM22及びRAM24がバス制御部26を介してバス28に接続されると共に、HDD30などがバス28に接続された一般的構成のマイクロコンピュータによって形成されており、コントローラ18での処理及びIOT16を用いた印刷処理がCPU20によって制御される。
また、コントローラ18には、画像メモリ32及び画像処理部34が形成されており、スキャナユニット12は、画像データDmと主走査同期信号Ls1を出力する。コントローラ18では、スキャナユニット12から入力される画像データを画像メモリ32に記憶する。画像処理部34は、画像メモリ32を制御し、例えば原稿1枚分の画像データを画像メモリ32に記憶すると、記憶した画像データを主走査同期信号Ls1に基づいたタイミングで順に読み出して、画像データに対する各種の画像処理を行って、画像データに応じた印刷データを生成する。
スキャナユニット12には、CCDセンサ36が設けられており、このCCDセンサ36によって図示しない原稿画像からR、G、Bの各色成分のデータが読み込まれる。
また、スキャナユニット12には、前画像処理部38及び後画像処理部40は設けられている。前画像処理部38では、CCDセンサ36から出力されるデータに対して、増幅処理、A/D変換処理、シェーディング補正処理、Gap補正処理及び色変換処理を行うことにより、原稿画像に基づいた画像データを出力する。
後画像処理部40では、前画像処理部38から入力される画像データから原稿画像がテキスト画像かイメージ画像かなどを判断し、この判断結果及び複写設定(例えば複写倍率、カラー複写か白黒複写かなど)等に基づいて、拡縮処理、フィルタ処理、色変換処理、γ補正処理及びED処理等を行う。これにより、原稿画像及び複写設定に応じた画像データDmがスキャナユニット12からプリンタユニット14へ出力される。
また、後画像処理部40は、画像データDmと共に画像データDmの主走査同期信号Ls1を出力するようになっている。
なお、スキャナユニット12には、図示しないCPUが設けられており、該CPUによって原稿画像の読込みと共に各種の処理が制御される。また、このようなスキャナユニット12の基本的構成は従来公知の構成を適用できる。
また、このような複写機10としては、LCD等の入力デバイスと、各種の設定キーなどによって形成される入力デバイスを備えた操作入力部を、スキャナユニット12とプリントユニット14とが共用するように設け、各種の設定が可能となると共に、カラー複写か白黒複写かなどの複写モードの設定、倍率設定、記録紙のサイズ設定、複写枚数などの複写モードの設定と共に、原稿画像に応じた画像データを生成するスキャンモードの設定が可能となるようにするなど、複写機10の基本的構成は、従来公知の一般的構成を適用されている。
このように構成されている複写機10では、スキャナユニット12に原稿が装填され、複写設定が行われた状態で図示しないスタートスイッチが操作されることにより、装着されている原稿を1枚ずつ自動送りしながら、各原稿の画像読取り(スキャン)を行う。
スキャナユニット12では、CCDセンサ36を用いて原稿の画像を読み込むと、読み込んだデータに対して、増幅、A/D変換、シェーディング補正、色変換の各処理を行うことにより、原稿に形成されている画像に応じた画像データを生成する。
さらに、スキャナユニット12では、この画像データに対して、複写設定に応じた拡縮処理、フィルタ処理、色変換処理、γ補正処理、階調処理等の各処理を行い、処理の終了した画像データDmを主走査同期信号Ls1と共にプリントユニット14のコントローラ18へ出力する。
プリントユニット14のコントローラ18では、スキャナユニット12から入力される画像データDmを、画像メモリ32に蓄積し、原稿1枚分の画像データDmを画像メモリ32に蓄積すると、主走査同期信号Ls1に基づいて画像データDmを読み出して、例えばRIP処理などの印刷処理用の画像処理を施し、画像処理によって生成した印刷データをIOT16へ出力する。
IOT16では、コントローラ18から印刷データが入力されることにより、この印刷データに基づいた印刷処理を実行する。これにより、原稿に記録された画像が複写されて出力される。
ところで、原稿には、原稿画像と共に、原稿画像の複写を禁止する複写禁止情報や複写を制限する複写条件情報などの複写制御情報が付加されているものがあり、複写機10では、原稿に複写制御情報が付加されているときには、その複写制御情報に基づいた複写制御を行うようになっている。
なお、複写制御情報には、該当する原稿画像が複写(複製)されないようにする情報(複写禁止情報)、該当原稿画像を複写するときの条件が満たされることにより複写可能とする情報(複写制限情報、複写条件情報)などがあり、また、複写条件情報では、例えば、複写を行うときに入力要求する暗証番号、複写を許可するユーザーのID番号(例えば社員番号やユーザーの登録番号など、予め複写機10のユーザーごとに設定しているID番号)、複写禁止を解除する日時(複写制限を行う期限)、複写を許可する複写機の機械番号(製造番号、登録番号など)を含ませることができる。また、複写条件情報では、原稿画像を複写するときに、複写された画像であることを明示する画像合成の指示を含むものであってもよい。
このような複写制御情報は、予め設定されたマークや、該当データをコード化したパターン画像などとして本来の原稿画像や背景画像に合成されて原稿に記録されている。また、複写制御情報は、原稿画像の背景画像に潜像として埋め込まれているものであっても良い。
スキャナユニット12には、パターンデータ抽出部42が設けられている。スキャナユニット12の前画像処理部38では、色変換を行うときに印刷出力用の画像データの生成に用いるLUTと、AE(自動露出補正)などの各種の検知用の画像データの生成に用いるLUTとが設定されており、パターンデータ抽出部42には、検知用のLUTによって色変換などの変換処理がなされた画像データが入力されるようになっている。なお、後画像処理部40には、印刷出力用として設定されているLUTを用いて変換処理が行われた画像データが出力される。
複写制御情報は、予め設定されたパターンの画像を原稿に付加することにより形成されており、パターンデータ抽出部42では、このパターン画像を抽出し、パターン画像が原稿に付加されているか否かの判定信号を出力すると共に、パターン画像が付加されているときには、パターン画像に応じたパターンデータを生成して出力するようになっている。
例えば、複写制御情報を複写禁止情報、複写条件情報あるいは潜像情報に分解する。潜像情報は、パターン画像の中にどのような潜像文字を埋め込むかを示す情報であり、この潜像に対しては、潜像情報として表す文字列を所定のフォントを使用してラスタライズすることにより二値化した潜像文字画像データを生成する。
また、複写条件情報のコード化データを誤り訂正符号化し、潜像文字画像データを参照し、複写禁止情報のコード化データと誤り訂正符号化された複写条件情報のコード化データを所定のコードデータに変換して、画像1枚分に対応するコードデータの二次元配列を生成する。例えば、条件情報を符号化する際には、配列の位置決めを容易にするために、同期コードを割り当てることができる。このときには、複写条件情報を符号化する際に、同期コードに囲まれた中に複写条件情報に対応するビット列を誤り訂正しながら所定のルールにしたがって二次元状に配列することで二次元コードを生成する。
この後に、コードデータと予め設定されているパターン画像に基づいて背景画像を生成する。このときコード配列と、コードデータに対応するパターン画像を参照し、例えば禁複製パターン画像と条件パターン画像とが所定の規則にしたがって二次元状に繰返し配置された背景画像を生成する。
複写制御情報を付加した原稿を作成するときには、原稿画像に上記背景画像を合成する。これにより、原稿には、本来の原稿画像に複写制御情報を示す所定画素数(縦画素数×横画素数)のパターン画像が、所定の規則で二次元的に繰返し付加された画像が形成される。
スキャナユニット12では、原稿に複写制御情報が付加されていることにより、この複写制御情報に基づいたパターン画像を含む画像を読み込む。これにより、パターンデータ抽出部42には、パターン画像を含む画像データが入力される。
図3には、パターンデータ抽出部42の機能ブロック図を示している。パターンデータ抽出部42は、パーターン検出処理部44、網点抽出処理部46及びマスク処理部48を含んでおり、画像データがパターン検出処理部44及び網点抽出処理部46のそれぞれに入力される。
パターン検出処理部44では、入力された画像データに対して予め設定されたウインドサイズでパターンマッチングを行うことにより複写制御情報として記録されている単位パタン画像の抽出を行う。
例えば、図4(A)及び図4(B)に示すように、パターン画像が7画素×7画素で形成されているときには、7画素×7画素でパターンマッチングを行い、これをパターン検出単位となる一つのマッチングウインド50とし、単位パターンの位置座標、ビット値、スキュー角度などを判定可能とする検出パターンデータを抽出する。
これと共に、図3に示す網点抽出処理部46では、本来の原稿画像を形成する網点を抽出する。マスク処理部48では、網点抽出処理部46で抽出した網点に基づいてマスキング処理することにより、原稿画像に含まれる網点成分を複写制限情報用の単位パターンと誤判定することを防止する。
なお、マスク処理部48では、検出パターンデータを32ビットの画像データとして出力する。
パターンデータ抽出部42には、判定部54及びバッファメモリ56が設けられており、マスク処理されることにより得られる検出パターンデータは、判定部54及びバッファメモリ56に入力される。
バッファメモリ56は、データパッキングに先立ち、検出パターンデータを順に蓄積する。また、判定部54では、検出されたマスク後の単位パターンを、さらに予め設定されたパターンカウントブロック52(図4(B)参照)ごとにパターン検出を行い、複写制御情報の判別を行う。すなわち、原稿1ページ分の画像データを複数のパターンカウントブロック52に分割して、それぞれの検出値をカウントし、禁止複写などの複写制御情報の判定を行い、原稿2複写制限情報が記録されていることを示す判定信号Sを出力する。
また、パターンデータ抽出部42には、データパッキング部58が設けられている。データパッキング部58は、バッファメモリ56に蓄積した32ビットの検出されたパターンデータ単位でパッキング処理して、パターン画像に応じたパターンデータDpを出力する。
このとき、データパッキング部58では、パターンデータDpを出力するデータバスのバス幅に合わせて生成したパターンデータDpを出力する。すなわち、バス幅が24ビットであれば、32ビットの検出パターンデータから24ビットのパターンデータDpを生成して出力し、1ビットであれば32ビットの検出パターンデータから1ビットのパターンデータDpを生成して出力する。
さらに、拡縮処理部72及び合成処理部74が設けられ、合成処理部74には、画像データDmと共にパターンデータDpが入力されるようになっており、合成処理部74では、画像データDmとパターンデータDpを合成した合成データDcを出力する。
拡縮処理部72では、原稿に対する複写設定で拡大複写又は縮小複写が設定されているときに、この複写設定に基づいてパターンデータDpに対する拡大処理又は縮小処理を行う。
これにより、画像データDmと画像サイズを合わせたパターンデータDpが合成処理部74に入力されるようにしている。なお、第1の実施の形態においては、複写設定に基づいて各種処理されたパターンデータを、パターンデータDpとして説明する。また、パターンデータ抽出部42では、拡縮処理される前の主走査同期信号Ls1に基づいて検出パターンデータのパッキング処理を行うようになっている。
図2に示すように、コントローラ18には、画像メモリ32が設けられてり、スキャナユニット12から出力されるパターンデータDpは、画像メモリ32に入力されて蓄積される。また、この画像メモリ32画像処理部34とバス28を介してCPU20に接続されており、CPU20は、画像メモリ32からパターンデータDcを読み出し、パターンデータDcからのコードデータの検出、検出したコードデータからの複写制御情報の抽出を行う。
すなわち、CPU20は、画像メモリ32に蓄積したパターンデータから複写禁止情報、複写条件情報ないし潜像情報などの複写制御情報を抽出する。
また、CPU20は、抽出した複写制御情報に基づいて、画像メモリ32に蓄積した画像データDmに対する画像処理部34の処理制御を行う。
一方、図3に示すように、本実施の形態に適用したパターンデータ抽出部42には、マスク処理部60が設けられている。バッファメモリ56に蓄積された検出パターンデータは、マスク処理部60によって、データパッキング部58に入力される。
また、マスク処理部60には、画像データDmに対する主走査同期信号Ls1が入力されるようになっており、マスク処理部60では、主走査同期信号Ls1に基づきマスク期間中はダミーデータを、マスク期間外はバッファメモリ56から検出パターンデータを読出し、読み出した検出パターンデータをデータパッキング部58へ出力する。
このとき、マスク処理部60に入力される主走査同期信号Ls1より内部でパターンデータのパッキングビット分以上の遅延(delay)時間tDが設定されている。
すなわち、CCDセンサ36を用いた画像読込みを行うときの主走査同期信号に基づいて後画像処理部40及びパターンデータ抽出部42でデータ処理を行うが、回路処理のディレイ量の差により、後画像処理部40での主走査同期信号Ls1とパターンデータ抽出部での主走査同期信号Ls2の間にズレが生じる。
このときのズレは、例えば図5(A)、図(B)に示すように、主走査同期信号Ls2に対して主走査同期信号Ls1が遅れる。
これにより、図5(B)に示すように、パターンデータ抽出部42で主走査同期信号Ls2に基づいて、検出パターンデータに対するパッキング処理してパターンデータを生成すると、主走査同期信号Ls1、Ls2の間のズレから、単位パターンデータDpの一部が欠落してしまい、パターンデータの区切りがわからなくなってしまう。
このため、図5(A)に示すように、パターンデータ抽出部42では、マスク処理部60を設け、このマスク処理部60が、主走査同期信号Ls1に基づいてバッファメモリ56からの検出パターンデータを読み出すことにより、画像データDmとパターンデータDpの間に、主走査同期信号Ls1、Ls2の間のズレが現れないようにしている。
ここから、図5(A)に示すように、パターンデータ抽出部42では、遅延時間tdを設定し、設定した遅延時間tdだけ遅らせて検出パターンデータのデータパッキングが開始されるようにしている。
また、マスク処理部60では、検出パターンデータがデータパッキング部58でパッキング処理が開始されるまでの間、マスクデータを付加する。これにより、パッキング処理されたパターンデータDpには、マスクデータが付加されてコントローラ18へ出力され、パターンデータの区切りがわかるようになる。
図6及び図7には、パターンデータ抽出部42で生成されるパターンデータ(パターンデータDp)の一例を示している。なお、図6(A)及び図7(A)は、主走査方向(主走査同期信号Ls1に対する時間軸方向)及び、副走査方向(副走査同期信号Psの時間軸方向)のそれぞれに沿ったデータ配列を示し、副走査方向に沿った1分割分が1走査ライン分のパターンデータとなっている。また、図6(B)及び図7(B)には、32ビット分のパターンデータを示している。
図6(A)及び図6(B)は、1bit形式のパターンデータの概略を示しており、図7(A)及び図7(B)は16bit形式のパターンデータを示している。
本実施の形態では、一例として検知パターンデータを32ビットで形成しており、パターンデータは、STARTビットとSTOPビットの間に、パターン位置のX座標を示す13ビットのデータ、パターン位置のY座標を示す14ビットのデータ、パターン基準角度を示す2ビットのデータ及び、パターンbit値を示す1ビットのデータによって形成されている。
図6(A)及び図7(A)に示すように、1主走査分のパターンデータには、データ値が「0」のスタートビットの先端側及び、主走査同期信号Ls1の後端側には、マスク処理部60でマスク処理されることによりダミーデータが付加されるマスク領域となっている。
図6(A)に示すように、1bit形式では、このマスク領域にデータ値が「1」のダミーデータが付加され、図7(A)に示すように、16bit形式では、マスク領域にデータ値が「FFFFh」のダミーデータが付加される。
また、図6(A)及び図7(A)に示すように、スタートビットよりも前側のマスク領域は、遅延時間tdに応じた領域となっている。
これにより、コントローラ18では、主走査同期信号Ls1からスタートビットを容易にかつ確実に検出することができ、コントローラ18で主走査同期信号Ls1に基づいてパターンデータに対する処理を行うときにも、データの欠落が生じてしまうことがなく、パターンデータの適正な処理が可能となる。
したがって、コントローラ18では、的確に複写制御情報を検出して、検出した複写制御情報に基づいた適正な複写制御を行うことができる。
ここで、図8を参照しながらプリントユニット14での処理の概略を説明する。このフローチャートは、原稿1枚分の画像データDmが入力されることにより、入力される画像データごとに実行される。なお、スキャナユニット12では、画像データDmと主走査同期信号Ls1に加えて、パターンデータ抽出部42から判定信号S、パターンデータDp及び主走査同期信号Ls1を出力する。
コントローラ18では、判定信号SがCPU20に入力され、パターンデータDp及び主走査同期信号Ls1が画像メモリ32に蓄積される。
コントローラ18に設けているCPU20は、最初のステップ200で、画像データDmを画像メモリ32に蓄積しながら、次のステップ202では、判定信号Sを確認する。
ここで、画像データDmの元の原稿に複写制御情報が形成されておらず、判定信号Sがオフしているときには、ステップ202で否定判定してステップ204へ移行し、通常の印刷処理を実行する。
これに対して、画像データDmの元となっている原稿に複写制御情報が付加されており、判定信号Sがオンしているときには、ステップ202で肯定判定してステップ206へ移行する。
このステップ206では、原稿に記録されている複写制御情報に応じたパターンデータDpが入力されたか否かを確認し、パターンデータDpが入力されてメモリ62に蓄積されると、ステップ206で肯定判定してステップ208へ移行する。
このステップ208では、パターンデータDpと共に入力される主走査同期信号Ls1に基づいてパターンデータDpを読み出し、パターンデータDpの解析を行う。すなわち、パターンデータDpからコードデータを判定し、このコードデータから複写禁止情報、複写条件情報ないし潜像情報を求める。
次のステップ210では、複写制御情報から複写禁止又は複写が禁止されている期間であるか否かを確認し、複写禁止又は複写禁止期間内であるときには、ステップ210で肯定判定して、ステップ212へ移行し、複写中止処理を実行する。この複写中止処理では、入力された画像データDmに応じた複写処理を中止するのみでなく、画像メモリ32に蓄積した画像データの削除などを含むことができる。また、印刷処理に先立って画像データをHDD30に書き込んでいるときには、HDD30に書き込んだ画像データの削除を行う。
これに対して、複写制御情報が条件付きで画像複写を許可するものであるときには、ステップ210で否定判定してステップ214へ移行する。このステップ214では、複写条件を設定し、次のステップ216では、設定された複写条件に基づいた印刷処理を実行する。
このときの処理は、例えば、特定のユーザーにのみ複写を許可するときには、ユーザIDや暗証番号などの入力を要求し、入力されたユーザーIDや暗証番号を照合することより、複写を許可するか否かを判定し、入力されたユーザーIDが複写を許可するユーザーに指定されていたり暗証番号が一致していれば、印刷処理を実行し、原稿画像の複写を行う。
また、複写条件として、複写された画像であることを明示するマークや、ユーザーIDの印刷が指定されている時には、画像処理部34でマーク画像の合成処理や、ユーザーIDの合成処理等を行って、合成処理によって生成した印刷データに基づいた印刷処理を実行する。
また、複写制御情報に基づいた処理を行ったとき(ステップ212,216)には、ログ情報を作成し、作成したログ情報をHDD30に保存することにより、複写制御情報に基づいた処理履歴を作成する。なお、複写制御情報に基づいた処理は、これらに限らず公知の一般的処理を適用することができる。
このように、複写機10では、原稿に複写制御情報が付加されているときには、その複写制御情報を的確に判定し、判定結果に基づいた的確な複写制御を行うことができる。
なお、第1の実施の形態では、パターンデータ抽出部42にマスク処理部60を設けたが、これに限らず、マスク処理部60の機能を、バッファメモリ56とデータパッキング部58が合わせ持つように構成してもよい。すなわち、図9に示すパターンデータ抽出部42Aを適用することができる。このパターンデータ抽出部42Aでは、バッファメモリ56Aに主走査同期信号Ls1が入力されるようになっている。また、順次マスク処理部48で処理されたパターンがバッファメモリ56Aに書き込まれるが、主走査同期信号Ls1に同期させて読み出すことにより、パターンデータを欠落することがなくパッキングして読み出すことができる。
また、前記ダミーデータ付加と組み合わせて、主走査同期信号Ls1に対して遅延時間tdを設けることにより、バッファメモリ56Aから検出パターンデータが入力されるデータパッキング部58Aが、検出パターンデータのパッキングに先立ってダミーデータを出力し、検出パターンデータが入力されると、STARTビットを付加して検出パターンデータをパッキングしてパターンデータDpを生成することもできる。
これにより、パターンデータ抽出部42と同様のパターンデータDpを生成することができる。
本実施の形態に適用した複写機10のスキャナユニット12では、パターンデータ抽出部42から判定信号Sと共に主走査同期信号Ls1に同期して出力するようにしており、これにより、スキャナユニットからプリントユニットへバス幅が増加することなく複写情報制御機能を実現できるため、コスト上昇を抑えることが可能となる。
また、この実施の形態では、合成した画像データとパターンデータDcを出力しているが、パターンデータを保持するメモリを1画面分もち、画像データ読取り後に、パターン画像データからパターンデータを選択してコントローラ18に読み出して処理しても良い。
一方、複写機10では、スキャナユニット12のパターンデータ抽出部42から判定信号及びパターンデータDpを、主走査同期信号Ls1に同期させて出力するようにしたが、図10に示すように、画像データDmと独立した同期信号Ls3を用いるようにしても良い。
また、第2の実施の形態に適用した図11の構成では、異なるデータバスを用いてパターンデータDpと画像データDmをプリントユニット14へ伝送すると共に、パターンデータDpをメモリ62に蓄積可能としているので、画像データDmと異なるタイミングでパターンデータDpを伝送することができる。
これにより、例えば原稿画像の縮小複写などを行うときにも縮小機能の影響を受けることなく、パターンデータDpを伝送することが可能となる。また、従来(既存)の複写機にも付加機能として追加することが可能となる。
〔第2の実施の形態〕
ここで、本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、第2の実施の基本的構成は、前記した第1の実施の形態と同一であり、以下では、第1の実施の形態と同一の部品には同一の符号を付与してその説明を省略する。
図11には、第2の実施の形態に適用した複写機70の概略構成を示している。この複写機70のスキャナユニット12Aには、拡縮処理部72及び合成処理部74がなく、画像データDmと共にパターンデータDpがコントローラ18Aに入力されるようになっている。
また、プリントユニット14Aのコントローラ18Aには、メモリ62が設けられており、スキャナユニット12Aから出力されるパターンデータDpは、メモリ62に入力されて蓄積される。また、メモリ62は、バス28を介してCPU20に接続されており、CPU20は、メモリ62からパターンデータDpを読み出し、コードデータの検出、検出したコードデータからの複写制御情報の抽出を行う。
すなわち、CPU20は、メモリ62に蓄積したパターンデータDpから複写禁止情報、複写条件情報ないし潜像情報などの複写制御情報を抽出する。
また、CPU20は、抽出した複写制御情報に基づいて、画像メモリ32に蓄積した画像データDmに対する画像処理部34の処理制御を行う。
一方、スキャナユニット12Aでは、CCDセンサ36によって原稿画像のR、G、Bの各色成分を読み込んで、8ビットの画像データDmを生成し、24本のデータバスを用いてプリントユニット14Aへ出力する。これにより、短時間での画像データの出力が可能となっている。なお、本実施の形態では、8ビットの比較的高分解能で原稿画像の読込みを行うが、画像読込みを行うときの分解能はこれに限るものではない。
スキャナユニット12Aでは、通常、このデータバスを用いて表1に示すように、R、G、Bの各色について8ビットの画像データDmを出力する。
すなわち、スキャナユニット12Aは、カラー画像をスキャンするときには、データバスからR0〜R7、G0〜G7、B0〜B7のデータを出力する。なお、ここでは、RGB値を例に説明するが、画像データDmとしては、L*a*b*値、CMYK値などを適用したものであっても良い。
合成処理部74では、この画像データDmとパターンデータDpを合成して、一組のデータバスを用いて出力する。
一組のデータバスを用いて画像データDmとパターンデータDpを伝送する方法としては、1走査ライン分ずつなどの予め設定している単位で画像データDmとパターンデータDpを交互に伝送する方法と、スキャナユニット12Aによって複数枚の原稿を連続して読み込むときにも、機械的要因によって空き時間が生じ、この空き時間に応じて、画像データDmの伝送間隔にも空きが生じることから、この空き時間を用いてパターンデータDpを伝送するように原稿1枚分の画像データDmを伝送した後、その原稿のパターンデータDpを伝送する方法がある。
このときには、パターンデータDpを24ビット(PD0〜PD23)にパッキングして、24本のデータバスにPD0〜PD23を振り分けるようにすることができる。
また、画像データでは、例えばRGB値のB値、L*a*b*値のb*値、CMYK値のY値(イエロー)などのように、下位ビットのデータが印刷出力する画像に実質的(見た目)に影響しないものがある。
ここから、例えば表3の左側欄に示すように、このようなデータの下位ビットに、パターンデータDpを嵌め込むように合成するようにしてもよい。
さらに、コピーモードなどにおいてIOT16で用いるCMYKの画像データ(印刷データ)を、スキャナユニット12AでRGB−CMYK変換を行ってCMYK値の画像データを出力することがある。
このときには、表3の右側欄に示すように、コピーモードでのフォーマットを用いることにより、C、M、Y、BK値の画像データと、PD0〜PD15の16ビットのパターンデータDpをパッキングしたフォーマットを用いるようにしてもよく、これにより、画像データDmとパターンデータDpを効率的にプリントユニット14Aへ出力することができる。
コントローラ18Aでは、画像メモリ32に蓄積した合成データDcから、パターンデータDpと画像データDmを分離し、主走査同期信号Ls1に基づいて所定の処理を行う。
このように構成した複写機70では、画像データDmとパターンデータDpを、同一のデータバスを用いて伝送するので、複写制御情報に基づいた効率的な複写制御を行うために、スキャナユニット12Aとプリントユニット14Aの間の配線数が増加してしまうのを抑えることができる。
また、複写機10では、パターンデータDpを画像データDmに合わせて拡縮処理することにより、主走査同期信号Ls1に基づいてパターンデータDpに対する処理を行うために、パターンデータDpの一部が欠落してしまうのを確実に防止することができるようにしている。
すなわち、図12(B)に示すように、検出パターンデータは、拡縮処理される前の主走査同期信号(ここでは、プリントユニット12Aへ出力する主走査同期信号Ls1と区別するために主走査同期信号Ls0とする)に同期して生成される。これに対して、画像データDmが例えば縮小率が50%で縮小されていると、スキャナユニット12Aから出力する主走査同期信号Ls1が、間引かれるかたちになる。つまり、主走査同期信号Ls0が間引かれるかたちで主走査同期信号Ls1が生成される。
これにより、検出パターンデータが間引かれてパターンデータが生成されてしまい、検出パターンデータの一部(ここでは1ラインごと)が欠落しているために、適正なパターン画像、すなわち複写制御情報の判定が困難となる。
図4(A)及び図4(B)に示すように、一つのパターン画像が一つのパターンカウントブロック52内に形成されていると、複写制御情報を得るためのコードデータを復元するためには、1パターン分の欠落のないパターンカウントブロック52のデータが必要となる。
なお、原稿面内の全部のパターンカウントブロックから、穴埋めによって個々のパターンカウントブロック52内のパターン画像を求める方法も考えられるが、正確なパターンの認識のためには、主走査ラインが連続していることが望ましい。
これに対して、スキャナユニット12Aには、拡縮処理部72が設けられており、図12(A)に縮核処理を示す。検出パターンデータから生成されたパターンデータに対して、パターンデータDp1とパターンデータDp2の主走査同期信号Ls0の前半部分だけを抽出し、主走査同期信号Ls1に同期させて読み出すことにより、パターンデータDp12、主走査同期信号Ls0の後端部分の検出結果は犠牲になるが、欠落のない連続した検出結果が得られ、高精度な解析を行える。原稿全面に情報制御パターンが埋め込まれているため、後端部分の検出結果が使用できなかったとしても問題なく複写制御情報が検出できる。
これにより、主走査同期信号Ls1の長さ(時間)に応じたパターンデータDpが生成される。このパターンデータDpでは、検出パターンデータの欠落などが生じていないため、画像データが拡縮処理されても、適正な複写制御情報を得ることが可能となる。
〔第3の実施の形態〕
次に本発明の第3の実施の形態を説明する。なお、第3の実施の基本的構成は、前記した第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同一であり、第3の実施の形態において第1ないし第2の実施の形態と同一の部品には同一の符号を付与してその説明を省略する。
図13には、第3の実施の形態に適用した複写機80の概略構成を示している。この複写機80のプリントユニット14Bに設けているコントローラ18Bは、圧縮処理部82を備えている。この圧縮処理部82は、例えばランレングス法などを適用してデータ圧縮を行う。これにより、プリントユニット14Bでは、スキャナユニット12Bから出力されるパターンデータDpが圧縮処理されてメモリ62に蓄積されるためメモリ容量が低減できる。
一方、スキャナユニット12Bは、シリアル伝送によってパターンデータ抽出部42からパターンデータDpを圧縮処理部82へ出力するようになっている。このとき、スキャナユニット12Bとコントローラ18Bの間では、主走査同期信号Ls1ではなく、副走査同期信号Psに基づいてパターンデータDpの伝送が行われるようにしている。
このように構成している複写機80では、パターンデータDpを副走査同期信号Psに基づいてスキャナユニット12Bからコントローラ18Bへ伝送する。また、コントローラ18Bでは、入力されたパターンデータDpに対して複写設定に基づいて圧縮処理して、メモリ62に蓄積する。
これにより、例えば、画像データDmが縮小処理されていても、コントローラ18Bに入力されるパターンデータDpに欠落が生じてしまうことがない。すなわち、例えば縮小率が50%となると、主走査同期信号Ls1が間引かれてしまうため、主走査同期信号Ls1に基づいてパターンデータDpを伝送すると、パターンデータDpに欠落が生じてしまう。
これに対して、縮小処理されても間引かれることのない副走査同期信号Psに基づいてパターンデータDpを伝送することにより、コントローラ18Bに入力されるパターンデータDpに欠落が生じることがない。
また、コントローラ18Bでは、縮小倍率に基づいて圧縮処理を施したパターンデータDpをメモリ62に蓄積するので、このパターンデータDpから適正な複写制御情報の判定が可能となる。
したがって、原稿2付加された複写制御情報に基づいた適正な複写制御を行うことができると共に、このときに生産性が低下してしまうのを確実に抑えることが可能となる。
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではなく、本発明は、原稿画像を読み取って、原稿画像に応じた画像を形成する任意の構成の画像形成装置に適用することができる。