JP2006269378A - 屋内照明設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 部屋の条件を考慮したうえで、部屋の用途に合った明るさ感の照明環境を実現する照明器具、照明器具の組み合わせを、照明の専門知識を持たない一般ユーザが手軽に選択できる屋内照明設計方法を提供する。
【解決手段】 色モード境界輝度に基づいて部屋の所要明るさ感単位を決定して(ステップS1)、部屋の形状、内装レイアウトより照明器具の設置位置を決定する(ステップS2)。そして、標準条件における照明器具個別の色モード境界輝度に基づいて照明器具個別の明るさ感単位Xiを設定し、照明器具個別の明るさ感単位Xiを加算した合計が、その部屋の所要明るさ感単位Yとなるように、部屋の用途、雰囲気に合った照明器具を選択する(ステップS3)。
【選択図】図1

Description

本発明は、屋内照明設計方法に関するものである。
従来、様々な照明設計方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
屋内照明の設計は、照明に関する専門知識を持った一部の専門家によって行なわれるものであるが、ここで照明設計を「室内に必要な明るさおよび雰囲気を満足するために適切な照明器具を選択すること」であると広義に捉えた場合、一般ユーザがカタログ等を見て自分の部屋に合った照明器具を選択する行為もまた照明設計の一部分であると考えることができる。
従来、照明メーカでは、そのような一般ユ−ザの照明設計の目安となるように、照明器具の出力(光源W数等)やデザイン等の照明器具に関する情報の他に、例えば住宅照明用のシーリングライトの場合では、各器具の配光データから照度計算した結果に基づいてJIS照度基準レベルの水平面照度が概ね満足できる部屋の広さを特定し、適合畳数「6〜8畳用」等とカタログに表記していた。また、照明器具を部屋に設置した場合の空間の雰囲気をユーザに伝えるために、モデルルームに器具を設置したイメージ写真やCG画像を掲載する方法が採用されていた。
従来の屋内照明設計方法の具体例を図21のフローチャートに示す。まず、部屋の用途にしたがって所要照度を決定し(ステップS101)、用途や雰囲気に合った照明器具を選択する(ステップS102)。次に、部屋の間口、奥行、天井高さといった部屋の形状により決定される室係数を算出し(ステップS103)、照明メーカーより提供される照明器具の配光データより照明率を決定する(ステップS104)。さらに、部屋の使用状態(塵埃の量や換気の程度による照明器具の汚れ度合)によって保守率を決定し(ステップS105)、これら照明率、保守率と照明器具に使用される光源の光束から、下記光束法の式
E=F・N・U・M/A
E:所要照度(lx)
F:光源の光束(lm)
N:器具台数
U:照明率
M:保守率
A:部屋の面積(m
を用いて、所要照度を満足する照明器具の台数を決定する(ステップS106)。最終的には、部屋の形状を考慮して照明器具のレイアウトを決定したうえで、実際の設置台数を決定するという流れになる。
特開平9−320311号公報 特開2003−151308号公報
上記従来の適合畳数表示等の方法では、照明器具単体を配置した場合の水平面照度が規定のレベルを満足するか否かという情報は提供できるが、複数の照明器具を使う場合や、種類の異なる照明器具を組み合わせて使う場合には、各照明器具の配光データから照度計算をする必要があり、そのような作業は煩雑であるうえ、ある程度の専門的な知識を持った人でなければできないものであった。また、間接照明や壁面照明を施した部屋では、その部屋全体を見た場合の明るさ感は水平面照度だけでは規定できないことが、既往の研究結果から明らかになっている。
また、従来のイメージ写真やCG画像をカタログに掲載する方法では、ある特定の条件下での照明の印象しか伝えることができず、ユーザの希望する様々な部屋の条件(内装や器具の配置)での照明の印象を伝えるには至っていない。
また、図21に示す従来の屋内照明設計方法は、平均照度に基づくものであり、1種類の照明器具を天井に均等配置するような均一の照明環境の場合は有効であるが、複数種類の照明器具を使用する場合や、間接照明の場合には適用困難である。また、スタンドやブラケット等で設置する照明器具を用いるような不均一な照明環境において、見た目の明るさ感が問われる場合には適用できない。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、一室複数灯での間接照明や壁面照明を主体とするデザイン性の高い部屋において、部屋の条件を考慮したうえで、部屋の用途に合った明るさ感の照明環境を実現する照明器具、照明器具の組み合わせを、照明の専門知識を持たない一般ユーザが手軽に選択できる屋内照明設計方法を提供することにある。
請求項1の発明は、部屋を照明する照明器具の光源とは別の光源を用いて表面の輝度が変化する色票を部屋内に備えて、在室者から見た色票が部屋内に置かれた物体として認識される輝度のレベルと自ら発光している光源として認識される輝度のレベルとの中間である不自然な色の見え方になるときの色票の輝度である色モード境界輝度に基づいて、照明する部屋に応じて決められる所要明るさを評価する単位として所要明るさ感単位を設定し、所定条件下での照明器具個別の明るさを評価する単位として照明器具個別の明るさ感単位を設定して、使用する照明器具個別の明るさ感単位の加算値が、部屋の所要明るさ感単位となるように使用する照明器具を選定することを特徴とする。
この発明によれば、一室複数灯での間接照明や壁面照明を主体とするデザイン性の高い部屋において、部屋の条件を考慮したうえで、部屋の用途に合った明るさ感の照明環境を実現する照明器具、照明器具の組み合わせを、照明の専門知識を持たない一般ユーザが手軽に選択できる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記色票を矩形の部屋の略中央に配置し、在室者が矩形の部屋のいずれか1つの壁面の略中央から色票を見て色モード境界輝度を測定することを特徴とする。
この発明によれば、矩形の部屋で色モード境界輝度を測定する場合、明るさ感単位の設定のために用いる色モード境界輝度を、より正確に効率よく測定することができる。
請求項3の発明は、請求項1において、在室者から見た色票の位置が照明器具の光源の位置と重ならないようにして、照明器具個別の色モード境界輝度を測定することを特徴とする。
この発明によれば、照明器具個別の明るさ感単位の設定のために用いる色モード境界輝度を、より正確に効率よく測定することができる。
請求項4の発明は、請求項1において、照明器具個別の明るさ感単位を、照明器具の設置位置および照射方向に応じて設定することを特徴とする。
この発明によれば、設置位置や照射方向に関してさまざまなバリエーションを持った照明器具に対応することが可能となり、ユーザーの照明設計に関する選択の幅を広げることができる。
請求項5の発明は、請求項1において、照明器具個別の明るさ感単位を設定するための所定条件の部屋において、天井からの拡散配光の光源で全般照明する場合の照度と色モード境界輝度との関係式を導出し、次に前記所定条件の部屋を天井からの拡散配光の光源で全般照明する場合の所要照度を、部屋の用途に応じて決定し、次に任意の大きさの部屋において、前記部屋の用途に応じて決定した所要照度を拡散配光の光源で確保する光束量を算出し、次に前記所定条件の部屋を拡散配光の光源で照明する場合に、前記算出した光束量で照明したときの照度を算出し、次に前記照度と色モード境界輝度との関係式に前記算出した光束量で照明したときの照度を代入することによって算出される色モード境界輝度を用いて、ある任意の大きさの部屋の所要明るさ感単位を設定することを特徴とする。
この発明によれば、任意の大きさの部屋に対応でき、照明設計の適用範囲の拡大を実現することができる。
請求項6の発明は、請求項1において、照明する部屋を使用する人に応じて所要明るさ感単位を変えることを特徴とする。
この発明によれば、対象とする在室者の視覚特性に合った明るさ感の照明環境を実現することができる。
以上説明したように、本発明では、一室複数灯での間接照明や壁面照明を主体とするデザイン性の高い部屋において、部屋の条件を考慮したうえで、部屋の用途に合った明るさ感の照明環境を実現する照明器具、照明器具の組み合わせを、照明の専門知識を持たない一般ユーザが手軽に選択できるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本発明の屋内照明設計方法は、屋内空間に照明器具を設置しようとする場合に、所要の明るさや雰囲気を実現するためには、どのような照明器具を設置する必要があるのかを決定する屋内照明設計方法に関するものであり、そのフローチャートを図1に示す。
まず、後述する色モード境界輝度に基づいて部屋の所要明るさ感覚評価単位Y(以下、「明るさ感覚評価単位」を「明るさ感単位」と呼ぶ)を決定して(ステップS1)、部屋の形状、内装レイアウトより照明器具の設置位置を決定する(ステップS2)。
そして、標準条件における照明器具個別の色モード境界輝度に基づいて照明器具個別の明るさ感単位Xiを設定し、照明器具個別の明るさ感単位Xiを加算した合計が、その部屋の所要明るさ感単位Yとなるように、部屋の用途、雰囲気に合った照明器具を選択する(ステップS3)。
すなわち、空間の明るさ感を規定する「明るさ感単位」を照明器具毎に設定することによって、部屋の条件を考慮したうえで、所要の明るさ感の照明環境を実現する照明器具および照明器具の組み合わせを、上述した従来の光束法では必要な専門の知識を持たない一般ユーザ自らが簡単な足し算のみで手軽に選択できることを特徴としている。
本発明では、上記「明るさ感単位」を定量的に把握する手法として、照明認識視空間の概念における色モード境界輝度の測定(参考文献1:照明認識視空間の明るさサイズの測定による実環境における空間の明るさ感の評価、照明学会誌、第86巻第11号、2002、P830〜836、山口他)を用いており、照明された部屋に置かれた色票(以下、テストパッチと呼ぶ)を在室者(被験者)から見た見え方が、その部屋内に置かれた物体(物体色)として認識される輝度のレベルと自ら発光している光源(光源色)として認識される輝度のレベルとの中間である、その部屋に置かれた物体としては不自然な色の見え方になる輝度のレベル(これを「色モード境界輝度」と呼ぶ)を測定することによって、照明された部屋の明るさ感を定量的に表すものである。
また、不均一な照明環境において色モード境界輝度の加法性が成り立つことが示されており(参考文献2:不均一な照明環境における空間の明るさ感の加法性、第36回照明学会全国大会講演論文集、P154、2003、山口他)、ある照明環境Z1が、照明環境Z2とZ3との和であるとき、照明環境Z2,Z3における各々の色モード境界輝度の和で照明環境Z1における色モード境界輝度が予測できることが実証されている。
以上から、照明認識視空間の概念における色モード境界輝度を測定することによって、空間の明るさ感を定量的に把握することができ、ある照明器具を設置した部屋の明るさ感を規定する「明るさ感単位」を設定することが技術的に可能であるといえる。
まず、色モード境界輝度による内装の異なった室内の明るさ感評価を、10畳のリビングルームを想定したミニチュア模型を使用して行なった例について以下説明する。
使用したミニチュア模型の構成は図2に示され、部屋Rは横45cm、奥行36cm、高さ25cmの直方体状で、天井R2中央に設置された乳白アクリルグローブ付きシーリングライトを模した光源1により、室内はほぼ均一に照明されている。また、この光源1は、天井R2裏に設置された電球型蛍光灯(電球色)のアクリルグローブからの距離を変化させること、および中性濃度フィルターを挿入することで光量の調節が可能となっている。室内の床R3上に設置したソファ2a,2b、テーブル3a、ローボード4aの家具は、全てつや消しで無彩色、単一明度の色票のみで作られている。
そして、本実施形態で検討した5つの室内環境H、M、L、H−、L+、および基準環境H0について図3に示しており、壁R1、天井R2、床R3、ソファ2a,2b、テーブル3a、ローボード4aの各明度と反射率を各々の環境について示している。なお、明度はマンセル値で示しており、( )内数字は反射率を示す。
環境HおよびH0は、中明度から高明度までの色票で構成されており、環境Mは環境Hと比較して反射率が全体的に1/2となるように構成され、環境Lは環境Mと比較して反射率が全体的に1/2となるように構成されている。
また、環境H−は、色モード境界輝度を測定するテストパッチの背景となる壁R1、天井R2の反射率は環境Hと同一であるが、床R3、ソファ2a、ローボード4aを反射率の低いものに置き換えた環境である。
また、環境L+は、テストパッチの背景となる壁R1、天井R2の反射率は環境Lと同一であるが、床R3、ソファ2a、ローボード4aを反射率の高いものに置き換えた環境である。
上記5つの室内環境H、M、L、H−、L+について、部屋中央の床R3面の照度(床面照度)を75lx、150lx、300lxの3段階に設定して室内の明るさ感評価を実施した。
実施した評価の内容は、従来の手法である明るさ感評価タスクと、本発明の手法である色モード境界輝度設定タスクとの2つのタスクで構成される。そして、上記ミニチュア模型で、環境H0の基準室と、5つの環境H、M、L、H−、L+の比較室とを作成し、被験者は、暗室に隣り合わせて置かれた環境H0の基準室と、5つの環境H、M、L、H−、L+のうちいずれかの環境の比較室との2つのミニチュア模型に対して、明るさ感評価と色モード境界輝度設定とを行なった。
従来の手法である明るさ感評価にはマグニチュード推定法(ME法)を用い、ME法とは、上記ミニチュア模型に比較の基準となる環境を設定した基準室(基準となる空間)の明るさ感を100とした場合に、比較対象となる比較室(他の環境の空間)の明るさ感がどの程度かを100に対する数字で応える手法である。本実施形態では、基準環境を環境Hと同一環境であるH0とし、環境H0における床面照度が75lx、150lx、300lxの3段階のレベルを基準として評価を行った。つまり、環境H0で床面照度75lxを基準として、上記5つの環境H、M、L、H−、L+について各々床面照度を75lx、150lx、300lxの3段階に設定した場合の計15条件の明るさ感評価と、同様に環境H0で床面照度150lxを基準とした15条件の明るさ感評価と、さらに同様に環境H0で床面照度300lxを基準とした15条件の明るさ感評価とを行なった。
本発明の手法である色モード境界輝度設定には、図4に示すテストパッチ輝度提示装置5を、小型光源を用いてミニチュア模型に合わせて縮小したものを使用した。
テストパッチ輝度提示装置5は、設置プレート5g上に設置された、光源にハロゲン電球を用いたスライドプロジェクターで構成される光源システム5bを収納した光源ボックス5a、回転濃度フィルター5dを収納した光学系ボックス5c、可動式平面ミラー5e、支持具5fによって設置プレート5aから1100mmの高さに設けられたテストパッチTとからなる。テストパッチTは、光源システム5bから回転濃度フィルター5dを通った光が可動式平面ミラー5eで反射して局所照明されている。被験者は、手元のスイッチで回転濃度フィルター5dを回転させることで自由にテストパッチTの輝度を調節することが可能である。また、テストパッチTは照明の影響をほとんど受けないように照射面を下向きに斜め45°に傾けてある。テストパッチTは、60mm×60mmの大きさで、被照射面はN5,グレーの紙面からなる。
評価の具体的な手順について以下に説明する。被験者はまず、床面照度を75lx、150lx、300lxの3段階のうちのある照度に設定された環境H0の基準室を観察し、室内に置かれたテストパッチ輝度提示装置5を操作して、テストパッチTの色モード境界輝度を連続で3回設定する。次に、5つの環境H、M、L、H−、L+のうちのある環境の比較室を、床面照度を75lx、150lx、300lxの3段階のうちのある照度に設定して観察し、テストパッチ輝度提示装置5を操作して、テストパッチTの色モード境界輝度を連続で3回設定する。その後、ME法を用いて、基準室の明るさ感を100とした場合の比較室の明るさ感を数字で答える。
さらに、基準室の床面照度を同一に保った状態で、比較室の床面照度を変化させた場合の色モード境界輝度設定、およびME法による評価を行う。そして、比較室の床面照度を上記3段階に順に設定し、各床面照度に対して色モード境界輝度設定、およびME法による評価を行なう。
そして、基準室の床面照度、比較室の環境を変えて上記同様のタスクを行うことで、3段階の床面照度に各々設定した環境H0の基準室に対する、3段階の床面照度および5つの環境H、M、L、H−、L+の比較室15条件のME評価値(全45条件)と、図3に示す6つの環境H0、H、M、L、H−、L+に各々設定した3段階の床面照度での色モード境界輝度設定値(全18条件)とを得る。評価に参加した被験者は、色覚、視力ともに正常な4名である。
図5は、1名の被験者HYの色モード境界輝度設定結果(図5(a))と、4人の被験者の色モード境界輝度設定結果の平均(図5(b))とをプロットしたグラフであり、横軸は床面中央での水平面照度(床面照度)、縦軸は被験者が設定した色モード境界輝度を示しており、両軸とも対数目盛となっている。図中のシンボルは、黒丸が、ME法での明るさ感評価の基準室である環境H0の色モード境界輝度を示しており、以下白丸、白三角、白四角、黒丸、黒四角が、各々環境H,M,L,H−,L+における色モード境界輝度を示している。図5(a)に示す被験者HYのグラフの各プロットは、各条件で3回設定した境界輝度設定値の平均値であり、図5(b)に示す全被験者平均のグラフの各プロットは、被験者毎の境界輝度設定値の平均値を4名分平均した値であり、各プロットの上下に表示した誤差棒は、被験者4名の平均値に対する標準偏差を示している。
ここで図5のグラフから、被験者HYの結果と全被験者の平均の結果の各傾向は概ね一致していると判断できることから、被験者HYの結果(図5(a))をもとに考察を加える。まず、床面照度300lxにおける色モード境界輝度は、同一環境である環境H0と環境Hとでは当然差が見られない。次に環境H0と他の環境とを比較すると、環境Mでの色モード境界輝度は環境H0に比べて約50%に減少し、環境Lでの色モード境界輝度は環境H0に比べて約30%に減少している。つまり、床面での照度が同一であっても、内装反射率を変化させることによって、色モード境界輝度が変化することを示している。
そこで、内装反射率の変化量と色モード境界輝度の変化量との関係をみてみると、図3に示すように環境Mの内装反射率は環境H0の内装反射率を一様に約50%にしたものであり、環境Lの内装反射率は環境H0の内装反射率を一様に約25%にしたものである。したがって、色モード境界輝度の変化は、内装反射率の一様な変化に対応しているといえる。
一方、テストパッチTの背景が環境Hと同一である環境H−における色モード環境輝度は、環境Hにおける色モード環境輝度より低く、環境Hに比べて約70%に減少しており、テストパッチTの背景が環境Lと同一である環境L+における色モード環境輝度は、環境Lにおける色モード環境輝度より高く、環境Hに比べて約60%にまでしか減少していない。つまり、テストパッチTの近接背景の輝度のみでは色モード境界輝度が決定されていないことがこの結果からいえる。
他の床面照度150Lx,75Lxにおいても、環境H0,Hと、他の環境M,L,H−,L+との各色モード環境輝度の関係は、床面照度300lxにおける関係と同じであることが図5のグラフから明らかである。つまり、シンボル間を結ぶ線は各環境間で互いにほぼ平行であり、環境の内装反射率に依存してY軸方向の位置が決定されると考えられる。これらの傾向は全被験者の平均値においても同様である。
次に、図6(a)〜(c)に環境H0を基準とした空間(基準室)に対する、他の環境H,M,L,H−,L+の空間(比較室)の明るさ感をME法で評価した結果を示す。左側のグラフが被験者HYの評価結果を示し、右側のグラフが被験者4名の評価結果の平均値を示す。また、図6(a)は基準室を床面照度300lx、図6(b)は基準室を床面照度150lx、図6(c)は基準室を床面照度75lxに設定した場合の結果である。グラフの横軸は、比較室の床面照度を示しており、縦軸は基準室の明るさ感を100とした場合の比較室の明るさ感を被験者が回答した値である。なお、図中の各シンボルは図5と同様である。
以下、図6の被験者HYの結果について考察する。まず、環境H0の基準室を床面照度300lxに設定した図6(a)で、床面照度300lxに設定した他の環境の評価結果をみてみると、環境H0と同一の環境である環境Hに対する明るさ感評価値はほぼ100である。内装反射率が環境H0に比べて一様に50%に減少している環境Mに対する明るさ感評価値は約80であり、内装反射率が環境H0に比べて一様に25%に減少している環境Lに対する明るさ感評価値は約50であった。内装反射率が一様な変化をした場合、色モード境界輝度の変化量は内装反射率の変化量に等しかったが、ME法による明るさ感評価値は内装反射率の変化量と比較して変化量が少ないことがわかる。また、環境H−と環境L+に対する明るさ感評価値は、内装反射率の構成が大きく異なるにも関わらず、両方とも80〜90の値を示しており、あまり差がみられない結果となった。
また、図6(a)で比較室の床面照度を150lxに設定した場合の各環境の評価結果は、床面照度を300lxに設定した場合に比べてほぼ一様に20ずつ低下している。同様に図6(a)で比較室の床面照度を75lxに設定した場合の各環境の評価結果は、床面照度を150lxに設定した場合に比べてほぼ一様に20ずつ低下している。つまり、図5に示す色モード境界輝度設定による評価と同様に、ME法による明るさ感評価の場合も、シンボル間を結ぶ線は各環境間で互いにほぼ平行であるので、床面照度が明るさ感評価値に与える影響は環境によらず一定であり、各環境の内装の違いによって、床面照度が同じでも明るさ感評価値の絶対値が異なっていると考えられる。これらの傾向は、被験者4名の評価結果の平均値においても同様であり、環境H0の基準室を床面照度150lxに設定した図6(b)、基準室を床面照度75lxに設定した図6(c)においても同様である。
図7は、基準室と比較室での色モード境界輝度の対数値での比を横軸、ME法による明るさ感評価値を縦軸として、それらの相関関係を表したグラフである。このグラフは、ME法によって得られた明るさ感評価値が基準室に対する明るさ感の比であることから、色モード境界輝度設定も基準室における色モード境界輝度と比較室における色モード境界輝度との比を算出して明るさ感評価値との対応をみたものであり、基準室と比較室との全ての組み合わせにおける全被験者の色モード境界輝度の比と明るさ感評価値とをプロットしてある。図中のシンボルは、白の菱形は基準室の床面照度が300lxにおける色モード境界輝度と明るさ感評価値との相関を示しており、灰色の菱形は基準室の床面照度が150lxにおける色モード境界輝度と明るさ感評価値との相関を示しており、黒の菱形は基準室の床面照度が75lxにおける色モード境界輝度と明るさ感評価値との相関を示している。
そして図7中の直線10は、全てのプロット点に対して線形回帰で求めた直線であり、その決定係数は0.82と非常に高い値を示している。したがって、基準室に対する比較室の明るさ感評価値は、比較室における色モード境界輝度の対数値と基準室における色モード境界輝度の対数値との比と線形な比例関係にあるといえる。また、この直線10の傾きは108.2とほぼ100に近い値を示していることから、基準室に対する明るさ感評価値と色モード境界輝度の対数値の比とは等価であるといえる。以上のことから、内装の異なった室内の場合においても色モード境界輝度によって空間の明るさ感を定量的に記述できることが実証された。
以下、照明された室内の「明るさ感単位」を色モード境界輝度によって設定する本実施形態の屋内照明設計方法について説明する。本実施形態では、明るさ感単位としてFeu(フー)という単位を設定し、[数1]で表される。
Figure 2006269378
まず、図8に示す、一面をロールスクリーン8(白色、反射率80%)で仕切った広さ8畳(3500mm×3500mm)、天井(白クロス)および壁(白クロス)の反射率80%、床(フローリング)の反射率10%の矩形の住宅居室を標準条件の測定環境として準備し、図4に示すテストパッチ輝度提示装置5を用いて、測定環境に図9に示すような様々な照明器具La1〜La7を単体で個別に配置した場合の色モード境界輝度を測定し、上記[数1]に基づいて照明器具個別の明るさ感単位Xi(Feu値(feu))を算出する。ここで、照明器具La1〜La7個別の明るさ感単位Xiは、照明器具La1:1feu、照明器具La2:2feu、照明器具La3:2feu、照明器具La4:6feu、照明器具La5:5feu、照明器具La6:9feu、照明器具La7:8feuである。
次に、上記測定環境に、図10に示すような乳白アクリルカバーが付いた天井直付のシーリングライトLa20を部屋中央に設置する。シーリングライトLa20は、25%〜100%の範囲で調光可能であり、フル点灯(調光率100%)時、色モード境界輝度:29.1(cd/m)、明るさ感単位:15(feu)、部屋中央床面照度:413lxであり、下限点灯(調光率25%)時、色モード境界輝度:10.1(cd/m)、明るさ感単位:5(feu)、部屋中央床面照度:108lxとなる。そして、被験者4名の主観評価によって、ちょうどよい明るさとなるように調光した場合の色モード境界輝度を測定し、[数1]より測定環境における所要明るさ感単位Yを設定する。この場合、被験者4名の平均をとると、色モード境界輝度:16.4(cd/m)、明るさ感単位:8(feu)、部屋中央床面照度:214lxとなり、所要明るさ感単位Yは8(feu)となる。(図1のステップS1)。
次に、部屋の形状、内装レイアウト、大きさより照明器具の設置位置を決定する。(図1のステップS2)。
次に、上記所要明るさ感単位Y:8(feu)を満足する照明器具の組み合わせを照明器具La1〜La7から選択する。例えば図8に示すように、照明器具La1(1feu),La3(2feu),La5(5feu)を組み合わせれば、照明器具個別の明るさ感単位Xiの合計が、1feu+2feu+5feu=8feuとなり、上記条件を満足する。(図1のステップS3)。
このように、所要の明るさ感の照明環境を実現する照明器具および照明器具の組み合わせを、専門の知識を持たない一般ユーザ自らが簡単な足し算のみで手軽に選択できる。
(実施形態2)
本実施形態では、色モード境界輝度測定時のテストパッチTの位置について説明する。まず、実験設備を図11に示す。長辺×短辺が7280mm×6330mmの略L字の実物大のリビング・ダイニング・キッチンを模した実験空間を遮光カーテン7(ライトグレー、反射率50%程度)で間仕切ることによって、10畳程度の4500mm×3600mmの矩形のリビングルームL単体として使用した。部屋内の長手方向の一端にはソファ2cとサイドテーブル6aを並べて配置し、長手方向他端にはローボード4bを配置し、短手方向一端の壁側にはソファ2d,2dを配置し、照明器具として、ソファ2c横(短手方向の一端側)のサイドテーブル6a上に60W×1灯のデスクスタンドLa8を配置し、ローボード4b横(短手方向の他端側)に60W×1灯のフロアスタンドLa9を配置した。両スタンドLa8,La9を点灯させたときの照度は、部屋中央部床面で30lx程度で、JISZ9110照度基準における住宅居間下限レベルの明るさのリビングルームLであった。そして、テストパッチ輝度提示装置5を床上に配置する。
上記リビングルームLで、色モード境界輝度を測定する観測条件は、図12(a)に示すように、図11と同様の家具、器具配置を行なったリビングルームLにおいて、テストパッチTを部屋の長手方向一端から他端側に2700mmの位置に配置し、長手方向一端側のソファ2cに座った被験者の観測位置Pから長手方向他端側が観測方向となり、テストパッチTの位置を被験者の視線と垂直方向に移動させた3条件、すなわち短手方向他端側のT1、短手方向中央のT2、短手方向一端側のT3の3箇所で実験を行なった。
さらに、図12(b)に示すように、ローボード4bを撤去してソファ2dを配置し、テストパッチTを部屋の長手方向他端から一端側に2700mmの位置に配置し、長手方向他端側のソファ2dに座った被験者の観測位置Pから長手方向一端側が観測方向となり、テストパッチTの位置を被験者の視線と垂直方向に移動させた3条件、すなわち短手方向他端側のT4、短手方向中央のT5、短手方向一端側のT6の3箇所でも実験を行なった。
また、各観測条件に対して、(1)フロアスタンドLa9のみを点灯した場合、(2)デスクスタンドLa8のみを点灯した場合、(3)デスクスタンドLa8、フロアスタンドLa9両方を点灯した場合、の各々について色モード境界輝度の測定を行なった。
そして、1つのセッション内で上記3つの点灯パターンでの測定を行ない、1つのセッション終了毎に被験者が交代し、測定回数は、同一条件のもとで被験者毎に、1セッション目:3回、2セッション目:3回、3セッション目:2回、4セッション目:2回の合計10回の測定を実施し、10回の測定値の平均値を各観測条件の色モード境界輝度の値とした。
図13は、図12(a)のリビングルームLでの実験結果を示し、図14は、図12(b)のリビングルームLでの実験結果を示す。図中のシンボルは、黒ひし形がフロアスタンドLa9のみ点灯、黒四角がデスクスタンドLa8のみが点灯、白三角がデスクスタンドLa8、フロアスタンドLa9両方の点灯を示し、×が各照明器具単体の色モード境界輝度の和を示す。図13,図14において、フロアスタンドLa9のみ点灯の場合と、デスクスタンドLa8のみ点灯の場合との各結果に着目して比較すると、フロアスタンドLa9のみ点灯の場合はテストパッチT1,T4の各色モード境界輝度の互いの差が大きく、デスクスタンドLa8のみ点灯の場合はテストパッチT3,T6の各色モード境界輝度の互いの差が大きくなっていることがわかる。一方、テストパッチT2,T5の各色モード境界輝度の互いの差は小さい。
すなわち、照明された室内の「明るさ感単位」をある特定の箇所での色モード境界輝度によって設定する場合には、部屋の略中央にテストパッチTを置いて色モード境界輝度を測定すれば、観測方向の違いによる差が比較的小さく、測定条件が最も適切となる。
例えば、実施形態1の図8と同様の矩形の住宅居室を測定環境として準備し、図4に示すテストパッチ輝度提示装置5を用いて、図9に示すような様々な照明器具La1〜La7を単体で各々配置した場合の色モード境界輝度を測定したり、所要明るさ感単位Yを設定するためにシーリングライトLa20を、被験者4名の主観評価によってちょうどよい明るさとなるように調光した場合の色モード境界輝度を測定するときに、図15に示すように、被験者が1つの壁面略中央に沿って配置したソファ2eに腰掛けた状態で、1つのテストパッチTを部屋の略中央に配置して上記測定を行なうことで、より正確に効率よく測定することができる。
(実施形態3)
図12(a)において、テストパッチT1を配置した場合、観測位置Pからの視線方向にフロアスタンドLa9の発光部が入っており、また図12(b)において、テストパッチT6を配置した場合、観測位置Pからの視線方向にデスクスタンドLa8の発光部が入っており、高さ的に発光部とテストパッチT1,T6との位置が重なる状況である。このように、テストパッチTと光源(高輝度部)との位置関係によって、色モード境界輝度が大きく左右されると考えられる。
上記結果から、色モード境界輝度の測定では光源位置の影響が大きく、室内の明るさ感を1つの代表値で表現する場合は、被験者からみたテストパッチTの位置が、照明器具の光源等の発光部と重ならないように留意する必要がある。
例えば、実施形態1の図8と同様の住宅居室を測定環境として準備し、図4に示すテストパッチ輝度提示装置5を用いて、図9に示す透過型セードを有する照明器具La7を単体で配置した場合の色モード境界輝度を測定するときに、図15に示すように、被験者が1つの壁面略中央に沿って配置したソファ2eに腰掛けた状態で、1つのテストパッチTを部屋の中央に配置し、被験者からみてテストパッチTと照明器具La7とが重ならないように照明器具La7を配置することで、より正確に効率よく測定することができる。
(実施形態4)
本実施形態では、照明器具の位置と照射方向による色モード境界輝度の違いについて説明する。まず、スタンドやブラケットを用いた照明器具、スポットライト等の照明器具を室内に設置して、色モード境界輝度を測定した実験について説明する。
測定条件は図16に示すように、実施形態1の図8と同様の住宅居室を測定環境として準備し、図16中のA〜Kは照明器具の設置位置を示し、D,Eの各位置には配線ダクト9が設置されている。ここで、A〜Kの各位置座標を最寄のコーナーからの距離(mm)で表すと、A:(400,400)、B:(600,600)、C:(250,250)、D:(1750,1750)、E:(600,1750)、F:(100,1750)、G:(1100,0)、H:(0,0)、I:(400,400)、J:(400,400)、K:(100,600)であり、A,C,F,I,J,Kは床置き、B,D,Eは天井設置、Gは壁面設置、Hはコーナー設置である。また、被験者が1つの壁面略中央に沿って配置したソファ2eに腰掛けた状態で、1つのテストパッチTを部屋の中央に配置し、照明器具は、被験者からみてテストパッチTに光源(高輝度部)が重ならないように配置する。被験者は、正常な視力、色覚を有する35歳の男性1名であり、同様の色モード境界輝度測定を数回経験して比較的習熟度は高い。そして、照明器具毎に標準的な設置位置1点毎に、6回の色モード境界輝度測定を実施し、6回分の測定値の平均値をその位置における色モード境界輝度の値とした。照明器具の標準的な設置位置が複数の場合は、その設置位置毎に上記6回の測定を行なう。
照明器具La4,La7,La10,La11の色モード境界輝度の測定結果、照明器具個別の明るさ感単位Xi、部屋中央床面照度を図17,図18に示す。照明器具La10は、A位置に設けた高さ450mmの台上に設置され、色モード境界輝度の測定値:1.1(cd/m)、照明器具個別の明るさ感単位Xi:1(feu)、部屋中央床面照度:2(lx)となる。照明器具La7は、A位置に設置され、色モード境界輝度の測定値:15.7(cd/m)、照明器具個別の明るさ感単位Xi:8(feu)、部屋中央床面照度:106(lx)となる。照明器具La11は、床面からの高さ1800mmで、B位置、D位置に設置され、B位置での色モード境界輝度の測定値:18.8(cd/m)、照明器具個別の明るさ感単位Xi:9(feu)、部屋中央床面照度:164(lx)となり、D位置での色モード境界輝度の測定値:23.0(cd/m)、照明器具個別の明るさ感単位Xi:12(feu)、部屋中央床面照度:217(lx)となる。照明器具La4は、D位置、E位置に設置され、各位置で床面中央、および壁面中央を照射しており、D位置で壁面照射時の色モード境界輝度の測定値:12.3(cd/m)、照明器具個別の明るさ感単位Xi:6(feu)、部屋中央床面照度:20(lx)となり、D位置で床面照射時の色モード境界輝度の測定値:4.1(cd/m)、照明器具個別の明るさ感単位Xi:2(feu)、部屋中央床面照度:223(lx)となり、E位置で壁面照射時の色モード境界輝度の測定値:8.0(cd/m)、照明器具個別の明るさ感単位Xi:4(feu)、部屋中央床面照度:19(lx)となり、E位置で床面照射時の色モード境界輝度の測定値:4.4(cd/m)、照明器具個別の明るさ感単位Xi:2(feu)、部屋中央床面照度:67(lx)となる。
上記結果より、例えば、照明器具La11では、設置位置B,Dで色モード境界輝度の測定値に違いが見られ、また照明器具La4では、設置位置D,Eで色モード境界輝度の測定値に違いが見られるともに、同じ設置位置でも照射方向の違いによっても色モード境界輝度の測定値に違いが見られる。
したがって、照明器具を単体で配置した場合の色モード境界輝度を測定するときには、同一の照明器具で設置位置、照射方向が違う状態での色モード境界輝度を測定することで、照明器具個別の明るさ感単位Xiを照明器具の設置位置、照射方向に応じて設定でき、設置位置や照射方向に関してさまざまなバリエーションを持った照明器具に対応することが可能となり、ユーザーの照明設計に関する選択の幅を広げることができる。
(実施形態5)
前述の参考文献2にも記載されているように、ほぼ均一に照明された室内環境では色モード境界輝度は照度に比例して変化する。このことを利用して、照明器具個別の明るさ感単位Xiを設定する標準条件での所要明るさ感単位Yを算出する元となる色モード境界輝度を用いて、任意の大きさの部屋の所要明るさ感単位Yを、標準条件での照明器具個別の明るさ感単位Xiをベースにして求める。
まず、拡散配光の光源で均一に照明した標準条件の部屋での色モード境界輝度と照度との比例関係を明らかにした上で、標準条件の部屋で在室者がちょうどよいと感じる明るさ感となる所要照度を主観評価等によって決定する。そして、同一の照明条件において、任意の大きさの部屋でこの所要照度を満足すれば、標準条件の部屋とある任意の大きさの部屋との各明るさ感は同じであるといえることから、ある任意の大きさの部屋でこの所要照度を満足する光源の光束量を求め、標準条件の部屋に当てはめた場合の照度に換算することによって、標準条件の部屋での色モード境界輝度と照度との比例関係の式より、ある任意の大きさの部屋において所要照度を満足する色モード境界輝度を求めて、所要明るさ感単位Yを算出することができる。
上記照明する部屋の大きさに応じて所要明るさ感単位Yを設定する方法は、以下のような手順で実施される。
(1)照明器具個別の明るさ感単位Xiを設定するための標準条件の部屋において、天井からの拡散配光の光源で全般照明する場合の照度と色モード境界輝度との関係式を導出する。
(2)上記標準条件の部屋を天井からの拡散配光の光源で全般照明する場合の所要照度を、部屋の用途に応じて決定する。
(3)ある任意の大きさの部屋において、上記(2)で決定した所要照度を拡散配光の光源で確保する光束量を算出する。
(4)上記標準条件の部屋を拡散配光の光源で照明する場合に、上記(3)で求めた光束量で照明したときの照度を算出する。
(5)上記(1)で求めた照度と色モード境界輝度との関係式に上記(4)で求めた照度を代入することによって算出される色モード境界輝度を用いて、ある任意の大きさの部屋の所要明るさ感単位Yを設定する。
具体例を以下説明する。まず、実施形態1の図8と同様の住宅居室を測定環境として準備し、実施形態1と同様に図10に示すような乳白アクリルカバーが付いた天井直付のシーリングライトLa20を部屋中央(図16中の位置D)に設置する。このとき、広さ8畳、内装反射率80%が標準条件となる。次に、被験者4名の主観評価によって、ちょうどよい明るさとなるようにシーリングライトLa20を調光した場合の部屋中央の床面照度を測定し、この測定値の平均を標準条件での所要照度とする(手順(2))。また、このときに調光下限(25%)時とフル点灯(100%)時の床面照度と色モード境界輝度とを各々測定し、部屋中央床面照度と色モード境界輝度とが図19に示すような比例関係にある関係式を導出する(手順(1))。そして、上記手順(3)〜(5)に沿って、図20に示すような部屋サイズ(6畳,8畳)別の所要明るさ感単位Yを設定する。
(実施形態6)
本発明の屋内照明設計方法は、在室者が空間を見たときの明るさの感覚に基づくものであるため、在室者の視覚特性に大きく依存するといえる。例えば、加齢に伴う視覚特性の変化については、水晶体が加齢に伴い黄変して透過率が低下することや、瞳孔径が加齢によって縮小する老年性縮瞳と呼ばれる現象が報告されている。したがって、高齢者は若年者に比べて眼に入射した光が網膜に達するまでの減衰率が高いため、同一の照明環境下であっても、若年者が感じる明るさ感と高齢者が感じる明るさ感とでは違いがあることが推察される。
また、網膜の視細胞のうち色を感じる錐体の異常によって起こる先天色覚異常は、全色盲、赤緑色覚異常、青黄色覚異常に分けられ、その大部分を占める赤緑色覚異常は、日本人の場合、男性の20人に1人、女性の500人に1人の割合といわれている。照明された部屋の明るさ感は、その部屋の内装や家具の色に大きく影響を受けるため、同一の照明環境下であっても、色覚が正常な人と異常な人ととでは明るさ感に違いがあることが推察される。
そこで、本実施形態では、実施形態1の図8と同様の住宅居室を測定環境として準備し、実施形態1と同様に図10に示すような乳白アクリルカバーが付いた天井直付のシーリングライトLa20を部屋中央(図16中の位置D)に設置する。そして、例えば65歳以上の高齢者の被験者数名の主観評価によって、ちょうどよい明るさとなるように調光した場合の色モード境界輝度を測定し、[数1]より在室者が高齢者の場合の所要明るさ感単位Yを設定する。また、別途、若年者の被験者数名の主観評価によって、ちょうどよい明るさとなるように調光した場合の色モード境界輝度を測定し、[数1]より在室者が若年者の場合の所要明るさ感単位Yを設定する。
このように、明るさ感に違いがある在室者毎に所要明るさ感単位Yを設定することで、対象とする在室者の視覚特性に合った明るさ感の照明環境を実現することができる。
本発明の実施形態1の屋内照明設計方法を示すフローチャート図である。 同上の室内の明るさ感評価を行なうミニチュア模型を示す図である。 同上の各室内環境の内装と家具の明度および反射率とを示す図である。 同上のテストパッチ輝度提示装置の構成を示す図である。 同上の色モード境界輝度設定結果を示す図であり、(a)は被験者HYの設定結果、(b)は4人の被験者の設定結果の平均である。 (a)〜(c)同上の基準室に対する各環境の比較室の明るさ感をME法で評価した結果を示す図である。 同上の明るさ感評価値と色モード境界輝度の比との相関関係を示す図である。 同上の屋内照明設計方法の測定環境、設計結果を示す図である。 同上の照明器具、および各照明器具の明るさ感単位を示す図である。 同上の所要明るさ感単位の設定を示す図である。 本発明の実施形態2の実験設備を示す図である。 同上の実験時の観測条件を示す図であり、(a)は観測方向を一方とし、(b)は観測方向を他方としたものである。 同上の図12(a)での実験結果を示す図である。 同上の図12(b)での実験結果を示す図である。 本発明の実施形態2および実施形態3の被験者、テストパッチ、照明器具の位置を示す図である。 本発明の実施形態4の測定環境を示す図である。 同上の照明器具個別の色モード境界輝度の測定結果、照明器具個別の明るさ感単位、部屋中央床面照度を示す図である。 同上の照明器具個別の色モード境界輝度の測定結果、照明器具個別の明るさ感単位、部屋中央床面照度を示す図である。 本発明の実施形態5の部屋中央床面照度と色モード境界輝度との関係を示す図である。 同上の部屋サイズ別の所要明るさ感単位を示す図である。 従来の屋内照明設計方法を示すフローチャート図である。
符号の説明
Y 所要明るさ感単位
Xi 照明器具個別の明るさ感単位
T テストパッチ

Claims (6)

  1. 部屋を照明する照明器具の光源とは別の光源を用いて表面の輝度が変化する色票を部屋内に備えて、在室者から見た色票が部屋内に置かれた物体として認識される輝度のレベルと自ら発光している光源として認識される輝度のレベルとの中間である不自然な色の見え方になるときの色票の輝度である色モード境界輝度に基づいて、照明する部屋に応じて決められる所要明るさを評価する単位として所要明るさ感単位を設定し、所定条件下での照明器具個別の明るさを評価する単位として照明器具個別の明るさ感単位を設定して、使用する照明器具個別の明るさ感単位の加算値が、部屋の所要明るさ感単位となるように使用する照明器具を選定することを特徴とする屋内照明設計方法。
  2. 前記色票を矩形の部屋の略中央に配置し、在室者が矩形の部屋のいずれか1つの壁面の略中央から色票を見て色モード境界輝度を測定することを特徴とする請求項1記載の屋内照明設計方法。
  3. 在室者から見た色票の位置が照明器具の光源の位置と重ならないようにして、照明器具個別の色モード境界輝度を測定することを特徴とする請求項1記載の屋内照明設計方法。
  4. 照明器具個別の明るさ感単位を、照明器具の設置位置および照射方向に応じて設定することを特徴とする請求項1記載の屋内照明設計方法。
  5. 照明器具個別の明るさ感単位を設定するための所定条件の部屋において、天井からの拡散配光の光源で全般照明する場合の照度と色モード境界輝度との関係式を導出し、
    次に前記所定条件の部屋を天井からの拡散配光の光源で全般照明する場合の所要照度を、部屋の用途に応じて決定し、
    次に任意の大きさの部屋において、前記部屋の用途に応じて決定した所要照度を拡散配光の光源で確保する光束量を算出し、
    次に前記所定条件の部屋を拡散配光の光源で照明する場合に、前記算出した光束量で照明したときの照度を算出し、
    次に前記照度と色モード境界輝度との関係式に前記算出した光束量で照明したときの照度を代入することによって算出される色モード境界輝度を用いて、ある任意の大きさの部屋の所要明るさ感単位を設定することを特徴とする請求項1記載の屋内照明設計方法。
  6. 照明する部屋を使用する人に応じて所要明るさ感単位を変えることを特徴とする請求項1記載の屋内照明設計方法。
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