JP2006268558A - データ処理方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】
曲面モデルにより得られた最適解の信頼性を評価することができ、その結果、製品のばらつきなどのリスクや安全率を考慮した適切な設計を実現する。
【解決手段】
n(nは2以上の整数)種類の変量を有する実験データが複数登録された実験データDB11から実験データをランダムにサンプリングしてBSデータベース13を生成し、BSデータベース13を参照し、n種類の変量の関係を近似したn次元のサンプリング曲線又は曲面モデルを同定してBS最適解データベース16に登録する。そして、BSデータベースの生成処理及びサンプリング曲線又は曲面モデルの同定処理を繰り返し、最適解データベース16を生成する。最後に、BS最適解データベース16を参照して最適解の平均値及び分散を求め、これらの値により最適解の信頼性の評価をする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、少ない実験回数のデータを有効活用し、設計効率の向上を図るための応答曲面法(Response Surface Methodology:RSM)などに好適に利用することができるデータ処理方法及びプログラムに関し、特に、得られた曲線又は曲面モデル等の評価が可能なデータ処理方法及びプログラムに関する。
近年のユーザニーズの多様化、市場競争の激化、海外の安価な製品参入などにより、製品の品質や納期、コストなどに対する市場要求は益々激しくなり、製品設計、生産設計の高効率化、開発コスト削減が益々要求されてきている。このような問題に対し、実験を多く伴う設計を効率よく行うための技術として応答曲面法が注目されている。
例えば、特許文献1には、実験計画法に基づき収集されたデータを用いて効率よく、製剤設計、材料設計、若しくはシステムの運転条件・製品製造条件を設計又は調整するための応答曲面法(Response Surface Methodology:RSM)に利用される曲面モデルを、グリーン関数に基づく重調和スプライン補間により同定する方法が開示されている。
特許文献1に記載のグリーン関数に基づく重調和スプライン補間により生成される曲面モデルを利用することで、最適な設計条件を容易に見出すことが可能となる。すなわち、複雑で未知な設計対象でも少ない実験データから、すばやく最適な設計条件を見出すことが可能となる。
一方、非特許文献1には、設計条件と製品特性の相関関係(応答)が線形多項式で記述される場合(線形回帰モデルの場合)には、統計的近似誤差に基づき曲面モデルのばらつきを評価することができ、最適解の信頼性を評価することができることが記載されている。
次に、曲面モデルが線形回帰モデルの場合の従来の曲面モデルの生成及び評価方法について説明する。図11は、従来の曲面モデル評価装置100を示す模式図である。この曲面モデル評価装置100は、実験データを登録する実験データDB101と、実験データDB101に登録された実験データから線形回帰モデルである曲面モデルを生成する曲面モデル生成部102と、生成された曲面モデルの最適解を探索する最適解探索部103と、曲面モデルからF値を算出する曲面モデル評価部104、最適解探索部103が探索した最適解と前記曲面モデル評価部104が算出したF値とから評価指標を算出する最適解評価指標算出部105とを有する。
この従来の曲面モデル評価装置100は、実験データから同定される曲面モデルの近似精度、つまり、回帰モデルのデータへのあてはまりの良さ(下記式(1)に示すF値)を基準にして最適解の信頼性評価指標を求める。
Figure 2006268558
である。
特開2002−18311 田中豊ほか編,「統計解析ハンドブック」,1995年,22−24頁
しかしながら、曲面モデルが線形回帰モデルの場合の統計的近似誤差に基づく評価は、設計条件と製品特性の相関関係(応答)が複雑な、特許文献1に記載の非線形曲面となるような対象には適用することができない。すなわち、実際の製品設計では、最適条件(最適解)のばらつきを見越した設計を行う必要があるが、特許文献1に記載されている手法に対する、解評価手段がないという問題点がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、曲面モデルにより得られた最適解の信頼性を評価することができ、その結果、製品のばらつきなどのリスクや安全率を考慮した適切な設計を実現することができるデータ処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明にかかるデータ処理方法は、N(Nは2以上の整数)種類の変量を有する複数の収集データが登録された収集データベースから前記収集データを任意にサンプリングしてサンプリングデータベースを生成し、前記サンプリングデータベースを参照し、前記N種類の変量の関係を近似したN次元の曲線又は曲面モデルをサンプリング曲線又は曲面モデルとして生成し、前記サンプリング曲線又は曲面モデルの最適解をサンプリング最適解として算出し、前記サンプリングデータベースの生成処理乃至前記サンプリング最適解の算出処理を繰り返し、複数のサンプリング最適解が登録されたサンプリング最適解データベースを生成し、前記サンプリング最適解データベースを参照して第1の評価指標を求めるものである。
本発明においては、収集データから複数のサンプリング最適解を求め、サンプリング最適解データベースを生成する。このサンプリング最適解データベースを参照して求めた第1の評価指標により、例えば、サンプリング最適解の信頼性を評価したり、収集データから求まるオリジナル曲線又は曲面モデルの最適解の信頼性を評価したり、収集データベースの量・質等を評価したりすることができる。
また、前記第1の評価指標は、前記サンプリング最適解の平均及びその分散とすることができ、例えば、前記分散の大きさを信頼性の大きさとみなし、これらの値に基づき前記最適解の信頼性を評価することができる。
また、前記収集データベースを参照し、前記N種類の変量の関係を近似した前記N次元のオリジナル曲線又は曲面モデルを生成し、前記オリジナル曲線又は曲面モデルの最適解を算出し、前記オリジナル曲線又は曲面モデルの最適解と前記第1の評価指標との比較結果に基づき前記オリジナル曲線又は曲面モデルの最適解の信頼性を評価することができ、また、その前記最適解の信頼性の評価結果に基づき前記収集データベースを評価したりすることができる。
更に、前記オリジナル曲線又は曲面モデルの最適解の信頼性の評価結果に基づき新たな収集データを収集することができ、収集データを効率よく収集することができる。
この場合、前記オリジナル曲線又は曲面モデルの最適解と前記第1の評価指標との剥離度が、所定の閾値以上である場合、前記新たな収集データを収集することができ、収集データの種類、モデルの複雑度等に応じて収集データを収集するべき判断を異ならせ、効率よく収集データを収集することができる。
また、前記第1の評価指標として前記サンプリング最適解の平均を求めれば、前記サンプリング最適解の平均周辺のデータを前記新たな収集データとして収集することができ、更に効率よく収集データを収集することができる。
ここで、前記N次元のサンプリング曲線又は曲面モデルはスプライン補間により求めることができ、曲線又は曲面モデルは、収集データのばらつきにのみに依存するため、極めて正確に曲線又は曲面モデルの評価を行うことができる。
また、前記収集データベースに登録された各前記収集データの前記N種類の変量のうち選択した1以上の変量である評価用変量を除いた変量評価用収集データを登録した変量評価用収集データベースを生成し、前記変量評価用収集データベースを参照し前記変量評価用収集データを任意にサンプリングして変量評価用サンプリングデータベースを生成し、前記変量評価用サンプリングデータベースを参照して前記N種類の変量の関係を近似したN次元の変量評価用曲線又は曲面モデルを生成し、前記変量評価用曲線又は曲面モデルの最適解を変量評価用最適解として算出し、前記変量評価用サンプリングデータベースの生成乃至及び前記変量評価用最適解の算出処理を繰り返し、複数の変量評価用最適解が登録された変量評価用最適解データベースを生成し、前記変量評価用最適解データベースを参照して第2の評価指数を求め、前記第1の評価指数と前記第2の評価指数との比較結果に基づき前記評価用変量の評価をすることができる。
この第2の評価指標の算出により、変量毎に、又は複数の変量が曲線又は曲面モデルの最適解に与える寄与度又は重要性を評価することができ、各変量又は複数の変量についての評価を求めて、例えば収集データの見直し、曲線又は曲面モデルの生成、収集データの再収集等に適宜利用することができる。
また、本発明に係るプログラムは、上述したデータ処理をコンピュータに実行させるものである。
本発明に係るデータ処理方法及びプログラムによれば、少ない実験データをもとに、設計対象の応答曲面モデル等を生成し、その適切な評価を行うことができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を、少ない実験データをもとに、設計対象の応答曲面モデルを生成し、生成される曲面モデルを利用することで、最適な設計条件を容易に見出し、その最適解の信頼性評価に適用したものであって、ブートストラップ法を利用した信頼性評価方法である。
先ず、本発明の理解を容易とするため、ブートストラップ法及び多次元スプラインを利用することについての優位性について説明する。ブートストラップ法とは、限られた標本をもとに、母集団の特性を評価するための統計的手法である。たとえば、ある確率変数yの母平均θを知るために、母集団からの標本Yの平均値、つまり下記の標本平均を求めることがある。なお、本明細書においては、下記のように、標本平均を<θ>と示すこととする。
Figure 2006268558
標本Yの数が統計的に十分とれる場合には、中心極限定理により、標本平均<θ>は、真の平均ともいえる母平均に近づく。また、確率変数である標本平均<θ>(広義には確率変数Yから構成される汎関数パラメータ)は正規分布に近づき、そのばらつき(分散)を評価することができる。しかし、標本数が統計的に十分に取れない場合には、標本からさらに多数の標本再抽出を行い、たとえば母平均を求めるなど真の母集団の特性を調べるため、ブートストラップ法が適用されることがある。ここでは、n個の限られた標本Y(Y〜Y)から、ランダムに標本抽出を行い、別の標本(ブートストラップ標本)を作る場合について説明する。なお、真の母集団の特性を調べるために適した方法であれば、サンプリングはランダムな方法に限らず適用することができる。このブートストラップ標本を作成する場合、同じものを繰り返し抽出することを許すようなサンプリングを乱数を利用して行うことで、重複を許すランダムサンプリングを実行する。このようなブートストラップ標本を複数個(例えばm個)作成することで、m個のブートストラップ標本の平均(広義にはブートストラップ推定量)が中心極限定理に従い正規分布に近づき、母平均及びその分散(信頼性)を多数のブートストラップ標本をもとに評価することができる。
ただし、このブートストラップ法が適用できるには下記のような前提条件が必要である。すなわち、
1)分布関数Fに従う確率変数Yから構成されること
2)汎関数パラメータ<θ>(標本平均、後述する実施の形態においては最適解)が、分布関数Fにだけ依存し、θ=θ(F)とかけること
が必要である。たとえば、Yの分布Fとそれ以外の分布Pに依存するパラメータθ=θ(F,P)の推定などには適用することができない(汪金芳ほか著,「計算統計I」,岩波書店,2003,5−6頁)。
つまり、少ない実験データからの最適解探索結果の信頼性評価にブートストラップ法を適用する場合、ブートストラップ最適解集合の性質が、実験データのばらつき(分布関数F)以外の分布要素に依存しないことが必要である。たとえば、実験データのある組み合わせ(ブートストラップ標本)から算出される応答曲面・最適解は、データの組み合わせが同じであれば同じ結果となる必要があるということである。
例えば特許文献1に記載の多項式モデルやニューラルネットワークのような曲面モデルを利用して最適解を同定する方法の場合、そのモデルのチューニング、すなわち次数や学習パラメータを試行錯誤的に決める作業が確定的ではないため、モデルチューニングがある種のばらつき要素、すなわち標本である実験データとは異なる別の分布関数となり、同じ実験データの組み合わせであっても異なる曲面・最適解となってしまう。そのため、ブートストラップ法を適用してもその信頼性を正しく評価できない。
これに対し、本実施の形態においては、薄板スプラインのような多次元スプラインを利用して曲面モデルを同定する。この場合、曲面・最適解のばらつきは、モデルチューニングそのものには存在せず、実験データのばらつきにのみに依存することとなる。したがって、データベース(標本)から得られる最適解(汎関数パラメータ)を一義的に確定することができるため、上記前提条件を満たすことになる。つまり、本実施の形態のように、曲面モデルに多次元スプラインを利用すれば、ブートストラップ法(BS法)に基づき正確に最適解の信頼性を評価することができる。以上説明したBS法に基づき最適解の信頼性を評価する方法について具体的に説明する。
実施の形態1.
先ず、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかるデータ処理装置を示す模式図である。図1に示すように、データ処理装置10は、実験データ・データベース(DB)11から実験データを任意にサンプリングするデータサンプリング部12と、データサンプリング部12がランダムサンプリングして生成した、サンプリングデータベースとしてのBSデータベース13と、BSデータベース13からBS曲面モデルを生成するBS曲面モデル生成部14と、BS曲面モデル生成部14が生成した曲面モデルの最適解を探索する最適解探索部15と、最適解探索部15が探索した最適解を登録するBS最適解DB16と、BS最適解DB16を参照し、第1の評価指標としての最適解評価指標を算出する最適解評価指標算出部17とからなる。データサンプリング部12、BSデータベース13、曲面モデル生成部14、及び最適解探索部15から最適解データベース生成部が構成される。以下、本データ処理装置10について更に詳細に説明する。
実験データDB11に登録する実験データとしては、例えば複数の設計要因(設計条件)を変化させた場合の製品特性の評価結果の集合とすることができる。例えば錠剤薬の配合設計の場合であれば、設計要因(設計条件)としては、各成分の配合量、打錠圧力などのプロセス条件などがあり、製品特性としては、速放性(薬効成分の放出を促進する特性)、徐放性(薬効成分の放出を抑制する特性)などがある。
たとえば、1〜p個の要因X(要因X(1),X(2),・・・X(p))と、1〜q個の特性値Y(特性値Y(1),Y(2),・・・Y(q))とからなる実験データd(1≦j≦n)を有するデータベースは下記(2)のように表すことができる。本実施の形態においては、この式(2)に示すDBを実験データDB11として説明するが、実験データdは要因X及び特性値Yからなる変量が合わせてN(Nは2以上の整数)以上あればよい。また、実験データは、実際の実験により得られたデータのみならず、例えば直交表、球形中心二次複合計画などにより収集された実験計画データ等の収集データであってもよい。また、過去に収集した実験計画データに新たに数回行った再実験データを追加した場合、又は実験計画配置で収集しようとしたがデータの欠落があった場合などの非実験計画データなどとしての収集データであってもよい。
Figure 2006268558
図2は、上記ブートストラップ法を利用した本実施の形態にかかる最適解データベースの生成方法を説明する模式図である。図2に示すように、n個の実験データd(d〜d)からなる上述の(2)に示すDB(実験データDB11)が標本である。
データサンプリング部12は、ブートストラップ法に基づきサンプリングDBを生成する(汪金芳ほか著,「計算統計I」,岩波書店,2003参照)。すなわち、例えば、実験データDB11から乱数などを利用して重複を許すランダムサンプリングを実行して、ブートストラップ標本として、同じくn個の実験データからなるデータベース(以下BSデータベースという)13を生成する。なお、BSデータベースを生成する際のサンプリングは、乱数等によるランダムサンプリングに限らず、実験データが結果的に無作為に抽出されればよく、任意にサンプリングできればどのような方法でもかまわない。
実験データDB11には1〜n番目の実験データdが含まれる。これを例えば乱数発生器により発生させた乱数により、実験データdをランダムにサンプリングすることにより1つのサンプリングDBとしてのデータベース(以下BSデータベース13という)を生成する。
なお、データサンプリング部12によりBSデータベースの生成処理から後述する最適解探索部15による最適解探索までの処理は、必要な回数だけ繰り返すことになる。例えばi回目(i=1〜m)の処理にかかるBSデータベース13(BSDB)は、下記(3)のように表すことができる。
Figure 2006268558
このように、重複を許しランダムに実験データdを実験データDB(式(2))の中からサンプリングし、BSデータベース13を生成する。本実施の形態においてはサンプリングするデータ数を実験データdの数と同じ数nとしているが、これに限るものではない。またランダムサンプリング行うため、生成されるBSデータベースは必ずしも、式(3)(d,d,d,d,d,d・・・)のようになるとは限らない(図2参照)。
このブートストラップDB13について、汎関数である最適解を算出する。これは本実施の形態においてはBD曲面モデル生成部14が曲面モデルを生成し、BS最適解探索部15がその最適解を探索する処理である。得られたBS最適解はBS最適解データベース16に登録される。以上のBSデータベースを生成し、曲面モデルを生成し、その最適解を探索する処理を例えばm回繰り返す。
例えばi回目の処理においてデータサンプリング部12は、BSデータベース13としてBSDBを生成し、BS最適解探索部15は、このBSDBからBS最適解Oを得て最適解データベース16に登録する。ここで、曲面モデル生成部14及び最適解探索部15は、データサンプリング部12により生成されたBSDBiに対して最適解Oを求めることで、曲面モデルを同定する処理を実行するものとすることができる。例えば、曲面モデル生成部14は、重調和スプライン又は薄板スプラインなどの多次元スプラインを利用して曲面モデルを生成する。最適解探索部15は、例えば準ニュートン法などの非線形関数を対象とした最適化手法を用いることで最適解を探索する。
この曲面モデル生成部14及び最適解探索部15は、具体的には、特許文献1に記載された曲面モデルを同定する同定装置と同様にして構成することができる。すなわち、実験計画法によって予めデータが収集されたN(Nは2以上の整数)種類の変量のうち(N−1)種類の変量で定義される(N−1)次元の空間において各データ間の距離を計算する距離計算部と、この距離計算部で計算された各距離に対応するグリーン関数値を計算するグリーン関数計算部と、収集された実験データのうち上記(N−1)種類を除く1種類のデータと上記グリーン関数値とから上記N種類の変量間の関係を近似したn次元の曲面モデルを求めるモデル係数計算部とから構成することができる。
このような同定装置においては、ユーザは、N種類の変量によって特徴付けられるN次元データを例えば実験計画法によってn個収集し、前記N種類の変量を(N−1)種類と1種類の変量に分け、これに対応して前記N次元データを(N−1)次元のデータと1次元のデータとに分けて同定装置に入力する。
一般に(N−1)種類の変量はユーザが求める解の要因となる変量(例えば、曲面モデルの生成理由が製剤処方の最適化にあるとすれば、要因は各原材料の量)であり、上記1種類の変量は解となる変量(処方された製剤の特性値)である。ここで、(N−1)種類の変量が要因(入力)で、残りの1種類の変量が解(出力)である必要は必ずしもないが、本実施の形態においては便宜的に、(N−1)種類の変量によって特徴付けられる(N−1)次元データを入力データ、残りの1種類の変量によって特徴付けられる1次元データを出力データと呼ぶこととする。
同定装置の距離計算部は、ユーザによってデータが入力されると、(N−1)次元の空間において(N−1)次元の各入力データ間のユークリッド距離zを入力データの全ての組み合わせについて計算して、図示しない記憶装置に格納する。
続いて、グリーン関数計算部は、距離計算部で計算されたユークリッド距離z毎に対応するグリーン関数値を計算して、図示しない記憶装置に格納する。モデル係数計算部は、出力データyとグリーン関数値とからN次元の曲面モデルのモデル係数(汎関数パラメータ)を計算して、図示しない記憶装置に格納する。以上により、モデル同定が終了する。
このような同定装置においては、応答曲面法の近似関数として、グリーン関数に基づく重調和スプライン補間を適用することで、ユーザは近似関数の次数や構造などの各種パラメータの指定をすることなく、収集したデータのみを使って非線形な最適化対象であっても所望の曲面モデルを求めることができる。これにより、より効率(労力削減、時間短縮)のよい応答曲面法による最適設計が可能となる。
こうして式(3)のBSDBに対し、以下(4)のようなサンプリング最適解としての最適解O(以下、BS最適解という)が求まり、最適解データベース16に登録される。
Figure 2006268558
ここで、本実施の形態においては、スプライン補間により曲面モデルを同定するため、上記式(3)に示すBSデータベース13からBS最適解(式(4))を一義的に求めることができる。すなわち、実験データのある組み合わせ(ブートストラップ標本)であるBSデータベース13から算出される応答曲面・最適解は、データの組み合わせが同じであれば同じ結果となる。従来の多項式モデルやニューラルネットワークにより曲面モデルを同定する場合には、サンプリングデータベースから求まる最適解式の確定が一義的ではなく本実施の形態のように信頼性の評価を行うことができないのに対し、このように、本実施の形態においては、BS最適解を一義的に求めることができるため、少ない実験データからの最適解探索結果の信頼性評価にブートストラップ法を適用することができ、最適解の評価を行うことができる。
BS最適解データベース生成部18は、こうして、m回の処理の繰り返しにより、m個のBSデータベース13から最適解(汎関数パラメータ)O〜Oが得られ、m個の最適解O(O〜O)が登録されたBS最適解データベース16が完成する。
具体的には、例えば、BS最適解探索部15、又はデータ処理装置内に設けられた図示せぬBS最適解データベース生成完了判定部がデータサンプリング部12から最適解探索部15の処理を繰り返して登録されたBS最適解の数が予め指定した所定数=mに達したか否かを判定し、所定数m個が登録されたと判定した場合に最適解データベース16の生成を終了させる。最適解データベース16に登録するBS最適解の数m、すなわちデータサンプリング部12から最適解探索部15までの処理の繰り返し回数mは、例えば100〜300回などとすることができる。上記(2)の実験データ・データベースDBから、下記(5)で示す最適解データベースODBが生成される。
Figure 2006268558
本実施の形態においては、実験データDB11からBSデータベース13を生成し、これからBS最適解を求めてBS最適解データベース16へ登録する処理を繰り返すことでBS最適解データベース16を生成するが、模式的には図2のように表すことができる。すなわち、図2に示すように実験データDB11から、ランダムサンプリングによりm個のデータベースBSDBが生成され、各データベースBSDBから算出されたBS最適解によりBS最適解データベース16が構成されている。
上記で得られた最適解データベース16(ODB)を用い、BS最適解の平均値、及びその分散としての最適解の標準偏差を最適解評価指標として算出する。このBS最適解の平均値がブートストラップ推定量であり、BS最適解の分散がブートストラップ分散推定量である。BS最適解の平均値と実験データDB11から得られる最適解(以下オリジナル最適解という。)との比較結果、又はBS最適解の分散の大きさから実験データDBに登録されている実験データの量・質の評価、又は実験データDBのオリジナル最適解の信頼性の評価をすることができる。本実施の形態においては、式(5)の最適解データベースから下記(6)に示すBS最適解の平均値、(7)に示すBS最適解の標準偏差を算出する。
Figure 2006268558
図3は、本実施の形態にかかるデータ処理方法を示すフローチャートである。
実験データDB11に収集された実験データから得られるオリジナル最適解(応答曲面モデル)の評価をするには、図3に示すように、先ず、実験データDB11からランダムサンプリングによりBSデータベースを生成する(ステップS11)。本実施の形態においては、実験データDB11のn個の実験データから重複を許し、乱数を発生させランダムにn個の実験データをサンプリングしてBSデータベースを生成することで少ない実験データからなる実験データDB11であってもこれから求まる最適解を正確に評価することができる。なお、本実施の形態においてはBSデータベース13を生成するものとしているが、重複の可否、実験データのサンプリング数はこれに限るものでななく、例えば重複サンプリングを許可しない場合や、サンプリング数をnより多くまたは少なくしてもよい。
次に、このBSデータベースの実験データから曲面モデル(以下BS曲面モデルという。)を生成する(ステップS12)。本実施の形態においては、上述したように、重調和スプライン、薄板スプラインなどを利用することで非線形な最適化対象であっても自動的に最適設計に必要な近似関数(曲面モデル)を生成することができる。こうして探索され同定された曲面モデルをBS最適解としてBS最適解データベース16に登録する(ステップS13)。そして、BS最適解データベース16に所定数のBS最適解が登録されたか否かを判定し、予め定められた所定数のBS最適解が登録されるまでステップS11からの処理を繰り返す。そして、所定数のBS最適解がBS最適解データベースに登録されBS最適解データベース16の生成が完了すると(ステップS14:Yes)、BS最適解データベース16に登録されているBS最適解の平均値(式(6))及びその分散(式(7))を最適解評価指標として算出する(ステップS15)。
本実施の形態においては、ブートストラップ理論に基づき、BS最適解データベース16に登録されているBS最適解の平均値(式(6))が設計対象の真の最適条件(最適解)となり、その標準偏差σ(式(7))から、その真の最適条件(最適解)の信頼幅(3σ;99%信頼幅)を3σとみなすことができる。このことにより、最適解評価指標である標準偏差σにより最適解のばらつき(信頼性)を定量的に評価することができ、この最適解評価指標に基づき製品のばらつきなどのリスクや安全率を考慮した適切な設計を行うことができる。
更に、従来の線形回帰モデルの評価として使用される統計的近似誤差は、上述したようにF値を計算する必要がある。しかしながら、F値を正確に計算するためには統計的に十分なデータ量が必要となる。これに対し、本実施の形態においては、BS最適解データベースを生成することで、より少ないデータ量であっても最適解を正確に評価することができる。したがって、実験データを多量に収集することができないような設計対象の場合に有効である。また、従来の統計的近似誤差では評価できない、設計条件と製品特性の相関関係(応答)が複雑な非線形曲面となるような対象であっても、上述した如く、実験データのばらつき以外の分布要素に依存しなければ、曲面モデルが線形回帰モデルであっても、非線形回帰モデルであっても本実施の形態においてはその最適解の信頼性を正確に評価することができる。
また、予め、実験データ・データベースそのもの全てを使用して求めたオリジナル最適解Oと、上記BS最適解データベース16の最適解の平均値とに大きな乖離があった場合には、そもそも実験データDB11に登録されている、収集された実験データ自体が、最適解探索を行うための標本としては、不十分なデータであったという判断をすることができ、後述するように、実験データDB11についての実験データの質・量の評価が可能となる。また、後述するように、各設計要因(設計条件)の最適解に与える寄与率を求めることで、更に適切で効率がよいデータ収集等が可能になる。
次に、本実施の形態における信頼性評価の結果の一例について説明する。図4及び図5は、それぞれ設計条件などの設計要因X(1)〜X(p)が、X(1)〜X(3)である場合、及び製品スペックなどの特性値Y(1)〜Y(q)が、Y(1)〜Y(3)である場合のBS最適解の平均値(式(6))及びそのばらつき3σ(標準偏差σ:式(7))と、実験データDBの全実験データから得られたオリジナル最適解とを示す図である。図4に示すX、X、X、図5に示すY、Y、Yは、オリジナル最適解である。例えば図4においては、X(2)OiがBS最適解の平均値とオリジナル最適解との乖離度が最も小さく、図5においては、X(2)OiがBS最適解の平均値とオリジナル最適解との乖離度が最も小さいことがわかる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2にかかるデータ処理装置を示す模式図である。図6に示すように、本実施の形態は、実施の形態1におけるデータ処理装置10に、データベース再構築部21を設け、再構築済みの再構築データベース22に対してデータ処理装置10と同様の処理を実行することで、曲面モデルの要因分析(設計変数の重要性評価)を行うものである。
このデータベース再構築部21は、式(2)の実験データDBをもとに、注目する設計要因X(k)(kは1〜pのいずれかの整数)を除いた実験データ・データベース(以下、再構築データDBという)22を再構築するものである。本明細書においては、注目する設計要因X(k)を除いた、変量評価用収集データとしての実験データをd(k)、注目する設計要因X(k)を除いた実験データd(k)からなる、変量評価用収集データベースとしてのデータベースを再構築データ22(DB(Xk))と示す。式(2)の実験データDBから再構築された再構築データDB(Xk)は下記(8)のように表すことができる。
Figure 2006268558
最適解データベース生成部18は、実施の形態1では実験データDB11から最適解データベース16を生成するものであったが、本実施の形態においては再構築データDB22から最適解を求め、これを登録したデータベース(以下、要因寄与評価用最適解DBという)24を生成する。そして実施の形態1の最適解評価指標算出部17の替わりに要因寄与評価用評価指標算出部25を有する。要因寄与評価用評価指標算出部25は、要因寄与評価用最適解DB24に登録された、設計要因X(k)を除いた再構築データDB22から生成された最適解(以下、要因寄与評価用最適解)の平均値(下記(9))及びその標準偏差(下記(10))を評価指標(以下、要因寄与評価用評価指標という)として算出する。ここで、本実施の形態においては、再構築データDB(Xk)から生成される要因寄与評価用最適解DB24から得られた要因寄与評価用評価指標(Xk)ということとする。
Figure 2006268558
ここで、上式(9)、(10)は、設計要因X(k)を考慮しない要因寄与評価用最適解(Xk)の信頼性であり、設計要因X(k)の重要性が高いほど、設計要因X(k)のデータを含まない場合のこの要因寄与評価用最適解(Xk)は不安定になる。これは信頼性の低下を示すこととなり、要因寄与評価用最適解(Xk)のばらつきが大きくなる。すなわち、上式(9)、(10)の要因寄与評価用評価指標(Xk)は設計要因X(k)の重要性(寄与度)を示す値といえる。
そして、本実施の形態にかかるデータ処理20は、更に最適解評価指標データベース26及び要因寄与評価指標算出部27を有する。最適解評価指標データベース26は、最適解評価指標算出部25が算出する要因寄与最適解評価指標を随時登録する。すなわち、データベース再構築部21は、再構築データベース22として、各設計要因X(k)について、k=1〜pまでを繰り返し、全ての設計要因X(k)(k=1,2,3,・・・,p)に関して、上述の処理を繰り返し下記(11)、(12)を得る。
Figure 2006268558
こうして各設計要因X(k)(k=1,2,3,・・・,p)のそれぞれを除いた要因寄与評価用評価指標(Xk)(k=1〜p)が登録されたデータベース(要因寄与評価用評価指標DB)26を得る。
そして、要因寄与評価指標算出部27は、実施の形態1と同様の方法にて求めた全設計要因を用いた場合の信頼性評価指標((6)、(7))と、上記各要因X(k)を除いた場合の要因寄与評価用解評価指標(Xk)(k=1〜p)((11)、(12))との比較結果(以下、要因寄与評価指標という)から各設計要因Xの影響度(重要性)を評価する。
この比較方法としては、例えば、各設計要因X(k)に関する最適解の標準偏差の差又下記式(13)に示す比を求める方法などがある。
Figure 2006268558
式(13)のような各設計要因X(k)に対する要因寄与評価指標R(Xk)を各特性値Y(1)〜Y(q)に関して算出することで、その値の大きさに応じて、各特性に対する設計要因の重要性(寄与)が評価できる。
つまり、特性値Y(1)に関しては、設計要因X(1)〜X(p)の各要因寄与評価指標R(X1)〜R(Xp)は下記(14)のようになる。
Figure 2006268558
同様に特性値Y(2)に関しては、設計要因X(1)〜X(p)の各要因寄与評価指標R(X1)〜R(Xp)は下記(15)のようになる。
Figure 2006268558
そして同様にY(q)に関しては、設計要因X(1)〜X(p)の各要因寄与評価指標R(X1)〜R(Xp)は下記(16)のようになる。
Figure 2006268558
これら(14)〜(16)などの値を比較することにより、各設計要因X(k)の重要性(線形回帰モデルの寄与率に相当する指標)を評価することができ、非線形な曲面モデルであっても要因分析が可能となる。
次に、要因寄与度の評価方法について説明する。図7は、要因寄与度の評価方法を示すフローチャートである。図7に示すように、実験データDBに登録されている各実験データから所定の要因を除いた実験データからなる再構築データDB21を生成する(ステップS20)。各実験データから除く要因は、1つでも、複数でもよい。こうして再構築した再構築データDB21に対し、実施の形態1に示すステップS11〜ステップS15と同様に、ステップS21〜ステップS25の処理を実行する。
すなわち、再構築データDB22からランダムサンプリングにより新たに要因寄与評価用データベース23を生成する(ステップS20)。そして、この要因寄与評価用データベース23を参照して曲面モデル(寄与評価用曲面モデル)を生成し、その最適解(寄与評価用最適解)を探索する(ステップS22、23)。探索した要因寄与評価用最適解を要因寄与評価用最適解データベース24に登録する。以上のステップS21〜ステップS23までの処理を、予め設定した回数(=m)繰り返すことで、m個の要因寄与評価用最適解が登録された要因寄与評価用最適解データベース24が生成される(ステップS24)。最適解評価指標算出部25は、生成された要因寄与評価用最適解データベース24を参照し、上述の式(11)、(12)で示される、実験データからある特定の要因を除いた場合の評価指標を要因寄与評価指標として算出し、これを要因寄与評価用評価指標DB26に登録する。ステップS20〜S25までの処理を繰り返し、全ての要因についてステップS20〜S25の処理が終了すると(ステップS26)、要因寄与評価用評価指標DB26は完成となる。要因寄与評価指標算出部27は、この要因寄与評価用評価指標DB26を参照し、上述のように要因寄与評価指標を算出して出力する(ステップS27)。
次に、本実施の形態におけるデータ処理方法の結果の一例について説明する。図8は、本実施の形態の方法にて算出した結果を示す図であって、特性値Y,Y,Yに対する設計要因X(1)〜X(3)の寄与程度を分散比の例として示すグラフ図である。本例においては、いずれの特性値Y,Y,Yにおいても、設計要因X(2)が最も大きい寄与率を示すことがわかる。例えば、このような結果において、著しく寄与率が小さい設計要因を除いたり、寄与率が大きい設計要因に重み付けした曲面モデルを設計するなどの利用が可能である。
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。図9は、本発明の実施の形態3にかかるデータ処理装置を示す模式図である。本実施形態は、実施の形態1の構成に加え、最適解信頼性評価指標に基づき、実験データDB11の質を定量的に評価する最適解評価指標算出部32を有し、これに基づきさらに追加実験を効率よく行うためのものである。
このため、図9に示すように、最適解評価指標算出部32は、実施の形態1と同様の方法にて得られた信頼性評価指標、特にBS最適解の平均値(式(6))が、実験データDB11の全実験データを使用して同定された曲面モデル(オリジナル最適解)と比較する機能を有する。
そして、最適解評価指標(式(6)、(7))とオリジナル最適解とに大きな乖離がある場合、実験データDB11に収集されていた実験データ(標本)が最適解を得るためにはもともと不十分であったと判断することができる。この場合、本実施の形態においては、後述するように、実験データを新たに収集し、実験データDB11を再構築する。つまり、上記乖離程度(差分や比など)を監視することで、実験データの質を定量的に評価することができ、追加実験の必要性を判定することができる。なお、当該判定機能は本実施の形態においては最適解評価指標算出部32が有するものとして説明するが、最適解評価指標算出部32が算出した最適解指標と、上記オリジナル最適解とを比較し、判定することができれば新たに判定部を設けるなどしてもよいことは勿論である。
この判定方法としては、たとえば、上記乖離が予め設定した閾値以上か否かを判定する方法や、BS最適解データベース16から得られる最適解評価指標の標準偏差σを利用し、たとえば3σ以上を乖離を閾値として判定してもよい。
そして、最適解評価指標算出部32又は図示せぬ判定部により、上記乖離が所定の閾値以上など、追加実験の必要性が判定された場合、新たに実験を行い、実験データ・DB11を更新する追加実験データ入力部31を有する。ここで、追加実験データ入力部31は、外部と接続され新たに追加実験を行ったり、又は追加すべきに好ましい実験データを出力するようにし、ユーザがその出力結果に応じて追加実験を行い、その実験データを入力するようにしてもよい。
ここで、BS最適解の平均値(式(6))の周辺とすることで、従来、試行錯誤的に設計条件を変えて追加実験していたのに対して、より効率よく追加実験を実施することができる。また、追加実験データは、ブートストラップ最適解の平均値となる設計条件で実験した実験データのみでもいいし、最適解のばらつき(標準偏差)(式(7))を考慮して、それらのばらつき内で設計条件を変化させた場合の実験データを数点収集するようにしてもよい。
これにより、やみくもに追加実験を実施していた従来方法に対し、追加すべき実験データを適切に把握し、効率よく追加実験が実施でき、また最適解の信頼性を評価できる。その結果、効率よく最適な製品設計が行える。
図10は、本実施の形態にかかる動作を示すフローチャートである。図10に示すように、ステップS11〜ステップS15までの処理は実施の形態1と同様である。ステップS15において最適解評価指標を算出した後、上述したように、最適解評価指標(式(6)、(7))と、全ての実験データから求めたオリジナル最適解との剥離度を調べ、追加実験が必要か否かを判定する(ステップS16)。必要であれば追加実験データを入手し(ステップS17)、ステップS11からの処理を繰り返す。
このように、追加実験し、実験データDB11を再構築後に、ステップS11からの処理を繰り返すことで、追加実験後の実験データDB11に登録されている実験データの質・量の評価を行うことができる。また、ステップS17において実験データを1つ又は複数追加していくことで、極めて少ない追加実験データにより、その質・量が保障された実験データDBを得ることも可能となる。
また、上述の実施の形態2と組み合わせることで、多数の要因を有する実験データである場合には、寄与度が高い要因のみで最適解の評価又は実験データDBの評価を行うことで更に高効率化を図ることができる。
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、上述の実施の形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではなく、任意の処理を、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。コンピュータは、CPU、ROM、RAM、ディスプレイ装置、キーボード又は外部記憶装置とのインタフェースを確保するための回路等を備えた周知の構成のものでよい。コンピュータは、CPUは、ROM若しくはRAMに記憶されたプログラム、又はキーボードから入力されたコマンドに従って処理を実行する。また、CPUは、外部記憶装置にデータを書き込んだり、外部記憶装置からデータを読み出したりすることができる。
この場合、コンピュータプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録して提供することも可能であり、また、インターネットその他の伝送媒体を介して伝送することにより提供することも可能である。記録媒体にて提供する場合には、コンピュータに接続された外部記憶装置に当該記録媒体を挿入し、媒体に記録されたプログラムを読み取らせ、コンピュータに転送するよう構成すればよい。
本発明の実施の形態1にかかるデータ処理装置を示す模式図である。 ブートストラップ法を利用した本発明の実施の形態1にかかる最適解データベースの生成方法を説明する模式図である。 本発明の実施の形態1にかかるデータ処理方法であって、最適解の信頼性評価の方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1の方法により信頼性を評価した結果を示す図である。 同じく、本発明の実施の形態1の方法により信頼性を評価した結果を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかるデータ処理装置を示す模式図である。 本発明の実施の形態2にかかるデータ処理方法であって、要因寄与度の評価方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2の方法により各特性値に対する設計要因の寄与程度を算出した結果を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態3にかかるデータ処理装置を示す模式図である。 本発明の実施の形態3にかかるデータ処理方法であって、追加実験の有無を判定する動作を示すフローチャートである。 従来の曲面モデル同定装置を示す模式図である。
符号の説明
10,20,30 データ処理装置
12 データサンプリング部
13 BSデータベース
14 曲面モデル生成部
15 最適解探索部
16 最適解データベース
17,32 最適解評価指標算出部
18 最適解データベース生成部
20 データ処理
21 データベース再構築部
22 再構築データベース
23 要因寄与評価用データベース
24 要因寄与評価用最適解データベース
25 最適解評価指標算出部
26 最適解評価指数データベース
27 要因寄与評価指標算出部
31 追加実験データ入力部

Claims (9)

  1. N(Nは2以上の整数)種類の変量を有する複数の収集データが登録された収集データベースから前記収集データを任意にサンプリングしてサンプリングデータベースを生成し、
    前記サンプリングデータベースを参照し、前記N種類の変量の関係を近似したN次元の曲線又は曲面モデルをサンプリング曲線又は曲面モデルとして生成し、
    前記サンプリング曲線又は曲面モデルの最適解をサンプリング最適解として算出し、
    前記サンプリングデータベースの生成処理乃至前記サンプリング最適解の算出処理を繰り返し、複数のサンプリング最適解が登録されたサンプリング最適解データベースを生成し、
    前記サンプリング最適解データベースを参照して第1の評価指標を求めるデータ処理方法。
  2. 前記第1の評価指標は、前記サンプリング最適解の平均及びその分散である
    ことを特徴とする請求項1記載のデータ処理方法。
  3. 前記収集データベースを参照し、前記N種類の変量の関係を近似した前記N次元のオリジナル曲線又は曲面モデルを生成し、
    前記オリジナル曲線又は曲面モデルの最適解を算出し、
    前記オリジナル曲線又は曲面モデルの最適解と前記第1の評価指標との比較結果に基づき前記オリジナル曲線又は曲面モデルの最適解の信頼性を評価する
    ことを特徴とする請求項1記載のデータ処理方法。
  4. 前記オリジナル曲線又は曲面モデルの最適解の信頼性の評価結果に基づき新たな収集データを収集する
    ことを特徴とする請求項3記載のデータ処理方法。
  5. 前記オリジナル曲線又は曲面モデルの最適解と前記第1の評価指標との剥離度が、所定の閾値以上である場合、前記新たな収集データを収集する
    ことを特徴とする請求項4記載のデータ処理方法。
  6. 前記第1の評価指標として前記サンプリング最適解の平均を求め、
    前記サンプリング最適解の平均周辺のデータを前記新たな収集データとして収集する
    ことを特徴とする請求項4記載のデータ処理方法。
  7. 前記サンプリング曲線又は曲面モデルはスプライン補間により求める
    ことを特徴とする請求項1記載のデータ処理方法。
  8. 前記収集データベースに登録された各前記収集データの前記N種類の変量のうち選択した1以上の変量である評価用変量を除いた変量評価用収集データを登録した変量評価用収集データベースを生成し、
    前記変量評価用収集データベースを参照し前記変量評価用収集データを任意にサンプリングして変量評価用サンプリングデータベースを生成し、
    前記変量評価用サンプリングデータベースを参照して前記N種類の変量の関係を近似したN次元の変量評価用曲線又は曲面モデルを生成し、
    前記変量評価用曲線又は曲面モデルの最適解を変量評価用最適解として算出し、
    前記変量評価用サンプリングデータベースの生成乃至及び前記変量評価用最適解の算出処理を繰り返し、複数の変量評価用最適解が登録された変量評価用最適解データベースを生成し、
    前記変量評価用最適解データベースを参照して第2の評価指数を求め、
    前記第1の評価指数と前記第2の評価指数との比較結果に基づき前記評価用変量の評価をする
    ことを特徴とする請求項1記載のデータ処理方法。
  9. 所定の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    N(Nは2以上の整数)種類の変量を有する複数の収集データが登録された収集データベースから前記収集データを任意にサンプリングしてサンプリングデータベースを生成し、
    前記サンプリングデータベースを参照し、前記N種類の変量の関係を近似したN次元の曲線又は曲面モデルをサンプリング曲線又は曲面モデルとして生成し、
    前記サンプリング曲線又は曲面モデルの最適解をサンプリング最適解として算出し、
    前記サンプリングデータベースの生成処理乃至前記サンプリング最適解の算出処理を繰り返し、複数のサンプリング最適解が登録されたサンプリング最適解データベースを生成し、
    前記サンプリング最適解データベースを参照して評価指標を求める
    ことを特徴とするプログラム。
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