JP2006268182A - スピーカ付タッチパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 ハードコート処理を行わなくても良好な強度を持つとともに、比較的高温環境においても高い耐熱性と透明性を発揮し、且つ優れた音響特性を発揮することが可能なスピーカ付タッチパネルを提供する。
【解決手段】 スピーカ付タッチパネル1において、タッチパネル本体2の構成である上部および下部面状部材12、15と、当該タッチパネル本体2に積層される支持部材4を、化1で示されるシロキサン架橋型アクリルシリコーン樹脂からなる材料で構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スピーカ付タッチパネルに関し、特に当該スピーカ付タッチパネルの耐熱性等の特性向上に係る改良技術に関する。
パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ノート型PC、OA機器、医療機器、或いはカーナビゲーションシステム等の電子機器におけるディスプレイ装置に対し、入力手段としてタッチパネルの利用が拡大しつつある。また、近年ではタッチパネル本体に音響手段を兼ね備えさせ、パネル面をスピーカに利用してなるスピーカ付タッチパネルも開発・商品化されるに至っている。
タッチパネルには、静電容量方式等、複数の検出方式のものが存在するが、このうち代表的なタッチパネルは抵抗膜式の構成であって、特許文献1、2に示されているように、片面にITO等の透明電極(抵抗膜)が成膜された1対の透明面状部材を一定間隔で対向配置させてなる。一方の透明面状部材(上部面状部材)は入力面とされ、他方の透明面状部材(下部面状部材)はディスプレイと対向配置される。上部面状部材には透明樹脂材料、下部面状部材には当該樹脂材料の他にガラスが用いられる。また、上部面状部材、下部面状部材にはさらに、入力時におけるディスプレイ側への衝撃を緩和するために別途板状の支持部材を配設することもある。
以上の構成によりタッチパネルでは、駆動時にユーザーが上部面状部材の任意の位置を指やペンで押圧することで当該押圧位置で前記各抵抗膜同士が接触して通電し、各抵抗膜の基準位置から接触位置までの抵抗値の大きさから押圧位置が検出され、適切なインターフェイス機能が図られるようになっている。
ところでタッチパネル本体に音響手段としての機能を付与する場合、一般的にはタッチパネル本体に対し、前記支持部材にエキサイタと称される小型の音声素子が配設される。当該エキサイタは特許文献3及び4に記載されているように、取着側に所定の振動を加えることでタッチパネル全体を発音手段として利用するものであって、当該タッチパネル本体に取着する場合は前記支持部材に配設されることが多い。
このようにスピーカ付タッチパネルを構成することで、入力手段と音声出力手段とを一体化でき、当該スピーカ付タッチパネルを搭載する電子機器の小型化・省スペース化等に貢献することが可能である。
特開2000−89914号公報 特開2001−34418号公報 特開平10−243491号公報 特開平11−331969号公報 特開2003−102094号公報
しかしながら上記の構成を持つスピーカ付タッチパネルでは、以下の課題が存在する。
第一に、スピーカ付タッチパネルでは前述のように広範囲な用途が期待されているため、夏場の車内やカーナビゲーションシステムの応用等、比較的高温で、且つ長時間にわたる過酷な使用環境も想定される。この場合、スピーカ付タッチパネルとして使用される材料に適度な耐熱性がないと、タッチパネルとして求められる機械的強度、透明性、音響特性等の各特性の維持が困難となる。
特にスピーカ付タッチパネルでは、複数の材料からなる面状部材を積層する構成を持つことで、高温時における耐熱特性のばらつきから不要な反りが発生する等の不具合が生じることがある。したがって、このような不具合を出来るだけ抑制することが求められる。
第二に、前記上部・下部面状部材及び支持部材等からなる積層構造を持つスピーカ付タッチパネルでは、ディスプレイの視認性を確保するために良好な透明性を有することが求められるが、当該透明性に対する耐熱性を維持することが必要である。具体的には、従来の上部・下部面状部材として用いられる環状ポリオレフィン系材料は、室温では軽量性、剛性、機械的強度等の各性能をほぼ満足するが、70℃以上の高温環境下においては、当該材料が黄色等に着色する「色目変化」の問題が確認されている。色目変化が生じると、前記板材の透明性が損なわれるので、パネルの画像表示性能が損なわれる。
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであって、比較的高温環境においても高い作動信頼性と透明性、機械的強度を発揮でき、且つ優れた音響特性を発揮することが可能なスピーカ付タッチパネルを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、互いに対向配置された第一及び第二面状部材を備えるタッチパネル本体と、当該タッチパネル本体の前記第二面状部材に積層された支持部材と、当該支持部材に配設された音声素子とを備えてなるスピーカ付タッチパネルであって、
前記第一及び第二面状部材、並びに支持部材の各材料の線膨張係数の差が、1×10-5cm/cm・℃以内となるような温度特性をもつ構成とした。
ここで、前記支持部材は板状部材であり、前記音声素子は前記支持部材に対し、前記第二面状部材との対向面と反対の面に配設することができる。
また本発明は、互いに対向配置された第一及び第二面状部材を備えるタッチパネル本体に対し、前記第二面状部材に音声素子が配設された構成を有し、前記第一及び第二面状部材、並びに支持部材の各材料の線膨張係数の差が、1×10-5cm/cm・℃以内となるような温度特性をもつタッチパネルとした。
ここで、前記第一及び第二面状部材並びに前記支持部材からなるグループの部材は、シロキサン架橋型アクリルシリコーン樹脂からなる材料、非晶質ポリオレフィン系樹脂シート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂シート、環状ポリオレフィン系樹脂の中から選ばれた材料で構成することができる。
さらに前記第一及び第二面状部材並びに支持部材の各材料として、シロキサン架橋型アクリルシリコーン樹脂からなる材料を用いることもできる。
また、前記シロキサン架橋型アクリルシリコーン樹脂材料は、厚みが0.1mm以上0.4mm以下の範囲の材料であるとき、120℃で1000時間の加熱処理の前後における波長400nmの可視光透過率の変化が96%以上保持される構成とすることが望ましい。
また前記音声素子は、ボイスコイル及び磁気回路より構成されるエキサイタとすることができる。
さらに前記エキサイタは、固定部に前記磁気回路が配設されるとともに、当該固定部に前記ボイスコイルと、当該ボイスコイル周辺を囲むように弾性部材がそれぞれ配されて構成され、タッチパネル本体側に対し、前記弾性部材を密着させつつ、前記ボイスコイルが前記第二面状部材或いは支持部材の各表面に接着された構成とすることができる。
なお、前記第一及び第二面状部材の少なくともいずれかのその他方の面状部材と対向する表面に、ニュートンリングの発生を抑制するための凹凸処理を施すこともできる。
さらに本発明は、前記スピーカ付タッチパネルに対し、液晶ディスプレイ本体を積層してなる液晶ディスプレイ一体型タッチパネルとした。
ここで前記液晶ディスプレイ一体型タッチパネルは車載用とすることができる。
また本発明は、偏光板が積層されたインナータイプのタッチパネルにも、適用できる。
以上の構成を有する本発明のスピーカ付タッチパネルにおいては、上部および下部面状部材、並びに支持部材の各材料の線膨張係数の差が、1×10-5cm/cm・℃以内となるような温度特性をもつ構成とされている。
このような構成を取ることによって、本発明では上記各材料の特性(機械的強度、透明性、音響特性等の各特性)を、特に高温時において揃えることが可能となる。
これによって本発明では、従来よりも幅広い‐40℃から100℃という作動温度範囲においても、各材料の線膨張係数の差に起因した反りや撓みの発生を抑えることができ、優れた透明性、機械的強度が安定して発揮される。つまり本発明によれば、複数の材料からなる面状部材を積層する構成としても、不要な反りの発生等の不具合を確実に低減することができる。
更に、偏光板の線膨張係数を含めた、各材料の線膨張係数の差が、1×10-5cm/cm・℃以内となる構成とすることにより、ディスプレイ一体型タッチパネル、及び、インナータッチパネルとしての、不要な反りの発生等の不具合を確実に低減することができる。
なお、このような線膨張係数を有する温度特性を備える材料としては、本発明では比較的高い結合エネルギーを有するSi−O結合部分を分子構造に含むアクリルシリコーン樹脂を用いることができる。
これにより本発明では、従来構成によるスピーカ付タッチパネルに比べて優れた耐熱性を備えることにより、野外や高温環境下でも用いることが可能であって、特に夏期や熱帯地域での車載用途(カーナビゲーションシステム)においても良好に適用することが可能となっている。
さらに上記アクリルシリコーン樹脂は、Si−O結合を持つことにより、それ自体が十分な剛性と機械的強度及び表面硬度を有している。このため、従来の環状ポリオレフィン系の樹脂材料を用いる場合のように板材表面に別途ハードコート処理を施して表面加工する必要がない。したがって、製造効率およびコストの削減を良好に実現することが可能なメリットもある。
また、本発明の面状部材は、一般的に2軸延伸法により板材化されることの多い樹脂材料に比べて光等方性の面でも優れている。これにより、液晶ディスプレイ一体型構成のタッチパネル素材として使用した際に、ディスプレイの画像表示性能を損なうことがない。
なお、上記アクリルシリコーン樹脂は、優れた平滑性を有し、これによって高い透明性を有するものであるが、上記一対の面状部材が近接して対向配置される場合には、互いの表面反射光の干渉により、表面にニュートンリングが発生することがある。このため、上記のように対向面を予め梨地加工(凹凸処理)して表面反射光を乱反射させることにより、干渉を防ぎ、この問題の発生を良好に回避することが可能である。
<実施の形態1>
(スピーカ付タッチパネルの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1にかかるスピーカ付タッチパネル1の構成例と、これに組み合わされるLCDとの組み合わせを示す組図である。また図2は、当該スピーカ付タッチパネル1のyz面に沿った断面図である。
当該図1に示されるように、スピーカ付タッチパネル1は液晶ディスプレイ一体型タッチパネルであって、上から順に、偏光板3a、粘着材、タッチパネル本体2(上部面状部材12、抵抗膜13、スペーサ16、抵抗膜14、配線基板30、下部面状部材15)、粘着材、支持部材4、粘着材を積層してなる。ここで、上記各粘着材は他の構成要素の把握のため不図示としている。
さらに、支持部材4等の下にはLCDパネルの構成要素となる、偏光板201とLCDセル部20と、LCDの下に偏光板(図示なし)が同順に積層されており、全体として液晶一体型タッチパネルの構成をなしている。ここでは、当該スピーカ付タッチパネル1は、「4wire方式」と呼ばれる入力検出方法が採用されており、且つ各面状部材12、15の両方に樹脂材料を用いた「F−Fタイプ」と呼ばれる構成である。
なお抵抗膜式タッチパネルにおいては、「4wire方式」の別の方式として、5線式、7線式、8線式、9線式等を用いてもよい。また、抵抗膜式以外の検出方式として、静電容量方式等を用いてもよい。
本実施の形態1のスピーカ付きタッチパネル1は、車載用カーナビゲーションシステムへの用途を想定している。
偏光板3aは、例えばそれぞれ厚み200μmの染料系直線偏光板(TAC/PVA/TACの積層板等)からなる。偏光板3aは、上部面状部材12表面に積層され、外部に露出するようになっている。これによりタッチパネル本体2内部へ入射される可視光に起因する反射光量を、当該偏光板を設けない場合に比べて約半分以下にまで抑制する作用がなされる。
一方、支持部材4の下方においてLCD偏光板201に積層される20は、LCDセル部である。LCDセル部20は公知のTFT型LCD基板であって、当図の上から下に同順に、不図示の透明層、カラーフィルタ、液晶分子層、TFT基板、透明層が積層されたユニットを構成している。なお、LCDセル部20はTFT型以外でもよく、また上記積層構造に限られない。前記偏光板201は、当該LCDセル部20の上に積層されている。
不図示の粘着材としては、良好な透明性、耐熱性、接着強度等の特性を有していることが必要であり、これを満足する材料として、例えば厚さ50μmの日東電工(株)11J9150Wを用いることができる。本発明では、特に良好な接着強度を確保するために全面貼着を想定している。
タッチパネル本体2において、上部および下部面状部材12、15は、それぞれ厚み約200μmの樹脂板材で構成されている。その少なくとも対向表面は、所望の表面粗さを持つ担持体を熱圧着する等の方法を用いて微細な梨地加工(凹凸処理)が施されており、これによって近接して対向配置される上部および下部面状部材12、15同士におけるニュートンリングの発生を効果的に抑制し、視認性を向上させるようになっている。
さらに、上部面状部材12に対向する下部面状部材15の表面には、xy方向に沿ってマトリクス状に半球状のドットスペーサー16が一定間隔毎に配設され、抵抗膜13、14同士の不要な接触を抑制する構成となっている。当該ドットスペーサー16は光硬化型のアクリル樹脂により作製可能であって、上部および下部面状部材12、15の対向距離に合わせて、例えば高さ10μm、直径10μm〜50μmのサイズに設定されている。なお、当図では図示を容易にするために実際よりドットスペーサー16のサイズを大きく表している。当該ドットスペーサー16は、半球状以外の形状、例えば円錐状、もしくは円柱状等としてもよい。
抵抗膜13、14は、それぞれ上部面状部材12、下部面状部材15の対向表面において、既知の抵抗値(面抵抗)を持つITO(Indium Tin Oxide)、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、或いはこれ以外の各種金属材料等の抵抗膜(透明導電膜)から構成されている。これらの材料を用いてCVD、真空蒸着、スパッタリング、イオンビーム等の方法により成膜することで、上記上部および下部面状部材12、15の表面に一様に所定面積の抵抗膜13、14が形成される。そして図2に示すように、粘着材、粘着シート、プラスチック板材両面に粘着材層を有する両面テープ等からなる高さ約50μmのリブスペーサ18を設けることで、通常は当該抵抗膜13、14同士が一定間隔をおくように対向配置されている。
抵抗膜13、14の成膜パターン例としては図1に示すように、上部および下部面状部材12、15の対向表面において矩形状に形成させる。そして、形成した当該抵抗膜13、14のy軸或いはx軸に並行な一対の辺に沿って、それぞれ引き出し線131、132、141、142を配設することで、全体としてxy直交座標をなすよう形成する。引き出し線131、132、141、142には、電極端子131a、132a、141a、142aが設けられている。なお、133は、電極端子132aと引き出し線132を接続するための接続線である。
一方、抵抗膜13、14の間には、フレキシブルコネクター30が所定の位置に介設される。当該フレキシブルコネクター30は、PET或いはポリイミド等の樹脂材料で作製されたフレキシブル基板301と、当該基板表面において、Au、Ag、Cu等の良好な導電性を持つ材料からなる配線302〜305が形成されてなる。配線302〜305には電極端子302a〜305aが形成されている。
ここで実施の形態1の液晶ディスプレイ一体型タッチパネル(図1)において、最表層の偏光板3aは、LCDセルの上の偏光板201と、その偏光角度を同じにしておく必要がある。
一方、インナータイプのタッチパネルの場合は、LCDセルの上の偏光板201を取り除いて、タッチパネルの最表面(3a)の変わりに取付けた構成のものを言う。
その場合、最表面の偏光板(この場合は201)の偏光角度は、LCDセル下の偏光板の偏光角度と、直角の方向にする必要がある。
以上の構成で電気配線が為されたタッチパネル本体2の入力検出原理(4wire方式)は、まずy軸に沿った引き出し線131、132間に0〜5V程度の直流電圧を印加しておき、ユーザによる入力がなされるとx軸に沿った引き出し線141、142を電圧検出電極としてy軸方向の位置データを獲得する。次に、x軸に沿った引き出し線141、142間に電圧印加を行い、y軸に沿った引き出し線131、132を電圧検出電極とすることでx軸方向の位置データを獲得する。これによりxy両方の座標情報が得られる。タッチパネル1では以上の検出ステップを交互に繰り返すことで、逐次的にユーザからの入力情報を獲得し、GUI(Graphical User Interface)としての機能が発揮される。
タッチパネル本体2に積層される支持部材4は、ここでは後述のエキサイター5R、5Lの取着領域を確保するために、上部および下部面状部材12、15より幅広の板状体で構成され、下部面状部材15に積層されている。当該支持部材4は、適度な剛性を得るために所定の厚み(例えば、0.2mmから3mm程度の範囲)を有する板体材料が用いられている。
エキサイター5R、5Lは、例えば特許文献4(特開平11‐331969号公報)に記載される公知のパネル型スピーカーであって、長方形状の固定部50R、50Lの真中に、磁気回路(不図示)、ボイスコイルとしての振動部51R、51Lと、当該振動部51R、51Lを囲繞する発泡ゴムを素材とする弾性部材(不図示)等が配設されてなる。
振動部51R、51Lは、ユニモルフ型或いはバイモルフ型のいずれかの形式を有する円形振動素子と、その周囲に配されたコイル巻枠により構成され、当該巻枠の内側に円形のサブパネルが嵌着されている。エキサイター5R、5Lbの支持部材4への取付方法としては、前記サブパネルを支持部材4の裏面4bに密着させ、前記支持部材4の裏面に予め取り付けた不図示のL型金具等を利用し、当該金具と前記弾性部材とを介在させつつ支持部材4側に押圧して取り付けるようにする。
このような構成のエキサイター5R、5Lによれば、外部より前記磁気回路への入力がなされると、当該入力に応じて駆動部51R、51Lが厚み方向へ往復運動する。そして、この往復運動により発生した可聴周波数帯の振動が、支持部材4の全体に伝達されることとなる。この伝達された振動は、支持部材4の表4a,裏4bの両方向にほぼ同一の放射特性(無指向性)により、音波振動となって空気中に伝搬される。
なお、音声素子としては当然ながら上記以外の構成のものを使用してもよい。
ここにおいて、本実施の形態1のスピーカ付タッチパネル1の特徴は、上部および下部面状部材12、15、並びに支持部材4の材料にある。すなわち当該各部材12、15、4は、ともに、各材料の線膨張係数の差が、1×10-5cm/cm・℃以内となるような温度特性を持つ材料で構成されている。本実施の形態1ではこのような工夫を行うことにより、従来よりも幅広い‐40℃から100℃という作動温度においても、線膨張係数の差に起因したたわみを抑えることができる。
なお、線膨張係数の差を1×10-5/℃以内に設定すれば、各部材の体積変化の差を極めて小さく抑えられ、従って、体積変化に伴う応力の発生を抑えられるので、結局は、パネルの変形を抑えるのに有効なのである。
以下、本実施の形態1の当該特徴部分について具体的に説明する。
(上部、下部面状部材及び支持部材とその効果について)
本実施の形態1のスピーカ付タッチパネル1では、上部及び下部面状部材15、15及び支持部材4を構成する具体的な材料として、これらに豊富なSi−O−Si結合(シロキサン結合)による架橋構造からなるアクリルシリコーン樹脂からなる板状体を用いている。これにより、従来構成に比べて優れた材料特性(耐衝撃性を含む機械的強度、熱的安定性、化学的安定性、透明性、或いは音響特性等)が発揮され、実質的なスピーカ付タッチパネルの作動温度範囲として−40℃から100℃程度まで幅広く対応することができる。
従来のFFPタイプのタッチパネル本体における上部および下部面状部材の各材料としては、環状ポリオレフィン系樹脂等、また支持部材としてはPC(ポリカーボネート)がそれぞれ一般的であるが、これらの材料は長期にわたる高温環境(例えば夏期の車内におけるカーナビゲーションシステム)で理想的な耐熱性を維持することが難しい性質がある。高温環境下で使用すると、空気中の酸素と化合して板材が色目変化(黄変など)を生じ、経時的に画像表示性能を損なう等の問題がある。
耐温環境化での色目変化が、起りにくい材料として、PET(ポリエチレンテレフレート)を、タッチパネルの上部及び、下部面状部材として用い、支持部材としてPC(ポリカーボネート)を用いた場合は、それぞれの線膨張係数(PET(ポリエチレンテレフレート);1.5×10-5cm/cm・℃、PC(ポリカーボネート);6.2×10-5cm/cm・℃)に大きな差があるため、環境変化により、ディスプレイ側基板の撓みによる変形が生じる。
また、スピーカ付タッチパネルではタッチパネル本体2を構成要素である上部及び下部面状部材12、15に加え、さらに別途支持部材4を積層した構造としているので、高温時には当該各材料の線膨張係数のばらつきに伴う性質が比較的顕著に表れ、変形応力により不要な反りが発生しやすい問題もある。これにより従来のスピーカ付タッチパネルにおける実質的な作動温度範囲は−40℃から60℃の範囲とされているが、本実施の形態1のスピーカ付タッチパネル1では上記各面状部材12、15、及び支持部材4にそれぞれアクリルシリコーン樹脂を用いることで、黄変等の色目変化を起こすことなく良好な光等方性が発揮されるとともに、上記温度範囲を超える高温環境(特に上記カーナビゲーションシステムや、外気温が高い製造工場等での使用)においても良好に駆動できる構成となっている。
具体的に当該アクリルシリコーン樹脂は、例えば次の化1に示す分子構造から構成されているものであって、アクリル樹脂分子とシリコン原子とが紫外線によりシロキサン架橋を構成してなる。
なお、アクリル分子とシリコン原子との割合によっては、アクリル分子のみ、またはシリコン原子が連続して結合する場合もあるので、実際の分子構造は化1に示される理想的な構造より多少変化する。また式中のRは水素原子である場合もある。
Figure 2006268182
上記アクリルシリコーン樹脂は、従来品に使用される環状ポリオレフィン系樹脂に比べて高い耐熱性・熱的安定性を有している。
また従来の材料である環状ポリオレフィン系樹脂の主な分子構造におけるC−C結合エネルギーが347kJ/molであるのに対し、アクリルシリコーン樹脂におけるSi−O結合エネルギーは約370kJ/molであり、この数値からも当該アクリルシリコーン樹脂が従来品より優れた強度を有することが分かる。アクリルシリコーン樹脂はこのようなSi−O結合を持つことにより、それ自体が十分な剛性と機械的強度を有している。このため、従来の環状ポリオレフィン系樹脂材料を用いる場合のように板材表面に別途ハードコート処理を施して表面加工する必要がなく、その分、製造効率およびコストの削減を良好に実現することが可能であるというメリットもある。
このようなアクリルシリコーン樹脂は、例えばアクリル含有アルコシシシランを用い、アクリル基の重合反応とアルコキシシリル基の加水分解・縮合反応により逐次的に合成する方法が挙げられるが、当然ながらこれ以外の方法によって合成してもよい。
なお、「アクリルシリコーン樹脂」自体は、例えば特開平8−104710号公報に開示されている材料であるが、当該公報に記載されているようにハードコート用の皮膜剤として用いられるのが一般的であって、本願で初めて板材部材(面状部材)として用いられるものである。
なお本実施の形態1では、上部および下部面状部材12、15、及び支持部材4のうちのいずれかに、アクリルシリコーン樹脂材料を用いる構成例を示したが、当該各部材12、15、4はこの材料に限定するものではなく、ともに線膨張係数の差が、1×10-5cm/cm・℃以内の範囲の温度特性を持つ材料で構成すればよい。当該数値範囲の条件を満足する材料の組み合わせとして、当該各部材12、15、4をすべてアクリルシリコーン樹脂材料で構成することが望ましいが、少なくとも上部および下部面状部材12、15をアクリルシリコーン樹脂材料で構成し、支持部材4をポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂であるポリメチルメタクリレート(PMMA)、環状ポリオレフィン系樹脂の中から選ばれた材料で構成することができる。本発明で利用できる材料特性については以下の実施例で説明する。
<実施の形態2>
本発明のスピーカ付タッチパネルは、上記実施の形態1の構成に限定するものではなく、例えば下部面状部材15に支持部材4を兼ねさせた構成とすることもできる。
ここで図3は、実施の形態2のスピーカ付タッチパネル1の構成を示す断面図である。当該スピーカ付タッチパネル1における特徴は、タッチパネル本体2と支持部材4との区別が無く、支持部材4を兼ねる下部面状部材15と、上部面状部材12とが、ともにアクリルシリコーン樹脂材料で構成され、下部面状部材15の下面4bに偏光板201、LCDセル20等が配されている点にある。
本発明では、このようなスピーカ付タッチパネル1の構成としても、前記実施の形態1の液晶ディスプレイ一体型タッチパネル本体2を備えるスピーカ付タッチパネル1と同様の効果が奏される。さらに本実施の形態2では、下部面状部材15に支持部材4を兼ねさせた構成のため、その分部材点数を低減して製造効率の向上を図るとともに、高温使用時における不要な反りの発生をさらに低減する効果も期待できるようになっている。
<実施の形態3>
次の図4に示す実施の形態3のスピーカ付タッチパネル1は、基本的には実施の形態1の構成と同様であるが、各種偏光板3aを省略した構成を特徴とする。偏光板3aは、当該スピーカ付タッチパネル1の使用環境に合わせ、外光反射を特に低減させたり、視認性をより向上させるために利用するものであって、適宜用いることができる。このような構成によっても、前記実施の形態1の液晶ディスプレイ一体型のタッチパネル本体を備えるスピーカ付タッチパネルと同様の効果が奏されるほか、偏光板を省略することで生産コストの低減や軽量化が図られ、振動板となるタッチパネルの構成が薄くなることで、音響振動を妨げる要因が減るので、音響特性を改善する効果も奏されると考えられる。
<実施の形態4>
次に示す図5のスピーカ付タッチパネル1は、上記実施の形態2と3の組み合わせの構成であって、支持部材4を兼ねる下部面状部材15と、上部面状部材12とが、ともにアクリルシリコーン樹脂材料で構成され、かつ、各種偏光板3aを省略した構成を特徴としている。
このように本発明では、スピーカ付タッチパネルの使用用途・状況に合わせ、上記した各実施の形態1〜3を適宜組み合わせることによって、比較的簡単な構成で製造効率が高められるとともに、異種材料の組み合わせによって生じやすい反り等の問題を抑制できる。
<測定実験と考察>
(測定実験1)
ここでは、上記実施の形態1で用いたアクリルシリコーン樹脂の有効性についてのデータを示す。
実施品(実施例)としては、上記化1で示されるアクリルシリコーン樹脂からなるフィルム材料(板材)を用いた。
なお、作製した実施品の表面鉛筆硬度について調べたところ、その測定値は以下の表1に示す通り4Hであり、通常の光等方性板材表面硬度2B及び通常の光等方性板材表面にハードコート層を形成した板材の表面硬度Hよりも格段に高い表面硬度を有する板材であることが分かった。
Figure 2006268182
次に上記材料を120℃の高温環境に所定時間載置することで酸化劣化の加速実験を行い、以下の各実施例a〜fを用意した。

実施例(a);(高温未処理)
実施例(b);(高温150時間)
実施例(c);(高温240時間)
実施例(d);(高温480時間)
実施例(e);(高温720時間)
実施例(f);(高温1000時間)

従来品(比較例)としては、環状ポリオレフィン系樹脂の材料として、JSR社製「アートン」を用いた。この板材両面に、光硬化型アクリル系材料を用いてHC(ハードコート処理)を行い、三層構造の面状部材を形成した。これを120℃の高温環境に所定時間載置することで酸化劣化の加速実験を行い、以下の各比較例g〜lを用意した。

比較例(g);HC/アートン/HCの三層構造 (高温未処理)
比較例(h);HC/アートン/HCの三層構造 (高温150時間)
比較例(i);HC/アートン/HCの三層構造 (高温240時間)
比較例(j);HC/アートン/HCの三層構造 (高温480時間)
比較例(k);HC/アートン/HCの三層構造 (高温720時間)
比較例(l);HC/アートン/HCの三層構造 (高温1000時間)

これらの高温処理を行った各実施例および各比較例について、透過率の測定(%)を行った。
これらの実験結果を図6、図7のグラフにそれぞれ示す。
各図に示されるように、各実施例および各比較例はともに短波長の光に対する透過率が減少する傾向が見られるが、比較例g〜lでは特に、高温処理時間が長いほど当該短波長の光に対する透過率が著しく低下している。
例えば比較例h(加熱時間150hr)では波長400nmの光に対しては透過率が85.9%となり、加熱前の初期値に対して95.6%となっている。
また、その材料は目視で加熱前に比べ黄色に着色していることが確認される。
さらに、比較例l(加熱時間1000hr)では波長400nmの光に対しては透過率が78.1%となり、加熱前初期値に対して86.9%となっている。さらに、その材料は目視で加熱前に比べ大きく黄色に着色していることが確認される。
これに対し実施例では、最も高温処理時間の長い実施例fにおいても、波長400nmの光に対して透過率が89.4%に達している。加熱前初期値に対して98.7%となっている。
また目視上、加熱前と色調変化が無く、高温状態でもタッチパネルの画像表示性能として良好な性能(光透過性および光等方性)が得られることが確認できる。
目視評価の結果から、黄色に着色しない材料として、加熱後の透過率は、加熱前初期値に対して95.6%を越え、約96%以上が望ましい。
ここで表2は、実施例の可視光透過率における性能を示す別のデータである。
Figure 2006268182
この表2においても、本発明の実施例が良好な性能を有することが確認できる。このように、実施例の高い光学性能は分子構造の高い安定性により発揮されるものであるから、本発明のアクリルシリコーン樹脂からなる材料が良好な耐熱性を有していることも推測される。

(測定実験2)
次に、本発明の構成で利用できるスピーカ付タッチパネルの上部面状部材、下部面状部材、支持体の各材料の組み合わせを設定し、その組み合わせで構成したスピーカ付タッチパネルの性能測定を行った。この結果を実施例1から5、比較例1から12に分け、表3、4にそれぞれまとめた。
ここで、各部材の特性を比較しやすいように、厚み基準等の数値範囲を以下の通りに設定した。

上部面状部材、下部面状部材;厚み0.025mm以上〜0.3mm以下の範囲
支持部材;厚み0.3mm以上3.0mm以下の範囲(実際には厚み1.0mm程度とすることが望ましい)
下部面状部材と支持部材を兼ねる場合の下部面状部材;厚み0.3mm以上3.0mm以下の範囲が望ましく、実際には厚み1.0mm程度とすることがより望ましい)
なお、音響効果において効率よく、音響特性を達成させるためには、振動板となる部材の厚さは、2mm以上が望ましいことが別の実験より分かっている。しかしながら、タッチパネルでの画像視認性を考慮すると、タッチパネル構成部材は、視差の課題から、できる限り薄い方が望ましい。そこで、両機能のトレードオフとして、この実施例では、支持部材を1.0mmとした。

線膨張係数の単位;10−5cm/cm・℃(10ppmとして換算可能)

実施例を作成するにあたり、上部面状部材、下部面状部材、支持体の選択材料として、耐熱アクリル(シロキサン架橋型アクリルシリコーン樹脂)、又は選択的な第一の材料グループ(アクリル樹脂としてポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、非晶質ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂)から選んだものを使用した。このとき上部面状部材、下部面状部材、支持体の少なくともいずれかを耐熱アクリルで構成し、これ以外を上記する実施例1を除き、残りの実施例2から4として、上部面状部材、下部面状部材、支持体のいずれかに上記選択的な材料グループに含まれるものを選んで用いた。
また、比較例を作成するにあたっては、選択的な第二の材料グループ(アクリル、非晶質ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ガラス)から選んだ。
このうち環状ポリオレフィン材料にはJSR社製「アートン」、非晶質ポリオレフィン材料としては日本ゼオン社製「ゼオノア」をそれぞれ用いた。
また、PET材料としてはTg70℃、PC材料としてはTg150℃のものをぞれぞれ用いた。PETについては表面に公知のハードコート処理を施した。
ここで用いた各材料の線膨張係数は以下の通りである。
PC;6.2×10−5cm/cm・℃
非晶質ポリオレフィン;6.2×10−5cm/cm・℃
PET;1.5×10−5cm/cm・℃
アクリル;6.9×10−5cm/cm・℃
ガラス;0.7×10−5cm/cm・℃
なお耐熱アクリルの線膨張係数は、6〜9×10−5cm/cm・℃であるが、他の材料と組み合わせて、構成する場合は、他の材料との線膨張係数の数値を1以下になるように、合わせる必要がある。耐熱アクリル樹脂フィルム材料の原料を調整することで、6〜9×10−5cm/cm・℃
の範囲で調節することができる。
次に示す表3、4中において、各部材の線膨張係数の差を指標として表す。この線膨張係数の差が1以下であれば、スピーカ付タッチパネルの構成材料として優れていることを示す。
また、表3、4中において、各実施例1〜5及び各比較例1〜12の反りの低減効果、応変の低減効果、コスト低減効果の度合いをそれぞれ記号で示した。
Figure 2006268182
Figure 2006268182
<考察>
上記表3、表4の結果から明らかなように、上部面状部材、下部面状部材、支持体のすべてをアクリルシリコーン樹脂で構成した実施例1が、反りの低減効果、黄変の低減効果、コスト性の各性能において最も優れていることがわかった。
また当該アクリルシリコーン樹脂のみを利用した実施例1の構成に限らず、上部面状部材、下部面状部材、支持体の各材料が、本発明で規定する線膨張係数の数値範囲に属する材料の差が1以下の範囲の温度特性を持つ材料)の組み合わせからなる他の実施例2〜4も、実施例1に準ずる性能を有し、本発明の効果を十分奏することがわかった。
一方、比較例1〜12においては、従来より広く市販されて存在する一般材料を用いたことから、材料コストの面ではほぼ良好であるメリットを有しているが、これ以外の性能、すなわち反りの低減効果又は黄変の低減効果については、スピーカ付タッチパネルとしての性能としてあまり優れないことがわかった。なお、比較例11は間接的な比較例としてガラスーガラスの組み合わせからなるタッチパネルの構成を示しており、反りや黄変といった性能は満足するが、薄型化、タッチパネルの作動押圧力といった機能的な性能から、薄膜ガラス等の比較的撓みやすい材料を用いるなどの改善が必要と思われる。その場合、反り等の問題が顕在化するおそれがある。

<その他の事項>
上記実施の形態1では、化1に示す構造式を持つシロキサン架橋型アクリルシリコーン樹脂を用いる例について示したが、当該樹脂はこの構造式に示されるものに限定されず、例えば分子末端にアルコキシシリル基等のシロキサン結合部分を持つ官能基や、当該樹脂の重合反応時に用いた重合開始剤等の分子が結合した分子構造であっても良い。
なお、本発明のスピーカ付タッチパネルは、上記実施の形態1から4で挙げた構成例に限定されず、これ以外の構成を持つものにも適用可能である。
また、前記上部及び下部面状部材の材料としては、光等方性フィルムだけでなく、いわゆる位相差フィルムも適用可能である。位相差フィルムには、1/4λ位相差フィルムと1/2λ位相差フィルム等があり、ここでは当該位相差フィルムの一例として、1/4λ位相差フィルムを使用することができる。このフィルムを用いれば、反射光を円偏光化し、タッチパネルの内面反射をカットして、良好な低反射性を付与することが可能である。なお、この場合は両面に偏光板の配されたLCDを使用する。
また、例えば上部面状部材等には、さらにその表面に別途、LR(Low Reflection)層、AR(Anti Reflection)層等の低反射層を設けることで、最表面からの低反射化が可能となるので、さらなる視認性の向上が可能である。本発明では、このような工夫を行うのも望ましい。
さらに本発明は、抵抗膜式のタッチパネルに限らず、静電容量式のタッチパネル等にも利用可能である。この場合、支持部材と、タッチパネルの構成の上部及び下部面状部材に相当する、導電膜が成膜される基板材料として、本発明の線膨張係数を備える材料を用いるヒル用があることは言うまでもない。
本発明のスピーカ付タッチパネルは、例えば高温条件下で使用が想定されるカーナビゲーションシステム(液晶ディスプレイ一体型タッチパネル装置)などに利用することが可能である。
実施の形態1に係るスピーカ付タッチパネル及びLCDの構成を示す模式的な組図である。 実施の形態1のスピーカ付タッチパネルの断面図である。 実施の形態2のスピーカ付タッチパネルの断面図である。 実施の形態3のスピーカ付タッチパネルの断面図である。 実施の形態4のスピーカ付タッチパネルの断面図である。 実施例の板材の性能を示すグラフである。 比較例の板材の性能を示すグラフである。
符号の説明
1 スピーカ付タッチパネル
2 タッチパネル本体
3a、201 偏光板
4 支持部材
5R、5L エキサイタ
12 上部面状部材
13、14 抵抗膜(透明電極膜或いは電極層)
15 下部面状部材
16 突起スペーサ
17 空気層
18 リブスペーサ
20 LCDセル部
30 フレキシブルコネクター
50R、50L 固定部
51R、51L 振動部
131、132、141、142、302、303、304、305 引き出し線
133 接続線
131a、132a、141a、142a、302a〜305a 導電端子
301 フレキシブル基板



Claims (12)

  1. 互いに対向配置された第一及び第二面状部材を備えるタッチパネル本体と、当該タッチパネル本体の前記第二面状部材に積層された支持部材と、当該支持部材に配設された音声素子とを備えてなるスピーカ付タッチパネルであって、
    前記第一及び第二面状部材、並びに支持部材の各材料の線膨張係数の差が、1×10-5cm/cm・℃以内であることを特徴とするスピーカ付タッチパネル。
  2. 前記支持部材は板状部材であり、前記音声素子は前記支持部材に対し、前記第二面状部材との対向面と反対の面に配設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ付タッチパネル。
  3. 互いに対向配置された第一及び第二面状部材を備えるタッチパネル本体に対し、前記第二面状部材に音声素子が配設された構成を有し、
    前記第一及び第二面状部材の各材料の線膨張係数の差が1×10-5cm/cm・℃以内であることを特徴とするスピーカ付タッチパネル。
  4. 前記第一及び第二面状部材並びに前記支持部材からなるグループのうち、これに属する少なくともいずれかの部材はシロキサン架橋型アクリルシリコーン樹脂からなる材料で構成され、当該グループに属するその余の部材は、非晶質ポリオレフィン系樹脂シート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂シート、環状ポリオレフィン系樹脂の中から選ばれた材料で構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカ付タッチパネル。
  5. さらに前記第一及び第二面状部材並びに支持部材の各材料として、シロキサン架橋型アクリルシリコーン樹脂からなる材料が用いられている
    ことを特徴とする請求項4に記載のスピーカ付タッチパネル。
  6. 前記シロキサン架橋型アクリルシリコーン樹脂材料は、厚みが0.1mm以上0.4mm以下の範囲の材料であるとき、120℃で1000時間の加熱処理の前後における波長400nmの可視光透過率の変化が96%以上保持される
    構成であることを特徴とする請求項4または5に記載のスピーカ付タッチパネル。
  7. 前記音声素子は、ボイスコイル及び磁気回路より構成されるエキサイタである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスピーカ付タッチパネル。
  8. 前記エキサイタは、固定部に前記磁気回路が配設されるとともに、当該固定部に前記ボイスコイルと、当該ボイスコイル周辺を囲むように弾性部材がそれぞれ配されて構成され、
    タッチパネル本体側に対し、前記弾性部材を密着させつつ、前記ボイスコイルが前記第二面状部材或いは支持部材の各表面に接着されている
    ことを特徴とする請求項7に記載のスピーカ付タッチパネル。
  9. 前記第一及び第二面状部材の少なくともいずれかはその他方の面状部材と対向する表面に、ニュートンリングの発生を抑制するための凹凸処理が施されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のスピーカ付タッチパネル。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のスピーカ付タッチパネルに対し、液晶ディスプレイ本体を積層してなる液晶ディスプレイ一体型タッチパネル。
  11. 前記第一の面状部材および前記第二の面状部材の各片面にそれぞれ電極が配設され、前記第一および第二の面状部材が前記各電極を向けた状態で一定間隔をおいて対向配置され、且つ、前記第一の面状部材の他方の面に偏光板が積層された構成を有する請求項1から10のいずれかに記載のインナータイプのタッチパネル。
  12. 前記液晶ディスプレイ一体型タッチパネルは、車載用であることを特徴とする請求項10または11に記載の液晶ディスプレイ一体型タッチパネル。
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