JP2006267789A - ディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスプレイの表示面の輝度に対して鑑賞者がまぶしくて不快感を生じないように輝度を制御とした表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明のディスプレイは、表示部101と、表示部101が取り付けられた筐体106と、表示部101の表示面と異なった筐体106の面に配置された光センサ102と、光センサ102の信号から表示部101の輝度を制御する制御回路105とを有する構成により、鑑賞者がディスプレイの表示面の輝度から受ける不快感を低減することができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のディスプレイは、表示部101と、表示部101が取り付けられた筐体106と、表示部101の表示面と異なった筐体106の面に配置された光センサ102と、光センサ102の信号から表示部101の輝度を制御する制御回路105とを有する構成により、鑑賞者がディスプレイの表示面の輝度から受ける不快感を低減することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、光センサを配置したディスプレイに関し、特にディスプレイの表示部を所定の輝度になるように制御するディスプレイに関する。
従来のディスプレイ(以下、表示装置ともいう)は、照明環境に対してディスプレイの表示部の表示面の見易さが異なることから照明環境の状況を光センサにより計測して、照明環境の状況に応じて表示面の輝度を調整するものがあった(例えば、特許文献1,2,3)。
図3は、特許文献1に記載された従来の表示装置を示すものである。図3において、光センサ306で受光した光量に対応して制御回路304で指示信号305を出力し、駆動回路303で照明用光源302、すなわち、バックライトの発光量を変化させることで液晶表示パネル301からの発光量を制御した。
しかしながら、実際に光センサをどのように使用すれば、バックライトの発光量を制御できるかの具体的な発明はなかった。照明環境を把握することが重要であるのであれば、光センサの位置は非常に重要なはずである。
これに対して、特許文献2や3は具体的な光センサの実施条件を記載している。
図4は、特許文献2に記載された従来の表示装置を示すものである。図4において、光センサ401で受光した光404の量に対応してバックライト・コントローラ402でLCDディスプレイ面403の輝度を制御した。
特許文献2では、LCDディスプレイ面403に直角に当る光量を感知できるようにLCDディスプレイ面と同一平面上に配置されていることが重要であることを述べている。
図5は、特許文献3に記載された従来の表示装置を示すものである。図5において、周囲光受光素子503で受光した光量に対応して周囲光演算回路504を介して光量制御回路505から光源501の輝度を制御する。周囲光受光素子503はスクリーン507の周囲環境506を投写レンズ508を介して受光する。特許文献3においても、図5のように周囲光受光素子503は液晶素子502と同一面上に配置されていた。
また、特許文献4では、表示パターンの白部分の面積を検出して輝度調整回路にフィードバックすることにより、表示内容の変化に対して、表示輝度を一定に保つことを示してある。しかしながら、どのような照明環境のときに、どのような輝度を表示させれば、ディスプレイの表示部に表示された映像を鑑賞している者が、まぶしさによる不快を感じずに鑑賞できるかについては、具体的な数値は記載されていなかった。
非特許文献1では、ディスプレイの表示部の表示輝度(Ltv)と、ディスプレイの背景輝度(Lb)の関係において、ディスプレイの背景輝度(Lb)に対するディスプレイの表示部の表示輝度(Ltv)の比Lb/Ltvに最適値があることを示した。すなわち、背景輝度Lbに対して最適な表示輝度Ltvがあることが示されている。
以上から、従来技術をまとめると、ディスプレイ面と同一平面上に光センサを配置してLbを計測し、Lb/Ltvから最適なLtvを求め、表示パターンの白部分の面積を検出して、その面積とLtvの積を一定するようにLtvを変化させると、ディスプレイの表示部の輝度Ltvは最適になることが公知化されている。
特開昭63−94228号公報(図1を参照)
特開平6−11713号公報(図2を参照)
特開平6−160845号公報(図3を参照)
特開平7−129113号公報
長谷川:テレビジョン画像の観視条件、テレビ誌、22、5(1968)pp347−356
本発明者は、より快適なディスプレイの表示部の表示面の輝度を追及するために、従来技術において、鑑賞者にとって本当に最適なディスプレイの表示部の表示面の輝度になっているかを、もう一度鋭意研究した。図6において、光源601の輝度をLi、鑑賞者602が位置する床面から1m上の水平面照度をEo、ディスプレイ600の表示部603の輝度をLtv、表示部603の画面照度をEtv、周囲環境604の壁面輝度をLbとする。Eo、Etv、LbはLiからの光に支配的であるならば、Liと比例関係にある。そのため、従来技術のように、周囲の照明環境は、ディスプレイ面と同一平面上に配置された光センサでEtvを計測すれば、Lbを計測していたことに相当していた。
しかしながら、現在の実際の照明環境を鑑みる。図7において、光源701の輝度をLi、鑑賞者702が位置する床面から1m上の水平面照度をEo、ディスプレイ700の表示部703の輝度をLtv、表示部703の画面照度をEtv、周囲環境704の壁面輝度をLb、表示部703の周囲にある窓705から入射される輝度をLw、鑑賞者702に対して表示部703の反対側に位置するダウンライト706からの輝度をLdとする。このような環境下では、EoとEtvはLiに支配的であるため、Liと比例関係にあるが、LbはLiよりもLwやLdの影響が大きいため、必ずしも、LbがEtvと比例しているとは言えない。そのため、図7のような照明環境下では、表示部703の表示面と同一平面上に配置された光センサでEtvを測定しても、Lbを測定していることにはならないという課題を有していた。
さらに、図7のような照明環境下で、LbとEoを独立に変化させたときに、Lbを一定としてEoを変えたとしても、Ltv/Lbの比率のみでは、ディスプレイ700の表示部703の最適な輝度は設定できるとは限らないという課題を有していることに本発明者は気づいた。
さらに、鑑賞者702の年齢が異なった場合、高齢者は眼球内にたんぱく質が増加することからまぶしさを受けやすいことが言われている(たとえば、矢野ら、高齢者の不快グレア 光色との関係、照明学会誌、77、6、1993、pp.24−31)が、Ltv/Lbの比率では、鑑賞者702の年齢の差が考慮されていないという課題を有していることにも本発明者は気づいた。
さらに、最適なディスプレイ700の表示部703の輝度とは、どのような判定基準で得られるべきか、また、表示部703の輝度の評価は、Ltv/Lbとともに絶対輝度が評価されるべきではないかという課題を有していることにも本発明者は気づいた。
以上から、本発明は、上記課題を解決するためになされ、その目的とするところは、鑑賞者がディスプレイの表示部を鑑賞している時に不快なまぶしさを受けずに快適に鑑賞することができるディスプレイを提供することにある。
上記課題を解決するために、本願の発明のディスプレイは、表示部と、前記表示部が取り付けられた筐体と、前記表示部の表示面と異なった前記筐体の面に配置された光センサと、前記光センサの信号から前記表示部の輝度を制御する制御回路と、を備える。
好適な実施形態において、前記光センサは、前記表示部の表示面に対して裏面の左側壁面、右側壁面、上側壁面の光量を測定する。
好適な実施形態において、前記光センサは、前記表示部の表示面に対して裏面となる前記筐体の面に配置される。
好適な実施形態において、前記光センサは、前記表示部の中央よりも上の部分の前記筐体の面上に配置される。
好適な実施形態において、前記表示部の最大空間的平均画面輝度は340cd/m2である。
好適な実施形態において、前記表示部の最大空間的平均画面輝度は270cd/m2である。
好適な実施形態において、前記表示部に最大階調で白画素を表示されたときに、(白画素数/全画素数,空間的平均画面輝度)は、前記制御回路によって、(100,270)、(50,540)、(30,900)、(10,2700)、(10,270)で囲まれた内部で制御される。
好適な実施形態において、前記表示部の最大空間的平均画面輝度を10から40cd/m2までの間で変更するボタンを配置したリモコンに有する。
以上のように、本発明のディスプレイは、表示部と、前記表示部が取り付けられた筐体と、前記表示部の表示面と異なった前記筐体の面に配置された光センサと、前記光センサの信号から前記表示部の輝度を制御する制御回路とを有する構成により、鑑賞者がディスプレイの表示面の輝度から受ける不快感を低減することができる。
<光センサの位置>
本発明者は、先ず、はじめに、ディスプレイの表示部の表示面と同一平面上に配置された光センサでEtvを計測しても、Lbを計測していることにはならないことを明らかにするために、以下の実験を行った。
本発明者は、先ず、はじめに、ディスプレイの表示部の表示面と同一平面上に配置された光センサでEtvを計測しても、Lbを計測していることにはならないことを明らかにするために、以下の実験を行った。
その実験設備を図8に示す。図7と同様に、全般照明用の光源701、鑑賞者702、ディスプレイ700、表示部703、周囲環境704、ダウンライト706が配置される。窓は光の出力を制御できないため排除した。また、ダウンライト706の光が表示部703の背景輝度Lbを均一にするために、アッパーライト801を設けた。この実験設備の光源701の発光輝度Li、ダウンライト706の発光輝度Ld、アッパーライト801の発光輝度Luを変化させることにより、鑑賞者702が位置する床面から1m上の水平面照度Eo、表示部703の画面照度Etv、周囲環境704の背景輝度Lb、背景照度Ebを任意に設定することができる。つまり、窓による日光の照射の状況、ダウンライト706による間接照明の環境、多灯照明による照明環境等を自由に設定することができる。
この実験設備を用いて、図9に示す照明環境を設定した。No.1、No3はダウンライト706の発光輝度Ld、アッパーライト801の発光輝度Luのみで設定した照明環境であり、No2、No4は全般照明用の光源701を追加して設定した照明環境である。ここで、No1,No2は、背景輝度Lbが一般的な家庭の壁面輝度と対応するように、約20cd/m2と設定した。また、No3、No4は、背景輝度Lbがテレビを見る際に好ましい値である約40cd/m2(当社値)と設定した。
図9の表から横軸を画面照度Etv、縦軸を背景輝度Lbにした図を図10に示す。図10からEtvの変化に対してLbはほとんど変化していないことがわかる。したがって、光源701の発光輝度Li、ダウンライト706の発光輝度Ld、アッパーライト801の発光輝度Luを変化させることで、画面照度Etvは大きく変化するが、背景輝度Lbはほぼ変化しないことがわかる。
以上のことから、ディスプレイ700の表示部703の表示面と同一平面上に配置された光センサは、光源701等による画面照度Etvの変化を捕らえることができるが、背景輝度Lb自体は測定できていないことが明らかになった。
したがって、背面輝度Lbを測定するためには、背面輝度Lbそのものを測定するか、背面照度Ebを測定するかのどちらかになる。なお、背景輝度Lbは背景照度Ebに比例する関係にある。ここで、背面輝度Lbと背面照度Ebの状況について図11に示す。鑑賞者702が表示部703の表示面を鑑賞しているときに、表示部703の周囲環境704から受ける光は、表示部703が台上に設置してあることが通常のことから、背面輝度Lbは表示部703の左背景輝度Lb−l、左背景照度Eb−l、上背景輝度Lb−t、上背景輝度Eb−t、右背景輝度Lb−r、右背景照度Eb−rに分類することができる。
ここで、鑑賞者702と表示部703との距離について、ハイビジョン放送を鑑賞するときの推奨距離の「3H」とすれば、ディスプレイ703の画面の視角寸法は約30度となる。なお、「3H」とは、Hが表示部の垂直方向の長さであり、そのHの3倍であることを示す。この3Hは、ハイビジョン放送において、走査線が見えないと仮定された距離である。本照明環境では、周囲環境704の背景輝度を制御した視角寸法は左右、かつ、上側約60度である。
また、Lb−l,Lb−t,Lb−r,Et−l,Eb−l,Eb−rの計測は表示部703の周囲フレームの各辺の中点から30cm離れたところを計測点とした。これは、鑑賞者702が表示部703の画面輝度Ltvを鑑賞するときに、画面輝度Ltvと比較される背景輝度Lbは、表示部703の周囲フレームに近接した背景輝度Lbのためである。これらの計測値を平均して背景輝度Lb、背景照度Ebとしている。つまり、(Lb−l+Lb−t+Lb−r)/3=Lb、(Et−l+Eb−l+Eb−r)/3=Ebとした。これは、複雑な視野の場合、一般的に、各輝度の平均値が順応輝度として取り扱うことができるためである。
つぎに、背景輝度Lb、もしくは、背景照度Ebを計測するために、最適な光センサの位置等について図12(a)、(b)に示す。図12(a)におけるディスプレイ1200は、筐体1206に取り付けられた表示部1201の表示面側からみた見取り図である。図4に示した通り、従来の光センサは図12の光センサ1202の位置に設置してあり、上述通り、照明環境によっては背景輝度Lbや背景照度Ebを測定することができなかった。図12(b)は、表示部1201の表示面の裏面からみた共来1206の見取り図である。
背景強度Ebを一つの計測器で計測するためには、光センサ1203A,1203B、1203C,1203Dのような位置にあれば計測できる。さらに、図12(b)のように、ディスプレイ1200の垂直方向の中線1204近傍に位置し、かつ、ディスプレイ1200の水平方向の中線1205よりも上側に位置した方が、Et−l、Eb−l、Eb−rを平均するのに適している。つまり、光センサ1203A、1203B、1203Cの位置が1203Dよりも好適である。
さらに、変形例を示す。背景輝度Ebを複数個の計測器で測定するためには、図23のように、光センサ1203Gや1203Iのように左裏側に配置し、光センサ1203H、1203Jのように右裏側に配置し、また、光センサ1203Fのように上側に配置することで計測することができる。さらに、画面照度Etvを測定する光センサ1203E、と背景照度Ebを測定する1203Fのように、従来技術のように画面照度Etvを測定する光センサと背景照度Ebを測定する光センサを設置してもよい。
さらに、図24のように、レンズ1204A、1204Bを光センサ1203Lの手前に構成することで光を集光させて光センサ1203Lにより背景輝度Lbを測定することや、図25のように、光センサ1203mの手前に遮光板1205を構成することにより光の向きを限定して光センサ1203mにより背景輝度Lbを測定してもよい。
鑑賞者の目に受光される背景輝度Lbの光が重要なため、図24、図25の構成は測定系としては原理にかなった方法であるが、余分なレンズや遮光板が必要となることや、一般の家庭の壁面は拡散反射をするため、背景輝度Lbと背景照度Ebは比例関係にあることから背景照度Ebを計測することでほぼよい精度でディスプレイの周囲環境の輝度を計測することができる。
<Ltv、Lb、Etv、鑑賞者の年齢の関係>
つぎに、画面輝度Ltv、背景輝度Lb、画面照度Etvを変化させたときに、ディスプレイの表示部の画面輝度Ltvが、どのような条件で鑑賞者にまぶしさによる不快感を与えるかの実験を行った。ここで、ディスプレイの表示部の画面輝度Ltvとは、ディスプレイの全面を平均した輝度を示す。プラズマディスプレイパネルを表示部としている場合のように、サブフィールド処理を行っているディスプレイでは輝度の測定時間のとり方によって変化することになる。通常の映像では、1フィールドは1/60秒となるが、実際に輝度を測定する場合、フィールド毎に同期して測定することが困難であることから、100ms毎の平均値を画面輝度Ltvとする。つまり、時間的には、約6フィールドの平均値で、かつ、空間的には、全画面の平均値を画面輝度Ltvと定義する。
つぎに、画面輝度Ltv、背景輝度Lb、画面照度Etvを変化させたときに、ディスプレイの表示部の画面輝度Ltvが、どのような条件で鑑賞者にまぶしさによる不快感を与えるかの実験を行った。ここで、ディスプレイの表示部の画面輝度Ltvとは、ディスプレイの全面を平均した輝度を示す。プラズマディスプレイパネルを表示部としている場合のように、サブフィールド処理を行っているディスプレイでは輝度の測定時間のとり方によって変化することになる。通常の映像では、1フィールドは1/60秒となるが、実際に輝度を測定する場合、フィールド毎に同期して測定することが困難であることから、100ms毎の平均値を画面輝度Ltvとする。つまり、時間的には、約6フィールドの平均値で、かつ、空間的には、全画面の平均値を画面輝度Ltvと定義する。
実験は、図8の装置を用いて、図9、及び、図13を含む6種類の照明条件それぞれに対して、全面白色(色温度12000K、RGB入力レベル0〜255)の平均画面輝度Ltvの数種類をディスプレイ703の表示面に表示して観測させ、まぶしさが生じて“不快である”、まぶしくなく”不快でない”の判別実験を行った。ここで、図13では、鑑賞者にまぶしさ感を与える要因は、背景輝度Lbと画面輝度Ltvであることに着目して、光源701は使用せず、背景輝度Lbと画面輝度Ltvのみ変数として測定した。鑑賞者702は、高齢者層(平均50代)と若年齢者層(平均20代)を用いた。人数は、各条件に対して、6名から10名を用いてその平均値を評価値として求めた。
その結果を図14に示す。横軸はLb/Ltv、縦軸は、“不快である”‐“不快でない”の評価値であり、“不快である”を2点、“不快でない”を0点とし、その境界値である1点におけるLb/Ltv比の値をBCD値(Borderline between Comfort and Discomfort)とした。図14からわかるように、背景輝度Lbの値が大きくなるほど、Lb/Ltvの値が右側にシフトすることがわかる。つまり、背景輝度Lbの値が大きくなるほど、BCD値は大きくなった。
つぎに、鑑賞者702が位置する床面から1m上の水平面照度Eoが異なり、背面輝度Lbがほぼ同じ照明条件の図9のNo.1とNo.2、及び、No.3とNo.4の比較を行った。鑑賞者702の感想では、水平面照度Eoが低いと照明環境はとても暗く感じ、水平面照度Eoが高いと通常の家庭の照明環境と類似するとの感想であった。図15にその結果を示す。図15から明らかなように、No.1とNo.2の照明条件のBCD値、No.3とNo.4の照明条件のBCD値を比較すると、水平面照度Eoが高いNo.2、No.4の方が、BCD値はそれぞれ0.01大きかった。この「0.01」の値の画面輝度Ltvへの影響を考察するため、図16のように画面輝度Ltv値を算出した。すると、画面輝度Ltvは1〜3cd/m2しか変化していないことがわかった。
したがって、画面輝度Ltv等による鑑賞者702の不快感は、水平面照度Eoの値には依存しないことがわかる。よって、鑑賞者702の不快感を与える要因は、Lb/Ltvで決まり、上述のLbによってLb/Ltvが大きく変化する図14の結果と併せて考察すると、鑑賞者702の不快感を与える影響は、背景輝度Lbの値で決定されることが明らかになった。以上のように、鑑賞者702が感じる照明環境の明るさと、ディスプレイ700の表示部703の輝度から受けるまぶしさとは関係しないことが本実験で明らかになった。
つぎに、鑑賞者702の年齢層に対する評価の差異の比較を行った。評価は、一般的な家庭の背面輝度であるLbが20程度のもの(No1)と、好ましい背景輝度であるLbが約40もの(No3)とで実験を行った。図17にその結果を示す。図17から明らかなように、高齢者は、若年齢者よりもBCDが0.01大きかった。このときの背景輝度Ltv値を算出すると、図18に示す通り、25〜36cd/m2であることがわかった。つまり、鑑賞者702の年齢層によって、背景輝度Lbが同じであっても画面輝度Ltvによって不快を感じる値が異なることがわかる。この差異は、画面輝度Ltvの絶対値に対して10%から20%の差異があることから、年齢差を考えた画面輝度Ltvの設定が必要である。例えば、高年齢者層であれば、若年齢者層よりも画面輝度を約40cd/m2下げる必要がある。また、本画面輝度Ltvを低下させる効果は、約10cd/m2あれば効果の違いを各年齢層毎(例えば、10代毎に区切る等)に実感できる。
以下、上述の実験結果を踏まえて、以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における表示装置を示すものである。特に、光センサの位置に関する実施の形態の一事例を示すものである。
図1は、本発明の第1の実施の形態における表示装置を示すものである。特に、光センサの位置に関する実施の形態の一事例を示すものである。
図1においけるディスプレイ100は、筐体106に組み込まれた(取り付けられた)表示部101は液晶パネルからなり、寸法は14インチから100インチであることが実用的である。本実施形態においては、寸法37インチを用いた。光センサ102はフォトトランジスタであり、制御回路105は、ディスプレイ101の輝度を制御する回路である。
以上のように構成されたディスプレイ100について、以下その動作、作用を説明する。
光センサ102によって、表示部101の周囲環境による背景照度Ebが計測されて、Ebに対応した信号が制御回路105に送信される。送信された信号と表示部101に表示される映像信号の白画素の数量から表示部101から照射される輝度が算出され、制御回路105から算出された輝度に対応した調光信号が表示部101内に配置される光源に送信され調光される。これにより、背景照度Eb、すなわち、背景輝度Lbに対応した表示部101の表示面の輝度を実現できる。
以上のように、本実施の形態の表示装置では、表示部と、表示部の表示面と異なった面に配置された光センサと、光センサの信号から表示部の表示面の輝度を制御する制御回路とを備えることにより、ディスプレイの周囲環境からなる背景輝度Lbに相当した光量を測定し、それに対応した表示部の表示面の輝度Ltvを設定することができることになり、鑑賞者が表示部の表示面の背景輝度Ltvによりまぶしさによる不快感を生じることを低減することができる。
なお、本実施形態では、表示部101として液晶パネルを用いたが、これに限定されることなく、プラズマディスプレイパネル、有機ELを用いたパネル、フィールドエミッションを用いたパネルなどのフラットパネルディスプレイとかの据え置きタイプのディスプレイでも良い。
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態における表示装置において、図14のBCD値から最大の画面輝度Ltvを表で示すものである。図2は、ディスプレイが置かれる環境別に背景輝度Lbを示し、これとともに、この背景輝度Lbから図14に基づきBCD値を求めた値、このBCDと背景輝度Lbとから画面輝度Ltvを計算したものを示している。ディスプレイが置かれる屋内で最も明るい場所と考えられる量販店の周囲の照明環境では、Lbは約127cd/m2であることから、鑑賞者に不快感を与えないためには、BCD値に準じるLtvは340cd/m2が必要である。したがって、ディスプレイにおける表示部の最大平均画面輝度Ltvは340cd/m2までである。また、図2で、一般家庭での周囲の照明環境では、背景輝度Lbは約24cd/m2であることから、BCDに準じる画面輝度Ltvは270cd/m2であることがわかる。したがって、家庭におて鑑賞者に不快感を与えないためには、ディスプレイの表示部の最大平均画面輝度Ltvは270cd/m2までである。
図2は、本発明の第2の実施の形態における表示装置において、図14のBCD値から最大の画面輝度Ltvを表で示すものである。図2は、ディスプレイが置かれる環境別に背景輝度Lbを示し、これとともに、この背景輝度Lbから図14に基づきBCD値を求めた値、このBCDと背景輝度Lbとから画面輝度Ltvを計算したものを示している。ディスプレイが置かれる屋内で最も明るい場所と考えられる量販店の周囲の照明環境では、Lbは約127cd/m2であることから、鑑賞者に不快感を与えないためには、BCD値に準じるLtvは340cd/m2が必要である。したがって、ディスプレイにおける表示部の最大平均画面輝度Ltvは340cd/m2までである。また、図2で、一般家庭での周囲の照明環境では、背景輝度Lbは約24cd/m2であることから、BCDに準じる画面輝度Ltvは270cd/m2であることがわかる。したがって、家庭におて鑑賞者に不快感を与えないためには、ディスプレイの表示部の最大平均画面輝度Ltvは270cd/m2までである。
(実施の形態3)
図19は、本発明の第3の実施の形態におけるディスプレイにおいて、表示パターンの白部分の面積を検出して輝度調整回路にフィードバックすることにより、表示内容の変化に対して、不快なまぶしさを生じない表示輝度を一定に保つ方法を示すものである。ディスプレイの表示部として液晶を用いた場合の例を示す。
図19は、本発明の第3の実施の形態におけるディスプレイにおいて、表示パターンの白部分の面積を検出して輝度調整回路にフィードバックすることにより、表示内容の変化に対して、不快なまぶしさを生じない表示輝度を一定に保つ方法を示すものである。ディスプレイの表示部として液晶を用いた場合の例を示す。
図19に示すように、映像信号1901は、アンテナを介して、放送局から、もしくは、映像再生装置を介して送信される。この映像信号1901から、表示パターンの白部分の面積を検出する検出回路1902により白部分面積比1903が検出される。この白部分面積比1903を使用してマイコン1904で輝度制御量1905が算出される。算出された輝度制御量1905は制御信号1906と調光信号1910が生成される。制御信号1906はパネルコントローラ1907に送信され駆動回路1908を介してディスプレイパネル1909(表示部とも呼ぶ)の開口量を調節する。一方、調光信号1910はバックライト駆動回路1911を介してバックライト用の光源1912の調光を行う。このように、ディスプレイパネル1909の開口量とバックライト用の光源1912の調光とが組み合わされて表示面の輝度が鑑賞者によってまぶしくて不快にならない輝度に制御される。
図20(a)は、図14の一般家庭の照明環境の結果から、ディスプレイの表示部の輝度の値を算出した結果を示す。横軸は白部分面積比を示し、縦軸は輝度である。したがって、一般家庭において、ディスプレイの表示部に最大階調で白画素を表示されたときに、(白画素数/全画素数、空間的平均画面輝度)は、図20(b)の斜線部の(100,270)、(50,540)、(30,900)、(10,2700)、(10,270)で囲まれた内部で制御すれば、鑑賞者に対して不快なまぶしさを与える輝度はでない。括弧内の数値は一桁目を丸めた値にしてある。これは、一般の人は10%未満であれば、輝度の差をほぼ知覚できないためである。
(実施の形態4)
図21は、本発明の第4の実施の形態における表示装置において、表示パターンの白部分の面積を検出して輝度調整回路にフィードバックすることにより、表示内容の変化に対して、不快なまぶしさを生じない表示輝度を一定に保つ方法を示すものである。ディスプレイの表示部としてプラズマディスプレイパネルを用いた一例を示す。
図21は、本発明の第4の実施の形態における表示装置において、表示パターンの白部分の面積を検出して輝度調整回路にフィードバックすることにより、表示内容の変化に対して、不快なまぶしさを生じない表示輝度を一定に保つ方法を示すものである。ディスプレイの表示部としてプラズマディスプレイパネルを用いた一例を示す。
図21に示すように、映像信号1901は、アンテナを介して、放送局から、もしくは、映像再生装置を介して送信される。この映像信号1901から、表示パターンの白部分の面積を検出する検出回路1902により白部分面積比1903が検出される。この白部分面積比1903を使用してマイコン1904で輝度制御量1905が算出される。算出された輝度制御量1905はサブフィールド処理2101がなされる。サブフィールド処理2101された信号は放電制御2102に送信され駆動回路2103を介してディスプレイパネル1909(表示部とも呼ぶ)に光出力される。これにより、ディスプレイパネル1909の表示面の輝度が鑑賞者によってまぶしくて不快にならない輝度に制御される。
(実施の形態5)
図22は、本発明の第5の実施の形態における表示装置において、鑑賞者の年齢層によって、ディスプレイパネルの表示面の輝度が鑑賞者によってまぶしくて不快にならない輝度が異なるため、これに対応した実施の形態の一例を示す。
図22は、本発明の第5の実施の形態における表示装置において、鑑賞者の年齢層によって、ディスプレイパネルの表示面の輝度が鑑賞者によってまぶしくて不快にならない輝度が異なるため、これに対応した実施の形態の一例を示す。
図18に示すように、鑑賞者が高齢者層であるか若年齢者層であるかによって、BCDに対する画面輝度Ltvは25〜36cd/m2変化した。したがって、画面輝度Ltvを40cd/m2を一単位として簡単に変更できる機能を有すると鑑賞者の年齢によってあわすことができるので有用である。図22のように、図19や図21の輝度制御量1905の信号を受ける輝度補正2203を構成することで解決できる。輝度補正2203は、鑑賞者が操作する送信機2204にあるボタン2005を押すことで赤外線などの無線信号を受信機2201に送信される。受信機2201の受信信号2202は輝度補正2203に送信され、この信号を受けて、輝度制御量1905に輝度の補正量を加えるかどうかを輝度補正2203で判断される。この補正量は画面輝度Ltvで10から40cd/m2のある定量値で増減できる。30cd/m2が好適といえる。たとえば、ボタン2205を一回押すとLtvが30cd/m2減少して高齢者モードになり、再び、もう一度、ボタン2205を押すとLtvが30cd/m2上がり、一般モードになるという設定ができる。このように、ワンタッチでLtvが変化する機能ボタンを配置したリモコンに有することは鑑賞者に対してより快適なディスプレイを提供することになりユーザーフレンドリーで好適である。
本発明の表示装置は、鑑賞者がディスプレイの表示面の輝度から受ける不快なまぶしさを低減できるため、テレビ等の機能として有用である。
100 ディスプレイ
101 表示部
102 光センサ
105 制御装置
106 筐体
301 液晶表示パネル
302 照明用光源
303 駆動回路
304 制御回路
305 指示信号
306 光センサ
401 光センサ
402 バックライトコントローラ
403 LCDディスプレイ面
404 光
501 光源
502 液晶素子
503 周囲光受光素子
504 周囲光演算回路
505 光量制御回路
506 周囲環境
507 スクリーン
508 投写レンズ
600 ディスプレイ
601 光源
602 鑑賞者
603 表示部
604 周囲環境
700 ディスプレイ
701 光源
702 鑑賞者
703 表示部
704 周囲環境
705 窓
706 ダウンライト
801 アッパーライト
1200 ディスプレイ
1201 表示部
1202 光センサ
1203A〜M 光センサ
1204A,B レンズ
1205 遮光板
1206 筐体
1901 映像信号
1902 検出回路
1903 白部分面積比
1904 マイコン
1905 輝度制御量
1906 制御信号
1907 パネルコントローラ
1908 駆動回路
1909 ディスプレイパネル
1910 調光信号
1911 バックライト駆動回路
1912 光源
2101 サブフィールド処理
2102 放電制御
2103 駆動回路
2201 受信機
2202 受信信号
2203 輝度補正
2204 送信機
2205 ボタン
101 表示部
102 光センサ
105 制御装置
106 筐体
301 液晶表示パネル
302 照明用光源
303 駆動回路
304 制御回路
305 指示信号
306 光センサ
401 光センサ
402 バックライトコントローラ
403 LCDディスプレイ面
404 光
501 光源
502 液晶素子
503 周囲光受光素子
504 周囲光演算回路
505 光量制御回路
506 周囲環境
507 スクリーン
508 投写レンズ
600 ディスプレイ
601 光源
602 鑑賞者
603 表示部
604 周囲環境
700 ディスプレイ
701 光源
702 鑑賞者
703 表示部
704 周囲環境
705 窓
706 ダウンライト
801 アッパーライト
1200 ディスプレイ
1201 表示部
1202 光センサ
1203A〜M 光センサ
1204A,B レンズ
1205 遮光板
1206 筐体
1901 映像信号
1902 検出回路
1903 白部分面積比
1904 マイコン
1905 輝度制御量
1906 制御信号
1907 パネルコントローラ
1908 駆動回路
1909 ディスプレイパネル
1910 調光信号
1911 バックライト駆動回路
1912 光源
2101 サブフィールド処理
2102 放電制御
2103 駆動回路
2201 受信機
2202 受信信号
2203 輝度補正
2204 送信機
2205 ボタン
Claims (8)
- 表示部と、
前記表示部が取り付けられた筐体と、
前記表示部の表示面と異なった前記筐体の面に配置された光センサと、
前記光センサの信号から前記表示部の輝度を制御する制御回路と、
を備えるディスプレイ。 - 前記光センサは、前記表示部の表示面に対して裏面の左側壁面、右側壁面、上側壁面の光量を測定する、請求項1に記載のディスプレイ。
- 前記光センサは、前記表示部の表示面に対して裏面となる前記筐体の面に配置された、請求項2に記載のディスプレイ。
- 前記光センサは、前記表示部の中央よりも上の部分の前記筐体の面上に配置された、請求項3に記載のディスプレイ。
- 前記表示部の最大空間的平均画面輝度は340cd/m2である、請求項2に記載のディスプレイ。
- 前記表示部の最大空間的平均画面輝度は270cd/m2である、請求項2に記載のディスプレイ表示装置。
- 前記表示部に最大階調で白画素を表示されたときに、(白画素数/全画素数,空間的平均画面輝度)は、前記制御回路によって、(100,270)、(50,540)、(30,900)、(10,2700)、(10,270)で囲まれた内部で制御される、請求項6に記載のディスプレイ表示装置。
- 前記表示部の最大空間的平均画面輝度を10から40cd/m2までの間で変更するボタンを配置したリモコンに有する、請求項7に記載のディスプレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005087837A JP2006267789A (ja) | 2005-03-25 | 2005-03-25 | ディスプレイ |
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JP2005087837A JP2006267789A (ja) | 2005-03-25 | 2005-03-25 | ディスプレイ |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005087837A Pending JP2006267789A (ja) | 2005-03-25 | 2005-03-25 | ディスプレイ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006267789A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2005
- 2005-03-25 JP JP2005087837A patent/JP2006267789A/ja active Pending
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