JP2006266637A - 蓄熱方法、蓄熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蓄熱剤の相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱するにあたり、凝固点以下の温度になっても液相から固相への相変化が生じない現象、いわゆる過冷却現象が生じることがなく、従って従来よりも効率がよい蓄熱方法、および装置を提供することを主たる課題とする。
【解決手段】 複数の成分からなる共晶系の混合物を、共晶点が生じる共晶組成からずらした組成として蓄熱剤とし、先行して固相を晶出する一方の成分のすべてを液相とすることなく、常に固相が残存する状態となるように、例えば温度制御を行いながら、当該一方の成分を連続的に融解および凝固させることを特徴とする蓄熱方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、蓄熱方法および蓄熱装置に関する。さらに具体的には、蓄熱剤の相変化に伴う潜熱を利用する蓄熱方法と装置に関する。
従来から、二成分からなる共晶系の混合物を蓄熱剤として用い、当該蓄熱剤の相変化に伴う潜熱を利用した蓄熱方法が知られている。
当該方法において共晶を生じる組成比(共晶組成)で蓄熱剤が形成された場合には、蓄熱剤を形成する二成分が共に液体の状態から温度を徐々に下げ、温度がついに共晶点に達しても相変化が生じない(結晶が生じない)現象、いわゆる過冷却が起こる場合があり、蓄熱効率の観点から問題である。
この過冷却の問題を解決する方法として、蓄熱剤の中に核形成材を添加する方法が知られている(特許文献1)。この方法によれば、蓄熱剤の温度が共晶点に達すると、この核形成材が結晶化の核となって蓄熱剤が液相から固相へ変化していくので、過冷却を抑制する事ができる。
しかしながら、当該方法は、核形成材として蓄熱剤中に共晶系の二成分とは全く異なる物質を添加することが必要であるため、蓄熱剤の生成プロセスが煩雑となり、またさらに、この核形成材を添加した分だけ蓄熱剤自体の容量が低減してしまうことに起因して、蓄熱剤全体としての蓄熱容量が低減してしまうという問題がある。さらに、過冷却を抑制できるとは言え、完全に防止する事は難しい。
ところで、近年は、蓄熱剤を形成する二成分の組成比を共晶点が生じる組成比(共晶組成)からずらした組成として蓄熱剤を形成することが行われているが(例えば、特許文献2)、このように共晶組成からずれた組成を有する蓄熱剤を用いた場合であっても、前記過冷却の問題は生じ得る。
特開昭56−84784号公報 特開平11−257885号公報
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであり、蓄熱剤の相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱するにあたり、凝固点以下の温度になっても液相から固相への相変化が生じない現象、いわゆる過冷却現象が生じることがなく、従って従来よりも効率がよい蓄熱方法、および装置を提供することを主たる目的とする。
上記課題を解決するための、本願発明は、複数の成分からなる共晶系の混合物を、共晶が生じる共晶組成からずらした組成として蓄熱剤とし、先行して固相を晶出する一方の成分のすべてを液相とすることなく、常に固相が残存する状態となるように固相分率制御を行いながら、当該一方の成分を連続的に融解および凝固させることを特徴とする蓄熱方法に関する。
また、本願発明は、複数の成分からなる共晶系の混合物を、共晶が生じる共晶組成からずらした組成として形成した蓄熱剤が収容された蓄熱槽と、前記蓄熱槽に収容されている蓄熱剤と熱交換をするための熱交換手段と、前記蓄熱槽に収容されている蓄熱剤の相状態に応じて変化する状態値もしくは物性値を計測するための計測手段と、前記計測手段により計測された状態値もしくは物性値に基づき、前記蓄熱剤を構成する成分のうちで先行して固相を晶出する一方の成分の固相割合を算出し、当該割合が0(ゼロ)とならないように固相分率を制御する制御手段と、から構成されることを特徴とする蓄熱装置に関する。
さらに、前記蓄熱装置にあっては、前記計測手段により計測する状態値もしくは物性値が、温度、液相導電率、混合相導電率、粘度、pH、音速のいずれかであってもよい。
上記本願発明の方法によれば、まず第一に、蓄熱剤の組成を共晶が生じる共晶組成からずらした組成としているので(つまり、共晶点を利用することがないため)、固相が晶出する温度を、蓄熱剤の組成によりコントロールすることができる。
また第二に、共晶組成からずらした組成としていることから、先行して固相を晶出する成分の凝固開始温度(液相線)と共晶温度との間の温度では、温度が下がるに従い、当該成分が晶出(凝固)しながら温度も低下することとなる。その結果、見かけ上の比熱が「液相の比熱×液相の割合+固相の比熱×固相の割合+先行して晶出する成分の凝固潜熱×相変化量」となり、液相線以下の温度域において単純な顕熱利用の場合に比べて蓄熱容量を増加することができる。
さらに本願発明の方法によれば、第三に、先行して固相を晶出する一方の成分のすべてを液相とすることなく、常に固相が残存する状態となるように固相分率制御を行いながら、当該一方の成分を連続的に融解および凝固させているので、常に残存する固相(つまり固体)が、当該成分が凝固するときの核として機能し、従って、凝固開始温度(液相線)に達しても固相が生じない現象、つまり過冷却を完全に防止することができる。換言すれば、本願発明の方法は、前記特許文献1に開示されている発明のようにわざわざ核形成材を用いる必要がなく、従来からの蓄熱剤そのままを用い、固相分率制御をすることのみで従来からの課題である過冷却を防止することができるのである。
また、上記本願発明の装置によっても前記本願発明の方法と同様の作用効果を得ることができる。
以下に、本願発明の蓄熱方法および蓄熱装置について図面を用いて詳細に説明する。
(1)蓄熱方法
図1は、本願発明の蓄熱方法に用いる蓄熱剤の状態図である。なお、この図の横軸は成分bのモル分率を、縦軸は温度を示す。
本願発明に用いられる蓄熱剤をなす二成分a、bは、互いに液相状態で溶け合い、固相状態では混ざり合わない二つの固相に分れて混合晶出するものであり、両者を所定の共晶組成とした際には、融点の極小値となる共晶点であたかも純粋液体のように溶液全体が同時に固相に変移する共晶反応を起こし、しかも、溶液全体が全て固相に変移するまで温度が一定に保たれるという特性を有している。
つまり、図1に示す状態図にあっては、図中の液相線Aは、成分aの晶出温度(凝固点)を示し、図中の液相線Bは、成分bの晶出温度(凝固点)を示している。また、図中の符号Iの領域は、成分a、bともに液相状態の領域であり、符号IIは、液相(成分a+成分b)と成分aの固相との混合状態の領域であり、符号IIIは、液相(成分a+成分b)と成分bの固相との混合状態の領域であり、符号IVの領域は、成分a、bともに固相状態の領域を示す。そして、図中の符号Xは共晶点を、Xは共晶組成を示している。
本願発明の方法は、例えば図1に示すような状態図を示す蓄熱剤を用いるにあたり、共晶点Xが生じる共晶組成からずらした組成(例えば、Xの組成)とすることに特徴を有している。
従って、共晶組成XからずれたX組成を有する蓄熱剤にあっては、前述の通り、図1の温度Tから温度を徐々に下げると、温度TからTに至るまでは液相状態であり(領域I)、温度がTに達すると成分bは晶出し始めるが、成分aについては液相のままである(領域II)。さらに温度を下げて温度がTに達すると成分bのみならず成分aも晶出しはじめ、成分aおよび成分bが全て晶出し終えるまで温度はTに保たれる。成分aおよび成分bが全て固相となった後さらに冷却すると固相状態のまま温度が低下する。温度Tではa、bともに固相となっている。
図2は、前記蓄熱剤を構成する二成分aとbが共に液相をなす温度Tから二成分a,bが共に固相をなす温度Tまで温度降下させた場合の熱量のエンタルピーカーブを示す図である。
本発明においては、このエンタルピーカーブにおける温度T未満の熱量を利用するものであり、例えば利用温度範囲がT以上T未満の場合にはT’〜Tの間の熱量、利用温度範囲がT以上T未満の場合にはT〜Tの間の熱量が、それぞれ当該蓄熱剤の蓄熱可能な熱容量ということになる。
ここで、本願発明の方法にあっては、前述のように、共晶が生じる共晶組成からずらした組成からなる蓄熱剤を用いることのみならず、先行して固相を晶出する一方の成分、つまり図1に示す組成Xの蓄熱剤の場合には成分b、のすべてを液相とすることなく、常に固相が残存する状態となるように固相分率制御を行いながら、具体的には、図1に示す組成Xの蓄熱剤の場合かつ計測対象が温度の場合には、温度をT未満で制御しながら、成分bを連続的に融解および凝固させることを特徴としている。
温度をT未満(つまり温度をTまで上げないよう)に制御することにより、必ず成分bの固相を蓄熱剤中に残存せしめることができ、その結果、過冷却を防止することができるのである。ここで敢えて温度T未満(Tを含まない)としているのは、温度Tは組成Xにおける液相線温度(成分bの融点)であるため、当該温度Tに達すると固相がすべてなくなってしまい、この後、冷却した場合に成分bが晶出するための核がなくなってしまい、過冷却が生じてしまうからである。
ここで、本発明の方法を実施するためには、蓄熱剤の固相分率をほぼリアルタイムで知る必要があるが、この方法は特に限定することはなく、上記に示した蓄熱剤の温度の他、蓄熱剤の固相分率に応じて変化する物性、例えば、蓄熱剤の液相の導電率、蓄熱剤の混合相(液相と固相の混合物)の導電率、蓄熱剤の粘度やpH、蓄熱剤を伝わる音の速度(音速)などから、蓄熱剤の固相分率を知ってもよい。
また、本願発明の方法において、前述するように蓄熱剤の固相分率を所定の範囲内に制御する手段については特に限定されることはなく、例えば、当該蓄熱方法を、排ガスや温排水などの約100〜200℃程度の熱媒体から温熱を回収する際に用いる場合には、熱媒体の流量や蓄熱剤自体の流量を制御することにより、その結果として蓄熱剤の固相分率を制御することができる(詳細は以下の本発明の装置で説明する)。
また、本願発明の方法で用いられる蓄熱剤を構成する成分についても、特に限定されることはなく、例えば、成分aを塩化マグネシウム・六水和物(MgCl・6HO)とし成分bを硝酸マグネシウム・六水和物(Mg(NO・6HO)とした組合わせ(共晶点59.1℃)、成分aを塩化アンモニウム(AlCl3)とし成分bを塩化ナトリウム(NaCl)とした組合せ(共晶点93℃)、成分aをビスマス(Bi)とし成分bを鉛(Pb)とした組合わせ(共晶点125℃)、などを挙げることができ、これらの蓄熱剤は、排ガスや温排水などの約100〜200℃程度の熱媒体から温熱を回収する際に好適に用いることができる。
そして、本願発明の方法は、前述のように、蓄熱剤を構成する成分のすべてが液相とならないように固相分率制御することにより過冷却が生じることを完全に防止することができるので、蓄熱剤を構成する成分を選択する場合に、「過冷却のし易さ」について考慮する必要がなく、従って「蓄熱容量」について考慮するのみで成分の選択をすることができる。つまり、蓄熱剤の設計の自由度を向上することができる。具体的には、例えば、成分aを塩化マグネシウム・六水和物(MgCl・6HO)とし成分bを硝酸マグネシウム・六水和物(Mg(NO・6HO)とした蓄熱剤は、蓄熱容量は大きいが、過冷却も大きかったため蓄熱剤としては使用し難かったが、本願発明の方法においては、何らの問題もなく使用することができる。
(2)蓄熱装置
次に本願発明の装置について説明する。
図3は、本願発明の装置の構成を示す概略図である。
図3に示すように、本願の装置30は、複数の成分からなる共晶系の混合物を、共晶が生じる共晶組成からずらした組成して形成した蓄熱剤が収容された蓄熱槽31と、前記蓄熱槽31に収容されている蓄熱剤と熱交換をするための熱交換手段32と、前記蓄熱槽に収容されている蓄熱剤の相状態に応じて変化する状態値もしくは物性値を計測するための計測手段33と、前記計測手段33により計測された状態値もしくは物性値に基づき、前記蓄熱剤を構成する成分のうちで先行して固相を晶出する一方の成分の固相の割合を算出し、当該割合が0(ゼロ)とならないように蓄熱剤の固相分率を制御する制御手段34(固相の割合を算出するパーソナルコンピュータ(PC)34aと、熱媒体の流量を調整する熱媒体流量調整手段34bと、蓄熱剤の流量を調整する蓄熱剤流量調整手段34c)と、から構成されている。
また、前記蓄熱槽31には、これに収容されている蓄熱剤が蓄熱槽31と熱交換手段32との間を循環するための蓄熱剤用配管35が設けられており、当該配管35上には蓄熱剤を循環流通せしめるための蓄熱剤用ポンプ36が設けられている。一方で、前記熱交換手段32には、前記蓄熱剤と熱交換を行う物質(熱媒体)が循環する熱媒体用配管37も配設されており、熱媒体循環手段(図示せず)により熱媒体を循環せしめるようになっている。なお、図3には、蓄熱剤および熱媒体の流れを矢印で示してあるので参照されたい。
当該装置によれば、蓄熱剤槽31内の蓄熱剤に蓄熱する場合には、熱媒体用配管37中を流通する熱媒体の温度を蓄熱剤の融点より高温とすることにより(具体的には、例えば、熱媒体が排ガスや温排水などの約100〜200℃程度の熱媒体を用いることにより)、熱交換手段32で蓄熱剤と熱媒体とが熱交換され(熱媒体の温度が低下して、蓄熱剤の温度が上昇する)、蓄熱槽31内の蓄熱剤に熱が蓄えられる。この場合、蓄熱槽31内の蓄熱剤は温度の上昇に伴い固相の割合が徐々に低下し液相の割合が増加する。
ここで、本願発明の装置30は、蓄熱剤が流通する蓄熱剤用配管35上に計測手段33が設けられているので、当該計測手段33により蓄熱剤の状態値もしくは物性値(例えば、蓄熱剤の温度など)を逐次計測することができ、さらに、当該計測手段33に接続されている制御手段34のPC34aにより前記計測値から当該蓄熱剤の固相の割合を算出することができる。本願発明の装置は、このように逐次蓄熱剤の固相の割合を監視できるので、固相の割合が0(ゼロ)になりそうな場合、当該PC34aに接続されており、制御手段34としての熱媒体流量調整手段34bと蓄熱剤流量調整手段34cとを用いて、熱媒体の流量および蓄熱剤の流量をコントロールすることができる。そして、このようなコントロールにより、蓄熱剤の全てが液相となってしまうことを防止し、これにより過冷却を防止することができる。
なお、当該装置30において、蓄熱剤から放熱する場合には、蓄熱剤の温度よりも低い温度の熱媒体を熱媒体用配管37中に流通せしめればよい。
本願発明の装置30における蓄熱槽31は、蓄熱剤を収容しておく容器として機能するものであれば特に限定されることはない。この蓄熱槽31の内部には、蓄熱剤の状態を均一に保つための攪拌・混合手段31aが設置されていてもよい。
また、熱交換手段32についても、蓄熱槽31内の蓄熱剤と熱媒体との間で熱交換を行うことができれば特に限定されることはなく、従来公知の熱交換装置を適宜選択してもちいればよい。なお、図3においては、蓄熱剤への蓄熱と放熱とが同一の熱交換手段32で行われるようになっているが、熱交換手段を2つ設け、蓄熱と放熱をそれぞれ別の熱交換手段により行うようにしてもよい。
本願発明の装置30における計測手段33は、前記蓄熱槽に収容されている蓄熱剤の相状態に応じて変化する状態値もしくは物性値を計測するため手段であり、実際に計測する状態値もしくは物性値に応じて適宜選択して用いることができる。
当該手段により計測する物性については、蓄熱剤の状態値である温度のみならず、蓄熱剤の物性値である、液相の導電率、蓄熱剤の混合相(液相と固相)の導電率、蓄熱剤の粘度やpH、蓄熱剤を伝わる音の速度(音速)などを挙げることができる。すなわち蓄熱剤の固相分率によって変化する物性値であればその種類は問わない。特に本発明では蓄熱剤の組成が共晶を生じる組成からずらした組成としているので、図1の領域IIや領域IIIにおいては液相と固相が共存した状態となる。この液相部分の組成は、固相分率の変化に応じて変化するため、液相の組成によって変化する物性値も上記計測対象とすることが可能である。
計測手段33の具体例としては、計測する物性が温度の場合には、各種温度計や熱電対などを挙げることができ、計測する物性が液相や混合相の導電率の場合には導電率計を、計測する物性が粘度の場合には、撹拌機の動力を計測する装置を、計測する物性がpHの場合にはpHメータを、計測する物性が音速の場合には音速計を、それぞれ挙げることができる。
また、これらの計測手段33を設置する位置については、本発明の装置は特に限定することはないが、熱交換手段の影響を受けにくい場所が望ましく、例えば、図3に示すように、蓄熱槽31から熱交換手段32への配管35上に設置するのが良い。
本願発明の装置30における制御手段34は、上記計測手段33により計測された物性値に基づき、蓄熱槽31内の蓄熱剤の固相の割合を算出し、この割合が0(ゼロ)とならないように制御することができる手段であれば特に限定されることはない。
例えば、図3に示すように、蓄熱剤の固相の割合を算出する手段としてPCを用い、当該割合を制御する手段として、熱媒体の流量を調整する熱媒体流量調整手段34bと、蓄熱剤の流量を調整する蓄熱剤流量調整手段34cを用いた場合、当該PCにおいて、計測手段の計測値(Z)を固相割合(Y)に変換し、この数値を基に、固相割合Yが0(ゼロ)にならないように熱媒体の流量を調整する熱媒体流量調整手段34bと、蓄熱剤の流量を調整する蓄熱剤流量調整手段34cを制御する。
ここで、計測手段33からの信号から固相割合への変換は、蓄熱剤組成に基づき決定される変換に従う。例えば、図4のような共晶状態図を示す2物質が混合された蓄熱剤において、計測手段により計測される対象が温度である場合を例に挙げる。当該状態図をあらかじめ制御手段のPC34aに入力しておく事により、蓄熱剤組成X、計測温度がT(=Z)の場合の図4中の線分αおよび線分βのそれぞれの長さを求める事ができ、固相割合Yは、Y=α/(α+β)となる。
また、あらかじめ蓄熱剤組成Xから液相線(固相が晶出してくる点)における計測対象物性値(Zcr)を求めておき、計測手段33からの信号を固相割合Yに変換することなく、直接、計測値が(Zcr)にならないように制御手段34を用いて制御することも可能である。例えば、図4において蓄熱剤組成Xの条件では温度がTcr(=Zcr)より小さくなるように制御すればよい。
熱媒体流量調整手段34bと蓄熱剤流量調整手段34cについては、例えば流量調節弁などを用いればよい。
なお、図3に示した構成は、蓄熱剤が常時流動性を示す場合において用いることが可能な構成である。
図5は、本願発明の装置の別例の構成を示す概略図である。蓄熱剤が流動性を示さない状態が生じる場合には、図5に示すように、本願発明の装置50にあっては、蓄熱槽51と熱交換手段52とを同一装置とし、熱媒体のみを循環させてもよい。また、蓄熱槽51に攪拌・混合手段51aを設置し、蓄熱槽51内の蓄熱剤が流動を示す状態のときだけ作動させてもよい。なお、当該装置50における他の手段(計測手段53、制御手段54としてのパーソナルコンピュータ54a、熱媒体流量調整手段54b、熱媒体用配管57)については、図3に示す本願発明の装置30と同一であるためここでの説明は省略する。
本願発明の蓄熱方法に用いる蓄熱剤の状態図である。 図1に示す蓄熱剤を構成する二成分aとbが共に液相をなす温度Tから二成分a,bが共に固相をなす温度Tまで温度降下させた場合の熱量のエンタルピーカーブを示す図である。 本願発明の装置の構成を示す概略図である。 本願発明の装置における制御を説明する図である。 本願発明の装置の別例の構成を示す概略図である。
符号の説明
30、50 … 蓄熱装置
31、51 … 蓄熱槽
32、52 … 熱交換手段
33、53 … 計測手段
34、54 … 制御手段
34a、54a … パーソナルコンピュータ(PC)
34b、54b … 熱媒体流量調整手段
34c … 蓄熱剤流量調整手段
35 … 蓄熱剤用配管
36 … 蓄熱剤用ポンプ
37、57 … 熱媒体用配管

Claims (3)

  1. 複数の成分からなる共晶系の混合物を、共晶が生じる共晶組成からずらした組成として蓄熱剤とし、先行して固相を晶出する一方の成分のすべてを液相とすることなく、常に固相が残存する状態となるように固相分率制御を行いながら、当該一方の成分を連続的に融解および凝固させることを特徴とする蓄熱方法。
  2. 複数の成分からなる共晶系の混合物を、共晶が生じる共晶組成からずらした組成して形成した蓄熱剤が収容された蓄熱槽と、
    前記蓄熱槽に収容されている蓄熱剤と熱交換をするための熱交換手段と、
    前記蓄熱槽に収容されている蓄熱剤の相状態に応じて変化する状態値もしくは物性値を計測するための計測手段と、
    前記計測手段により計測された状態値もしくは物性値に基づき、前記蓄熱剤を構成する成分のうちで先行して固相を晶出する一方の成分の固相の割合を算出し、当該割合が0(ゼロ)とならないように固相分率を制御する制御手段と、
    から構成されることを特徴とする蓄熱装置。
  3. 前記計測手段により計測する状態値もしくは物性値が、温度、液相導電率、混合相導電率、粘度、pH、音速のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の蓄熱装置。
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