JP2006265957A - 廻り縁 - Google Patents
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Abstract
【課題】 天井面と壁面、または、壁面と壁面との境界を目立たさず、十分に良好な角部外観を提供できるような廻り縁を提供すること。
【解決手段】 本発明に係る廻り縁の1つは、壁面と天井面または他の壁面とが交差する角部に配置するための、1つの壁面側に配置される第1の配置面と該天井面または他の壁面側に接する第2の固定面とを備え、第1の配置面と第2の固定面の一部を構成する接触部分とを備える長尺の発泡部材と、第2の固定面の残りの部分を含み該発泡部材の末端部に長手方向に沿って該発泡部材と一体化された長尺の透明部材とを備え、該透明部材が透明性熱可塑性樹脂と光拡散剤とを含有し、第2の固定面と垂直な方向における該透明部材の厚み(mm)と該透明性熱可塑性樹脂100重量部に対する該光拡散剤の含有量(重量部)との積が3〜13(mm・重量部)である。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明に係る廻り縁の1つは、壁面と天井面または他の壁面とが交差する角部に配置するための、1つの壁面側に配置される第1の配置面と該天井面または他の壁面側に接する第2の固定面とを備え、第1の配置面と第2の固定面の一部を構成する接触部分とを備える長尺の発泡部材と、第2の固定面の残りの部分を含み該発泡部材の末端部に長手方向に沿って該発泡部材と一体化された長尺の透明部材とを備え、該透明部材が透明性熱可塑性樹脂と光拡散剤とを含有し、第2の固定面と垂直な方向における該透明部材の厚み(mm)と該透明性熱可塑性樹脂100重量部に対する該光拡散剤の含有量(重量部)との積が3〜13(mm・重量部)である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、1つの壁面と天井面または他の壁面とが交差する角部に配置するための廻り縁に関する。
天井面と壁面、または、壁面と壁面とが交差する角部においては、天井材や壁材の建て付けや表面のクロス張り等の端部仕上げが綺麗に仕上がらないことが多いため、当該部分に長尺の廻り縁を設けて外観を整えている。廻り縁の取り付けは、例えば、略L字状の互いに直交する2つの固定面を天井面と壁面、または、壁面と壁面にそれぞれ隙間なく密着させることにより行われている。これにより、角部が廻り縁により隙間なく被覆され、外観を整えることができる。この廻り縁は、木材や金属、合成樹脂等を切削或いは成形することにより形成されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、従来の廻り縁を用いた場合、角部の端部仕上げを隠すことにより外観を整えることはできるものの、廻り縁自体が、天井面と壁面、または、壁面と壁面との境界を示すもの(影)として目立ってしまう。このため、天井面と壁面、または、壁面と壁面との境界を目立たさず、十分に良好な角部外観を提供できるような廻り縁が望まれている。
特開平9−302909号公報
特開2003−253876号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、天井面と壁面、または、壁面と壁面との境界を目立たさず、十分に良好な角部外観を提供できるような廻り縁を提供することにある。
1つの壁面と天井面または他の壁面とが交差する角部に配置するための、互いに交差する該1つの壁面側に配置される第1の配置面と、該天井面または他の壁面側に接する第2の固定面とを備える廻り縁であって、
第1の配置面と、該天井面または他の壁面に接触して第2の固定面の一部を構成する接触部分とを備える、長尺の発泡部材と、
第2の固定面の残りの部分を含み、該発泡部材の末端部に長手方向に沿って該発泡部材と一体化された、長尺の透明部材とを備え、
該透明部材が透明性熱可塑性樹脂と光拡散剤とを含有し、
第2の固定面と垂直な方向における該透明部材の厚み(mm)と該透明性熱可塑性樹脂100重量部に対する該光拡散剤の含有量(重量部)との積が3〜13(mm・重量部)
である、廻り縁。
第1の配置面と、該天井面または他の壁面に接触して第2の固定面の一部を構成する接触部分とを備える、長尺の発泡部材と、
第2の固定面の残りの部分を含み、該発泡部材の末端部に長手方向に沿って該発泡部材と一体化された、長尺の透明部材とを備え、
該透明部材が透明性熱可塑性樹脂と光拡散剤とを含有し、
第2の固定面と垂直な方向における該透明部材の厚み(mm)と該透明性熱可塑性樹脂100重量部に対する該光拡散剤の含有量(重量部)との積が3〜13(mm・重量部)
である、廻り縁。
好ましい実施形態においては、第2の固定面と垂直な方向における前記透明部材の厚み(mm)と前記透明性熱可塑性樹脂100重量部に対する前記光拡散剤の含有量(重量部)との積が3.5〜10(mm・重量部)である。
好ましい実施形態においては、前記光拡散剤が、炭酸カルシウム系光拡散剤、シリコーン系光拡散剤、アクリル系光拡散剤、スチレン系光拡散剤、および金属系光拡散剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である。より好ましい実施形態においては、前記光拡散剤が、炭酸カルシウム系光拡散剤である。
1つの壁面と天井面または他の壁面とが交差する角部に配置するための、互いに交差する該1つの壁面側に配置される第1の配置面と、該天井面または他の壁面側に接する第2の固定面とを備える廻り縁であって、
第1の配置面と、該天井面または他の壁面に接触して第2の固定面の一部を構成する接触部分とを備える、長尺の発泡部材と、
第2の固定面の残りの部分を含み、該発泡部材の末端部に長手方向に沿って該発泡部材と一体化された、長尺の透明部材とを備え、
第2の固定面と垂直な方向における該透明部材の全光線透過率が65〜83%
である、廻り縁。
第1の配置面と、該天井面または他の壁面に接触して第2の固定面の一部を構成する接触部分とを備える、長尺の発泡部材と、
第2の固定面の残りの部分を含み、該発泡部材の末端部に長手方向に沿って該発泡部材と一体化された、長尺の透明部材とを備え、
第2の固定面と垂直な方向における該透明部材の全光線透過率が65〜83%
である、廻り縁。
好ましい実施形態においては、第2の固定面と垂直な方向における前記透明部材の全光線透過率が71〜81.5%である。
好ましい実施形態においては、前記発泡部材自体の色彩と前記透明部材を通して現れる前記発泡部材の色彩との色差(ΔE)が12〜24である。より好ましい実施形態においては、前記発泡部材自体の色彩と前記透明部材を通して現れる前記発泡部材の色彩との色差(ΔE)が13〜22である。
1つの壁面と天井面または他の壁面とが交差する角部に配置するための、互いに交差する該1つの壁面側に配置される第1の配置面と、該天井面または他の壁面側に接する第2の固定面とを備える廻り縁であって、
第1の配置面と、該天井面または他の壁面に接触して第2の固定面の一部を構成する接触部分とを備える、長尺の発泡部材と、
第2の固定面の残りの部分を含み、該発泡部材の末端部に長手方向に沿って該発泡部材と一体化された、長尺の透明部材とを備え、
第2の固定面と垂直な方向における該透明部材のヘイズが45〜86%
である、廻り縁。
第1の配置面と、該天井面または他の壁面に接触して第2の固定面の一部を構成する接触部分とを備える、長尺の発泡部材と、
第2の固定面の残りの部分を含み、該発泡部材の末端部に長手方向に沿って該発泡部材と一体化された、長尺の透明部材とを備え、
第2の固定面と垂直な方向における該透明部材のヘイズが45〜86%
である、廻り縁。
好ましい実施形態においては、第2の固定面と垂直な方向における前記透明部材のヘイズが50〜80%である。
好ましい実施形態においては、前記発泡部材自体の色彩と前記透明部材を通して現れる前記発泡部材の色彩との色差(ΔE)が12〜24である。より好ましい実施形態においては、前記発泡部材自体の色彩と前記透明部材を通して現れる前記発泡部材の色彩との色差(ΔE)が13〜22である。
本発明によれば、発泡部材と特定の性質を有する透明部材とを特定の構造をなすように構成して廻り縁とすることで、透明部材が発泡部材の色彩を阻害しない程度の透明性を発現させるとともに、天井面と壁面、または、壁面と壁面との境界を目立たさない程度のぼかしをも発現させることができ、十分に良好な角部外観を提供できるような廻り縁を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
本発明に係る廻り縁を、図面を参照して説明する。図1は本発明に係る廻り縁の好ましい一例の断面図であり、図2は本発明に係る廻り縁の好ましい一例の斜視図である。図3は本発明に係る廻り縁の好ましい施工例を示す断面図である。
本発明に係る廻り縁100は、図1に示すように、1つの壁面と天井面または他の壁面とが交差する角部に配置するための、互いに交差する該1つの壁面側に配置される第1の配置面1と、該天井面または他の壁面側に接する第2の固定面2とを備える。第1の配置面1と第2の固定面2は、平滑面でもよいし、粗面でもよい。第1の配置面1と第2の固定面2は、図3に示すように天井面または壁面(図3は天井面5と壁面6の例)に接着剤によって接着する場合、接着剤溜りとして有効な凹状をなしていてもよい。また、接続金具等で天井面または壁面に固定するための構造を有していてもよい。
本発明に係る廻り縁100は、図1に示すように、第1の配置面1と、該天井面または他の壁面に接触して第2の固定面2の一部を構成する接触部分とを備える、長尺の発泡部材3を備える。また、第2の固定面2の残りの部分を含み、該発泡部材3の末端部31に長手方向に沿って該発泡部材3と一体化された、長尺の透明部材4を備える。
透明部材4が一体化される発泡部材3の末端部31の形状は特に限定されず、例えば、平面状、曲線状、凹凸状などが挙げられる。
本発明に係る廻り縁は、図1〜3に示したような形状をなしていてもよいが、特にこれに限定されず、例えば、図4(a)〜(f)に例示するような形状でもよい。
発泡部材は、主材として熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、PC樹脂、PLA樹脂、PS樹脂、PET樹脂、ブチレート樹脂、PP樹脂、PBT樹脂、PE樹脂、PPE樹脂、ナイロン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ABS樹脂が好ましい。
発泡部材は、発泡剤を含むことが好ましい。発泡剤は、発泡部材と透明部材との線膨張のバランスをとって発泡部材と透明部材との密着性を良くする効果を有する。発泡剤の含有量は、主材(好ましくは熱可塑性樹脂)100重量部に対して、好ましくは0.3〜1重量部、より好ましくは0.5〜1重量部である。発泡剤としては、例えば、重曹などの無機系発泡剤;DPT(N,N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン)、ADCA(アゾジカルボンアミド)、OBSH(4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド))などの有機系発泡剤;などが挙げられる。
発泡部材は、フィラーを含んでいることが好ましい。フィラーを含むことにより、発泡剤の核剤としての役割をなし、発泡の均一化と高分散化が可能となる。また、発泡部材を異形押出等で成形する際の線膨張の抑制効果が得られる。さらに、発泡効率の向上、硬度調節の容易化、成形体の性能の向上(伸縮の抑制、接着性の向上、寸法安定性の向上など)も可能となる。フィラーの含有量は、主材(好ましくは熱可塑性樹脂)100重量部に対して、好ましくは3〜25重量部、より好ましくは11〜18重量部である。フィラーとしては、例えば、タルク、ガラス繊維、マイカ、クレー、アルミナ、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭素繊維などの無機系フィラー;木粉、ケナフのようなセルロース系材料などの有機系フィラー;などが挙げられる。
発泡部材は、顔料や染料を含んでいることが好ましい。顔料や染料によって発泡部材を着色することができ、透明部材との組み合わせによって、天井面と壁面、または、壁面と壁面との境界を目立たさずにぼかすという効果を一層発揮させることができる。顔料や染料の含有量は、主材(好ましくは熱可塑性樹脂)100重量部に対して、好ましくは1〜15重量部、より好ましくは5〜10重量部である。顔料や染料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、コバルトブルー、マゼンダレッド、ベンガラなどが挙げられる。
発泡部材は、上記に挙げた成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で用い得るその他の任意成分を含んでいても良い。その他の任意成分の含有量は、主材(好ましくは熱可塑性樹脂)100重量部に対して、好ましくは0〜15重量部、より好ましくは0〜10重量部である。その他の任意成分としては、例えば、UV吸収剤、熱安定剤、難燃剤、蓄光顔料、潤滑剤、離型剤、填着剤などが挙げられる。
透明部材は、主材として透明性熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。透明性熱可塑性樹脂としては、例えば、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、PC樹脂、PLA樹脂、PS樹脂、PET樹脂、ブチレート樹脂、PBT樹脂などが挙げられる。これらの中でも、発泡部材と同じ樹脂を用いることが発泡部材との密着性のために好ましく、具体的にはABS樹脂が好ましい。
透明部材は、光拡散剤を含むことが好ましい。光拡散剤の含有量は、主材(好ましくは透明性熱可塑性樹脂)100重量部に対して、好ましくは1〜5重量部、より好ましくは1.5〜4重量部である。光拡散剤の含有量が主材(好ましくは透明性熱可塑性樹脂)100重量部に対して1重量部未満であると、天井面と壁面、または、壁面と壁面との境界を目立たさずにぼかすという効果が十分に発揮されず、境界付近に影が生じてしまう。光拡散剤の含有量が主材(好ましくは透明性熱可塑性樹脂)100重量部に対して5重量部より多いと、透明性が損なわれてしまう。
光拡散剤としては、主材(好ましくは透明性熱可塑性樹脂)と混合することで光を乱反射させることができるものであれば特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウムまたはそれを主成分とする炭酸カルシウム系光拡散剤;シリコーンボールなどのシリコーン系光拡散剤;架橋ポリアクリル酸メチルなどのアクリル系光拡散剤;架橋ポリスチレンなどのスチレン系光拡散剤;酸化チタン、硫酸バリウムなどの金属系光拡散剤;などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果を一層十分に発揮させるためには、炭酸カルシウム系光拡散剤が好ましい。
透明部材は、上記に挙げた成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で用いうるその他の任意成分を含んでいても良い。その他の任意成分の含有量は、主材(好ましくは透明性熱可塑性樹脂)100重量部に対して、好ましくは0〜15重量部、より好ましくは0〜10重量部である。その他の任意成分としては、例えば、UV吸収剤、熱安定剤、難燃剤、蓄光顔料、潤滑剤、離型剤、填着剤などが挙げられる。
透明部材は、第2の固定面と垂直な方向における該透明部材の厚みが、好ましくは0.5〜4mm、より好ましくは1〜4mm、さらに好ましくは1.5〜3mmである。当該厚みが0.5mmよりも小さいと、透明部材が薄すぎて、発泡部材の設置に起因する影が目立ってしまうおそれがある。当該厚みが4mmよりも大きいと、透明部材が厚すぎて、透明部材の設置に起因する影が目立ってしまうおそれがある。
第2の固定面と垂直な方向における該透明部材の厚み(mm)と該透明性熱可塑性樹脂100重量部に対する該光拡散剤の含有量(重量部)との積は、好ましくは3〜13(mm・重量部)であり、より好ましくは3.5〜10(mm・重量部)である。当該積の値が上記範囲内にあることにより、本発明の効果が十分に発揮でき、天井面と壁面、または、壁面と壁面との境界を目立たさず、十分に良好な角部外観を提供できるような廻り縁を提供することができる。
透明部材は、第2の固定面と垂直な方向における該透明部材の全光線透過率が、好ましくは65〜83%、より好ましくは71〜81.5%である。当該全光線透過率が上記範囲内にあることにより、本発明の効果が十分に発揮でき、天井面と壁面、または、壁面と壁面との境界を目立たさず、十分に良好な角部外観を提供できるような廻り縁を提供することができる。
透明部材は、第2の固定面と垂直な方向における該透明部材の400nmにおける光線透過率が、好ましくは50〜80%、より好ましくは60〜79%である。また、第2の固定面と垂直な方向における該透明部材の800nmにおける光線透過率が、好ましくは70〜88%、より好ましくは75〜88%である。当該400nmまたは800nmにおける光線透過率が上記範囲内にあることにより、本発明の効果が十分に発揮でき、天井面と壁面、または、壁面と壁面との境界を目立たさず、十分に良好な角部外観を提供できるような廻り縁を提供することができる。
透明部材は、第2の固定面と垂直な方向における該透明部材のヘイズが、好ましくは45〜86%、より好ましくは50〜80%である。当該ヘイズが上記範囲内にあることにより、本発明の効果が十分に発揮でき、天井面と壁面、または、壁面と壁面との境界を目立たさず、十分に良好な角部外観を提供できるような廻り縁を提供することができる。
本発明に係る廻り縁においては、発泡部材自体の色彩と透明部材を通して現れる前記発泡部材の色彩との色差(ΔE)が、好ましくは12〜24であり、より好ましくは13〜22である。当該色差(ΔE)が12よりも小さいと、発泡部材の設置に起因する影が目立ってしまうおそれがある。当該色差(ΔE)が24よりも大きいと、発泡部材上に透明部材が目立って存在してしまうおそれがある。
発泡部材の製造方法としては、特に限定されず、例えば、上記の各成分を混合して成形することにより製造すればよい。好ましくは、主材(好ましくは熱可塑性樹脂)に、発泡剤、フィラーを用いる場合には該主材(好ましくは熱可塑性樹脂)にフィラーを混合(主材(好ましくは熱可塑性樹脂)100重量部に対して、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは10〜40重量部を混合)して押出機(例えば、単軸押出機、二軸押出機など)にて溶融混練して得られたフィラー混合マスターバッチペレット、顔料や染料を用いる場合には主材(好ましくは熱可塑性樹脂)に顔料や染料を混合して押出機(例えば、単軸押出機、二軸押出機など)にて溶融混練して得られた着色用マスターバッチペレット、その他の任意成分、などを混合し、押出機(例えば、単軸押出機、二軸押出機など)にて押出成形を行う。
フィラーを用いる場合にフィラー混合マスターバッチペレットを用いれば、得られる成形品、最終的には廻り縁の形状の安定性と発泡の安定性が向上する。また、フィラーの含有量を容易に調整でき、フィラーの種類も容易に変更可能である。
透明部材の製造方法としては、特に限定されず、例えば、上記の各成分を混合して成形することにより製造すればよい。好ましくは、主材(好ましくは透明性熱可塑性樹脂)に光拡散剤、その他の任意成分を配合し、押出機(例えば、サブ機単軸押出機)にて押出成形を行う。
本発明に係る廻り縁の製造方法としては、上記発泡部材と透明部材とを一体化させることができる方法であれば特に限定されないが、二層成形用金型で凝着させて製造することが好ましい。凝着としては、例えば、溶融させた状態で接着させる形態(融着)でも良いし、非溶融状態で接着させる形態でも良い。また、金型内部コアによって発泡の逃げしろを作り、中心部で発泡度合いの調整を行い、サイジング2個を通し、成形体(廻り縁)に直線性を出し、水槽にて形状の冷却固定を行うことが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例には限定されない。なお、特に示さない限り、実施例中の部およびパーセントは重量基準である。実施例における評価項目は以下の通りである。
〈影の官能評価〉
天井と壁面(高さ約2.5m)がともに白色の施工場所に、各実施例・比較例で得られた廻り縁を取り付け、天井面から約45°下方の角度から3名のエキスパート(身長=約175cm)が目視によって観察し、発泡部材に現れる影の有無を評価した。評価は、3名のエキスパート全員が「影無し」と判定したものを「無」、その他は「有」とした。
天井と壁面(高さ約2.5m)がともに白色の施工場所に、各実施例・比較例で得られた廻り縁を取り付け、天井面から約45°下方の角度から3名のエキスパート(身長=約175cm)が目視によって観察し、発泡部材に現れる影の有無を評価した。評価は、3名のエキスパート全員が「影無し」と判定したものを「無」、その他は「有」とした。
〈色差の官能評価〉
天井と壁面(高さ約2.5m)がともに白色の施工場所に、各実施例・比較例で得られた廻り縁を取り付け、天井面から約45°下方の角度から3名のエキスパート(身長=約175cm)が目視によって観察し、発泡部材自体(透明部材を通さないで観察)の色彩と透明部材を通して現れる前記発泡部材の色彩との間に差異があるかどうかを評価した。評価は、3名のエキスパート全員が「差異無し」と判定したものを「無」、その他は「有」とした。
天井と壁面(高さ約2.5m)がともに白色の施工場所に、各実施例・比較例で得られた廻り縁を取り付け、天井面から約45°下方の角度から3名のエキスパート(身長=約175cm)が目視によって観察し、発泡部材自体(透明部材を通さないで観察)の色彩と透明部材を通して現れる前記発泡部材の色彩との間に差異があるかどうかを評価した。評価は、3名のエキスパート全員が「差異無し」と判定したものを「無」、その他は「有」とした。
〈色差(ΔE)の測定〉
各実施例・比較例で得られた廻り縁について、CCM装置(コンピュータカラーマッチング装置、データカラー社製、CS5 CHROMA COLOR)を用い、蛍光灯下での色差(ΔE)を測定した。
各実施例・比較例で得られた廻り縁について、CCM装置(コンピュータカラーマッチング装置、データカラー社製、CS5 CHROMA COLOR)を用い、蛍光灯下での色差(ΔE)を測定した。
〈全光線透過率、ヘイズの測定〉
各実施例・比較例で得られた廻り縁を構成する透明部材と同じ透明部材(単独)を準備し、この透明部材(単独)の長さ方向両端を固定し、透明層表面(廻り縁の外表面を形成する部分)に対して垂直方向の全光線透過率(%)を、ヘイズメータ(三菱化成製、TR54)を用いて測定した。ヘイズ(%)も同装置によって同時に測定した。
各実施例・比較例で得られた廻り縁を構成する透明部材と同じ透明部材(単独)を準備し、この透明部材(単独)の長さ方向両端を固定し、透明層表面(廻り縁の外表面を形成する部分)に対して垂直方向の全光線透過率(%)を、ヘイズメータ(三菱化成製、TR54)を用いて測定した。ヘイズ(%)も同装置によって同時に測定した。
〈400nmおよび800nmにおける光線透過率の測定〉
各実施例・比較例で得られた廻り縁を構成する透明部材と同じ透明部材(単独)を準備し、この透明部材(単独)の長さ方向両端を固定し、透明層表面(廻り縁の外表面を形成する部分)に対して垂直方向の、400nmおよび800nmにおける光線透過率(%)を、分光度計(島津製作所製、UV3150、積分球、測定範囲350〜800nm)を用いて測定した。スペクトルは800nmにかけてブロードに上昇し、このため、可視範囲において、400nmでの光線透過率(min)と800nmでの光線透過率(max)を数値として表した。
各実施例・比較例で得られた廻り縁を構成する透明部材と同じ透明部材(単独)を準備し、この透明部材(単独)の長さ方向両端を固定し、透明層表面(廻り縁の外表面を形成する部分)に対して垂直方向の、400nmおよび800nmにおける光線透過率(%)を、分光度計(島津製作所製、UV3150、積分球、測定範囲350〜800nm)を用いて測定した。スペクトルは800nmにかけてブロードに上昇し、このため、可視範囲において、400nmでの光線透過率(min)と800nmでの光線透過率(max)を数値として表した。
〔実施例1〜4、比較例1〜2〕
下記表1に示す組成で図5に示す断面を有する廻り縁を製造した。
発泡部材の製造方法としては、主材としての熱可塑性樹脂(SE−10:電気化学工業(株)製、一般ABS)に、発泡剤(セルマイク9043:三協化成(株)製アゾ系発泡剤(ADCA))、該熱可塑性樹脂にフィラーを混合して押出機にて溶融混練して得られたフィラー混合マスターバッチペレット(SE−10タルク:電気化学工業(株)製、30重量%の割合でタルクを含有するABS)、該熱可塑性樹脂に顔料や染料を混合して押出機にて溶融混練して得られた着色用マスターバッチペレット(1HG0012:セツナン化成(株)製着色マスターバッチ、2AH0099:セツナン化成(株)製着色マスターバッチ、HC−9372:(株)山口雲母工業所製カラー雲母)、その他の任意成分(PEG400:三洋化成工業(株)製填着剤オイル)を混合し、押出機にて押出成形を行った。
下記表1に示す組成で図5に示す断面を有する廻り縁を製造した。
発泡部材の製造方法としては、主材としての熱可塑性樹脂(SE−10:電気化学工業(株)製、一般ABS)に、発泡剤(セルマイク9043:三協化成(株)製アゾ系発泡剤(ADCA))、該熱可塑性樹脂にフィラーを混合して押出機にて溶融混練して得られたフィラー混合マスターバッチペレット(SE−10タルク:電気化学工業(株)製、30重量%の割合でタルクを含有するABS)、該熱可塑性樹脂に顔料や染料を混合して押出機にて溶融混練して得られた着色用マスターバッチペレット(1HG0012:セツナン化成(株)製着色マスターバッチ、2AH0099:セツナン化成(株)製着色マスターバッチ、HC−9372:(株)山口雲母工業所製カラー雲母)、その他の任意成分(PEG400:三洋化成工業(株)製填着剤オイル)を混合し、押出機にて押出成形を行った。
上記押出成形条件は次の通り。
本体:65m/m
成形温度:D2=170℃、ヘッド=165℃、アダプター=160℃、C4=170℃、C3=170℃、C2=165℃、C1=165℃
回転数:6rpm
負荷:55A
線速:1.4分/分
ブレカー:5φ試験
スクリュー:ダルメージスクリュー
本体:65m/m
成形温度:D2=170℃、ヘッド=165℃、アダプター=160℃、C4=170℃、C3=170℃、C2=165℃、C1=165℃
回転数:6rpm
負荷:55A
線速:1.4分/分
ブレカー:5φ試験
スクリュー:ダルメージスクリュー
透明部材の製造方法としては、主材として透明性熱可塑性樹脂(TH−21:電気化学工業(株)製、透明ABS)に光拡散剤(ルミパール:根本特殊化学(株)製光拡散剤)を配合し、サブ機単軸押出機にて押出成形を行った。
上記押出成形条件は次の通り。
本体:40m/m
成形温度:D1=210℃、C3=195℃、C2=185℃、C1=180℃
回転数:100〜110rpm
発泡部材と透明部材とを二層成形用金型で凝着させて、廻り縁とした。
上記押出成形条件は次の通り。
本体:40m/m
成形温度:D1=210℃、C3=195℃、C2=185℃、C1=180℃
回転数:100〜110rpm
発泡部材と透明部材とを二層成形用金型で凝着させて、廻り縁とした。
〔評価結果〕
実施例1〜4、比較例1〜2で得られた廻り縁についての各種評価結果を表2に示した。
実施例1〜4、比較例1〜2で得られた廻り縁についての各種評価結果を表2に示した。
本発明によれば、天井面と壁面、または、壁面と壁面との境界を目立たさず、十分に良好な角部外観を提供できるような廻り縁を提供することができる。
1 第1の配置面
2 第2の固定面
3 発泡部材
31 発泡部材の末端部
4 透明部材
5 天井面
6 壁面
100 廻り縁
2 第2の固定面
3 発泡部材
31 発泡部材の末端部
4 透明部材
5 天井面
6 壁面
100 廻り縁
Claims (12)
- 1つの壁面と天井面または他の壁面とが交差する角部に配置するための、互いに交差する該1つの壁面側に配置される第1の配置面と、該天井面または他の壁面側に接する第2の固定面とを備える廻り縁であって、
第1の配置面と、該天井面または他の壁面に接触して第2の固定面の一部を構成する接触部分とを備える、長尺の発泡部材と、
第2の固定面の残りの部分を含み、該発泡部材の末端部に長手方向に沿って該発泡部材と一体化された、長尺の透明部材とを備え、
該透明部材が透明性熱可塑性樹脂と光拡散剤とを含有し、
第2の固定面と垂直な方向における該透明部材の厚み(mm)と該透明性熱可塑性樹脂100重量部に対する該光拡散剤の含有量(重量部)との積が3〜13(mm・重量部)
である、廻り縁。 - 第2の固定面と垂直な方向における前記透明部材の厚み(mm)と前記透明性熱可塑性樹脂100重量部に対する前記光拡散剤の含有量(重量部)との積が3.5〜10(mm・重量部)である、請求項1に記載の廻り縁。
- 前記光拡散剤が、炭酸カルシウム系光拡散剤、シリコーン系光拡散剤、アクリル系光拡散剤、スチレン系光拡散剤、および金属系光拡散剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の廻り縁。
- 前記光拡散剤が、炭酸カルシウム系光拡散剤である、請求項3に記載の廻り縁。
- 1つの壁面と天井面または他の壁面とが交差する角部に配置するための、互いに交差する該1つの壁面側に配置される第1の配置面と、該天井面または他の壁面側に接する第2の固定面とを備える廻り縁であって、
第1の配置面と、該天井面または他の壁面に接触して第2の固定面の一部を構成する接触部分とを備える、長尺の発泡部材と、
第2の固定面の残りの部分を含み、該発泡部材の末端部に長手方向に沿って該発泡部材と一体化された、長尺の透明部材とを備え、
第2の固定面と垂直な方向における該透明部材の全光線透過率が65〜83%
である、廻り縁。 - 第2の固定面と垂直な方向における前記透明部材の全光線透過率が71〜81.5%である、請求項5に記載の廻り縁。
- 前記発泡部材自体の色彩と前記透明部材を通して現れる前記発泡部材の色彩との色差(ΔE)が12〜24である、請求項5または6に記載の廻り縁。
- 前記発泡部材自体の色彩と前記透明部材を通して現れる前記発泡部材の色彩との色差(ΔE)が13〜22である、請求項7に記載の廻り縁。
- 1つの壁面と天井面または他の壁面とが交差する角部に配置するための、互いに交差する該1つの壁面側に配置される第1の配置面と、該天井面または他の壁面側に接する第2の固定面とを備える廻り縁であって、
第1の配置面と、該天井面または他の壁面に接触して第2の固定面の一部を構成する接触部分とを備える、長尺の発泡部材と、
第2の固定面の残りの部分を含み、該発泡部材の末端部に長手方向に沿って該発泡部材と一体化された、長尺の透明部材とを備え、
第2の固定面と垂直な方向における該透明部材のヘイズが45〜86%
である、廻り縁。 - 第2の固定面と垂直な方向における前記透明部材のヘイズが50〜80%である、請求項9に記載の廻り縁。
- 前記発泡部材自体の色彩と前記透明部材を通して現れる前記発泡部材の色彩との色差(ΔE)が12〜24である、請求項9または10に記載の廻り縁。
- 前記発泡部材自体の色彩と前記透明部材を通して現れる前記発泡部材の色彩との色差(ΔE)が13〜22である、請求項11に記載の廻り縁。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005086410A JP2006265957A (ja) | 2005-03-24 | 2005-03-24 | 廻り縁 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2023148611A (ja) * | 2022-03-30 | 2023-10-13 | 大建工業株式会社 | 廻り縁カバー及び廻り縁カバー取付構造 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0589686U (ja) * | 1992-05-15 | 1993-12-07 | 大建工業株式会社 | 建築用造作材 |
JP2002235434A (ja) * | 2001-02-07 | 2002-08-23 | Daiken Trade & Ind Co Ltd | 廻縁材とそれを用いた天井納まり構造 |
-
2005
- 2005-03-24 JP JP2005086410A patent/JP2006265957A/ja not_active Ceased
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