JP2006265611A - チタン銅及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 曲げ加工後のばね特性が改良されたチタン銅を提供する。
【解決手段】 Tiを2.7〜3.7質量%含有し、残部がCu及び不可避的不純物から成る銅合金であって、加工硬化係数が0.1以上であり、かつ900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率(ρ:μΩcm)の差が25〜45であるチタン銅。
【選択図】 なし

Description

本発明はチタン銅及びその製造方法、並びに前記チタン銅を用いた伸銅品及び電子部品に関する。
パソコン及び携帯電話等の電子機器の電子部品(例えばコネクタ)に使用される材料に要求される機械的特性として、ばね限界値(材料をたわませたとき、所定の永久たわみ(例えば0.075mm又は0.1mm)が生じるときの表面最大応力値)や耐力(材料を引っ張った場合に所定量の永久ひずみ(通例0.2%)が生じるときの応力)が重要視されてきた。
この観点から、時効硬化型銅合金の高ベリリウム銅(JIS C1720)に代表されるベリリウム銅がコネクタの素材として広く使用されてきた。ベリリウム銅は耐力、ばね限界値及び応力緩和特性といった機械的特性に優れるとともに、導電性等の観点でも優れた特性を有する銅合金である。
近年、ベリリウム銅が高価であることから、ベリリウム銅の代替銅合金の開発が求められており、その代表的なものの一つがチタン銅である(例えば、JIS C1990が挙げられる)。チタン銅は高ベリリウム銅と同じ時効硬化型の銅合金であり、溶体化処理された過飽和固溶体を時効処理すると、スピノーダル分解を起こして母材中に変調構造と呼ばれるチタン濃度の周期的な濃淡を生成し硬化する。高ベリリウム銅に匹敵する高い強度が得られ、また、応力緩和特性も良好であることから、ベリリウム銅の代替銅合金として期待されており、種々の特性の向上を目的とした研究がなされている。
例えば、特許文献1ではチタン銅に適量のCr、Zr、Fe及びNiを添加した、伸びや加工性を損なうことなく、強度と導電性に優れた特性を持つ、導電性バネ材料に適したチタン銅が提案されている。特許文献1では各成分の含有量を発明特定事項とし、合金特性を引張強度(kg/mm2)、伸び(%)、硬度(Hv)、導電率(%IACS)及び加工性を指標として評価している。
また、特許文献2では結晶粒径及び最終圧延加工度を適正化することで強度及び曲げ加工性を両立させたチタン銅合金が提案されている。特許文献2では各成分の含有量、平均結晶粒径、0.2%耐力、割れの発生しない曲げ半径比、引張強さ、導電率等を発明特定事項とし、合金特性を引張強さ(N/mm2)、0.2%耐力(N/mm2)、伸び(%)、曲げ半径比(r/t)及び導電率(%IACS)を指標として評価している。
更に、特許文献3ではTiを2.0〜5.0質量%含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅基合金であって、0.2%耐力が700MPa以上、0.2%耐力とばね限界値との差が100MPa以下であり、酸化膜厚が10nm以下であることを特徴とし、ばね性とはんだ濡れ性とを高いレベルで同時に実現したCu−Ti合金が提案されている。特許文献3では合金特性を0.2%耐力(MPa)、ばね限界値(MPa)、残留応力(MPa)、永久変形量(mm)、酸化膜厚(nm)、はんだ濡れ性を指標として評価している。
特開平6−248375号公報 特開2002−356726号公報 特開2004−76091号公報
コネクタ等の電子部品に使用される材料は曲げ加工が施される場合が多い。このような材料には、曲げ加工が施された状態で嵌合時に必要な接触力(ばね力)が得られることが要求される。コネクタを挿抜する際に、永久たわみ(へたり)が発生すると接触力が下がるため、高い接触力を維持するためには曲げ加工後のばね特性を向上させることが重要である。
しかしながら、上記のように従来のチタン銅の機械的特性の評価及び開発は、ばね限界値や耐力等の曲げ加工が施されていない試料に対する特性値を指標としてなされてきたため、従来のチタン銅は曲げ加工されると所望のばね特性が得られないといった不都合が生じることがあった。すなわち、実際のコネクタ等の電子部品に使用される材料は曲げ加工が施されることが多いが、従来技術では曲げ加工前の特性に着目して合金組成や結晶粒径等を規定したチタン銅を開発し、曲げ加工後のばね特性に優れたチタン銅が有するべき各種パラメータ条件、そしてそのようなチタン銅を製造するための有利な製造条件を見出しておらず、曲げ加工されているコネクタ等の電子部品に要求されるばね特性を充分に得られないという問題があった。
そこで、本発明では曲げ加工後のばね特性が改良されたチタン銅、とりわけ曲げ加工が施されるコネクタ等の電子部品の素材としての使用に好適な、曲げ加工後のばね特性が改良されたチタン銅及びその製造方法並びに前記チタン銅を用いた伸銅品及び電子部品を提供することを課題とする。
本発明者らは、曲げ加工が施されたチタン銅のばね特性の改善に対し鋭意研究を重ねたところ、所定の条件を満足するいくつかの特定のパラメータを併せ持つチタン銅が曲げ加工後に有利なばね特性を示すことを見出した。
上記の知見に基づいて完成された本発明は一側面において、
(1) Tiを2.7〜3.7質量%含有し、残部がCu及び不可避的不純物から成る銅合金であって、加工硬化係数が0.1以上であり、かつ900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率(ρ:μΩcm)の差が25〜45であるチタン銅である。
また、本発明は別の一側面において、
(2) 圧延方向に対して直角な断面の平均結晶粒径が2〜10μmである(1)に記載のチタン銅である。
また、本発明は更に別の一側面において、
(3) 0.2%耐力が850MPa以上である(1)又は(2)に記載のチタン銅である。
また、本発明は更に別の一側面において、
(4) 熱間圧延A、冷間圧延B、溶体化処理C、冷間圧延D、時効処理Eを順次行うことを少なくとも含むチタン銅の製造方法であって、
・ 前記冷間圧延Dの加工度が35%以下で圧延速度が100m/分以上、
・ 及び、前記時効処理Eの時効温度が380〜450℃で、時効時間が9〜18時間で、冷却時の300℃以上の温度範囲における冷却速度が35〜80℃/時間である、
(1)〜(3)の何れかに記載のチタン銅の製造方法である。
また、本発明は更に別の一側面において、
(5) 前記冷間圧延Bの加工度が89%以上である(4)に記載の製造方法である。
また、本発明は更に別の一側面において、
(6) 請求項(1)〜(3)の何れかに記載のチタン銅を用いた伸銅品である。
また、本発明は更に別の一側面において、
(7) (1)〜(3)の何れかに記載のチタン銅を用いた電子部品である。
また、本発明は更に別の一側面において、
(8) 前記電子部品が曲げ加工されたコネクタである(7)に記載の電子部品である。
本発明によれば、曲げ加工後のばね特性が改良されたチタン銅を提供すること、とりわけ曲げ加工が施されるコネクタ等の電子部品の素材としての使用に好適な、曲げ加工後のばね特性が改良されたチタン銅及びその製造方法並びに前記チタン銅を用いた伸銅品及び電子部品を提供することが可能となる。
所定の条件を満足するいくつかの特定のパラメータを併せ持つ本発明に係るチタン銅の曲げ加工後のばね特性が向上する理由及び各パラメータの範囲限定の理由を本発明の実施形態と共に以下に説明する。
各パラメータ相互の関係
本発明に係るチタン銅は、チタン濃度、加工硬化係数及び900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率の差によって特定され、これらパラメータを所定範囲で組み合わせることによって相乗的に所望の曲げ加工後のばね特性が得られることを見出した点に特徴を有する。従って、上記パラメータを一つでも満足しない場合には、本発明の効果が充分に得られないこととなる。
これらのパラメータは相互に影響を与えるため、各パラメータ条件はそれぞれ独立に達成できるものではない。すなわち、一つのパラメータについての条件を満足しようとすると、他のパラメータについての条件が不十分となる場合があるので、すべての条件を満足させるためには製造条件を注意深く選択することが必要となる。本発明者らは本発明に係るチタン銅の製造に好適な製造条件も見出した。
(1)チタン濃度
本発明者らは種々のチタン濃度を有するチタン銅について曲げ加工後のばね特性を検討した結果、チタン濃度がかなり制限的な範囲にあるとき、すなわちチタン濃度がチタン銅の全体の質量を基準として2.7〜3.7質量%、好ましくは2.9〜3.5質量%の範囲にあるときに、他のパラメータとの相乗効果を良好に発揮し、曲げ加工後のばね特性が向上することを見出した。
チタン濃度が上記範囲を逸脱すると他のパラメータを調節しても本発明の有利な効果を達成できず、また、チタン濃度が規定範囲にあっても、他のパラメータが規定範囲になければ本発明の有利な効果を達成することができない。
(2)加工硬化係数
一般に、金属材料に弾性限度を越える応力を加え塑性変形させると、該金属材料が加工硬化し、弾性限度が上昇することが知られている。へたりはコネクタに負荷される応力が材料の弾性限度を越え塑性変形が起こると発生するため、材料の曲げ加工後の弾性限度が大きいほど、へたりは発生しにくく、また小さくなる。
一方、引張試験において試験片を引張り、荷重を負荷すると、弾性限度を越えて最高荷重点に達するまでの塑性変形域では試験片各部は一様に伸びる(均一伸び)。この均一伸びが発生する塑性変形域では真応力σtと真ひずみεtの間には式(1)の関係が成立し、これをn乗硬化則という。「n」を加工硬化係数という(須藤一:材料試験法、内田老鶴圃社、(1976)、p.34)。nは0≦n≦1の値をとる。この加工硬化係数が大きいほど加工硬化の程度が大きい。
σt = Kεt n 式(1)
金属材料に弾性限度を越える応力を加え塑性変形させると、材料が加工硬化し、弾性限度が上昇する。よって、加工硬化係数が大きい金属材料ほど塑性変形させた場合、より大きく加工硬化し弾性限度がより大きくなる。
本発明者らは、加工硬化係数のより高いチタン銅は曲げ加工のような比較的ひずみの大きな塑性変形をさせたときにより大きく加工硬化して弾性限度がより大きく上昇し、従って曲げ加工後のばね特性がより大きくなると考えた。実際、同程度の0.2%耐力やばね限界値を有する材料を曲げ加工(塑性変形)してコネクタ等の電子部品に成形する場合、加工硬化係数が大きい材料のほうが曲げ加工後の弾性限度が大きくなり、へたりを小さくすることができることが分かった。本発明者は種々実験を重ねた結果、加工硬化係数が0.1以上であるときに、他のパラメータとの相乗効果を良好に発揮し、曲げ加工後のばね特性が向上することを見出した。
加工硬化係数が0.1未満だと他のパラメータを調節しても本発明の有利な効果を達成できず、また、加工硬化係数が0.1以上であるチタン銅であっても、他のパラメータが規定範囲になければ本発明の有利な効果を充分に達成することができない。
加工硬化係数は成分組成はもちろん製造条件によってもその値が異なってくる。加工硬化係数は例えば最終冷間圧延の加工度を調整することにより達成することができる。より具体的には、最終冷間圧延の加工度を小さくすると、加工硬化係数は大きな値を示す。本発明においては、例えば最終冷間圧延時の加工度を35%以下にすることで0.1以上の加工硬化係数を得ることができる。本発明に係るチタン銅は例えば0.1〜0.2の加工硬化係数を有し、より具体的には例えば0.15や0.18とすることができる。
本発明の特定の実施形態においては、最終冷間圧延時の加工度は10〜35%、好ましくは15〜35%である。
ここで、加工度とは、加工前後の材料板厚の差を加工前の材料板厚で割り、100倍した値(%)である。また、「最終冷間圧延」とはチタン銅の全製造工程の中で最後に行う時効処理直前に行う冷間圧延を指す。従って、例えば当該時効処理後に行う冷間圧延は本発明では最終冷間圧延とは言わない。
(3)体積抵抗率
銅に他の元素を添加すると、添加された元素の種類や量によって違いはあるが、一般的に銅に固溶して体積抵抗率を上昇させる。りん青銅や黄銅といった固溶強化型の銅合金は添加された元素が固溶したままで析出しないため、体積抵抗率が大きい。これに対して、時効硬化型の銅合金は溶体化処理後に時効処理を実施することにより固溶した添加元素を析出させるため、溶体化処理後に比べ時効処理後の体積抵抗率が低下する。固溶した添加元素が多く析出するほど時効処理後の体積抵抗率の低下量が大きい。
ここで、チタン銅は時効硬化型の銅合金で、溶体化処理された過飽和固溶体を時効処理することにより、微細なCu−Ti金属間化合物相を合金中に均一に分散させ、強度を高めている。よって、チタン銅の強度を高めるには、Tiを充分に析出させることが重要である。Tiを充分に析出させることは、チタン銅に固溶しているTiの量が減少することを意味し、したがって体積抵抗率は低下する。
本発明者らは強度に寄与する析出物が充分に析出していることの指標として体積抵抗率を用いることを考え、その条件について検討を重ねたところ、出来上がったチタン銅に溶体化処理を行い、処理前と処理後の体積抵抗率の差が一定の範囲にあるチタン銅は、析出物が充分に析出しているとともに他のパラメータとの相乗効果を良好に発揮し、曲げ加工後のばね特性が向上することを見出した。
体積抵抗率に関する具体的な条件は、問題となっているチタン銅の室温における体積抵抗率を測定し、次に該チタン銅に含まれるTiを完全に溶体化させるために900℃で10分間加熱した後に室温まで水冷する熱処理を施した該チタン銅の室温における体積抵抗率を測定し、熱処理前後の体積抵抗率の差が25〜45μΩcm、好ましくは30〜40μΩcmである。
前記熱処理前後の体積抵抗率の差が規定範囲外だと他のパラメータを調節しても本発明の有利な効果を達成できない。例えば、前記熱処理前後の体積抵抗率の差が25μΩcm未満である場合は、強度増加に寄与する析出物の量が不十分となり、電子部品として必要な強度を得るためには一般的に最終冷間圧延時の加工度を高くする必要があり、その結果として加工硬化係数が小さくなり、曲げ加工後のばね特性が低下する。前記熱処理前後の体積抵抗率の差が45を超える場合は、析出物量は多いが析出した析出物が粗大化し強度増加への寄与が不十分となるため、同様に曲げ加工後のばね特性が低下する。
また、前記体積抵抗率の差が上の規定範囲であっても、他のパラメータが規定範囲になければ本発明の有利な効果を得ることはできない。
上で規定したような体積抵抗率の差を示すチタン銅の製造条件について述べる。
一般に析出物は転位線上に析出する場合が多いことが知られている。よって、転位密度が高いほど析出する量が多くなる。このことから、時効硬化型合金においては、溶体化処理後に冷間圧延を行い、その後に時効処理する製造工程がよく採用されている。
圧延加工度を高くするほど、導入される転位量が多くなり転位密度が高くなるため、時効処理での析出物量が多くなる。その結果、時効処理後の強度及び導電率が高くなる。しかし、圧延加工度を高くしすぎると曲げ加工性が悪化するため、強度、導電率及び曲げ加工性のバランスを考慮した加工度及びその他の加工条件を設定する必要がある。
また、時効処理においては、時効処理の温度が高いほど、またその時間が長いほど析出物の量が多くなる。しかし、時効処理を高温で行うと、析出に要する処理時間を短くできるが、逆に析出物が成長して粗大化し、強度に寄与しなくなる。一方、低温では微細な析出物が多く析出するが、析出に要する処理時間が長くなり、工業的ではない。よって、経済性や時効処理後に得られる特性を考慮して適切な時効条件を決定する必要がある。
本発明者らは加工硬化係数を0.1以上(本発明においては、例えば最終冷間加工時の加工度を35%以下として達成することができる。)としつつ、900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率(ρ:μΩcm)の差が25〜45であることを満足させるために、例えば熱間圧延、冷間圧延、溶体化処理、冷間圧延、時効処理と順次行なわれるチタン銅の製造工程において、溶体化処理後の冷間圧延工程における圧延速度及び時効条件を以下のように調整することが有効であることを見出した。
すなわち、溶体化処理後の冷間圧延工程における圧延速度を速く、例えば100m/分以上、好ましくは125〜500m/分、より好ましくは150〜350m/分とすることにより加工度35%以下で圧延しても組織内に多量の転位を導入させることが可能となる。そして、時効条件は(1)450℃を時効温度の上限として時効温度を高く、例えば380℃以上、好ましくは400℃以上、より好ましくは420℃以上とし、(2)時効時間を長く、例えば9時間以上、好ましくは9〜18時間、より好ましくは11〜15時間とし、(3)時効処理の加熱炉内での冷却時の300℃以上の温度範囲における冷却速度を遅く、例えば80℃/時間以下、好ましくは35〜80℃/時間、より好ましくは50〜70℃/時間とすることにより、微細なCu−Ti金属間化合物相を均質に析出させることが可能となる。ここで、「時効温度」とは時効処理を行う加熱炉内部の雰囲気温度を指し、「時効時間」とは時効処理を行う加熱炉中に滞留する時間を指す。
この結果、所望の加工硬化係数及び体積抵抗率の差を達成することができる。
(4)結晶粒径
結晶粒径が小さくなるほど材料の強度が高くなることは広く一般に知られている。よって、結晶粒径を小さくすると加工硬化係数を大きくするために最終冷間圧延時の加工度を低くしても高強度化が可能である。
圧延方向に直角な断面の結晶粒径(JIS H0501切断法により測定)が10μmを超えると、結晶粒微細化による材料の高強度化が図れず、高強度化のためには加工度を高くする必要がある。加工度を高くすると加工硬化係数が小さくなり、その結果、曲げ加工後のばね特性が悪化する。また、圧延方向に直角な断面の結晶粒径を2μm未満に調整すると、未再結晶部が残留することが考えられる。未再結晶部とは再結晶焼鈍時に材料の一部が再結晶せず、圧延加工を受けた組織が残留している部位のことである。未再結晶部が残留すると曲げ加工性が劣化するばかりでなく、加工硬化係数も小さくなり曲げ加工後のばね特性が悪くなる。
従って、本発明のチタン銅の圧延方向に直角な断面の平均結晶粒径を、2〜10μm、好ましくは3〜7μmとするとよい。
また、材料が再結晶するとき、圧延等で導入された歪が、再結晶粒の核となる。溶体化処理前の冷間圧延加工度が高いほど多量の歪が導入されるため、再結晶粒の生成が顕著になり、結晶粒の成長が抑制され、微細な結晶粒径が得られる。
従って、溶体化処理前の冷間圧延加工度を高く、例えば89%以上、好ましくは90〜98%、より好ましくは91〜97%とすることで、本発明で規定する結晶粒径を得ることができる。
以上、本発明に係るチタン銅について説明してきたが、本発明に係るチタン銅は種々の伸銅品、例えば板、条、管、棒及び線に加工することができ、(とりわけ曲げ加工が要求される)コネクタ、端子、ピン、リレー、リードフレーム、リード端子及びスイッチ等の電子部品用銅合金として好適である。
以下に本発明に係るチタン銅の製造例及び特性試験の結果を示すが、これらは本発明及びその利点をより良く理解するために提供するのであり、本発明が限定されることを意図するものではないことに留意すべきである。
電気銅及びスポンジチタンを原料として、表1に示す種々のチタン濃度のチタン銅を高周波真空溶解炉にて溶解し、幅60mm×厚さ30mmのインゴットに鋳造した。その後、850℃で7mmまで熱間圧延した後、圧延方向に直角な断面の結晶粒径が3〜5μmとなるように89%以上の加工度で冷間圧延し、溶体化処理を行った。溶体化処理では、溶体化時の板厚に応じて800℃で1〜5分の加熱を行った後、水冷した。その後最終の冷間圧延を行って板厚を0.2mmに調整し、最後に時効処理を行った。最終冷間圧延は速度200m/分で行い、時効条件は、900℃で10分間加熱前後の体積抵抗率の差が25〜45になるように、温度は425℃、時間は12時間、時効温度425℃から300℃まで冷却する間の平均冷却速度は、試料に熱電対を装着して温度測定を行い、加熱炉内での冷却にて60℃/時間となるようにした。一部の実施例を除き、0.2%耐力が約850MPaとなるように溶体化処理時の板厚を増減することにより、最終圧延加工度を調整した。このようにして得られた各チタン銅について、0.2%耐力、加工硬化係数、結晶粒径、へたり及び900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率を測定した。
(0.2%耐力)
圧延方向に対しその長手方向が平行方向となるように採取したJIS 13B号試験片を使用して、引張試験機(ORIENTEC社製:UTM−10T)を用いて室温、初期標点距離50mm、引張速度5mm/分の条件で引張試験を実施し、得られた応力−ひずみ曲線よりオフセット法で0.2%耐力(永久伸び0.2%)を求めた。試験は、測定数2で実施し、その平均値を0.2%耐力値とした。
(加工硬化係数)
n乗硬化則の成立する材料では、応力−ひずみ曲線の最高荷重点における真ひずみと加工硬化係数は一致することから、最高荷重点における真ひずみを加工硬化係数n値とした(須藤一著、「材料試験法」、内田老鶴圃社、1976年、p.35)。具体的には、先述の0.2%耐力を測定するのと同じ方法で、応力−ひずみ曲線を得る。ただし、測定数は1である。真ひずみεtは、得られた応力−ひずみ曲線より読み取った最高荷重点における公称ひずみεを式(3)に代入して算出する。
εt=ln(1+ε) 式(3)
(体積抵抗率)
JIS H0505に規定されている非鉄金属材料導電率測定法に準拠した四端子法にて測定した。使用した試験片は、圧延方向に対しその長手方向が平行方向となるように採取した幅10mm、長さ100mmの短冊形状のものである。測定は材料温度が20℃となるようにし、測定数2で実施し、その平均値を測定値とした。
(平均結晶粒径)
試料を観察面が圧延方向に対し直角となるように樹脂埋めし、観察面を機械研磨にて鏡面仕上げ後、水100容量部に対して濃度36%の塩酸10容量部の割合で混合した溶液に、その溶液の重量の5%の重量の塩化第二鉄を溶解した。こうして出来上がった溶液中に試料を10秒間浸漬して金属組織を現出させた。次に、前記金属組織を光学顕微鏡で1000倍に拡大して写真に撮り、JISで規定する切断法(JIS H0501)により、写真上に200mmの線分を試料の板幅方向に対して平行な線5本及び直角な線5本の合計10本をそれぞれ25mmの間隔で引き、前記線分で切られる結晶粒数nを数え、〔200mm×10/(n×1000)〕の式から求めた。観察した視野数は、各試料に対して板厚中央部の任意に選定した1視野である。
(へたり)
試験片の長手方向が圧延方向と平行となるように、幅0.8mm、長さ30mmの短冊形状の試験片を作製した。次にこの試験片に対して、図1に示すように角度30°のV曲げ用金型に先端の曲率半径0.2mm、角度30°のポンチを250Nの荷重で押し込んで試料に曲げ加工を施した。次いで図2に示すように精密バイスを使用して試験片の一端の曲げ基部を支持し、他端が水平になるように保持し、ばね長を5mmとして、ナイフエッジ状に加工したポンチを用いて垂直方向に移動速度1mm/分で変位量1mmのたわみを与え、除荷した後のへたりを測定した。へたり測定用の試験片の作製及びへたりの測定は室温で実施し、試験は測定数1で実施した。
Figure 2006265611
表1にTi濃度を変化させたチタン銅の0.2%耐力、加工硬化係数、結晶粒径、へたり及び900℃で10分間加熱前後の体積抵抗率の差を示す。すべての試料とも、体積抵抗率の差は25〜45(発明範囲)であり、強度に寄与する微細なCu−Ti化合物が充分に析出したと考えられる。発明例であるNo.1〜3は、Ti濃度が2.9〜3.5%の間にあり、850MPaの0.2%耐力が得られる最終圧延加工度を35%以下に調整することができ、加工硬化係数が0.1以上となった。その結果、曲げ加工後のへたりが小さかった。
一方、比較例のNo.4はTi濃度が4.0%と高かったため、熱間圧延時に大きな割れが発生し、以降の工程を進捗することが不可能であった。
比較例のNo.5は、Ti濃度が2.5%と低かったため、850MPa以上の0.2%耐力を得るためには最終圧延加工度を45%と発明例No.1〜3に比べ高くしなければならず、その結果、加工硬化係数の値が0.1未満となり、曲げ加工後のへたりが大きくなった。
比較例No.6は比較例No.5とTi濃度が同じ2.5%の材料で、加工硬化係数が0.1以上となるように、最終圧延加工度を調整したところ、0.2%耐力が778MPaと低くなった。また、曲げ加工後のへたりは、加工硬化係数が0.1以上であったことから同じTi濃度の比較例No.5に比べ小さくなったが、発明例No.1〜3に比べると大きかった。
電気銅及びスポンジチタンを原料とし、溶解後のチタン濃度が3.2%となるように原料を配合して、高周波真空溶解炉にてチタン銅を溶解し、幅60mm×厚さ30mmのインゴットに鋳造した。その後、850℃で7mmまで熱間圧延した後、圧延方向に直角な断面の結晶粒径が3〜5μmとなるように89%以上の加工度で冷間圧延し、溶体化処理を行った。溶体化処理では、溶体化時の板厚に応じて800℃で1〜5分の加熱を行った後、水冷した。その後最終冷間圧延を行って板厚を0.2mmに調整し、最後に時効処理を行った。時効処理前の最終冷間圧延条件及び時効条件を変化させて、加工硬化係数を変化させた。最終冷間圧延条件として、加工度及び圧延速度を変化させた。時効条件として、時効温度、時効時間及び冷却速度を変化させた。冷却速度は、所定の温度及び時間で加熱した後の試料の冷却速度であり、試料に熱電対を装着して温度測定を行い、時効温度から300℃まで冷却する間の1時間あたりの平均冷却速度を求めた。また、一部の実施例を除き、0.2%耐力が850MPa以上となるように、溶体化処理時の板厚を増減することにより、最終圧延加工度を調整した。このようにして得られた各合金について、実施例1と同じ方法で、0.2%耐力、加工硬化係数、結晶粒径、へたり及び900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率を測定した結果を表2に示す。
Figure 2006265611
発明例No.7〜9は、体積抵抗率の差が25〜45であるため、850MPa以上の0.2%耐力が得られる加工度を35%以下に調整することができ、加工硬化係数が0.1以上となった。その結果、へたりが小さかった。
一方、比較例No.10は発明例No.7〜9に比べ時効温度が470℃と高く、時効時間が20時間と長く、さらに300℃までの冷却速度も遅かった。900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率の差は47と発明例No.7〜9に比べ大きく析出物量は多かったが、強度に寄与していた析出物が粗大化して強度に寄与しなくなり、0.2%耐力を850MPa以上とするために最終圧延加工度を60%にあげる必要があった。その結果、加工硬化係数が0.1未満となり、曲げ加工後のへたりが大きくなった。
比較例No.11は比較例No.10と同じ条件で時効処理し、最終圧延加工度を加工硬化係数が0.1以上となるところまで下げた場合の例である。比較例No.10と同じように900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率の差は46と大きく析出物量は多かったが、析出物が粗大化したために強度に寄与しなくなった。その結果、加工硬化係数を0.1以上にするために最終圧延加工度を下げると0.2%耐力が787MPaと低くなり、曲げ加工後のへたりは、加工硬化係数が0.1以上であったことから比較例No.10に比べると小さくなったが、発明例No.7〜9に比べると大きかった。
比較例No.12は発明例No.7〜9に比べ、時効温度が370℃と低く、時効時間が3時間と短かった。900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率の差は24と発明例No.7〜9に比べ小さく、強度に寄与するTiの充分な析出が得られず、0.2%耐力を850MPa以上とするためには、最終圧延加工度を55%まで上げる必要があった。その結果、加工硬化係数が0.1未満となり、曲げ加工後のへたりが大きくなった。
比較例No.13は比較例No.12と同じ条件で時効処理し、最終圧延加工度を加工硬化係数が0.1以上となるところまで下げた場合の例である。900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率の差も23と小さく、比較例No.12と同じように、強度に寄与するTiの充分な析出が得られなかった。その結果、加工硬化係数を0.1以上にするために最終圧延加工度を下げると0.2%耐力が776MPaと低くなり、曲げ加工後のへたりは、比較例No.12に比べると小さくなったが、加工硬化係数が0.1以上であったことから発明例No.7〜9に比べると大きかった。
比較例No.14は、時効条件は発明例No.9と同じであるが、圧延速度が50m/分と発明例No.9の120m/分に比べ遅かった。そのため900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率の差は23と発明例No.9に比べ小さく、強度に寄与するTiの充分な析出が得られず、0.2%耐力を850MPa以上とするためには、最終圧延加工度を55%まで上げる必要があった。その結果、加工硬化係数が0.1未満となり、曲げ加工後のへたりが大きくなった。
比較例No.15は、比較例No.14と同じ時効条件で時効処理し、冷間圧延の圧延速度を比較例No.14と同じにし、最終圧延加工度を加工硬化係数が0.1以上となるところまで下げた場合の例である。比較例No.14と同じように、900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率の差も23と小さく、強度に寄与するTiの充分な析出が得られなかった。その結果、加工硬化係数を0.1以上にするために最終圧延加工度を下げると0.2%耐力が768MPaと低くなり、曲げ加工後のへたりは、加工硬化係数が0.1以上であったことから比較例No.14に比べると小さくなったが、発明例No.7〜9に比べると大きかった。
比較例No.16は、比較例No.14及びNo.15と同じ圧延速度で圧延を行い、900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率の差が25〜45となるように時効条件を調整した場合の例である。900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率の差を25以上とするためには、発明例7〜9に比べ時効温度を470℃と高く、時効時間は20時間と長く、さらに300℃までの冷却速度を遅くする必要があった。その結果、析出物量は多かったが、強度に寄与していた析出物が粗大化し、強度に寄与しなくなったと考えられる。圧延速度が遅く、導入された転位量も少なかったためか、最終圧延加工度を60%まで上げても0.2%耐力が850MPa以上とはならず、加工硬化係数が0.1未満となり、へたりが大きくなった。
比較例No.17は、発明例No.8と同じ条件で圧延及び時効処理を行い、900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率の差を25〜45にしたが、最終圧延加工度を上げ、加工硬化係数を0.1未満にした例である。この場合、0.2%耐力は発明例No.8よりも高くなったが、かえってへたりが大きくなった。この例より、へたりは加工硬化係数の影響を強く受け0.2%耐力だけでは決定されないことがわかる。
比較例No.18は、圧延速度を250m/分と発明例No.7と同様速くすることで組織内に多量の転位を導入させれば、時効温度が350℃と低く、時効時間が2時間と短く、300℃までの冷却速度も100℃/hrと速い条件によっても微細なTiの析出が充分に得られることを期待した。しかしながら、900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率の差は23と発明例No.7〜9に比べ小さく、強度に寄与するTiの充分な析出が得られず、その結果、加工度を40%に上げても850MPaの強度を得ることができず、加工硬化係数も0.1未満となり、曲げ加工後のへたりが大きくなった。
電気銅及びスポンジチタンを原料として、溶解後のチタン濃度が3.2%となるように原料を配合して、高周波真空溶解炉にてチタン銅を溶解し、幅60mm×厚さ30mmのインゴットに鋳造した。その後、850℃で熱間圧延した後、冷間圧延し、溶体化処理を行った。溶体化処理前の冷間圧延の圧延加工度を調整できるように熱間圧延後の板厚を決定した。この冷間圧延では、10μm以下の平均結晶粒径を得る場合は加工度89%以上で圧延を行い、10μm以上の平均結晶粒径を得る場合は加工度89%未満で圧延を実施した。溶体化処理では、800または900℃で0.1〜10分の加熱を行った後、水冷し、圧延方向に直角な断面の平均結晶粒径を種々の大きさで得た。その後、板厚0.2mmまで冷間圧延し、時効処理を行った。冷間圧延は圧延速度200m/分で実施した。時効条件は、900℃で10分間加熱前後の体積抵抗率の差が25〜45になるように、温度は425℃、時間は12時間、時効温度425℃から300℃まで冷却する間の平均冷却速度温度は、試料に熱電対を装着して温度測定を行い、60℃/時間となるようにした。また、0.2%耐力が850MPa以上となるように時効処理前の最終冷間圧延加工度を調整した。このようにして得られた各合金について、実施例1と同じ方法で、0.2%耐力、加工硬化係数、結晶粒径、へたり及び900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率(ρ:μΩcm)を測定した結果を表3に示す。
Figure 2006265611
発明例No.19〜21は、結晶粒径が2〜10μmの範囲内にあり、850MPa以上の0.2%耐力が得られる加工度を35%以下に調整することができ、加工硬化係数が0.1以上となった。その結果、へたりが小さかった。
一方、比較例No.22は溶体化処理前の圧延加工度を高くし、圧延方向に直角な断面の結晶粒径を2μm未満にしようとしたが、金属組織を観察した結果、未再結晶部が残留し、へたりを測定するための曲げ加工時に曲げ部に大きな割れが発生したため、へたりを測定できなかった。
また、比較例No.23では、溶体化前の圧延加工度及び溶体化条件を比較例No.22と同じとし、未再結晶部が残留しても時効処理前の圧延を行わなければ、加工硬化係数が大きくなり、また、曲げ加工も可能となることを期待した。しかし、加工硬化係数は0.08と0.1未満で、へたりを測定するための曲げ加工時に曲げ部に大きな割れが発生したため、へたりを測定できなかった。
比較例No.24は、溶体化処理前の圧延加工度を82%と89%以下にしたため、発明例No.19〜21に比べ圧延方向に直角な断面の結晶粒径が16μmと大きくなり、最終圧延加工度を45%まで上げても0.2%耐力は850MPaのレベルには到達せず、加工硬化係数が0.1未満となり、曲げ加工後のへたりが大きくなった。
比較例No.25は、圧延面に直角な断面の結晶粒径を15μmと比較例No.24と同じくらいの大きさにし、加工度を35%まで下げたものであり、得られた0.2%耐力は783MPaと低くなった。また、加工硬化係数は0.08と発明例No.19〜21に比べ小さく、曲げ加工後のへたりは発明例No.19〜21よりも大きくなった。
曲げ加工後の試験片の形状を模式的に示す図である。 曲げ加工後の試験片の形状を用いてへたりを測定する時の位置関係を模式的に示す図である。

Claims (8)

  1. Tiを2.7〜3.7質量%含有し、残部がCu及び不可避的不純物から成る銅合金であって、加工硬化係数が0.1以上であり、かつ900℃で10分間加熱後に水冷する熱処理前後の体積抵抗率(ρ:μΩcm)の差が25〜45であるチタン銅。
  2. 圧延方向に対して直角な断面の平均結晶粒径が2〜10μmである請求項1に記載のチタン銅。
  3. 0.2%耐力が850MPa以上である請求項1又は2に記載のチタン銅。
  4. 熱間圧延A、冷間圧延B、溶体化処理C、冷間圧延D、時効処理Eを順次行うことを少なくとも含むチタン銅の製造方法であって、
    ・ 前記冷間圧延Dの加工度が35%以下で圧延速度が100m/分以上であり、
    ・ 及び、前記時効処理Eの時効温度が380〜450℃で、時効時間が9〜18時間で、冷却時の300℃以上の温度範囲における冷却速度が35〜80℃/時間である、
    請求項1〜3の何れか一項に記載のチタン銅の製造方法。
  5. 前記冷間圧延Bの加工度が89%以上である請求項4に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜3の何れか一項に記載のチタン銅を用いた伸銅品。
  7. 請求項1〜3の何れか一項に記載のチタン銅を用いた電子部品。
  8. 前記電子部品が曲げ加工されたコネクタである請求項7に記載の電子部品。
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