JP2006265584A - 熱間圧延時のCu含有鋼材の加熱方法 - Google Patents
熱間圧延時のCu含有鋼材の加熱方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006265584A JP2006265584A JP2005081800A JP2005081800A JP2006265584A JP 2006265584 A JP2006265584 A JP 2006265584A JP 2005081800 A JP2005081800 A JP 2005081800A JP 2005081800 A JP2005081800 A JP 2005081800A JP 2006265584 A JP2006265584 A JP 2006265584A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel material
- steel
- heating
- scale
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
【課題】 鋼材を熱間圧延する際のCuに起因する鋼材の赤熱脆性の発生を、NiやSiの添加による場合のような問題を生じることなく、加熱方法を工夫することにより抑制できる鋼材の加熱方法を提供すること。
【解決手段】 Cuを0.05質量%以上3質量%以下で含有する鋼材を熱間圧延に先立ち加熱する方法において、当該鋼材を鋼材表面の最低温度が1080℃以上の状態でCuの含有量が0.05質量%未満である鋼材に接触させた状態の酸化雰囲気中で加熱することを特徴とする熱間圧延時のCu含有鋼材の加熱方法。
【選択図】 図3
【解決手段】 Cuを0.05質量%以上3質量%以下で含有する鋼材を熱間圧延に先立ち加熱する方法において、当該鋼材を鋼材表面の最低温度が1080℃以上の状態でCuの含有量が0.05質量%未満である鋼材に接触させた状態の酸化雰囲気中で加熱することを特徴とする熱間圧延時のCu含有鋼材の加熱方法。
【選択図】 図3
Description
本発明は、Cu含有鋼材を熱間圧延する際の鋼材の加熱方法において、Cuに起因する鋼材の赤熱脆性を抑制する鋼材の加熱方法に関する。より具体的には、鋼材の加熱時の鋼材表面へのCuの濃化を抑制して鋼材の赤熱脆性を防止し、表面形状の優れた鋼材を得る鋼材の加熱方法に関するものである。
鉄鋼材料の鉄源としてスクラップが利用されているが、スクラップを用いた場合には、スクラップ中に含まれるCuが鋼材に混入する。Cuは熱間圧延時に先立つ鋼材の加熱時に生成するスケールと地鉄の界面に濃化し、このCu濃化量が多いと鋼材表面に割れを生じる赤熱脆性の問題が起きることが知られている。Cuは精錬による除去が困難であるため、この問題を回避するためにCuを含有する鋼材スクラップの使用量が制限されているという状況がある。
しかしながら、鋼材を製造する際のエネルギー消費量や、蓄積された鋼材スクラップ量の増加を考えると、今後、鉄源としてより多くのスクラップを使用することが望まれており、Cuを含有しても赤熱脆性が発生しない製造方法の開発が強く要求されている。
ところで、熱間圧延に先立ち鋼材は加熱炉に装入され、燃焼ガスにより加熱されて1100〜1300℃の温度で抽出後、高圧水でデスケーリングされ熱間圧延機で熱間圧延される。通常、加熱炉内に供給される燃焼ガスは、0〜10%の酸素、0〜30%の水蒸気、0〜30%の二酸化炭素などの酸化性ガスを含むために、加熱炉で高温に加熱された鋼材表面にはスケール層が生成する。このスケール層は、主に鉄の酸化物からなり、一般に表層からヘマタイト(Fe2O3)、マグネタイト(Fe3O4)、ウスタイト(FeO)の3層からなる。
そして、鋼が高温で酸化性ガスによって酸化する際に、Cu、Niなどの鉄より貴な金属を含有している場合は、これらの金属は酸化されずスケール層と地鉄の界面で濃化する。特にCuの場合には、γ鉄中に数%程度の溶解度しかなく、Cu濃化量がそれ以上となる場合にはCuが金属相として析出する。Cuの融点は1080℃であり、通常熱間圧延前の鋼材の加熱はそれ以上の温度で行われるために、溶融状態のCuの液相がスケール/地鉄界面に生成し、これが地鉄の粒界に侵入して熱間圧延時のせん断応力や引張応力に耐えられなくなり、赤熱脆性による表面割れが発生する。
このCu起因の赤熱脆性の防止には例えば非特許文献1などのようにNiの添加が有効であることが知られている。これはNiを添加することで鋼中のCuの溶解度が増すために、スケール/地鉄界面でのCuの析出を抑制できることによる。しかしながら、Niを添加してCu起因の赤熱脆性を防止する方法は、高価な金属であるNiを使用するためにコスト増につながるという問題がある。
また、特許文献1ではSiの添加も赤熱脆性の防止効果があるとしている。Siを添加すると、スケール/地鉄界面付近でファイアライトを生成し、1170℃以上でスケール中のウスタイトと反応して液相を生成させる。この液相中にCuの液相が取り込まれるために、Cuの地鉄粒界への液相Cuの侵入が抑制される。しかし、Siを添加した鋼材はスケールの剥離性が悪く、圧延前の高圧水によるデスケーリングによってもスケールの剥離・除去が困難となり、細かいスケールが残留し鋼材表面が赤くなるなど表面性状が損なわれ、その後、酸洗工程がある場合には、酸洗でスケールが溶解し難いため、酸洗工程のコスト増、生産性の低下の問題がある。
赤松ら:材料とプロセスvol.7 p1712 (1994) 特開平6−297026号公報
赤松ら:材料とプロセスvol.7 p1712 (1994)
本発明は、Cu含有鋼材を熱間圧延する際のCuに起因する鋼材の赤熱脆性の発生を、NiやSiの添加のような鋼成分の変更を行うことなく抑制できる鋼材の加熱方法、より具体的には、Cuを0.05〜3質量%含有する鋼材の加熱時に鋼材表面でのCuの濃化を抑制して、赤熱脆性がなく表面性状の優れた圧延鋼材を得るCu含有鋼材の加熱方法を提供するものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の(1)及び(2)を要旨とするものである。
(1)Cuを0.05質量%以上3質量%以下で含有する鋼材を熱間圧延に先立ち加熱する方法において、当該鋼材を鋼材表面の最低温度が1080℃以上の状態でCuの含有量が0.05質量%未満である鋼材に接触させた状態の酸化雰囲気中で加熱することを特徴とする熱間圧延時のCu含有鋼材の加熱方法。
(2)Cuを0.05質量%以上3質量%以下で含有する複数の鋼材をプッシャー式の加熱炉を用いて熱間圧延に先立ち加熱する方法において、当該鋼材とCuの含有量が0.05質量%未満である鋼材が加熱炉内の1080℃以上の領域に同時に存在するように、酸化雰囲気中で加熱することを特徴とする熱間圧延時のCu含有鋼材の加熱方法。
本発明方法では、鋼材の成分を変えることなく、加熱炉内の鋼材の加熱方法を変更するだけでCuを含有する鋼の加熱後のスケール/地鉄界面のCuの濃化量を大幅に減じることができ、圧延時のCu起因の赤熱脆性を抑制することができる。
本発明は、Cuを含有する鋼材を熱間圧延するための鋼材の加熱方法であって、鋼の基本成分を変えることなく、熱間圧延時のCu起因赤熱脆性の発生を抑制し、表面形状の優れた熱間圧延鋼材の製造を可能にするものである。
これまで、赤熱脆性を引き起こすCuの濃化はスケール/地鉄界面でのみ起こる現象と考えられてきた。しかしながら、本発明者らは数多くの実験検証の結果、このCuがスケール/地鉄界面に濃化する現象以外にも、Cuがスケールの粒界を移動する現象、さらにはスケールのマグネタイト層にCuが固溶する現象を見出した。本発明はこれらの現象を利用してCu起因の赤熱脆性を抑制しようとするものである。
本発明者らは実験を通して、赤熱脆性を引き起こすCuの濃化は、スケール/地鉄界面でのみで起こる現象ではなく、図1に示すように地鉄の表面上に形成するスケールのマグネタイト層内にCuが固溶されることをはじめて知見した。通常、スケールは表層からヘマタイト(Fe2O3)、マグネタイト(Fe3O4)、ウスタイト(FeO)の3層構造で生成する。このうちマグネタイトはスピネル構造をとり、Cuを固溶できる構造をしている。また、マグネタイト層の上層部(ヘマタイト)は熱力学的にCuが酸化物として存在できる領域であることから、マグネタイト上層部にCuが固溶することを説明できる。
また、同じく図1に示すようにスケール/地鉄界面に濃化し析出した液相Cuがスケールの表層に近いマグネタイト層内までスケールの粒界を通って移動することも新に知見した。鉄の酸化物であるスケールと液相のCuは非常に濡れ性がよいことが知られている。さらにスケールの粒界、特に粒界の三重点には微細な隙間がある。このため、スケール/地鉄界面で生成した液相Cuは、毛細管現象により濡れ性のよいスケールの粒界を浸透してスケールの表層に近いマグネタイト層にまで達し、マグネタイト上部層に固溶するのである。このため、本発明では液相のCuが生成するCuの融点である1080℃以上であることが前提となる。すなわち、鋼材表面(少なくともスケール層)が1080℃以上であることが前提となる。
さらに、本発明者らはスケールの生成挙動を鋭意検討し、鋼の表面上に形成し得るスケールが、別の鋼の表面上に形成し得るスケールと接触していると、両者のスケールが一体化した組織となり、スケール中の各層の境界がまったくなくなることもわかった(図2)。
Cuを0.05質量%以上含有した鋼材とCuの含有量が0.05質量%未満の鋼材を離した状態で1080℃以上に加熱すると、前者の鋼材(図3(a))ではスケールの粒界およびマグネタイトにCuが分布するが、後者の鋼材(図3(a))ではスケールの粒界やマグネタイト層にはほとんどCuは分布しない。これら両鋼材を接触させて、酸化雰囲気中で1080℃以上に加熱した場合、図3(b)に示すように接触させた個所のスケールは一体化し、そのスケールの粒界が両鋼材でつながり、両鋼材間でのCuの移動経路ができることになる。この経路を通して高Cu濃度側の鋼材のスケール/地鉄界面に析出しているCuやスケールの粒界に存在するCuが、低Cu側鋼材のスケール内に移動する(図3(b))。Cuのスケールの粒界を通しての移動は極めて速く、1200℃の温度で両鋼材の接触部から1分間で1メートルの距離を移動することを確認している。低Cu側のスケールの粒界とマグネタイト層にCuが移動することができる。低Cu側鋼材に移動した分だけ、高Cu側鋼材の析出したCu量が低下することになり、高Cu側鋼材の赤熱脆性を抑制することが可能になる。
Cuの含有量が0.05質量%未満の鋼材の場合は、通常の加熱炉での加熱を行ってもCu起因の赤熱脆性は発生しない。また、Cu濃度が3質量%を超える場合、低Cu側鋼材のスケール内にCuを吸収しきれなくなり、高Cu側鋼材のスケール/地鉄界面のCu濃化量を十分に減少させることができず、圧延時に赤熱脆性による表面の割れが発生する。したがって、本発明を適用して効果のあるのは、Cu含有量が0.05質量%以上3質量%以下のCu含有鋼材である。
また液相のCuがスケールの粒界を移動する必要があり、銅の融点である1080℃以上で処理する際にCuを0.05質量%以上3質量%以下で含有する鋼材が、Cuの含有量が0.05質量%未満の鋼材と接触しなければならない。
なお、0.05質量%以上のCuを含有する鋼材は直接Cuの含有量が0.05質量%未満の鋼材と隣合って接触しなくとも、複数の鋼材をそれぞれ接触させた状態で1080℃以上の温度域にあれば他の0.05質量%以上のCuを含有する鋼材を1つ以上間に挟んで間接的にCuの含有量が0.05質量%未満の鋼材と接触すればよい。これは高温下で接触しているスケールは全て一体化しているため、1080℃以上の領域内の鋼材の全スケール内をCuが移動できるためである。
鋼材を加熱する炉としては、2以上の鋼材が接触した状態で1080℃以上の温度域で加熱処理することができる炉であれば特に制限されるものではないが、例えば、鋼材同士が確実に接触するので、プッシャー方式の加熱炉を用いることが好ましい。プッシャー方式では炉内に各鋼材が接触したままで並べられ加熱され、挿入側から一つの鋼材を押し入れることで中の鋼材を抽出側に押し、抽出側に一つの鋼材が抽出されて鋼材が加熱される。このようなプッシャー炉では鋼材同士が確実に接触し、上記メカニズム(図3(b))が実現する。なお、鋼材同士の接触は、接する面同士に対抗する面圧を必要とするものではなく、図2に示すスケールの一体化が生じるには鋼材表面同士が接してさえいればよい。
以上のような現象を発現させる鋼の成分はCで1%以下、Siで3.5%以下、Mnで5%以下、Pで0.1%以下、Sで0.1%以下、Niで3%以下、Crで10%以下といった場合である。その他Al、Ti、Nb、Sn、B等の元素が1%以下含有されていてもよい。この成分範囲では生成するスケールの組成やCuの移動挙動には影響しないためである。
次に、本発明の実施例について述べる。
[実施例1]
本発明の効果を実証する鋼材の加熱−圧延実験を行った。表1に示す化学成分を有する鋼材を用いた。A、B、Cの成分はCuが0.05%以上であるので単独で加熱すれば赤熱脆性による割れを起こしやすい成分であり、D、Eの成分はCuが0.05%未満なので赤熱脆性による割れを起こさない成分である。試験片鋼材は150mm×200mm×30mmのサイズとした。図4に示すようなLPGをバーナーとする炉にて鋼材を加熱した。なお、鋼材の加熱は、上記各鋼材のうち二つの鋼材を接触させた場合と、二つの鋼材を離した場合と、鋼材の置き方を変えて行った。加熱温度は1200℃とし、炉内の酸素濃度が2%となるように制御した。加熱した鋼材は2パスで15mm厚まで圧下した。圧延後の鋼材表面を目視にてさらに断面を光学顕微鏡にて観察し、赤熱脆性による割れの発生程度を観察した。◎:割れ発生なし、○:微細な割れ発生あるが、品質や外観上の問題なし、×:割れが発生、という指標とした。その結果を表2に示す。表2に示すように、Cuの含有量が0.05質量%を超える素材であっても、Cu含有量が0.05質量%未満の含有量である鋼材と接触させて加熱した場合には赤熱脆性による品質上問題となる割れは発生しないことが示された。
本発明の効果を実証する鋼材の加熱−圧延実験を行った。表1に示す化学成分を有する鋼材を用いた。A、B、Cの成分はCuが0.05%以上であるので単独で加熱すれば赤熱脆性による割れを起こしやすい成分であり、D、Eの成分はCuが0.05%未満なので赤熱脆性による割れを起こさない成分である。試験片鋼材は150mm×200mm×30mmのサイズとした。図4に示すようなLPGをバーナーとする炉にて鋼材を加熱した。なお、鋼材の加熱は、上記各鋼材のうち二つの鋼材を接触させた場合と、二つの鋼材を離した場合と、鋼材の置き方を変えて行った。加熱温度は1200℃とし、炉内の酸素濃度が2%となるように制御した。加熱した鋼材は2パスで15mm厚まで圧下した。圧延後の鋼材表面を目視にてさらに断面を光学顕微鏡にて観察し、赤熱脆性による割れの発生程度を観察した。◎:割れ発生なし、○:微細な割れ発生あるが、品質や外観上の問題なし、×:割れが発生、という指標とした。その結果を表2に示す。表2に示すように、Cuの含有量が0.05質量%を超える素材であっても、Cu含有量が0.05質量%未満の含有量である鋼材と接触させて加熱した場合には赤熱脆性による品質上問題となる割れは発生しないことが示された。
[実施例2]
本発明の効果を実証する鋼材の加熱−圧延実験を行った。表1に示す化学成分を有する鋼材を用いた。試験片鋼材は1000mm×2000mm×250mmのサイズとした。図5に示すような燃焼ガスで加熱できるプッシャー炉にて鋼材を加熱した。加熱炉内の燃焼は2%の酸素と12%の水蒸気と10%の二酸化炭素と残部が窒素からなる酸化雰囲気下とした。図5に示す加熱炉の左側(鋼材挿入口)から鋼材を挿入し炉内の鋼材を右側(鋼材抽出口)に押し出す。炉内は3ゾーンに分かれており、鋼材挿入口側から1ゾーン、2ゾーン、3ゾーンと呼ぶことにする。各ゾーンには3枚の鋼材が入ることができる。全ゾーンの温度を1200℃とし、5分毎に鋼材を挿入した。挿入された鋼材は2ゾーンまでに1070℃まで加熱され、3ゾーンに移動後約2分で1080℃を超え、抽出時には1200℃まで達する。すなわち3ゾーン内では3枚の鋼材は1080℃以上の温度域で接触して存在することになる。挿入と同時に反対側から抽出される鋼材は3パスで100mm厚まで圧下した。
本発明の効果を実証する鋼材の加熱−圧延実験を行った。表1に示す化学成分を有する鋼材を用いた。試験片鋼材は1000mm×2000mm×250mmのサイズとした。図5に示すような燃焼ガスで加熱できるプッシャー炉にて鋼材を加熱した。加熱炉内の燃焼は2%の酸素と12%の水蒸気と10%の二酸化炭素と残部が窒素からなる酸化雰囲気下とした。図5に示す加熱炉の左側(鋼材挿入口)から鋼材を挿入し炉内の鋼材を右側(鋼材抽出口)に押し出す。炉内は3ゾーンに分かれており、鋼材挿入口側から1ゾーン、2ゾーン、3ゾーンと呼ぶことにする。各ゾーンには3枚の鋼材が入ることができる。全ゾーンの温度を1200℃とし、5分毎に鋼材を挿入した。挿入された鋼材は2ゾーンまでに1070℃まで加熱され、3ゾーンに移動後約2分で1080℃を超え、抽出時には1200℃まで達する。すなわち3ゾーン内では3枚の鋼材は1080℃以上の温度域で接触して存在することになる。挿入と同時に反対側から抽出される鋼材は3パスで100mm厚まで圧下した。
表3に示すパターンで表1に示す種類の鋼材を順に炉内に挿入して加熱し圧延を行っていった。なお、表3の挿入順1に示す鋼材Aを炉内に挿入する前や、挿入順20に示す鋼材Dを炉内に挿入した後に、低Cu濃度材のE材を続けて炉内に挿入し加熱した。圧延後の鋼材表面を目視にてさらに断面を光学顕微鏡にて観察し、赤熱脆性による割れの発生程度を観察した。◎:割れ発生なし、○:微細な割れ発生あるが、品質や外観上の問題なし、×:割れが発生、という指標とした。その結果を表3に合わせて示す。Cuを0.05質量%以上含有する鋼材であっても、その前後にCu含有量が0.05質量%未満の鋼材が存在し接触している場合、品質上問題となる赤熱脆性による割れの発生を回避することができている。また、前後にCu含有量が0.05質量%未満の鋼材がなくとも、2枚先あるいは2枚後にCu含有量が0.05質量%未満の鋼材がある場合(挿入順で6,10,16,18番)でも問題となる赤熱脆性の発生を回避できている。
Claims (2)
- Cuを0.05質量%以上3質量%以下で含有する鋼材を熱間圧延に先立ち加熱する方法において、当該鋼材を鋼材表面の最低温度が1080℃以上の状態でCuの含有量が0.05質量%未満である鋼材に接触させた状態の酸化雰囲気中で加熱することを特徴とする熱間圧延時のCu含有鋼材の加熱方法。
- Cuを0.05質量%以上3質量%以下で含有する複数の鋼材をプッシャー式の加熱炉を用いて熱間圧延に先立ち加熱する方法において、当該鋼材とCuの含有量が0.05質量%未満である鋼材が加熱炉内の1080℃以上の領域に同時に存在するように、酸化雰囲気中で加熱することを特徴とする熱間圧延時のCu含有鋼材の加熱方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005081800A JP2006265584A (ja) | 2005-03-22 | 2005-03-22 | 熱間圧延時のCu含有鋼材の加熱方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005081800A JP2006265584A (ja) | 2005-03-22 | 2005-03-22 | 熱間圧延時のCu含有鋼材の加熱方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006265584A true JP2006265584A (ja) | 2006-10-05 |
Family
ID=37201856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005081800A Withdrawn JP2006265584A (ja) | 2005-03-22 | 2005-03-22 | 熱間圧延時のCu含有鋼材の加熱方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006265584A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101956138A (zh) * | 2010-07-22 | 2011-01-26 | 首钢总公司 | 一种含Cu低合金钢生产方法 |
KR101281412B1 (ko) | 2010-12-28 | 2013-07-02 | 주식회사 포스코 | 표면 품질이 개선되는 선재의 가열방법 |
CN103952658A (zh) * | 2014-04-28 | 2014-07-30 | 辽宁科技大学 | 一种钢表面自生富铜层的铜钢复合材料制备方法 |
-
2005
- 2005-03-22 JP JP2005081800A patent/JP2006265584A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101956138A (zh) * | 2010-07-22 | 2011-01-26 | 首钢总公司 | 一种含Cu低合金钢生产方法 |
KR101281412B1 (ko) | 2010-12-28 | 2013-07-02 | 주식회사 포스코 | 표면 품질이 개선되는 선재의 가열방법 |
CN103952658A (zh) * | 2014-04-28 | 2014-07-30 | 辽宁科技大学 | 一种钢表面自生富铜层的铜钢复合材料制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN112119174B (zh) | 钢板以及搪瓷制品 | |
WO2006109727A1 (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼 | |
EP3561124A1 (en) | Steel material for pressure vessels which has excellent resistance to hydrogen induced cracking and manufacturing method thereof | |
JP6376218B2 (ja) | 拡散接合し難いオーステナイト系ステンレス鋼板 | |
JP2014218707A (ja) | 耐水素誘起割れ性に優れた調質鋼板及びその製造方法 | |
CN113939607B (zh) | 马氏体系不锈钢钢管和马氏体系不锈钢钢管的制造方法 | |
JP2015224376A (ja) | 低yrクラッド鋼板及びその製造方法 | |
CN103882315A (zh) | 耐硫酸露点腐蚀热连轧钢的制造方法 | |
CN109825675B (zh) | 用于快堆蒸汽发生器的换热管及其制备方法 | |
JP4264755B2 (ja) | 熱間加工用工具鋼、熱間加工用工具および継目無管製造用プラグ | |
JP5457852B2 (ja) | Si含有鋼板の製造方法 | |
JP2016053213A (ja) | 二相ステンレス鋼板とその製造方法 | |
JP2006265584A (ja) | 熱間圧延時のCu含有鋼材の加熱方法 | |
JP2007237194A (ja) | Cu含有鋼材の熱間圧延方法 | |
JP4171379B2 (ja) | 表面性状に優れたCu含有鋼材およびその製造方法 | |
CN108103359A (zh) | 一种宽度≥1000mm的高钼镍基合金薄板、制造方法及应用 | |
KR101246335B1 (ko) | 선철의 고체 탈탄을 이용하여 제조한 강판 및 그 제조 방법 | |
CN114959444A (zh) | 耐低温酸露点钢材及其制备方法 | |
JP2022186396A (ja) | クラッド鋼板およびその製造方法ならびに溶接構造物 | |
JP6919493B2 (ja) | 継目無鋼管の製造方法 | |
JP3837115B2 (ja) | 熱間圧延時のCu含有鋼材の加熱方法 | |
JP3416858B2 (ja) | ステンレス鋼の製造方法 | |
JP5009520B2 (ja) | Fe−Cr系マルテンサイトステンレス棒鋼の製造方法 | |
JP4759818B2 (ja) | 熱間圧延鋼材の製造方法 | |
JP6341053B2 (ja) | 複合非金属介在物を含有する高Siオーステナイト系ステンレス鋼 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080603 |