JP2006265575A - 深底蒸着ボート - Google Patents

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Abstract

【課題】
昇華性材料、有機材料向けの抵抗加熱式金属性昇華性材料用蒸着ボートにおいて、蒸着材料の注ぎ足しや蒸着ボートの交換頻度を減らし多層成膜における連続蒸着作業の効率を上げるために、容器部の容量を増やした深底容器部を含む底板を溶接法を使わずプレス成型加工法により低コストで製造し、提供することを目的としたものである。
【解決手段】
容器部の深さが容器部の幅の1倍から4倍である深底容器とした本発明の大容量の蒸着ボートを使用することにより、蒸着材料を従来の蒸着ボートより多量に仕込むことができ、蒸着材料の注ぎ足しや蒸着ボートの交換頻度を減らし多層成膜における連続蒸着作業の効率を上げることができた。また、深底容器部は超塑性金属やランクフォード値の大きい材料を用いることにより溶接法を使わずプレス成型法で製造でき、低コストで手に入れることができた。
【選択図】図1

Description

本発明は昇華性材料または有機材料等を抵抗加熱式蒸着ボートで蒸着する際に昇華や突沸による大きな粒子の飛散を防ぐためのカバーが付いた抵抗加熱式金属製蒸着ボートに関する。
近年、有機デバイスの研究開発が盛んになり、機能性の有機薄膜が用いられている。蒸着に用いる有機材料は昇華性または溶融蒸発性の材料がある。実験室レベルでの簡易的な小型蒸着装置では多くの場合、通常200から600℃で蒸着可能な有機材料や、GeO、SiO、フッ化Li等の1000℃以下で蒸着可能な昇華性材料を蒸着する場合は、2つ以上穴の開いた中板と1つ穴を開けたカバーが付いた図2の模式図に示すような昇華性材料向けの金属製抵抗加熱式の蒸着ボートが良く用いられてきた。
図2において蒸着ボートは蒸着材料を入れる容器部(1)を有する底板(2)、2つの穴の開いた中板(3)、直径1mm程度の穴の開いたカバー(4)を順に重ね合わせた構造になっている。中板と、カバーの役割は蒸着材料がこぼれ難くすることと、蒸着物自体の粉末や溶融物および蒸着物の酸化皮膜や分解物等のふわふわとした綿状の不純物が蒸着膜中に入り込むことによる膜質の劣化や、ピンホールの発生を防ぐことである。
そして、蒸着材料(5)を入れる長さ3cm〜4cm、幅9mm〜16mm、深さ3mm〜5mmの容器部(1)の両側に、平板上の長さ3cm程度の電極板部(6)が有り、その部分が図3で示されるように真空蒸着装置中で電極ジグ(7)に挟みこまれ通電され加熱され使用される。底板には、図2に示すように容器部の長さと同じか数mm程度長く、また、中板とカバーを差し込むためのガイド部(8)が両脇に作られている。底板の上に中板とカバーを図4の蒸着ボートの中心部断面模式図のようにガイド部に差し込み、さらにガイド部(8)を折り込むことにより底板に中板とカバーを挟み込み密着させることができるようになっている。
蒸着ボートに用いられる金属板には、蒸着時に板間の融着も起こさず、ガス放出がなく、変形しないといったことが必要であり、タンタル、タングステン、モリブデン、ニッケルといった蒸気圧の低い高融点金属からできている。
図1に蒸着ボートに寸法記号を入れた模式図を示した。従来の蒸着ボートでは蒸着ボートの幅D1が16mm〜18mmの大きさのボートであっても容器部の深さH2は3mm〜5mmであった。その理由は、高融点金属の引っ張り試験における伸びは高々5%〜40%程度であり、また純度が99%のニッケルにおいても伸びは高々35%程度であり、0.05mm〜0.2mm厚の薄板のプレス加工で容器部の深さH2を容器部の幅D2以上に深絞りプレス加工しようとすると亀裂が生じる場合があったためである。
しかし、蒸着材料を入れる容器部の深さが十分でないと1回に導入できる蒸着材料の量が制限され、小まめに蒸着装置の真空を破り材料を足す必要が生じ、連続で蒸着ができない問題があった。また、蒸着ボートに用いられるこれらの高融点金属材料、およびニッケルはステンレス鋼に比べ高価であり、特に白金は貴金属でありさらに高価であるという問題もあった。
真空蒸着では違った種類の蒸着材料を蒸着し多層膜を形成するために蒸着ボートを4つ程度複数並べて連続して蒸着を行う場合が多い。直径30cm程度の真空チャンバーの小型蒸着装置で、基板と蒸着ボート間を30cm程度の距離を置き、10cm角程度の基板に蒸着膜を形成する場合は、材料の使用効率を高くし、基板上の膜厚分布を良くするために蒸着ボートをなるべく基板の直下に並べたい。そのため蒸着ボートの幅D1を2cm以下にし5mmから10mm程度の隙間を空けて接近して並べる必要があった。
蒸着ボートの容器部の幅D2を大きくすれば深さH2が浅くても入れられる蒸着材料の量を増やせるが、幅広のボートを用いることはスペース的に困難であり、したがって、できるだけH2/D1およびH2/D2の比を大きい蒸着ボートを用いて蒸着材料を多く入れたいという要求があった。
特許文献1は従来の昇華性材料用の蒸着ボートに網目付中板を取り付けた例について述べている。蒸着ボートの材質としてタンタル、モリブデン、タングステン、白金、ニッケル等を用いることができると記載がある。また、網目の材料にはNiステンレスを用いても良い記載がある。しかし、容器部の深さに関する記載はなく、このような従来の蒸着ボートに入れられる蒸着材料の量が少ない問題、材質についての詳しい記述や作製法の記載は無かった。
特許文献2はクロムとニッケルを含むステンレス鋼を用いたリチウム蒸着用坩堝に関するものであり、プレス成形で作製できることが記載されている。しかし、これは坩堝であり蒸着ボートと形状、使用方法が異なる。坩堝は間接加熱であり、直接電気を流し抵抗加熱式で加熱するものではないので電気抵抗値の問題は無い。そのため厚さの記述も無いが0.5mm以下の薄板をプレス加工したものではないと考えられる。また、図1の模式図に示す蒸着ボート形状に関する記載は無かった。ステンレスの組成はクロムの含有量は11%以上が好ましいという記載はあったが、超塑性材料に関する記述は無かった。また、ランクフォード値や炭素成分に関する記述も無かった。
超塑性を示すステンレスに関して特許文献3および特許文献4に記載されているが、蒸着ボートに適用した例は無かった。特許文献5では量産型の大口径基板用真空蒸着装置向けに、カーボングラファイト製等の坩堝型の蒸発源を用いることが記載されている。しかし、大きさ等の記述は無く、このような大型蒸着装置向けの坩堝型の蒸発源は一般的に非常に高価である。またその熱容量が大きいことと、間接加熱で応答性が悪いため設定温度以上に加熱されてしまうオーバーシュートが生じ易く、温度の急速な昇温は困難であった。そのため蒸着温度に達するまでに1時間以上かかる問題があり、実験室レベルでの簡易的な小型装置には向かない。直接抵抗加熱する蒸着ボートは安価で、一般的に熱容量も小さく設定温度までの分単位の急速な昇温が可能で簡便であるため、より多くの材料を仕込める蒸着ボートが望まれていた。
特開平7−126838号公報 特開平10−88322号公報 特開平6−336636号公報 特開平11−199925号公報 特開平11−50233号公報
本発明は、昇華性材料、有機材料向けの抵抗加熱式金属性昇華性材料用蒸着ボートにおいて、蒸着材料の注ぎ足しや蒸着ボートの交換頻度を減らし多層成膜における連続蒸着作業の効率を上げるために、容器部の容量を増やした深底容器部を含む底板を溶接法を使わずプレス成型加工法により低コストで製造し、提供することを課題としたものである。
本発明者は研究を重ねた結果、蒸着時に使用する温度範囲において使用可能な強度を持ち、板間の融着も起こさず、ガス放出がなく、且つ、プレス加工性のよい底板材料を使用することにより、プレス成型加工によって深底蒸着ボートを得ることができた。
そこで、上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、蒸着材料を入れる容器部を有する底板と、穴の開いた中板及び穴の開いたカバーの少なくとも一方からなる抵抗加熱式昇華性材料用金属製蒸着ボートにおいて、容器部の深さをH2、容器部幅をD2としたときにH2/D2が1以上4以下であることを特徴とする低温加熱用蒸着ボートとした。
また、請求項2に係る発明は、前記容器部を有する底板が、超塑性特性をもつ2相ステンレス板またはNi合金板を加熱プレス成型加工することにより一体製造されたことを特徴とする請求項1記載の蒸着ボートとした。
また、請求項3に係る発明は、前記容器部を有する底板が、ランクフォード値2以上のステンレス板をプレス成型加工することにより一体製造されたことを特徴とする請求項1記載の蒸着ボートとした。
また、請求項4に係る発明は、前記容器部を有する底板が、ランクフォード値2.5以上かつ炭素濃度0.01質量%以下のCr系ステンレス板をプレス成型加工することにより一体製造されたことを特徴とする請求項1記載の蒸着ボートとした。
また、請求項5に係る発明は、前記容器部を有する底板が、純度99.9%以上のNi板をプレス成型加工することにより一体製造されたことを特徴とする請求項1記載の蒸着ボートとした。
また、請求項6に係る発明は、底板、中板、カバーのうち1枚以上の電極板部の幅の少なくとも一部を容器部幅D2よりも狭くしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の蒸着ボートとした。
容器部の深さが容器部の幅の1倍から4倍である深底容器とした本発明の大容量の蒸着ボートを使用することにより、蒸着材料を従来の蒸着ボートより多量に仕込むことができ、蒸着材料の注ぎ足しや蒸着ボートの交換頻度を減らし多層成膜における連続蒸着作業の効率を上げることができた。また、深底容器部は超塑性金属やランクフォード値の大きい材料を用いることにより溶接法を使わずプレス成型法で製造でき、低コストで手に入れることができた。
本発明の抵抗加熱式昇華性材料用蒸着ポートは、昇華性材料または溶融性材料のどちらの材料を蒸着する際にも用いられる蒸着ボートである。蒸着する材料としては真空中で600℃で気化するものが好ましく、銅フタロシアニン、アルミニウムオキシン錯体、テトラフェニルベンジジン誘導体、キナクリドン誘導体といった有機EL素子材料、GeO、LiFといったものが挙げられるが、この限りではない。
本発明において蒸着ボートの深さD2と幅H2の比H2/D2は1以上4以下とした。従来の高融点金属薄板をプレス成型して底板容器部の凹部を形成したボートはH2/D2が0.4以下であることから、従来の蒸着ボートと比べ3倍〜10倍程度蒸着材料を入れることができる。H2/D2を4より大きくした場合はプレス成型加工時に容器部にヒビや亀裂が入る場合があり、また、容器部の底付近を流れる電流が低下し容器部底の温度が上部より低くなり、容器部内で温度が不均一になってしまう。
本発明の蒸着ボートはプレス成型加工により、一体製造される。2つ以上の部品を溶接や折り曲げ加工等により組み合わせた場合、コストが増大する、容器の織り込んだ部分に蒸着材料が入り込み洗浄が困難になるといった問題が発生する。
本発明の蒸着ボートに用いる底板用材料としては、超塑性を有する2相ステンレス鋼の薄板、またはNi合金板、ランクフォード値(薄板の引っ張り試験より、板幅方向の対数歪み/板厚方向の対数歪みで表される、以下r値と略す)が2以上のステンレス板、または、r値2.5以上の低炭素フェライト系ステンレス板、99.9%以上の粉末冶金法で製造した超高純度のニッケル270板の薄板材料から選んで使うことができ、それらはヒビ割れの無い超深絞りプレス加工を可能とする。なお、プレス加工後、必要に応じて切断加工、曲げ加工、穴あけ加工等を行ない、本発明の底板を得ることができる。
H2/D2を1以上にプレス絞り成型するためには、300%程度の金属の伸びが欲しい。1μm以下の微細な結晶粒を有し、700〜1000℃の温度での引っ張り試験において伸びが200%以上である超塑性金属、例えばフェライト相中にオーステナイト相を分散させて作った2相ステンレス薄板やNi合金板を700〜1000℃程度の高温下において単段または多段でプレス絞り成型を行うことで本発明の蒸着ボートを得ることができる。なお、引っ張り試験での伸びが300%以上あればさらに好ましい。また、薄板材料の厚みは、好ましくは0.05mm〜0.4mm厚、さらに好ましくは0.1mm〜0.3mm厚である。
Fe65質量%、Cr25質量%、Ni7質量%、Mo3質量%からなる1μm以下のフェライト相とオーステナイト相が混合した0.3mm厚の2相ステンレス板は、1000℃に加熱し歪速度0.17/秒で引っ張ると1000%伸びることより本発明の蒸着ボートの底板材料として使用できる。
Ni38.3重量%、Fe26.2重量%、Cr34.9重量%、Ti0.58重量%からなるNi合金は795℃から855℃における引張り試験において1000%以上伸びることより本発明の蒸着ボートの底板材料として使用できる。
r値が2以上のステンレス板はプレス加工性が良く、引っ張り試験での伸びが50%未満の材料であっても、フッ素系等の潤滑油または潤滑樹脂等の潤滑剤を用いたプレス深絞り加工により蒸着ボートの深さと幅の比H2/D2を1以上とすることができる。
中でも、r値2.5以上且つ炭素濃度0.01質量%以下のCr系ステンレス板、例えば川崎製鉄製のクロム系(フェライト系)ステンレスRSX−1(クロム17.8質量%、Mo1.45質量%、Mn0.15質量%、Ni0.08質量%、炭素0.003質量%、Ti微量添加/r値2.6)といった熱間圧延により、鋳造組織に起因した同一方位の結晶組織を再結晶化組織で分断した薄板は好適である。なお、炭素濃度は少ない方がr値が大きくなる傾向があり、炭素濃度が0.01質量%以下、好ましくは0.003質量%以下が好ましい。
r値が2以上より好ましくはr値が2.5以上のステンレス板、r値2.5以上のCr系ステンレス板において、H2/D2が1〜2の場合は、プレス加工部の薄くなった部分の強度を保つため0.15〜0.3mm厚の薄板材料を用いることが好ましく、H2/D2が2〜4の場合は0.3〜0.5mm厚の薄板材料を用いることが好ましい。
上記のような方法で作製された底板(2)に、0.05mm〜0.2mm好ましくは0.05mm〜0.1mm厚程度の金属薄板に2つ以上の穴を開けた中板(3)、0.1mm〜0.3mm好ましくは0.1mm〜0.2mm厚程度の金属薄板をプレス加工し少なくとも1つ以上の穴またはスリットを開けたカバー(4)を重ねて本発明の蒸着ボートを作製することができる。中板及びカバーの穴はプレス時に同時に形成するか、後で所望の直径と数にパンチで抜き打ち加工するか、ドリルで穴加工を行っても良い。また、中板はメッシュ状であっても構わない。
カバー(4)、中板(3)の材質は底板(2)と同じであることが熱膨張による蒸着ボートの反りや変形が小さくなるため好ましい。ただし、カバー(4)と中板(3)は超深絞りが必要無いため、蒸着ボートの反りや変形が大きくならない程度で、底板(2)と同じ材料以外にステンレス316やインコネル等の高温で耐久性のあるステンレス鋼を使っても良い。また、従来のタンタル、モリブデン、タングステンからなるカバー、中板(3)と組み合わせて使用しても良い。ただし、厚さや電気抵抗率を考えて底板に流れる電流とバランスさせる必要がある。
カバー(4)、中板(3)、底板(2)を重ねた場合の電極板部(6)の総板厚が0.4mm以上の場合は、電極板部(6)を通して電極ジグ(7)へ逃げる伝熱量が大きくなり、。そのため容器部の中心より電極板部に近い部分で温度が低下する問題がある。図5の模式図のように電極板部(6)全体の幅を容器部の幅D2より狭くするか、または図6の模式図のように容器部に近い電極板部分に切れ込みを入れ電極版部の最小幅D3を少なくとも容器部の幅D2より狭くすることによって、容器部から電極ジグへ逃げる伝熱量を少なくすることができる。
狭くなった部分では電気抵抗増加により発熱量が増え蒸着ボートの容器部端の温度を上げることができ容器部をより均一な温度に加熱することが可能となる。切れ込みはカバー(4)、中板(3)、底板(2)のすべてを加工するか、少なくともどれかの電極板部の一部を狭く加工すればよい。
(蒸着ボート作製実施例1)
Fe65質量%、Cr25質量%、Ni7質量%、Mo3質量%からなる1μm以下のフェライト相とオーステナイト相が混合した0.5mm厚の2相ステンレス板を1000℃において金型を使って深絞りプレス成型加工を行なった。プレス加工後、切断、ガイド部曲げ加工、電解研磨を行ない、図5の模式図の底板(2)を作製した。次に、0.1mm厚のカバー(4)および0.05mm厚の中板(3)を同じ材質でプレス成型加工し、切断、穴あけ、電解研磨を行ない組み立て本発明の蒸着ボートを作製した。
蒸着ボートの寸法は、図5の模式図においてL1=100mm、L2=40mm、L3=30mm、L4=20mm、D1=12mm、D2=8mm、D3=6mm 、H1=3mm、H2=32mmである。また、カバーの中心の穴は1箇所で直径1.5mmであり、中板の穴は2箇所でともに直径1.5mmである。
蒸着ボートの底にシース熱電対を押し当て蒸着物を入れずにターボポンプ(排気速度300L/s)付蒸着装置(真空チャンバー直径30cm、高さ60cm)にセットし0.0004Pa下で通電し、室温から600℃まで通電加熱を行い、真空度を電離真空計でモニターした。蒸着ボートからの放出ガスによる急激な真空度の悪化は無く0.001Pa以下の圧力が維持された。
(化1)に示す有機蒸着材料の粉体を蒸着ボートに1.0g入れ250℃に通電加熱し10回蒸着を行っても蒸着ボートの熱による実用上の強度低下は無かった。従来のH2=3mmのMo製ボートでは図7に示す有機蒸着材料は0.1gしか入らず、本実施例では10倍量の材料を入れることができた。
Figure 2006265575
(蒸着ボート作製例2)
Ni38.3重量%、Fe26.2重量%、Cr34.9重量%、Ti0.58重量%からなる超塑性Ni合金の0.5mm厚の板を850℃において金型を使って深絞りプレス成型加工を行なった。プレス加工後、切断、ガイド部曲げ加工、電解研磨を行ない図5の模式図の底板(2)を作製した。次に、0.1mm厚のカバー(4)および0.05mm厚の中板(3)を同じ材質で室温プレス成型加工、切断、穴あけ、電解研磨を行ない組み立て本発明の蒸着ボートを作製した。
蒸着ボートの寸法は、図5の模式図においてL1=100mm、L2=40mm、L3=30mm、L4=20mm、D1=12mm、D2=8mm、D3=6mm 、H1=3mm、H2=32mmである。また、カバーの中心の穴は1箇所で直径1.5mmであり、中板の穴は2箇所でともに直径1.5mmである。
蒸着ボートの底にシース熱電対を押し当て蒸着物を入れずにターボポンプ(排気速度300L/s)付蒸着装置(真空チャンバー直径30cm、高さ60cm)にセットし0.0004Pa下で通電し、室温から600℃まで通電加熱を行い、真空度を電離真空計でモニターした。蒸着ボートからの放出ガスによる急激な真空度の悪化は無く0.001Pa以下の圧力が維持される。
(化1)に示す有機蒸着材料の粉体を蒸着ボートに1.0g入れ250℃に通電加熱し10回蒸着を行っても蒸着ボートの熱による実用上の強度低下は無かった。
(蒸着ボート作製例3)
蒸着ボート作製例1の2相ステンレス板に代えて川崎製鉄製のクロム系(フェライト系)ステンレスRSX−1を圧延したr値2.6を有する厚さ0.2mmのステンレス板を用いて深絞りプレス成型加工を行なった。プレス成型加工後、切断、ガイド部曲げ加工、電解研磨を行ない、図5の模式図の底板(2)を作製した。次に、0.1mm厚のカバー(4)および0.05mm厚の中板(3)を同じ材質でプレス成型加工し切断、穴あけ、電解研磨により後本発明の蒸着ボートを作製した。
蒸着ボートの寸法は、図1の模式図においてL1=100mm、L2=40mm、L3=30mm、L4=20mm、D1=12mm、D2=8mm、H1=3mm、H2=8mmである。また、カバーの中心の穴は1箇所で直径1.5mmであり、中板の穴は2箇所でともに直径1.5mmである。
蒸着ボートの底にシース熱電対を押し当て蒸着物を入れずにターボポンプ(排気速度300L/s)付蒸着装置(真空チャンバー直径30cm、高さ60cm)にセットし0.0004Pa下で通電室温から600℃まで通電加熱を行い、真空度を電離真空計でモニターした。蒸着ボートからの放出ガスによる急激な真空度の悪化は無く0.001Pa以下の圧力が維持される。
(化1)に示す有機蒸着材料の粉を蒸着ボートに0.5g入れ10回繰りし蒸着しても蒸着ボートの熱による実用上の強度低下は無かった。
(蒸着ボート作製例4)
蒸着ボート作製例1の2相ステンレス板に代えて、純度99.9%以上の粉末冶金法で製造した厚さ0.2mmの超高純度のニッケル270の薄板深絞りプレス成型加工を行なった。プレス成型加工後、切断、ガイド部曲げ加工、電解研磨を行ない、図1の模式図の底板(2)を作製した。0.1mm厚のカバー(4)および0.05mm厚の中板(3)を同じ材質でプレス成型加工し切断、ガイド部曲げ加工、穴あけ、電解研磨後本発明の蒸着ボートを作製した。
蒸着ボートの寸法は、図1の模式図においてL1=100mm、L2=40mm、L3=30mm、L4=20mm、D1=12mm、D2=8mm、H1=3mm、H2=8mmである。また、カバーの中心の穴は1箇所で直径1.5mmであり、中板の穴は2箇所でともに直径1.5mmである。
蒸着ボートの底にシース熱電対を押し当て蒸着物を入れずにターボポンプ(排気速度300L/s)付蒸着装置(真空チャンバー直径30cm、高さ60cm)にセットし0.0004Pa下で通電し、室温から600℃まで通電加熱を行い、真空度を電離真空計でモニターした。蒸着ボートからの放出ガスによる急激な真空度の悪化は無く0.001Pa以下の圧力が維持された。
図7に示す有機蒸着材料の粉を蒸着ボートに0.5g入れ10回繰り返し蒸着しても蒸着ボートの熱による実用上の強度低下は無かった。
本発明および従来の蒸着ボートの一例の上面、およびカバー、中板、底板の断面図に寸法記号を入れた模式図である。 本発明および従来の蒸着ボートの斜視図である。 本発明および従来の蒸着ボートを電極ジグに取り付けた場合の側面の模式図である。 本発明及び従来の蒸着ボートの断面の模式図である。 本発明の蒸着ボートの一例の上面、およびカバー、中板、底板の断面図に寸法記号を入れた模式図である。 本発明の蒸着ボートの一例の上面、およびカバー、中板、底板の断面図に寸法記号を入れた模式図である。
符号の説明
1・・・・容器部
2・・・・底板
3・・・・中板
4・・・・カバー
5・・・・蒸着材料
6・・・・電極板部
7・・・・電極ジグ
8・・・・ガイド部

Claims (6)

  1. 蒸着材料を入れる容器部を有する底板と、穴の開いた中板及び穴の開いたカバーの少なくとも一方からなる抵抗加熱式昇華性材料用金属製蒸着ボートにおいて、容器部の深さをH2、容器部幅をD2としたときにH2/D2が1以上4以下であることを特徴とする低温加熱用蒸着ボート。
  2. 前記容器部を有する底板が、超塑性特性をもつ2相ステンレス板またはNi合金板を加熱プレス成型加工することにより一体製造されたことを特徴とする請求項1記載の蒸着ボート。
  3. 前記容器部を有する底板が、ランクフォード値2以上のステンレス板をプレス成型加工することにより一体製造されたことを特徴とする請求項1記載の蒸着ボート。
  4. 前記容器部を有する底板が、ランクフォード値2.5以上かつ炭素濃度0.01質量%以下のCr系ステンレス板をプレス成型加工することにより一体製造されたことを特徴とする請求項1記載の蒸着ボート。
  5. 前記容器部を有する底板が、純度99.9%以上のNi板をプレス成型加工することにより一体製造されたことを特徴とする請求項1記載の蒸着ボート。
  6. 底板、中板、カバーのうち1枚以上の電極板部の幅の少なくとも一部を容器部幅D2よりも狭くしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の蒸着ボート。
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