JP2006265574A - 希土類焼結磁石の製造方法、磁場中成形装置、金型 - Google Patents

希土類焼結磁石の製造方法、磁場中成形装置、金型 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡素な構造で、磁場中成形工程における配向性を向上し、得られる焼結磁石の磁気特性を高めることのできる希土類焼結磁石の製造方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】 合金粉末Pを臼型11の上面11fまで充填した後、臼型キャビティC内の合金粉末Pに磁場を印加する段階では下パンチ12に対して臼型11を上方に移動させることで、合金粉末Pの上面レベルをヨーク18の上端部18fよりも下方となるようにし、この状態で、コイル15で磁場を印加する。これにより、臼型キャビティCの合金粉末Pに対して、平行度の高い磁力線を作用させ、配向性を高める。
【選択図】図5

Description

本発明は、希土類焼結磁石の製造方法に関し、特に磁場中成形による配向性の改善に関するものである。
Sm−Co系又はNd−Fe−B系等の異方性焼結磁石を製造する際には、成形を磁場中で行なう。異方性焼結磁石の残留磁束密度を向上させるためには、磁場中成形の際の配向性を向上させることが 重要である。配向性が高くなれば、高残留磁束密度が得られ、着磁率も改善される。
異方性焼結磁石を、磁場中成形時の加圧方向に対し、印加する磁場の方向が直交している、いわゆる直交磁界成形で行う場合、配向性の向上を阻害する要因の一つとして、以下に示すようなものがある。
図8(a)に示すように、直交磁界成形を行う場合、臼型1の臼型キャビティ4に磁性粉末を充填し、その外周部に設けたコイル2で発生した磁場を臼型1中の磁性粉末に印加しながら、磁場に直交する方向に加圧する。このとき、臼型1中の磁性粉末に印加するために磁場中成形装置側で発生する最大磁場強度は、コイル2(ヨーク3が設けられている場合にはコイル2およびヨーク3)が発生する磁場によって一義的に決まる。そして、臼型1中の磁性粉末に印加される磁場の強度は、コイル2(およびヨーク3)と、臼型1中の磁性粉末とのギャップによって左右され、このギャップが小さいほど、磁性粉末に印加する磁場の強度を高めることができる。
一般に、コイル2間の距離は、その磁場中成形装置で製造する製品(異方性焼結磁石)のうち、最大のサイズのものに合わせて設定される。最大サイズ以下の製品を製造する場合、コイル2と臼型1の磁性粉末とのギャップが大きくなって印加される磁場の強度が低下してしまう。このため、コイル2の内側に配置するヨーク3を大きくすれば、ギャップを縮めて、印加される磁場の強度を高めることができる。しかし、製品のサイズに応じ、ヨーク3の寸法を変更して、ギャップを小さく保とうとすると、機構的にも複雑になり、ヨーク3の寸法変更にも時間がかかってしまう。
また、図8(b)に示すように、コイル2で発生する磁場は、磁場の中心付近では磁力線がほぼ平行になっているものの、磁場の中心から磁場の方向に直交する方向(すなわち加圧方向)に沿って離れると、磁力線が湾曲する。磁場中成形を行う際には、臼型1に磁性粉末Pを充填した後、臼型1上面に沿って磁性粉末Pをすり切ることでその充填量を一定にする、いわゆるすり切り充填を行っているが、コイル2で発生する磁場の中心から磁場方向に直交した方向に離れた臼型1の上面1f近傍においては、磁力線が湾曲しており、配向性が低下する要因となっている。
この問題は、図9に示すように、臼型1に、磁場方向に沿って複数の臼型キャビティ4を並べ、製品を多数個取りする場合に顕著になる。臼型1の中央に臼型キャビティ4を形成した場合には、臼型キャビティ4中の磁性粉末Pに対し、磁力線は湾曲しているとは言え、対称に作用しているのに対し、図9(b)に示すように、複数の臼型キャビティ4を並べて形成した場合、個々の臼型キャビティ4は磁場中心から磁場方向に沿って離れるため、湾曲した磁力線がそのまま作用するからである。
このような問題に対し、臼型に磁性粉末を充填した後、磁性粉末に磁場を印加する段階で、臼型の外周部にてコイルとの間に設けられたヨークの上面に補正ヨークを当接させ、磁場方向に直交する方向のヨークの実質的な長さ(ヨークの長さ+補正ヨークの長さ)を延長することで、臼型キャビティ中の磁性粉末を磁場の中心寄りに位置させ、臼型上面付近における磁力線の湾曲を緩和しようという提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−28314号公報
しかしながら、特許文献1でなされた提案のように、ヨーク上面に補正ヨークを当接させる構成とするには、補正ヨークおよび補正ヨークを駆動するための機構等が必要であるため、磁場中成形装置の構成が複雑になるという問題がある。この問題は、製品のサイズに応じて、ヨークの寸法を変更し、臼型中の磁性粉末とのギャップを縮めようとすると、一層顕著なものとなってしまう。また、ヨークおよび補正ヨークが当接する構成であると、供粉箱によって磁性粉末をキャビティに供給する際に、磁性粉末がヨークや補正ヨークに吸着するおそれがある。そして、吸着した磁性粉末が成形体に付着し、焼結処理後のバリの要因となる不具合も発生する。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、より簡素な構造で、磁場中成形工程における配向性を向上し、品質低下を招くことなく、得られる焼結磁石の磁気特性を高めることができる希土類焼結磁石の製造方法等を提供することを目的とする。
かかる目的のもとになされた本発明の希土類焼結磁石の製造方法は、外側部に強磁性体からなるヨークが設けられ、ヨークの上方を含み、その上部全体が非磁性体または弱磁性体で形成された臼型の臼型キャビティに磁性粉末を充填する工程と、臼型キャビティに充填された磁性粉末の上面レベルがヨーク上面よりも下方に位置する状態で、臼型キャビティ内の磁性粉末を、加圧方向に直交する方向の磁場を印加しつつ加圧することで成形体を形成する工程と、を備えることを特徴とする。このように、磁場中成形を行う時点で、臼型キャビティに充填された磁性粉末の上面レベルをヨーク上面よりも下方に位置させることで、磁性粉末が存在する領域における磁力線の平行度を高めることができる。
臼型キャビティに充填された磁性粉末の上面レベルをヨーク上面よりも下方に位置させるには、例えば、臼型キャビティの上面から所定寸法下方のレベル(ヨーク上面より下方となるレベル)まで磁性粉末を充填するようにしても良いが、その充填量の管理を行うには、磁性粉末を十分に臼型キャビティに充填した後、それを臼型の上面に沿ってすり切る、いわゆるすり切り充填を行うのが好ましい。
このとき、臼型を、ヨークの上方を含み、その上部全体が非磁性体または弱磁性体で形成されるようにすることで、臼型キャビティに磁場を用いて磁性粉末を吸引して充填する場合や成形後にヨークに磁力が残っている場合においても、臼型の表面に磁性粉末が吸着されるのを抑制できる。
すり切り充填後、成形体を形成する工程では、臼型キャビティに充填された磁性粉末の上面レベルがヨーク上面よりも下方に位置する状態とする。これには、ヨークが外側部に設けられた臼型と臼型キャビティ底面を形成する下パンチとを加圧方向に沿って相対移動させる。このときには、臼型および/または下パンチを移動させることで、臼型と下パンチを相対移動させる。その移動方向は、臼型キャビティに充填された磁性粉末が、ヨークを通る磁場の中心に近づく方向である。
特に臼型を移動させる構成においては、ヨークは、臼型の外側部に設けられているため、臼型を下パンチに対して上昇させると、臼型とともにヨークが移動し、これによって臼型キャビティに充填された磁性粉末の上面レベルがヨーク上面よりも下方に位置する状態となる。すなわち、臼型を移動させるための駆動機構のみを備えればよく、簡素な構成で上記構成を実現できる。下パンチを移動させる機構とすると、成形時の大きな圧力を発生させるためのエアーシリンダ等の機構が上下パンチのそれぞれにおいて必要となり、磁場中成形装置の大型化を招く。また、成形時の加圧後に成形体を取り出す際に、上下パンチの駆動を一致させる精度を要求される。したがって、臼型を移動させる構成とするのが好ましい。
なお、成形体を形成する工程では、臼型キャビティに充填された磁性粉末の上面レベルが、ヨーク上面よりも5mm以上、下方に位置する状態とするのが好ましい。磁性粉末の上面レベルをヨーク上面から下方にオフセットさせる寸法の上限は、まず、当然のことながら、臼型キャビティに充填された磁性粉末の下面レベルが、ヨーク下面よりも下方とならないように設定される。また、磁性粉末の上面レベルをヨーク上面から下方にオフセットさせる寸法を大きくしていくと、磁性粉末の上面レベルに対応した領域における磁力線の平行度が飽和し(ほぼ完全に平行状態となる)、配向性の向上も飽和状態となる。したがって、磁性粉末の上面レベルは、ヨーク上面よりも5〜30mm下方に位置する状態とするのが好ましく、さらに好ましい範囲は10〜20mmである。
上記のような希土類焼結磁石の製造方法を実現するには、以下のような磁場中成形装置を用いることができる。
すなわち、成形すべき成形体の形状に応じた孔を有し、孔の上端まで磁性粉末が充填される臼型と、臼型の孔内に位置した下パンチと、臼型の孔に上側から挿入され、孔内で下パンチと対向するよう昇降可能に設けられた上パンチと、臼型の孔内に充填される磁性粉末に磁場を印加するコイルと、コイルと臼型の間に位置し、臼型の外側部に、その上端部が臼型の上面より所定寸法下方に位置するよう設けられたヨークと、ヨークおよび/または下パンチを上下方向に相対移動させ、孔内に充填された磁性粉末の上面レベルをヨークの上端よりも下方に位置させる駆動機構と、を備えることを特徴とする磁場中成形装置である。
このとき、ヨークは臼型と一体に設けるのが好ましい。これにより、臼型を上下方向に相対移動させればヨークも一体に移動するため、複雑な機構を追加する必要がない。また、ヨークを臼型と一体に備えれば、複数種類のサイズの成形体を形成するに際して複数種準備する臼型において、成形体のサイズに応じたヨークを設けることができ、臼型キャビティに十分な強度の磁場を印加できる。また、臼型の交換時には、当然のことながら臼型とヨークを同時に交換できる。さらに、それぞれの臼型の外側部に設けられるヨークの外形寸法を統一すれば、臼型を交換しても、コイルとのギャップを一定に維持することができる。これにより、磁場中成形に際し、サイズに関わらず、常に高い強度の磁場を印加できる。
また、ヨークを、臼型の外側部に、その上端部が臼型の上面より所定寸法下方に位置するよう設けられることで、臼型を、ヨークの上方を含み、その上部全体が非磁性体または弱磁性体で形成された構成とすることができる。これにより、臼型キャビティに磁場を用いて磁性粉末を吸引して充填する場合においても、臼型の表面に磁性粉末が吸着されるのを抑制できる。
また、このような構成は、臼型に孔が複数形成され、成形体を多数個取りする場合にも有効であり、特に、複数の孔がコイルで印加する磁場方向に沿って、間隔を隔てて形成された場合に有効である。
また、本発明は、希土類焼結磁石を製造するに際し、焼結に先立ち磁性粉末を磁場中成形するときに用いる金型とすることもできる。この金型は、所定形状の孔を有し、非磁性体または弱磁性体で形成された臼型と、強磁性体からなり、上端部が臼型の上面より所定寸法下方に位置するよう、臼型の外側部に一体に設けられたヨークと、臼型の孔内に位置する下パンチと、臼型の孔に上側から挿入され、孔内で下パンチと対向するよう配置される上パンチと、を備え、臼型と下パンチが、孔の連続する方向に沿って相対移動可能とされていることを特徴とする。このような金型は、上記したような磁場中成形装置に用いることができるものであり、臼型を下パンチに対して相対移動させれば、臼型キャビティに充填される磁性粉末の上面レベルを変化させることができる。このとき、臼型とともにヨークも一体に移動する。
また、臼型に孔が複数形成された構成とすることもできる。その場合、複数の孔の中間部に中間ヨークを設けるのが好ましい。これにより、配向の対称性をさらに改善できる。
本発明によれば、臼型キャビティに充填された磁性粉末の上面レベルをヨーク上面よりも下方に位置させた状態で、臼型キャビティ内の磁性粉末を磁場中成形するようにしたので、配向性を向上し、得られる焼結磁石の磁気特性を高めることが可能となる。また、臼型の上部全体を非磁性体または弱磁性体で形成することで、臼型キャビティに磁場を用いて磁性粉末を吸引して充填する場合や成形後にヨークに磁力が残っている場合においても、臼型の表面に磁性粉末が吸着されるのを抑制でき、バリ等の発生による品質低下を招くのを防止できる。また、ヨークを移動させることで磁性粉末の上面レベルをヨーク上面よりも下方に位置させる場合、臼型とヨークを一体に設けることによって、ヨークのみを移動させるための機構は不要となり、臼型とともにヨークを移動させる簡素な構成で上記効果を得ることができる。
以下、実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本発明は、R−T−B系焼結磁石に適用するのが好ましい。
このR−T−B系焼結磁石は、Rを25〜35wt%含有する。
ここで、RはYを含む概念を有しており、La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Yb,Lu及びYから選択される1種又は2種以上の元素である。Rの量が25wt%未満であると、R−T−B系焼結磁石の主相となるR214B結晶粒の生成が十分ではない。このため、軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、Rの量が35wt%を超えると主相を構成するR214B結晶粒の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。またRの量が35wt%を超えるとRが酸素と反応し、含有する酸素量が増え、これに伴い保磁力発生に有効なR−リッチ相が減少し、保磁力の低下を招く。したがって、Rの量は25〜35wt%とする。望ましいRの量は28〜33wt%、さらに望ましいRの量は29〜32wt%である。
Ndは資源的に豊富で比較的安価であることから、Rとしての主成分をNdとすることが好ましい。またDyの含有は異方性磁界を増加させるため、保磁力を向上させる上で有効である。
また、本実施の形態において、R−T−B系焼結磁石は、ホウ素(B)を0.5〜4.5wt%含有する。Bが0.5wt%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。但し、Bが4.5wt%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、上限を4.5wt%とする。望ましいBの量は0.5〜1.5wt%、さらに望ましいBの量は0.8〜1.2wt%である。
本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、他の元素の含有を許容する。例えば、Al、Cu、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。一方で、酸素、窒素、炭素等の不純物元素を極力低減することが望ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を7000ppm以下、さらには5000ppm以下とすることが望ましい。酸素量が多いと非磁性成分である希土類酸化物相が増大して、磁気特性を低下させるからである。
本実施の形態において、R−T−B系焼結磁石は、Coを5wt%以下(0を含まず)、望ましくは0.1〜3.0wt%、さらに望ましくは0.3〜1.0wt%含有することができる。CoはFeと同様の相を形成するが、キュリー温度の向上、粒界相の耐食性向上に効果がある。
このようなR−T−B系焼結磁石は、以下のような工程を経ることで製造される。
以下、各工程の内容を説明する。なお、以下では希土類焼結磁石としてR−T−B系焼結磁石を例にして説明するが、本発明はこれ以外のSmCo系の希土類焼結磁石に適用できることは言うまでもない。希土類焼結磁石は、原料合金作製、粉砕(粗粉砕+微粉砕)、磁場中成形、焼結、熱処理(時効)の工程を順次経ることで製造される。以下、各工程について説明する。
<原料合金作製>
原料合金を、真空又は不活性ガス、好ましくはAr雰囲気中において、例えばストリップキャスティングにより作製する。原料金属としては、希土類金属あるいは希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。(得られた原料合金は、凝固偏析がある場合は必要に応じて溶体化処理を行なう。その条件は真空又はAr雰囲気下、700〜1500℃の領域で1時間以上保持すれば良い。)もちろん、他の手法により、原料合金を作製しても良い。
<粉砕>
粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程とがある。まず、原料合金を、粒径数百μm程度になるまで粗粉砕する。粗粉砕は、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中にて行なうことが望ましい。粗粉砕に先立って、原料合金に水素を吸蔵させた後に放出させることにより粉砕を行なうことが効果的である。この水素粉砕を粗粉砕と位置付けて、機械的な粗粉砕を省略することもできる。
粗粉砕後、微粉砕に移る。微粉砕には主にジェットミルが用いられる。粗粉砕では、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末が、平均粒径1〜10μm、望ましくは3〜7μmまで粉砕される。
微粉砕に先立って、潤滑剤を添加することができる。この潤滑剤は、微粉砕時の粉砕効率の向上、次工程である磁場中成形の際の配向度向上を目的として添加される。
潤滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸の金属塩を用いることができる。例えば、例えばステアリン酸系やオレイン酸系であるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等を微粉砕時に添加することができる。また、潤滑剤は、0.01〜0.5wt%程度添加する。潤滑剤を添加する場合、微粉砕前の粗紛末に潤滑剤を添加混合しても良く、微粉砕後あるいはその両方で潤滑剤を添加混合しても良い。潤滑剤の添加量を多くすると成形体の強度が低下するため、添加量は0.01〜0.2wt%がより好ましい。潤滑剤の添加量を減少させると金型にかじり等の不具合が発生し易くなるため、該潤滑剤と同様な潤滑剤を金型に塗布することが好ましい。
<磁場中成形>
磁場中成形工程では、粉砕工程で得られた合金粉末を臼型キャビティに入れ、所定方向の磁場を印加して合金粉末の磁場配向を行いつつ、所定の圧力を加えることで、所定形状の成形体を得る。
ここで、本磁場中成形工程にて、最終的に合金粉末を配向させる方向は、成形時の加圧方向に対し直交する方向とする。
合金粉末に対して加える成形圧力は0.3〜3ton/cm2(30〜300MPa)の範囲とすればよい。成形圧力が低いほど配向性は良好となるが、成形圧力が低すぎると成形後に得られる成形体の強度が不足してハンドリングに問題が生じるので、また、成形圧力が高いと金型にかじりが発生し成形体に欠陥を発生させるため、この点を考慮して上記範囲から成形圧力を選択する。磁場中成形で得られる成形体の最終的な相対密度は、通常、50〜60%である。
<焼結>
磁場中成形後、その成形体を真空又は不活性ガス雰囲気(通常は、真空)中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、平均粒径と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、1000〜1200℃で1〜10時間程度である。
<時効熱処理>
焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことができる。この工程は、保磁力を制御する重要な工程であり、500〜900℃で0.5〜30時間程度処理することが好ましい。時効処理を2段に分けて行なう場合には、800℃近傍、600℃近傍での所定時間の保持が有効である。800℃近傍での熱処理を焼結後に行なうと、保磁力が増大するため、混合法においては特に有効である。また、600℃近傍の熱処理で保磁力が大きく増加するため、時効処理を1段で行なう場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
<保護膜形成>
焼結体を得た後に、保護膜を形成することができる。保護膜の形成は、保護膜の種類に応じて公知の手法に従って行なえばよい。例えば、電気メッキ、無電解めっき、樹脂コーティング、IVD(アルミイオン真空蒸着処理)などの処理が挙げられる。
さて、上記したような工程を経ることで、R−T−B系焼結磁石が製造されるわけであるが、ここで、上記したような磁場中成形工程で用いるのに好適な成形装置(磁場中成形装置)10について、図1〜図5を用いて説明する。
図1〜図3に示すように、成形装置10は、臼型11と下パンチ12とによって形成される臼型キャビティC内に合金粉末(磁性粉末)を充填し、臼型11と下パンチ12とによって形成される臼型キャビティC内にコイル15で磁場を印加しつつ、上パンチ13と下パンチ12で合金粉末を加圧することで磁場中成形を行い、成形体を形成するものである。
臼型11には、形成すべきR−T−B系焼結磁石の形状に応じた開口(孔)11aが形成されている。臼型11は、非磁性や弱磁性のステンレス等の鉄合金や超硬合金、あるいはこれらの組み合わせから形成するのが好ましい。
本実施の形態においては、多数個取りのため、開口11aが複数(2個)設けられている。
図2に示すように、下パンチ12は、臼型11の開口11aに対応した形状を有し、臼型11の開口11aに下方から挿入された状態とされている。この下パンチ12は、図示しない下ラムに支持され、この下ラムが図示しない油圧または空圧の駆動シリンダまたはカム等の駆動機構によって昇降駆動されることで、臼型11の開口11a内で、昇降可能とされている。
一方、上パンチ13は、臼型11の開口11aに対応した形状を有している。上パンチ13は、図示しない上ラムに支持され、この上ラムが図示しない油圧または空圧の駆動シリンダまたはカム等の駆動機構によって昇降駆動されることで、臼型11の開口11aに接近・離間する方向に昇降可能とされて、開口11aに上方から挿入可能とされている。
下パンチ12、上パンチ13は、非磁性や弱磁性のステンレス等の鉄合金や超硬合金、あるいはこれらの組み合わせによって形成することができる。
また、臼型11の上部には段部11bが形成され、この段部11bには、非磁性体16が設けられている。非磁性体16は、その上面16fが臼型11の上面11fと同一面となるように形成されている。この非磁性体16は、ステンレス等の鉄合金や超硬合金等の非磁性材料で形成されている。この非磁性体16は、フィーダテーブルを兼ねる、または、フィーダテーブルに連結されていても良い。
図3に示すように、コイル15は、臼型11の外周側に設けられている。コイル15は、図示しない電源から電流が供給されることで、臼型11の部分において、上パンチ13が昇降する方向(以下、これを加圧方向と称する)に直交した方向の磁界を発生する。本実施の形態においては、コイル15で発生した磁場は、複数の開口11aが並ぶ方向に印加される。
さらに、コイル15の内側には、強磁性体である鉄やダイス鋼等との組み合わせによって形成されたヨーク17が設けられている。
また、臼型11には、コイル15に対向する外側面(外側部)にヨーク18が一体に設けられている。本実施の形態において、ヨーク18は、その上端部18fが、非磁性体16の下面に当接するレベルに設定されている。上端部18fのレベルは、これに限るものではなく、適宜変更した構成とすることを許容する。ヨーク18は、ヨーク17と所定のギャップを隔てる外形寸法とされる。このようにして、コイル15と臼型11との間には、ヨーク17、18が介在した構成となっており、これらヨーク17、18により、コイル15で発生する磁束を臼型キャビティCに集中させる。
このようなヨーク18は、これにより、臼型11は、臼型11の外側部に、その上端部が臼型11の上面11fより所定寸法下方に位置するよう設けられている。これにより、非磁性体や弱磁性体からなる臼型11と、非磁性体16とによって、臼型11は、ヨーク18の上方を含み、その上部全体が非磁性体または弱磁性体で形成された構成となる。このようにして、ヨーク18は、非磁性体16によって原料供給機構の磁性粉末と隔てられるため、臼型キャビティCに、磁場を用いて磁性粉末を吸引することで磁性粉末を充填する場合や成形後にヨーク18に磁力が残っている場合においても、臼型11の上面11fに磁性粉末が吸着されるのを抑制でき、その結果、焼結後のバリ等の発生を抑制できる。
また、ヨーク18は、臼型11に一体化されることで、作製すべきR−T−B系焼結磁石のサイズに応じて臼型11を変更(交換)するときには、ヨーク18も自ずと同時に変更され、その変更が容易に行えるようになっている。
また、図4に示すように、臼型11に複数の開口11aが形成されている場合、互いに隣り合う開口11a、11a間に、中間ヨーク18Cを設けることもできる。この場合、中間ヨーク18Cは、その上端部18fが臼型11の上面11fと略同レベルとなるように設けても良いが、臼型11に段部11bが形成された部分と、中間ヨーク18Cの上端部18fとが略同レベルとなるように設けることが好ましい。
このような成形装置10において、臼型11およびヨーク18と、コイル15とは、コイル15で発生する磁場に直交する方向、つまり加圧方向に、相対的に移動可能とされている。本実施の形態においては、臼型11を、図示しない駆動機構によって昇降できるようにしている。
また、ヨーク18を備えた臼型11、下パンチ12、上パンチ13によって、いわゆる金型が構成され、この金型は、成形する成形体の種類に応じ、適宜交換できるようになっている。
また、成形装置10は、さらに、臼型キャビティCに合金粉末を供給する原料供給機構20を備える。原料供給機構20では、臼型キャビティCに、所定量の合金粉末を供給する。その供給量管理には、供給する合金粉末の重量を用いることもできるが、臼型キャビティCへの合金粉末の供給高さ(レベル)を用いるのが好ましい。その場合、合金粉末を臼型キャビティCに供給し、原料供給機構20に備えたすり切り機構により、供給した合金粉末を臼型11および非磁性体16の上面11f、16fですり切るようにする。このようにすり切ることで、キャビティ内部での合金粉末上面の平面度が上がり、位置精度を向上させることができる。
このような成形装置10において、合金粉末を磁場中成形するには、まず、図5(a)に示すように、下パンチ12を上昇させた状態で、原料供給機構20(図1参照)により、臼型キャビティCに合金粉末(磁性粉末)Pを供給する。
原料供給機構20により、合金粉末Pを所定量供給した、臼型キャビティCに供給した合金粉末Pを臼型11の上面11fのレベルですり切る。
この後、図5(b)に示すように、臼型11を、下パンチ12に対し、上方に移動させる。これにより、臼型キャビティCに充填された合金粉末Pの上面が、ヨーク18の上端部18fよりも下方に位置する状態となる。このとき、臼型11の移動量は、臼型キャビティCに充填された合金粉末Pの上面が、ヨーク18の上端部18fより5mm以上下方となるように設定するのが好ましく、さらにはヨーク18の上端部18fより5〜30mm下方となるように設定するのが好ましく、ヨーク18の上端部18fより10〜20mm下方となるように設定するのが特に好ましい。
この状態で、図5(c)に示すように、上パンチ13を下降させ、その先端部で、臼型キャビティC内の合金粉末Pの上方を塞ぐ。そして、コイル15で所定強度の磁界を発生し、臼型キャビティC内の合金粉末Pに対し磁場を印加し、合金粉末Pを所定の方向に配向させながら、図5(d)に示すように、上パンチ13を下降させて臼型キャビティC内の合金粉末Pを下パンチ12との間で挟み込み、所定の加圧力で加圧する。上パンチ13で臼型キャビティC内の合金粉末Pの上方を塞いだ後に磁界を印加することで、合金粉末Pの飛散を抑制できる。
以上のように臼型キャビティC内の合金粉末Pに対し磁場を印加しつつ加圧することで、所定形状、サイズを有した成形体が形成される。
加圧の完了後、臼型11を下降させて、下パンチ12の上面が臼型11の上面と略同レベルになるようにするとともに、上パンチ13を上昇、退避させ、成形体を臼型11から取り出し、磁場中成形工程を完了する。
上述したように、合金粉末Pを臼型11の上面11fまで充填した後、臼型キャビティC内の合金粉末Pに磁場を印加する段階では下パンチ12に対して臼型11を上方に移動させることで、合金粉末Pの上面レベルをヨーク18の上端部18fよりも下方となるようにした。図6に示すように、この状態で、ヨーク18はその上端部18fが臼型キャビティCに充填された合金粉末Pの上面よりも上方に位置しているため、コイル15で磁場を印加すると、臼型キャビティCの合金粉末Pに対して平行度の高い磁力線を作用させることができる。その結果、合金粉末Pの配向性が高まり、得られる焼結磁石の磁気特性を高めることが可能となる。しかも、このような効果が得られる成形装置10は、臼型11を上下動させるのみでよいので、複雑な追加機構等が不要である。
さらに、ヨーク18は、臼型11と一体に設けるようにしたので、作製する焼結磁石のサイズ等に応じ、ヨークのみを交換する必要が無い。作製する焼結磁石のサイズ(種類)を変更する場合には、臼型11を交換することは従来から必須であり、この臼型11にヨーク18が一体に設けられていれば、ヨーク18も自ずと交換できるのである。これにより、ヨーク18のサイズを、作製する焼結磁石のサイズ(種類)に応じたものとし、臼型キャビティC中の合金粉末Pに高い強度の磁場を印加できる。
ストリップキャスト法により、28.0wt%Nd−4.5wt%Dy−1.0wt%B−0.5wt%Co−bal.Feの組成を有する合金をストリップキャスト法で作製し、水素吸排出により粗粉化させた後、ジェットミルで窒素ガスを用いて粉砕して平均粒径4μmの原料合金粉を得た。
この原料合金粉を、図1に示したような構成の成形装置10を用い、成形体を作製した。
臼型としては、図2に示した、ヨーク18を外側部に備えたタイプのもの(以下、タイプAと称する)と、図4に示した、ヨーク18を外側部と中間部に備えたタイプのもの(以下、タイプBと称する)を用いた。また、比較のため、図9に示した、従来のヨーク18を備えないタイプのもの(以下、タイプCと称する)を用いても成形を行った。なお、タイプA、B、Cいずれの臼型においても、非磁性体16の厚さは10mmとした。
そして、タイプA、B、Cいずれの臼型においても、最終的に得られる焼結磁石のサイズが、加圧方向の寸法(深さ):25mm、磁界方向の厚さ:5mm、加圧方向および磁界方向に直交する方向の幅:20mmの直方体状となるように臼型キャビティCの寸法を設定した。
成形装置10で成形体を形成するには、タイプA、B、Cそれぞれの臼型において、原料供給機構20で臼型の臼型キャビティCに合金粉末Pをすり切り充填した。
この後、表1に示す条件で、臼型キャビティC中の合金粉末Pに磁場を印加しつつ、加圧成形した。
すなわち、臼型キャビティC中の合金粉末Pに磁場を印加するに先立ち、臼型を、表1に示す寸法Lだけ上昇させた後、コイル15で所定強度の磁界を発生し、臼型キャビティC内の合金粉末Pに対し磁場を印加し、合金粉末Pを所定の方向に配向させながら、上パンチ13を下降させて合金粉末Pを所定の加圧力で加圧する。このとき、コイル15で発生させた磁界は1.5T、上パンチ13で加えた圧力は100MPaとした。
Figure 2006265574
上記のような各条件で得られた成形体は、真空中において1100℃で2時間保持することにより焼結し、さらにAr雰囲気中で850℃×1時間、600℃×1時間の時効処理を行った。
以上のようにして作製した希土類焼結磁石について、残留磁束密度Br、保持力Hcj、最大エネルギー積BHmaxを測定した。その結果を表1、図7に示す。表1に示す磁気特性は、希土類焼結磁石の成形時の圧力方向上部10mmを切り出した結果である。
まず、従来のヨーク18を備えないタイプCの臼型を用いた比較例1、2を較べると、磁場を印加するときに臼型を上昇させても、残留磁束密度Br、保持力Hcj、最大エネルギー積BHmaxともに変化がほとんどないことがわかる。
これに対し、ヨーク18を外側部に備えたタイプAの臼型を用いた比較例3と実施例1、ヨーク18を外側部と中間部に備えたタイプBの臼型を用いた比較例4と実施例4をそれぞれ較べると、磁場を印加するときに臼型を上昇させることで、残留磁束密度Brおよび最大エネルギー積BHmaxが向上していることがわかる。このとき、臼型を上昇させることで、臼型キャビティCに充填された合金粉末Pの上面が、ヨーク18の上端部18fより5mm以上下方、さらには10mm以上下方となるようにすることで、残留磁束密度Brおよび最大エネルギー積BHmaxが高まることが確認された。(表1における合金粉末Pの上面とヨーク上端部とのレベル差の寸法「−10mm」は、合金粉末Pの上面が臼型11の上面11fと同レベルにあることを示す。)
これにより、ヨーク18を備えない非磁性または弱磁性の臼型を磁場に対して移動させても、臼型キャビティC中の合金粉末Pに印加される磁場の磁力線の平行度はほとんど影響を受けないのに対し、ヨーク18を備えた臼型の場合、臼型を磁場に対して移動させることで、臼型キャビティC中の合金粉末Pに作用する磁力線の平行度が改善されていることがわかる。
さらに、ヨーク18を外側部に備えたタイプAの臼型を用いた実施例1〜3、ヨーク18を外側部と中間部に備えたタイプBの臼型を用いた実施例4〜6においては、それぞれ、臼型キャビティCに充填された合金粉末Pの上面のレベルをヨーク18の上端部18fより下方にするほど、残留磁束密度Brおよび最大エネルギー積BHmaxが向上する傾向にある。これは、臼型が移動し、ヨーク18の中心部側に合金粉末Pが近づくほど、磁力線の平行度が高まるからである。ただし、臼型キャビティCに充填された合金粉末Pの上面のレベルがヨーク18の上端部18fより10mm以上下方となると、残留磁束密度Brおよび最大エネルギー積BHmaxは飽和状態となっている。これは、ヨーク18の十分に内方に合金粉末Pが位置すると、磁力線がほぼ完全に平行な状態となり、配向性の向上が飽和状態となるためと思われる。
また、ヨーク18を外側部に備えたタイプAの臼型を用いた実施例1〜3、ヨーク18を外側部と中間部に備えたタイプBの臼型を用いた実施例4〜6において、保磁力Hcjはほぼ同等である。
このようにして、ヨーク18を備えた臼型を、磁場配向時に臼型キャビティC中の合金粉末Pの上面レベルよりも上方に位置させることで、配向性が高まり、磁気特性が向上することが確認された。
本実施の形態における磁場中成形装置の構成を示す概略図である。 磁場中成形装置の金型構造を示す縦断面図である。 図2の平面図である。 磁場中成形装置の他の金型構造の例を示す縦断面図である。 磁場中成形を行う過程を示す図である。 磁場を印加したときの磁力線の状態を示す図である。 合金粉末の上面のレベルとヨークの上端部とのレベル差と、残留磁束密度との関係を示す図である。 従来の磁場中成形装置の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は金型部分の断面図である。 多数個取りの場合の磁場中成形装置の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は金型部分の断面図である。
符号の説明
10…成形装置(磁場中成形装置)、11…臼型、11a…開口(孔)、11f…上面、12…下パンチ、13…上パンチ、15…コイル、16…非磁性体、18…ヨーク、18C…中間ヨーク、18f…上端部、C…臼型キャビティ、P…合金粉末(磁性粉末)

Claims (10)

  1. 外側部に強磁性体からなるヨークが設けられ、前記ヨークの上方を含み、その上部全体が非磁性体または弱磁性体で形成された臼型の臼型キャビティに磁性粉末を充填する工程と、
    前記臼型キャビティに充填された磁性粉末の上面レベルが、前記ヨーク上面よりも下方に位置する状態で、前記臼型キャビティ内の前記磁性粉末を、加圧方向に直交する方向の磁場を印加しつつ加圧することで成形体を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。
  2. 前記磁性粉末を充填する工程では、前記磁性粉末を前記臼型の上面に沿ってすり切り充填し、
    前記成形体を形成する工程では、前記臼型と前記臼型キャビティ底面を形成する下パンチとを前記加圧方向に沿って相対移動させることで、前記臼型キャビティに充填された磁性粉末の上面レベルが前記ヨーク上面よりも下方に位置する状態とすることを特徴とする請求項1に記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  3. 前記臼型および/または前記下パンチを、前記臼型キャビティに充填された前記磁性粉末が、前記ヨークを通る磁場の中心に近づくように移動させることを特徴とする請求項2に記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  4. 前記成形体を形成する工程では、前記臼型キャビティに充填された磁性粉末の上面レベルが、前記ヨーク上面よりも5mm以上下方に位置する状態とすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  5. 成形すべき成形体の形状に応じた孔を有し、前記孔の上端まで磁性粉末が充填される臼型と、
    前記臼型の前記孔内に位置した下パンチと、
    前記臼型の前記孔に上側から挿入され、前記孔内で前記下パンチと対向するよう昇降可能に設けられた上パンチと、
    前記臼型の前記孔内に充填される前記磁性粉末に磁場を印加するコイルと、
    前記コイルと前記臼型の間に位置し、前記臼型の外側部に、その上端部が前記臼型の上面より所定寸法下方に位置するよう設けられたヨークと、
    前記ヨークと前記下パンチとを上下方向に相対移動させ、前記孔内に充填された前記磁性粉末の上面レベルを、前記ヨークの上端よりも下方に位置させる駆動機構と、
    を備えることを特徴とする磁場中成形装置。
  6. 前記ヨークは前記臼型と一体に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の磁場中成形装置。
  7. 前記臼型には、前記孔が複数形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の磁場中成形装置。
  8. 複数の前記孔は、前記コイルで印加する磁場方向に沿って、間隔を隔てて形成されていることを特徴とする請求項7に記載の磁場中成形装置。
  9. 希土類焼結磁石を製造するに際し、焼結に先立ち磁性粉末を磁場中成形するときに用いる金型であって、
    所定形状の孔を有し、非磁性体または弱磁性体で形成された臼型と、
    強磁性体からなり、上端部が前記臼型の上面より所定寸法下方に位置するよう、前記臼型の外側部に一体に設けられたヨークと、
    前記臼型の前記孔内に位置する下パンチと、
    前記臼型の前記孔に上側から挿入され、前記孔内で前記下パンチと対向するよう配置される上パンチと、を備え、
    前記臼型と前記下パンチが、前記孔の連続する方向に沿って相対移動可能とされていることを特徴とする金型。
  10. 前記臼型に前記孔が複数形成され、複数の前記孔の中間部に中間ヨークが設けられていることを特徴とする請求項9に記載の金型。
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